説明

セキュリティシステム

【課題】物品の加工設備や製造設備における人為的な物品汚染を防止することができるセキュリティシステムを提供する。
【解決手段】セキュリティシステム10においては、食品の加工設備や製造設備を構成する流体配管11,12,13に設けられた継手11a,12a,13aが、隔壁14によって周囲から隔離された継手室15内に配置されている。継手室15の内部には監視用のTVカメラ17が配置され、隔壁14の一部には施錠機構を有するドア16が設けられている。ドア16の施錠機構の解除手段を有する者のみがドア16を開いて継手室15に出入りすることができる。継手11aなどは、配管11,11の端部に形成されたフランジ同士の間に挟持されたメタルシールリングと、締付バンド11bを縮径方向に締め付けることによりフランジ同士を圧着する締付ボルト11dと、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の加工設備や製造設備などに配備されている流体配管の継手の不正開閉を防止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
物品の加工設備や製造設備を構成する流体配管の接続手段として、従来、フランジ継手やユニオンネジ式継手が使用されている。フランジ継手は、配管の端部に設けられたフランジ同士を互いに突き合わせ、フランジ間にシールリングを介在させた状態でボルトナットや締付バンドなどによって締着するものである。ユニオンネジ式継手は、配管の端部同士を互いに突き合わせ、外周に設けられたユニオンネジにユニオンナットを螺着させて締め付けるものである。
【0003】
一方、化学工場や食品工場などのプラント施設において、配管の着脱作業を自動化するとともに遠隔操作することができるようにした管継手が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−179771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のフランジ継手において使用されているシールリングは、ゴムや合成樹脂などの柔軟な材料で形成されているため、経時劣化が避けられず、定期的あるいは不定期的に交換が行われている。しかしながら、シールリング交換作業の度に、関連する製造ラインや加工装置などを停止しなければならないので、稼働効率の低下を招いている。また、シールリングの交換作業は作業者が行うため、毛髪、微生物あるいはシールリング破片などの異物が作業中に配管内に混入する可能性がある。
【0006】
また、従来のフランジ継手などは、物品の製造工場などの内部において、作業者が寄り付き易く、シールリング交換作業を行い易い場所に配置されていることが多く、継手の開閉作業も比較的容易であるため、例えば、不正な目的を持った者が継手部分を開いて配管内に有害物質や有害微生物を投入し、物品を汚染させることも可能である。
【0007】
そこで、流体配管を溶接で連結することにより、継手を減らすという試みもなされているが、実際には継手を完全に無くすことは不可能であるため、例えば、食品製造工場や食品加工場などにおいては、不正な目的を持った者が、継手部分を介して意図的な食品の汚染(以下、「人為的な物品汚染」という。)を発生させることが可能であるのが実状である。
【0008】
一方、特許文献1記載の管継手は、当該継手部分が設置されている場所においてその開閉作業を行うことはできないが、部外者が集中監視室に侵入して手動操作に切り替え、操作部を操作すれば、比較的容易に継手開閉を行うことができるので、人為的な物品汚染を引き起こすことは不可能ではない。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、物品の加工設備や製造設備における人為的な物品汚染を防止することができるセキュリティシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のセキュリティシステムは、物品の加工設備や製造設備を構成する流体配管の継手を、周囲から隔離された一定領域内に配置したことを特徴とする。
【0011】
このような構成とすれば、一定領域内(例えば、隔壁で区画された継手室など)に集約して配置された継手を集中的に監視することができるので、物品の加工設備や製造設備における人為的な物品汚染を防止することができる。この場合、前記一定領域を施錠機構で閉鎖したり、TVカメラで監視したりすることもできる。
【0012】
また、本発明のセキュリティシステムは、物品の加工設備や製造設備を構成する流体配管の継手において、前記継手を施錠する施錠手段を設けたことを特徴とする。
【0013】
このような構成とすれば、前記施錠手段の解錠手段を有する者以外は、継手を開閉することができない状態に保たれるので、物品の加工設備や製造設備における人為的な物品汚染を防止することができる。
