説明

スロットアンテナ、無線装置、及び電子機器

【課題】無線装置の回路規模が大きかった。
【解決手段】第1、第2、第3、第4の接続点を有するスロットを備える導体板と、共振用キャパシタとを含み、第1、第2の接続点の位置により定まるインピーダンスが、第1の回路のインピーダンスと実質的に等しく、第3、第4の接続点の位置により定まるインピーダンスが、第2の回路のインピーダンスと実質的に等しい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットアンテナ、無線装置、及び電子機器に関し、詳しくは、キーレスエントリーシステム及び携帯電話のような無線通信を行う電子機器、当該電子機器が備える、前記無線通信の機能を有する無線装置、及び、当該無線装置が備える、前記無線通信のための電波を送受するスロットアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
図7に図示された、下記の特許文献1〜特許文献4に記載されたと同様なスロットアンテナSA10では、外部から、電波M10に重畳されている電力P10及び信号S10を受けるべく、導電板CNに設けられた矩形状のスロット(スリット)SLは、一方の長辺LS10の中点CP10と他方の長辺LS11の中点CP11との間に共振用キャパシタCが接続されている。
【0003】
スロットアンテナSA10は、また、前記受けた電力P10を無線装置RD10内の整流回路RCTに出力し、かつ、受けた信号S10を無線装置RD10内の復調回路DEMに出力すべく、スロットアンテナSA10の長辺LS10、LS11上に一対の接続点FD10、FD11(給電点)を有する。
【0004】
【特許文献1】特開2005−222277号公報
【特許文献2】特開2005−236672号公報
【特許文献3】特開2004−274381号公報
【特許文献4】特開平6−338819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来のスロットアンテナSA10では、前記受けた電力P10及び信号S10の両方を、前記一対の接続点FD10、FD11のみから前記整流回路RCT及び復調回路DEMに出力する。従って、図7に示されるように、整流回路RCT向けの電力P10と復調回路DEM向けの信号S10とを分離すべく、当該分離のための分配回路DVが必要であり、さらに、当該分配回路DVと整流回路RCTとの間には、当該整流回路RCTの入力インピーダンスと整合を取るための整合回路MT10が必要であり、同様に、前記分配回路DVと復調回路DEMとの間には、当該復調回路DEMの入力インピーダンスと整合を取るための整合回路MT11が必要である。その結果、無線装置RD10の回路規模が大きくなるという問題があった。
【0006】
また、図8(A)に図示された従来のループアンテナLA10では、2つのループアンテナ本体、即ち、第1のループアンテナ本体L10と、第2のループアンテナ本体L11とを備え、第1のループアンテナ本体L10は、当該第1のループアンテナ本体L10に接続されている整流回路RCTに電力P10を供給し、他方で、第2のループアンテナ本体L11は、当該第2のループアンテナ本体L11に接続されている復調回路DEMに信号S10を出力する。また、図8(B)に図示された従来のループアンテナLA20は、当該ループアンテナLA20に接続されている整流回路RCT及び復調回路DEMに電力P10及び信号S10を出力する。
【0007】
しかしながら、前者の従来のループアンテナLA10では、第1のループアンテナ本体L10と第2のループアンテナ本体L11との間の電磁的結合を所望の状態(予め決められた仕様)に調整することが容易ではなく、また、後者の従来のループアンテナLA20では、点線で図示されたような副次的なアンテナが電気的に形成され、当該アンテナに流れる電流i10、i11を分析することが困難であり、その結果、当該ループアンテナLA20の設計が困難であるという問題があった。
【0008】
さらに、図9に図示された従来の無線装置RD20では、外部から受ける信号(受信信号)Sr10を、送受共用アンテナTRA20→帯域濾波器BPF20→整合回路MT20→切換回路SW20→受信回路RX20の経路で受信回路RX20に到達させること、及び、外部へ送出すべき信号(送信信号)St10を、送信回路TX20→切換回路SW20→整合回路MT20→帯域濾波器BPF20→送受共用アンテナTRA20の経路で送受共用アンテナTRA20から送出することを、一つの送受共用アンテナTRA20で実現するには、前記受信信号Sr10と前記送信信号St10とを切り換えるための前記切換回路SW20を必要とするという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記した課題を解決すべく、以下の適用例により実現される。
【0010】
[適用例1]
適用例1のスロットアンテナは、
(1)矩形のスロットが規定されている導体板と、
(2)前記スロットの第1の長辺上の第1の中点と第2の長辺上の第2の中点との間に設けられている共振用キャパシタと、
(3)前記第1の長辺上で前記第1の中点と一方の端点との間に設けられている第1の接続点、及び、前記第2の長辺上で前記第1の接続点に対応して設けられた第2の接続点であって、前記第1の中点及び前記第1の接続点間の距離により定まるインピーダンスが、当該第1の接続点に接続されている不平衡型の第1の回路の入力インピーダンスと実質的に等しい前記第1の接続点、及び、接地電位に接続されている前記第2の接続点と、
