説明

セメント組成物

【課題】有機繊維を含有するセメント組成物において、180N/mm2以上の圧縮強度を発現するセメント組成物を提供する。
【解決手段】セメント、BET比表面積が5〜25m2/gの微粉末、ブレーン比表面積が3500〜10000cm2/gの無機粉末、細骨材、アラミド繊維、減水剤及び水を含むセメント組成物であって、前記アラミド繊維が、直径0.02〜0.2mm、長さ1〜10mmのモノフィラメント繊維であるセメント組成物。
前記アラミド繊維は、含水率が5〜50質量%であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アラミド繊維を使用したセメント組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、有機繊維を含有する機械的特性(圧縮強度、曲げ強度、破壊エネルギー、静弾性係数等)に優れるセメント系材料(モルタル、コンクリート等)が種々提案されている。
例えば、セメントと、BET比表面積5〜25m2/gの微粉末と、ブレーン比表面積3000〜30000cm2/gの無機粉末と、細骨材と、有機繊維と、減水剤及び水を含むセメント組成物が提案されている(特許文献1)。該セメント組成物では、その実施例において、直径0.3mm、長さ13mmのビニロン繊維や直径0.3mm、長さ13mmのアラミド繊維が使用されている。そして、150〜170N/mm2程度の圧縮強度と20〜30N/mm2程度の曲げ強度が得られている。
また、セメント、ポゾラン質微粉末、細骨材、減水剤、補強用繊維、収縮低減剤、空気量調整剤および水からなる高強度モルタルが提案されている(特許文献2)。該高強度モルタルでは、その実施例において、直径0.012mm、長さ12mm又は30mmのアラミド繊維が使用されている。そして、170N/mm2程度の圧縮強度と25N/mm2程度の曲げ強度が得られている。
【特許文献1】特開2002−348167号公報
【特許文献2】特開2005−314120号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に、機械的特性に優れるセメント組成物(具体的には、モルタル、コンクリート等)は、次のような利点を有する。
(1)現場打ちで建築物等を構築する場合には、コンクリート層の厚さを薄くすることができるので、コンクリートの打設量が少なくなり、労力の軽減、コストの削減、利用空間の増大等を図ることができる。
(2)プレキャスト部材を製造する場合には、該プレキャスト部材の厚さを薄くすることができるので、軽量化を図ることができ、運搬や施工が容易になる。
(3)耐摩耗性や、中性化・クリープ等に対する耐久性が向上する。
現在、これらの利点に鑑みて、有機繊維を含有するセメント組成物においても、より機械的特性に優れるセメント組成物、特に高い圧縮強度(具体的には180N/mm2以上の圧縮強度)を発現できるセメント組成物が望まれている。
しかしながら、前記特許文献1、2に開示されるセメント組成物や高強度モルタルでは、有機繊維を含有する場合、圧縮強度が180N/mm2以上のセメント質硬化体を製造することは困難である。
【0004】
本発明は、上述の背景に鑑みてなされたものであって、有機繊維を含有するセメント組成物においても、180N/mm2以上の圧縮強度を発現し、他の機械的特性にも優れるセメント組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、セメント、BET比表面積が5〜25m2/gの微粉末とブレーン比表面積が3500〜10000cm2/gの無機粉末とともに、特定の直径と長さを有するアラミド繊維を使用することにより、本発明の上記目的を達成することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、セメント、BET比表面積が5〜25m2/gの微粉末、ブレーン比表面積が3500〜10000cm2/gの無機粉末、細骨材、アラミド繊維、減水剤及び水を含むセメント組成物であって、
前記アラミド繊維が、直径0.02〜0.2mm、長さ1〜10mmのモノフィラメント繊維であることを特徴とするセメント組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のセメント組成物では、機械的特性(圧縮強度、曲げ強度、破壊エネルギー、静弾性係数等)に優れるセメント質硬化体を製造することができる。特に、本発明のセメント組成物では、有機繊維を含有するセメント組成物では従来困難であった180N/mm2以上の圧縮強度を発現するセメント質硬化体を製造することができる。そのため、本発明のセメント組成物は、有機繊維を含有するセメント組成物では従来適用することが困難であった橋梁部材等の構造部材用途にも適用することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のセメント組成物は、セメント、BET比表面積が5〜25m2/gの微粉末、ブレーン比表面積が3500〜10000cm2/gの無機粉末、細骨材、アラミド繊維、減水剤及び水を必須成分として含むものである。
