説明

スリーブ固定部材を備えた雌型管継手

【課題】雄型及び雌型管継手を施錠する施錠子(20)をその施錠位置に押圧するスリーブを固定して施錠を確実にする。
【解決手段】スリーブ(26)が、その直径方向で対向する当該スリーブの両側部分に接線方向で切り込まれた形状とされ、該スリーブの内周面と交差して当該スリーブを半径方向で貫通する開口を形成するスリット(30)を有し、雌型管継手本体(16)が、その外周面にその周方向に沿って形成された係合溝(42)を有する。スリーブ固定部材(32)が、スリーブの外側からスリット(30)内に入る係合アーム部(34)を備え、該係合アーム部が雌型管継手本体の係合溝(42)と係合するスリーブ固定位置と、該係合溝からはずれるスリーブ解放位置との間で変位可能とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は管継手に関する。
【背景技術】
【0002】
雌型管継手と雄型管継手とからなる管継手においては、雄型管継手が雌型管継手内に挿入された状態で、雌型管継手に設けられた半径方向貫通孔内に設けられた施錠子が雄型管継手の外周面に形成された凹部に係合され、その状態で、雌型管継手の外周に可動に設けられたスリーブが該施錠子を半径方向外側から押圧して該施錠子を雄型部材の凹部から外れないようにすることにより、雄型管継手及び雌型管継手の連結を保持するようにしたものがある。
【0003】
しかし、このような管継手においては、スリーブが何らかの原因により変位してしまう場合があり、雄型管継手及び雌型管継手が不用意に外れてしまう虞がある。
【0004】
スリーブと雌型管継手との関係のように、同軸状に配置された外側と内側の筒状部材の軸線方向での動きを防止するための装置として、従来から、外側筒状部材の直径方向で対向する位置にスリットを設け、内側筒状部材の外表面に係合溝を形成し、外側筒状部材の外側から固定部材を取り付け、該固定部材の一対の弾性アームを外側筒状部材の外側から両スリットを通して内側筒状部材の外周面の係合溝に係合することにより外側及び内側筒状部材の軸線方向での相対的動きを阻止するようにしたものが従来から知られている。(例えば、特許文献1乃至4参照)
【0005】
しかしながら、前述した、施錠子をその施錠位置に保持するためにスリーブと雌型管継手との間の軸線方向での動きを適切に阻止するものは開発されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−218283
【特許文献2】特開平06−50484
【特許文献3】特公昭50−39861
【特許文献4】実開平01−85597
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述のごとき管継手におけるスリーブを、その施錠位置に保持するための手段を備えた雌型管継手を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は、
一端開口から雄型管継手を受け入れるようにされた筒状の雌型管継手本体と、
該雌型管継手本体を半径方向で貫通するように形成された貫通孔に半径方向で変位可能に設定された施錠子であって、雄型管継手が該雌型管継手本体の該一端開口から軸線方向で挿入されたときに、該雄型管継手の外周面に形成された施錠凹部に嵌合されて、該雄型管継手が該雌型管継手本体に対して軸線方向で変位しないように施錠する施錠位置と、該施錠位置から半径方向外側に変位して該施錠凹部から外れて該雄型管継手が該雌型管継手本体から引き出されるのを許容する解放位置との間で変位可能な施錠子と、
雌型管継手本体の外周面上に軸線方向で摺動可能に設定されたスリーブであって、該施錠子を半径方向外側から押圧して施錠位置とする施錠子押圧位置と、該施錠子が半径方向外側に変位して該解放位置となるのを許容する施錠子解放位置との間で変位可能なスリーブと、
を有する雌型管継手であって、
該スリーブが、その直径方向で対向する当該スリーブの両側部分に接線方向に相互に平行に切り込まれ、該スリーブの内周面と交差して当該スリーブを半径方向で貫通する開口を形成するスリットを有し、
雌型管継手本体が、その外周面にその周方向に沿って形成された係合溝を有し、
当該雌型管継手が、更に、該スリーブに取り付けられたスリーブ固定部材であって、該スリーブの該スリット内に延びる係合アーム部を有し、該アーム部が該雌型管継手本体の外周面の該係合溝に係合して該スリーブが該雌型管継手本体に対して軸線方向で相対的に変位しないようにするスリーブ固定位置と、該スリットの延びる該接線方向で該固定位置から変位され該アーム部が該雌型管継手本体の外周面の該係合溝からはずれることにより、該スリーブが該雌型管継手本体に対して軸線方向で変位可能とするスリーブ解放位置との間で変位可能とされたスリーブ固定部材と、
