スラグドラッガ
【課題】伸縮式スラグ掻き出し装置を旋回フレームに取付けてスラグドラッガを構成する場合、転倒の虞がなく、上部旋回体のメインフレームの製造も容易となるスラグドラッガを提供する。
【解決手段】上部旋回体のメインフレーム16を、下部フレーム16aと、中間フレーム16bと、上部フレーム16c,16dとにより構成する。下部フレーム16aは、旋回装置に取付ける底板部17および底板部17上に溶接した左右の縦板部18とを有する。中間フレーム16bは、下部フレーム16aの左右の縦板部18にそれぞれ溶接される縦板部25を有する。上部フレーム16c,16dは、中間フレーム16b上の各縦板部25上にそれぞれ溶接する。上部フレーム16c,16dはスラグ掻き出し装置11を取付けるピン孔27c,30cを有する。
【解決手段】上部旋回体のメインフレーム16を、下部フレーム16aと、中間フレーム16bと、上部フレーム16c,16dとにより構成する。下部フレーム16aは、旋回装置に取付ける底板部17および底板部17上に溶接した左右の縦板部18とを有する。中間フレーム16bは、下部フレーム16aの左右の縦板部18にそれぞれ溶接される縦板部25を有する。上部フレーム16c,16dは、中間フレーム16b上の各縦板部25上にそれぞれ溶接する。上部フレーム16c,16dはスラグ掻き出し装置11を取付けるピン孔27c,30cを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下部走行体上に旋回装置を介して上部旋回体を設置し、上部旋回体にスラグの掻き出し装置を取付けたスラグドラッガに係わり、特にその上部旋回体のメインフレームの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
炉内のアルミニウムや鉄その他の溶融金属の表面に浮いた不純物(スラグ)を掻き出す際には、例えば特許文献1に示すようなスラグドラッガが用いられる。この特許文献1に記載のスラグドラッガは、走行台車上に旋回装置を介して旋回体を取付け、この旋回体に傾動可能に掻き出しアームを取付け、この掻き出しアームの先端に掻き出し板を取付けたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−264673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のスラグドラッガは、スラグドラッガ専用の走行台車、旋回装置、旋回体の構成を有する。このような専用の走行台車、旋回装置等を用いるのではなく、油圧ショベル等の既存の建設機械の下部走行体、旋回装置、上部旋回体を転用し、上部旋回体に伸縮式のスラグの掻き出し装置を搭載してスラグドラッガを構成することが可能となれば、比較的容易にスラグドラッガが提供可能となる。
【0005】
ここで、従来の標準の建設機械における上部旋回体のメインフレームは、図16に符号80で示す構造を有し、比較的軽量なものであり、このメインフレーム80の後部にカウンタウエイト81を搭載したものである。このカウンタウエイト81を用いた構造は、フロント作業装置(図示せず)による転倒モーメントを打ち消すための安定モーメントを効率良く得るために用いられる。このメインフレーム80は、前半部80aと後半部80bとを溶接して構成される。メインフレーム80の前半部80a、後半部80bは、それぞれ底板部82,83と、これらの底板部82,83上にそれぞれ左右2列に並べた溶接した縦板部84,85と、これらの各縦板部84,85上に溶接したリブ86,87とを有する。前半部80aの左右の縦板部84の頂部には、フロント作業装置を取付けるためのピン孔88を有し、前端部にはフロント作業装置を起伏させる油圧シリンダ(図示せず)を取付けるためのピン孔89を有する。
【0006】
なお、一例としてメインフレーム80の前半部80aの重量をAとすると、後半部80bの重量Bは0.6A、カウンタウエイト81の重量Cは前半部の重量Aの約5倍(C≒5A)である。また、旋回中心Oからカウンタウエイト81の後端までの距離L1に対し、旋回中心Oから重心Gまでの前後方向の距離L2は約0.7倍(L2≒0.7×L1)である。
【0007】
このような従来の標準機のメインフレーム80を用い、ピン孔88にスラグ掻き出し用の伸縮アームを取付け、ピン孔89にこの伸縮アームの傾斜角を調整するための油圧シリンダを取付けてスラグドラッガを構成することが考えられる。しかしながらこのような従来の標準機に用いられるメインフレーム80を用いてスラグドラッガを構成すると、次のような問題が生じる。
【0008】
スラグ掻き出し装置のように、前後に長いストロークを持つ伸縮アームは、その重心位置がアーム伸縮に伴って前後に大きく動く。このため、図16に示したようなカウンタウエイト81にフロント作業装置との重量バランスを依存したメインフレーム80に伸縮アームを取付けてスラグドラッガを構成すると、伸縮アームが収縮した状態ではスラグドラッガが後方転倒を起こす可能性がある。
【0009】
また、スラグドラッガを構成する場合、スラグ掻き出し板の高さをスラグの高さに合わせるために、ピン孔89を利用して取付ける油圧シリンダにより、伸縮アームを傾動可能に取付ける必要がある。そして、伸縮アームはストロークが長いため、この長いストロークの伸縮アームの傾斜角を確保するためには、伸縮アームの取付け位置(図16の場合、ピン孔88の位置)を高い位置に設定する必要がある。
【0010】
ここで、図16のような左右の縦板部84のピン孔88,89は、メインフレーム80の完成後にドリルによりこれらのピン孔88,89を穿設している。しかしながら、スラグドラッガのようにピン孔88の位置が高い位置に設定されると、メインフレーム80の高さも大となり、これを横にして孔をドリル加工する際の加工作業が困難となる。また、メインフレーム80の完成後、底板82の底面には、旋回輪を取付ける部分をフライス盤により削るザグリ加工を行なう必要があるが、メインフレーム80が大型になるため、このザグリ加工も困難となる。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑み、伸縮式スラグ掻き出し装置を旋回フレームに取付けてスラグドラッガを構成する場合、転倒の虞がなく、上部旋回体のメインフレームの製造も容易となるスラグドラッガを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1のスラグドラッガは、下部走行体上に旋回装置を介して上部旋回体を設置し、スラグ掻出板を先端に取付けた伸縮アームからなるスラグ掻き出し装置を前記上部旋回体のメインフレームに取付けて構成されるスラグドラッガにおいて、
上部旋回体を構成するメインフレームを、
旋回装置に取付ける底板部および前記底板部上に溶接した左右の第1の縦板部を有する下部フレームと、
前記下部フレームの第1の縦板部にそれぞれ溶接される第2の縦板部を有する中間フレームと、
前記中間フレームの第2の縦板部上にそれぞれ溶接され、前記伸縮アームを取付けるピン孔を備える縦板部を有する上部フレームとにより構成したことを特徴とする。
【0013】
請求項2のスラグドラッガは、請求項1のスラグドラッガにおいて、前記下部フレームの第1の縦板部および前記中間フレームの第2の縦板部は、それぞれボックス構造をなすことを特徴とする。
