説明

セキュリティシステム

【課題】電動車両の給電時に漏電が生じた際に、居住者に分かり易く通知を行うことが可能なセキュリティシステムを提供する。
【解決手段】セキュリティシステムは、防犯又は防災に関わる異常を検知して異常検知信号を出力する異常検知装置1と、この異常検知信号に応じて異常を報知する報知装置2と、外部電源から電動車両への給電路を開閉する充電制御装置3とを備える。充電制御装置3は、電線L1、L2に流れる不平衡電流を検出するZCT36により漏電の発生を検知すると、制御回路31がリレー35を開制御し、報知装置2に漏電検知信号を送信する。報知装置2は、漏電検知信号を受信すると、警告音や音声などの聴覚的な方法により漏電の発生を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に電動車両が備える蓄電装置を充電する充電制御装置を含むセキュリティシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅などの居住空間における防犯及び防災を目的として、宅内外に配置した複数の防犯や防災用のセンサから送信される検知信号に基づいて異常を検知して、周囲に異常を報知するセキュリティシステムが提供されている。この種のセキュリティシステムでは、上述のセンサにより電気、水道、ガス、玄関及び窓の戸締り、居住者以外の人物の存否、及び、地震や火災の発生などを監視し、防犯や防災に関する異常を検知して異常の報知を行っている。
【0003】
ところで近年、蓄電池式電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)など、電動機を動力源とする電動車両が実用化されつつある。このような電動車両には、例えば商用100V交流電源のような外部電源から電力供給を受けて、内蔵する走行用バッテリを充電するための車載充電器が搭載されている。
【0004】
この種の車載充電器として、外部電源からの給電路や車載充電器において漏電が発生すると、外部電源から走行用バッテリへの給電を停止し、漏電に起因する問題を防止できるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載された車両の充電制御装置では、給電路及び充電器における漏電の可能性を検出する漏電検出部と、走行用バッテリを充電する充電器とを一体に備え、漏電検出部により漏電の可能性が検知されると充電器が停止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−98845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のような車載充電器において、漏電が検知された場合には、車載充電器による走行用バッテリの充電を停止するとともに、漏電が発生したことを報知して居住者に注意を促す必要がある。しかしながら特許文献1には、そのような通知方法について特に説明されておらず、また充電ランプを通知手段として利用した場合であっても、屋外などで使用される充電制御装置を目視しないと漏電があったことを確認できず、分かり易いとはいえなかった。
【0007】
本発明は、上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、電動車両の給電時に漏電が生じた際に、居住者に分かり易く通知を行うことが可能なセキュリティシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本願のセキュリティシステムでは、防犯又は防災に関わる異常を検知して異常検知信号を出力する異常検知装置と、異常検知信号に応じて異常を報知する報知装置と、電動車両が備える蓄電装置への給電路を開閉する充電制御装置とを備え、充電制御装置は、漏電検知部により漏電を検知すると報知装置に漏電検知信号を送信して報知装置から漏電の発生を報知させることを特徴とする。
【0009】
このセキュリティシステムにおいて、充電制御装置は、異常検知信号を受信する通信部と、異常検知信号に応じて異常を報知する報知部とを備え、報知装置は、異常検知信号を受信すると当該異常検知信号を充電制御装置に送信して、報知部から異常を報知させることが好ましい。
【0010】
