セグメント状髄内構造体
長骨の内髄管内に収容されるように構成された埋込可能な髄内固定構造体は、複数の細長いセグメントを備えて開示されている。各セグメントは、第1端部と、相補形状をなす第2端部と、を有し、セグメントの第1端部は、隣接するセグメントの第2端部と協調的に係合する。セグメントは、ガイド開口部を規定し、内髄管内で位置決めするガイドの上から下にわたって収容可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2007年3月22日に出願された米国仮特許出願第60/896342号の利益を主張し、そのすべての内容が参照として明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、整形外科プロテーゼ、より具体的には一般に髄内(intramedullary)釘(nail)すなわちIM釘と称される埋込型構造体であって長骨骨折の治療のために内髄管(intramedullary canal)に収容されるように構成された埋込型構造体に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示における髄内構造体は、一形態において、好ましくは経皮的なアクセス穴部を通って内髄管にあらかじめ導入されているガイド部材の上から下に向けて内髄管に導入された複数のセグメントを利用している。各セグメントは、好ましくは各セグメントが隣接するセグメントと相互接続するように構成されている。また、好ましくは、細長い伸張部材は、セグメント内部に収容され、かつ端部のセグメントに固定されており、構造体におけるすべてのセグメントを互いに固定する。一形態において、ガイド部材は、伸張部材として同様に機能するワイヤまたはケーブルである。
【0004】
より具体的には、各セグメントは、内部開口部をなす開口部を有しており、セグメントは、ガイドまたは伸張部材の上から下に向けて通される。また、セグメントは、好ましくは相補形状をなす反対側の端部を有し、第1のセグメントの端部は、第1のセグメントに隣接する第2のセグメントの端部と協調的に嵌合するように構成される。好ましくは、各セグメントは、雄端部と、相補形状をなす雌端部と、を有する。
【0005】
他の特徴及び形態は、添付の図面及び説明を参照することによって明確になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本開示の第1の実施形態における釘のようなセグメント状髄内構造体であって組み立てられた髄内構造体を示す斜視図である。
【図2】図1の髄内釘の個体のセグメントを示す斜視図である。
【図3】図2のセグメントを示す長手方向断面図である。
【図4】第2の実施形態における個体の釘セグメントを使用した髄内釘を示す斜視図である。
【図5】第3の実施形態における髄内構造体に使用される複数の個体のセグメントであってガイド部材の上から下に向けて収容された複数のセグメントを示す斜視図である。
【図6】第3の実施形態における髄内構造体に使用される個体のセグメントを示す斜視図である。
【図7】第4の実施形態における複数の個体のセグメントであってガイド部材の上から下に向けて収容された複数の個体のセグメントを示す斜視図である。
【図8】第4の実施形態における個体のセグメントであってガイド部材の上から下に向けて収容される個体のセグメントを示す斜視図である。
【図9】第5の実施形態における複数の個体のセグメントであって互いに取り付けられる複数の個体のセグメントを示す斜視図である。
【図10】第5の実施形態における個体のセグメントであって互いに取り付けられる個体のセグメントを示す斜視図である。
【図11】第6の実施形態における髄内釘において使用され複数の周縁ロッドが組み立てられた釘において使用されるセグメントを示す斜視図である。
【図12】同じく、第6の実施形態における髄内釘において使用され複数の周縁ロッドが組み立てられた釘において使用されるセグメントを示す斜視図である。
【図13】第7の実施形態におけるIM釘であってヒンジ部材によってセグメントが互いに接続されており、内髄管の軸に対して傾いているアクセス穴部を通って当該釘が内髄管内へ挿入されるIM釘を示す斜視図である。
【図14】本開示におけるセグメント状髄内釘を長骨の内髄管内へ取り付ける手術を示す概略図である。
【図15】同じく、本開示におけるセグメント状髄内釘を長骨の内髄管内へ取り付ける手術を示す概略図である。
【図16】同じく、本開示におけるセグメント状髄内釘を長骨の内髄管内へ取り付ける手術を示す概略図である。
【図17】同じく、本開示におけるセグメント状髄内釘を長骨の内髄管内へ取り付ける手術を示す概略図である。
【図18】同じく、本開示におけるセグメント状髄内釘を長骨の内髄管内へ取り付ける手術を示す概略図である。
【図19】同じく、本開示におけるセグメント状髄内釘を長骨の内髄管内へ取り付ける手術を示す概略図である。
【図20】同じく、本開示におけるセグメント状髄内釘を長骨の内髄管内へ取り付ける手術を示す概略図である。
【図21】同じく、本開示におけるセグメント状髄内釘を長骨の内髄管内へ取り付ける手術を示す概略図である。
【図22】同じく、本開示におけるセグメント状髄内釘を長骨の内髄管内へ取り付ける手術を示す概略図である。
【図23】髄内骨折固定デバイスを埋め込むシステムであって埋込可能骨折固定デバイス、ネジガイド及びケーブルテンショナを備えるシステムを示す斜視図である。
【図24】図23に示す埋込可能な髄内骨折固定デバイスを示す正面図である。
【図25】図24に示す埋込可能な骨折固定デバイスにおける最も基端側のセグメントを示す正面図である。
【図26】図24に示す埋込可能な骨折固定デバイスにおける典型的な中間セグメントを示す正面図である。
【図27】図24に示す埋込可能な骨折固定デバイスにおける最も先端側のセグメントを示す正面図である。
【図28】図26に示す中間セグメントを示す斜視図である。
【図29】同じく、図26に示す中間セグメントを示す斜視図である。
【図30】図25に示す最も基端側のセグメントを示す斜視図である。
【図31】同じく、図25に示す最も基端側のセグメントを示す斜視図である。
【図32】図23の埋込可能な固定デバイスにおける先端部分を示す断面図であって、最も先端側のセグメントを詳細に示す断面図である。
【図33】最も先端側のセグメントの部分を形成する拡張部を示す斜視図である。
【図34】図23に示す埋込可能な骨折固定デバイスにおける基端部に取り付けられるように構成されたネジガイドインタフェースを示す斜視図である。
【図35】図24に示すネジガイドインタフェースと骨折固定構造体の基端部とを示す断面図である。
【図36】ケーブルテンショナを示す拡大斜視図である。
【図37】図36に示すケーブルテンショナを示す断面図である。
【図38】ケーブルテンショナと骨折固定デバイスの基端部のセグメントとの協働構造を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示において、髄内構造体は、脛骨のような長骨の内髄管内に収容されるように構成されて設けられている。構造体は、複数の細長いセグメントを備え、各セグメントは、第1の端部と、相補形状をなす第2の端部と、を有し、セグメントの第1の端部は、隣接するセグメントの第2の端部と協調的に嵌合する。セグメントは、好ましくは開口部を規定しており、内髄管内への導入のためのガイドワイヤまたはケーブルの上から下に向けて収容される。任意で、構造体は、例えばその長さに延在するケーブルまたはロッドであって構造体の最端部のセグメントと協働するケーブルまたはロッドの形態をなす伸張部材を有し、構造体の長手方向に沿って圧縮力を付与し、これにより構造体の硬度を増大させる。
【0008】
図1に戻ると、セグメント状髄内構造体10の第1の実施形態が示されている。図示の構造体は、任意の伸張ロッドの上から下に向けて収容された8つのセグメント12を備えており、約175mmの全長を有する髄内構造体10を形成する。もちろん、セグメント12の数及び釘の全長は、釘が挿入される内髄管の長さによって決まる。
【0009】
図示のように、伸張ロッド14の端部16には、ネジ山が形成されており、セグメント12は、伸張ロッド14のネジ端部16に収容される相補的なネジ部材(ナット18及びワッシャ20が図示されている)によって、端部16に支持されている。しかしながら、伸張ロッドに支持され、かつ端部セグメントの内部開口部に載置されたカシメ嵌合(swage fitting)または端部セグメントと係合する伸張ロッドに支持される押圧ナット(press nut)のように、セグメント12を伸張ロッド14に固定する別の方法を適用してもよい。
【0010】
図2及び図3は、図1に示す髄内構造体の1つのセグメント12を示す。図2及び図3に示す個体のセグメント12の具体的な構造は、単なる例である。セグメント12は、円錐台形の外形を有する雄端部22と、円筒形の外形を有しかつ雄端部22の外形と相補的な円錐台形の内部形状を有する雌端部と、を有する。
【0011】
セグメント12の全長は、好ましくは約32mm以下であり、セグメント12が骨の軸に対して約30度の方向を向く10mmの経皮的アクセス穴部を通って内髄管内へ比較的容易に導入されることを可能とする。セグメント12の最大外径は、内髄管の内径によって規定され、主として約9mmである。セグメントの雄端部22の内径は、約3.6mmであり、3mmのガイドワイヤまたはケーブルが雄端部22を容易に通過することを可能とする。
【0012】
セグメント12は、チタンのように十分な硬度及び強度を有する生体適合材料で形成されている。雌端部24の内面及び雄端部22の外面は、滑らかであり(ミラー研磨されており)、入れ子にすることを容易にする。雌端部24の外面は、粗くされており、またはテクスチャ加工されており(表面にギザギザがあり)、組織が外面に成長することを促進する。
【0013】
図示の実施形態において、隣接するセグメント12は、雌端部の内面と雄端部の外面との間の摩擦嵌合によって互いに固定されている。しかしながら、必要に応じて、スロット及びピン、突起部、タブ、ネジ山のように、セグメントに機械的な噛合構造を形成することによって、より積極的な噛合せが得られる。また、セグメントは、組み立てられたときに互いの間の回転運動を防止するように構成されている。これは、例えば、角が丸められた四角のように、雄端部の外面及び雌端部の内面に相補的な非円形の断面を形成することによって、達成される。あるいは、またはさらに、骨セメントまたは他の硬化可能な手術流体は、内髄管でいったん適所に配されたセグメントの内部へ導入されてもよく、組立体のさらなる構造的な強度を付与しかつ組み立てられた構造体が適所で固定されることを補助する。
【0014】
図4は、個体のセグメント12Aの第2の実施形態を使用した本開示におけるIM構造体を示す。セグメント12Aの雄端部22Aは、外ネジが形成された支柱部であって相補的に内ネジが形成された雌端部24Aであって隣接するセグメント12Aの雌端部24Aに収容される支柱部を備えている。
【0015】
図5及び図6は、本開示におけるIM構造体のためのセグメント12Bの第3の実施形態を開示している。セグメントの雄端部22Bは、雄端部の先端部にある肩部または爪部28を有する突起部26を備えており、突起部26は、隣接するセグメント12Bの相補的な形状をなす端部24Bとのスナップ嵌合をもたらす。一連の相互に間隔をあけたタブ30であって雄及び雌端部双方の外周にあるタブ30は、セグメントの位置決めをもたらし、かつセグメント12Bの互いに対する回転を防止する機能を果たす。内髄管内へ導入されると、セグメントは、好ましくは、ロッドまたはガイドワイヤ32の上から下に向けて収容され、それらの噛合を容易にする。
【0016】
