説明

スルホン酸アリールエステルからアリールリン酸ジアルキルエステルを製造する方法

【課題】スルホン酸アリールエステルからアリールリン酸ジアルキルエステルを製造する方法を提供する。
【解決手段】本発明のスルホン酸アリールエステルからアリールリン酸ジアルキルエステルを製造する方法は、ニッケル塩またはパラジウム塩の触媒下で、スルホン酸アリールエステルを一般式P(OR)3で表される亜リン酸トリアルキルエステルおよび添加剤と反応させることで、アリールリン酸ジアルキルエステルが得られる。反応温度は100〜240℃である。前記添加剤は、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム等から選ばれるハロゲン化金属塩であり、前記ニッケル塩は、塩化ニッケル、臭化ニッケル等から選ばれ、前記パラジウム塩は、塩化パラジウム、臭化パラジウム等から選ばれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アリールリン酸ジアルキルエステルの製造方法に関し、具体的には、スルホン酸アリールエステルからアリールリン酸ジアルキルエステルを製造する方法であり、さらに具体的には、ハロゲン化金属塩により促進される、ニッケル塩またはパラジウム塩触媒下における、スルホン酸アリールエステルと亜リン酸トリアルキルエステルとの反応によって、アリールリン酸ジアルキルエステルを製造する方法である。
【背景技術】
【0002】
有機ホスフィン化合物は、相間移動触媒、材料、医薬および有機金属において幅広く応用されている。一部の有機ホスフィン化合物は難燃材料とすることができる。一部のホスフィン含有化合物は潜在的な薬物である。有機金属化学において、ホスフィン配位子は取り替えのきかない作用があり、異なるホスフィン配位子は全く異なる触媒効果をもたらす可能性がある。これらのホスフィン配位子において、大部分の配位子のリン原子は、アリール基と互いに結合されるものであり、例えば有名なBuchwaldホスフィン配位子、Xantphos配位子、キラルBINAP配位子、キラルSegphos配位子等である。
【0003】
アリールホスフィン化合物における炭素−リン結合の構築は、パラジウムまたは銅触媒の方法を使用してもよく、ニッケル触媒の方法を使用してもよい。ここで、ニッケルまたはパラジウム触媒のアルブゾフ(Arbuzov)反応は、操作が容易で、原料が安価なアリールホスフィン化合物における炭素−リン結合を構築する方法であり、かつ得られるアリールリン酸エステルはリン原子において各種の修飾を行うことが容易であるため、多くの化学者に好まれている。但し、従来の技術に対する検索により、非特許文献1および2が見出されたが、既に報告されているニッケルまたはパラジウム触媒のアルブゾフ反応に用いられる基質は、何れもハロ芳香族炭化水素化合物であり、スルホン酸基置換の芳香族炭化水素化合物を基質とする場合、所望の生成物が得られないことが分かる。スルホン酸アリールエステルの原料、即ちフェノールは容易に得られる原料であると共に、各種の、即ちヒドロキシ基保護のフェノールは保護基または配向基として他の置換基を導入することができ、合成において非常に有用な方法であり、スルホン酸アリールエステルのアルブゾフ反応を実現することは非常に意義があり、良好な応用可能性を有することが分かる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Tavs、“Reaction of Aryl Halides With Trialkyl Phosphites and Dialkyl Benzenephosphonites to Aromatic Phosphonates and Phosphinates by Nickel Salt Catalysed Arylation(ハロ芳香族炭化水素と亜リン酸トリアルキルエステルおよびフェニルリン酸ジエチルエステルのニッケル塩触媒アリール化反応によるアリールリン酸エステルおよび亜リン酸エステルの生成)”、Chemische Berichte(化学報告)、1970年、No.103、pp2428−2436
【非特許文献2】Yuan等、“Studies on Organophosphorus Compounds XL. An One−Pot Procedure for the Mono−O−Alkylation of Phosphonic Acid: A Facile Synthesis of Alkyl Hydrogen p−Substituted Phenylphosphonates(有機ホスフィン化合物の研究XL。ワンポット法によるモノ−O−位アルキル化ホスホン酸の合成:簡単かつ便利なアルキル水素P−位置換フェニルホスホン酸エステルの合成方法)”、Synthesis(合成)、1990年、No.2、pp.140−141
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来の技術に存在する上記空白に対して、スルホン酸アリールエステルからアリールリン酸ジアルキルエステルを製造する方法を提供し、具体的には、スルホン酸アリールエステルからアリールリン酸ジアルキルエステルを製造する方法を提供し、さらに具体的には、ハロゲン化金属塩により促進される、ニッケル塩またはパラジウム塩触媒スルホン酸アリールエステルが亜リン酸トリアルキルエステルと反応することで、アリールリン酸ジアルキルエステルを製造する方法を提供する。本発明は、現在のスルホン酸アリールエステルがニッケルまたはパラジウム触媒のアルブゾフ反応を行うことができないという問題を打開するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の技術方案により実現される。
本発明は、スルホン酸アリールエステルからアリールリン酸ジアルキルエステルを製造する方法であって、ニッケル塩またはパラジウム塩の触媒下で、スルホン酸アリールエステルを一般式(VII)で表される亜リン酸トリアルキルエステルおよび添加剤と反応させることで、アリールリン酸ジアルキルエステルが得られ、ここで、
前記スルホン酸アリールエステルが一般式(I)で表される化合物である場合、一般式(IV)で表されるアリールリン酸ジアルキルエステルが得られ、
前記スルホン酸アリールエステルが一般式(II)で表される化合物である場合、一般式(V)で表されるアリールリン酸ジアルキルエステルが得られ、
前記スルホン酸アリールエステルが一般式(III)で表される化合物である場合、一般式(VI)で表されるアリールリン酸ジアルキルエステルが得られ、
ここで、反応温度は100〜240℃であり、
【化1】

前記添加剤は、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化ナトリウムおよびヨウ化カリウムから選ばれる少なくとも1種のハロゲン化金属塩であり、
前記ニッケル塩は、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、酢酸ニッケル、トリフルオロメタンスルホン酸ニッケル、アセチルアセトンニッケル、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)塩化ニッケル、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン塩化ニッケル、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン塩化ニッケル、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン塩化ニッケルおよび1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン塩化ニッケルから選ばれる少なくとも1種の物質であり、
前記パラジウム塩は、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウムおよびアセチルアセトンパラジウムから選ばれる少なくとも1種の物質であり、
一般式(I)において、Arはアリール基、置換アリール基または複素環アリール基であり、
一般式(II)において、2つのスルホン酸基の相対位置は、オルト位、メタ位またはパラ位であり、
一般式(I)、(II)および(III)において、R'はアルキル基、置換アルキル基、アリール基または置換アリール基であり、
一般式(IV)、(V)、(VI)および(VII)において、Rはアルキル基を示す、
ことを特徴とする。
【0007】