また、充電制御装置は、電動車両の充電状態を示す充電状態通知信号を報知装置に送信し、報知装置は、充電状態通知信号の内容に基づいて充電状態を報知することが好ましく、この場合には、報知装置は、充電状態通知信号に応じて報知する際は視覚的な方法により報知し、漏電検知信号に応じて報知する際は聴覚的な方法により報知することが好ましい。
【0011】
さらに報知装置は、充電制御装置から送信される充電状態通知信号又は漏電検知信号に応じて、予め設定された外部機器に充電制御装置に関する情報を送信するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本願の発明によれば、電動車両への充電時に漏電が生じた旨を周囲へ通知することが可能なセキュリティシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態1にかかるセキュリティシステムを示す概略ブロック図である。
【図2】(a)、(b)は、同セキュリティシステムを構成する充電制御装置を示す外観図である。
【図3】同セキュリティシステムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【図4】同セキュリティシステムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【図5】(a)、(b)は、同セキュリティシステムを構成する充電制御装置の別例を示す概略図である。
【図6】実施の形態2にかかるセキュリティシステムを示す概略ブロック図である。
【図7】同セキュリティシステムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
(実施の形態1)
本実施の形態に係るセキュリティシステムを図1〜図4を用いて説明を行う。本実施の形態に係るセキュリティシステムは、図1に示すように、異常検知装置1、報知装置2、及び、充電制御装置3をその構成要素として備える。なお以下の説明では、異常検知装置1、報知装置2、及び、充電制御装置3を1台づつ設置した構成について説明を行うが、これらの台数を制限するものではなく、各々の装置について1乃至複数台設置することが可能である。
【0016】
充電制御装置3は、壁面などの造営面に設置される壁面取付型の装置であり、蓄電池式電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)などの電動車両に搭載された走行用バッテリを含む蓄電装置(図示せず)の充電を制御する。この充電制御装置3は、住宅のガレージなどに上述のような電動車両を駐車し、商用100V交流電源のような外部電源から、電動車両に搭載された蓄電装置への給電をオン/オフすることで、走行用バッテリの充電を制御する。この充電制御装置3は、図2に示すように、後述する制御回路31などが収納される装置本体40と、装置本体40から導出された電源ケーブルCB1及び給電ケーブルCB2とを備える。
【0017】
装置本体40は、縦長の直方体状に形成された樹脂成形品からなり、造営面に取り付けられた状態で使用される。装置本体40の前面には、給電ケーブルCB2に設けられた給電用プラグ41を保持する保持部42と、複数の発光ダイオードLD1〜LD3が設けられている。充電制御装置3は、この発光ダイオードLD1〜LD3の点灯状態(点灯、消灯、点滅など)により蓄電装置の充電状態を表示している。
【0018】
給電用プラグ41は、電動車両の受電用ソケット(図示せず)に着脱自在に接続され、給電ケーブルCB2を介して供給される充電用電力を電動車両に搭載された蓄電装置に供給する。この給電用プラグ41は、保持部42に一部が挿入された状態で保持部42に保持される構造になっており、電動車両を充電しない場合には、給電ケーブルCB2及び給電用プラグ41を踏みつけるなどして破損することを防ぐことができる。
【0019】
電源ケーブルCB1は、例えば商用100V交流電源のような外部電源に接続されており、図1に示す電圧極の2本の電線L1、L2と、接地線L3とで構成されている。また給電ケーブルCB2は、上述の電線L1、L2及び接地線L3と、蓄電装置と後述する制御回路31との間で信号を授受するための電線L4とで構成される。ここで、電源ケーブルCB1及び給電ケーブルCB2(電線L1、L2及び接地線L3)は、外部電源から電動車両の蓄電装置への給電路を形成している。