該スリーブ固定部材を該スリーブ解放位置から該スリーブ固定位置に向けて付勢する付勢部材と
を有することを特徴とするスリーブ固定部材を備えた雌型管継手を提供する。
【0009】
具体的には、
該固定部材が、該係合アーム部と、該アーム部をその一端で連結する連結部とを有する全体的にC字状とされたスリーブ固定部材であって、該アーム部が該連結部から延びる方向に変位することにより該固定位置から該スリーブ解放位置に変位されるようにすることができる。
【0010】
より具体的には、
該スリットが、該スリーブの外周面から該接線方向で切り込まれた形状とされ、該固定部材のアーム部が該スリーブの外側から該スリット内に入り、該開口を通して雌型管継手本体の外周面の該係合溝と係合するようにすることができる。
【0011】
本発明はまた、
一端開口から雄型管継手を受け入れるようにされた筒状の雌型管継手本体と、
該雌型管継手本体を半径方向で貫通するように形成された貫通孔に半径方向で変位可能に設定された施錠子であって、雄型管継手が該雌型管継手本体の該一端開口から軸線方向で挿入されたときに、該雄型管継手の外周面に形成された施錠凹部に嵌合されて、該雄型管継手が該雌型管継手本体に対して軸線方向で変位しないように施錠する施錠位置と、該施錠位置から半径方向外側に変位して該施錠凹部から外れて該雄型管継手が該雌型管継手本体から引き出されるのを許容する解放位置との間で変位可能な施錠子と、
雌型管継手本体の外周面上に軸線方向で摺動可能に設定されたスリーブであって、該施錠子を半径方向外側から押圧して施錠位置とする施錠子押圧位置と、該施錠子が半径方向外側に変位して該解放位置となるのを許容する施錠子解放位置との間で変位可能なスリーブと、
を有する雌型管継手であって、
該スリーブが、該スリーブをその軸線に略直交する平面に沿って貫通するスリットであって、当該スリーブが該スリットの両側位置に残された相互に対向する壁部分を有するように形成されたスリットを有し、
雌型管継手本体が、その外周面にその周方向に沿って形成された係合溝を有し、
当該雌型管継手が、更に、該スリット内で変位可能とされた環状のスリーブ固定部材であって、雌型管継手の外周を囲うようなサイズの内周縁を有し、該内周縁の一部分が該雌型管継手本体の外周面の該係合溝に係合して該スリーブが該雌型管継手本体に対して軸線方向で変位しないようにするスリーブ固定位置と、該スリーブの対向する壁部分を結ぶ線に対して直交する方向において該スリット内で該スリーブ固定位置から変位されて該内周縁の一部分が該係合溝からはずれることにより、該スリーブが該雌型管継手本体に対してその軸線方向で変位可能とするスリーブ解放位置との間で変位可能とされたスリーブ固定部材と、
該スリーブ固定部材を該スリーブ解放位置から該スリーブ固定位置に向けて付勢する付勢部材と
を有することを特徴とするスリーブ固定部材を備えた雌型管継手を提供する。
【0012】
具体的には、この雌型管継手では、該相互に対向する壁部分が、該スリーブ固定部材の変位方向で延びる互いに平行な内面を有し、スリーブ固定部材の外周面は、該内面と摺動する互いに平行な面を有するようにすることができる。
【0013】
雌型管継手本体には、その外周面に、スリーブが施錠子解放位置とされたときに、該スリーブ固定部材と軸線方向で整合されて係合可能とされた環状の第2の係合溝を設けることもできる。スリーブ固定部材を第2の係合溝に係合することによりスリーブを施錠子解放位置に固定することができるので、雄型管継手を挿入するときの操作がしやすくなる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る雌型管継手においては、上述の通りのスリーブ固定部材を備えるものであり、施錠子を用いて雄型管継手との連結固定をより確実に行うことを可能としている。また、第2の係合溝を設けることにより、スリーブを施錠子解放位置に固定することができるので、雄型管継手を挿入するときの操作がしやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態に係る雌型管継手に雄型管継手を挿入連結した状態を示す縦断面図である。
【図2】同実施形態に係る雌型管継手であって、スリーブが施錠子押圧位置にあり且つスリーブ固定部材がスリーブ固定位置にある状態を示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)における2b−2b線断面図である。