本発明の方法において、一般式(I)において、Arは、置換基がアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミド基、ヒドロキシ基、アシル基またはフェニル基である置換アリール基であることが好ましい。具体的には、一般式(I)において、Arとしてのアリール基、置換アリール基または複素環アリール基は、フェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4-メトキシフェニル基、4−フェニルフェニル基、4−ホルミルオキシフェニル基、4−アセチルフェニル基、4−アセトキシフェニル基、4−アセトアミドフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル基、2−メチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、2−ホルミルオキシフェニル基、2−フェニルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基または3−ピリジル基であってもよい。
【0008】
本発明の方法において、一般式(I)、(II)および(III)において、R’はトリフルオロメチル基、メチル基、フェニル基、p−トリル基、p−ニトロフェニル基またはp−クロロフェニル基であることが好ましい。
【0009】
本発明の方法において、一般式(IV)、(V)、(VI)および(VII)において、Rは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基またはn−ブチル基であることが好ましい。
【0010】
本発明の方法において、反応温度が130〜200℃であることが好ましく、反応温度が160〜185℃であることがより好ましい。
【0011】
本発明の方法において、モル比で計算する場合、スルホン酸アリールエステル/亜リン酸トリアルキルエステル/ハロゲン化金属塩/ニッケル塩またはパラジウム塩=1.0/1.0〜100/1.0〜20.0/0.01〜1.0であることが好ましい。スルホン酸アリールエステル/亜リン酸トリアルキルエステル/ハロゲン化金属塩/ニッケル塩またはパラジウム塩=1.0/4.0〜20.0/3.0〜10.0/0.05〜0.5であることがより好ましい。
【0012】
また、本発明の方法において、反応時間は1〜100時間であることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、容易に得られる原料からアリールリン酸ジアルキルエステルを製造でき、得られるアリールリン酸ジアルキルエステルは、医薬中間体および多種の有用なホスフィン配位子の合成に応用でき、これらの医薬中間体およびホスフィン配位子の合成が、容易で、低コストであり、立体および電子効果をより容易に変換するようにし、良好な応用可能性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
一般式(I)において、Arとしてのアリール基としては、単核または多核の芳香族環が挙げられる。単核の芳香族環としては、フェニル基が挙げられる。二核の芳香族環としては、ナフチル基が挙げられる。三核の芳香族環としては、アントラセニル基およびフェナントレニル基が挙げられる。Arとしての置換アリール基としては、前記で説明したアリール基における少なくとも1つの水素原子を、置換基で置換したものが挙げられる。置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミド基、ヒドロキシ基、アシル基およびフェニル基が挙げられる。これらの置換基によってアリール基における複数の水素原子が置換されている場合、該アリール基における複数の置換基は同じであっても異なっていてもよい。
【0015】
前述した置換基のうち、アルキル基としては、炭素原子数が好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜3の分岐鎖または直鎖のものが挙げられる。炭素原子数が1〜3のものとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基およびイソプロピル基が挙げられる。炭素原子数が4〜6のものとしては、t−ブチル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基およびヘキシル基が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素原子数が好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4の分岐鎖または直鎖のものが挙げられる。炭素原子数が1〜4のものとしては、メトキシル基、エトキシル基、n−プロポキシル基、イソプロポキシル基、n−ブトキシル基、イソブトキシル基、sec−ブトキシル基およびt−ブトキシル基が挙げられる。炭素原子数が5または6のものとしてはn−ペントキシル基およびn−ヘキソキシル基が挙げられる。アシルオキシ基としては、炭素原子数が好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜5のものが挙げられる。炭素原子数が1〜5のものとしては、アセトキシ基、n−プロピオニルオキシ基、n−ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基およびピバロイルオキシ基が挙げられる。炭素原子数が6のものとしては2−エチルブタノイルオキシ基が挙げられる。アミド基としては、炭素原子数が好ましくは1〜7、さらに好ましくは1〜3のものが挙げられ、例えばアセトアミド基が挙げられる。アシル基としては、炭素原子数が好ましくは1〜7、さらに好ましくは1〜3のものが挙げられる。炭素原子数が1〜3のものとしては、ホルミル基、アセチル基およびプロピオニル基が挙げられる。炭素原子数が4〜7のものとしては、n−ブチリル基、イソブチリル基およびピバロイル基が挙げられる。
【0016】
Arとしての複素環アリール基としては、ヘテロ原子として窒素原子、硫黄原子または酸素原子を少なくとも1つ以上含む5員環または6員環のものが挙げられる。ヘテロ原子として窒素原子を含むものとしては、ピリジル基、キノリニル基およびイソキノリニル基が挙げられる。ヘテロ原子として硫黄原子を含むものとしては、チオフェニル基が挙げられる。ヘテロ原子として酸素原子を含むものとしては、フラニル基が挙げられる。
【0017】
一般式(I)、(II)および(III)において、R’としてのアルキル基としては、炭素原子数が好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4の分岐鎖または直鎖のものが挙げられる。
R’としての置換アルキル基としては、R’としてのアルキル基において、少なくとも1つの水素原子が置換基によって置換されたものが挙げられる。置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基および芳香族基が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素原子数が好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4の分岐鎖または直鎖のものが挙げられる。芳香族基としては、単核または多核の芳香族環が挙げられる。
R’としてのアリール基としては、単核または多核の芳香族環が挙げられる。
R’としての置換アリール基としては、R’としてのアリール基において、少なくとも1つの水素原子が置換基によって置換されたものが挙げられる。置換基としては、アルキル基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルコキシ基および芳香族基が挙げられる。アルキル基としては、炭素原子数が好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜3の分岐鎖または直鎖のものが挙げられ、例えばメチル基、n−プロピル基およびイソプロピル基が挙げられる。ハロゲン原子としては、塩素原子が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素原子数が好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4の分岐鎖または直鎖のものが挙げられる。芳香族基としては、単核または多核の芳香族環が挙げられる。一般式(I)、(II)および(III)におけるR’が、これらの置換基のうち1または2以上の置換基によって置換された置換フェニル基である場合、該1または2以上の置換基のうち何れかが、該フェニル基におけるスルホン酸基に対してパラ位の炭素原子に結合していることが好ましい。
【0018】
一般式(II)で表されるおよび(III)一の化合物Rとしてのアルキル基としては、炭素原子数が好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜3の分岐鎖または直鎖のものが挙げられる。炭素原子数が1〜3のものとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基およびイソプロピル基が挙げられる。炭素原子数が4〜6のものとしては、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基およびヘキシル基が挙げられる。