セメントの種類としては、特に限定されないが、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントを使用することができる。
本発明において、セメント組成物からなる硬化体の早期強度を向上させようとする場合には、早強ポルトランドセメントを使用することが好ましく、セメント組成物の流動性を向上させようとする場合には、中庸熱ポルトランドセメントや低熱ポルトランドセメントを使用することが好ましい。
【0009】
BET比表面積が5〜25m2/gの微粉末としては、シリカフューム、シリカダスト、フライアッシュ、スラグ、火山灰、シリカゾル、沈降シリカ、石灰石粉末等が挙げられる。一般に、シリカフュームやシリカダストは、そのBET比表面積が5〜25m2/gであり、粉砕等をする必要がないので、本発明の微粉末として好適である。また、被粉砕性や流動性等の観点から、石灰石粉末も本発明の微粉末として好適である。
上記微粉末のBET比表面積は、5〜25m2/g、好ましくは7〜15m2/gである。該値が5m2/g未満では、180N/mm2以上の圧縮強度を得ることが困難であり、また緻密性や耐衝撃性等も低下する。一方、該値が25m2/gを越えるものは、入手が困難であるうえ、単位水量が増大し、硬化後の強度、緻密性や耐衝撃性等が低下することがある。
上記微粉末の配合量は、セメント100質量部に対して、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは10〜40質量部である。配合量が5質量部未満では、180N/mm2以上の圧縮強度を得ることが困難であり、また緻密性や耐衝撃性等も低下する。一方、配合量が50質量部を越えると、単位水量が増大し、硬化後の強度、緻密性や耐衝撃性等が低下することがある。
【0010】
ブレーン比表面積が3500〜10000cm2/gの無機粉末としては、セメント以外の無機粉末であり、スラグ、石灰石粉末、長石類、ムライト類、アルミナ粉末、石英粉末、フライアッシュ、火山灰、シリカゾル、炭化物粉末、窒化物粉末等が挙げられる。中でも、スラグ、フライアッシュ、石灰石粉末、石英粉末は、コストの点や硬化後の品質安定性の点で好ましく用いられる。
無機粉末のブレーン比表面積は3500〜10000cm2/gが好ましく、4000〜9000cm2/gがより好ましく、5000〜9000cm2/gが特に好ましい。無機粉末のブレーン比表面積が3500cm2/g未満では、硬化後の強度、緻密性や耐衝撃性等が低下するため好ましくない。一方、該値が10000cm2/gを越えると、流動性が低下したり、硬化後の強度、緻密性や耐衝撃性等が低下することがある。さらに、この場合、コストも増大する。
無機粉末の配合量は、セメント100質量部に対して、好ましくは5〜55質量部、より好ましくは10〜50質量部である。配合量が5質量部未満では、180N/mm2以上の圧縮強度を得ることが困難であり、また緻密性や耐衝撃性等も低下する。一方、配合量が55質量部を越えると、流動性が低下したり、硬化後の強度、緻密性や耐衝撃性等が低下することがある。
【0011】
細骨材としては、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂等又はこれらの混合物が挙げられる。 本発明においては、細骨材としては、流動性や硬化後の強度、緻密性や耐衝撃性等から、最大粒径が2mm以下、より好ましくは1.5mm以下のものを用いることが好ましい。また、流動性や作業性等から、75μm以下の粒子の含有量が2.0質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下のものを用いることが好ましい。
細骨材の配合量は、流動性や施工性、硬化後の強度の観点、さらには、自己収縮や乾燥収縮の低減、水和発熱量の低減等の観点から、セメント100質量部に対して、好ましくは50〜250質量部、より好ましくは80〜180質量部である。
【0012】
本発明で使用するアラミド繊維は、直径0.02〜0.2mm(好ましくは0.03〜0.1mm、より好ましくは0.04〜0.06mm)、長さ1〜10mm(好ましくは2〜8mm、より好ましくは3〜6mm)のモノフィラメント繊維である。アラミド繊維の直径が0.02mm未満では、セメント組成物の流動性や作業性が低下するうえ、180N/mm2以上の圧縮強度を得ることも困難となる。一方、直径が0.2mmを越えるアラミド繊維をモノフィラメント繊維として入手することは困難である。また、直径が0.2mmを越える収束型のアラミド繊維を使用した場合では、同一配合量での本数が少なくなるので、曲げ強度や破壊エネルギーが低下することがある。アラミド繊維の長さが1mm未満では、入手が困難であるうえ、曲げ強度や破壊エネルギーが低下することがある。一方、長さが10mmを越えると、セメント組成物の流動性や作業性が極端に低下するうえ、180N/mm2以上の圧縮強度を得ることも困難となる。
