説明

セメント質組成物のウオッシュアウトを防止するための方法

【課題】水に暴露されるコンクリートおよびセメントメーソンリーなどのセメント質組成物にウオッシュアウト防止性をもたらす方法を提供する。
【解決手段】水和型セメント質結合剤に対して、四級アミンと三級アミンからなる群から選択される少なくとも1つのポリカチオン性ポリマーを0.01〜1.00重量%、少なくとも1つの有機粘度変成剤を0.0005〜0.5重量%、および水への暴露時に膨潤するように働く無機粘度変成剤を0〜5.0重量%添加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水に暴露されるコンクリートおよびセメントメーソンリーなどのセメント質組成物にウオッシュアウト防止性をもたらすための方法に関する。特に、本発明は、水中もしくは地中の施設などの苛酷な状況におけるウオッシュアウトを防止するために少なくとも1つのポリカチオン性ポリマー、少なくとも1つの有機粘度変成剤、および場合によっては少なくとも1つの無機粘度変成剤を使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
「ウオッシュアウト」の概念は、この明細書中では水に暴露される環境に置かれた場合に水和型セメントまたはコンクリートが失われることを指すのに使用され、これは、セメントからの鉱物分の化学的浸出、ならびに混合物からの粒子の物理的除去を含む。
【0003】
新しいセメントもしくはコンクリート組成物からウオッシュアウトを受ける可能のある材料は、水和型セメント質結合剤系、すなわちポルトランドセメントと、フライアッシュ、粒状高炉スラグ、シリカ、またはポルトランドセメントの補完に普通に使用される他のポゾランなどの任意のポゾラン粉末を含む。ウオッシュアウトされる材料は、水に暴露されるモルタルおよびコンクリートの場合には細骨材材料(例えば、砂)も含み得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ウオッシュアウトは、例えば水中もしくは地中の施工における苛酷な水の流れにセメント質組成物をさらす場合に起り得る。このような施工状況においては、コンクリートは、通常、セメント質組成物をスラリーの形で施工地点までポンプ送液することにより施工される。苛酷な用途に対しては、セルロースエーテル、天然ガムまたは合成増粘剤などの粘度変成剤を使用することができる。さほど苛酷でない条件に対しては、ウオッシュアウトの防止には有機粘度変成剤を使用することができる。しかしながら、水中施設などの苛酷な施工に対しては、粘度変成用ポリマーは易ポンプ送液能がなくなるか、もしくはポンプ送液能が全くなくなる点までコンクリートの粘度を増大させるために、このような材料を使用することはできない。このように、水和型セメント質組成物のウオッシュアウト防止をもたらすための新規な方法が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
先行技術の困難性を克服することにおいて、本発明者らは、少なくとも1つのポリカチオン性ポリマーと、ヘテロポリサッカライドガムなどの少なくとも1つの有機粘度変成剤の使用がポンプ送液の困難を生じることなく水和型セメント質組成物において優れたウオッシュアウト防止性をもたらすということを見出した。水暴露が苛酷である環境においてセメント質組成物を施工する場合には、このような性質は望ましい。そうでないと、このような苛酷な施工は、セメント/コンクリート成分をウオッシュアウトさせ、セメント成分および粒子微粉の水中への洗脱を生じる傾向がある。
【0006】
本発明の好ましい態様においては、上述の成分のウオッシュアウト防止性を更に増進するために、ベントナイト粘土などの無機粘度変成剤が使用され得る。
【0007】
水和型セメント質組成物にウオッシュアウト防止性をもたらして、水への暴露時にセメント質組成物中の材料を実質的に失わせないための本発明の例示の方法は、水和型セメント質結合剤と、(a)前記セメント質結合剤の乾燥重量基準で0.01から1.00パーセントの量で存在する、四級アミンと三級アミンからなる群から選択される複数の窒素含
有部分を含有する少なくとも1つのポリカチオン性ポリマー;(b)量が前記セメント質結合剤の乾燥重量基準で0.05から0.5パーセントである、(i)ポリサッカライド(例えば、セルロースエーテル、でんぷんエーテル);(ii)ヘテロポリサッカライドガム(例えば、ジウタン、ウエラン);(iii)合成水溶性ポリマー(例えば、ポリアクリルアミドおよびその誘導体、ポリエチレンオキシドおよびそのコポリマー、水溶性ポリウレタン、および疎水的に変成された会合性増粘剤)からなる群から選択される少なくとも1つの有機粘度変成剤;および(c)量が前記セメント質結合剤の乾燥重量基準で0から5.0%パーセントである、水への暴露時に膨潤するように働く無機粘度変成剤を含んでなる。
【0008】
更に好ましい態様においては、「ポリカルボキシレート」ポリマー、好ましくはセメント粒子を分散するように働くポリオキシアルキレン側鎖を有するポリマーは、セメントまたはコンクリートの流動性を更に増強することができる。
【0009】