【0014】
請求項3のスラグドラッガは、請求項2に記載のスラグドラッガにおいて、
前記上部フレームは、前記中間フレームの第2の縦板部の前部上に溶接される前上部フレームと、前記中間フレームの第2の縦板部の後部上に溶接される後上部フレームとからなり、
前記前上部フレームと前記後上部フレームにそれぞれスラグ掻き出し装置取付け用のピン孔を設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載のスラグドラッガは、請求項3に記載のスラグドラッガにおいて、
前記前上部フレームおよび前記後上部フレームにそれぞれ前リンク、後リンクを枢着し、
前記前リンクと前記下部フレームとの間に前記スラグ掻き出し装置の上下位置調整用シリンダを取付け、
前記前リンクと前記後リンクとの間にスラグ掻き出し装置の傾斜角調整用シリンダを取付けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、上部旋回体のメインフレームを、下部フレームと中間フレームとピン孔を有する上部フレームとに分割したので、ピン孔を加工するフレームである上部フレームが小型に構成できるため、ピン孔の加工が容易となる。また、旋回装置を取付ける下部フレームも背高にならず、下部フレームを裏返しして底板部の底面に旋回装置取付け面をフライス盤によるザグリ加工する作業も容易に行なえ、加工性が向上する。
【0017】
また、メインフレームを分割構造としたので、背の高いメインフレームの構成が可能となる。このため、重いメインフレームの実現が可能となると共に、重心位置を旋回中心に近い位置に設定することが可能となり、ストロークの長い伸縮式スラグ掻き出し装置を有するスラグドラッガであっても、その転倒の虞を解消することができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、下部フレームおよび中間フレームの縦板部をボックス構造としたので、旋回フレームの強度を向上させることができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、上部フレームを前上部フレームと後上部フレームとに分割し、分割された各上部フレームにピン孔を加工する構造としたので、ピン孔の加工がさらに容易となる。
【0020】
請求項4の発明によれば、メインフレームを分割構造とし、背高のメインフレームを構成可能としたことを利用し、単に傾斜角調整用シリンダによりスラグ掻き出し装置の傾斜角度を調整するのみでなく、上下位置調整用シリンダによりスラグ掻き出し装置の上下位置も調整することができるようにしたので、スラグを入れた容器の高さや角度にスラグ掻き出し装置の高さ、傾斜度合を好適に対応させることができ、作業を能率よく行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のスラグドラッガの一実施の形態を示す側面図である。
【図2】本実施の形態のスラグドラッガの平面図である。
【図3】本実施の形態のスラグドラッガの正面図である。
【図4】この実施の形態の上部旋回体のメインフレームの側面図である。
【図5】この実施の形態の上部旋回体のメインフレームの正面図である。
【図6】(A)、(B)、(C)はそれぞれこの実施の形態のメインフレームの下部フレームの平面図、側面図、正面図である。
【図7】(A)、(B)、(C)はそれぞれこの実施の形態のメインフレームの中間フの一部を示す平面図、側面図、正面図である。
【図8】(A)、(B)、(C)はそれぞれこの実施の形態のメインフレームの前上部フレームの一部を示す平面図、側面図、正面図である。
【図9】(A)、(B)はそれぞれこの実施の形態のメインフレームの後上部フレームの一部を示す平面図、側面図である。
【図10】(A)はこの実施の形態のスラグ掻き出し装置の平面図、(B)はその側面図である。
【図11】図10のスラグ掻き出し装置の中間部を示す拡大側面図である。
【図12】図10のスラグ掻き出し装置の後端部を示す拡大側面図である。
【図13】(A)はこの実施の形態のスラグ掻き出し装置の上下位置調整装置を示す側面図、(B)はその部分拡大図である。
【図14】この実施の形態のスラグ掻き出し装置の傾斜角調整装置を示す側面図である。
【図15】この実施の形態のスラグ掻き出し装置の伸長状態を示す側面図である。
【図16】従来の上部旋回体のメインフレームを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1ないし図3は本発明によるスラグドラッガの一実施の形態を示す。図1〜図3において、1はクローラ式下部走行体であり、この下部走行体1は、トラックフレーム2の左右にサイドフレーム2aを有し、これらのサイドフレーム2aの後端に走行モータ(図示せず)により駆動される駆動輪3を取付け、前端に従動輪4を取付け、駆動輪3と従動輪4に履帯5を掛け回して構成される。6はトラックフレーム2上に設置された旋回装置である。この旋回装置6の旋回輪6aに上部旋回体7がボルトにより固定される。11は上部旋回体7のメインフレーム16(図4、図5参照)に取付けられるスラグ掻き出し装置である。
【0023】
上部旋回体7上にはエンジン8、このエンジン8により駆動される油圧ポンプ9、スラグドラッガの本体(下部走行体1、旋回装置6、上部旋回体7を含む。)側の油圧アクチュエータのコントロール弁10a、スラグ掻き出し装置11の油圧アクチュエータのためのコントロール弁10b、燃料タンク12、作動油タンク13およびスラグ掻き出し装置11のための油圧ユニット14、運転室15およびこのスラグドラッガを遠隔操縦する場合に用いられる受信機およびコントローラを含むリモコン装置21等が搭載される。
【0024】
図4は上部旋回体7のメインフレームを示す側面図、図5はその正面図である。このメインフレーム16は、下部フレーム16aと、中間フレーム16bと、前上部フレーム16cと、後上部フレーム16dとからなる。これらの分割フレーム16a〜16dは溶接により一体化される。
【0025】
下部フレーム16aは、図6(A)の平面図、同(B)の側面図、同(C)の正面図に示すように、底板部17と、その上に溶接された左右の縦板部(第1の縦板部)18,18と、縦板部18,18との間にこれらの縦板部18,18および底板部17に溶接して設けた補強板19とを有する。左右の縦板部18はボックス構造をなす。すなわち各縦板部18は、2枚の縦板18a,18aと、その間に溶接された補強板18bと、縦板18aおよび補強板18bの上面に溶接された天板18cと、縦板18a,18aの前端部、後端部の開口部を塞ぐように溶接された端板18d,18eとを備える。前端板18d、後端板18eは、中間フレーム16bの前端、後端に溶接して固着強度を向上させるための上方への延出部18f,18gを有する。
【0026】
前端板18dには、スラグ掻き出し装置11の上下位置調整用シリンダ53(図3、図4、図13参照)を取付けるブラケット18hを溶接する。図6(A)において、22は旋回装置6の旋回輪6aに固定するためにザグリ加工を施す部分であり、23は旋回モータ24(図3参照)を取付ける取付け座である。この例では4台の旋回モータを設置する構成を示す。
【0027】