アラミド繊維の配合量は、セメント組成物の体積の0.5〜3.0%が好ましく、より好ましくは0.8〜2.0%である。配合量がセメント組成物の体積の0.5%未満では、曲げ強度や破壊エネルギー、特に破壊エネルギーが低下することがある。一方、配合量が3.0%を越えると、セメント組成物の流動性や作業性が極端に低下するうえ、コストも高くなる。
【0013】
本発明においては、セメント組成物の流動性や作業性、硬化後の強度、緻密性や耐衝撃性等から、アラミド繊維は含水率が5〜50質量%のものを使用するのが好ましく、10〜30質量%のものを使用するのがより好ましい。アラミド繊維の含水率が5質量%未満では、アラミド繊維がダマ状になったり、セメント組成物の流動性や作業性が低下することがある。一方、含水率が50質量%を越えると、強度発現性が低下することがあり、また、硬化後の緻密性や耐衝撃性等が低下することがある。
なお、本発明において、アラミド繊維の含水率は、105℃で24時間加熱した際の質量減少量から算出される値である。
【0014】
減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤または高性能AE減水剤を使用することができる。中でも、ポリカルボン酸系の高性能減水剤または高性能AE減水剤を使用することが好ましい。減水剤を配合することによって、セメント組成物の流動性や施工性、硬化後の緻密性や強度等が向上する。
減水剤の配合量は、流動性や分離抵抗性、硬化後の緻密性や強度、コスト等の面から、セメント100質量部に対して固形分換算で0.1〜4.0質量部が好ましく、0.1〜2.0質量部がより好ましく、0.1〜1.0質量部が特に好ましい。
【0015】
水としては、水道水等を使用することができる。
本発明において、水/セメント比は、流動性や施工性、硬化後の強度、耐久性、緻密性や耐衝撃性等から、10〜30質量%が好ましく、15〜25質量%がより好ましい。
【0016】
本発明のセメント組成物においては、平均粒度が1mm以下の繊維状粒子又は薄片状粒子を含有することができる。ここで、粒子の粒度とは、その最大寸法の大きさ(特に、繊維状粒子ではその長さ)である。該繊維状粒子又は薄片状粒子を含有することにより、硬化後の靱性を高めることができる。
繊維状粒子としては、ウォラストナイト、ボーキサイト、ムライト等が、薄片状粒子としては、マイカフレーク、タルクフレーク、バーミキュライトフレーク、アルミナフレーク等が挙げられる。
繊維状粒子又は薄片状粒子の配合量は、セメント組成物の流動性や施工性、硬化後の靱性等から、セメント100質量部に対して35質量部以下が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。
なお、繊維状粒子においては、硬化後の靱性を高める観点から、長さ/直径の比で表される針状度が3以上のものを用いるのが好ましい。
【0017】
本発明においては、セメント組成物の混練方法は、特に限定されるものではなく、通常の方法を用いることができる。また、混練に用いる装置も特に限定されるものではなく、オムニミキサ、パン型ミキサ、二軸練りミキサ、傾胴ミキサ等が用いられる。
セメント組成物の成形・養生方法も、特に限定されるものではないが、本発明のセメント組成物を硬化してなるセメント質硬化体の生産性や強度発現性等を考慮すると、一次養生・二次養生を行う方法が好ましい。このような方法としては、例えば、以下のような方法が挙げられる。
まず、混練したセメント組成物を所定の型枠を用いて成形し、一次養生を行う。ここで、成形方法としては、特に限定されるものではなく、流し込み成形等の慣用の成形方法を採用することができる。一次養生の方法としては、型枠に混練したセメント組成物を収納した状態で、5〜40℃で所定時間、例えば3〜48時間静置する方法が挙げられる。一次養生終了後、脱型し、二次養生を行い、セメント質硬化体を製造する。一次養生終了後の脱型時におけるセメント質硬化体の圧縮強度は、10N/mm2以上であることが好ましい。圧縮強度が10N/mm2未満では、脱型が困難となる。二次養生の方法としては、75〜95℃で10〜48時間蒸気養生する方法が挙げられる。
【実施例】
【0018】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明は、これら実施例により限定されるものではない。
(実施例1〜5、比較例1〜4)
1.使用材料
以下に示す材料を使用した。
(a)セメント:低熱ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製)
(b)微粉末:シリカフューム(BET比表面積11m2/g)
(c)無機粉末:石英粉末(ブレーン比表面積7000cm2/g)
(d)細骨材:珪砂(粒径0.15〜0.6mm)
(e)減水剤:ポリカルボン酸系高性能減水剤
(f)水:水道水
(g)繊維:A:アラミド繊維(直径:0.045mm、長さ:3mmのモノフィラメント繊維)
B:アラミド繊維(直径:0.045mm、長さ:4mmのモノフィラメント繊維)
C:アラミド繊維(直径:0.045mm、長さ:5mmのモノフィラメント繊維)
D:アラミド繊維(直径:0.045mm、長さ:6mmのモノフィラメント繊維)
E:アラミド繊維(直径:0.048mm、長さ:5mmのモノフィラメント繊維)