図7及び図8は、図4及び図5の実施形態と同様にIM構造体に使用されるセグメント12Cの第4の実施形態を開示している。しかしながら、セグメント12Cは、タブ、突起部及び爪部からなるより複雑な連結構造を有する。
【0017】
図9及び図10は、本開示におけるIM構造体のためのセグメント12Dの第5の実施形態を示す。セグメントの雄端部22Dには、複数の長手方向のキー溝であって外見がギアと同様の断面を形成する複数のキー溝がある。雌端部24Dは、相補的なギア形状をなし、雄端部22Dの内径とのぴったりとした嵌合をもたらす同心状のリング部34を有する。好ましいように、この構造は、同様に互いに対して回転不能であるセグメントの相互嵌合をもたらす。
【0018】
図11及び図12は、本開示におけるIM構造体に使用されるセグメント12Eの第6の実施形態を示す。セグメント12Eは、ほぼシリンダ形状をなし、雄及び雌端部22E、24Eにある相補的な相互嵌合タブ30Eを有する。また、セグメント12Eは、セグメントの壁部において複数の間隔をあけた長手方向の貫通ボア36を有する(4つのこのような貫通ボア36が示されている)。貫通ボア36は、細長い周囲のロッド38であって組み立てられたIM構造体にさらなる硬度及び強度を付与するロッド38を収容する。
【0019】
図13を参照すると、IM構造体62のさらなる実施形態が示されている。構造体62は、ヒンジ部材66によって互いに結合された複数のセグメント64を備える。ヒンジ部66は、セグメントが互いに対して回動し、角度が付されたアクセス穴部を通って髄内釘内へ構造体を導入することを補助することを可能とする。図示のように、IM構造体は、構造体の長さに沿って一定の間隔で切り取られたV字状のノッチ部を有する単一のシリンダ状部材で形成されており、シリンダ状部材が形成される材料は、各ノッチの先端において隣接するセグメント間で「一体型のヒンジ部(living hinge)」を形成する。いったん内髄管に挿入されると、骨セメントは、導入され、IM構造体を直線状に維持し、かつさらなる構造的な強度をもたらす。
【0020】
図14から図22は、長骨42の内髄管40への本発明におけるセグメント状髄内構造体の挿入を概略的に示す。
【0021】
図14を参照すると、長骨42は、長骨の基端及び先端部の中間において骨折部44を有して示されている。アクセス穴部46は、内髄管40の基端部において内髄管40内へ長骨の軸または中心線に対して傾けた角度で、好ましくは長骨の軸に対して約30度の角度で経皮的に形成されている。アクセス穴部46は、髄内構造体を構成する個体のセグメント12の導入に適合するような直径をなす。本発明において、アクセス穴部46は、直径で約10mmである。アクセス穴部46を形成した後、ガイドワイヤまたはケーブル32は、アクセス穴部を通って挿入され、内髄管40内で骨折部位44を通過して内髄管40の先端部まで前進される。
【0022】
次に図15を参照すると、第2ステップが示されており、第2ステップでは、第1のすなわち最も先端側のセグメント12がガイドワイヤの上から下に向けて捻じ込まれ、経皮的なアクセス穴部46を通って内髄管40内へ前進される。図16に示すように、セグメント12は、アクセス穴部46を通って押し込まれており、同様にガイドワイヤ32の上から下に向けて嵌合する挿入器48を用いてガイドワイヤ32に沿って前進される。挿入器48は、スロットが形成されたハンマー50であってセグメントを内髄管40内へ前進させるように挿入器と関連してセグメント12にさらなる力を付与するハンマー50を有する。
【0023】
図17を参照すると、いったんセグメント12が内髄管40内に配置されると、セグメントは、可撓性を有する押圧ロッド52を用いて内髄管40の先端部までガイドワイヤ32に沿って前進される。ガイドワイヤの上から下に向けてセグメント12を挿入し、セグメントをガイドワイヤに沿って先端に前進させるステップは、図15から図17に示されており、所望長さのIM構造体が形成されるまで繰り返される。図18を参照すると、IM構造体は13のセグメントを有している。このため、図15から図17のステップは12回繰り返されている。
【0024】
図19を参照すると、IM構造体は、内髄管の先端部に固定されている。このため、最も先端側のセグメント及び最も基端側のセグメントは、骨ネジを収容するための貫通ボアを有する。ロックボルト54は、経皮的に導入され、ガイドするための透視方法を用いて、最も先端側のセグメント及び最も基端側のセグメントにあるボアを通って前進される。図示の方法において、ガイドワイヤ32は、所定位置に残される。しかしながら、セグメントがIM釘にありうる連結部を備えている場合、ガイドワイヤ32は、IM釘を備えるすべてのセグメントが相互接続された後に取り除かれてもよい。図20を参照すると、ロックナット56は、ガイドワイヤ32の上から下に向けてかつ最も基端側のセグメントへ挿入されており、可撓性を有するドライバ58は、所定トルクでナット56を締結するために使用される。そして、ガイドワイヤ32の露出している部分は、切断され(図21)、経皮的なロックボルト60は、最も基端側のセグメントを所定位置に固定するために使用される(図22)。骨セメントもしくは他の硬化可能な外科流体、または放射状に拡張可能な素子のように、ロックボルト、固定ネジまたは他の固定具以外の手段は、IM構造体を内髄管における所定位置に固定するために使用されてもよい。
【0025】
図23から図39を参照すると、一様に符号100が付されたセグメント状髄内システムのさらなる実施形態は、開示されている。システム100は、3つの基本構成部材、すなわち埋込可能なセグメント状髄内骨折固定デバイス構造体102と、基端側の固定ネジ型のガイドインタフェース104と、ケーブルテンショナ組立体200と、を備えている。
【0026】
図24から図26を参照すると、埋込可能な固定構造体102は、複数のほぼ独立した相互嵌合する中間セグメント108(9個が示されている)と、固定ネジを収容するように構成された複数の穴部または貫通ボア112を有する基端セグメント110と、径方向に伸張可能な先端セグメント114と、備えている。ケーブル116は、先端セグメントに固定されており、先端セグメントは、基端セグメント110を越えて埋め込み可能な構造体を貫通し、かつケーブルテンショナ200を貫通し、セグメントに圧縮力を付与して硬質のインプラントとする。先端部よりも基端側にあるセグメント108、110それぞれは、内部開口部を有し、セグメントが伸張ケーブル116を通ることを可能とし、セグメントが内髄管内への挿入時にケーブル116に沿ってスライドすることを可能とする。
【0027】
基端セグメント110及び中間セグメント108は、互いにヒンジ状に固定されたさまざまなセグメントの状態であらかじめ組み立てられている。固定構造体102を長骨の頭部内へ挿入することを容易とするため、埋込のための入口が長骨の軸からずらされている場合、埋込可能な構造体のさまざまなセグメント108、110は、単一面において軸方向及び横方向にのみ相対的に移動可能であるように構成されている。このため、図26、図28及び図29を参照すると、中間セグメント108は、相互嵌合する雄及び雌部分118及び120をそれぞれ有し、雄及び雌部分は、3つのほぼ平坦な面(雄部分に対して118a、118b及び118c、雌部分に対して120a、120b及び120c)を備えている。面118a、120aは、それぞれ面118c、120cとほぼ平行である一方、面118b及び120bは、それぞれ面118a、118c、120a、120cとほぼ垂直である。第4面118d、120dは、セグメントの長手方向軸に対して傾いて向けられている。隣接する面は、弓状面によって結合されている。3つの平面は、組み立てられた構造体がセグメントの雄及び雌部分の平行な面にほぼ平行な面のみにおいて可撓性を有することを確実にする。
【0028】
部材が滑らかにもしくは一定のテーパ状とされたまたは円錐状とされた面の入れ子を有する場合、テーパ状とされた面について互いに結合する傾向があることを示していることは、これまでの例で明らかである。もちろん、これは、内髄管への挿入または内髄管から抜き出すために必要である埋込可能な構造体の可撓性を低減する結果となるため、本構造体において不利である。したがって、セグメント108の雄及び雌部分118及び120傾いて方向付けられた面118d、120dには、セグメントの軸にほぼ平行な面を有する一連の段差部122が形成されている。これにより、ケーブル116に張力が付与されておらず、かつ固定構造体102が圧縮されていない場合、セグメントの係合部分は、自由に分離してスライドできることが確実になる。
【0029】
構造体のさまざまなセグメント108、110は、隣接するセグメントに対して制限された軸方向の運動を可能とした方法で互いに固定されており、隣接するセグメントの雌部分と共にセグメントの雄部分の面の正確な方向付けを確実にする。本実施形態の構造において、これは、組み立てられたインプラントが曲げられる面に垂直な面に位置するピン124(図28参照)を有するセグメントの雌部分120を形成することによって達成される。ピン124は、ピンが関連する雌部分120の内部開口部を通って延在し、軸方向に方向付けられた細長いスロット126であって基端側で隣接するセグメントの雄部分118にあるスロット126内に捕捉される。図に示すように、スロット126は、先端部において基端部よりも広くなっており、拡張された埋込可能な構造体により大きな可撓性を付与している。もちろん、ピンは、セグメントの雄部分118によって支持され、同じ結果を得るために雌部分120にあるスロットに支えられてもよい。
【0030】
基端セグメント110は、伸張ケーブルの経路のための内部開口部を有し、2つのセクション、すなわち弓状セクション128及び噛合セクション130を備え、噛合セクションは、すぐ先端側にある中間セグメントの雌部分120に固定するための上述したような雄部分118を有する。埋込可能な構造体の基端部を骨に固定することを可能とするため、弓状セクションは、骨ネジ(図示略)を収容するための埋込可能な固定構造体102の軸にほぼ垂直に方向付けられた複数の貫通ボア112(3つが示されている)。貫通ボア112は、弓状セクションの内部開口部を横断しないように位置付けられており、これにより伸張ケーブル116が固定ネジによって接触されないことを確実にする。
【0031】
弓状セクション128の基端部は、(以下でより詳細に説明されるように)伸張ケーブル116をロックする2部品(two-part)の先端口金組立体132(図35及び図38)を収容し、かつ同様に所定方向でネジガイドインタフェース104を支持するように構成されている。
【0032】
上述の実施形態に関連して述べられたように、埋込可能な構造体の先端部分は、骨ネジによってまたは骨セメントによって骨に固定されるように構成されている。しかしながら、本実施形態において、埋込可能な構造体を長骨の先端部分に固定することは、好ましくは最も先端側のセグメント140を径方向で拡張可能として内髄管の表面に係合させることによって達成される。このため、図27、図32及び図33を参照すると、先端セグメント140は、拡張部材142であって拡張部材の内部にあるウェッジ部材144を収容する拡張部材142を備えている。ウェッジ部材144は、伸張ケーブルの先端部に固定されており、張力は、ケーブル116に掛かり、ウェッジ部材144は、拡張部材142内へ基端側に移動され、拡張部材142を内髄管の表面と係合するように径方向で拡張させる。
【0033】