中間フレーム16bは、図4、図5に示すように、下部フレーム16aの左右の縦板部18,18上にそれぞれ載置して溶接するものである。図7(A)の平面図、同(B)の側面図、同(C)の平面図は中間フレーム16bの左右いずれか片側部分のみを示している。
【0028】
中間フレーム16bは、左右の縦板部(第2の縦板部)25によって構成されるものであり、各縦板部25は、2枚の縦板25a,25aと、これらの縦板25a,25a間に溶接された補強板25b,25bと、縦板25a,25aの前端、後端開口部を塞ぐ端板25c,25dとを備える。また、縦板25a,25aは前部、後部には上方に延出した延出部25e、25fを形成する。前方の延出部25e,25e間はその上面を塞ぐ天板25gが溶接され、後方の延出部25f,25f間はその上面を塞ぐ天板25hが溶接され、これらの延出部25e,25fの間の部分の上面はその部分を塞ぐU字形の天板25iが溶接される。このU字形の天板25iの前後端には上方への延出部25j,25kを形成する。これらの延出部25j,25kは、前上部フレーム16cの背面、後上部フレーム16dの前面をそれぞれ溶接して固着強度を高めるものである。
【0029】
前上部フレーム16cは、図4、図5に示すように、中間フレーム16bの左右の縦板部25,25の延出部25e上の天板25gと延出部25jにそれぞれ底面、背面を溶接して取付けるものである。これらの前上部フレーム16cは左右それぞれ1つずつ、合計2つ備えるが、図8(A)の平面図、同(B)の側面図、同(C)の正面図においては左右のいずれか片側部分のみを示している。
【0030】
前上部フレーム16cは、2枚の縦板27a,27aと、その間に溶接された補強板27bとからなる。縦板27a,27aにはそれぞれスラグ掻き出し装置11取付け用の前リンク28(図4参照)を取付けるピン29を挿着するピン孔27cを設ける。また、縦板27a,27aには、メンテナンス時にスラグ掻き出し装置11の落下を防止するピン(図示せず)を通すピン孔27dを設ける。
【0031】
後上部フレーム16dは、図4に示すように、中間フレーム16bの左右の縦板部25,25の延出部25f上の天板25hと延出部25kにそれぞれ前面、底面を溶接して取付けるものである。これらの後上部フレーム16dは左右それぞれ1つずつ、合計2つ備えるが、図9(A)の平面図、同(B)の側面図においては左右のいずれか片側部分のみを示している。
【0032】
後上部フレーム16dは、2枚の縦板30a,30aと、その後端間に溶接されたくの字形の補強板30bとからなる。縦板30a,30aにはそれぞれスラグ掻き出し装置11取付け用の後リンク31(図4参照)を取付けるピン32を挿着するピン孔30cを有する。また、縦板30a,30aには、メンテナンス時にスラグ掻き出し装置11の落下を防止するピン(図示せず)を通すピン孔30dを設ける。図4に示すように、後リンク31の回動範囲を制限するため、後リンク31にストッパ31aを突設し、縦板30a,30aには、このストッパ31aを当接させるピン33,34を挿着するピン孔30e,30fを設ける。
【0033】
図10(A)はスラグ掻き出し装置11の平面図、図10(B)はその側面図、図11、図12はその前部、後部の拡大側面図である。この実施の形態のスラグ掻き出し装置11は外筒11aと中間筒11bと内筒11cとを摺動可能に組み合わせて伸縮アームを構成したものである。外筒11aには図3、図4に示した前リンク28のピン孔28aに挿着するロッド35を設けると共に、ロッド35から後方に離れた位置に後リンク31との連結用のロッド36を設ける。このロッド36は、図13(B)に示すように、短いアーム37を回動可能に連結し、この短いアーム37を後リンク31のピン孔31aに挿着するピン38により連結するものである。
【0034】
図10、図11に示すように、外筒11aにはモータ39aにより回転されるピニオン39を外筒11aの両側から突出して設け、中間筒11bには、これらのピニオン39と噛合するラック40を設ける。したがって、図11において、ピニオン39を時計回りに回動させると、外筒11aに対して中間筒11bが前方に移動し、中間筒11bを伸長させることができる。反対に、ピニオン39を反時計回りに回動させると、中間筒11bが後方に移動し、中間筒11bを収縮させることができる。
【0035】
図12に示すように、中間筒11bの後端部の両側には、ピニオン41を回動可能に取付け、このピニオン41を、外筒11aの両側に設けたラック42に噛合させる。一方、中間筒11bの前方寄りの部分の両側には、図11に示すようにピニオン43を回動可能に取付け、このピニオン43を、内筒11cの両側に設けたラック44に噛合させる。また、ピニオン41,43の軸45,46にはそれぞれピニオン47,48が固定して取付けられ、これらのピニオン47,48にチェーン49が掛け回されている。
【0036】
したがって、図11において外筒11aに取付けたピニオン39をモータ39aにより時計回りに回動させると、中間筒11bが外筒11aに対して伸長し、これに連動して、図12に示すラック42に噛合するピニオン41も時計回りに回動する。このピニオン41と図11に示すピニオン43とはそれぞれ同軸に取付けられたピニオン47,48がチェーン49により連結されて同方向に回動するので、ピニオン41が時計周りに回動するとピニオン43も時計回りに回動し、ピニオン43と噛合するラック44を有する内筒11cも中間筒11bに対して伸長する。反対に、外筒11aに対して中間筒11bが収縮する際には、内筒11cも中間筒11bに対して収縮する。
【0037】
内筒11c内にはロッド11dが回動可能に内嵌されており、このロッド11dの先端にスラグ掻き出し板51が取付けられる。52は内筒11cの後端に設けたモータであり、このモータ52はロッド11dをその軸心を中心に回動させてスラグ掻き出し板51の向きを変えることができる。
【0038】
図3に示すように、このスラグ掻き出し装置11は、下部フレーム16aの左右の縦板部18,18間、左右の中間フレーム16b、16b間、左右の前上部フレーム16c、16c間、左右の後上部フレーム16d,16d間に上下動可能に挿入して装着され、左右の前リンク28,28および左右の後リンク31,31を介してメインフレーム16に支持される。
【0039】
図13(A)はスラグ掻き出し装置11の上下位置調整装置を示す側面図である。スラグ掻き出し装置11の上下位置調整用シリンダ53は、図4に示すように、一端を下部フレーム16aの前端に設けたブラケット18hにピン60により連結し、他端を前リンク28にピン61により連結する。前リンク28,31の上端間は、スラグ掻き出し装置11の傾斜角調整用シリンダ55の両端にピン56,57により連結する。
【0040】
図13(A)において、上下位置調整用シリンダ53を実線に示す収縮状態から、2点鎖線に示す伸長状態とすると、前上部フレーム16cにピン29により枢着されている前リンク28が2点鎖線で示すように時計回りに回動する。前リンク28は、スラグ掻き出し装置11の外筒11aのロッド35に連結されているから、スラグ掻き出し装置11の前部も前リンク28の回動につれて持ち上がる。また、後リンク31は前リンク28にシリンダ55により連結されているから、前リンク28の回動に伴い、後リンク31も時計回りに回動し、スラグ掻き出し装置11が全体として持ち上げられ、スラグ掻き出し板51の高さをスラグの高さに合わせることができる。ここで、スラグ掻き出し装置11の高さの調整は、図4に示すように、後リンク31のストッパ31aがピン34に当接する最低位置から、ストッパ31aがピン33に当接する最高位置の間に制限される。