【0019】
尚、一般式(II)における2つのR’は、同じであっても異なっていても良い。一般式(III)における3つのR’は、同じであっても異なっていても良い。
一般式(VII)におけるリン原子に結合する3つのORは、同じであってもよく異なっていても良い。一般式(IV)、(V)および(VI)における、同一のリン原子に結合する2つのORは、同じであってもよく異なっていてもよい。
【0020】
上記のように、本発明において、スルホン酸アリールエステルが、一般式(II)で表される化合物である場合、一般式(V)で表されるアリールリン酸ジアルキルエステルが得られる。かつ、一般式(II)において、2つのスルホン酸基の相対位置は、オルト位、メタ位またはパラ位である。当然ながら、一般式(V)において、2つのリン酸基の相対位置も、オルト位、メタ位またはパラ位である。かつ、一般式(II)における2つのスルホン酸基の相対位置がオルト位である場合、得られた一般式(V)で表されるアリールリン酸ジアルキルエステルにおける2つのリン酸基の相対位置もオルト位であり、一般式(II)における2つのスルホン酸基の相対位置がメタ位である場合、得られた一般式(V)で表されるアリールリン酸ジアルキルエステルにおける2つのリン酸基の相対位置もメタ位であり、一般式(II)における2つのスルホン酸基の相対位置がパラ位である場合、得られた一般式(V)で表されるアリールリン酸ジアルキルエステルにおける2つのリン酸基の相対位置もパラ位である。
【0021】
本発明のスルホン酸アリールエステルからアリールリン酸ジアルキルエステルを製造する方法は、具体的には、以下のようにして行うことが好ましい。
反応フラスコに、添加剤、ニッケル塩またはパラジウム塩、スルホン酸アリールエステルおよび亜リン酸トリアルキルエステルを加え、所定温度(反応温度)まで加熱した後、該温度を維持しつつ、所定時間(反応時間)、還流しながら攪拌し、スルホン酸アリールエステルと亜リン酸トリアルキルエステルとを反応させる。この反応は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
【0022】
また、本発明において、反応効率から考慮して、反応温度は100〜240℃であり、反応温度が130〜220℃であることが好ましく、反応温度が130〜200℃であることがより好ましく、反応温度が150〜200℃であることがさらに好ましく、160〜185℃がさらに一層好ましい。
さらに、本発明において、反応効率から考慮して、反応時間は1〜100時間であり、反応時間が4〜80時間であることが好ましく、6〜50時間がより好ましく、20〜36時間がさらに好ましい。
本発明において、必要に応じて上記反応温度の範囲および上記反応時間の範囲を任意に組み合わせることができる。
【実施例】
【0023】
以下、本発明の実施例について詳しく説明し、本実施例は、本発明の技術方案を前提として実施し、詳しい実施方式および具体的な操作過程を提示しているが、本発明の保護範囲は、下記の実施例に限定されない。
【0024】
(実施例1)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、塩化ナトリウム468mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.66g(10mmol)を加える。窒素保護下で200℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル352mgが得られ、収率は82%である。
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=7.82(m,2H),7.55(tq,J=7.5,1.4Hz,1H),7.47(m,2H),4.12(m,4H),1.32(td,J=7.0,0.5Hz,6H)
【0025】
(実施例2)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに臭化ニッケル44mg(0.2mmol)、塩化ナトリウム468mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル420mgが得られ、収率は98%である。
【0026】
(実施例3)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコにヨウ化ニッケル63mg(0.2mmol)、塩化ナトリウム468mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で180℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル422mgが得られ、収率は99%である。
【0027】
(実施例4)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコにトリフルオロメタンスルホン酸ニッケル71mg(0.2mmol)、塩化ナトリウム468mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル410mgが得られ、収率は92%である。
【0028】
(実施例5)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコにアセチルアセトンニッケル52mg(0.2mmol)、塩化ナトリウム1.17g(20mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル3.32g(20mmol)を加える。窒素保護下で240℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル310mgが得られ、収率は72%である。
【0029】
(実施例6)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコにビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル131mg(0.2mmol)、塩化ナトリウム468mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で165℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル360mgが得られ、収率は84%である。
【0030】
(実施例7)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン塩化ニッケル53mg(0.1mmol)、塩化ナトリウム468mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル360mgが得られ、収率は84%である。
【0031】
(実施例8)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン塩化ニッケル108mg(0.2mmol)、塩化ナトリウム468mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル350mgが得られ、収率は82%である。
【0032】
(実施例9)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン塩化ニッケル111mg(0.2mmol)、塩化ナトリウム935mg(16mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル365mgが得られ、収率は85%である。
【0033】
(実施例10)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン塩化ニッケル136mg(0.2mmol)、塩化ナトリウム468mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル365mgが得られ、収率は85%である。
【0034】
(実施例11)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、塩化リチウム1.7g(40.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル6.64g(40mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、100時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル56mgが得られ、収率は13%である。
【0035】
