説明

スラストころ軸受

【課題】相対回転する部材相互間に組み込んだ状態において、これらを一時的(或いは、恒常的)に一体化させたもの(サブユニット)として取り扱うことを可能にするスラストころ軸受を提供する。
【解決手段】内側レース4及び外側レース6と、軸受内部空間に沿って配列された複数の転動体8と、各転動体を回転可能に保持する保持器10とから成る軸受構成を備え、相対回転する部材M1,M2相互間に組み込まれるスラストころ軸受2であって、双方のレースには、軸受内部空間に向けて一体成形された係止手段(4t,6t)が設けられ、係止手段が保持器に一部係合することで軸受構成を互いに分離すること無く一体化させると共に、双方レースには、軸受内部空間とは反対側に向けて一体成形された係合手段(60,40)が設けられ、係合手段が部材相互に一部係合することで軸受構成と部材相互とを一体化させたものとして取り扱うことを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にアキシアル荷重(或いは、アキシアル荷重及びラジアル荷重の双方の荷重)を支えて回転するスラストころ軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば自動車のオートマチックトランスミッション(AT)をはじめ部材相互が相対回転する部分には、各種のスラストころ軸受が適用されている(特許文献1参照)。なお、オートマチックトランスミッション(AT)とは、自動車の速度やエンジンの回転数に応じて、変速比を自動的に切り替える(即ち、シフトチェンジを自動的に行う)自動変速機のことを指す。
【0003】
図5には、相対回転する部材M1,M2相互間に組み込まれるスラストころ軸受2の一例が示されている。スラストころ軸受2は、相対回転可能に対向配置された中空円環状の一対のレース4,6(軌道盤ともいう)と、これら一対のレース4,6相互間に構成された中空円環状の軸受内部空間に沿って配列された複数の転動体8と、複数の転動体8を1つずつ回転可能に保持しながら、当該各転動体8と共に軸受内部空間に沿って公転する保持器10とを備えている。なお、一対のレース4,6において、図5中向って下側のレースを内側レース(内側軌道盤)4と、一方、図5中向って上側のレースを外側レース(外側軌道盤)6と称する。
【0004】
複数の転動体8としては、例えば玉やころ等を適用することができるが、ここでは一例として、その直径が小さく、長さが直径の3〜10倍という細長いころ(以下、ニードルという)を適用する。また、保持器10としては、複数のニードル8を軸受内部空間に沿って1つずつ回転可能に保持できるものであれば、その種類(形状、形式など)は問わないが、ここでは一例として、径寸法の異なる断面L字状の中空円環部材10a,10bを2つ用意し、これら中空円環部材10a,10bを互いに被せ合わせて一体化させた保持器10を適用する。なお、かかる保持器10には、周方向に沿って等間隔で複数のポケット10pが構成されており、複数のニードル8は、各ポケット10pに1つずつ回転可能に保持される。
【0005】
内側レース4は、相対回転する一方の部材M1に装着(例えば、嵌合、圧入)可能な中空円板状の内側レース本体部4aと、内側レース本体部4aの内周縁から連続し、軸受内部空間(保持器10)を覆うように外側レース6に向けて延出した内側リップ部4bとを有している。内側レース本体部4aは、スラストころ軸受2を相対回転する部材M1,M2相互間に組み込んだ際、その外周面4sが一方の部材M1に装着されるようになっており、その内周面(外側レース6に対向する対向面)には、周方向に沿って連続した内側軌道面4r(複数のニードル8が転動する面)が形成されている。また、内側リップ部4bの延出端には、その一部を軸受内部空間(保持器10)に向けて折り曲げて一体成形された内側係止片4tが周方向に沿って所定間隔で設けられている。
【0006】
外側レース6は、相対回転する他方の部材M2に装着(例えば、嵌合、圧入)可能な中空円板状の外側レース本体部6aと、外側レース本体部6aの外周縁から連続し、軸受内部空間(保持器10)を覆うように内側レース4に向けて延出した外側リップ部6bとを有している。外側レース本体部6aは、スラストころ軸受2を相対回転する部材M1,M2相互間に組み込んだ際、その外周面6sが他方の部材M2に装着されるようになっており、その内周面(内側レース4に対向する対向面)には、周方向に沿って連続した外側軌道面6r(複数のニードル8が転動する面)が形成されている。また、外側リップ部6bの延出端には、その一部を軸受内部空間(保持器10)に向けて折り曲げて一体成形された外側係止片6tが周方向に沿って所定間隔で設けられている。
【0007】
このようなスラストころ軸受2(スラストニードル軸受ともいう)では、内側レース4(内側軌道面4r)と外側レース6(外側軌道面6r)との間に複数のニードル8を保持器10で保持しつつ組み立てた状態において、上記した内側係止片4t及び外側係止片6tが、保持器10に一部係合する(具体的には、保持器10を両側から抱きかかえるように係合する)ことにより、その軸受構成(内側レース4、外側レース6、各ニードル8、保持器10)は、互いに分離すること無く一体化し、組み立てた状態(非分離状態、バレ止めされた状態)に維持される。