図示された拡張部142は、上襟部分146を備え、径方向で均一に間隔をあけた複数の脚部148(4つが示されている)は、カンチレバーの形態をなして上襟部分146からぶら下がる。その非変形状態において、拡張部142は、埋込可能な固定構造体102の他のセグメント108、110における径方向寸法以下の径方向寸法を有し、内髄管内への挿入を容易にする。ウェッジ部材144は、ほぼ円錐状をなし、拡張部142の脚部148を位置付けるためにウェッジ部材の表面に細長い溝部150を有する。好ましくは、溝部150は、脚部148の内面と相補的な断面形状を有する。
【0034】
拡張部の内髄管への固定を強固にするため、脚部の外面には、内髄管の骨面へより容易に侵入するように構成された構造体が形成されている。このような構造体は、ポイントまたは幅狭のエッジまたは刃状の構造体の形態をなしうる。図示の実施形態において、各脚部の外面には、連続的に隆起した尾根部152が形成されている。好ましくは、尾根部152は、波状またはジグザグ状の構造を有し、埋め込まれた拡張部142の軸方向及び回転方向双方の移動への抵抗をもたらす。
【0035】
上述のように、本実施形態において、基端部のセグメント110は、骨ネジを収容してインプラント102の基端部を所定位置に固定するための3つの貫通ボア112を有する。ネジの配置を容易にするため、基端セグメント110は、ネジガイドインタフェース104を取り付けるように構成されている。図34及び図35において最もよく示されているように、ネジガイド104は、一対のぶら下がったアーム部154、156を備え、第1アーム部154は、一対のガイド管部158、160を取り付け、第2アーム部156は、単一のガイド管部162を取り付けている。ネジガイドインタフェース104がインプラント102の基端部のセグメント110に固定されると、ガイド管部158、160、162は、貫通ボア112と一列に並ぶ。アーム部154、156の上端部は、互いに結合し、管状をなすセグメント164は、アーム部154、156の接続部から下方にぶら下がる。管状セグメント164の下端部と基端セグメント110の上端部とは、ネジガイドインタフェース104が適切な方向で基端セグメント110に取り付けられるように構成され、ネジガイド管部156、160、162は、それらが対象とする貫通ボア112と整列する。いったん適切に取り付けられると、ネジガイドインタフェース104は、挿入ガイド166によってインプラントに固定される。挿入ガイド166は、細長い把持面168とぶら下がった管状セクション170とを有する。挿入ガイド166の把持面168は、ネジガイドインタフェース104の凹所に取り付けられ、挿入ガイド166の管状セクション170は、ネジガイドインタフェース104の管状セグメント164を通って延在し、インプラント102における基端セグメント110の基端部に収容される。挿入ガイド166における管状セクション170の先端部には、外ネジが形成されている一方、基端セグメント110の基端部における内面には、内ネジが形成されている。このため、挿入ガイド166は、基端部のセグメント110に捩じ込まれ、埋め込み可能な固定デバイス102の所定位置にネジガイドインタフェース104を固定する。
【0036】
テンショナツール組立体は、固定デバイス内にあるケーブルへの張力を調節及び/またはロックするために使用されてもよい。テンショナツール組立体は、ケーブル、ロック機構、テンショナ及びロック機構アクチュエータを備えている。図36を参照すると、一実施形態におけるテンショナツール組立体200の斜視図が示されている。テンショナツール組立体200が上記セグメント状髄内骨折固定デバイスに接続されたケーブル、コード、つなぎ綱または他の可撓性を有する部材に張力を付与しかつ調節するために使用されてもよく、または他のインプラント、デバイスまたはシステムに張力を付与しかつ調節するために使用されてもよい。固定デバイス102のようなセグメント状髄内骨折固定デバイスと共に使用されると、テンショナツール組立体200は、(図示しない固定デバイスに接続されかつ固定デバイスから延在する)ケーブル116の上から下に向けて案内され、デバイスの基端部に取り外し可能に取り付けられる。基端側の口金部ネジとテンショナとケーブル口金部ネジを備える先端側の口金組立体とは、順に作動され、好ましいレベルで固定デバイスにあるケーブルに張力を掛けてロックする。そして、テンショナツール組立体200は、取り除かれ、固定デバイス200の外側に延びるケーブルは、切断される一方、固定デバイスの内側にあるケーブルは、好ましい張力で維持される。
【0037】
実施形態におけるテンショナツール組立体200は、ネジシャフト220内で係合する基端口金部210を備えている。基端口金部の先端側には、部分的にハウジング230内へ延びるネジノブ240がある。ハウジング230は、挿入ガイド166内にドッキングさせることが可能であり、固定デバイスの基端部に接続することができる。口金ドライバ250は、ハウジング内に確保されており、ハウジング内で回転可能に構成されている。挿入ガイドと固定デバイスとの間の接続部内には、先端口金組立体132がある。ケーブルボア202は、組立体200の全長の範囲の直線状の経路に沿って長手方向で延在する。
【0038】
テンショナツール組立体200を固定デバイス102に接続すると、まず、挿入ガイド166は、ケーブル116の上から下に向けて案内されて固定デバイス102に取り付けられ、次にテンショナツール組立体200の残りの部分は、ケーブル116の上から下に向けて案内されて挿入ガイド166内でハウジング230を介してドッキングされる。あるいは、テンショナツール組立体200は、まず挿入ガイド166にドッキングされ、次に全体の組立体は、ケーブル116の上から下に向けて案内されて固定デバイス102に取り付けられる。ネジ山または他の結合機能は、ハウジング230を挿入ガイド166にドッキングするために内面に形成されてもよい。
【0039】
図37を参照すると、テンショナツール組立体200の長手方向の部分断面図が示されている。テンショナツール組立体の部品を明確に区別するため、ケーブルは、示されていない。ケーブルボア202は、直線状の経路に沿って組立体200の長さ方向に延びる。ネジノブ240は、内ネジが形成されたルーメン242であってネジシャフト220が延在するルーメン242を有する。ネジシャフト220は、ルーメン242を通ってネジノブ240の基端部からハウジング230内へ延在する。シャフト220が通過するクロスバー232は、シャフトの回転を防止する抗回転機構を形成する。保持機構221は、ハウジング内にネジシャフトの先端部を保持し、ルーメン242からネジシャフトが突発的に引っ込むことを防止する。ネジシャフト220は、その外部に沿って所定距離だけ延在する外ネジ部222を有する。ネジシャフト220の基端部は、内ネジ部224の短いセクションがあり、内ネジ部224の先端側には、テーパ状壁部228を有するチャンバ226がある。
【0040】
基端口金部210は、ネジシャフト220の基端部に嵌合する。外ネジ部212は、ネジシャフトの内ネジ部224と係合し、口金部210を保持する。複数の可撓性を有する指部214は、口金部210から先端側に向けてチャンバ226内へ延在する。上述のように、テンショナツール組立体200は、ケーブル116(図示略)の上から下に向けて案内され、ケーブルは、ケーブルボア202内を通って延在し、基端口金部210の基端部から出る。基端口金部210は、基端口金部210をネジシャフト220内へ螺合することによってケーブル上の所定位置にロックされるロック機構である。口金部210が螺合されると、指部214は、チャンバ226内へ先端側に前進する。指部214がテーパ状壁部228を付勢すると、指部は、共に付勢され、ケーブルがしっかりと把持されるまでケーブルと係合しかつケーブルを収縮する。指部214がケーブルと係合すると、指部は、ケーブルの周囲を囲む。この位置において、ケーブルは、ロックされ、いずれの方向においても引っ張られることが防止される。しかしながら、ケーブルは、単純に口金部210をネジシャフト220から螺合解除して指部214が自由に外方に曲がってケーブルから係合解除することによって、再び移動自在とされる。ロック工程において、ケーブル116が組立体200内の直線状の経路にほぼ沿って方向付けされたままであり、かつ曲げられ、湾曲され、波状にされ、または切断されない。
【0041】
いったんケーブルがロックされると、テンショナは、作動されてケーブルへの張力を調節する。テンショナは、ハウジング230、ネジノブ240、ネジシャフト220、クロスバー232及び保持機構221を備えている。ネジノブ240は、ノブを回転することによって作動され、ケーブルに張力を付与する。ノブ240が回転されると、内ネジ部244は、ネジシャフト220にある外ネジ部222と係合し、ノブ240は、先端側に移動する一方、ネジシャフト220は、回転運動が線形運動に変換されるにしたがって基端側に移動する。ケーブルが先端部のセグメントにある第1位置において固定デバイスに接続されかつ第2位置においてシャフト220内の口金部210内にロックされるので、基端側にシャフト220を移動させると口金部210が固定デバイスに対して相対的に移動され、固定デバイスの第1位置と口金部の第2位置との間にあるケーブルに張力を掛ける。
【0042】
ノブ240が先端側に移動するにしたがって、ノブ246の先端面は、ハウジング230内にあるネジシャフト220を囲むバネ248を押圧する。ノブ240がさらに回転されると、バネ248は、ノブの先端面246とハウジング230の壁部に形成されたリップ部234との間で圧縮される。この圧縮により、ノブに印加された力の量が測定される。表示マーク(図36において示される)は、ネジノブ240の先端壁部249の外面にあり、ノブが回転されているときに力の量を表示する。ノブ246は、両方向に回転させることによって作動され、所望レベルの張力に達するまで張力を増大または減少させる。
【0043】
図38を参照すると、先端口金組立体132を貫通するケーブル116を示す部分断面図であり、ケーブルは、挿入ガイド166の所定部分と固定デバイス102の基端部のセグメント110との間の接続部によって囲まれている。明確にするため、ケーブルは、断面図で示されていないが、図案化されたケーブルの外面は、示されている。挿入ガイド266にある接続外ネジ部262は、固定デバイス102にある接続内ネジ部264と係合し、挿入ガイド166を固定デバイス102に対して固定位置に保持する。ケーブル口金部アンカー272は、固定デバイスの基端部内に嵌合し、挿入ガイド166内へ短距離だけ延在する。ケーブル口金部アンカー272は、固定デバイス内に一体的に形成され、または貫入されもしくは別の方法で接続されてもよい。テーパ状壁部276を有するチャンバ274は、ケーブル口金部アンカー272の先端部にあり、ケーブル口金部アンカーの基端部は、口金内ネジ部278を有する。
【0044】
ケーブル口金ネジ部280は、ケーブル口金部アンカー272内に嵌合し、口金内ネジ部278と係合する口金外ネジ部282によって所定位置に保持される。ケーブル口金ネジ部の基端部において、加工した内壁部286は、ケーブルボア202を囲む。複数の可撓性を有する指部284は、先端側に向けてチャンバ274内へ延在している。ケーブル口金ネジ部280及びケーブル口金部アンカー272は、共にロック機構を形成する。
【0045】
口金ドライバ250のドライバシャフト252は、挿入ガイド166を貫通して先端側に延びる。図28に示すように、口金ドライバ250は、テンショナ内で捕捉されているが、テンショナと独立して動作する。ドライバシャフト252の操作端部254は、ケーブル口金ネジ部280の加工した内壁部286と結合するように加工されている。操作端部254は、ケーブル口金ネジ部と結合するように構成された六角形または他の形状に加工されている。
【0046】