【0041】
図14はスラグ掻き出し装置11の傾斜角を調整する装置を説明する側面図である。例えば実線で示すように、シリンダ55が伸長した状態にあり、スラグ掻き出し装置11の前端が下がった状態から、油圧シリンダ55を収縮させると、前リンク28が持ち上げられ、これに伴い、スラグ掻き出し装置11の前部が持ち上げられる。反対に、シリンダ55の伸長により、スラグ掻き出し装置11の前方が下がるように傾斜させることができる。
【0042】
図15はスラグ掻き出し装置11が最も伸長した状態を示す側面図であり、この例ではスラグ掻き出し装置11が上部旋回体7の前後方向の長さの3倍以上の長さに伸長されることを示している。
【0043】
本実施の形態においては、メインフレーム16を下部フレーム16aと中間フレーム16bと前上部フレーム16cと後上部フレーム16dとの分割構造としたことにより、図16に示した標準機におけるカウンタウエイト81を加えたメインフレーム80の重量(A+B+C)より、メインフレーム16の重量Dを、約5割程度増大させる(D=1.5×(A+B+C))ことが可能となった。また、図16に示した標準機の場合、旋回中心Oからカウンタウエイト81の後端までの距離L1に対し、旋回中心Oから重心Gまでの前後方向の距離L2は約0.7倍(L2≒0.7×L1)であったが、本実施の形態による場合、図4において、メインフレーム16の旋回中心Oから重心位置Gまでの距離L4は、旋回中心Oからメインフレーム16の後端までの距離L3に対し、約0.3倍(L4≒0.3×L3)と重心位置を旋回中心Oに近くすることが可能となった。
【0044】
また、本実施の形態による場合、標準機のピン孔88のメインフレーム80の底面からの高さに比較し、ピン孔27c,30cの高さを約2.7倍と高くすることが可能となった。
【0045】
このように、本実施の形態によれば、メインフレーム16を分割構造としたので、背の高いメインフレームの構成が可能となる。このため、前記のように、重いメインフレーム16の実現が可能となると共に、重心位置を旋回中心に近い位置に設定することが可能となり、ストロークの長い伸縮アームを有するスラグドラッガでありながら、その転倒を防止することができる。
【0046】
また、上部旋回体7のメインフレーム16を、下部フレーム16aと中間フレーム16bとピン孔27c,30cを有する上部フレーム16c,16dとに分割したので、ピン孔27c,30cを加工するフレームである上部フレーム16c,16dが小型に構成できるため、ピン孔27c,30cの加工が容易となる。
【0047】
また、旋回装置7を取付ける下部フレーム16aも背高にならず、下部フレーム16aを裏返しして底板部17の底面に旋回装置取付け面をフライス盤によるザグリ加工する作業も容易に行なえ、加工性が向上する。
【0048】
また、この実施の形態によれば、下部フレーム16aおよび中間フレーム16bの縦板部18,25をボックス構造としたので、メインフレーム16の強度を向上させることができる。
【0049】
また、本発明を実施する場合、上部フレームは左右それぞれ前後に一体のものとしてもよいが、この実施の形態においては、上部フレームを前上部フレーム16cと後上部フレーム16dとに分割し、分割された各上部フレーム16c,16dにピン孔27c,30cを加工する構造としたので、上部フレームがさらに小型化され、ピン孔27c,30cの加工がさらに容易となる。
【0050】
また、本実施の形態においては、メインフレーム16を分割構造とし、背高のメインフレーム16を構成可能としたことを利用し、単に傾斜角調整用シリンダ55によりスラグ掻き出し装置11の傾斜角度を調整するのみでなく、上下位置調整用シリンダ53によりスラグ掻き出し装置11の上下位置も調整することができるようにしたので、スラグを入れた容器の高さや角度にスラグ掻き出し装置11の高さ、傾斜度合を好適に対応させることができ、スプリング掻き出し作業を能率よく行なうことができる。
【符号の説明】
【0051】
1:下部走行体、2:トラックフレーム、2a:サイドフレーム、3:駆動輪、4:従動輪、5:履帯、6:旋回装置、6a:旋回輪、7:上部旋回体、8:エンジン、9:油圧ポンプ、10a,10b:コントロール弁、11:スラグ掻き出し装置、11a:外筒、11b:中間筒、11c:内筒、11d:ロッド、12:燃料タンク、13:作動油タンク、14:スラグ掻き出し装置用油圧ユニット、15:運転室、16:メインフレーム、16a:下部フレーム、16b:中間フレーム、16c:前上部フレーム、16d:後上部フレーム、17:底板部、18:第1の縦板部、18a:縦板、18b:補強板、18c:天板、18d,18e:端板、18f,18g:延出部、18h:ブラケット、19:補強板、21:リモコン装置、22:ザグリ加工部分、23:旋回モータ取付け座、24:旋回モータ、25:第2の縦板部、25a:縦板、25b:補強板、25c,25d:端板、25e,25f:延出部、25h,25i:天板、25j,25k:延出部、27a:縦板、27b:補強板、27c:ピン孔、28:リンク、29:ピン、30a:縦板、30b:補強板、30c:ピン孔、30d:ピン孔、30e,30f:ピン孔、31:後リンク、31a:ストッパ、32〜34:ピン、35:ロッド、36:ロッド、37:アーム、38:ピン孔、39:ピニオン、40:ラック、41:ピニオン、42:ラック、43:ピニオン、44:ラック、45,46:軸、47,48:ピニオン、49:チェーン、51:スラグ掻き出し板、52:モータ、53:上下位置調整用シリンダ、55:傾斜角調整用シリンダ、56,57:ピン、60,61:ピン
【技術分野】
【0001】
本発明は、下部走行体上に旋回装置を介して上部旋回体を設置し、上部旋回体にスラグの掻き出し装置を取付けたスラグドラッガに係わり、特にその上部旋回体のメインフレームの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
炉内のアルミニウムや鉄その他の溶融金属の表面に浮いた不純物(スラグ)を掻き出す際には、例えば特許文献1に示すようなスラグドラッガが用いられる。この特許文献1に記載のスラグドラッガは、走行台車上に旋回装置を介して旋回体を取付け、この旋回体に傾動可能に掻き出しアームを取付け、この掻き出しアームの先端に掻き出し板を取付けたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−264673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のスラグドラッガは、スラグドラッガ専用の走行台車、旋回装置、旋回体の構成を有する。このような専用の走行台車、旋回装置等を用いるのではなく、油圧ショベル等の既存の建設機械の下部走行体、旋回装置、上部旋回体を転用し、上部旋回体に伸縮式のスラグの掻き出し装置を搭載してスラグドラッガを構成することが可能となれば、比較的容易にスラグドラッガが提供可能となる。