(4)前記第1の長辺上で前記第1の中点と他方の端点との間に設けられている第3の接続点、及び、前記第2の長辺上で前記第3の接続点に対応して設けられている第4の接続点であって、前記第1の中点及び前記第3の接続点間の距離により定まるインピーダンスが、当該第3の接続点に接続されている不平衡型の第2の回路の入力インピーダンスと実質的に等しい前記第3の接続点、及び、接地電位に接続されている前記第4の接続点と、を含む。
【0011】
適用例1のスロットアンテナによれば、前記第1の接続点及び前記第2の接続点が、前記第1の中点と当該第1の接続点とにより定めるインピーダンスが、当該第1の接続点に接続されている前記第1の回路の入力インピーダンスに実質的に等しくなるように設けられており、かつ、前記第3の接続点及び前記第4の接続点が、前記第1の中点と当該第3の接続点とにより定めるインピーダンスが、当該第3の接続点に接続されている前記第2の回路の入力インピーダンスに実質的に等しくなるように設けられていることから、従来のスロットアンテナに必要であった分配回路及び整合回路が不要となり、その結果、回路規模を小さくすることが可能となり、加えて、従来のループアンテナに必要であった当該ループアンテナの困難な調整や設計を不要とすることが可能となる。
【0012】
[適用例2]
適用例2のスロットアンテナは、
(1)矩形のスロットが規定されている導体板と、
(2)前記スロットの第1の長辺上の第1の中点と第2の長辺上の第2の中点との間に設けられている共振用キャパシタと、
(3)前記第1の長辺上で前記第1の中点と一方の端点との間に設けられている第1の接続点、及び、前記第2の長辺上で前記第1の接続点に対応して設けられている第2の接続点であって、前記第1の中点及び前記第1の接続点間の距離、並びに、前記第2の長辺上の第2の中点及び前記第2の接続点間の距離により定まるインピーダンスが、前記第1の接続点及び前記第2の接続点に接続されている平衡型の第1の回路の入力インピーダンスと実質的に等しい前記第1の接続点及び前記第2の接続点と、
(4)前記第1の長辺上で前記第1の中点と他方の端点との間に設けられている第3の接続点、及び、前記第2の長辺上で前記第3の接続点に対応して設けられた第4の接続点であって、前記第1の中点及び前記第3の接続点間の距離、並びに、前記第2の長辺上の第2の中点及び前記第4の接続点間の距離により定まるインピーダンスが、前記第3の接続点及び前記第4の接続点に接続されている平衡型の第2の回路の入力インピーダンスと実質的に等しい前記第3の接続点及び前記第4の接続点と、を含む。
【0013】
適用例2のスロットアンテナによれば、前記第1の接続点及び前記第2の接続点が、前記第1の中点及び当該第1の接続点間の距離、並びに、前記第2の中点及び当該第2の接続点間の距離により定まるインピーダンスが、前記第1の回路の入力インピーダンスと実質的に等しくなるように設けられており、かつ、前記第3の接続点及び前記第4の接続点が、前記第1の中点及び当該第3の接続点間の距離、並びに、前記第2の中点及び当該第4の接続点間の距離により定まるインピーダンスが、前記第2の回路の入力インピーダンスと実質的に等しくなるように設けられていることから、適用例1の効果と同様な効果を得ることができる。
【0014】
[適用例3]
適用例3のスロットアンテナは、
(1)矩形のスロットが規定されている導体板と、
(2)前記スロットの第1の長辺上の第1の中点と第2の長辺上の第2の中点との間に設けられている共振用キャパシタと、
(3)前記第1の長辺上で前記第1の中点と一方の端点との間に設けられている第1の接続点、及び、前記第2の長辺上で前記第1の接続点に対応して設けられている第2の接続点であって、前記第1の中点及び前記第1の接続点間の距離により定まるインピーダンスが、当該第1の接続点に接続されている不平衡型の第1の回路の入力インピーダンスと実質的に等しい前記第1の接続点、及び、接地電位に接続されている前記第2の接続点と、
(4)前記第1の長辺上で前記第1の中点と前記一方の端点との間に設けられている第3の接続点、及び、前記第2の長辺上で前記第3の接続点に対応して設けられている第4の接続点であって、前記第1の中点及び前記第3の接続点間の距離により定まるインピーダンスが、当該第3の接続点に接続されている不平衡型の第2の回路の入力インピーダンスと実質的に等しい前記第3の接続点、及び、接地電位に接続されている前記第4の接続点と、を含む。
【0015】
適用例3のスロットアンテナによれば、前記第1の接続点及び前記第2の接続点が、前記第1の中点と当該第1の接続点とにより定めるインピーダンスが、当該第1の接続点に接続されている前記第1の回路の入力インピーダンスに実質的に等しくなるように設けられており、かつ、前記第3の接続点及び前記第4の接続点が、前記第1の中点と当該第3の接続点とにより定めるインピーダンスが、当該第3の接続点に接続されている前記第2の回路の入力インピーダンスに実質的に等しくなるように設けられていることから、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0016】
[適用例4]
適用例4のスロットアンテナは、
(1)矩形のスロットが規定されている導体板と、
(2)前記スロットの第1の長辺上の第1の中点と第2の長辺上の第2の中点との間に設けられている共振用キャパシタと、