上述のようにケーブルに張力が掛けられた後、口金ドライバ250は、作動してケーブル口金ネジ部280及びアンカー272を有するロック機構を作動する。固定デバイス102に対する第3位置における張力が掛かったケーブルの位置決めをロックするため、ケーブル口金ネジ部280は、締結される。ケーブル口金ネジ部280を締結するため、口金ドライバ250は、回転され、口金ドライバシャフト252は、回転する。操作端部254は、ケーブル口金ネジ部の加工された内壁部286と結合し、その結果として、ケーブル口金ネジ部280は、回転される。口金ネジ部280が回転してアンカー272内を前進するにしたがって、指部284は、チャンバ274内へ前進する。口金指部284がテーパ状壁部276を付勢するにしたがって、指部は、共に付勢され、ケーブル116を把持しかつケーブルの位置を固定デバイス102に対してロックする。この位置において、ケーブル116は、両方向で引っ張られることが防止されている。しかしながら、ケーブル116は、単純に口金ネジ部280をアンカー272内から螺合解除して指部284が外方に曲がることが自由になることによって、再び移動自在とされる。
【0047】
いったんケーブル116がケーブル口金ネジ部280内でロックされると、固定デバイス102に対してケーブルに掛かる張力は、固定される。基端口金部210は、螺合解除され、口金部によるケーブル116の把持を解除する。ハウジング230は、挿入ガイド166からドッキング解除され、挿入ガイド166からのテンショナツール200の取り外しを可能とする。そして、挿入ガイドは、螺合解除されて固定デバイス102から取り外され、ケーブル口金ネジ部280内にロックされているケーブル116を解放する。あるいは、ハウジング230は、挿入ガイド166内でドッキングされたままであってもよく、挿入ガイド166は、固定デバイス102から結合解除され、ドッキングされたテンショナツール200をそれと共に移動してもよい。挿入ガイド及びテンショナツールが取り外された後、先端口金ネジ部280から基端側に延びるケーブル116は、所望長さに切断される。
【0048】
このため、改良された髄内構造体は、上述のように提供される。構造体が特定の具体的な実施形態に関して説明されているが、本発明をこれと同一なものに限定する意図はない。むしろ、本発明は、以下の特許請求の範囲によって規定される。
【符号の説明】
【0049】
10 セグメント状髄内構造体,髄内構造体、12,12A〜12E,64 セグメント、14 伸張ロッド(伸張部材)、22,22A〜22E 雄端部(第1端部)、24,24A〜24D 雌端部(第2端部)、32 ガイドワイヤ,ケーブル、36,112 貫通ボア、38 ロッド、40 内髄管、42 長骨、44 骨折部,骨折部位、46 アクセス穴部、62 構造体(髄内構造体)、66 ヒンジ部材,ヒンジ部、102 セグメント状髄内骨折固定デバイス構造体,固定デバイス,固定構造体,インプラント、108 中間セグメント,セグメント、110 基端セグメント,セグメント、114 先端セグメント、116 伸張ケーブル,ケーブル、118 雄部分、118a 面(第1面)、118b 面(第2面)、118c 面(第3面)、118d 面(第4面)、120 雌部分、122 段差部、140 先端セグメント,セグメント、142 拡張部材,拡張部、164 管状セグメント,セグメント、166 挿入ガイド、200 ケーブルテンショナ,ケーブルテンショナ組立体,テンショナツール,テンショナツール組立体,固定デバイス,組立体、202 ケーブルボア、214 指部、220 ネジシャフト,シャフト
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2007年3月22日に出願された米国仮特許出願第60/896342号の利益を主張し、そのすべての内容が参照として明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、整形外科プロテーゼ、より具体的には一般に髄内(intramedullary)釘(nail)すなわちIM釘と称される埋込型構造体であって長骨骨折の治療のために内髄管(intramedullary canal)に収容されるように構成された埋込型構造体に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示における髄内構造体は、一形態において、好ましくは経皮的なアクセス穴部を通って内髄管にあらかじめ導入されているガイド部材の上から下に向けて内髄管に導入された複数のセグメントを利用している。各セグメントは、好ましくは各セグメントが隣接するセグメントと相互接続するように構成されている。また、好ましくは、細長い伸張部材は、セグメント内部に収容され、かつ端部のセグメントに固定されており、構造体におけるすべてのセグメントを互いに固定する。一形態において、ガイド部材は、伸張部材として同様に機能するワイヤまたはケーブルである。
【0004】
より具体的には、各セグメントは、内部開口部をなす開口部を有しており、セグメントは、ガイドまたは伸張部材の上から下に向けて通される。また、セグメントは、好ましくは相補形状をなす反対側の端部を有し、第1のセグメントの端部は、第1のセグメントに隣接する第2のセグメントの端部と協調的に嵌合するように構成される。好ましくは、各セグメントは、雄端部と、相補形状をなす雌端部と、を有する。
【0005】
他の特徴及び形態は、添付の図面及び説明を参照することによって明確になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本開示の第1の実施形態における釘のようなセグメント状髄内構造体であって組み立てられた髄内構造体を示す斜視図である。
【図2】図1の髄内釘の個体のセグメントを示す斜視図である。
【図3】図2のセグメントを示す長手方向断面図である。
【図4】第2の実施形態における個体の釘セグメントを使用した髄内釘を示す斜視図である。
【図5】第3の実施形態における髄内構造体に使用される複数の個体のセグメントであってガイド部材の上から下に向けて収容された複数のセグメントを示す斜視図である。
【図6】第3の実施形態における髄内構造体に使用される個体のセグメントを示す斜視図である。
【図7】第4の実施形態における複数の個体のセグメントであってガイド部材の上から下に向けて収容された複数の個体のセグメントを示す斜視図である。
【図8】第4の実施形態における個体のセグメントであってガイド部材の上から下に向けて収容される個体のセグメントを示す斜視図である。
【図9】第5の実施形態における複数の個体のセグメントであって互いに取り付けられる複数の個体のセグメントを示す斜視図である。
【図10】第5の実施形態における個体のセグメントであって互いに取り付けられる個体のセグメントを示す斜視図である。
【図11】第6の実施形態における髄内釘において使用され複数の周縁ロッドが組み立てられた釘において使用されるセグメントを示す斜視図である。
【図12】同じく、第6の実施形態における髄内釘において使用され複数の周縁ロッドが組み立てられた釘において使用されるセグメントを示す斜視図である。
【図13】第7の実施形態におけるIM釘であってヒンジ部材によってセグメントが互いに接続されており、内髄管の軸に対して傾いているアクセス穴部を通って当該釘が内髄管内へ挿入されるIM釘を示す斜視図である。
【図14】本開示におけるセグメント状髄内釘を長骨の内髄管内へ取り付ける手術を示す概略図である。
【図15】同じく、本開示におけるセグメント状髄内釘を長骨の内髄管内へ取り付ける手術を示す概略図である。
【図16】同じく、本開示におけるセグメント状髄内釘を長骨の内髄管内へ取り付ける手術を示す概略図である。
【図17】同じく、本開示におけるセグメント状髄内釘を長骨の内髄管内へ取り付ける手術を示す概略図である。
【図18】同じく、本開示におけるセグメント状髄内釘を長骨の内髄管内へ取り付ける手術を示す概略図である。
【図19】同じく、本開示におけるセグメント状髄内釘を長骨の内髄管内へ取り付ける手術を示す概略図である。
【図20】同じく、本開示におけるセグメント状髄内釘を長骨の内髄管内へ取り付ける手術を示す概略図である。
【図21】同じく、本開示におけるセグメント状髄内釘を長骨の内髄管内へ取り付ける手術を示す概略図である。
【図22】同じく、本開示におけるセグメント状髄内釘を長骨の内髄管内へ取り付ける手術を示す概略図である。
【図23】髄内骨折固定デバイスを埋め込むシステムであって埋込可能骨折固定デバイス、ネジガイド及びケーブルテンショナを備えるシステムを示す斜視図である。
【図24】図23に示す埋込可能な髄内骨折固定デバイスを示す正面図である。
【図25】図24に示す埋込可能な骨折固定デバイスにおける最も基端側のセグメントを示す正面図である。
【図26】図24に示す埋込可能な骨折固定デバイスにおける典型的な中間セグメントを示す正面図である。
【図27】図24に示す埋込可能な骨折固定デバイスにおける最も先端側のセグメントを示す正面図である。
【図28】図26に示す中間セグメントを示す斜視図である。
【図29】同じく、図26に示す中間セグメントを示す斜視図である。
【図30】図25に示す最も基端側のセグメントを示す斜視図である。
【図31】同じく、図25に示す最も基端側のセグメントを示す斜視図である。
【図32】図23の埋込可能な固定デバイスにおける先端部分を示す断面図であって、最も先端側のセグメントを詳細に示す断面図である。
【図33】最も先端側のセグメントの部分を形成する拡張部を示す斜視図である。
【図34】図23に示す埋込可能な骨折固定デバイスにおける基端部に取り付けられるように構成されたネジガイドインタフェースを示す斜視図である。
【図35】図24に示すネジガイドインタフェースと骨折固定構造体の基端部とを示す断面図である。
【図36】ケーブルテンショナを示す拡大斜視図である。
【図37】図36に示すケーブルテンショナを示す断面図である。
【図38】ケーブルテンショナと骨折固定デバイスの基端部のセグメントとの協働構造を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示において、髄内構造体は、脛骨のような長骨の内髄管内に収容されるように構成されて設けられている。構造体は、複数の細長いセグメントを備え、各セグメントは、第1の端部と、相補形状をなす第2の端部と、を有し、セグメントの第1の端部は、隣接するセグメントの第2の端部と協調的に嵌合する。セグメントは、好ましくは開口部を規定しており、内髄管内への導入のためのガイドワイヤまたはケーブルの上から下に向けて収容される。任意で、構造体は、例えばその長さに延在するケーブルまたはロッドであって構造体の最端部のセグメントと協働するケーブルまたはロッドの形態をなす伸張部材を有し、構造体の長手方向に沿って圧縮力を付与し、これにより構造体の硬度を増大させる。
【0008】
図1に戻ると、セグメント状髄内構造体10の第1の実施形態が示されている。図示の構造体は、任意の伸張ロッドの上から下に向けて収容された8つのセグメント12を備えており、約175mmの全長を有する髄内構造体10を形成する。もちろん、セグメント12の数及び釘の全長は、釘が挿入される内髄管の長さによって決まる。
【0009】
図示のように、伸張ロッド14の端部16には、ネジ山が形成されており、セグメント12は、伸張ロッド14のネジ端部16に収容される相補的なネジ部材(ナット18及びワッシャ20が図示されている)によって、端部16に支持されている。しかしながら、伸張ロッドに支持され、かつ端部セグメントの内部開口部に載置されたカシメ嵌合(swage fitting)または端部セグメントと係合する伸張ロッドに支持される押圧ナット(press nut)のように、セグメント12を伸張ロッド14に固定する別の方法を適用してもよい。
【0010】