【図3】同実施形態に係る雌型管継手であって、スリーブが施錠子押圧位置にあり且つスリーブ固定部材がスリーブ解放位置にある状態を示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)における3b−3b線断面図である。
【図4】スリーブ固定部材が、図3と同じ状態にあり、スリーブが施錠子押圧位置から施錠子解放位置に変位された状態を示し、(a)は縦断面図、(b)は4b−4b線断面図である。
【図5】第1実施形態に係る雌型管継手におけるスリーブ固定部材を示し、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図を示す。
【図6】第1実施形態の変形例に係る雌型管継手に雄型管継手を挿入連結した状態を示す縦断面図である。
【図7】同変形例に係る雌型管継手であって、スリーブが施錠子押圧位置にあり且つスリーブ固定部材がスリーブ固定位置にある状態を示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)における7b−7b線断面図である。
【図8】同変形例に係る雌型管継手であって、スリーブが施錠子押圧位置にあり且つスリーブ固定部材がスリーブ解放位置にある状態を示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)における8b−8b線断面図である。
【図9】同変形例に係る雌型管継手であって、スリーブが施錠子解放位置にあり且つスリーブ固定部材がスリーブ解放位置にある状態を示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)における9b−9b線断面図である。
【図10】スリーブが施錠子解放位置にあり、スリーブ固定部材が第2のスリーブ固定位置にある状態を示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)の10b−10b線断面図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る雌型管継手に雄型管継手を挿入連結した状態を示し、(a)は縦断面図、(b)は11b−11b線断面図である。
【図12】第2実施形態に係る雌型管継手であって、スリーブが施錠子押圧位置にあり且つスリーブ固定部材がスリーブ解放位置にある状態を示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)における12b−12b線断面図である。
【図13】第2実施形態に係る雌型管継手におけるスリーブ固定部材を示し、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る雌型管継手10と雄型管継手14からなる管継手を示している。雌型管継手10は、図で見て右端にある開口11から雄型管継手14を受け入れるようにされた筒状の雌型管継手本体16と、該雌型管継手本体16を半径方向で貫通するように形成された貫通孔18に半径方向で変位可能に設けられた施錠子20であって、雄型管継手14が雌型管継手本体16に挿入されたときに、該雄型管継手14の外周面に形成されている施錠凹部22に嵌合されて、雄型管継手14を雌型管継手本体16に対して施錠する施錠位置と、該施錠位置から半径方向外側に変位して施錠凹部22から外れて雄型管継手14が雌型管継手本体16から引き出されるのを許容する解放位置との間で変位可能な施錠子20と、雌型管継手本体16の外周面上で軸線方向で摺動可能に設定されたスリーブ26であって、施錠子20を半径方向外側から押圧して施錠位置とする施錠子押圧位置(図1乃至図3)と、施錠子20が半径方向外側に変位して雄型管継手が雌型管継手から解放位置となるのを許容する施錠子解放位置(図4)との間で変位可能なスリーブ26とを有する。
【0017】
スリーブ26には、その外周面に環状溝28と、該環状溝28と該スリーブの軸線方向で整合され、当該スリーブの両側位置を接線方向に延びるように形成され、当該該スリーブの内周面28−1と交差して当該スリーブを半径方向で貫通する開口を形成するスリット30とが形成されている。
【0018】