【0008】
ここで、スラストころ軸受2を相対回転する部材M1,M2相互間に組み込んだ状態において、保持器10で保持された複数のニードル8は、円筒形状を成す転動面8sが内側軌道面4rと外側軌道面6rとの間に沿って接触しつつ回転可能となる。この状態で、双方の部材M1,M2が相対回転し、これに伴って内側レース4と外側レース6とが相対回転すると、複数のニードル8が、内側軌道面4rと外側軌道面6rとの間に沿って転動することで、双方の部材M1,M2は、円滑に相対回転し続けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実公平7−16101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上記したスラストころ軸受2は、それ自体が非分離なものとして取り扱うことができるものの、当該軸受2を相対回転する部材M1,M2相互間に組み込む際に、或いは、組み込んだ後に、当該軸受2が脱落すると、部材M1,M2相互との組立作業効率を向上させることができない。そうなると、その後の組立作業において、装置全体の組立作業効率が低下してしまうことになる。
【0011】
そこで、当該軸受2を部材M1,M2相互間に組み込んだ状態において、これらを一時的(或いは、恒常的)に一体化させたもの(即ち、サブユニット)として取り扱うことを可能にする技術が要望されている。当該軸受2を部材M1,M2相互間に組み込んだ状態のものをサブユニットとして一体的に取り扱うことができれば、近年のAT構造の複雑化及び小型軽量化にも対応でき極めて効率的であり、これを用いた装置全体の組立作業効率を向上させることもできる。
【0012】
なお、特許文献1では、一対のレースのいずれか一方に突起を形成すると共に、相対回転する一方の部材に、突起が係合する凹所を形成し、突起と凹所とを係合させることで、軸受が部材相互間から脱落するのを防止する技術が示されている。しかし、当該突起は、一対のレースのいずれか一方だけに形成されているため、軸受を部材相互間に組み込んだ状態のものをサブユニットとして一体的に取り扱う点について考慮されていない。
【0013】
本発明は、このような要望に応えるためになされており、その目的は、相対回転する部材相互間に組み込んだ状態において、これらを一時的(或いは、恒常的)に一体化させたもの(サブユニット)として取り扱うことを可能にするスラストころ軸受を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
このような目的を達成するために、本発明は、相対回転可能に対向配置された中空円環状の内側レース及び外側レースと、これらのレース相互間に構成された軸受内部空間に沿って配列された複数の転動体と、複数の転動体を回転可能に保持しながら、当該各転動体と共に軸受内部空間に沿って公転する保持器とから成る軸受構成を備え、相対回転する部材相互間に組み込まれるスラストころ軸受であって、内側レース及び外側レースには、それぞれ、軸受内部空間に向けて一体成形された係止手段が設けられ、当該係止手段が保持器に一部係合することにより、軸受構成を互いに分離すること無く一体化させると共に、内側レース及び外側レースには、それぞれ、軸受内部空間とは反対側に向けて一体成形された係合手段が設けられ、当該係合手段が部材相互に一部係合することにより、軸受構成と部材相互とを一体化させたものとして取り扱うことを可能にする。
本発明において、内側レースは、相対回転する一方の部材に装着可能な内側レース本体部と、内側レース本体部の内周縁に沿って所定間隔で設けられ、軸受内部空間を覆うように外側レースに向けて延出した内側リップ部とを有していると共に、外側レースは、相対回転する他方の部材に装着可能な外側レース本体部と、外側レース本体部の外周縁に沿って所定間隔で設けられ、軸受内部空間を覆うように内側レースに向けて延出した外側リップ部とを有しており、内側レースの係合手段は、一方の部材に係合するように、内側リップ部相互間において当該内側リップ部から連続して一体成形され、内側レース本体部の内周縁よりも内径側に向けて膨出させて構成されていると共に、外側レースの係合手段は、他方の部材に係合するように、外側リップ部相互間において当該外側リップ部から連続して一体成形され、外側レース本体部の外周縁よりも外径側に向けて膨出させて構成されている。