【0005】
ここで、従来の標準の建設機械における上部旋回体のメインフレームは、図16に符号80で示す構造を有し、比較的軽量なものであり、このメインフレーム80の後部にカウンタウエイト81を搭載したものである。このカウンタウエイト81を用いた構造は、フロント作業装置(図示せず)による転倒モーメントを打ち消すための安定モーメントを効率良く得るために用いられる。このメインフレーム80は、前半部80aと後半部80bとを溶接して構成される。メインフレーム80の前半部80a、後半部80bは、それぞれ底板部82,83と、これらの底板部82,83上にそれぞれ左右2列に並べた溶接した縦板部84,85と、これらの各縦板部84,85上に溶接したリブ86,87とを有する。前半部80aの左右の縦板部84の頂部には、フロント作業装置を取付けるためのピン孔88を有し、前端部にはフロント作業装置を起伏させる油圧シリンダ(図示せず)を取付けるためのピン孔89を有する。
【0006】
なお、一例としてメインフレーム80の前半部80aの重量をAとすると、後半部80bの重量Bは0.6A、カウンタウエイト81の重量Cは前半部の重量Aの約5倍(C≒5A)である。また、旋回中心Oからカウンタウエイト81の後端までの距離L1に対し、旋回中心Oから重心Gまでの前後方向の距離L2は約0.7倍(L2≒0.7×L1)である。
【0007】
このような従来の標準機のメインフレーム80を用い、ピン孔88にスラグ掻き出し用の伸縮アームを取付け、ピン孔89にこの伸縮アームの傾斜角を調整するための油圧シリンダを取付けてスラグドラッガを構成することが考えられる。しかしながらこのような従来の標準機に用いられるメインフレーム80を用いてスラグドラッガを構成すると、次のような問題が生じる。
【0008】
スラグ掻き出し装置のように、前後に長いストロークを持つ伸縮アームは、その重心位置がアーム伸縮に伴って前後に大きく動く。このため、図16に示したようなカウンタウエイト81にフロント作業装置との重量バランスを依存したメインフレーム80に伸縮アームを取付けてスラグドラッガを構成すると、伸縮アームが収縮した状態ではスラグドラッガが後方転倒を起こす可能性がある。
【0009】
また、スラグドラッガを構成する場合、スラグ掻き出し板の高さをスラグの高さに合わせるために、ピン孔89を利用して取付ける油圧シリンダにより、伸縮アームを傾動可能に取付ける必要がある。そして、伸縮アームはストロークが長いため、この長いストロークの伸縮アームの傾斜角を確保するためには、伸縮アームの取付け位置(図16の場合、ピン孔88の位置)を高い位置に設定する必要がある。
【0010】
ここで、図16のような左右の縦板部84のピン孔88,89は、メインフレーム80の完成後にドリルによりこれらのピン孔88,89を穿設している。しかしながら、スラグドラッガのようにピン孔88の位置が高い位置に設定されると、メインフレーム80の高さも大となり、これを横にして孔をドリル加工する際の加工作業が困難となる。また、メインフレーム80の完成後、底板82の底面には、旋回輪を取付ける部分をフライス盤により削るザグリ加工を行なう必要があるが、メインフレーム80が大型になるため、このザグリ加工も困難となる。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑み、伸縮式スラグ掻き出し装置を旋回フレームに取付けてスラグドラッガを構成する場合、転倒の虞がなく、上部旋回体のメインフレームの製造も容易となるスラグドラッガを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1のスラグドラッガは、下部走行体上に旋回装置を介して上部旋回体を設置し、スラグ掻出板を先端に取付けた伸縮アームからなるスラグ掻き出し装置を前記上部旋回体のメインフレームに取付けて構成されるスラグドラッガにおいて、
上部旋回体を構成するメインフレームを、
旋回装置に取付ける底板部および前記底板部上に溶接した左右の第1の縦板部を有する下部フレームと、
前記下部フレームの第1の縦板部にそれぞれ溶接される第2の縦板部を有する中間フレームと、
前記中間フレームの第2の縦板部上にそれぞれ溶接され、前記伸縮アームを取付けるピン孔を備える縦板部を有する上部フレームとにより構成したことを特徴とする。
【0013】
請求項2のスラグドラッガは、請求項1のスラグドラッガにおいて、前記下部フレームの第1の縦板部および前記中間フレームの第2の縦板部は、それぞれボックス構造をなすことを特徴とする。
【0014】
請求項3のスラグドラッガは、請求項2に記載のスラグドラッガにおいて、
前記上部フレームは、前記中間フレームの第2の縦板部の前部上に溶接される前上部フレームと、前記中間フレームの第2の縦板部の後部上に溶接される後上部フレームとからなり、
前記前上部フレームと前記後上部フレームにそれぞれスラグ掻き出し装置取付け用のピン孔を設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載のスラグドラッガは、請求項3に記載のスラグドラッガにおいて、
前記前上部フレームおよび前記後上部フレームにそれぞれ前リンク、後リンクを枢着し、
前記前リンクと前記下部フレームとの間に前記スラグ掻き出し装置の上下位置調整用シリンダを取付け、
前記前リンクと前記後リンクとの間にスラグ掻き出し装置の傾斜角調整用シリンダを取付けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、上部旋回体のメインフレームを、下部フレームと中間フレームとピン孔を有する上部フレームとに分割したので、ピン孔を加工するフレームである上部フレームが小型に構成できるため、ピン孔の加工が容易となる。また、旋回装置を取付ける下部フレームも背高にならず、下部フレームを裏返しして底板部の底面に旋回装置取付け面をフライス盤によるザグリ加工する作業も容易に行なえ、加工性が向上する。
【0017】
また、メインフレームを分割構造としたので、背の高いメインフレームの構成が可能となる。このため、重いメインフレームの実現が可能となると共に、重心位置を旋回中心に近い位置に設定することが可能となり、ストロークの長い伸縮式スラグ掻き出し装置を有するスラグドラッガであっても、その転倒の虞を解消することができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、下部フレームおよび中間フレームの縦板部をボックス構造としたので、旋回フレームの強度を向上させることができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、上部フレームを前上部フレームと後上部フレームとに分割し、分割された各上部フレームにピン孔を加工する構造としたので、ピン孔の加工がさらに容易となる。
【0020】
請求項4の発明によれば、メインフレームを分割構造とし、背高のメインフレームを構成可能としたことを利用し、単に傾斜角調整用シリンダによりスラグ掻き出し装置の傾斜角度を調整するのみでなく、上下位置調整用シリンダによりスラグ掻き出し装置の上下位置も調整することができるようにしたので、スラグを入れた容器の高さや角度にスラグ掻き出し装置の高さ、傾斜度合を好適に対応させることができ、作業を能率よく行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のスラグドラッガの一実施の形態を示す側面図である。
