説明

スライド式の多芯筆記具

【課題】スライド式の多芯筆記具に、筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より突出した状態で衣類のポケット等へ挿着しようとした際にクリップが持ち上がることで、自動的に筆記先端部が軸筒の先端開口部に没入する安全機構を設ける。
【解決手段】クリップ3の内側に係止壁部11を設ける。後軸2(軸筒)内に、係止壁部11に係止可能な係止突起22と、摺動体19を収容する複数の摺動溝24を有した解除体26を、コイルスプリング31により後軸2の前方向に付勢して設ける。係止突起22を後軸2の側部2aに形成した係止孔27より突出させて摺動体19を摺動溝24に収容する。ボールペン体12(筆記体)の先端部が突出した際に、係止突起22が係止壁部11に当接し、クリップ3の先端が後軸2の側部2aから離間して前記係止が解除すると、解除体26およびボールペン体12が後退するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より突出した状態で衣類のポケット等へ挿着しようとした際に、自動的に筆記先端部が軸筒の先端開口部に没入する安全機構が付いたスライド式の多芯筆記具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、軸筒内に、ばねにより軸筒の後側方向に付勢し、軸筒の側部に形成した軸心方向に延びたスライド孔より外方に突出した操作部を有した複数の摺動体を軸筒に対して前後に摺動可能に収容し、各摺動体に筆記体を着脱自在に連接し、操作部を軸筒の前側方向にスライドして摺動体を前進させることで、筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部から突出してその状態を維持し、他の操作部を軸筒の前側方向にスライドして他の摺動体を前進することで、前記筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部に没入するスライド式の多芯筆記具については良く知られている。
【0003】
前記スライド式の多芯筆記具においては、軸筒内に収容した筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より突出した状態で衣類のポケット等へ挿着してしまい、布地を汚してしまうことがままあり、筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より突出した状態で、衣類のポケット等へ挿着しようとした際に、自動的に筆記先端部が軸筒の先端開口部に没入する安全機構が付いたものが提案されている。
【0004】
先の技術として、クリップの内側に軸筒内に没入する係止突起を設け、軸筒内に常時上方へのバネ圧を付与される解除レバ−と複数の芯取付用ノックを配置し、解除レバ−の上部とノックの上部に上下方向において交錯関係を持つようにしてそれぞれ内方突部を設けると共に、解除レバ−の下部に設けた従動突部とノックの下部に設けた作用突部を上下方向において交錯関係を持つようになし、解除レバ−に、その下降端においてクリップの係止突起が嵌合する係止孔を形成した構造が、特許第4201292号公報により開示されている。
【0005】
前記構造では、筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より突出させる際は、ノック(摺動体)7と解除レバー15を押し下げることになるが、ノック(摺動体)7の復帰スプリング9のばね圧による上方への付与だけでなく、解除レバー15も復帰スプリング18のばね圧で上方へ付与されているので、従来のスライド式の多芯筆記具と比べて操作が重くなるという問題がある。また、筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より突出した状態から没入させる際は、復帰スプリング9によりノック7と復帰スプリング18により解除レバ−15が同時に押し上げられるので、ノック7と解除レバ−15の軸筒1への衝接音が大きくなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4201292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前記事実に鑑みてなされたもので、軸筒内に、ばねにより軸筒の後側方向に付勢し、軸筒の側部に形成した軸心方向に延びたスライド孔より外方に突出した操作部を有した複数の摺動体を軸筒に対して前後に摺動可能に収容し、各摺動体に筆記体を着脱自在に連接し、操作部を軸筒の前側方向にスライドして摺動体