本発明において、内側レース本体部及び外側レース本体部の対向面には、それぞれ、転動体が転動する軌道面が周方向に沿って連続して形成されており、内側レースの径方向において、軌道面と係合手段と内側リップ部との位置関係は、軌道面と係合手段との間に内側リップ部が介在するように構成されていると共に、外側レースの径方向において、軌道面と係合手段と外側リップ部との位置関係は、軌道面と係合手段との間に外側リップ部が介在するように構成されている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、相対回転する部材相互間に組み込んだ状態において、これらを一時的(或いは、恒常的)に一体化させたもの(サブユニット)として取り扱うことを可能にするスラストころ軸受を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係るスラストころ軸受の構成を示す断面図。
【図2】(a)は、外側レース(外側軌道盤)の外観構成を軸受内部空間側から見た平面図、(b)は、同図(a)に示された外側レース(外側軌道盤)の構成を一部拡大して示す斜視図。
【図3】(a)は、内側レース(内側軌道盤)の外観構成を軸受内部空間側から見た平面図、(b)は、同図(a)に示された内側レース(内側軌道盤)の構成を一部拡大して示す斜視図。
【図4】本発明の一実施形態に係るスラストころ軸受をオートマチックトランスミッション(AT)に適用した構成例を一部拡大して示す断面図。
【図5】従来のスラストころ軸受の構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係るスラストころ軸受について、添付図面を参照して説明する。
なお、本実施形態は、図5に示されたスラストころ軸受2の改良であるため、以下、改良部分の説明にとどめる。この場合、上記したスラストころ軸受2(図5)と同一の構成については、その構成に付された参照符号と同一の符号を本実施形態に用いた図面上に付すことで、その説明を省略する。
【0018】
図1〜図3に示すように、本実施形態に係るスラストころ軸受2において、内側レース4及び外側レース6には、それぞれ、軸受内部空間に向けて一体成形された係止手段が設けられていると共に、軸受内部空間とは反対側に向けて一体成形された係合手段が設けられている。この場合、内側レース4及び外側レース6の係止手段が保持器10に一部係合することにより、軸受構成(上記した内側レース4、外側レース6、各ニードル8、保持器10)を互いに分離すること無く一体化させると共に、内側レース4及び外側レース6の係合手段が部材M1,M2相互に一部係合することにより、当該軸受構成と部材M1,M2相互とを一体化させたものとして取り扱うことを可能にする。
【0019】
外側レース6における係止手段としては、上記した外側係止片6tを利用することができる。具体的に説明すると、外側レース6において、相対回転する他方の部材M2に装着(例えば、嵌合、圧入)可能な中空円板状の外側レース本体部6aの外周縁には、周方向に沿って複数の外側リップ部6bが所定間隔(図面では一例として、等間隔)で設けられており、それぞれの外側リップ部6bは、軸受内部空間(保持器10)を覆うように内側レース4に向けて延出している。
【0020】
そして、各外側リップ部6bの延出端には、その一部を軸受内部空間(保持器10)に向けて折り曲げて一体成形された外側係止片6tが、係止手段として設けられている(図2(a),(b))。この場合、当該外側係止片6tは、保持器10の全表面のうち内側レース4に対向する側の端面に一部入り込んで、そこに係合する(具体的には、保持器10を抱きかかえるように係合する)ように構成されている。これにより、複数のニードル8を保持した当該保持器10は、外側係止片6tが設けられた各外側リップ部6bによって抱きかかえられるように支持されることになる。
【0021】
ここで、当該外側リップ部6bの周方向長さ、個数については、外側レース6(外側レース本体部6a)の外周縁の周長(全周寸法)に応じて設定されるため、特に数値限定はしない。また、図面には一例として、各外側リップ部6bの延出端に1つずつ外側係止片6tを一体成形した構成が示されているが、これに限定されることは無く、例えば各外側リップ部6bの延出端に複数の外側係止片6tを一体成形してもよい。なお、外側係止片6tの大きさ、個数については、例えばそれぞれの外側リップ部6bの延出端の周方向長さに応じて設定されるため、特に数値限定はしない。また、外側係止片6tの形状については、例えば円弧形状、三角形状、楕円形状、矩形状など各種の形状を適用することができる。
【0022】
内側レース4における係止手段としては、上記した内側係止片4tを利用することができる。具体的に説明すると、内側レース4において、相対回転する一方の部材M1に装着(例えば、嵌合、圧入)可能な中空円板状の内側レース本体部4aの内周縁には、周方向に沿って複数の内側リップ部4bが所定間隔(図面では一例として、等間隔)で設けられており、それぞれの内側リップ部4bは、軸受内部空間(保持器10)を覆うように外側レース6に向けて延出している。
【0023】