【0014】
次に、本発明のセキュリティシステムは、物品の加工設備や製造設備を構成する流体配管の継手において、前記継手の不正開放を検知して警告を発する警報手段を設けたことを特徴とする。ここで、不正開放とは、メンテナンスや部品交換などの適正な目的以外の目的を持った者が継手部分を開放することをいう。
【0015】
このような構成とすれば、定期点検やシールリング交換などの適正開放以外のときに継手が開放された場合、警報手段が発する警告によってそれを知ることができるので、不正開放が見過ごされることがなくなり、食品加工設備や食品製造設備における人為的な食品汚染を防止することができる。また、警報手段が存在することにより、不正開放を未然に防止する効果もある。
【0016】
ここで、前記継手が、メタルシールリングを介在させて連結したメタルシール継手であることが望ましい。
【0017】
このような構成とすれば、ゴムや合成樹脂などより硬質のメタルシールリングは変形し難く、経時劣化も生じ難いので、交換不要であり、定期点検の頻度も大幅に低減され、継手のメンテナンスフリー化を図ることができる。このため、周囲から隔離された一定領域内に継手を配置した場合、継手に施錠手段を設けた場合、あるいは継手に警報手段を設けた場合に支障が生じることもない。
【0018】
一方、前記警報手段として、前記不正開放による前記継手の構成部材の相対位置変化を検知して信号を発する位置センサを設けることができる。
【0019】
また、前記警報手段として、前記不正開放による前記流体配管内の圧力変化を検知して信号を発する感圧センサを設けることもできる。
【0020】
また、前記警報手段として、前記不正開放による前記継手の構成部材間の電気抵抗変化を検知して信号を発する電流センサを設けることもできる。
【発明の効果】
【0021】
本発明により、物品の加工設備や製造設備における人為的な物品汚染を防止することができるセキュリティシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態であるセキュリティシステムを示す平面図である。
【図2】図1に示すセキュリティシステムを構成する継手の断面図である。
【図3】継手に関するその他の実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態であるセキュリティシステムを示す図である。
【図5】本発明の第3実施形態であるセキュリティシステムを示す図である。
【図6】本発明の第4実施形態であるセキュリティシステムを示す図である。
【図7】本発明の第5実施形態であるセキュリティシステムを示す図である。
【図8】本発明の第6実施形態であるセキュリティシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1に示すセキュリティシステム10においては、食品の加工設備や製造設備を構成する流体配管11,12,13に設けられた継手11a,12a,13aが、隔壁14によって周囲から隔離された一定領域である継手室15内に配置されている。継手室15の内部には監視用のTVカメラ17が配置され、隔壁14の一部には施錠機構(図示せず)を有するドア16が設けられている。ドア16の施錠機構の解除手段を有する者のみがドア16を開いて継手室15に出入りすることができる。
【0024】
セキュリティシステム10においては、隔壁14で区画された継手室15内に集約して配置された継手11a,12a,13aを集中的に監視することができるので、食品加工設備や食品製造設備における人為的な食品汚染を防止することができる。また、継手室15は施錠機構付きのドア16以外から出入りできないように閉鎖され、その内部はTVカメラ17により集中管理室(図示せず)で監視されているため、部外者の侵入を防止することができる。
【0025】
ここで、図2に基づいて、図1に示すセキュリティシステム10を構成する継手11aについて説明する。図2は継手11aの配管11の軸心11cを含む平面における断面図である。なお、継手11a,12a,13aはいずれも同じ構造であるため、継手12a,13aに関する説明は省略する。
【0026】
図2に示すように、継手11aは、配管11,11の端部に形成されたフランジ11f,11fと、フランジ11f,11f同士の対向面側に形成された円形の凹溝11g,11g内にその一部が収容された状態でフランジ11f,11f間に挟持されたメタルシールリング1と、フランジ11f,11f同士が離れないように拘束する締付バンド11bと、締付バンド11bを縮径方向に締め付けることにより圧着力を発生させる締付ボルト11dと、を備えている。
【0027】