(実施例12)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、塩化カリウム596mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル6.64g(40mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル335mgが得られ、収率は69%である。
【0036】
(実施例13)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、塩化セシウム1.35g(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル6.64g(40mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル363mgが得られ、収率は86%である。
【0037】
(実施例14)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、塩化亜鉛1.09g(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル6.64g(40mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、40時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル183mgが得られ、収率は43%である。
【0038】
(実施例15)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、塩化マグネシウム1.9g(20.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル6.64g(40mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、100時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル110mgが得られ、収率は23%である。
【0039】
(実施例16)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化リチウム695mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル6.64g(40mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、40時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル63mgが得られ、収率は15%である。
【0040】
(実施例17)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化ナトリウム823mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル423mgが得られ、収率は99%である。
【0041】
(実施例18)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル425mgが得られ、収率は99%である。
【0042】
(実施例19)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化セシウム1.70g(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル422mgが得られ、収率は98%である。
【0043】
(実施例20)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル130mg(1.0mmol)、臭化マグネシウム1.47g(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル33.2g(200.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル419mgが得られ、収率は98%である。
【0044】
(実施例21)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化亜鉛450mg(2.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル415mgが得られ、収率は97%である。
【0045】
(実施例22)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、ヨウ化ナトリウム899mg(6.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル420mgが得られ、収率は98%である。
【0046】
(実施例23)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、ヨウ化カリウム1.33g(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、1時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル73mgが得られ、収率は17%である。
【0047】
(実施例24)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに酢酸ニッケル35mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル425mgが得られ、収率は99%である。
【0048】
(実施例25)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコにビス(トリシクロヘキシルホスフィン)塩化ニッケル138mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で220℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル425mgが得られ、収率は99%である。
【0049】
(実施例26)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化パラジウム35mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル425mgが得られ、収率は99%である。
【0050】
(実施例27)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに臭化パラジウム53mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、6時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル278mgが得られ、収率は65%である。
【0051】
(実施例28)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコにヨウ化パラジウム72mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で125℃まで加熱し、40時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル159mgが得られ、収率は37%である。
【0052】
(実施例29)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに酢酸パラジウム45mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、4時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル206mgが得られ、収率は48%である。
【0053】
(実施例30)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコにトリフルオロ酢酸パラジウム66mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル425mgが得られ、収率は99%である。
【0054】
(実施例31)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコにアセチルアセトンパラジウム61mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル279mgが得られ、収率は65%である。
【0055】
(実施例32)メタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、メタンスルホン酸フェニルエステル344mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル325mgが得られ、収率は76%である。