そして、各内側リップ部4bの延出端には、その一部を軸受内部空間(保持器10)に向けて折り曲げて一体成形された内側係止片4tが、係止手段として設けられている(図3(a),(b))。この場合、当該内側係止片4tは、保持器10の全表面のうち外側レース6に対向する側の端面に一部入り込んで、そこに係合する(具体的には、保持器10を抱きかかえるように係合する)ように構成されている。これにより、複数のニードル8を保持した当該保持器10は、内側係止片4tが設けられた各内側リップ部4bによって抱きかかえられるように支持されることになる。
【0024】
ここで、当該内側リップ部4bの周方向長さ、個数については、内側レース4(内側レース本体部4a)の内周縁の周長(全周寸法)に応じて設定されるため、特に数値限定はしない。また、図面には一例として、各内側リップ部4bの延出端に1つずつ内側係止片4tを一体成形した構成が示されているが、これに限定されることは無く、例えば各内側リップ部4bの延出端に複数の内側係止片4tを一体成形してもよい。なお、内側係止片4tの大きさ、個数については、例えばそれぞれの内側リップ部4bの延出端の周方向長さに応じて設定されるため、特に数値限定はしない。また、内側係止片4tの形状については、例えば円弧形状、三角形状、楕円形状、矩形状など各種の形状を適用することができる。
【0025】
また、外側レース6の係合手段は、他方の部材M2に係合するように、外側リップ部6b相互間において当該外側リップ部6bから連続して一体成形され、外側レース本体部6aの外周縁よりも外径側に向けて膨出させて構成されている。この構成において、外側レース6の係合手段には、外側リップ部6b相互間に設けられた外側レース係合部60と、他方の部材M2を一部窪ませて形成され、外側レース係合部60が係合可能な他方部材係合凹部M2gとが含まれている(図1及び図2(a),(b))。
【0026】
外側レース係合部60は、外側レース本体部6aの外周縁から連続し、当該外周縁に沿って延在した外側レース根元部62と、外側レース根元部62から連続して立ち上げられて、外側レース本体部6aの外周縁よりも外径側(別の捉え方をすると、外側リップ部6bよりも外径側)に向けて膨出した外側レース膨出部64とを備えている。また、外側レース根元部62には、その周方向両側に、外側レース本体部6aの外周縁に沿って連続した外側レース接続部66が構成されており、外側レース根元部62は、当該外側レース接続部66を介して外側リップ部6bに滑らかに接続されている。なお、外側レース係合部60は、外側レース根元部62、外側レース膨出部64、外側レース根元部62の周方向両側に連続した外側レース接続部66を含めた概念として規定することができる。
【0027】
ここで、外側レース係合部60は、外側レース接続部66を介して外側レース根元部62から外側リップ部6bに亘り、段差の無い滑らかに連続した形状(即ち、角張った部分や急峻に形状変化した部分が存在すること無く連続した形状)を成して構成されている。図面には一例として、外側リップ部6b相互間に1つの外側レース係合部60を配置した構成が示されているが、例えば、外側リップ部6b相互間に複数の外側レース係合部60が配置されている場合には、上記した外側レース接続部66を外側レース係合部60(外側レース根元部62)相互間に亘って一体成形すればよい。これにより、外側レース係合部60相互(即ち、外側レース根元部66相互)を滑らかに接続させることができる。
【0028】
また、外側レース係合部60(具体的には、外側レース膨出部64)は、その全体が、外側レース本体部6aの外周縁よりも外径側(別の捉え方をすると、外側リップ部6bよりも外径側)に向けて、段差の無い滑らかに連続して膨らんだ形状(即ち、角張った部分や急峻に形状変化した部分が存在すること無く連続して膨らんだ形状)を成して構成されている。この場合、外側レース係合部60の強度(剛性)を一定及び向上させるために、外側レース膨出部64(又は、外側レース根元部62から外側レース膨出部64に亘る部分)は、その全体(特に、先端部分)が丸味を帯びた湾曲形状を成すように構成することが好ましい。
【0029】
なお、図面には、外側レース膨出部64(又は、外側レース根元部62から外側レース膨出部64に亘る部分)の形状の一例として、その全体が円弧形状を成す構成が示されているが、これに限定されることは無く、例えば、外側レース膨出部64(又は、外側レース根元部62から外側レース膨出部64に亘る部分)の他の形状として、楕円形状、三角形状、又は、外径側に最も膨らんだ部分に到るに従って先細りの丸味を帯びた三角形状を成し、かつ他の部分が円弧形状となるような形状、或いは、外径側に最も膨らんだ部分に到るに従って円弧形状を成し、かつ他の部分が矩形状となるような形状など、各種の形状を適用することができる。
【0030】
また、外側レース係合部60(具体的には、外側レース膨出部64)の膨出角度(外径側に膨らませた傾斜角度)、及び、膨出長さ(外側レース根元部62から外側レース膨出部64の先端までの膨出角度に沿った長さ寸法)については、他方の部材M2を一部窪ませて形成された他方部材係合凹部M2gに対応して、当該外側レース係合部60(外側レース膨出部64)が係合可能となるような膨出角度及び膨出長さに設定される。