を前進させることで、筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部から突出してその状態を維持し、他の操作部を軸筒の前側方向にスライドして他の摺動体を前進することで、前記筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部に没入するスライド式の多芯筆記具において、筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より突出した状態で衣類のポケット等へ挿着しようとした際にクリップ先端が持ち上がることで、自動的に筆記先端部が軸筒の先端開口部に没入する安全機構を、操作部の前方へのへスライド操作が従来の安全機構を有さないものに比べて重くならず、かつ筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部が没入する際に生じる、部材間が衝接することによる衝接音を従来の安全機構を有さないものに比べて遜色がないように設けることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
「軸筒の側部に設けたクリップの内側に軸筒の側部に向かって突出した係止壁部を設け、クリップの対向した軸筒の側部に係止孔を設け、クリップの対向した軸筒内に、係止壁部に係止可能な係止突起を有した解除部と、摺動体を収容する複数の摺動溝を有したケース部とで構成した解除体を、ばねにより軸筒の前側方向に付勢し、係止突起を係止孔より外方に突出してクリップの係止壁部より軸筒の前方側に位置させて、軸筒に対して前後動可能に設け、一方の側部に操作部を有し、対向した他方の側部に軸心方向に並べて形成した第1係止突部と傾斜面を形成した第2係止突部を有し、ばねにより軸筒の後側方向に付勢した摺動体を、操作部を軸筒の側部に形成した軸心方向に延びたスライド孔より外方に突出して、解除体の各々の摺動溝に摺動可能に収容し、各摺動体に筆記体を着脱自在に連接し、操作部を軸筒の前側方向にスライドして摺動体を解除体に対して前進させ、摺動体の後端部がケース部の前端部に係止するとともに、解除体を後方に押圧し、解除体の係止突起がクリップの係止壁部に当接して、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部から突出した状態を維持し、他の操作部を軸筒の前側方向にスライドして摺動体を前進させることで、またはクリップ先端が持ち上がり解除体の係止突起が係止壁部との係止が解除され解除体が後退して摺動体が後退することで、摺動体の第1係止突部が他の摺動体の第2係止突部の傾斜面と当接して摺動体の後端部のケース部の前端部への係止が解除され、摺動体が摺動溝の元の位置に復帰し、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部に没入することを特徴とするスライド式の多芯筆記具。」
である。
【0009】
本発明において前記クリップの内側に設ける係止壁部は、クリップの先端部の内側に設けた、いわゆる玉部と言われている軸筒の側部に向かって突出した突部に形成しても良いし、クリップの内側に係止壁部を設けても良い。
【0010】
前記クリップの内側に形成した係止壁部は、一部をクリップの対向した軸筒の側部に形成した係止孔に挿入するように設けて、係止壁部と軸筒内に設けた解除体の解除部の係止突起とが係止するようにしても良いし、あるいは係止壁部の先端が軸筒の側部の表面より離間して位置するように設け、係止突起を係止孔より外方に突出させて係止壁部と係止突起とが当接するように設けても良い。
【0011】
本発明において筆記体とは、インキ収容筒内に油性、水性またはゲル状の筆記用インキを収容してなるボールペン体や、芯タンク内に鉛芯を収容してなるシャープペンシル体等のことである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は前記したような構造なので、構造が複雑とならずかつ組立ても煩雑とならなずに、筆記先端部を軸筒の先端開口部より突出した状態で衣類のポケット等へ挿着しようとした際には、自動的に筆記先端部が軸筒の先端開口部に没入する安全機構を付加したスライド式の多芯筆記具を得ることができた。
【0013】