【0056】
(実施例33)ベンゼンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、ベンゼンスルホン酸フェニルエステル469mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル320mgが得られ、収率は75%である。
【0057】
(実施例34)p−トルエンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、p−トルエンスルホン酸フェニルエステル497mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、30時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル365mgが得られ、収率は86%である。
【0058】
(実施例35)p−クロロベンゼンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、p−クロロベンゼンスルホン酸フェニルエステル537mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジエチルエステル240mgが得られ、収率は56%である。
【0059】
(実施例36)トリフルオロメタンスルホン酸(4−メチルフェニル)エステルからの4−メチルフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸(4−メチルフェニル)エステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して4−メチルフェニルリン酸ジエチルエステル450mgが得られ、収率は99%である。
1H NMR(400 MHz,CDCl3):δ=7.68−7.73(m,2H),7.26−7.29(m,2H),4.04−4.18(m,4H),2.41(s,3H),1.31(t,J=6.9Hz,6H)
【0060】
(実施例37)トリフルオロメタンスルホン酸(4−tert−ブチルフェニル)エステルからの4−tert−ブチルフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸(4−tert−ブチルフェニル)エステル559mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して4−tert−ブチルフェニルリン酸ジエチルエステル535mgが得られ、収率は99%である。
1H NMR(400 MHz,CDCl3):δ=7.80−7.86(m,2H),7.62−7.66(m,2H),4.04−4.18(m,4H),2.41(s,3H),1.31(t,J=6.9Hz,6H)
【0061】
(実施例38)トリフルオロメタンスルホン酸(4−メトキシフェニル)エステルからの4−メトキシフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸(4−メトキシフェニル)エステル512mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して4−メトキシフェニルリン酸ジエチルエステル366mgが得られ、収率は75%である。
1H NMR(400 MHz,CDCl3):δ=7.72−7.77(m,2H),6.96−6.98(m,2H),4.04−4.13(m,4H),3.85(s,3H),1.31(t,J=7.4Hz,6H)
【0062】
(実施例39)トリフルオロメタンスルホン酸(4−フェニルフェニル)エステルからの4−フェニルフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸(4−フェニルフェニル)エステル605mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して4−フェニルフェニルリン酸ジエチルエステル551mgが得られ、収率は95%である。
1H NMR(400 MHz,CDCl3):δ=7.86−7.91(m,2H),7.67−7.70(m,2H),7.59−7.62(m,2H),7.44−7.48(m,2H),7.37−7.41(m,1H),4.09−4.22(m,4H),1.35(t,J=7.3Hz,6H)
【0063】
(実施例40)トリフルオロメタンスルホン酸(4−ホルミルオキシフェニル)エステルからの4−ホルミルオキシフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸(4−ホルミルオキシフェニル)エステル568mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して4−ホルミルオキシフェニルリン酸ジエチルエステル540mgが得られ、収率は99%である。
1H NMR(CDCl3,400 MHz):δ=8.12(dd,J=3.8,=8.2Hz,2H),7.89(dd,J=8.2,12.9 Hz,2H),4.14(m,4H),3.95(s,3H),1.33(t,J=7.1Hz,6H)
【0064】
(実施例41)トリフルオロメタンスルホン酸(4−アセチルフェニル)エステルからの4−アセチルフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸(4−アセチルフェニル)エステル536mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して4−アセチルフェニルリン酸ジエチルエステル440mgが得られ、収率は86%である。
1H NMR(CDCl3,400 MHz):δ=8.01−8.04(m,2H),7.90−7.95(m,2H),4.12−4.17(m,4H),2.65(s,3H),1.34(t,J=6.8Hz,6H)
【0065】
(実施例42)トリフルオロメタンスルホン酸(4−アセトキシフェニル)エステルからの4−アセトキシフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸(4−アセトキシフェニル)エステル568mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して4−アセトキシフェニルリン酸ジエチルエステル430mgが得られ、収率は79%である。
1H NMR(CDCl3,400 MHz):δ=7.66−7.73(m,2H),6.96−7.00(m,2H),4.02−4.15(m,4H),2.28(s,3H),1.31(t,J=7.2Hz,6H)
【0066】
(実施例43)トリフルオロメタンスルホン酸(4−ヒドロキシフェニル)エステルからの4−ヒドロキシフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸(4−ヒドロキシフェニル)エステル484mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して4−ヒドロキシフェニルリン酸ジエチルエステル317mgが得られ、収率は69%である。
1H NMR(CDCl3,400 MHz):δ=7.59−7.68(m,2H),6.96−7.01(m,2H),4.00−4.17(m,4H),1.31(t,J=7.0Hz,6H)
【0067】
(実施例44)トリフルオロメタンスルホン酸(4−アセトアミドフェニル)エステルからの4−アセトアミドフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸(4−アセトアミドフェニル)エステル566mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して4−アセトアミドフェニルリン酸ジエチルエステル441mgが得られ、収率は78%である。
1H NMR(CDCl3,400 MHz):δ=7.68(m,4H),4.06(m,4H),2.17(s,3H),1.29(t,J=7.2Hz,6H)
【0068】
(実施例45)トリフルオロメタンスルホン酸(3−メチルフェニル)エステルからの3−メチルフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸(3−メチルフェニル)エステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して3−メチルフェニルリン酸ジエチルエステル383mgが得られ、収率は84%である。
1H NMR(400 MHz,CDCl3):δ=8.05−8.02(m,2H),7.98−7.91(m,2H),4.19−4.10(m,4H),2.66(s,3H),1.35(t,J=6.8Hz,6H)
【0069】