(3)前記第1の長辺上で前記第1の中点と一方の端点との間に設けられている第1の接続点、及び、前記第2の長辺上で前記第1の接続点に対応して設けられている第2の接続点であって、前記第1の中点及び前記第1の接続点間の距離により定まるインピーダンスが、当該第1の接続点に接続される不平衡型の第1の回路の出力インピーダンスと実質的に等しい前記第1の接続点、及び、接地電位に接続されている前記第2の接続点と、
(4)前記第1の長辺上で前記第1の中点と他方の端点との間に設けられている第3の接続点、及び、前記第2の長辺上で前記第3の接続点に対応して設けられている第4の接続点であって、前記第1の中点及び前記第3の接続点間の距離により定まるインピーダンスが、当該第3の接続点に接続されている不平衡型の第2の回路の入力インピーダンスと実質的と等しい前記第3の接続点、及び、接地電位に接続されている前記第4の接続点と、を含む。
【0017】
適用例4のスロットアンテナによれば、前記第1の接続点及び前記第2の接続点が、前記第1の中点と当該第1の接続点とにより定めるインピーダンスが、当該第1の接続点に接続されている前記第1の回路の出力インピーダンスに実質的に等しくなるように設けられており、かつ、前記第3の接続点及び前記第4の接続点が、前記第1の中点と当該第3の接続点とにより定めるインピーダンスが、当該第3の接続点に接続されている前記第2の回路の入力インピーダンスに実質的に等しくなるように設けられていることから、従来の送受共用アンテナに必要であった切換回路が不要となり、その結果、回路規模を小さくすることが可能となり、加えて、適用例1と同様に、従来のループアンテナに必要であった当該ループアンテナの困難な調整や設計を不要とすることができる。
【0018】
[適用例5]
適用例5のスロットアンテナは、
(1)矩形のスロットが規定されている導体板と、
(2)前記スロットの第1の長辺上の第1の中点と第2の長辺上の第2の中点との間に設けられている共振用キャパシタと、
(3)前記第1の長辺上で前記第1の中点と一方の端点との間に設けられている第1の接続点、及び、前記第2の長辺上で前記第1の接続点に対応して設けられている第2の接続点であって、前記第1の中点及び前記第1の接続点間の距離により定まるインピーダンスが、当該第1の接続点に接続される不平衡型の第1の回路の出力インピーダンスと実質的に等しい前記第1の接続点、及び、接地電位に接続されている前記第2の接続点と、
(4)前記第1の長辺上で前記第1の中点と他方の端点との間に設けられている第3の接続点、及び、前記第2の長辺上で前記第3の接続点に対応して設けられた第4の接続点であって、前記第1の中点及び前記第3の接続点間の距離、並びに、前記第2の長辺上の第2の中点及び前記第4の接続点間の距離により定まるインピーダンスが、前記第3の接続点及び前記第4の接続点に接続されている平衡型の第2の回路の入力インピーダンスと実質的に等しい前記第3の接続点及び前記第4の接続点と、を含む。
【0019】
適用例5のスロットアンテナによれば、適用例4のスロットアンテナと同様な効果を得ることができる。
【0020】
[適用例6]
適用例6の無線装置は、
適用例1〜適用例3のスロットアンテナと、
前記第1の回路である整流回路と、
前記第2の回路である復調回路と、を含む。
【0021】
[適用例7]
適用例7の無線装置は、
適用例4、適用例5のスロットアンテナと、
前記第1の回路である送信回路と、
前記第2の回路である受信回路と、を含む。
【0022】
[適用例8]
適用例8の電子機器は、
適用例6、適用例7記載の無線装置を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
実施例のスロットアンテナ、無線装置、及び電子機器について図面を参照して説明する。
【0024】
《実施例1》
図1は、実施例1のスロットアンテナの構成を示す斜視図である。実施例1のスロットアンテナSA1では、図1に示されるように、半導体基板(シリコン基板)SB上に形成されている薄板(薄膜)上の導体板CNの表面に、外部から、電力P及び信号Sが重畳されている電波Mを受信するためのアンテナ素子として機能する矩形状のスロット(スリット)SLが形成されている。
【0025】
図2は、実施例1のスロットアンテナ、当該スロットアンテナを有する無線装置、及び、当該無線装置を含む電子機器の構成を示す。
【0026】
スロットアンテナSA1の説明に先立ち、電子機器E及び無線装置RD1について説明する。
【0027】
電子機器Eは、例えば、キーレスエントリーシステムや携帯電話であり、図2に示されるように、無線装置RD1を有し、当該無線装置RD1に加えて、操作部OPと、表示部DPと、制御部CTと、処理部PRと、記憶部STと、電源部PSとを有する。
【0028】
操作部OPは、入力を行うための、例えば、キー及びボタンであり、表示部DPは、例えば、文字及び画像を表示するための、液晶パネル及び有機ELパネルであり、制御部CTは、電子機器Eの全体動作の制御及び監視を行うべく、例えば、CPUからなり、処理部PRは、例えば、特化された演算処理を行うべく、DSPからなり、記憶部STは、前記した操作部OP〜処理部PRの動作に必要なデータ(例えば、入力された命令、表示すべき画像、制御・監視のためのデータ、及び、処理により得られた情報)を記憶するために用いられ、電源部PSは、例えば、リチウム電池からなる。
【0029】
無線装置RD1は、スロットアンテナSA1(図1に図示。)と、当該スロットアンテナSA1の後段に設けられ、前記スロットアンテナSA1から前記電力Pの供給を受ける「不平衡型」の整流回路RCTと、前記スロットアンテナSA1から前記信号Sの出力を受ける「不平衡型」の復調回路DEMと、を有する。整流回路RCTは、前記電力Pについて、例えば、全波整流又は半波整流を行い、また、復調回路DEMは、前記信号Sについて、例えば、直接検波又は同期検波を行う。