【0031】
例えば、他方部材係合凹部M2gの大きさ(周方向長さ、深さ)や形状が予め設定されているような場合には、当該他方部材係合凹部M2gに係合するように、外側レース係合部60(外側レース膨出部64)の膨出角度及び膨出長さが設定され、これとは逆に、外側レース係合部60(外側レース膨出部64)の膨出角度及び膨出長さが予め設定されているような場合には、当該外側レース係合部60(外側レース膨出部64)が係合するように、他方部材係合凹部M2gの大きさ(周方向長さ、深さ)や形状が設定される。
【0032】
即ち、外側レース係合部60(外側レース膨出部64)の膨出角度及び膨出長さと、他方部材係合凹部M2gとは、いずれか一方を基準に相対的に設定されるため、特に数値限定はしない。なお、外側レース係合部60(外側レース膨出部64)の膨出角度については、例えば、スラストころ軸受2(内側レース4及び外側レース6)の回転軸に対する外側レース係合部60(外側レース膨出部64)の傾斜角度、或いは、外側レース本体部6aと外側レース係合部60(外側レース膨出部64)との成す角度として規定することができる。
【0033】
ここで、外側レース係合部60(外側レース膨出部64)を他方部材係合凹部M2gに係合させる際、当該外側レース係合部60(外側レース膨出部64)を弾性変形させて他方部材係合凹部M2gに挿入し、その後、弾性変形状態が解除された外側レース係合部60(外側レース膨出部64)が初期形状に復元することで、他方部材係合凹部M2gに対して外側レース係合部60(外側レース膨出部64)が係合することになる。
【0034】
この場合、他方部材係合凹部M2gへの挿入後における外側レース係合部60(外側レース膨出部64)の復元状態において、当該外側レース係合部60(外側レース膨出部64)が他方部材係合凹部M2gに引っ掛かって(接触して)係合するように構成してもよいし、或いは、他方部材係合凹部M2gとの間に軸方向の隙間(遊び)を有して係合するように構成してもよい。いずれの場合でも、当該スラストころ軸受2によって軸受構成(内側レース4、外側レース6、各ニードル8、保持器10)と、相対回転する部材M1,M2相互とを一体化させたものとして取り扱うことについて支障は無い。また、他方部材係合凹部M2gとの間に径方向の隙間(遊び)を有して係合するような構成とすれば、一方の部材M1と他方の部材M2とが偏心した場合でも、スラストころ軸受2により当該偏心を許容することができる。
【0035】
また、他方の部材M2を一部窪ませて形成される他方部材係合凹部M2gについては、これを他方の部材M2の周方向に沿って連続して窪ませた円環状に構成してもよいし、或いは、上記した外側レース係合部60(外側レース膨出部64)の個数(図面では一例として、周方向に等間隔で4つ)に対応した位置に、これと同数の他方部材係合凹部M2gを他方の部材M2の周方向に沿って間欠的に窪ませて構成してもよい。なお、当該他方部材係合凹部M2gを間欠的に構成した場合、それぞれの他方部材係合凹部M2gに1つずつ外側レース係合部60(外側レース膨出部64)が係合することで、相対回転する部材M1,M2相互間に組み込まれたスラストころ軸受2の回転時において、他方の部材M2に対する外側レース6の周り止めを実現することができる。
【0036】
一方、内側レース4の係合手段は、一方の部材M1に係合するように、内側リップ部4b相互間において当該内側リップ部4bから連続して一体成形され、内側レース本体部4aの内周縁よりも内径側に向けて膨出させて構成されている。この構成において、内側レース4の係合手段には、内側リップ部4b相互間に設けられた内側レース係合部40と、一方の部材M1を一部窪ませて形成され、内側レース係合部40が係合可能な一方部材係合凹部M1gとが含まれている(図1及び図3(a),(b))。
【0037】
内側レース係合部40は、内側レース本体部4aの内周縁から連続し、当該内周縁に沿って延在した内側レース根元部42と、内側レース根元部42から連続して立ち上げられて、内側レース本体部4aの内周縁よりも内径側(別の捉え方をすると、内側リップ部4bよりも内径側)に向けて膨出した内側レース膨出部44とを備えている。また、内側レース根元部42には、その周方向両側に、内側レース本体部4aの内周縁に沿って連続した内側レース接続部46が構成されており、内側レース根元部42は、当該内側レース接続部46を介して内側リップ部4bに滑らかに接続されている。なお、内側レース係合部40は、内側レース根元部42、内側レース膨出部44、内側レース根元部42の周方向両側に連続した内側レース接続部46を含めた概念として規定することができる。
【0038】
ここで、内側レース係合部40は、内側レース接続部46を介して内側レース根元部42から内側リップ部4bに亘り、段差の無い滑らかに連続した形状(即ち、角張った部分や急峻に形状変化した部分が存在すること無く連続した形状)を成して構成されている。図面には一例として、内側リップ部4b相互間に1つの内側レース係合部40を配置した構成が示されているが、例えば、内側リップ部4b相互間に複数の内側レース係合部40が配置されている場合には、上記した内側レース接続部46を内側レース係合部40(内側レース根元部42)相互間に亘って一体成形すればよい。これにより、内側レース係合部40相互(即ち、内側レース根元部42相互)を滑らかに接続させることができる。