【0020】
また充電制御装置3は、図1に示すように、制御回路31、通信部32、操作部33、報知部34、リレー35、及び、零相変流器(以下、ZCTと称す)36を主要な構成として備え、これらを装置本体40に収納している。
【0021】
通信部32は、例えば特定小電力無線モジュールからなり、報知装置2との間で無線通信により種々の通信信号を送受信する。報知装置2へ送信する通信信号として、電動車両への充電状態を通知する充電状態通知信号や、電動車両への充電時に漏電が発生したことを示す漏電検知信号が用いられる。また報知装置2から受信する通信信号として、防犯や防災に関わる異常を検知したことを示す異常検知信号が用いられる。なお、通信部32と報知装置2との間の通信は無線通信に限定されるものではなく、有線での通信(例えば、専用線を介した通信や、電力線搬送通信による通信)であってもよい。
【0022】
操作部33は、例えば、装置本体40の表面に操作部位が設けられた複数のスイッチ(図示せず)などにより構成され、電動車両への充電の開始操作や停止操作などの操作入力に応じて、制御回路31に操作入力信号を出力する。
【0023】
報知部34は、制御回路31による制御に応じて動作し、電動車両への充電状態や漏電の発生や、防犯や防災に関わる異常を報知する。この報知部34は、上述した発光ダイオードLD1〜LD3を点灯や点滅させる視覚的な方法や、スピーカ(図示せず)から警告音又は音声を発生させる聴覚的な方法によって、充電状態、漏電の発生、及び、異常の発生を報知する。
【0024】
リレー35は、上述した電線L1、L2に接続される内部の導電路にリレー接点が挿入されており、制御回路31からの制御信号に応じて、このリレー接点のオン/オフを切り替え、外部電源から電動車両の蓄電装置への給電路を開閉する。
【0025】
ZCT36は、漏電時に発生する電線L1、L2に流れる不平衡電流を検出し、その検出結果を制御回路31に出力する。
【0026】
制御回路31は、例えばマイコンなどをその構成要素として備え、外部電源をその動作電力として動作し、充電制御装置3を統括的に制御する。制御回路31は、蓄電装置から電線L4を介して入力される信号や操作部33からの操作入力に基づいて、リレー35を開閉制御することで、外部電源から蓄電装置への電力供給をオン/オフする。また制御回路31は、蓄電装置への電力供給をオン/オフすると、報知部34により充電状態を報知させるとともに、通信部32により報知装置2へ充電状態通知信号を送信させ、報知装置2に充電状態を通知する。通知される充電状態としては、電力供給が行われている「充電中」、走行用バッテリが満充電となり電力供給がオフされた「完了」、及び、居住者の操作に応じて充電が中断された「中断」などがある。
【0027】
また制御回路31は、ZCT36により電線L1、L2に発生した不平衡電流が検出されると、外部電源から電動車両への給電路や電動車両側で漏電が発生したと判断して、リレー35を開極させて蓄電装置への電力供給を遮断する。また制御回路31は、報知部34により漏電が発生したことを報知させるとともに、通信部32により漏電検知信号を報知装置2に送信することで、報知装置2により電動車両への充電時に漏電が発生した旨を報知させる。
【0028】
また制御回路31は、通信部32において報知装置2から送信された異常検知信号が受信されると、報知部34により防犯や防災に関わる異常が発生した旨を報知させる。ここで報知部34は、上述のように聴覚的な方法や視覚的な方法によって異常を報知するが、漏電を検知した際の報知と容易に区別できるようにしておくことが望ましい。
【0029】
異常検知装置1は、制御部10、センサ部11、報知部12、及び、通信部13をその構成要素として備える。なお、以下に説明する異常検知装置1は、主に住宅に配置されて防犯に関する異常を検知するものであるが、例えば地震や火災などの防災情報を受信して、この防災情報に基づいて異常検知信号を報知部12に送信するものでもよい。
【0030】
センサ部11は、窓の開閉を検知する開閉検知センサ、窓ガラスへの衝撃や破壊を検知する衝撃センサ、赤外線や熱を感知して人体の存在を検知する人体検知センサなどであり、その検知対象や機能に応じて宅内・宅外の適所に設置される。なおセンサ部11は、防犯や防災上監視することが有用な電気、水道、ガス、玄関及び窓の戸締り、居住者以外の人物の存否、地震や火災などを監視し、異常を検知するものであればよく、上述のような構成に限るものではない。