【0030】
無線装置RD1内では、スロットアンテナSA1は、図1を用いて説明したように、スロットSLは、導体板CNの表面に矩形状に形成されている。当該スロットSLは、一方の長辺LSaの中点CPaと、他方の長辺LSbの中点CPbとを接続する共振用キャパシタCが設けられている。スロットアンテナSA1は、スロットSL(インダクタ)及び共振用キャパシタCにより、前記電波Mの周波数と共振するLC共振回路を構成しており、これにより、電波Mを受信する。
【0031】
さらに、スロットSLには、一対の接続点FD1a、FD1b、及び、他の一対の接続点FD2a、FD2bが設けられている。
【0032】
前者の接続点FD1a、FD1bの接続については、接続点FD1aは、前記整流回路RCTの入力端(例えば、当該整流回路RCTを構成するオペアンプの一方の入力端)に接続されており、接続点FD1bは、接地電位に接続されている(前記オペアンプの他方の入力端も接地電位に接続されている)。
【0033】
後者の接続点FD2a、2bの接続については、接続点FD2aは、復調回路DEMの入力端(例えば、当該復調回路DEMを構成するオペアンプの一方の入力端)に接続されており、接続点FD2bは、接地電位に接続されている(前記オペアンプの他方の入力端も接地電位に接続されている)。
【0034】
前者の接続点FD1a、FD1bの位置については、接続点FD1aは、中点CPaと長辺LSaの一方の端点Ea(1)との間において、中点CPaと接続点FD1aとの間の距離LG1の大きさにより規定される、中点CPa及び接続点FD1a間のインピーダンスZ(LG1)が、整流回路RCTの入力インピーダンスと実質的に等しくなる位置に設けられている(Z(LG1)は図示せず。)。ここで、距離LG1が大きいほど、インピーダンスZ(LG1)は小さくなる関係にある。
【0035】
また、接続点FD1bは、長辺LSb上において、前記接続点FD1aに対応する位置に設けられている。
【0036】
後者の接続点FD2a、FD2bの位置については、接続点FD2aは、中点CPaと長辺LSaの他方の端点Ea(2)との間において、中点CPaと接続点FD2aとの間の距離LG2の大きさにより規定される、中点CPa及び接続点FD2a間のインピーダンスZ(LG2)が、復調回路DEMの入力インピーダンスと実質的に等しくなる位置に設けられている(Z(LG2)は図示せず。)。距離LG1とインピーダンスZ(LG1)との関係と同様に、距離LG2が大きいほど、インピーダンスZ(LG2)は小さくなる関係にある。
【0037】
また、接続点FD2bは、長辺LSb上において、前記接続点FD2aに対応する位置に設けられている。
【0038】
上述したように、実施例1のスロットアンテナSA1では、スロットSLに、不平衡型の整流回路RCTに電力Pを供給するための一対の接続点FD1a、FD1bが、前記中点CPaと当該接続点FD1aとの間の距離LG1により定めるインピーダンスZ(LG1)が、前記整流回路RCTの入力インピーダンスと実質的に等しくなる位置に設けられており、かつ、不平衡型の復調回路DEMに信号Sを出力するための一対の接続点FD2a、FD2bが、前記中点CPaと当該接続点FD2aとの間の距離LG2により定まるインピーダンスZ(LG2)が、前記復調回路DEMの入力インピーダンスと実質的に等しくなる位置に設けられている。これにより、スロットアンテナSA1から前記整流回路RCTへの電力Pの供給、及び、スロットアンテナSA1から前記復調回路DEMへの信号Sの出力を、従来必要であった分配回路及び整合回路を用いることなく、しかも、従来のループアンテナについての困難な設計及び調整を伴うことなく、行うことが可能となる。この結果、設計上及び調整上の煩わしさを回避しつつ、無線装置RD1の回路規模を従来に比して小型にすることができる。
【0039】
図2では、整流回路RCTの入力インピーダンスが復調回路DEMの入力インピーダンスより大きいことから、距離LG1が距離LG2より大きい。これとは対照的に、整流回路RCTの入力インピーダンスが復調回路DEMの入力インピーダンスより小さければ、距離LG1は距離LG2より小さくなる。
【0040】
《実施例2》
実施例2のスロットアンテナ、無線装置、及び電子機器について説明する。
【0041】
図3は、実施例2のスロットアンテナ、及び、当該スロットアンテナを有する無線装置を示す。当該実施例2と上記した実施例1との相違点は、実施例1の整流回路RCT及び復調回路DEMが「不平衡型」であるのに対し、実施例2のそれらが「平衡型」である点である。
【0042】
実施例2の無線装置RD2は、実施例1の無線装置RD1と同様な構成を有し(図示せず。)、他方で、実施例1で説明した電子機器Eと同様な構成及び機能を有する電子機器(図示せず。)内に設けられている。
【0043】
無線装置RD2は、図3に示されるように、スロットアンテナSA2と、当該スロットアンテナSA2の後段に設けられ、前記スロットアンテナSA2から前記電力Pの供給を受ける「平衡型」の整流回路RCTと、前記スロットアンテナSA2から前記信号Sの出力を受ける「平衡型」の復調回路DEMと、を有する。
【0044】