また、解除部をばねにより軸筒の後側方向に付勢していないので、筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より突出するための操作部の軸筒の前側方向へのスライド操作が、従来のスライド式の多芯筆記具における摺動体の操作より重くなることがなく、また、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部から突出した状態から没入する際は、従来のスライド式の多芯筆記具の構造と同様に、解除体も若干後退するがばねによる軸筒の後側方向への付勢はされていないので、摺動体のみがばねにより軸筒の後側方向に付勢されているので、部材同士の衝接による衝接音は従来の安全機構を有さないものと同様の大きさですむ。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のスライド式の多芯筆記具の実施例を示す、スライド式の多芯筆記具の要部の縦断面図である。
【図2】図1におけるA−A線部分の拡大端面図である。
【図3】図1におけるB−B線部分の拡大端面図である。
【図4】図1におけるC−C線部分の拡大端面図である。
【図5】図2におけるD−E線部分を切断して平面に展開した状態を示した、スライド式の多芯筆記具の要部の縦断面図である。
【図6】図1における解除体の拡大斜視図である。
【図7】図6における解除体を下側から見た状態を示す、解除体の拡大斜視図である。
【図8】図1において、摺動体を筆記体側の前方にスライドして、筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部から突出して維持した状態を示す、スライド式の多芯筆記具の要部の縦断面図である。
【図9】図5において、一方の摺動体を前進させた状態を示した、スライド式の多芯筆記具の要部の縦断面図である。
【図10】図8において、クリップの先端を持ち上げた状態を示す、スライド式の多芯筆記具の要部の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、軸筒内に、ばねにより軸筒の後側方向に付勢し、軸筒の側部に形成した軸心方向に延びたスライド孔より外方に突出した操作部を有した複数の摺動体を軸筒に対して前後に摺動可能に収容し、各摺動体に筆記体を着脱自在に連接し、操作部を軸筒の前側方向にスライドして摺動体を前進させることで、筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部から突出してその状態を維持し、他の操作部を軸筒の前側方向にスライドして他の摺動体を前進することで、前記筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部に没入するスライド式の多芯筆記具において、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より突出した状態で衣類のポケット等へ挿着した際に、クリップ先端が軸筒の側部から離間して持ち上がると、自動的に筆記先端部が軸筒の先端開口部に没入する安全機構を設ける。
【実施例】
【0016】
本発明のスライド式の多芯筆記具の実施例を、図を用いて説明する。
本実施例のスライド式の多芯筆記具1は、図示していないが、軸筒を前軸と後軸を螺着により着脱自在に連結可能とした構成としてあり、便宜上、軸筒内にはインキ色の異なるボールペン体を3本収納した構造として説明するが、ボールペン体を2本、シャープペンシル体を1本収容した構造でも良いし、ボールペン体を2本収納した構造でも良く、ボールペン体やシャープペンシル体の数は、本実施例により限定されるものではない。
【0017】
説明するにあたり、要部であるスライド式の多芯筆記具1の後軸(軸筒)2の部分を用いて説明する。本実施例のスライド式の多芯筆記具1は、図1に示すように、後軸2の側部2aにクリップ3を、後軸2に一体に形成した主柱4に回転軸部5を設けて、クリップ3の後端部の両側壁3aに設けた回転軸受け凹部6に係合して、クリップ先端部3bが後軸2の側部2aに対して離間/当接するように回動可能に付設してある。また、後軸2の側部2aにクリップ3側に向かって延びる突起部7を、クリップ3の内壁に後軸2の側部2a側に向かって延びる突起部8を設け、両端を前記突起部7、8に嵌合してコイルスプリング9を配設して、クリップ先端部3bが後軸2の側部2a側に付勢するようにしてある。
【0018】
クリップ先端部3bの内側には、従来のクリップに見られるように、衣類のポケット等へ挿着した際にポケットの布地等を軸筒と挟持するための後軸2の側部2aに向かって突出したいわゆる玉部と言われている突部10が平行に2列並べて設けてあり、玉部10の間に後軸2の側部2aに向かって突出した係止壁部11を設けてある。
【0019】