F:アラミド繊維(直径:0.045mm、長さ:13mmのモノフィラメント繊維)
G:アラミド繊維(直径:0.012mm、長さ:5mmのモノフィラメント繊維)
H:ポリビニルアルコール繊維(直径:0.3mm、長さ:15mm)
なお、アラミド繊維A〜Gは、含水率が15質量%のものを使用した。
【0019】
2.セメント組成物の調製及び評価
上記各材料を表1に示す配合割合で個別に二軸練りミキサに投入し、混練した。混練後、次のように硬化前及び硬化後の物性を測定し評価した。なお、破壊エネルギーと静弾性係数は、1部のセメント組成物についてのみ測定した。
(1)フロー値:「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法に準じて、又は「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において15回の落下運動を行なわないで測定した。
(2)圧縮強度:各セメント組成物をφ50×100mmの型枠内に流し込み、20℃で24時間前置き後、90℃で48時間蒸気養生して、硬化体(3本)を作製した後、「JIS A 1108(コンクリートの圧縮試験方法)」に準じて、該硬化体の圧縮強度を測定した。硬化体(3本)の測定値の平均値を圧縮強度とした。
(3)曲げ強度:各セメント組成物を4×4×16cmの型枠内に流し込み、20℃で24時間前置き後、90℃で48時間蒸気養生して、硬化体(3本)を作製した後、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)」に準じて、該硬化体の曲げ強度を測定した。載荷条件は、下支点間距離12cm、上支点間距離4cmの4点曲げとした。硬化体(3本)の測定値の平均値を曲げ強度とした。
(4)破壊エネルギー:破壊エネルギーは、上記曲げ強度試験において、荷重がひび割れ発生荷重に達してから、1/3に低下するまでの間の荷重−荷重点変位の積分値を、供試体断面積で除した値として算出した。なお、荷重点変位としては、曲げ試験機のクロスヘッド変位量を用いた。
(5)静弾性係数:セメント組成物をφ100×200mmの型枠内に流し込み、20℃で24時間前置き後、90℃で48時間蒸気養生して、硬化体(3本)を作製した後、「JIS A 1149(コンクリートの静弾性係数試験方法)」に準じて、該硬化体の静弾性係数を測定した。硬化体(3本)の測定値の平均値を静弾性係数とした。
結果を表2に示す。
【0020】
【表1】

【0021】
【表2】

【0022】
表2に示すように、本発明のセメント組成物では、優れた機械的特性(圧縮強度、曲げ強度、破壊エネルギー、静弾性係数)が得られること、特に、従来有機繊維を含有するセメント質硬化体では困難であった180N/mm2以上の圧縮強度を発現できることが分かる。
一方、繊維長さが本発明で規定する範囲を超えるアラミド繊維を使用したセメント組成物(比較例2)では、フロー値が極端に低下した。また、繊維直径が本発明で規定する範囲未満のアラミド繊維を使用したセメント組成物(比較例3)では、フロー値が低下したうえ、180N/mm2以上の圧縮強度も得られなかった。さらに、本発明で規定するアラミド繊維以外の繊維を用いたセメント組成物(比較例4)では、180N/mm2以上の圧縮強度を得ることができないうえ、他の機械的特性(曲げ強度、破壊エネルギー、静弾性係数)も、本発明のセメント組成物に比べて低かった。
【0023】
(実施例6〜7)
上記実施例で使用したアラミド繊維Cの含水率を変えて、セメント組成物を調製し、フロー値、圧縮強度及び曲げ強度を測定した。
なお、アラミド繊維Cは含水率が1質量%のものと55質量%のものを使用し、セメント組成物の配合は、上記実施例3と同じ配合とした。
また、フロー値、圧縮強度及び曲げ強度も、上記実施例と同じ方法で測定した。
その結果を表3に示す。
【0024】
【表3】

【0025】
表3に示すように、アラミド繊維の含水率が小さいと、流動性や機械的特性(圧縮強度や曲げ強度)が低下する傾向が認められた。また、アラミド繊維の含水率が大きくても、機械的特性(圧縮強度や曲げ強度)が低下する傾向が認められた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメント、BET比表面積が5〜25m2/gの微粉末、ブレーン比表面積が3500〜10000cm2/gの無機粉末、細骨材、アラミド繊維、減水剤及び水を含むセメント組成物であって、 前記アラミド繊維が、直径0.02〜0.2mm、長さ1〜10mmのモノフィラメント繊維であることを特徴とするセメント組成物。
【請求項2】
アラミド繊維の含水率が5〜50質量%である請求項1記載のセメント組成物。

【公開番号】特開2009−221053(P2009−221053A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−67661(P2008−67661)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(000000240)太平洋セメント株式会社 (1,449)
【Fターム(参考)】