スロットアンテナSA2では、実施例1と同様に、導体板CNの表面に、スロットSLが矩形状に形成されている。当該スロットSLは、実施例1と同様に、長辺LSaの中点CPaと、長辺LSbの中点CPbとを接続する共振用キャパシタCが設けられている。スロットアンテナSA2は、実施例1と同様に、スロットSL(インダクタ)及び共振用キャパシタCにより、前記電波Mの周波数と共振するLC共振回路を構成しており、これにより、電波Mを受信する。
【0045】
さらに、スロットSLには、実施例1と同様に、一対の接続点FD1a、FD1b、及び、他の一対の接続点FD2a、FD2bが設けられている。
【0046】
前者の接続点FD1a、FD1bの接続については、接続点FD1aは、前記整流回路RCTの一方の入力端に接続されており、接続点FD1bは、実施例1と異なり、前記整流回路RCTの他方の入力端に接続されている。
【0047】
後者の接続点FD2a、2bの接続については、接続点FD2aは、前記復調回路DEMの一方の入力端に接続されており、接続点FD2bは、実施例1と異なり、前記復調回路DEMの他方の入力端に接続されている。
【0048】
前者の接続点FD1a、FD1bの位置については、実施例1と同様に、接続点FD1aは、中点CPaと長辺LSaの一方の端点Ea(1)との間に設けられており、接続点FD1bは、中点CPbと長辺LSbの一方の端点Eb(1)との間に設けられている。但し、実施例2は、不平衡型である実施例1と異なり、平衡型であることから、より正確には、中点CPaと接続点FD1aとの間の距離LG1aの大きさにより規定される、中点CPa及び接続点FD1a間のインピーダンスZ(LG1a)、及び、中点CPbと接続点FD1bとの間の距離LG1bの大きさにより規定される、中点CPb及び接続点FD1b間のインピーダンスZ(LG1b)の合成インピーダンスが、前記整流回路RCTの両入力端間のインピーダンスと実質的に等しくなる位置に、接続点FD1a、1bが設けられている(Z(LG1a)、Z(LG1b)は図示せず。)。
【0049】
後者の接続点FD2a、FD2bの位置については、実施例1と同様に、接続点FD2aは、中点CPaと長辺LSaの他方の端点Ea(2)との間に設けられており、接続点FD2bは、中点CPbと長辺LSbの他方の端点Eb(2)との間に設けられている。但し、実施例2は、不平衡型である実施例1と異なり、平衡型であることから、より正確には、中点CPaと接続点FD2aとの間の距離LG2aの大きさにより規定される、中点CPa及び接続点FD2a間のインピーダンスZ(LG2a)、及び、中点CPbと接続点FD2bとの間の距離LG2bの大きさにより規定される、中点CPb及び接続点FD2b間のインピーダンスZ(LG2b)の合成インピーダンスが、前記復調回路DEMの両入力端間のインピーダンスと実質的に等しくなる位置に、接続点FD2a、2bが設けられている(Z(LG2a)、Z(LG2b)は図示せず。)。
【0050】
上述したように、実施例2のスロットアンテナSA2では、スロットSLに、(1)平衡型の整流回路RCTに電力Pを供給するための一対の接続点FD1a、FD1bが、前記インピーダンスZ(LG1a)及び前記インピーダンスZ(LG1b)の合成インピーダンスが、前記平衡型の整流回路RCTの両入力端間の入力インピーダンスと実質的に等しくなる位置に設けられており、かつ、(2)平衡型の復調回路DEMに信号Sを出力するための一対の接続点FD2a、FD2bが、前記インピーダンスZ(LG2a)及び前記インピーダンスZ(LG2b)の合成インピーダンスが、前記平衡型の復調回路DEMの両入力端間の入力インピーダンスと実質的に等しくなる位置に設けられている。これにより、スロットアンテナSA2から前記整流回路RCTへの電力Pの供給、及び、スロットアンテナSA2から前記復調回路DEMへの信号Sの出力を、実施例1と同様に、従来必要であった分配回路及び整合回路を用いることなく、しかも、従来のループアンテナについての困難な設計及び調整を伴うことなく、行うことが可能となる。この結果、実施例1と同様に、設計上及び調整上の煩雑さを避けつつ、無線装置RD2の回路規模を従来に比して小型にすることができる。
【0051】
《実施例3》
実施例3のスロットアンテナ、無線装置、及び電子機器について説明する。
【0052】
図4は、実施例3のスロットアンテナ、及び、当該スロットアンテナを有する無線装置を示す。当該実施例3と上記した実施例1との相違点は、実施例1の一対の接続点FD1a、FD1bが中点CPa、CPb及び一方の端点Ea(1)、Eb(1)間に設けられているのに対し、実施例3の一対の接続点FD1a、FD1bが、一対の接続点FD2a、FD2bと同様に、中点CPa、CPb及び他方の端点Ea(2)、Eb(2)に設けられている点である。
【0053】
実施例3の無線装置RD3は、実施例1、2の無線装置RD1、RD2と同様な構成を有し(図示せず。)、他方で、実施例1で説明した電子機器Eと同様な構成及び機能を有する電子機器(図示せず。)内に設けられている。
【0054】
無線装置RD3は、図4に示されるように、スロットアンテナSA3と、当該スロットアンテナSA3の後段に設けられ、前記スロットアンテナSA3から前記電力Pの供給を受ける、実施例1と同様な「不平衡型」の整流回路RCTと、前記スロットアンテナSA3から前記信号Sの出力を受ける、実施例1と同様な「不平衡型」の復調回路DEMと、を有する。
【0055】
無線装置RD3内では、スロットアンテナSA3は、図1を用いて説明したように、スロットSLは、実施例1と同様に、導体板CNの表面に、矩形状に形成されている。当該スロットSLは、実施例1と同様に、長辺LSaの中点CPaと、長辺LSbの中点CPbとを接続する共振用キャパシタCが設けられている。スロットアンテナSA3は、スロットSL(インダクタ)及び共振用キャパシタCにより、前記電波Mの周波数と共振するLC共振回路を構成しており、これにより、電波Mを受信する。