後軸2の内部には、従来のスライド式の多芯筆記具と同様に、軸筒内に収容したボールペン体12の周方向へ移動しないように保持するためのスリーブ13を後軸2に固定して設けてある。後軸2の先端部2bには、前軸(図示せず)に形成した雄ねじ部にねじ嵌合する雌ねじ部14を設けてあり、前軸と着脱自在に連結可能としてある。また、後軸2の側部2aには、クリップ3が取付けられた後軸2の側部2aと反対側の側部2aと、その側部の周方向において両側に90度ずれた位置の側部に軸心方向に延びたスライド孔15を形成してある。
【0020】
従来のスライド式の多芯筆記具と同様に、側部より突出した操作部16と、該操作部16と反対側の側部より突出した第1係止突部17と、該第1係止突部17より前方(図において左側方向)の位置の側部より突出した第2係止部18とを設けた摺動体19を、操作部16の一部をスライド孔15より突出させ、コイルスプリング20により後軸2の後側方向(図において右側方向)に付勢し、各々のスライド孔15に対し前後に摺動可能に後軸2内に収容してある。各摺動体19には、インキ色の異なるボールペン体12a、12b、12cを着脱自在に連接してあり、ボールペン体12a、12b、12cを前記スリーブ13に設けた各々の挿通孔21に挿通して、ボールペン体12を軸筒内(後軸2内)に、クリップ3が取付けられた後軸2の側部2aと反対側の側部2a側と、その側部の周方向において両側に90度ずれた位置の側部側に位置させて収容してある(図2を参照)。
【0021】
また、後軸2内には、図6および図7に示すような、前記のクリップ3の係止壁部11に係止可能な係止突起22を有した解除部23と、前記摺動体19を収容するスライド孔15に対応して設けた前後に貫通した摺動溝24を有した摺動ケース部25とで構成した解除体26を、係止突起22をクリップ3の対向した後軸2の側部2aに設けた係止孔27より外方に突出させて配設してある。符号28は、後軸2の内壁面に当接して解除体26が後軸2内でがたつかないようにするための固定脚部である。前記係止孔27は、後軸2の側部2aを凹部状に切り欠いて、その側部に設けてある(図2を参照)。
【0022】
解除体26は、閉塞した後軸2の後端内壁面2cに解除体26に向かって突出したばね固定部29と、解除体26の後端に前記ばね固定部29に向かって突出したばね固定部30に両端を嵌合して張架したコイルスプリング31により後軸2の前側方向に付勢して、かつ前記係止突起22をクリップ3の係止壁部11より前方(図1において左側方向)に位置するように、かつ後軸2内を後方に移動可能に配設してある。解除部23の前端部23aは、前記スリーブ13に設けた保持孔32に挿入し、周方向に回動しないようにしてある。
【0023】
解除体26のケース部25の各摺動溝24には、各摺動体19を前後に摺動可能に収容し(図3を参照)、後軸2の後端部2dに形成したストッパー用突部33を各摺動溝24の後端部内に挿入し(図4を参照)、各摺動体19の後端部には当接突部34を設けてストッパー用突部33に当接させて、摺動体19が摺動溝24に対して後方へ移動できないようにしてある。
【0024】
この時の摺動体19の他の摺動体の係わり状態は、図2においてD−E線部分を切断して平面に展開した状態を示す図5に示すように、従来のスライド式の多芯筆記具と場合と同様である。
【0025】
動作について説明すると、従来のスライド式の多芯筆記具と同様に、使用したい色のボールペン体12の筆記先端部を軸筒の開口先端部より突出させるために、図8に示すように、例えばボールペン体12aの操作部16aを後軸2の先端部2b方向にスライド孔15および摺動溝24に沿って摺動体19aを前進させると、摺動体19aは摺動溝24から離脱するとともに内側に移動して、摺動体19aの後端面35が解除体26のケース部25の前端面36と係止する。摺動体19aはコイルスプリング20により後方に付勢されているので、ケース部25を介して解除体26は後退し、係止突起22がクリップ3の係止壁部11に衝接し、解除体26、摺動体19aの後退は阻止され、図示していないがボールペン体12aの筆記先端部は軸筒の先端開口部より突出した状態で維持される。
【0026】
この時の摺動体19aの他の摺動体19bの係わり状態は、図9に示すように、摺動体19aの第1係止突部17は他の摺動体19bの第2係止突部18の前方に位置する。
【0027】
筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より突出した状態で衣類のポケット等へ挿着しようとしてクリップ先端3bが持ち上がると、図10に示すように、解除体26の係止突起22がクリップ3の係止壁部11との係止が解除され、解除体26および摺動体19aは後退可能となり、図9に示すように、他の摺動体19bは後軸2の後端部2dに形成したストッパー用突部33が各摺動体19の後端部に形成した当接突部34が当接しているので後退せず、摺動体19aの第1係止突部17が他の摺動体19bの第2係止突部18の傾斜面37に当接して外側方向に押圧され、摺動体19aの後端面35と解除体26のケース部25の前端面36との係止が解除され、摺動体19aは元の位置に復帰し、ボールペン体12aの筆記先端部は軸筒の開口先端部に没入する。