ステンレス鋼で形成されたメタルシールリング1は、その最も内側に位置する略座金形状の挟持部2と、その外周側に連設された本体部3と、本体部3の外周側に連設された外縁部4とを備えている。挟持部2の内周面2cの内径は配管11の内径と略同一であり、挟持部2の厚みは内周面2c部分で最大であり、その外側(本体部3側)に向かって厚みが減少するように傾斜面2a,2bが形成されている。
【0028】
メタルシールリング1の直径を含む面における、本体部3及び外縁部4を併せた部分の断面形状は軸心11cを指向する矢印形状をなしており、本体部2の内周側には軸心11c側に向かって厚みが減少するように傾斜した封止面3a,3bが形成されている。傾斜面2a,2bの外周と封止面3a,3bの内周との境界部分の厚みはメタルシールリング1全体のうちで最も小であり、封止面3a,3bの外周の厚みはメタルシールリング1全体のうちで最も大である。
【0029】
フランジ11f,11f間にメタルシールリング1が挟持されたとき、前記境界部分は、凹溝11gの内縁11eより内側(軸心11c側)に位置し、封止面3a,3bの外周は凹溝11g内に位置するとともに、凹溝11gの内縁11eがそれぞれ封止面3a,3bに当接した状態となる。外縁部4の厚みは、傾斜面2a,2bの外周と封止面3a,3bの内周との境界部分の厚みと略同一である。
【0030】
フランジ11f,11f同士を対向させ、凹溝11g,11g内に本体部3を嵌め込んだ状態でメタルシールリング1を挟持し、フランジ11f,11fの外周側に締付バンド11bを装着して締付ボルト11dを締め付けると、フランジ11f,11f同士が圧着される。このとき、凹溝11gの内縁11eがメタルシールリング1の封止面3a,3bを押圧することにより、本体部3が拡径する方向に弾性変形するが、その復元力で内縁11eと封止面3a,3bとが隙間なく強力に密着するため、極めて高度の気密状態(液密状態)を得ることができる。
【0031】
継手11aにおいて、フランジ11f,11fの対向する面に、それぞれ軸心11cと同心をなす円形の凹溝11g,11gを設けたことにより、メタルシールリング1の中心位置合わせが容易となり、メタルシールリング1を確実に挟持することができる。また、締付バンド11bの締付ボルト11dを締め付ける過程において、挟持部2は配管11の開口端の間に挟持された状態にあり、締付ボルト11dの回転によって生じる圧着力は挟持部2の内周面2c部分でも支えられるため、封止面3a,3bに弾性限度を超える圧着力が加わるのを回避することができる。
【0032】
ゴムや合成樹脂などで形成されたシールリングに比べると極めて硬質であるメタルシールリング1は変形し難く、経時劣化も生じ難いので、交換不要であり、定期点検の頻度が大幅に低減され、継手11aのメンテナンスフリー化を図ることができる。このため、周囲から隔離された継手室15内に継手11aを配置した場合に支障が生じることもない。なお、メタルシールリング1はステンレス鋼で形成されているが、これに限定するものではないので、使用条件に応じて、その他の金属材料で形成することもできる。
【0033】
次に、図3に基づいて、継手に関するその他の実施形態について説明する。なお、図3に示す継手11xにおいて図2と同じ符号を付している部分は継手11aと同じ構造、機能を有する部分であるため、説明を省略する。
【0034】
図3に示す継手11xにおいては、図2に示す継手11aを構成するメタルシールリング1の図中の下方半分(傾斜面2b及び封止面3b側の半分)を下方のフランジ11fと一体化させることによりメタルシールリング部5が形成され、上方に位置するフランジ11fに凹溝11gが形成されている。
【0035】
図3に示すように、フランジ11f,11f同士を対向させ、下方のフランジ11fのメタルシールリング部5を上方のフランジ11fの凹溝11g内に嵌入させ、フランジ11f,11fの外周側に締付バンド11bを装着して締め付けると、フランジ11f,11f同士が圧着される。このとき、凹溝11gの内縁11eが、メタルシールリング部5の封止面3aを押圧することにより、本体部3が拡径する方向に弾性変形し、その復元力によって封止面3aと内縁11eとが隙間なく強力に密着するため、極めて高度の気密状態(液密状態)を得ることができる。
【0036】
図2,図3に示す継手11a,11xにおいてはフランジ11f,11f同士の圧着手段として締付ボルト11d付きの締付バンド11bを使用しているが、これに限定しないので、フランジ11f,11fに軸心11c方向の圧着力を加えるボルトナットを使用してフランジ11f,11f同士を接続する方式を採用することもでき、前述と同様の作用効果を得ることができる。
【0037】
次に、図4に基づいて、本発明の第2実施形態であるセキュリティシステム20について説明する。セキュリティシステム20においては、食品の加工設備や製造設備を構成する流体配管21の継手22,23に、当該継手22,23を構成する締付バンド22a,23aの締付ボルト22b,23bをそれぞれ回動不能に係止するワイヤ24と、ワイヤ24の両端部を着脱可能に連結する施錠部25と、が設けられている。継手22,23は図2に示す継手11aと同様の構造である。