図2及び図3は、図1に示す髄内構造体の1つのセグメント12を示す。図2及び図3に示す個体のセグメント12の具体的な構造は、単なる例である。セグメント12は、円錐台形の外形を有する雄端部22と、円筒形の外形を有しかつ雄端部22の外形と相補的な円錐台形の内部形状を有する雌端部と、を有する。
【0011】
セグメント12の全長は、好ましくは約32mm以下であり、セグメント12が骨の軸に対して約30度の方向を向く10mmの経皮的アクセス穴部を通って内髄管内へ比較的容易に導入されることを可能とする。セグメント12の最大外径は、内髄管の内径によって規定され、主として約9mmである。セグメントの雄端部22の内径は、約3.6mmであり、3mmのガイドワイヤまたはケーブルが雄端部22を容易に通過することを可能とする。
【0012】
セグメント12は、チタンのように十分な硬度及び強度を有する生体適合材料で形成されている。雌端部24の内面及び雄端部22の外面は、滑らかであり(ミラー研磨されており)、入れ子にすることを容易にする。雌端部24の外面は、粗くされており、またはテクスチャ加工されており(表面にギザギザがあり)、組織が外面に成長することを促進する。
【0013】
図示の実施形態において、隣接するセグメント12は、雌端部の内面と雄端部の外面との間の摩擦嵌合によって互いに固定されている。しかしながら、必要に応じて、スロット及びピン、突起部、タブ、ネジ山のように、セグメントに機械的な噛合構造を形成することによって、より積極的な噛合せが得られる。また、セグメントは、組み立てられたときに互いの間の回転運動を防止するように構成されている。これは、例えば、角が丸められた四角のように、雄端部の外面及び雌端部の内面に相補的な非円形の断面を形成することによって、達成される。あるいは、またはさらに、骨セメントまたは他の硬化可能な手術流体は、内髄管でいったん適所に配されたセグメントの内部へ導入されてもよく、組立体のさらなる構造的な強度を付与しかつ組み立てられた構造体が適所で固定されることを補助する。
【0014】
図4は、個体のセグメント12Aの第2の実施形態を使用した本開示におけるIM構造体を示す。セグメント12Aの雄端部22Aは、外ネジが形成された支柱部であって相補的に内ネジが形成された雌端部24Aであって隣接するセグメント12Aの雌端部24Aに収容される支柱部を備えている。
【0015】
図5及び図6は、本開示におけるIM構造体のためのセグメント12Bの第3の実施形態を開示している。セグメントの雄端部22Bは、雄端部の先端部にある肩部または爪部28を有する突起部26を備えており、突起部26は、隣接するセグメント12Bの相補的な形状をなす端部24Bとのスナップ嵌合をもたらす。一連の相互に間隔をあけたタブ30であって雄及び雌端部双方の外周にあるタブ30は、セグメントの位置決めをもたらし、かつセグメント12Bの互いに対する回転を防止する機能を果たす。内髄管内へ導入されると、セグメントは、好ましくは、ロッドまたはガイドワイヤ32の上から下に向けて収容され、それらの噛合を容易にする。
【0016】
図7及び図8は、図4及び図5の実施形態と同様にIM構造体に使用されるセグメント12Cの第4の実施形態を開示している。しかしながら、セグメント12Cは、タブ、突起部及び爪部からなるより複雑な連結構造を有する。
【0017】
図9及び図10は、本開示におけるIM構造体のためのセグメント12Dの第5の実施形態を示す。セグメントの雄端部22Dには、複数の長手方向のキー溝であって外見がギアと同様の断面を形成する複数のキー溝がある。雌端部24Dは、相補的なギア形状をなし、雄端部22Dの内径とのぴったりとした嵌合をもたらす同心状のリング部34を有する。好ましいように、この構造は、同様に互いに対して回転不能であるセグメントの相互嵌合をもたらす。
【0018】
図11及び図12は、本開示におけるIM構造体に使用されるセグメント12Eの第6の実施形態を示す。セグメント12Eは、ほぼシリンダ形状をなし、雄及び雌端部22E、24Eにある相補的な相互嵌合タブ30Eを有する。また、セグメント12Eは、セグメントの壁部において複数の間隔をあけた長手方向の貫通ボア36を有する(4つのこのような貫通ボア36が示されている)。貫通ボア36は、細長い周囲のロッド38であって組み立てられたIM構造体にさらなる硬度及び強度を付与するロッド38を収容する。
【0019】
図13を参照すると、IM構造体62のさらなる実施形態が示されている。構造体62は、ヒンジ部材66によって互いに結合された複数のセグメント64を備える。ヒンジ部66は、セグメントが互いに対して回動し、角度が付されたアクセス穴部を通って髄内釘内へ構造体を導入することを補助することを可能とする。図示のように、IM構造体は、構造体の長さに沿って一定の間隔で切り取られたV字状のノッチ部を有する単一のシリンダ状部材で形成されており、シリンダ状部材が形成される材料は、各ノッチの先端において隣接するセグメント間で「一体型のヒンジ部(living hinge)」を形成する。いったん内髄管に挿入されると、骨セメントは、導入され、IM構造体を直線状に維持し、かつさらなる構造的な強度をもたらす。
【0020】
図14から図22は、長骨42の内髄管40への本発明におけるセグメント状髄内構造体の挿入を概略的に示す。
【0021】
図14を参照すると、長骨42は、長骨の基端及び先端部の中間において骨折部44を有して示されている。アクセス穴部46は、内髄管40の基端部において内髄管40内へ長骨の軸または中心線に対して傾けた角度で、好ましくは長骨の軸に対して約30度の角度で経皮的に形成されている。アクセス穴部46は、髄内構造体を構成する個体のセグメント12の導入に適合するような直径をなす。本発明において、アクセス穴部46は、直径で約10mmである。アクセス穴部46を形成した後、ガイドワイヤまたはケーブル32は、アクセス穴部を通って挿入され、内髄管40内で骨折部位44を通過して内髄管40の先端部まで前進される。
【0022】
次に図15を参照すると、第2ステップが示されており、第2ステップでは、第1のすなわち最も先端側のセグメント12がガイドワイヤの上から下に向けて捻じ込まれ、経皮的なアクセス穴部46を通って内髄管40内へ前進される。図16に示すように、セグメント12は、アクセス穴部46を通って押し込まれており、同様にガイドワイヤ32の上から下に向けて嵌合する挿入器48を用いてガイドワイヤ32に沿って前進される。挿入器48は、スロットが形成されたハンマー50であってセグメントを内髄管40内へ前進させるように挿入器と関連してセグメント12にさらなる力を付与するハンマー50を有する。
【0023】
図17を参照すると、いったんセグメント12が内髄管40内に配置されると、セグメントは、可撓性を有する押圧ロッド52を用いて内髄管40の先端部までガイドワイヤ32に沿って前進される。ガイドワイヤの上から下に向けてセグメント12を挿入し、セグメントをガイドワイヤに沿って先端に前進させるステップは、図15から図17に示されており、所望長さのIM構造体が形成されるまで繰り返される。図18を参照すると、IM構造体は13のセグメントを有している。このため、図15から図17のステップは12回繰り返されている。
【0024】
図19を参照すると、IM構造体は、内髄管の先端部に固定されている。このため、最も先端側のセグメント及び最も基端側のセグメントは、骨ネジを収容するための貫通ボアを有する。ロックボルト54は、経皮的に導入され、ガイドするための透視方法を用いて、最も先端側のセグメント及び最も基端側のセグメントにあるボアを通って前進される。図示の方法において、ガイドワイヤ32は、所定位置に残される。しかしながら、セグメントがIM釘にありうる連結部を備えている場合、ガイドワイヤ32は、IM釘を備えるすべてのセグメントが相互接続された後に取り除かれてもよい。図20を参照すると、ロックナット56は、ガイドワイヤ32の上から下に向けてかつ最も基端側のセグメントへ挿入されており、可撓性を有するドライバ58は、所定トルクでナット56を締結するために使用される。そして、ガイドワイヤ32の露出している部分は、切断され(図21)、経皮的なロックボルト60は、最も基端側のセグメントを所定位置に固定するために使用される(図22)。骨セメントもしくは他の硬化可能な外科流体、または放射状に拡張可能な素子のように、ロックボルト、固定ネジまたは他の固定具以外の手段は、IM構造体を内髄管における所定位置に固定するために使用されてもよい。
【0025】
図23から図39を参照すると、一様に符号100が付されたセグメント状髄内システムのさらなる実施形態は、開示されている。システム100は、3つの基本構成部材、すなわち埋込可能なセグメント状髄内骨折固定デバイス構造体102と、基端側の固定ネジ型のガイドインタフェース104と、ケーブルテンショナ組立体200と、を備えている。
【0026】
図24から図26を参照すると、埋込可能な固定構造体102は、複数のほぼ独立した相互嵌合する中間セグメント108(9個が示されている)と、固定ネジを収容するように構成された複数の穴部または貫通ボア112を有する基端セグメント110と、径方向に伸張可能な先端セグメント114と、備えている。ケーブル116は、先端セグメントに固定されており、先端セグメントは、基端セグメント110を越えて埋め込み可能な構造体を貫通し、かつケーブルテンショナ200を貫通し、セグメントに圧縮力を付与して硬質のインプラントとする。先端部よりも基端側にあるセグメント108、110それぞれは、内部開口部を有し、セグメントが伸張ケーブル116を通ることを可能とし、セグメントが内髄管内への挿入時にケーブル116に沿ってスライドすることを可能とする。
【0027】
基端セグメント110及び中間セグメント108は、互いにヒンジ状に固定されたさまざまなセグメントの状態であらかじめ組み立てられている。固定構造体102を長骨の頭部内へ挿入することを容易とするため、埋込のための入口が長骨の軸からずらされている場合、埋込可能な構造体のさまざまなセグメント108、110は、単一面において軸方向及び横方向にのみ相対的に移動可能であるように構成されている。このため、図26、図28及び図29を参照すると、中間セグメント108は、相互嵌合する雄及び雌部分118及び120をそれぞれ有し、雄及び雌部分は、3つのほぼ平坦な面(雄部分に対して118a、118b及び118c、雌部分に対して120a、120b及び120c)を備えている。面118a、120aは、それぞれ面118c、120cとほぼ平行である一方、面118b及び120bは、それぞれ面118a、118c、120a、120cとほぼ垂直である。第4面118d、120dは、セグメントの長手方向軸に対して傾いて向けられている。隣接する面は、弓状面によって結合されている。3つの平面は、組み立てられた構造体がセグメントの雄及び雌部分の平行な面にほぼ平行な面のみにおいて可撓性を有することを確実にする。
【0028】
部材が滑らかにもしくは一定のテーパ状とされたまたは円錐状とされた面の入れ子を有する場合、テーパ状とされた面について互いに結合する傾向があることを示していることは、これまでの例で明らかである。もちろん、これは、内髄管への挿入または内髄管から抜き出すために必要である埋込可能な構造体の可撓性を低減する結果となるため、本構造体において不利である。したがって、セグメント108の雄及び雌部分118及び120傾いて方向付けられた面118d、120dには、セグメントの軸にほぼ平行な面を有する一連の段差部122が形成されている。これにより、ケーブル116に張力が付与されておらず、かつ固定構造体102が圧縮されていない場合、セグメントの係合部分は、自由に分離してスライドできることが確実になる。
【0029】