【0031】
報知部12は、制御部10からの制御に応じて動作し、警告音や音声などの聴覚的な方法や、光源の点灯・点滅や文字による表示など視覚的な方法により、周囲に異常を通知する。
【0032】
通信部13は、例えば特定小電力無線モジュールからなり、制御部10からの制御に応じて異常検知信号を無線通信により報知装置2に送信する。なお、通信部13と報知装置2との間の通信は無線通信に限定されるものではなく、有線での通信(例えば、専用線を介した通信や、電力線搬送通信による通信)であってもよい。
【0033】
制御部10は、異常検知装置1全体を統括的に制御し、センサ部11が防犯や防災に関する異常を検知すると、報知部12により聴覚的な方法や視覚的な方法により異常の発生を報知するとともに、通信部13により異常検知信号を報知装置2に送信させる。なお制御部10は、報知装置2からの制御信号や居住者による設定操作に基づいて、センサ部11が異常を検知しても報知部12による報知を行わない非検知状態と、上述の動作をする検知状態とを切り替えられるようにしてもよい。さらには、例えば防災に関する異常を検知するセンサ部11からの検知出力にのみ応じて、報知や異常検知信号の送信を行うようにしてもよい。このようにすることで、例えば居住者が宅内に居る場合など、使用状況に応じて防犯や防災に関する異常を検知することができる。
【0034】
報知装置2は、制御部20、操作部21、報知部22、及び、通信部23をその構成要素として備え、異常検知装置1から送信された異常検知信号に応じて、防犯や防災上の異常が発生した旨を居住者や周囲に通知する。この報知装置2は、少なくとも操作部21を居住者が操作可能な状態で、例えば宅内の壁面などに設置されている。
【0035】
報知部22は、制御部20からの制御に応じて動作し、聴覚的な方法や視覚的な方法により周囲に異常を報知する。ここで、聴覚的な方法とは、使用者の聴覚により認識される報知方法であり、例えば警告音や音声などで報知する方法を意味する。また視覚的な方法とは、使用者の視覚により認識される報知方法であり、例えば光源の点灯・点滅や文字による表示などで報知する方法を意味する。
【0036】
通信部23は、例えば特定小電力無線モジュールからなり、無線通信により異常検知装置1から送信された異常検知信号を受信するとともに、充電制御装置3との間で無線通信により後述する種々の通信信号の送受信を行う。
【0037】
制御部20は、報知装置2を統括的に制御し、異常検知装置1からの異常検知信号に応じて異常を報知する警戒モードと、異常検知装置1からの異常検知信号を受信しても異常を報知しない非警戒モードとをその動作モードとして有している。居住者は、操作部21を操作することにより、この警戒モードと非警戒モードを切り替えることが可能であり、また、予め設定した時刻などに基づいて自動的に警戒モードと非警戒モードとを切り替えることができる。
【0038】
また制御部20は、警戒モードに設定されている際に通信部23が異常検知装置1からの異常検知信号を受信すると、報知部22により周囲に異常を報知するとともに、この異常検知信号を通信部23により充電制御装置3へ送信させる。
【0039】
また制御部20は、充電制御装置3から送信された充電状態通知信号又は漏電検知信号の何れかを通信部23が受信すると、受信した各々の信号に基づいて報知部22を制御し、各々の信号が示す状態を信号に応じた方法で報知する。例えば、充電状態通知信号を受信した場合には、光源の点灯・点滅などの視覚的な方法により充電状態を報知し、充電中を意味する場合には光源を点灯させ、充電完了を意味する場合には光源を消灯させる。一方、漏電検知信号を受信した場合には、警告音や音声などの聴覚的な方法により漏電の発生を報知させる。このようにすることで、居住者は異常が発生したのか充電状態が切替ったのかを容易に判断でき、また充電の完了などと比べて緊急性が高い漏電の発生を聴覚的な方法で確実に知ることができる。
【0040】
なお、本実施形態においては、異常検知装置1と報知装置2とを別体に構成しているが、異常検知装置1と報知装置2とを一体に構成するものであってもよい。
【0041】