【0039】
また、内側レース係合部40(具体的には、内側レース膨出部44)は、その全体が、内側レース本体部4aの内周縁よりも内径側(別の捉え方をすると、内側リップ部4bよりも内径側)に向けて、段差の無い滑らかに連続して膨らんだ形状(即ち、角張った部分や急峻に形状変化した部分が存在すること無く連続して膨らんだ形状)を成して構成されている。この場合、内側レース係合部40の強度(剛性)を一定及び向上させるために、内側レース膨出部44(又は、内側レース根元部42から内側レース膨出部44に亘る部分)は、その全体(特に、先端部分)が丸味を帯びた湾曲形状を成すように構成することが好ましい。
【0040】
なお、図面には、内側レース膨出部44(又は、内側レース根元部42から内側レース膨出部44に亘る部分)の形状の一例として、その全体が円弧形状を成す構成が示されているが、これに限定されることは無く、例えば、内側レース膨出部44(又は、内側レース根元部42から内側レース膨出部44に亘る部分)の他の形状として、楕円形状、三角形状、又は、外径側に最も膨らんだ部分に到るに従って先細りの丸味を帯びた三角形状を成し、かつ他の部分が円弧形状となるような形状、或いは、外径側に最も膨らんだ部分に到るに従って円弧形状を成し、かつ他の部分が矩形状となるような形状など、各種の形状を適用することができる。
【0041】
また、内側レース係合部40(具体的には、内側レース膨出部44)の膨出角度(外径側に膨らませた傾斜角度)、及び、膨出長さ(内側レース根元部42から内側レース膨出部44の先端までの膨出角度に沿った長さ寸法)については、一方の部材M1を一部窪ませて形成された一方部材係合凹部M1gに対応して、当該内側レース係合部40(内側レース膨出部44)が係合可能となるような膨出角度及び膨出長さに設定される。
【0042】
例えば、一方部材係合凹部M1gの大きさ(周方向長さ、深さ)や形状が予め設定されているような場合には、当該一方部材係合凹部M1gに係合するように、内側レース係合部40(内側レース膨出部44)の膨出角度及び膨出長さが設定され、これとは逆に、内側レース係合部40(内側レース膨出部44)の膨出角度及び膨出長さが予め設定されているような場合には、当該内側レース係合部40(内側レース膨出部44)が係合するように、一方部材係合凹部M1gの大きさ(周方向長さ、深さ)や形状が設定される。
【0043】
即ち、内側レース係合部40(内側レース膨出部44)の膨出角度及び膨出長さと、一方部材係合凹部M1gとは、いずれか一方を基準に相対的に設定されるため、特に数値限定はしない。なお、内側レース係合部40(内側レース膨出部44)の膨出角度については、例えば、スラストころ軸受2(内側レース4及び外側レース6)の回転軸に対する内側レース係合部40(内側レース膨出部44)の傾斜角度、或いは、内側レース本体部4aと内側レース係合部40(内側レース膨出部44)との成す角度として規定することができる。
【0044】
ここで、内側レース係合部40(内側レース膨出部44)を一方部材係合凹部M1gに係合させる際、当該内側レース係合部40(内側レース膨出部44)を弾性変形させて一方部材係合凹部M1gに挿入し、その後、弾性変形状態が解除された内側レース係合部40(内側レース膨出部44)が初期形状に復元することで、一方部材係合凹部M1gに対して内側レース係合部40(内側レース膨出部44)が係合することになる。
【0045】
この場合、一方部材係合凹部M1gへの挿入後における内側レース係合部40(内側レース膨出部44)の復元状態において、当該内側レース係合部40(内側レース膨出部44)が一方部材係合凹部M1gに引っ掛かって(接触して)係合するように構成してもよいし、或いは、一方部材係合凹部M1gとの間に軸方向の隙間(遊び)を有して係合するように構成してもよい。いずれの場合でも、当該スラストころ軸受2によって軸受構成(内側レース4、外側レース6、各ニードル8、保持器10)と、相対回転する部材M1,M2相互とを一体化させたものとして取り扱うことについて支障は無い。また、一方部材係合凹部M1gとの間に径方向の隙間(遊び)を有して係合するような構成とすれば、一方の部材M1と他方の部材M2とが偏心した場合でも、スラストころ軸受2により当該偏心を許容することができる。
【0046】