【図2】本実施の形態のスラグドラッガの平面図である。
【図3】本実施の形態のスラグドラッガの正面図である。
【図4】この実施の形態の上部旋回体のメインフレームの側面図である。
【図5】この実施の形態の上部旋回体のメインフレームの正面図である。
【図6】(A)、(B)、(C)はそれぞれこの実施の形態のメインフレームの下部フレームの平面図、側面図、正面図である。
【図7】(A)、(B)、(C)はそれぞれこの実施の形態のメインフレームの中間フの一部を示す平面図、側面図、正面図である。
【図8】(A)、(B)、(C)はそれぞれこの実施の形態のメインフレームの前上部フレームの一部を示す平面図、側面図、正面図である。
【図9】(A)、(B)はそれぞれこの実施の形態のメインフレームの後上部フレームの一部を示す平面図、側面図である。
【図10】(A)はこの実施の形態のスラグ掻き出し装置の平面図、(B)はその側面図である。
【図11】図10のスラグ掻き出し装置の中間部を示す拡大側面図である。
【図12】図10のスラグ掻き出し装置の後端部を示す拡大側面図である。
【図13】(A)はこの実施の形態のスラグ掻き出し装置の上下位置調整装置を示す側面図、(B)はその部分拡大図である。
【図14】この実施の形態のスラグ掻き出し装置の傾斜角調整装置を示す側面図である。
【図15】この実施の形態のスラグ掻き出し装置の伸長状態を示す側面図である。
【図16】従来の上部旋回体のメインフレームを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1ないし図3は本発明によるスラグドラッガの一実施の形態を示す。図1〜図3において、1はクローラ式下部走行体であり、この下部走行体1は、トラックフレーム2の左右にサイドフレーム2aを有し、これらのサイドフレーム2aの後端に走行モータ(図示せず)により駆動される駆動輪3を取付け、前端に従動輪4を取付け、駆動輪3と従動輪4に履帯5を掛け回して構成される。6はトラックフレーム2上に設置された旋回装置である。この旋回装置6の旋回輪6aに上部旋回体7がボルトにより固定される。11は上部旋回体7のメインフレーム16(図4、図5参照)に取付けられるスラグ掻き出し装置である。
【0023】
上部旋回体7上にはエンジン8、このエンジン8により駆動される油圧ポンプ9、スラグドラッガの本体(下部走行体1、旋回装置6、上部旋回体7を含む。)側の油圧アクチュエータのコントロール弁10a、スラグ掻き出し装置11の油圧アクチュエータのためのコントロール弁10b、燃料タンク12、作動油タンク13およびスラグ掻き出し装置11のための油圧ユニット14、運転室15およびこのスラグドラッガを遠隔操縦する場合に用いられる受信機およびコントローラを含むリモコン装置21等が搭載される。
【0024】
図4は上部旋回体7のメインフレームを示す側面図、図5はその正面図である。このメインフレーム16は、下部フレーム16aと、中間フレーム16bと、前上部フレーム16cと、後上部フレーム16dとからなる。これらの分割フレーム16a〜16dは溶接により一体化される。
【0025】
下部フレーム16aは、図6(A)の平面図、同(B)の側面図、同(C)の正面図に示すように、底板部17と、その上に溶接された左右の縦板部(第1の縦板部)18,18と、縦板部18,18との間にこれらの縦板部18,18および底板部17に溶接して設けた補強板19とを有する。左右の縦板部18はボックス構造をなす。すなわち各縦板部18は、2枚の縦板18a,18aと、その間に溶接された補強板18bと、縦板18aおよび補強板18bの上面に溶接された天板18cと、縦板18a,18aの前端部、後端部の開口部を塞ぐように溶接された端板18d,18eとを備える。前端板18d、後端板18eは、中間フレーム16bの前端、後端に溶接して固着強度を向上させるための上方への延出部18f,18gを有する。
【0026】
前端板18dには、スラグ掻き出し装置11の上下位置調整用シリンダ53(図3、図4、図13参照)を取付けるブラケット18hを溶接する。図6(A)において、22は旋回装置6の旋回輪6aに固定するためにザグリ加工を施す部分であり、23は旋回モータ24(図3参照)を取付ける取付け座である。この例では4台の旋回モータを設置する構成を示す。
【0027】
中間フレーム16bは、図4、図5に示すように、下部フレーム16aの左右の縦板部18,18上にそれぞれ載置して溶接するものである。図7(A)の平面図、同(B)の側面図、同(C)の平面図は中間フレーム16bの左右いずれか片側部分のみを示している。
【0028】
中間フレーム16bは、左右の縦板部(第2の縦板部)25によって構成されるものであり、各縦板部25は、2枚の縦板25a,25aと、これらの縦板25a,25a間に溶接された補強板25b,25bと、縦板25a,25aの前端、後端開口部を塞ぐ端板25c,25dとを備える。また、縦板25a,25aは前部、後部には上方に延出した延出部25e、25fを形成する。前方の延出部25e,25e間はその上面を塞ぐ天板25gが溶接され、後方の延出部25f,25f間はその上面を塞ぐ天板25hが溶接され、これらの延出部25e,25fの間の部分の上面はその部分を塞ぐU字形の天板25iが溶接される。このU字形の天板25iの前後端には上方への延出部25j,25kを形成する。これらの延出部25j,25kは、前上部フレーム16cの背面、後上部フレーム16dの前面をそれぞれ溶接して固着強度を高めるものである。
【0029】
前上部フレーム16cは、図4、図5に示すように、中間フレーム16bの左右の縦板部25,25の延出部25e上の天板25gと延出部25jにそれぞれ底面、背面を溶接して取付けるものである。これらの前上部フレーム16cは左右それぞれ1つずつ、合計2つ備えるが、図8(A)の平面図、同(B)の側面図、同(C)の正面図においては左右のいずれか片側部分のみを示している。
【0030】
前上部フレーム16cは、2枚の縦板27a,27aと、その間に溶接された補強板27bとからなる。縦板27a,27aにはそれぞれスラグ掻き出し装置11取付け用の前リンク28(図4参照)を取付けるピン29を挿着するピン孔27cを設ける。また、縦板27a,27aには、メンテナンス時にスラグ掻き出し装置11の落下を防止するピン(図示せず)を通すピン孔27dを設ける。
【0031】
後上部フレーム16dは、図4に示すように、中間フレーム16bの左右の縦板部25,25の延出部25f上の天板25hと延出部25kにそれぞれ前面、底面を溶接して取付けるものである。これらの後上部フレーム16dは左右それぞれ1つずつ、合計2つ備えるが、図9(A)の平面図、同(B)の側面図においては左右のいずれか片側部分のみを示している。
【0032】