次に、本実施の形態にかかるセキュリティシステムにおいて、漏電を検知する際の動作について、図3のシーケンス図を用いて説明を行う。なお初期状態として、充電制御装置3のリレー35は開極状態に設定されており、報知部34は充電停止状態を報知している(図3のステップS0)。
【0042】
まず、使用者は、給電用プラグ41を電動車両の受電用ソケットに接続し、充電制御装置3の操作部33を用いて電動車両への充電を開始する(ステップS1)。制御回路31は、この開始操作に応じてリレー35を閉極させ、外部電源からの電力を電動車両の蓄電装置に供給させるとともに、報知部34に充電状態が「充電中」である旨を表示させる(ステップS2)。また制御回路31は、通信部32により充電状態が「充電中」を意味する充電状態通知信号を報知装置2に送信させる(ステップS3)。
【0043】
この充電状態通知信号を報知装置2の通信部23が受信すると(ステップS4)、報知装置2の制御部20は報知部22により、電動車両への充電が開始され、その充電状態が「充電中」であると視覚的な方法により報知する(ステップS5)。これにより、電動車両の充電が開始され、充電制御装置3及び報知装置2により「充電中」である旨が報知される。
【0044】
ここで、ZCT36により不平衡電流が検出され、充電制御装置3の制御回路31が漏電の発生を検知すると(ステップS6)、制御回路31はリレー35を開極させて充電を停止するとともに報知部34に漏電が発生した旨を報知させる(ステップS7)。このとき、制御回路31は、通信部32により漏電検知信号を報知装置2に送信する(ステップS8)。
【0045】
この漏電検知信号を報知装置2の通信部23が受信すると(ステップS9)、報知装置2の制御部20は報知部22により、電動車両への充電中に漏電が発生した旨を、音声や警告音などの聴覚的な方法により報知する(ステップS10)。これにより、電動車両の充電中に漏電が発生し充電が停止した旨が、充電制御装置3及び報知装置2により報知される。
【0046】
上述のような動作により、居住者は電動車両の充電状態を充電制御装置3の近くに居ない場合でも知ることができ、また、漏電が発生した場合においても、聴覚的な方法で報知されるため、速やかに漏電が発生した旨を知ることができる。
【0047】
次に、宅内で防犯や防災に関する異常が検知された場合の動作について、図4のシーケンス図を用いて説明を行う。まず初期状態として、異常検知装置1はセンサ部11からの異常に応じて報知部12による報知を行う検知状態に設定され、報知装置2の動作モードは、異常検知装置1からの異常検知信号に応じて異常を報知する警戒モードに設定されている(図4のステップS20)。また充電制御装置3は、少なくとも外部電源に接続されており、充電制御装置3の制御回路31などは動作している状態とする。
【0048】
ここで、異常検知装置1のセンサ部11が防犯や防災に関する異常を検知すると、通信部13により異常検知信号が報知装置2に送信される(ステップS21)。この異常検知信号を報知装置2の通信部23が受信すると(ステップS22)、報知装置2の制御部20は、防犯や防災に関する異常が発生した旨を報知部22により報知する(ステップS23)。また報知装置2の制御部20は、通信部13により異常検知信号を充電制御装置3に送信する(ステップS24)。
【0049】
この異常検知信号を充電制御装置3の通信部32が受信すると(ステップS25)、充電制御装置3の制御回路は、報知部34に宅内で防犯や防災に関する異常が検知された旨を報知させる(ステップS26)。
【0050】
上述のように、電動車両への充電を行っている際に漏電が生じた場合には、宅内に設置された報知装置2により、漏電の発生を報知することが可能となり、確実に居住者に通知することができる。また漏電の発生に限らず、電動車両の充電状態を報知することができ、利便性が向上する。
【0051】
また、防犯や防災に関する異常が発生した場合には、報知装置2によって異常が報知され、且つ、充電制御装置3によって異常が発生した旨を報知することができるので、車庫などに居住者が居る場合であっても居住者に異常の発生を通知することができる。
【0052】