構造体のさまざまなセグメント108、110は、隣接するセグメントに対して制限された軸方向の運動を可能とした方法で互いに固定されており、隣接するセグメントの雌部分と共にセグメントの雄部分の面の正確な方向付けを確実にする。本実施形態の構造において、これは、組み立てられたインプラントが曲げられる面に垂直な面に位置するピン124(図28参照)を有するセグメントの雌部分120を形成することによって達成される。ピン124は、ピンが関連する雌部分120の内部開口部を通って延在し、軸方向に方向付けられた細長いスロット126であって基端側で隣接するセグメントの雄部分118にあるスロット126内に捕捉される。図に示すように、スロット126は、先端部において基端部よりも広くなっており、拡張された埋込可能な構造体により大きな可撓性を付与している。もちろん、ピンは、セグメントの雄部分118によって支持され、同じ結果を得るために雌部分120にあるスロットに支えられてもよい。
【0030】
基端セグメント110は、伸張ケーブルの経路のための内部開口部を有し、2つのセクション、すなわち弓状セクション128及び噛合セクション130を備え、噛合セクションは、すぐ先端側にある中間セグメントの雌部分120に固定するための上述したような雄部分118を有する。埋込可能な構造体の基端部を骨に固定することを可能とするため、弓状セクションは、骨ネジ(図示略)を収容するための埋込可能な固定構造体102の軸にほぼ垂直に方向付けられた複数の貫通ボア112(3つが示されている)。貫通ボア112は、弓状セクションの内部開口部を横断しないように位置付けられており、これにより伸張ケーブル116が固定ネジによって接触されないことを確実にする。
【0031】
弓状セクション128の基端部は、(以下でより詳細に説明されるように)伸張ケーブル116をロックする2部品(two-part)の先端口金組立体132(図35及び図38)を収容し、かつ同様に所定方向でネジガイドインタフェース104を支持するように構成されている。
【0032】
上述の実施形態に関連して述べられたように、埋込可能な構造体の先端部分は、骨ネジによってまたは骨セメントによって骨に固定されるように構成されている。しかしながら、本実施形態において、埋込可能な構造体を長骨の先端部分に固定することは、好ましくは最も先端側のセグメント140を径方向で拡張可能として内髄管の表面に係合させることによって達成される。このため、図27、図32及び図33を参照すると、先端セグメント140は、拡張部材142であって拡張部材の内部にあるウェッジ部材144を収容する拡張部材142を備えている。ウェッジ部材144は、伸張ケーブルの先端部に固定されており、張力は、ケーブル116に掛かり、ウェッジ部材144は、拡張部材142内へ基端側に移動され、拡張部材142を内髄管の表面と係合するように径方向で拡張させる。
【0033】
図示された拡張部142は、上襟部分146を備え、径方向で均一に間隔をあけた複数の脚部148(4つが示されている)は、カンチレバーの形態をなして上襟部分146からぶら下がる。その非変形状態において、拡張部142は、埋込可能な固定構造体102の他のセグメント108、110における径方向寸法以下の径方向寸法を有し、内髄管内への挿入を容易にする。ウェッジ部材144は、ほぼ円錐状をなし、拡張部142の脚部148を位置付けるためにウェッジ部材の表面に細長い溝部150を有する。好ましくは、溝部150は、脚部148の内面と相補的な断面形状を有する。
【0034】
拡張部の内髄管への固定を強固にするため、脚部の外面には、内髄管の骨面へより容易に侵入するように構成された構造体が形成されている。このような構造体は、ポイントまたは幅狭のエッジまたは刃状の構造体の形態をなしうる。図示の実施形態において、各脚部の外面には、連続的に隆起した尾根部152が形成されている。好ましくは、尾根部152は、波状またはジグザグ状の構造を有し、埋め込まれた拡張部142の軸方向及び回転方向双方の移動への抵抗をもたらす。
【0035】
上述のように、本実施形態において、基端部のセグメント110は、骨ネジを収容してインプラント102の基端部を所定位置に固定するための3つの貫通ボア112を有する。ネジの配置を容易にするため、基端セグメント110は、ネジガイドインタフェース104を取り付けるように構成されている。図34及び図35において最もよく示されているように、ネジガイド104は、一対のぶら下がったアーム部154、156を備え、第1アーム部154は、一対のガイド管部158、160を取り付け、第2アーム部156は、単一のガイド管部162を取り付けている。ネジガイドインタフェース104がインプラント102の基端部のセグメント110に固定されると、ガイド管部158、160、162は、貫通ボア112と一列に並ぶ。アーム部154、156の上端部は、互いに結合し、管状をなすセグメント164は、アーム部154、156の接続部から下方にぶら下がる。管状セグメント164の下端部と基端セグメント110の上端部とは、ネジガイドインタフェース104が適切な方向で基端セグメント110に取り付けられるように構成され、ネジガイド管部156、160、162は、それらが対象とする貫通ボア112と整列する。いったん適切に取り付けられると、ネジガイドインタフェース104は、挿入ガイド166によってインプラントに固定される。挿入ガイド166は、細長い把持面168とぶら下がった管状セクション170とを有する。挿入ガイド166の把持面168は、ネジガイドインタフェース104の凹所に取り付けられ、挿入ガイド166の管状セクション170は、ネジガイドインタフェース104の管状セグメント164を通って延在し、インプラント102における基端セグメント110の基端部に収容される。挿入ガイド166における管状セクション170の先端部には、外ネジが形成されている一方、基端セグメント110の基端部における内面には、内ネジが形成されている。このため、挿入ガイド166は、基端部のセグメント110に捩じ込まれ、埋め込み可能な固定デバイス102の所定位置にネジガイドインタフェース104を固定する。
【0036】
テンショナツール組立体は、固定デバイス内にあるケーブルへの張力を調節及び/またはロックするために使用されてもよい。テンショナツール組立体は、ケーブル、ロック機構、テンショナ及びロック機構アクチュエータを備えている。図36を参照すると、一実施形態におけるテンショナツール組立体200の斜視図が示されている。テンショナツール組立体200が上記セグメント状髄内骨折固定デバイスに接続されたケーブル、コード、つなぎ綱または他の可撓性を有する部材に張力を付与しかつ調節するために使用されてもよく、または他のインプラント、デバイスまたはシステムに張力を付与しかつ調節するために使用されてもよい。固定デバイス102のようなセグメント状髄内骨折固定デバイスと共に使用されると、テンショナツール組立体200は、(図示しない固定デバイスに接続されかつ固定デバイスから延在する)ケーブル116の上から下に向けて案内され、デバイスの基端部に取り外し可能に取り付けられる。基端側の口金部ネジとテンショナとケーブル口金部ネジを備える先端側の口金組立体とは、順に作動され、好ましいレベルで固定デバイスにあるケーブルに張力を掛けてロックする。そして、テンショナツール組立体200は、取り除かれ、固定デバイス200の外側に延びるケーブルは、切断される一方、固定デバイスの内側にあるケーブルは、好ましい張力で維持される。
【0037】
実施形態におけるテンショナツール組立体200は、ネジシャフト220内で係合する基端口金部210を備えている。基端口金部の先端側には、部分的にハウジング230内へ延びるネジノブ240がある。ハウジング230は、挿入ガイド166内にドッキングさせることが可能であり、固定デバイスの基端部に接続することができる。口金ドライバ250は、ハウジング内に確保されており、ハウジング内で回転可能に構成されている。挿入ガイドと固定デバイスとの間の接続部内には、先端口金組立体132がある。ケーブルボア202は、組立体200の全長の範囲の直線状の経路に沿って長手方向で延在する。
【0038】
テンショナツール組立体200を固定デバイス102に接続すると、まず、挿入ガイド166は、ケーブル116の上から下に向けて案内されて固定デバイス102に取り付けられ、次にテンショナツール組立体200の残りの部分は、ケーブル116の上から下に向けて案内されて挿入ガイド166内でハウジング230を介してドッキングされる。あるいは、テンショナツール組立体200は、まず挿入ガイド166にドッキングされ、次に全体の組立体は、ケーブル116の上から下に向けて案内されて固定デバイス102に取り付けられる。ネジ山または他の結合機能は、ハウジング230を挿入ガイド166にドッキングするために内面に形成されてもよい。
【0039】
図37を参照すると、テンショナツール組立体200の長手方向の部分断面図が示されている。テンショナツール組立体の部品を明確に区別するため、ケーブルは、示されていない。ケーブルボア202は、直線状の経路に沿って組立体200の長さ方向に延びる。ネジノブ240は、内ネジが形成されたルーメン242であってネジシャフト220が延在するルーメン242を有する。ネジシャフト220は、ルーメン242を通ってネジノブ240の基端部からハウジング230内へ延在する。シャフト220が通過するクロスバー232は、シャフトの回転を防止する抗回転機構を形成する。保持機構221は、ハウジング内にネジシャフトの先端部を保持し、ルーメン242からネジシャフトが突発的に引っ込むことを防止する。ネジシャフト220は、その外部に沿って所定距離だけ延在する外ネジ部222を有する。ネジシャフト220の基端部は、内ネジ部224の短いセクションがあり、内ネジ部224の先端側には、テーパ状壁部228を有するチャンバ226がある。
【0040】
基端口金部210は、ネジシャフト220の基端部に嵌合する。外ネジ部212は、ネジシャフトの内ネジ部224と係合し、口金部210を保持する。複数の可撓性を有する指部214は、口金部210から先端側に向けてチャンバ226内へ延在する。上述のように、テンショナツール組立体200は、ケーブル116(図示略)の上から下に向けて案内され、ケーブルは、ケーブルボア202内を通って延在し、基端口金部210の基端部から出る。基端口金部210は、基端口金部210をネジシャフト220内へ螺合することによってケーブル上の所定位置にロックされるロック機構である。口金部210が螺合されると、指部214は、チャンバ226内へ先端側に前進する。指部214がテーパ状壁部228を付勢すると、指部は、共に付勢され、ケーブルがしっかりと把持されるまでケーブルと係合しかつケーブルを収縮する。指部214がケーブルと係合すると、指部は、ケーブルの周囲を囲む。この位置において、ケーブルは、ロックされ、いずれの方向においても引っ張られることが防止される。しかしながら、ケーブルは、単純に口金部210をネジシャフト220から螺合解除して指部214が自由に外方に曲がってケーブルから係合解除することによって、再び移動自在とされる。ロック工程において、ケーブル116が組立体200内の直線状の経路にほぼ沿って方向付けされたままであり、かつ曲げられ、湾曲され、波状にされ、または切断されない。
【0041】
いったんケーブルがロックされると、テンショナは、作動されてケーブルへの張力を調節する。テンショナは、ハウジング230、ネジノブ240、ネジシャフト220、クロスバー232及び保持機構221を備えている。ネジノブ240は、ノブを回転することによって作動され、ケーブルに張力を付与する。ノブ240が回転されると、内ネジ部244は、ネジシャフト220にある外ネジ部222と係合し、ノブ240は、先端側に移動する一方、ネジシャフト220は、回転運動が線形運動に変換されるにしたがって基端側に移動する。ケーブルが先端部のセグメントにある第1位置において固定デバイスに接続されかつ第2位置においてシャフト220内の口金部210内にロックされるので、基端側にシャフト220を移動させると口金部210が固定デバイスに対して相対的に移動され、固定デバイスの第1位置と口金部の第2位置との間にあるケーブルに張力を掛ける。