【0056】
さらに、スロットSLには、実施例1と同様に、一対の接続点FD1a、FD1b、及び、他の一対の接続点FD2a、FD2bが設けられている。
【0057】
前者の接続点FD1a、FD1bの接続については、実施例1と同様に、接続点FD1aは、前記整流回路RCTの一方の入力端に接続されており(他方の入力端は接地電位に接続されている。)、接続点FD1bは、接地電位に接続されている。
【0058】
後者の接続点FD2a、2bの接続については、実施例1と同様に、接続点FD2aは、復調回路DEMの一方の入力端に接続されており(他方の入力端は接地電位に接続されている。)、接続点FD2bは、接地電位に接続されている。
【0059】
前者の接続点FD1a、FD1bの位置については、実施例1と異なり、接続点FD1aは、中点CPaと長辺LSaの他方の端点Ea(2)との間において、中点CPaと接続点FD1aとの間の距離LG1の大きさにより規定される、中点CPa及び接続点FD1a間のインピーダンスZ(LG1)が、整流回路RCTの入力インピーダンスと実質的に等しくなる位置に設けられている(Z(LG1)は図示せず。)。ここで、実施例1と同様に、距離LG1が大きいほど、インピーダンスZ(LG1)は小さくなる関係にある。
【0060】
接続点FD1bは、長辺LSbにおいて、接続点FD1aに対応する位置に設けられている。
【0061】
後者の接続点FD2a、FD2bの位置については、実施例1と同様に、接続点FD2aは、中点CPaと長辺LSaの他方の端点Ea(2)との間に、中点CPaと接続点FD2aとの間の距離LG2の大きさにより規定される、中点CPa及び接続点FD2a間のインピーダンスZ(LG2)が、復調回路DEMの入力インピーダンスと実質的に等しくなる位置に設けられている(Z(LG2)は図示せず。)。距離LG1とインピーダンスZ(LG1)との関係と同様に、距離LG2が大きいほど、インピーダンスZ(LG2)は小さくなる関係にある。
【0062】
接続点FD2bは、長辺LSbにおいて、接続点FD2aに対応する位置に設けられている。
【0063】
上述したように、実施例3のスロットアンテナSA3では、スロットSLに、不平衡型の整流回路RCTに電力Pを供給するための一対の接続点FD1a、FD1bが、中点CPaと当該接続点FD1aとの間の距離LG1により定まるインピーダンスZ(LG1)が、前記整流回路RCTの入力インピーダンスと実質的に等しくなる位置に設けられており、かつ、不平衡型の復調回路DEMに信号Sを出力するための一対の接続点FD2a、FD2bが、前記中点CPaと当該接続点FD2aとの間の距離LG2により定まるインピーダンスZ(LG2)が、前記復調回路DEMの入力インピーダンスと実質的に等しくなる位置に設けられている。これにより、スロットアンテナSA3から前記整流回路RCTへの電力Pの供給、及び、スロットアンテナSA3から前記復調回路DEMへの信号Sの出力を、従来必要であった分配回路及び整合回路を用いることなく、しかも、従来のループアンテナについての困難な設計及び調整を伴うことなく、行うことが可能となる。この結果、設計上及び調整上の困難を生ずることなく、無線装置RD3の回路規模を従来に比して小型にすることができる。
【0064】
《実施例4》
実施例4のスロットアンテナ、無線装置、及び電子機器について説明する。
【0065】
図5は、実施例4のスロットアンテナ、及び、当該スロットアンテナを有する無線装置を示す。当該実施例4と上記した実施例1との相違点は、実施例1では、スロットアンテナSA1の後段に整流回路RCT及び復調回路DEMが設けられているのに対し、実施例4では、スロットアンテナSA4の前段に送信回路TXが設けられ、かつ、スロットアンテナSA4の後段に受信回路RXが設けられている点である。
【0066】
実施例4の無線装置RD4は、実施例1の無線装置RD1と同様な構成を有し(図示せず。)、他方で、実施例1で説明した電子機器Eと同様な構成及び機能を有する電子機器(図示せず。)内に設けられている。
【0067】
無線装置RD4は、図5に示されるように、スロットアンテナSA4と、当該スロットアンテナSA4の前段に設けられ、外部へ送信すべき信号St(送信信号St)を前記スロットアンテナSA4に出力する、「不平衡型」の送信回路TXと、外部から受けた信号Sr(受信信号Sr)を、前記スロットアンテナSA4から入力される、「不平衡型」の受信回路RXと、を有する。
【0068】
無線装置RD4内では、スロットアンテナSA4は、図1を用いて説明したように、スロットSLは、実施例1と同様に、導体板CNの表面に、矩形状に形成されている。当該スロットSLは、実施例1と同様に、長辺LSaの中点CPaと、長辺LSbの中点CPbとを接続する共振用キャパシタCが設けられている。スロットアンテナSA4は、実施例1と同様に、スロットSL(インダクタ)及び共振用キャパシタCにより、前記電波Mの周波数と共振するLC共振回路を構成しており、これにより、電波Mを受信する。
【0069】
さらに、スロットSLには、実施例1と同様に、一対の接続点FD1a、FD1b、及び、他の一対の接続点FD2a、FD2bが設けられている。
【0070】
前者の接続点FD1a、FD1bの接続については、接続点FD1aは、実施例1と異なり、前記送信回路TXの出力端に接続されており、接続点FD1bは、実施例1と同様に、接地電位に接続されている。