スリーブ26の環状溝28の周りには、全体としてC字状とされたスリーブ固定部材32が設定されている。該スリーブ固定部材32は、スリーブ26のスリット30内に延び、雌型管継手本体16の外周面に向けて延びた係合アーム部34と、該アーム部をその一端で連結する連結部36とを有している。該スリーブ固定部材32は、アーム部34の先端部分34−1が雌型管継手本体16の外周面に形成されている環状の係合溝42に係合してスリーブ26が雌型管継手本体16に対して軸線方向で相対的に変位しないようにするスリーブ固定位置(図1、図2)と、連結部36からアーム部34が延びる方向でスリーブ固定位置から変位され、アーム部34の先端部分34−1がスリーブ26のスリット30を画定しているスリット底壁面30−1上を摺動することにより雌型管継手本体16の係合溝42から外れて、該スリーブが雌型管継手本体16に対して軸線方向で相対的に変位可能とするスリーブ解放位置(図3、図4)との間で変位可能とされている。図示の実施形態では、スリーブ固定部材32は、連結部36からスリーブの後方に向けて延びる部分36−1を有しており、該部分とスリーブとの間に設定されたコイルばね44により、スリーブ固定位置(図1、図2)に付勢されている。図示の例では、該コイルばね44の一端は、スリーブの外周面に形成された凹部に嵌合されている。
【0019】
図6乃至図10は、図1乃至図5に示した第1の実施形態の変形例に係る雌型管継手が示されている。この雌型管継手において第1の実施形態のものと異なるところは、雌型管継手本体16がその外周面に環状の第2の係合溝42−2を有することである。すなわち、この雌型管継手においては、スリーブ26を図4と同様の施錠子解放位置としたときに、スリーブ固定部材32が該第2の係合溝42−2と軸線方向で整合され、バネ44の作用により、スリーブ固定部材32がスリーブ固定位置(図6)に持ち上げられて、当該スリーブ固定部材32のアーム部34が該第2の係合溝42−2に係合して、スリーブ26を施錠子解放位置に固定するようになっている。雄型管継手を雌型管継手に挿入するときには、スリーブをこのようにして施錠子解放位置にしておき、雄型管継手が雌型管継手内に挿入されたあとに、スリーブ固定部材32を押し下げてアーム部34を第2の係合溝から外し、該スリーブを図1に示したと同様の施錠子押圧位置まで変位させて、スリーブ固定部材32をスリーブ固定位置とする。
【0020】
図11乃至図13に示す第2の実施形態では、スリーブ固定部材132が環状にされており、スリーブ126には、図11及び図12の(b)で見て、両側の壁部分126−1を残して、上下に貫通するスリット130が形成されている。スリーブ固定部材132は雌型管継手本体116を囲うようなサイズの円形の内周面132−1と、相互に平行な面132−2を有する外周面とを有しており、スリーブ固定部材132の内周部分の一部(図示の例では下方中央部分)が雌型管継手本体116の外周面の係合溝142に係合して該スリーブ126が該雌型管継手本体116に対して軸線方向で変位しないようにするスリーブ固定位置(図11)と、該スリット内でスリーブ固定位置から下方に変位されて内周部分の一部分が係合溝142からはずれることにより、スリーブ126が該雌型管継手本体116に対してその軸線方向で変位可能とするスリーブ解放位置(図12)との間で変位可能とされている。スリーブ126の両側の壁部分126−1は、スリーブ固定部材132の外周面の平行な面132−2と摺動係合された平行な内側面126−2を有している。
【0021】
この実施形態においても、スリーブ固定部材132は、コイルばね144によりスリーブ固定位置(図11)に付勢され、該コイルばねに抗して押し下げられることによりスリーブ開放位置(図12)となるようにされている。
【符号の説明】
【0022】
雌型管継手10;開口11;雄型管継手14;雌型管継手本体16;貫通孔18;施錠子20;施錠凹部22;スリーブ26;環状溝28;内周面28−1;スリット30;スリット底壁面30−1;スリーブ固定部材32;係合アーム部34;連結部36;(アーム部の)先端部分34−1;部分36−1;係合溝42;第2の係合溝42−2;コイルばね44;雌型管継手110;雌型管継手本体116;スリーブ126;スリット130;スリーブ固定部材132;係合溝142;コイルばね144


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端開口から雄型管継手を受け入れるようにされた筒状の雌型管継手本体と、
該雌型管継手本体を半径方向で貫通するように形成された貫通孔に半径方向で変位可能に設定された施錠子であって、雄型管継手が該雌型管継手本体の該一端開口から軸線方向で挿入されたときに、該雄型管継手の外周面に形成された施錠凹部に嵌合されて、該雄型管継手が該雌型管継手本体に対して軸線方向で変位しないように施錠する施錠位置と、該施錠位置から半径方向外側に変位して該施錠凹部から外れて該雄型管継手が該雌型管継手本体から引き出されるのを許容する解放位置との間で変位可能な施錠子と、