【0042】
ノブ240が先端側に移動するにしたがって、ノブ246の先端面は、ハウジング230内にあるネジシャフト220を囲むバネ248を押圧する。ノブ240がさらに回転されると、バネ248は、ノブの先端面246とハウジング230の壁部に形成されたリップ部234との間で圧縮される。この圧縮により、ノブに印加された力の量が測定される。表示マーク(図36において示される)は、ネジノブ240の先端壁部249の外面にあり、ノブが回転されているときに力の量を表示する。ノブ246は、両方向に回転させることによって作動され、所望レベルの張力に達するまで張力を増大または減少させる。
【0043】
図38を参照すると、先端口金組立体132を貫通するケーブル116を示す部分断面図であり、ケーブルは、挿入ガイド166の所定部分と固定デバイス102の基端部のセグメント110との間の接続部によって囲まれている。明確にするため、ケーブルは、断面図で示されていないが、図案化されたケーブルの外面は、示されている。挿入ガイド266にある接続外ネジ部262は、固定デバイス102にある接続内ネジ部264と係合し、挿入ガイド166を固定デバイス102に対して固定位置に保持する。ケーブル口金部アンカー272は、固定デバイスの基端部内に嵌合し、挿入ガイド166内へ短距離だけ延在する。ケーブル口金部アンカー272は、固定デバイス内に一体的に形成され、または貫入されもしくは別の方法で接続されてもよい。テーパ状壁部276を有するチャンバ274は、ケーブル口金部アンカー272の先端部にあり、ケーブル口金部アンカーの基端部は、口金内ネジ部278を有する。
【0044】
ケーブル口金ネジ部280は、ケーブル口金部アンカー272内に嵌合し、口金内ネジ部278と係合する口金外ネジ部282によって所定位置に保持される。ケーブル口金ネジ部の基端部において、加工した内壁部286は、ケーブルボア202を囲む。複数の可撓性を有する指部284は、先端側に向けてチャンバ274内へ延在している。ケーブル口金ネジ部280及びケーブル口金部アンカー272は、共にロック機構を形成する。
【0045】
口金ドライバ250のドライバシャフト252は、挿入ガイド166を貫通して先端側に延びる。図28に示すように、口金ドライバ250は、テンショナ内で捕捉されているが、テンショナと独立して動作する。ドライバシャフト252の操作端部254は、ケーブル口金ネジ部280の加工した内壁部286と結合するように加工されている。操作端部254は、ケーブル口金ネジ部と結合するように構成された六角形または他の形状に加工されている。
【0046】
上述のようにケーブルに張力が掛けられた後、口金ドライバ250は、作動してケーブル口金ネジ部280及びアンカー272を有するロック機構を作動する。固定デバイス102に対する第3位置における張力が掛かったケーブルの位置決めをロックするため、ケーブル口金ネジ部280は、締結される。ケーブル口金ネジ部280を締結するため、口金ドライバ250は、回転され、口金ドライバシャフト252は、回転する。操作端部254は、ケーブル口金ネジ部の加工された内壁部286と結合し、その結果として、ケーブル口金ネジ部280は、回転される。口金ネジ部280が回転してアンカー272内を前進するにしたがって、指部284は、チャンバ274内へ前進する。口金指部284がテーパ状壁部276を付勢するにしたがって、指部は、共に付勢され、ケーブル116を把持しかつケーブルの位置を固定デバイス102に対してロックする。この位置において、ケーブル116は、両方向で引っ張られることが防止されている。しかしながら、ケーブル116は、単純に口金ネジ部280をアンカー272内から螺合解除して指部284が外方に曲がることが自由になることによって、再び移動自在とされる。
【0047】
いったんケーブル116がケーブル口金ネジ部280内でロックされると、固定デバイス102に対してケーブルに掛かる張力は、固定される。基端口金部210は、螺合解除され、口金部によるケーブル116の把持を解除する。ハウジング230は、挿入ガイド166からドッキング解除され、挿入ガイド166からのテンショナツール200の取り外しを可能とする。そして、挿入ガイドは、螺合解除されて固定デバイス102から取り外され、ケーブル口金ネジ部280内にロックされているケーブル116を解放する。あるいは、ハウジング230は、挿入ガイド166内でドッキングされたままであってもよく、挿入ガイド166は、固定デバイス102から結合解除され、ドッキングされたテンショナツール200をそれと共に移動してもよい。挿入ガイド及びテンショナツールが取り外された後、先端口金ネジ部280から基端側に延びるケーブル116は、所望長さに切断される。
【0048】
このため、改良された髄内構造体は、上述のように提供される。構造体が特定の具体的な実施形態に関して説明されているが、本発明をこれと同一なものに限定する意図はない。むしろ、本発明は、以下の特許請求の範囲によって規定される。
【符号の説明】
【0049】
10 セグメント状髄内構造体,髄内構造体、12,12A〜12E,64 セグメント、14 伸張ロッド(伸張部材)、22,22A〜22E 雄端部(第1端部)、24,24A〜24D 雌端部(第2端部)、32 ガイドワイヤ,ケーブル、36,112 貫通ボア、38 ロッド、40 内髄管、42 長骨、44 骨折部,骨折部位、46 アクセス穴部、62 構造体(髄内構造体)、66 ヒンジ部材,ヒンジ部、102 セグメント状髄内骨折固定デバイス構造体,固定デバイス,固定構造体,インプラント、108 中間セグメント,セグメント、110 基端セグメント,セグメント、114 先端セグメント、116 伸張ケーブル,ケーブル、118 雄部分、118a 面(第1面)、118b 面(第2面)、118c 面(第3面)、118d 面(第4面)、120 雌部分、122 段差部、140 先端セグメント,セグメント、142 拡張部材,拡張部、164 管状セグメント,セグメント、166 挿入ガイド、200 ケーブルテンショナ,ケーブルテンショナ組立体,テンショナツール,テンショナツール組立体,固定デバイス,組立体、202 ケーブルボア、214 指部、220 ネジシャフト,シャフト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長骨の内髄管内に収容されるように構成された埋込可能な髄内固定構造体であって、
複数の細長いセグメントを備え、
前記セグメントそれぞれは、第1端部と、相補的な形状をなす第2端部と、を有し、
前記セグメントの前記第1端部は、隣接するセグメントの前記第2端部と協働して係合し、
前記セグメントは、ガイド開口部を形成し、前記内髄管内に位置決めするためにガイドの上から下に向けて収容可能であることを特徴とする髄内構造体。
【請求項2】
伸張部材であって、当該伸張部材の長さで延在し、当該髄内構造体の長手方向に沿って圧縮力を付与する伸張部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の髄内構造体。
【請求項3】
当該髄内構造体を前記長骨の所定位置に固定するために少なくとも1つの当該髄内構造体に収容される少なくとも1つの固定具をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の髄内構造体。
【請求項4】
当該髄内構造体を前記長骨の所定位置に固定するための硬化可能な手術流体をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の髄内構造体。
【請求項5】
細長い前記セグメントの相補形状をなす端部は、隣接するセグメントとの間の相対運動をほぼ軸方向及び単一平面内でのみ可能とすることを特徴とする髄内構造体。
【請求項6】
相補形状をなす前記端部は、4つの面を有し、
第1及び第2面は、列をなしてほぼ平面でありかつほぼ平行な面であり、
第3面は、列を成してほぼ平面でありかつ前記第1及び第2面とほぼ垂直な面であり、
第4面は、前記第1及び第2面とほぼ垂直であり前記第3面に対して傾いた面を形成することを特徴とする請求項5に記載の髄内構造体。
【請求項7】
細長い前記セグメントの前記4面は、複数の段差部を備えることを特徴とする請求項6に記載の髄内構造体。
【請求項8】
隣接する細長いセグメントは、互いに固定されることを特徴とする請求項1に記載の髄内構造体。
【請求項9】
隣接する細長いセグメントは、セグメントに取り付けられ、かつ細長いスロット及び隣接するセグメントに収容されたヒンジ部によって、互いに固定されていることを特徴とする請求項8に記載の髄内構造体。
【請求項10】
径方向に拡張可能な拡張可能部材であって、最も先端側のセグメントの先端側に収容され、かつケーブルを当該拡張可能部材に固定させ、前記ケーブルがガイド開口部内にありかつ当該髄内構造体を貫通する拡張可能部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の髄内構造体。
【請求項11】
前記拡張可能部材は、複数のぶら下がった脚部とウェッジ部とを有する拡張部を備え、
前記ケーブルは、前記ウェッジ部に固定され、
前記ケーブルに張力が掛かると、前記ウェッジ部は、前記拡張部の前記脚部を径方向外方に広げることを特徴とする請求項10に記載の髄内構造体。
【請求項12】
外科ケーブルに張力を掛ける組立体であって、当該組立体は、
インプラントに接続可能な第1位置を有するケーブルと、
前記ケーブルの周囲に係合して前記ケーブルにある第2位置にロックするように構成されたロック機構と、
前記ロック機構と係合するように構成されたテンショナであって、当該テンショナは、前記第1位置が前記インプラントに接続されかつ前記第2位置が前記ロック機構内でロックされると、前記ロック機構を前記第1位置に対して移動させて前記第1位置と前記第2位置との間で前記ケーブルに掛かる張力を調節するテンショナと、
前記ロック機構を作動させて前記ケーブルにある第3位置にロックするように構成されたロック機構アクチュエータと、
を備えることを特徴とする組立体。
【請求項13】
前記インプラントは、セグメント状髄内骨折固定デバイスであることを特徴とする請求項12に記載の組立体。
【請求項14】
前記第3位置は、前記第1位置と前記第2位置との間にあることを特徴とする請求項12に記載の組立体。
【請求項15】
外科ケーブルに張力を掛ける組立体であって、当該組立体は、
インプラントに接続可能な第1位置を有するケーブルと、
前記ケーブルに係合して前記ケーブルにある第2位置にロックするように構成されたロック機構と、
前記ロック機構と係合するように構成されたテンショナであって、当該テンショナは、前記第1位置が前記インプラントに接続されかつ前記第2位置が前記ロック機構内でロックされると、前記ロック機構を前記第1位置に対して移動させて前記第1位置と前記第2位置との間で前記ケーブルに掛かる張力を調節するテンショナと、
前記ロック機構を作動させて前記ケーブルにある第3位置にロックするように構成されたロック機構アクチュエータであって、当該ロック機構アクチュエータは、前記テンショナ内に収容されているロック機構アクチュエータと、
を備えることを特徴とする組立体。
【請求項16】
前記インプラントは、セグメント状髄内骨折固定デバイスであることを特徴とする請求項15に記載の組立体。
【請求項17】
前記第3位置は、前記第1位置と前記第2位置との間にあることを特徴とする請求項15に記載の組立体。
【請求項18】