【0071】
後者の接続点FD2a、2bの接続については、接続点FD2aは、実施例1と異なり、受信回路RXの入力端に接続されており、接続点FD2bは、実施例1と同様に、接地電位に接続されている。
【0072】
前者の接続点FD1a、FD1bの位置については、実施例1と実質的に同様に、接続点FD1aは、中点CPaと長辺LSaの一方の端点Ea(1)との間において、中点CPaと接続点FD1aとの間の距離LG1の大きさにより規定される、中点CPa及び接続点FD1a間のインピーダンスZ(LG1)が、送信回路TXの出力インピーダンスと実質的に等しくなる位置に設けられている(Z(LG1)は図示せず。)。ここで、実施例1と同様に、距離LG1が大きいほど、インピーダンスZ(LG1)は小さくなる関係にある。
【0073】
接続点FD1bは、長辺LSb上において、接続点FD1aに対応する位置に設けられている。
【0074】
後者の接続点FD2a、FD2bの位置については、実施例1と実質的に同様に、接続点FD2aは、中点CPaと長辺LSaの他方の端点Ea(2)との間において、中点CPaと接続点FD2aとの間の距離LG2の大きさにより規定される、中点CPa及び接続点FD2a間のインピーダンスZ(LG2)が、受信回路RXの入力インピーダンスと実質的に等しくなる位置に設けられている(Z(LG2は図示せず。)。距離LG1とインピーダンスZ(LG1)との関係と同様に、距離LG2が大きいほど、インピーダンスZ(LG2)は小さくなる関係にある。
【0075】
接続点FD2bは、長辺LSb上において、接続点FD2aに対応する位置に設けられている。
【0076】
上述したように、実施例4のスロットアンテナSA4では、スロットSLに、不平衡型の送信回路TXから送信信号Stを出力するための一対の接続点FD1a、FD1bが、当該接続点FD1aと中点CPaとの間の距離LG1により定まるインピーダンスZ(LG1)が前記送信回路TXの出力インピーダンスと実質的に等しくなる位置に設けられており、かつ、不平衡型の受信回路RXに受信信号Srを出力するための一対の接続点FD2a、FD2bが、当該接続点FD2aと前記中点CPaとの間の距離LG2により定まるインピーダンスZ(LG2)が前記受信回路RXの入力インピーダンスと実質的に等しくなる位置に設けられている。これにより、スロットアンテナSA4への前記送信回路TXからの送信信号Stの出力、及び、スロットアンテナSA4から前記受信回路RXへの受信信号Srの出力を、従来必要であった、前記送信信号Stと前記受信信号Srとを切り換えるための切換回路を用いることなく行うことが可能となる。この結果、無線装置RD4の回路規模を従来に比して小型にすることができる。
【0077】
〈変形例〉
上記した、図5に図示された、不平衡型の受信回路RXに接続されている接続点FD2a、FD2b(但し、接続点FD2bは接地電位。)を有するスロットアンテナSA4に代えて、図6に図示された、平衡型の受信回路RXの両入力端に接続されている接続点FD2a、FD2bを有するスロットアンテナSA4によっても、上記したと同様な効果を得ることができる。
【0078】
本発明の内容は、上記した実施例における、給電点の位置、平衡型又は不平衡型のタイプ、無線装置の回路構成等に制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】実施例1のスロットアンテナの構成を示す斜視図。
【図2】実施例1のスロットアンテナ、無線装置、及び、電子機器の構成を示す図。
【図3】実施例2のスロットアンテナ、及び無線装置の構成を示す図。
【図4】実施例3のスロットアンテナ、及び無線装置の構成を示す図。
【図5】実施例4のスロットアンテナ、及び無線装置の構成を示す図。
【図6】実施例4の変形例のスロットアンテナ、及び無線装置の構成を示す図。
【図7】従来のスロットアンテナの構成を示す図。
【図8】従来のループアンテナの構成を示す図。
【図9】従来の送受共用アンテナを備える無線装置の構成を示す図。
【符号の説明】
【0080】
E…電子機器、RD1…無線装置、SA1…スロットアンテナ、SL…スロット、FD1a…第1の接続点、FD1b…第2の接続点、FD2a…第3の接続点、FD2b…第4の接続点、CPa、CPb…中点、RCT…整流回路、DEM…復調回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)矩形のスロットが規定されている導体板と、
(2)前記スロットの第1の長辺上の第1の中点と第2の長辺上の第2の中点との間に設けられている共振用キャパシタと、
(3)前記第1の長辺上で前記第1の中点と一方の端点との間に設けられている第1の接続点、及び、前記第2の長辺上で前記第1の接続点に対応して設けられた第2の接続点であって、前記第1の中点及び前記第1の接続点間の距離により定まるインピーダンスが、当該第1の接続点に接続されている不平衡型の第1の回路の入力インピーダンスと実質的に等しい前記第1の接続点、及び、接地電位に接続されている前記第2の接続点と、
(4)前記第1の長辺上で前記第1の中点と他方の端点との間に設けられている第3の接続点、及び、前記第2の長辺上で前記第3の接続点に対応して設けられている第4の接続点であって、前記第1の中点及び前記第3の接続点間の距離により定まるインピーダンスが、当該第3の接続点に接続されている不平衡型の第2の回路の入力インピーダンスと実質的に等しい前記第3の接続点、及び、接地電位に接続されている前記第4の接続点と、を含むことを特徴とするスロットアンテナ。