なお、充電制御装置3からの充電状態通知信号や漏電検知信号に応じて報知装置2の報知部22により報知しているが、異常検知装置1の報知部12により報知するように構成してもよい。この場合には、充電制御装置3と異常検知装置1とが直接的に通信を行ってもよく、また、報知装置2が信号を中継することで異常検知装置1と充電制御装置3が間接的に通信を行うようにしてもよい。このようにすれば、居住者が報知装置2の周囲に居ない場合であっても、充電状態や漏電の発生の通知を受ける可能性を高めることができる。
【0053】
なお、本実施の形態では、壁面取付型の充電制御装置3を用いたセキュリティシステムを例に説明を行ったが、図5(a)及び(b)に示すような、可搬型の充電制御装置3を用いてもよい。この充電制御装置3は、図5(a)に示すように、壁面などの造営面に設けられたコンセント(図5(a)のA)に着脱自在に接続される電源プラグ44を備えており、電動車両(図5(a)のB)の充電を制御する。この充電制御装置3は、装置本体40に設けられた係止部43を壁面などに設けられたフック(図示せず)に取り付けることで、壁面に充電制御装置3を保持させることができる。これにより、充電制御装置3を使用しない場合には、充電制御装置3をコンセントAから取り外して壁面などに保持させることができ、充電制御装置3が車両や人に踏まれることを防止することができる。
【0054】
(実施の形態2)
本実施の形態に係るセキュリティシステムを図6、図7を用いて説明を行う。本実施の形態に係るセキュリティシステムは、公衆電話網などのネットワークNT1を介して報知装置2から送信される警報データ(後述)を受信可能な宅外装置5を備える。報知装置2は、警報データを送信する対象の宅外装置5を識別する識別情報を保持する記憶部24と、ネットワークNT1を介して宅外装置5へ警報データを送信する網I/F25とを備える。この点を除いては、実施の形態1と同じであるので、同一の構成には同一の符号を用いて説明を省略する。
【0055】
宅外装置5は、例えば携帯電話装置などであり、ネットワークNT1を介して送信される警報データを受信して、この警報データに含まれる種々の情報を文字、画像、警報音、及び、音声などにより所有者に通知する通知機能を有している。この警報データは、防犯や防災に関する異常の発生や、充電制御装置3における漏電の発生などの情報を含むデータであり、例えば電子メールに含まれる文字情報や画像データである。
【0056】
網I/F25は、宅外装置5が接続されたネットワークNT1上のサーバ(図示せず)との間で通信可能に設定され、このサーバ及びネットワークNT1を介して警報データを宅外装置5に送信する。
【0057】
記憶部24は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)などの不揮発性メモリからなり、例えば電子メールのメールアドレスなど、宅外装置5に警報データを送信する為に必要な情報が含まれている。
【0058】
ここで、本実施の形態にかかるセキュリティシステムにおいて、漏電を検知する際の動作について、図7のシーケンス図を用いて説明を行う。なお初期状態として、充電制御装置3のリレー35は開極状態に設定されており、報知部34は充電停止状態を報知している(図7のステップS30)。
【0059】
まず、使用者が給電用プラグ41を電動車両の受電用ソケットに接続し、充電制御装置3の操作部33を用いて電動車両への充電を開始する(ステップS31)。これに応じて、制御回路31は、リレー35を閉極させて外部電源からの電力を電動車両の蓄電装置に供給させるとともに、報知部34に充電状態が「充電中」である旨を表示させる(ステップS32)。なお説明は省略するが、実施の形態1にかかるセキュリティシステムと同様に、報知装置2に充電状態通知信号を送信して充電状態が「充電中」である旨を報知装置2に報知させても良い。
【0060】
ここで、ZCT36により不平衡電流が検出され、充電制御装置3の制御回路31が漏電の発生を検知すると(ステップS33)、制御回路31はリレー35を開極させて充電を停止するとともに報知部34に漏電が発生した旨を報知させる(ステップS34)。このとき、制御回路31は、通信部32により漏電検知信号を報知装置2に送信する(ステップS35)。
【0061】