【0038】
締付バンド22a,23aの締付ボルト22b,23bを締め付け、継手22,23を所定状態にセットした後、ワイヤ24を締付ボルト22b,23bに通して回動不能に係止し、その両端部を施錠部25で連結すると、施錠部25を解錠しない限り、継手22,23は開閉不能に保たれる。
【0039】
このように、図4に示すセキュリティシステム20においては、施錠部25の解錠手段を有する者以外は継手22,23を開閉することができない状態に保たれるので、食品加工設備や食品製造設備における人為的な食品汚染を防止することができる。
【0040】
次に、図5に基づいて、本発明の第3実施形態であるセキュリティシステム30について説明する。セキュリティシステム30においては、食品の加工設備や製造設備を構成する流体配管31の継手32に、フランジ31f,31f同士を圧着する締付バンド32aの締付ボルト32bを回動不能に係止する施錠部33が設けられている。継手31は図2に示す継手11aと同様の構造である。
【0041】
セキュリティシステム30において、締付バンド32aの締付ボルト32bを締め付けて、継手32を所定状態にセットした後、施錠部33をロックすると、締付ボルト32bは回動不能となる。この後は、鍵34を用いて施錠部33を解錠しない限り、継手32は開閉不能に保たれるので、食品加工設備や食品製造設備における人為的な食品汚染を防止することができる。
【0042】
次に、図6に基づいて、本発明の第4実施形態であるセキュリティシステム40について説明する。セキュリティシステム40においては、食品の加工設備や製造設備を構成する流体配管41の継手42において、継手42の不正開放を検知して警告を発する警報手段として、フランジ41f,41f同士を圧着する締付バンド42aの緩みを検知する感圧センサ43と、感圧センサ43から検知信号により警告灯44及び警報器45を作動させる制御部46と、が設けられている。継手42は図2に示す継手11aと同じ構造である。
【0043】
不正開放の目的を持った侵入者によって締付バンド42aの締付ボルト42bが緩められ、締付バンド42aの開口端42c,42dの相対位置が変化すると、感圧センサ43から制御部46へ検知信号が送られ、警告灯44及び警報器45が作動して、周囲に知らせるので、不正開放が見過ごされることがなくなり、食品加工設備や食品製造設備における人為的な食品汚染を防止することができる。また、警告灯44や警報器45などの警報手段が存在することにより、不正開放を未然に防止する効果もある。なお、感圧センサ43は、締付バンド42aの蝶番部42e側に設けることもできる。
【0044】
次に、図7に基づいて、本発明の第5実施形態であるセキュリティシステム50について説明する。セキュリティシステム50においては、食品の加工設備や製造設備を構成する流体配管51の継手52の不正開放を検知して警告を発する警報手段として、不正開放による流体配管51内の圧力変化を検知して信号を発する感圧センサ53と、感圧センサ53から検知信号により警告灯54及び警報器55を作動させる制御部56とが設けられている。継手52は、流体配管51のフランジ51f,51f間に挟持されたメタルシールリング57と、フランジ51f,51fを圧着する締付バンド52aとを備えている。
【0045】
不正開放の目的を持った侵入者によって締付バンド52aが緩められると、メタルシールリング57付近で流体の漏洩が生じ、流体配管51内の圧力が変化するので、感圧センサ53から制御部56へ検知信号が送られ、警告灯54及び警報器55が作動して警報を発する。これにより、不正開放が見過ごされることがなくなるので、食品加工設備や食品製造設備における人為的な食品汚染を防止することができる。
【0046】
次に、図8に基づいて、本発明の第6実施形態であるセキュリティシステム60について説明する。セキュリティシステム60においては、食品の加工設備や製造設備を構成する流体配管61の継手62の不正開放を検知して警告を発する警報手段として、継手62の構成部材であるフランジ61f,61f間の電気抵抗変化を検知して信号を発する電流センサ63と、電流センサ63からの検知信号によって警告灯64及び警報器65を作動させる制御部66が設けられている。
【0047】
フランジ61f,61fの間には、図2に示すような状態でメタルシールリング1が挟持され、フランジ61f,61fは、これらを挟んで配置された一対の押圧部材67と、押圧部材67同士を締め付ける複数のボルトナット68とによって圧着されている。
【0048】
メタルシールリング1は金属製(ステンレス鋼製)であり導電性を有しているため、図8に示すように、メタルシールリング1を挟んで対向状態に配置されたフランジ61f,61fの間には一定の電気抵抗がある。