また、一方の部材M1を一部窪ませて形成される一方部材係合凹部M1gについては、これを一方の部材M1の周方向に沿って連続して窪ませた円環状に構成してもよいし、或いは、上記した内側レース係合部40(内側レース膨出部44)の個数(図面では一例として、周方向に等間隔で4つ)に対応した位置に、これと同数の一方部材係合凹部M1gを一方の部材M1の周方向に沿って間欠的に窪ませて構成してもよい。なお、当該一方部材係合凹部M1gを間欠的に構成した場合、それぞれの一方部材係合凹部M1gに1つずつ内側レース係合部40(内側レース膨出部44)が係合することで、相対回転する部材M1,M2相互間に組み込まれたスラストころ軸受2の回転時において、一方の部材M1に対する内側レース4の周り止めを実現することができる。
【0047】
以上、本実施形態によれば、内側レース4と外側レース6との間に複数のニードル8を保持器10で保持しつつ組み立てた状態において、内側レース4の内側係止片4t(係止手段)及び外側レース6の外側係止片6t(係止手段)が保持器10に一部係合する(即ち、保持器10を両側から抱きかかえるように係合する)ことにより、軸受構成(内側レース4、外側レース6、各ニードル8、保持器10)を互いに分離すること無く一体化させたスラストころ軸受2を実現することができる。
【0048】
更に、本実施形態によれば、上記した軸受構成が互いに分離すること無く一体化したスラストころ軸受2を相対回転する部材M1,M2相互間に組み込んだ状態において、内側レース4の内側レース係合部40(係合手段)が一方部材係合凹部M1g(係合手段)に一部係合すると共に、外側レース6の外側レース係合部60(係合手段)が他方部材係合凹部M2g(係合手段)に一部係合することにより、当該軸受構成と部材M1,M2相互とを一体化させたものとして取り扱うことを可能にすることができる。
【0049】
また、本実施形態によれば、内側レース4の径方向において、軌道面4rと内側レース係合部40(係合手段)と内側リップ部4bとの位置関係は、軌道面4rと内側レース係合部40との間に内側リップ部4bが介在するように構成されていると共に、外側レース6の径方向において、軌道面6rと外側レース係合部60(係合手段)と外側リップ部6bとの位置関係は、軌道面6rと外側レース係合部60との間に外側リップ部6bが介在するように構成されている。
【0050】
この構成によれば、例えばスラストころ軸受2の回転時において、内側レース係合部40及び外側レース係合部60に大きな荷重が作用しても、その荷重を、内側リップ部4b及び外側リップ部6bによって堅牢かつ確実に支持することができる。これにより、当該荷重による影響を受けること無く、内側レース4と外側レース6との間に配列された複数のニードル8を、常に安定して、内側軌道面4rと外側軌道面6rとの間に沿って転動させることが可能となり、その結果、双方の部材M1,M2を円滑に相対回転させ続けることができる。
【0051】
また、本実施形態によれば、内側レース4の内側レース係合部40(係合手段)は、内側リップ部4b相互間において、当該内側リップ部4bから段差の無い滑らかに連続した形状(角張った部分や急峻に形状変化した部分が存在すること無く連続した形状)を成して構成されていると共に、外側レース6の外側レース係合部60(係合手段)は、外側リップ部6b相互間において、当該外側リップ部6bから段差の無い滑らかに連続した形状(角張った部分や急峻に形状変化した部分が存在すること無く連続した形状)を成して構成されている。
【0052】
この構成によれば、例えばスラストころ軸受2の回転時において、内側レース4(外側レース6)には、局部的に応力の高くなる現象(応力集中)が発生することは一切無く、内側レース係合部40(外側レース係合部60)に作用した応力は、内側レース膨出部44(外側レース膨出部64)から内側レース根元部42(外側レース根元部62)及び内側レース接続部46(外側レース接続部66)を介して分散して内側リップ部4b(外側リップ部6b)に伝達され、当該内側リップ部4b(外側リップ部6b)によって堅牢かつ確実に支持される。
【0053】
これにより、内側レース4及び外側レース6を、形状変化(変形)させること無く、常に一定の形状に維持させることができる。これにより、内側レース4と外側レース6との間に配列された複数のニードル8を、常に安定して、内側軌道面4rと外側軌道面6rとの間に沿って転動させることが可能となり、その結果、双方の部材M1,M2を円滑に相対回転させ続けることができる。
【0054】
更に、本実施形態によれば、内側レース4及び外側レース6の成形加工(例えば、プレス加工)において、成形加工工程を増やすことなく、内側レース係合部40及び外側レース係合部60を簡単に成形することができる。これにより、当該内側レース4及び外側レース6の成形加工コストを大幅に抑えることができるため、スラストころ軸受2を低コストで製造することが可能となる。
【0055】
この場合、内側レース係合部40及び外側レース係合部60は、上記した内側レース4及び外側レース6の成形加工において簡単に成形することができるため、当該内側レース係合部40及び外側レース係合部60の形状や個数について、その選択の自由度を飛躍的に向上させることができる。その一例として、上記した実施形態では、円弧形状の内側レース係合部40及び外側レース係合部60を等間隔に4つ配置した構成を想定したが、これに代えて、例えば周方向に沿って等間隔に2個又は3個、或いは、5個以上配置してもよく、かかる構成を容易に実現することができる。