(実施例46)トリフルオロメタンスルホン酸(3−メトキシフェニル)エステルからの3−メトキシフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸(3−メトキシフェニル)エステル512mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して3−メトキシフェニルリン酸ジエチルエステル357mgが得られ、収率は73%である。
1H NMR(400 MHz,CDCl3):δ=7.32−7.40(m,3H),7.07−7.10(m,1H),4.05−4.18(m,4H),3.87(s,3H),1.33(t,J=6.9Hz,6H)
【0070】
(実施例47)トリフルオロメタンスルホン酸(2−メチルフェニル)エステルからの2−メチルフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸(2−メチルフェニル)エステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、40時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して2−メチルフェニルリン酸ジエチルエステル183mgが得られ、収率は40%である。
1H NMR(400 MHz,CDCl3):δ=7.92(dd,1H,J=7.6,14.2Hz),7.43(t,J=7.3Hz,1H),7.26(m,1H),4.12(m,4H),2.57(s,3H),1.33(t,J=6.9Hz,6H)
【0071】
(実施例48)トリフルオロメタンスルホン酸(2−メトキシフェニル)エステルからの2−メトキシフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸(2−メトキシフェニル)エステル512mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、36時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して2−メトキシフェニルリン酸ジエチルエステル215mgが得られ、収率は44%である。
1H NMR(CDCl3,400 MHz):δ=7.82(dd,1H,J=7.5,14.9Hz),7.51(t,1H,J=7.9Hz),7.02(m,1H),6.95(t,1H,J=7.6Hz),4.16(m,4H),3.90(s,1H),1.33(t,J=7.1Hz,6H)
【0072】
(実施例49)トリフルオロメタンスルホン酸(2−ホルミルオキシフェニル)エステルからの2−ホルミルオキシフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ホルミルオキシフェニル)エステル568mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、30時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して2−ホルミルオキシフェニルリン酸ジエチルエステル540mgが得られ、収率は99%である。
1H NMR(CDCl3,400 MHz):δ=7.97(m,1H),7.72(m,1H),7.57(m,1H),4.16(m,4H),3.93(s,3H),1.35(t,J=7.1Hz,6H)
【0073】
(実施例50)トリフルオロメタンスルホン酸(2−フェニルフェニル)エステルからの2−フェニルフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル260mg(2.0mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸(2−フェニルフェニル)エステル605mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル3.32g(20mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、30時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して2−フェニルフェニルリン酸ジエチルエステル482mgが得られ、収率は83%である。
1H NMR(400 MHz,CDCl3):δ=8.02(ddd,J=14.3,7.7,1.4Hz,1H),7.52(tt,J=7.6,1.5Hz,1H),7.45−7.26(m,7H),3.96−3.74(m,4H),1.09(t,J=7.1Hz,6H)
【0074】
(実施例51)トリフルオロメタンスルホン酸(3,4−ジメチルフェニル)エステルからの3,4−ジメチルフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸(3,4−ジメチルフェニル)エステル508mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して3,4−ジメチルフェニルリン酸ジエチルエステル422mgが得られ、収率は87%である。
1H NMR(400 MHz,CDCl3):δ=7.30−6.95(m,3H),4.10(m,4H),2.28(s,3H),2.26(s,3H),1.33(t,J=7.2Hz,6H)
【0075】
(実施例52)トリフルオロメタンスルホン酸(3,4−ジメトキシフェニル)エステルからの3,4−ジメトキシフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸(3,4−ジメチルフェニル)エステル572mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、36時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して3,4−ジメチルフェニルリン酸ジエチルエステル389mgが得られ、収率は71%である。
1H NMR(CDCl3,400 MHz):δ=7.41(dd,1H,J=13.41,4.5Hz),7.27(d,J=14.0Hz,1H),6.94(dd,J=4.51,8.19Hz,1H),4.13(m,J=7.1,7.42Hz,4H),3.93(s,6H),1.35(t,J=7.1Hz,6H)
【0076】
(実施例53)トリフルオロメタンスルホン酸(3,5−ジメチルフェニル)エステルからの3,5−ジメチルフェニルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸(3,5−ジメチルフェニル)エステル508mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して3,5−ジメチルフェニルリン酸ジエチルエステル373mgが得られ、収率は77%である。
1H NMR(400 MHz,CDCl3):δ=7.42(s,1H),7.38(s,1H),7.15(s,1H),4.15−4.02(m,4H),2.33(s,6H),1.31(t,J=6.8Hz,6H)
【0077】
(実施例54)5−トリフルオロメタンスルホン酸ベンゾ[d][1,3]ジオキソールからのベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−リン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、5−トリフルオロメタンスルホン酸ベンゾ[d][1,3]ジオキソール540mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、36時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−リン酸ジエチルエステル444mgが得られ、収率は86%である。
1H NMR(CDCl3,400 MHz):δ=7.38(dd,J=8.3,13.6Hz,1H),7.21(d,J=12.9Hz,1H),6.89(dd,J=3.4,7.9Hz,1H),6.02(s,2H),4.10(m,4H),1.32(t,J=7.1Hz,6H)
【0078】
(実施例55)トリフルオロメタンスルホン酸(2−ナフチル)エステルからの2−ナフチルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ナフチル)エステル552mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して2−ナフチルリン酸ジエチルエステル386mgが得られ、収率は73%である。
1H NMR(400 MHz,CDCl3):δ=8.44(d,J=15.6Hz,1H),7.87−7.95(m,3H),7.74−7.78(m,1H),7.55−7.62(m,2H),4.19−4.25(m,4H),1.34(t,J=7.3Hz,6H)
【0079】