後上部フレーム16dは、2枚の縦板30a,30aと、その後端間に溶接されたくの字形の補強板30bとからなる。縦板30a,30aにはそれぞれスラグ掻き出し装置11取付け用の後リンク31(図4参照)を取付けるピン32を挿着するピン孔30cを有する。また、縦板30a,30aには、メンテナンス時にスラグ掻き出し装置11の落下を防止するピン(図示せず)を通すピン孔30dを設ける。図4に示すように、後リンク31の回動範囲を制限するため、後リンク31にストッパ31aを突設し、縦板30a,30aには、このストッパ31aを当接させるピン33,34を挿着するピン孔30e,30fを設ける。
【0033】
図10(A)はスラグ掻き出し装置11の平面図、図10(B)はその側面図、図11、図12はその前部、後部の拡大側面図である。この実施の形態のスラグ掻き出し装置11は外筒11aと中間筒11bと内筒11cとを摺動可能に組み合わせて伸縮アームを構成したものである。外筒11aには図3、図4に示した前リンク28のピン孔28aに挿着するロッド35を設けると共に、ロッド35から後方に離れた位置に後リンク31との連結用のロッド36を設ける。このロッド36は、図13(B)に示すように、短いアーム37を回動可能に連結し、この短いアーム37を後リンク31のピン孔31aに挿着するピン38により連結するものである。
【0034】
図10、図11に示すように、外筒11aにはモータ39aにより回転されるピニオン39を外筒11aの両側から突出して設け、中間筒11bには、これらのピニオン39と噛合するラック40を設ける。したがって、図11において、ピニオン39を時計回りに回動させると、外筒11aに対して中間筒11bが前方に移動し、中間筒11bを伸長させることができる。反対に、ピニオン39を反時計回りに回動させると、中間筒11bが後方に移動し、中間筒11bを収縮させることができる。
【0035】
図12に示すように、中間筒11bの後端部の両側には、ピニオン41を回動可能に取付け、このピニオン41を、外筒11aの両側に設けたラック42に噛合させる。一方、中間筒11bの前方寄りの部分の両側には、図11に示すようにピニオン43を回動可能に取付け、このピニオン43を、内筒11cの両側に設けたラック44に噛合させる。また、ピニオン41,43の軸45,46にはそれぞれピニオン47,48が固定して取付けられ、これらのピニオン47,48にチェーン49が掛け回されている。
【0036】
したがって、図11において外筒11aに取付けたピニオン39をモータ39aにより時計回りに回動させると、中間筒11bが外筒11aに対して伸長し、これに連動して、図12に示すラック42に噛合するピニオン41も時計回りに回動する。このピニオン41と図11に示すピニオン43とはそれぞれ同軸に取付けられたピニオン47,48がチェーン49により連結されて同方向に回動するので、ピニオン41が時計周りに回動するとピニオン43も時計回りに回動し、ピニオン43と噛合するラック44を有する内筒11cも中間筒11bに対して伸長する。反対に、外筒11aに対して中間筒11bが収縮する際には、内筒11cも中間筒11bに対して収縮する。
【0037】
内筒11c内にはロッド11dが回動可能に内嵌されており、このロッド11dの先端にスラグ掻き出し板51が取付けられる。52は内筒11cの後端に設けたモータであり、このモータ52はロッド11dをその軸心を中心に回動させてスラグ掻き出し板51の向きを変えることができる。
【0038】
図3に示すように、このスラグ掻き出し装置11は、下部フレーム16aの左右の縦板部18,18間、左右の中間フレーム16b、16b間、左右の前上部フレーム16c、16c間、左右の後上部フレーム16d,16d間に上下動可能に挿入して装着され、左右の前リンク28,28および左右の後リンク31,31を介してメインフレーム16に支持される。
【0039】
図13(A)はスラグ掻き出し装置11の上下位置調整装置を示す側面図である。スラグ掻き出し装置11の上下位置調整用シリンダ53は、図4に示すように、一端を下部フレーム16aの前端に設けたブラケット18hにピン60により連結し、他端を前リンク28にピン61により連結する。前リンク28,31の上端間は、スラグ掻き出し装置11の傾斜角調整用シリンダ55の両端にピン56,57により連結する。
【0040】
図13(A)において、上下位置調整用シリンダ53を実線に示す収縮状態から、2点鎖線に示す伸長状態とすると、前上部フレーム16cにピン29により枢着されている前リンク28が2点鎖線で示すように時計回りに回動する。前リンク28は、スラグ掻き出し装置11の外筒11aのロッド35に連結されているから、スラグ掻き出し装置11の前部も前リンク28の回動につれて持ち上がる。また、後リンク31は前リンク28にシリンダ55により連結されているから、前リンク28の回動に伴い、後リンク31も時計回りに回動し、スラグ掻き出し装置11が全体として持ち上げられ、スラグ掻き出し板51の高さをスラグの高さに合わせることができる。ここで、スラグ掻き出し装置11の高さの調整は、図4に示すように、後リンク31のストッパ31aがピン34に当接する最低位置から、ストッパ31aがピン33に当接する最高位置の間に制限される。
【0041】
図14はスラグ掻き出し装置11の傾斜角を調整する装置を説明する側面図である。例えば実線で示すように、シリンダ55が伸長した状態にあり、スラグ掻き出し装置11の前端が下がった状態から、油圧シリンダ55を収縮させると、前リンク28が持ち上げられ、これに伴い、スラグ掻き出し装置11の前部が持ち上げられる。反対に、シリンダ55の伸長により、スラグ掻き出し装置11の前方が下がるように傾斜させることができる。
【0042】
図15はスラグ掻き出し装置11が最も伸長した状態を示す側面図であり、この例ではスラグ掻き出し装置11が上部旋回体7の前後方向の長さの3倍以上の長さに伸長されることを示している。
【0043】
本実施の形態においては、メインフレーム16を下部フレーム16aと中間フレーム16bと前上部フレーム16cと後上部フレーム16dとの分割構造としたことにより、図16に示した標準機におけるカウンタウエイト81を加えたメインフレーム80の重量(A+B+C)より、メインフレーム16の重量Dを、約5割程度増大させる(D=1.5×(A+B+C))ことが可能となった。また、図16に示した標準機の場合、旋回中心Oからカウンタウエイト81の後端までの距離L1に対し、旋回中心Oから重心Gまでの前後方向の距離L2は約0.7倍(L2≒0.7×L1)であったが、本実施の形態による場合、図4において、メインフレーム16の旋回中心Oから重心位置Gまでの距離L4は、旋回中心Oからメインフレーム16の後端までの距離L3に対し、約0.3倍(L4≒0.3×L3)と重心位置を旋回中心Oに近くすることが可能となった。
【0044】
また、本実施の形態による場合、標準機のピン孔88のメインフレーム80の底面からの高さに比較し、ピン孔27c,30cの高さを約2.7倍と高くすることが可能となった。
【0045】
このように、本実施の形態によれば、メインフレーム16を分割構造としたので、背の高いメインフレームの構成が可能となる。このため、前記のように、重いメインフレーム16の実現が可能となると共に、重心位置を旋回中心に近い位置に設定することが可能となり、ストロークの長い伸縮アームを有するスラグドラッガでありながら、その転倒を防止することができる。
【0046】