【0056】
また、本実施形態において、内側レース係合部40及び外側レース係合部60の耐久性や強度(剛性)を更に向上させるために、例えば、内側レース膨出部44及び外側レース膨出部64の表裏面(或いは、いずれか一方)に、補強用のリブや溝(図示しない)を施すようにしてもよい。
【0057】
また、本実施形態によれば、スラストころ軸受2は、その用途を限定すること無く、相対回転する部材M1,M2相互間に組み込むことができるが、例えば図4に示された自動車のオートマチックトランスミッション(AT)に対して、当該スラストころ軸受2を適用することもできる。なお、図4には、自動車のオートマチックトランスミッション(AT)の主要な構成が一部拡大して示されている。
【0058】
図4に示すように、当該ATでは、タービンシャフト12の回転運動をクラッチ部材14からプラネタリギア16に伝達し、当該プラネタリギア16の軸部材18回りに公転するピニオンギヤ20の公転運動を制御することにより、自動車の速度やエンジンの回転数に応じて、変速比を自動的に切り替える(即ち、シフトチェンジを自動的に行う)ことができる。
【0059】
この場合、プラネタリギア16の軸部材18を一方の部材M1とし、タービンシャフト12と共に回転するクラッチ部材14を他方の部材M2とし、これら軸部材18とクラッチ部材14の間にスラストころ軸受2を組み込むことにより、当該軸受2と部材M1,M2相互とを一時的(或いは、恒常的)に一体化させたもの(即ち、サブユニット)として取り扱うことができる。
【符号の説明】
【0060】
2 スラストころ軸受
4 内側レース
4t 内側係止片(係止手段)
6 外側レース
6t 外側係止片(係止手段)
8 転動体(ニードル)
10 保持器
40 内側レース係合部(係合手段)
60 外側レース係合部(係合手段)
M1,M2 部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対回転可能に対向配置された中空円環状の内側レース及び外側レースと、
これらのレース相互間に構成された軸受内部空間に沿って配列された複数の転動体と、
複数の転動体を回転可能に保持しながら、当該各転動体と共に軸受内部空間に沿って公転する保持器とから成る軸受構成を備え、相対回転する部材相互間に組み込まれるスラストころ軸受であって、
内側レース及び外側レースには、それぞれ、軸受内部空間に向けて一体成形された係止手段が設けられ、当該係止手段が保持器に一部係合することにより、軸受構成を互いに分離すること無く一体化させると共に、
内側レース及び外側レースには、それぞれ、軸受内部空間とは反対側に向けて一体成形された係合手段が設けられ、当該係合手段が部材相互に一部係合することにより、軸受構成と部材相互とを一体化させたものとして取り扱うことを可能にすることを特徴とするスラストころ軸受。
【請求項2】
内側レースは、相対回転する一方の部材に装着可能な内側レース本体部と、内側レース本体部の内周縁に沿って所定間隔で設けられ、軸受内部空間を覆うように外側レースに向けて延出した内側リップ部とを有していると共に、
外側レースは、相対回転する他方の部材に装着可能な外側レース本体部と、外側レース本体部の外周縁に沿って所定間隔で設けられ、軸受内部空間を覆うように内側レースに向けて延出した外側リップ部とを有しており、
内側レースの係合手段は、一方の部材に係合するように、内側リップ部相互間において当該内側リップ部から連続して一体成形され、内側レース本体部の内周縁よりも内径側に向けて膨出させて構成されていると共に、
外側レースの係合手段は、他方の部材に係合するように、外側リップ部相互間において当該外側リップ部から連続して一体成形され、外側レース本体部の外周縁よりも外径側に向けて膨出させて構成されていることを特徴とする請求項1に記載のスラストころ軸受。
【請求項3】
内側レース本体部及び外側レース本体部の対向面には、それぞれ、転動体が転動する軌道面が周方向に沿って連続して形成されており、
内側レースの径方向において、軌道面と係合手段と内側リップ部との位置関係は、軌道面と係合手段との間に内側リップ部が介在するように構成されていると共に、
外側レースの径方向において、軌道面と係合手段と外側リップ部との位置関係は、軌道面と係合手段との間に外側リップ部が介在するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のスラストころ軸受。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−52595(P2012−52595A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195321(P2010−195321)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】