(実施例56)トリフルオロメタンスルホン酸(1−ナフチル)エステルからの1−ナフチルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸(1−ナフチル)エステル552mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、36時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して1−ナフチルリン酸ジエチルエステル217mgが得られ、収率は41%である。
1H NMR(400 MHz,CDCl3):δ=8.52(d,J=8.7Hz,1H),8.22−8.28(m,1H),8.04(d,J=8.3Hz,1H),7.89(d,J=7.8Hz,1H),7.51−7.63(m,3H),4.17−4.26(m,2H),4.04−4.13(m,2H),1.31(t,J=7.3Hz,6H)
【0080】
(実施例57)トリフルオロメタンスルホン酸(3−ピリジル)エステルからの3−ピリジルリン酸ジエチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸(3−ピリジル)エステル454mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル1.33g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して3−ピリジルリン酸ジエチルエステル425mgが得られ、収率は99%である。
1H NMR(400 MHz,CDCl3):δ=8.94(dd,1H),8.74(m,1H),8.06(ddt,1H),7.37(m,1H),4.13(m,4H),1.31(t,J=7.0Hz,6H)
【0081】
(実施例58)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジメチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリメチルエステル1.98g(16.0mmol)を加える。窒素保護下で100℃まで加熱し、50時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジメチルエステル233mgが得られ、収率は49%である。
1H NMR(400 MHz,CDCl3):δ=7.80(dd,2H),7.64(m,1H),7.54(m,2H),3.76(d,J=11.0Hz,6H)
【0082】
(実施例59)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジn−プロピルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリn−プロピルエステル3.31g(16.0mmol)を加える。窒素保護下で180℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジn−プロピルエステル378mgが得られ、収率は78%である。
1H NMR(400 MHz,CDCl3):δ=7.91(m,2H),7.62(m,3H),3.89(m,4H),1.61(m,4H),0.89(t,J=6.6Hz,6H)
【0083】
(実施例60)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジイソプロピルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリイソプロピルエステル3.31g(16.0mmol)を加える。窒素保護下で180℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジイソプロピルエステル320mgが得られ、収率は66%である。
1H NMR(400 MHz,CDCl3):δ=7.79(ddd,J=13.5,7.3,1.6Hz,2H),7.50(tq,J=7.6,1.6Hz,1H)7.42(m,2H),4.66(m,2H),1.35 and 1.20(2×d,J=6.20Hz,12H)
【0084】
(実施例61)トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステルからのフェニルリン酸ジn−ブチルエステル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム952mg(8.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸フェニルエステル452mg(2.0mmol)および亜リン酸トリn−ブチルエステル2.0g(8.0mmol)を加える。窒素保護下で185℃まで加熱し、20時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留してフェニルリン酸ジn−ブチルエステル540mgが得られ、収率は99%である。
1H NMR(400 MHz,CDCl3):δ=7.78(2H,dd),7.63(m,1H),7.50(m,2H),4.07(m,4H),1.71(m,4H),1.45(m,4H),0.94(d,J=8.0Hz,6H)
【0085】
(実施例62)1,4−ビストリフルオロメタンスルホン酸フェニルからの1,4−ジメトキシホスホリルフェニル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム1.90mg(16.0mmol)、1,4−ビストリフルオロメタンスルホン酸フェニル0.748g(2.0mmol)および亜リン酸トリメチルエステル3.0g(24.0mmol)を加える。窒素保護下で130℃まで加熱し、36時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して1,4−ジメトキシホスホリルフェニル346mgが得られ、収率は59%である。
1H NMR(400 MHz,CDCl3):δ=7.65〜7.75(m,4H),3.78(d,J=11.0Hz,12H)
【0086】
(実施例63)1,3−ビストリフルオロメタンスルホン酸フェニルからの1,3−ジメトキシホスホリルフェニル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム1.90mg(16.0mmol)、1,3−ビストリフルオロメタンスルホン酸フェニル0.748g(2.0mmol)および亜リン酸トリメチルエステル3.0g(24.0mmol)を加える。窒素保護下で160℃まで加熱し、36時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して1,3−ジメトキシホスホリルフェニル547mgが得られ、収率は93%である。
1H NMR(400 MHz,CDCl3):δ=7.90〜8.11(m,3H),7.75(m,1H),3.80(d,J=11.2Hz,12H)
【0087】
(実施例64)1,2−ビストリフルオロメタンスルホン酸フェニルからの1,2−ジメトキシホスホリルフェニル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム1.90mg(16.0mmol)、1,2−ビストリフルオロメタンスルホン酸フェニル0.748g(2.0mmol)および亜リン酸トリメチルエステル3.0g(24.0mmol)を加える。窒素保護下で180℃まで加熱し、36時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して1,2−ジメトキシホスホリルフェニル118mgが得られ、収率は20%である。
1H NMR(400 MHz,CDCl3):δ=7.75〜7.90(m,3H),7.55〜7.65(m,2H),3.77(d,J=11.5Hz,12H)
【0088】
(実施例65)1,3,5−トリストリフルオロメタンスルホン酸フェニルからの1,3,5−トリスジエトキシホスホリルフェニル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム1.90mg(16.0mmol)、1,3,5−トリストリフルオロメタンスルホン酸フェニル1.04g(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル6.65g(40.0mmol)を加える。窒素保護下で180℃まで加熱し、40時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して1,3,5−トリスジエトキシホスホリルフェニル233mgが得られ、収率は24%である。
1H NMR(400 MHz,CDCl3):δ=8.42〜8.28(m,3H),4.24〜4.00(m,12H),1.31(t,J=7.0Hz,18H)
【0089】