【0028】
従来のスライド式の多芯筆記具と同様に、他の摺動体19bを軸筒の先端開口部方向にスライドして前進させても、他の摺動体の第2係止突部18の傾斜面37が摺動体19aの第1係止突部17に当接し、摺動体19aは外側方向に押圧され、摺動体19aの後端面35と解除体26のケース部25の前端面36との係止が解除され、摺動体19aは元の位置に復帰し、ボールペン体12aの筆記先端部は軸筒の開口先端部に没入する。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、軸筒内に収容した複数の筆記体を、軸筒の側部に形成したスライド孔より突出した操作部をスライドして前進させることで筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部から突出した状態に維持し、他の操作部を軸筒の先端開口部方向にスライドして他の摺動体を前進することで前記筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部に没入するスライド式の多芯筆記具において、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より突出した状態で衣類のポケット等へ挿着した際に、自動的に筆記先端部が軸筒の先端開口部に没入するようにしたい場合に用いることができ、筆記体に代えてねじ回し等を軸筒内に収容したの工具類等にも適用できる。
【符号の説明】
【0030】
1 スライド式の多芯筆記具
2 後軸、2a 側部
3 クリップ
11 係止壁部
12 ボールペン体(筆記体)
15 スライド孔
16 操作部
17 第1係止突部
18 第2係止突部
19 摺動体
20 コイルスプリング
22 係止突起
23 解除部
24 摺動溝
25 ケース部
26 解除体
27 係止孔
31 コイルスプリング
35 後端面
36 前端面
37 傾斜面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸筒の側部に設けたクリップの内側に軸筒の側部に向かって突出した係止壁部を設け、クリップの対向した軸筒の側部に係止孔を設け、クリップの対向した軸筒内に、係止壁部に係止可能な係止突起を有した解除部と、摺動体を収容する複数の摺動溝を有したケース部とで構成した解除体を、ばねにより軸筒の前側方向に付勢し、係止突起を係止孔より外方に突出してクリップの係止壁部より軸筒の前方側に位置させて、軸筒に対して前後動可能に設け、一方の側部に操作部を有し、対向した他方の側部に軸心方向に並べて形成した第1係止突部と傾斜面を形成した第2係止突部を有し、ばねにより軸筒の後側方向に付勢した摺動体を、操作部を軸筒の側部に形成した軸心方向に延びたスライド孔より外方に突出して、解除体の各々の摺動溝に摺動可能に収容し、各摺動体に筆記体を着脱自在に連接し、操作部を軸筒の前側方向にスライドして摺動体を解除体に対して前進させ、摺動体の後端部がケース部の前端部に係止するとともに、解除体を後方に押圧し、解除体の係止突起がクリップの係止壁部に当接して、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部から突出した状態を維持し、他の操作部を軸筒の前側方向にスライドして摺動体を前進させることで、またはクリップ先端が持ち上がり解除体の係止突起が係止壁部との係止が解除され解除体が後退して摺動体が後退することで、摺動体の第1係止突部が他の摺動体の第2係止突部の傾斜面と当接して摺動体の後端部のケース部の前端部への係止が解除され、摺動体が摺動溝の元の位置に復帰し、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部に没入することを特徴とするスライド式の多芯筆記具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−161977(P2012−161977A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23630(P2011−23630)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【出願人】(303022891)株式会社パイロットコーポレーション (647)
【Fターム(参考)】