【請求項2】
(1)矩形のスロットが規定されている導体板と、
(2)前記スロットの第1の長辺上の第1の中点と第2の長辺上の第2の中点との間に設けられている共振用キャパシタと、
(3)前記第1の長辺上で前記第1の中点と一方の端点との間に設けられている第1の接続点、及び、前記第2の長辺上で前記第1の接続点に対応して設けられている第2の接続点であって、前記第1の中点及び前記第1の接続点間の距離、並びに、前記第2の長辺上の第2の中点及び前記第2の接続点間の距離により定まるインピーダンスが、前記第1の接続点及び前記第2の接続点に接続されている平衡型の第1の回路の入力インピーダンスと実質的に等しい前記第1の接続点及び前記第2の接続点と、
(4)前記第1の長辺上で前記第1の中点と他方の端点との間に設けられている第3の接続点、及び、前記第2の長辺上で前記第3の接続点に対応して設けられた第4の接続点であって、前記第1の中点及び前記第3の接続点間の距離、並びに、前記第2の長辺上の第2の中点及び前記第4の接続点間の距離により定まるインピーダンスが、前記第3の接続点及び前記第4の接続点に接続されている平衡型の第2の回路の入力インピーダンスと実質的に等しい前記第3の接続点及び前記第4の接続点と、を含むことを特徴とするスロットアンテナ。
【請求項3】
(1)矩形のスロットが規定されている導体板と、
(2)前記スロットの第1の長辺上の第1の中点と第2の長辺上の第2の中点との間に設けられている共振用キャパシタと、
(3)前記第1の長辺上で前記第1の中点と一方の端点との間に設けられている第1の接続点、及び、前記第2の長辺上で前記第1の接続点に対応して設けられている第2の接続点であって、前記第1の中点及び前記第1の接続点間の距離により定まるインピーダンスが、当該第1の接続点に接続されている不平衡型の第1の回路の入力インピーダンスと実質的に等しい前記第1の接続点、及び、接地電位に接続されている前記第2の接続点と、
(4)前記第1の長辺上で前記第1の中点と前記一方の端点との間に設けられている第3の接続点、及び、前記第2の長辺上で前記第3の接続点に対応して設けられている第4の接続点であって、前記第1の中点及び前記第3の接続点間の距離により定まるインピーダンスが、当該第3の接続点に接続されている不平衡型の第2の回路の入力インピーダンスと実質的に等しい前記第3の接続点、及び、接地電位に接続されている前記第4の接続点と、を含むことを特徴とするスロットアンテナ。
【請求項4】
(1)矩形のスロットが規定されている導体板と、
(2)前記スロットの第1の長辺上の第1の中点と第2の長辺上の第2の中点との間に設けられている共振用キャパシタと、
(3)前記第1の長辺上で前記第1の中点と一方の端点との間に設けられている第1の接続点、及び、前記第2の長辺上で前記第1の接続点に対応して設けられている第2の接続点であって、前記第1の中点及び前記第1の接続点間の距離により定まるインピーダンスが、当該第1の接続点に接続される不平衡型の第1の回路の出力インピーダンスと実質的に等しい前記第1の接続点、及び、接地電位に接続されている前記第2の接続点と、
(4)前記第1の長辺上で前記第1の中点と他方の端点との間に設けられている第3の接続点、及び、前記第2の長辺上で前記第3の接続点に対応して設けられている第4の接続点であって、前記第1の中点及び前記第3の接続点間の距離により定まるインピーダンスが、当該第3の接続点に接続されている不平衡型の第2の回路の入力インピーダンスと実質的と等しい前記第3の接続点、及び、接地電位に接続されている前記第4の接続点と、を含むことを特徴とするスロットアンテナ。
【請求項5】
(1)矩形のスロットが規定されている導体板と、
(2)前記スロットの第1の長辺上の第1の中点と第2の長辺上の第2の中点との間に設けられている共振用キャパシタと、
(3)前記第1の長辺上で前記第1の中点と一方の端点との間に設けられている第1の接続点、及び、前記第2の長辺上で前記第1の接続点に対応して設けられている第2の接続点であって、前記第1の中点及び前記第1の接続点間の距離により定まるインピーダンスが、当該第1の接続点に接続される不平衡型の第1の回路の出力インピーダンスと実質的に等しい前記第1の接続点、及び、接地電位に接続されている前記第2の接続点と、
(4)前記第1の長辺上で前記第1の中点と他方の端点との間に設けられている第3の接続点、及び、前記第2の長辺上で前記第3の接続点に対応して設けられた第4の接続点であって、前記第1の中点及び前記第3の接続点間の距離、並びに、前記第2の長辺上の第2の中点及び前記第4の接続点間の距離により定まるインピーダンスが、前記第3の接続点及び前記第4の接続点に接続されている平衡型の第2の回路の入力インピーダンスと実質的に等しい前記第3の接続点及び前記第4の接続点と、を含むことを特徴とするスロットアンテナ。
【請求項6】
請求項1〜請求項3記載のスロットアンテナと、
前記第1の回路である整流回路と、
前記第2の回路である復調回路と、を含むことを特徴とする無線装置。
【請求項7】
請求項4、請求項5記載のスロットアンテナと、
前記第1の回路である送信回路と、
前記第2の回路である受信回路と、を含むことを特徴とする無線装置。
【請求項8】
請求項6、請求項7記載の無線装置を含むことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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