この漏電検知信号を報知装置2の通信部23が受信すると(ステップS36)、報知装置2の制御部20は報知部22により、電動車両への充電中に漏電が発生した旨を音声や警告音などの聴覚的な方法により報知する(ステップS37)。また報知装置2の制御部20は、宅外装置5に送信する警報データ(例えば電子メール)を作成し(ステップS38)、この警報データを網I/F25により宅外装置5へと送信する(ステップS39)。この警報データを宅外装置5が受信し、視覚的又は聴覚的な方法により宅外装置5を持つ居住者に、漏電の発生を通知する(ステップS40)。このようにして、居住者が外出中の場合であっても、電動車両への充電中に漏電が発生したことを居住者に通知することができる。
【0062】
上述のように、本願のセキュリティシステムによれば、電動車両への充電を行っている際に漏電が生じた場合には、宅内に設置された報知装置2により漏電の発生を報知することが可能となる。したがって、居住者に分かり易く、且つ、確実に漏電の発生を報知することができ、漏電を知った居住者がいち早く漏電に対応することができるため、充電の再開も早期に行うことができる。
【0063】
また、防犯や防災に関する異常と、漏電に関する異常の報知を一つの報知装置2で共用しているので、別途漏電に関する異常を報知する為の装置を設ける必要がない。
【0064】
また、漏電の発生に限らず電動車両の充電状態を通知することで、利便性を向上することができる。
【0065】
さらには、防犯や防災に関する異常が発生した場合には、充電制御装置3も異常の発生を報知することができ、車庫などに居住者が居る場合であっても居住者に異常の発生を通知することができる。この場合に、充電状態は視覚的な方法により報知し、漏電の発生は聴覚的な方法により報知することで、漏電の発生のような重要度が高い情報を、確実に居住者に通知することができる。
【0066】
また、居住者が外出時に持ち運ぶ宅外装置5により、漏電の発生や防犯又は防災に関する異常を通知することができるので、居住者が外出中の場合であっても居住者に異常の発生を通知することができる。
【符号の説明】
【0067】
1 異常検知装置
10 制御部
11 センサ部
12 報知部
13 通信部
2 報知装置
20 制御部
21 操作部
22 報知部
23 通信部
3 充電制御装置
31 制御回路
32 通信部
33 操作部
34 報知部
35 リレー
36 零相変流器(ZCT)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防犯又は防災に関わる異常を検知して異常検知信号を出力する異常検知装置と、前記異常検知信号に応じて異常を報知する報知装置と、電動車両が備える蓄電装置への給電路を開閉する充電制御装置とを備え、前記充電制御装置は、漏電検知部により漏電を検知すると前記報知装置に漏電検知信号を送信して前記報知装置から漏電の発生を報知させることを特徴とするセキュリティシステム。
【請求項2】
前記充電制御装置は、前記異常検知信号を受信する通信部と、前記異常検知信号に応じて異常を報知する報知部とを備え、前記報知装置は、前記異常検知信号を受信すると当該異常検知信号を前記充電制御装置に送信して、前記報知部から異常を報知させることを特徴とする請求項1に記載のセキュリティシステム。
【請求項3】
前記充電制御装置は、前記電動車両の充電状態を示す充電状態通知信号を前記報知装置に送信し、前記報知装置は、前記充電状態通知信号の内容に基づいて充電状態を報知することを特徴とする請求項1又は2の何れか一項に記載のセキュリティシステム。
【請求項4】
前記報知装置は、前記充電状態通知信号に応じて報知する際は視覚的な方法により報知し、前記漏電検知信号に応じて報知する際は聴覚的な方法により報知することを特徴とする請求項3に記載のセキュリティシステム。
【請求項5】
前記報知装置は、前記充電制御装置から送信される前記充電状態通知信号又は前記漏電検知信号に応じて、予め設定された外部機器に前記充電制御装置に関する情報を送信することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のセキュリティシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−228095(P2012−228095A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94440(P2011−94440)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】