(実施例66)1,3,5−トリストリフルオロメタンスルホン酸フェニルからの1,3,5−トリスジイソプロポキシホスホリルフェニル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム1.90mg(16.0mmol)、1,3,5−トリストリフルオロメタンスルホン酸フェニル1.04g(2.0mmol)および亜リン酸トリイソプロピルエステル8.33g(40.0mmol)を加える。窒素保護下で150℃まで加熱し、40時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して1,3,5−トリスジエチルイソプロポキシホスホリルフェニル160mgが得られ、収率は14%である。
1H NMR(400 MHz,CDCl3):δ=8.44〜8.33(m,3H),4.82〜4.67(m,6H),1.39(d,J=6.2Hz,18H),1.25(d,J=6.2Hz,18H)
【0090】
(実施例67)1,3,5−トリメタンスルホン酸フェニルからの1,3,5−トリスジエトキシホスホリルフェニル化合物の製造
乾燥反応フラスコに塩化ニッケル26mg(0.2mmol)、臭化カリウム1.90mg(16.0mmol)、1,3,5−トリメタンスルホン酸フェニル721mg(2.0mmol)および亜リン酸トリエチルエステル6.65g(40.0mmol)を加える。窒素保護下で180℃まで加熱し、80時間攪拌しながら反応させる。攪拌を停止して室温まで下げ、蒸留して1,3,5−トリスジエトキシホスホリルフェニル33mgが得られ、収率は3%である。
1H NMR(400 MHz,CDCl3):δ=8.42〜8.28(m,3H),4.24〜4.00(m,12H),1.31(t,J=7.0Hz,18H)
【0091】
以上の実施例は、操作が容易で、収率が高い。実現されるスルホン酸アリールエステルのアルブゾフ反応は、アリールリン酸エステルを製造でき、さらに医薬中間体の合成、ホスフィン配位子等の有用化合物の合成に応用でき、良好な応用可能性を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スルホン酸アリールエステルからアリールリン酸ジアルキルエステルを製造する方法であって、
ニッケル塩またはパラジウム塩の触媒下で、スルホン酸アリールエステルを一般式(VII)で表される亜リン酸トリアルキルエステルおよび添加剤と反応させることで、アリールリン酸ジアルキルエステルが得られ、ここで、
前記スルホン酸アリールエステルが一般式(I)で表される化合物である場合、一般式(IV)で表されるアリールリン酸ジアルキルエステルが得られ、
前記スルホン酸アリールエステルが一般式(II)で表される化合物である場合、一般式(V)で表されるアリールリン酸ジアルキルエステルが得られ、
前記スルホン酸アリールエステルが一般式(III)で表される化合物である場合、一般式(VI)で表されるアリールリン酸ジアルキルエステルが得られ、
ここで、反応温度は100〜240℃であり、
【化1】


前記添加剤は、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化ナトリウムおよびヨウ化カリウムから選ばれる1種のハロゲン化金属塩であり、
前記ニッケル塩は、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、酢酸ニッケル、トリフルオロメタンスルホン酸ニッケル、アセチルアセトンニッケル、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)塩化ニッケル、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン塩化ニッケル、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン塩化ニッケル、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン塩化ニッケルおよび1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン塩化ニッケルから選ばれる1種の物質であり、
前記パラジウム塩は、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウムおよびアセチルアセトンパラジウムから選ばれる1種の物質であり、
一般式(I)において、Arはアリール基、置換アリール基または複素環アリール基であり、
一般式(II)において、2つのスルホン酸基の相対位置は、オルト位、メタ位またはパラ位であり、
一般式(I)、(II)および(III)において、R'はアルキル基、置換アルキル基、アリール基または置換アリール基であり、
一般式(IV)、(V)、(VI)および(VII)において、Rはアルキル基を示す、
ことを特徴とするスルホン酸アリールエステルからアリールリン酸ジアルキルエステルを製造する方法。
【請求項2】
一般式(I)において、Arは、置換基がアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミド基、ヒドロキシ基、アシル基またはフェニル基である置換アリール基であることを特徴とする請求項1に記載のスルホン酸アリールエステルからアリールリン酸ジアルキルエステルを製造する方法。
【請求項3】
一般式(I)において、Arは、フェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4-メトキシフェニル基、4−フェニルフェニル基、4−ホルミルオキシフェニル基、4−アセチルフェニル基、4−アセトキシフェニル基、4−アセトアミドフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル基、2−メチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、2−ホルミルオキシフェニル基、2−フェニルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基または3−ピリジル基であることを特徴とする請求項1に記載のスルホン酸アリールエステルからアリールリン酸ジアルキルエステルを製造する方法。
【請求項4】
一般式(I)、(II)および(III)において、R’はトリフルオロメチル基、メチル基、フェニル基、p−トリル基、p−ニトロフェニル基またはp−クロロフェニル基であることを特徴とする請求項1ないし3の何れか一項に記載のスルホン酸アリールエステルからアリールリン酸ジアルキルエステルを製造する方法。
【請求項5】
一般式(IV)、(V)、(VI)および(VII)において、Rは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基またはn−ブチル基を示すことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載のスルホン酸アリールエステルからアリールリン酸ジアルキルエステルを製造する方法。
【請求項6】
反応温度が130〜200℃であることを特徴とする請求項1ないし5の何れか一項に記載のスルホン酸アリールエステルからアリールリン酸ジアルキルエステルを製造する方法。
【請求項7】
反応温度が160〜185℃であることを特徴とする請求項1ないし6の何れか一項に記載のスルホン酸アリールエステルからアリールリン酸ジアルキルエステルを製造する方法。
【請求項8】
モル比で計算する場合、スルホン酸アリールエステル/亜リン酸トリアルキルエステル/ハロゲン化金属塩/ニッケル塩またはパラジウム塩=1.0/1.0〜100/1.0〜20.0/0.01〜1.0であることを特徴とする請求項1ないし7の何れか一項に記載のスルホン酸アリールエステルからアリールリン酸ジアルキルエステルを製造する方法。
【請求項9】
モル比で計算する場合、スルホン酸アリールエステル/亜リン酸トリアルキルエステル/ハロゲン化金属塩/ニッケル塩またはパラジウム塩=1.0/4.0〜20.0/3.0〜10.0/0.05〜0.5であることを特徴とする請求項1ないし8の何れか一項に記載のスルホン酸アリールエステルからアリールリン酸ジアルキルエステルを製造する方法。
【請求項10】
反応時間が1〜100時間であることを特徴とする請求項1ないし9の何れか一項に記載のスルホン酸アリールエステルからアリールリン酸ジアルキルエステルを製造する方法。

【公開番号】特開2012−229211(P2012−229211A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−95229(P2012−95229)
【出願日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【出願人】(507190994)上海交通大学 (16)
【出願人】(000230593)日本化学工業株式会社 (296)
【Fターム(参考)】