また、上部旋回体7のメインフレーム16を、下部フレーム16aと中間フレーム16bとピン孔27c,30cを有する上部フレーム16c,16dとに分割したので、ピン孔27c,30cを加工するフレームである上部フレーム16c,16dが小型に構成できるため、ピン孔27c,30cの加工が容易となる。
【0047】
また、旋回装置7を取付ける下部フレーム16aも背高にならず、下部フレーム16aを裏返しして底板部17の底面に旋回装置取付け面をフライス盤によるザグリ加工する作業も容易に行なえ、加工性が向上する。
【0048】
また、この実施の形態によれば、下部フレーム16aおよび中間フレーム16bの縦板部18,25をボックス構造としたので、メインフレーム16の強度を向上させることができる。
【0049】
また、本発明を実施する場合、上部フレームは左右それぞれ前後に一体のものとしてもよいが、この実施の形態においては、上部フレームを前上部フレーム16cと後上部フレーム16dとに分割し、分割された各上部フレーム16c,16dにピン孔27c,30cを加工する構造としたので、上部フレームがさらに小型化され、ピン孔27c,30cの加工がさらに容易となる。
【0050】
また、本実施の形態においては、メインフレーム16を分割構造とし、背高のメインフレーム16を構成可能としたことを利用し、単に傾斜角調整用シリンダ55によりスラグ掻き出し装置11の傾斜角度を調整するのみでなく、上下位置調整用シリンダ53によりスラグ掻き出し装置11の上下位置も調整することができるようにしたので、スラグを入れた容器の高さや角度にスラグ掻き出し装置11の高さ、傾斜度合を好適に対応させることができ、スプリング掻き出し作業を能率よく行なうことができる。
【符号の説明】
【0051】
1:下部走行体、2:トラックフレーム、2a:サイドフレーム、3:駆動輪、4:従動輪、5:履帯、6:旋回装置、6a:旋回輪、7:上部旋回体、8:エンジン、9:油圧ポンプ、10a,10b:コントロール弁、11:スラグ掻き出し装置、11a:外筒、11b:中間筒、11c:内筒、11d:ロッド、12:燃料タンク、13:作動油タンク、14:スラグ掻き出し装置用油圧ユニット、15:運転室、16:メインフレーム、16a:下部フレーム、16b:中間フレーム、16c:前上部フレーム、16d:後上部フレーム、17:底板部、18:第1の縦板部、18a:縦板、18b:補強板、18c:天板、18d,18e:端板、18f,18g:延出部、18h:ブラケット、19:補強板、21:リモコン装置、22:ザグリ加工部分、23:旋回モータ取付け座、24:旋回モータ、25:第2の縦板部、25a:縦板、25b:補強板、25c,25d:端板、25e,25f:延出部、25h,25i:天板、25j,25k:延出部、27a:縦板、27b:補強板、27c:ピン孔、28:リンク、29:ピン、30a:縦板、30b:補強板、30c:ピン孔、30d:ピン孔、30e,30f:ピン孔、31:後リンク、31a:ストッパ、32〜34:ピン、35:ロッド、36:ロッド、37:アーム、38:ピン孔、39:ピニオン、40:ラック、41:ピニオン、42:ラック、43:ピニオン、44:ラック、45,46:軸、47,48:ピニオン、49:チェーン、51:スラグ掻き出し板、52:モータ、53:上下位置調整用シリンダ、55:傾斜角調整用シリンダ、56,57:ピン、60,61:ピン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体上に旋回装置を介して上部旋回体を設置し、スラグ掻出板を先端に取付けた伸縮アームからなるスラグ掻き出し装置を前記上部旋回体のメインフレームに取付けて構成されるスラグドラッガにおいて、
上部旋回体を構成するメインフレームを、
旋回装置に取付ける底板部および前記底板部上に溶接した左右の第1の縦板部を有する下部フレームと、
前記下部フレームの第1の縦板部にそれぞれ溶接される第2の縦板部を有する中間フレームと、
前記中間フレームの第2の縦板部上にそれぞれ溶接され、前記伸縮アームを取付けるピン孔を備える縦板部を有する上部フレームとにより構成したことを特徴とするスラグドラッガ。
【請求項2】
請求項1に記載のスラグドラッガにおいて、
前記下部フレームの第1の縦板部および前記中間フレームの第2の縦板部は、それぞれボックス構造をなすことを特徴とするスラグドラッガ。
【請求項3】
請求項2に記載のスラグドラッガにおいて、
前記上部フレームは、前記中間フレームの第2の縦板部の前部上に溶接される前上部フレームと、前記中間フレームの第2の縦板部の後部上に溶接される後上部フレームとからなり、
前記前上部フレームと前記後上部フレームにそれぞれスラグ掻き出し装置取付け用のピン孔を設けたことを特徴とするスラグドラッガ。
【請求項4】
請求項3に記載のスラグドラッガにおいて、
前記前上部フレームおよび前記後上部フレームにそれぞれ前リンク、後リンクを枢着し、
前記前リンクと前記下部フレームとの間に前記スラグ掻き出し装置の上下位置調整用シリンダを取付け、
前記前リンクと前記後リンクとの間にスラグ掻き出し装置の傾斜角調整用シリンダを取付けたことを特徴とするスラグドラッガ。
【請求項1】
下部走行体上に旋回装置を介して上部旋回体を設置し、スラグ掻出板を先端に取付けた伸縮アームからなるスラグ掻き出し装置を前記上部旋回体のメインフレームに取付けて構成されるスラグドラッガにおいて、
上部旋回体を構成するメインフレームを、
旋回装置に取付ける底板部および前記底板部上に溶接した左右の第1の縦板部を有する下部フレームと、
前記下部フレームの第1の縦板部にそれぞれ溶接される第2の縦板部を有する中間フレームと、
前記中間フレームの第2の縦板部上にそれぞれ溶接され、前記伸縮アームを取付けるピン孔を備える縦板部を有する上部フレームとにより構成したことを特徴とするスラグドラッガ。
【請求項2】
請求項1に記載のスラグドラッガにおいて、
前記下部フレームの第1の縦板部および前記中間フレームの第2の縦板部は、それぞれボックス構造をなすことを特徴とするスラグドラッガ。
【請求項3】
請求項2に記載のスラグドラッガにおいて、
前記上部フレームは、前記中間フレームの第2の縦板部の前部上に溶接される前上部フレームと、前記中間フレームの第2の縦板部の後部上に溶接される後上部フレームとからなり、
前記前上部フレームと前記後上部フレームにそれぞれスラグ掻き出し装置取付け用のピン孔を設けたことを特徴とするスラグドラッガ。
【請求項4】
請求項3に記載のスラグドラッガにおいて、
前記前上部フレームおよび前記後上部フレームにそれぞれ前リンク、後リンクを枢着し、
前記前リンクと前記下部フレームとの間に前記スラグ掻き出し装置の上下位置調整用シリンダを取付け、
前記前リンクと前記後リンクとの間にスラグ掻き出し装置の傾斜角調整用シリンダを取付けたことを特徴とするスラグドラッガ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−12934(P2011−12934A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159808(P2009−159808)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
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