前記ロック機構は、前記ケーブルの周囲に係合するように構成されていることを特徴とする請求項15に記載の組立体。
【請求項19】
外科ケーブルに張力を掛ける方法であって、当該方法は、
ケーブルにある第1位置をインプラントに接続する工程と、
ロック機構を前記ケーブルにある第2位置にロックする工程であって、前記ロック機構は、前記ケーブルの周囲に係合して前記ケーブルをロックする工程と、
テンショナを作動させて前記第1位置と前記第2位置との間で前記ケーブルに掛かる張力を調節する工程と、
前記ロック機構を前記ケーブルにある第3位置にロックする工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項20】
前記インプラントは、セグメント状髄内骨折固定デバイスであることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第3位置は、前記第1位置と前記第2位置との間にあることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記ケーブルに掛かる張力を調節する工程の後に、ロック機構アクチュエータを作動させ、前記ロック機構を前記ケーブルにある前記第3位置にロックする工程をさらに備えることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項23】
外科ケーブルに張力を掛ける方法であって、当該方法は、
ケーブルにある第1位置をインプラントに接続する工程と、
ロック機構を前記ケーブルにある第2位置にロックする工程であって、前記ロック機構は、前記ケーブルの周囲に係合して前記ケーブルをロックする工程と、
テンショナを作動させて前記第1位置と前記第2位置との間で前記ケーブルに掛かる張力を調節する工程と、
前記ロック機構を前記ケーブルにある第3位置にロックする工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項24】
前記インプラントは、セグメント状髄内骨折固定デバイスであることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第3位置は、前記第1位置と前記第2位置との間にあることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記ケーブルに掛かる張力を調節する工程の後に、ロック機構アクチュエータを作動させ、前記ロック機構を前記ケーブルにある前記第3位置にロックする工程をさらに備えることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項1】
長骨の内髄管内に収容されるように構成された埋込可能な髄内固定構造体であって、
複数の細長いセグメントを備え、
前記セグメントそれぞれは、第1端部と、相補的な形状をなす第2端部と、を有し、
前記セグメントの前記第1端部は、隣接するセグメントの前記第2端部と協働して係合し、
前記セグメントは、ガイド開口部を形成し、前記内髄管内に位置決めするためにガイドの上から下に向けて収容可能であることを特徴とする髄内構造体。
【請求項2】
伸張部材であって、当該伸張部材の長さで延在し、当該髄内構造体の長手方向に沿って圧縮力を付与する伸張部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の髄内構造体。
【請求項3】
当該髄内構造体を前記長骨の所定位置に固定するために少なくとも1つの当該髄内構造体に収容される少なくとも1つの固定具をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の髄内構造体。
【請求項4】
当該髄内構造体を前記長骨の所定位置に固定するための硬化可能な手術流体をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の髄内構造体。
【請求項5】
細長い前記セグメントの相補形状をなす端部は、隣接するセグメントとの間の相対運動をほぼ軸方向及び単一平面内でのみ可能とすることを特徴とする髄内構造体。
【請求項6】
相補形状をなす前記端部は、4つの面を有し、
第1及び第2面は、列をなしてほぼ平面でありかつほぼ平行な面であり、
第3面は、列を成してほぼ平面でありかつ前記第1及び第2面とほぼ垂直な面であり、
第4面は、前記第1及び第2面とほぼ垂直であり前記第3面に対して傾いた面を形成することを特徴とする請求項5に記載の髄内構造体。
【請求項7】
細長い前記セグメントの前記4面は、複数の段差部を備えることを特徴とする請求項6に記載の髄内構造体。
【請求項8】
隣接する細長いセグメントは、互いに固定されることを特徴とする請求項1に記載の髄内構造体。
【請求項9】
隣接する細長いセグメントは、セグメントに取り付けられ、かつ細長いスロット及び隣接するセグメントに収容されたヒンジ部によって、互いに固定されていることを特徴とする請求項8に記載の髄内構造体。
【請求項10】
径方向に拡張可能な拡張可能部材であって、最も先端側のセグメントの先端側に収容され、かつケーブルを当該拡張可能部材に固定させ、前記ケーブルがガイド開口部内にありかつ当該髄内構造体を貫通する拡張可能部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の髄内構造体。
【請求項11】
前記拡張可能部材は、複数のぶら下がった脚部とウェッジ部とを有する拡張部を備え、
前記ケーブルは、前記ウェッジ部に固定され、
前記ケーブルに張力が掛かると、前記ウェッジ部は、前記拡張部の前記脚部を径方向外方に広げることを特徴とする請求項10に記載の髄内構造体。
【請求項12】
外科ケーブルに張力を掛ける組立体であって、当該組立体は、
インプラントに接続可能な第1位置を有するケーブルと、
前記ケーブルの周囲に係合して前記ケーブルにある第2位置にロックするように構成されたロック機構と、
前記ロック機構と係合するように構成されたテンショナであって、当該テンショナは、前記第1位置が前記インプラントに接続されかつ前記第2位置が前記ロック機構内でロックされると、前記ロック機構を前記第1位置に対して移動させて前記第1位置と前記第2位置との間で前記ケーブルに掛かる張力を調節するテンショナと、
前記ロック機構を作動させて前記ケーブルにある第3位置にロックするように構成されたロック機構アクチュエータと、
を備えることを特徴とする組立体。
【請求項13】
前記インプラントは、セグメント状髄内骨折固定デバイスであることを特徴とする請求項12に記載の組立体。
【請求項14】
前記第3位置は、前記第1位置と前記第2位置との間にあることを特徴とする請求項12に記載の組立体。
【請求項15】
外科ケーブルに張力を掛ける組立体であって、当該組立体は、
インプラントに接続可能な第1位置を有するケーブルと、
前記ケーブルに係合して前記ケーブルにある第2位置にロックするように構成されたロック機構と、
前記ロック機構と係合するように構成されたテンショナであって、当該テンショナは、前記第1位置が前記インプラントに接続されかつ前記第2位置が前記ロック機構内でロックされると、前記ロック機構を前記第1位置に対して移動させて前記第1位置と前記第2位置との間で前記ケーブルに掛かる張力を調節するテンショナと、
前記ロック機構を作動させて前記ケーブルにある第3位置にロックするように構成されたロック機構アクチュエータであって、当該ロック機構アクチュエータは、前記テンショナ内に収容されているロック機構アクチュエータと、
を備えることを特徴とする組立体。
【請求項16】
前記インプラントは、セグメント状髄内骨折固定デバイスであることを特徴とする請求項15に記載の組立体。
【請求項17】
前記第3位置は、前記第1位置と前記第2位置との間にあることを特徴とする請求項15に記載の組立体。
【請求項18】
前記ロック機構は、前記ケーブルの周囲に係合するように構成されていることを特徴とする請求項15に記載の組立体。
【請求項19】
外科ケーブルに張力を掛ける方法であって、当該方法は、
ケーブルにある第1位置をインプラントに接続する工程と、
ロック機構を前記ケーブルにある第2位置にロックする工程であって、前記ロック機構は、前記ケーブルの周囲に係合して前記ケーブルをロックする工程と、
テンショナを作動させて前記第1位置と前記第2位置との間で前記ケーブルに掛かる張力を調節する工程と、
前記ロック機構を前記ケーブルにある第3位置にロックする工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項20】
前記インプラントは、セグメント状髄内骨折固定デバイスであることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第3位置は、前記第1位置と前記第2位置との間にあることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記ケーブルに掛かる張力を調節する工程の後に、ロック機構アクチュエータを作動させ、前記ロック機構を前記ケーブルにある前記第3位置にロックする工程をさらに備えることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項23】
外科ケーブルに張力を掛ける方法であって、当該方法は、
ケーブルにある第1位置をインプラントに接続する工程と、
ロック機構を前記ケーブルにある第2位置にロックする工程であって、前記ロック機構は、前記ケーブルの周囲に係合して前記ケーブルをロックする工程と、
テンショナを作動させて前記第1位置と前記第2位置との間で前記ケーブルに掛かる張力を調節する工程と、
前記ロック機構を前記ケーブルにある第3位置にロックする工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項24】
前記インプラントは、セグメント状髄内骨折固定デバイスであることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第3位置は、前記第1位置と前記第2位置との間にあることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記ケーブルに掛かる張力を調節する工程の後に、ロック機構アクチュエータを作動させ、前記ロック機構を前記ケーブルにある前記第3位置にロックする工程をさらに備えることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【公表番号】特表2010−522046(P2010−522046A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554776(P2009−554776)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/057868
【国際公開番号】WO2008/116175
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(509261393)ノヴァリン・オルソペディクス・インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/057868
【国際公開番号】WO2008/116175
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(509261393)ノヴァリン・オルソペディクス・インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】
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