【0049】
不正開放の目的を持った侵入者によってボルトナット68が緩められると、メタルシールリング57付近の圧着力が減少し、フランジ61f,61f間の電気抵抗が変化するので、感圧センサ63から制御部66へ検知信号が送られ、警告灯64及び警報器65が作動して警報を発する。これにより、不正開放が見過ごされることがなくなるので、食品加工設備や食品製造設備における人為的な食品汚染を防止することができる。
【0050】
従来のゴム製、樹脂製のシールリングは絶縁体であるため、図8に示すようなセキュリティシステム60を構築することは不可能であったが、前述したように、メタルシールリング1は導電体であるため、継手62が不正開放されたときのフランジ61f,61f間の電気抵抗の変化を検知して警報を発するシステム60を構築することが可能となった。
【0051】
前述した第1〜第6実施形態においては、フランジ継手を用いて構築したセキュリティシステムについて説明しているが、本発明はこれらに限定しないので、その他の継手、例えば、ユニオンネジ式継手あるいは流体圧(空気圧や油圧など)を用いて配管同士を接続する継手などを用いて本発明に係るセキュリティシステムを構築することもできる。
【0052】
また、前述した第1〜第6実施形態においては、食品の加工設備や製造設備において構築したセキュリティシステムについて説明しているが、本発明はこれらに限定しないので、食品以外の各種物品の加工設備や製造設備においても本発明に係るセキュリティシステムを実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明のセキュリティシステムは、食品その他の各種物品を製造したり、加工したりする産業分野において広く使用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 メタルシールリング
2 挟持部
2a,2b 傾斜面
2c 内周面
3 本体部
3a,3b 封止面
4 外縁部
5 メタルシールリング部
10,20,30,40,50,60 セキュリティシステム
11,12,13,21,31,51,61 配管
11a,11x,12a,13a,22,23,32,42,52,62 継手
11b,22a,23a,32a,42a,52a 締付バンド
11c 軸心
11d,22b,23b,32b,42b 締付ボルト
11e 内縁
11f,31f,41f,51f フランジ
11g 凹溝
14 隔壁
15 継手室
16 ドア
17 TVカメラ
21,31,41,51,61 流体配管
24 ワイヤ
25,33 施錠部
34 鍵
42c,42d 開口端
42e 蝶番部
43,53 感圧センサ
44,54,64 警告灯
45,55,65 警報器
46,56,66 制御部
67 押圧部材
68 ボルトナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の加工設備や製造設備を構成する流体配管の継手を、周囲から隔離された一定領域内に配置したことを特徴とするセキュリティシステム。
【請求項2】
物品の加工設備や製造設備を構成する流体配管の継手において、前記継手を施錠する施錠手段を設けたことを特徴とするセキュリティシステム。
【請求項3】
物品の加工設備や製造設備を構成する流体配管の継手において、前記継手の不正開放を検知して警告を発する警報手段を設けたことを特徴とするセキュリティシステム。
【請求項4】
前記継手が、メタルシールリングを介在させて連結したメタルシール継手であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセキュリティシステム。
【請求項5】
前記警報手段として、前記不正開放による前記継手の構成部材の相対位置変化を検知して信号を発する位置センサを設けた請求項3記載のセキュリティシステム。
【請求項6】
前記警報手段として、前記不正開放による前記流体配管内の圧力変化を検知して信号を発する感圧センサを設けた請求項3記載のセキュリティシステム。
【請求項7】
前記警報手段として、前記不正開放による前記継手の構成部材間の電気抵抗変化を検知して信号を発する電流センサを設けた請求項3記載のセキュリティシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−117600(P2012−117600A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267336(P2010−267336)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(597074424)TOKiエンジニアリング株式会社 (9)
【Fターム(参考)】