雌型管継手本体の外周面上に軸線方向で摺動可能に設定されたスリーブであって、該施錠子を半径方向外側から押圧して施錠位置とする施錠子押圧位置と、該施錠子が半径方向外側に変位して該解放位置となるのを許容する施錠子解放位置との間で変位可能なスリーブと、
を有する雌型管継手であって、
該スリーブが、その直径方向で対向する当該スリーブの両側部分に接線方向に相互に平行に切り込まれた形状とされ、該スリーブの内周面と交差して当該スリーブを半径方向で貫通する開口を形成するスリットを有し、
雌型管継手本体が、その外周面にその周方向に沿って形成された係合溝を有し、
当該雌型管継手が、更に、該スリーブに取り付けられたスリーブ固定部材であって、該スリーブの該スリット内に延びる係合アーム部を有し、該アーム部が該雌型管継手本体の外周面の該係合溝に係合して該スリーブが該雌型管継手本体に対して軸線方向で相対的に変位しないようにするスリーブ固定位置と、該スリットの延びる該接線方向で該固定位置から変位され該アーム部が該雌型管継手本体の外周面の該係合溝からはずれることにより、該スリーブが該雌型管継手本体に対して軸線方向で変位可能とするスリーブ解放位置との間で変位可能とされたスリーブ固定部材と、
該スリーブ固定部材を該スリーブ解放位置から該スリーブ固定位置に向けて付勢する付勢部材と
を有することを特徴とするスリーブ固定部材を備えた雌型管継手。
【請求項2】
該固定部材が、該係合アーム部と、該アーム部をその一端で連結する連結部とを有する全体的にC字状とされたスリーブ固定部材であって、該アーム部が該連結部から延びる方向に変位することにより該固定位置から該スリーブ解放位置に変位されるようにした請求項1に記載の雌型管継手。
【請求項3】
該スリットが、該スリーブの外周面から該接線方向で切り込まれた形状とされており、該固定部材のアーム部が該スリーブの外側から該スリット内に入り、該開口を通して雌型管継手本体の外周面の該係合溝と係合するようにされている請求項2に記載の雌型管継手。
【請求項4】
一端開口から雄型管継手を受け入れるようにされた筒状の雌型管継手本体と、
該雌型管継手本体を半径方向で貫通するように形成された貫通孔に半径方向で変位可能に設定された施錠子であって、雄型管継手が該雌型管継手本体の該一端開口から軸線方向で挿入されたときに、該雄型管継手の外周面に形成された施錠凹部に嵌合されて、該雄型管継手が該雌型管継手本体に対して軸線方向で変位しないように施錠する施錠位置と、該施錠位置から半径方向外側に変位して該施錠凹部から外れて該雄型管継手が該雌型管継手本体から引き出されるのを許容する解放位置との間で変位可能な施錠子と、
雌型管継手本体の外周面上に軸線方向で摺動可能に設定されたスリーブであって、該施錠子を半径方向外側から押圧して施錠位置とする施錠子押圧位置と、該施錠子が半径方向外側に変位して該解放位置となるのを許容する施錠子解放位置との間で変位可能なスリーブと、
を有する雌型管継手であって、
該スリーブが、該スリーブをその軸線に略直交する平面に沿って貫通するスリットであって、当該スリーブが該スリットの両側位置に残された相互に対向する壁部分を有するように形成されたスリットを有し、
雌型管継手本体が、その外周面にその周方向に沿って形成された係合溝を有し、
当該雌型管継手が、更に、該スリット内で変位可能とされた環状のスリーブ固定部材であって、雌型管継手の外周を囲うようなサイズの内周縁を有し、該内周縁の一部分が該雌型管継手本体の外周面の該係合溝に係合して該スリーブが該雌型管継手本体に対して軸線方向で変位しないようにするスリーブ固定位置と、該スリーブの対向する壁部分を結ぶ線に対して直交する方向において該スリット内で該スリーブ固定位置から変位されて該内周縁の一部分が該係合溝からはずれることにより、該スリーブが該雌型管継手本体に対してその軸線方向で変位可能とするスリーブ解放位置との間で変位可能とされたスリーブ固定部材と、
該スリーブ固定部材を該スリーブ解放位置から該スリーブ固定位置に向けて付勢する付勢部材と
を有することを特徴とするスリーブ固定部材を備えた雌型管継手。
【請求項5】
該相互に対向する壁部分が、該スリーブ固定部材の変位方向で延びる互いに平行な内面を有し、スリーブ固定部材の外周面は、該内面と摺動する互いに平行な面を有している請求項4に記載の雌型管継手。
【請求項6】
雌型管継手本体が、その外周面に周方向に沿って形成され、スリーブが施錠子解放位置とされたときに、該スリーブ固定部材と軸線方向で整合されて係合可能とされた第2の係合溝を有する請求項1乃至5のいずれかに記載の雌型管継手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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