以前にはコンクリートにおいてはポリヘテロサッカライドガムが使用されてきたが、これらは単独では苛酷な用途(例えば、水中)においては充分なウオッシュアウト防止性をもたらさないことが判明した。もしくは、ポリヘテロサッカライドガムをセメントまたはコンクリート組成物の混合に必要とされる水の量を低減させるために使用可能なポリカルボキシレートセメント分散剤と混合した場合には、ウオッシュアウト防止性が充分に増強されない。
【0010】
しかしながら、驚くべきことには、本発明者らは、ポリカチオン性ポリマー、窒素を含有するポリカチオン性ポリマーの添加が単独使用されるヘテロポリサッカライドガムと比較してウオッシュアウト防止性の顕著な改善をもたらすということを見出した。
【0011】
更には、本発明者らは、ベントナイト粘土(無機粘度変成剤)の添加がウオッシュアウト防止性を更に増強するということを見出した。
【0012】
前述の成分は、処理対象の水和型セメント質組成物の中に別々もしくは一緒に合体され得る。好ましくは、ヘテロポリサッカライドとベントナイト形粘土は乾燥粉末添加物として添加可能であり;ポリカチオン性ポリマーとポリカルボキシレートポリマーは液体の形で添加可能である。別々でないと、ベントナイト形粘土は液体成分(例えば、ポリカルボキシレートポリマー)の1つ以上を吸収するという理由で別々の添加が好ましい。
【0013】
本発明は、成分(a)および(b)を、好ましくは成分(c)も水和型セメント質組成物と合体する、前述の方法を用いて形成されるセメント質構造物を提供する。好ましくは、この構造物は水中で形成され、水により取り囲まれ、化学的浸出または粒子ウオッシュアウトにより材料を実質的に失うことなく硬化する。
【0014】
本発明は、(a)前記セメント質結合剤の乾燥重量基準で0.01から1.00パーセントの量で存在する、四級アミンと三級アミンからなる群から選択される複数の窒素含有部分を含有する少なくとも1つのポリカチオン性ポリマー;(b)量が前記セメント質結合剤の乾燥重量基準で0.005から0.5パーセントである、(i)ポリサッカライド(例えば、セルロースエーテル、でんぷんエーテル);(ii)ヘテロポリサッカライドガム(例えば、ジウタン、ウエラン);(iii)合成水溶性ポリマー(例えば、ポリアクリルアミドおよびその誘導体、ポリエチレンオキシドおよびそのコポリマー、水溶性ポリウレタン、および疎水的に変成された会合性増粘剤)からなる群から選択される少なくとも1つの有機粘度変成剤;および(c)量が前記セメント質結合剤の乾燥重量基準で0から5.0%パーセントである、水への暴露時に膨潤するように働く無機粘度変成剤を含む、水和型セメント質組成物に添加するための新規な混和物も提供する。
【0015】
本発明の更なる利点および特徴をこの明細書中以降に更に詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この明細書中で使用されるとき用語「水和型セメント質組成物」は、水の添加時に硬化もしくはキュアする組成物を指す。このような組成物は、ポルトランドセメントを含み、石灰石、水和石灰、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカヒュームまたは他の材料(前出の一部は普通「ポゾラン」と呼ばれる)、および水により補完され得る、水和型セメント質結合剤からなる(通常、しかし排他的でなく)混合物である。セメントモルタルは、細骨材(例えば、砂)を追加的に含むペーストであり;コンクリートは粗骨材(例えば、砕石砂利、石)を追加的に含むモルタルである。したがって、本発明の「セメント質」組成物は前出のもののすべてに言及し、すべてを含む。例えば、セメント質組成物は、必要量のしかるべき材料、所望によって、例えば水和型セメント質結合剤(ポゾラン添加もしくは無添加のセメント)、水、および微粉および/または粗骨材を場合によっては収縮クラックの防止および/またはコンクリートの補強のために時に使用される繊維(例えば、スチール、合成ポリマーまたはこのような繊維材料の組み合わせ)と共に混合することにより形成され得る。
【0017】
本発明は、特に、セメント質結合剤、ポゾラン、および微粉が環境中の水によるウオッシュアウトおよび/または洗脱を受け易い苛酷な用途(例えば、水中、地下)において、水和型セメント質材料に卓越したウオッシュアウト防止性をもたらす。
【0018】
本発明の要約において説明したように、本発明は、(a)少なくとも1つのポリカチオン性ポリマー、好ましくは多数個のカチオン性官能基を有する窒素含有ポリマー;および(b)少なくとも1つの有機粘度変成剤、好ましくはポリサッカライドの使用を伴う。
【0019】
成分(a)のポリカチオン性ポリマーは、ポリアミン、更に好ましくは高カチオン密度を有する、ポリ四級アミンまたはポリ三級アミンから選択される。有利なこととしては、例えばこの目的にはエピクロロヒドリンとジメチルアミンの縮合ポリマー(EPI−DMA)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、グアニジン、シアノアンモニウムクロリド、ホルムアルデヒドの縮合生成物(DICY)、および上述のポリマーの変形品が使用され得る。カチオン性ポリマーのタイプの記述は米国特許出願2007/0287794に見出される。好ましいポリカチオン性ポリマー、EPI−DMAの化学構造を下記に示す。
【0020】
【化1】

【0021】
成分(b)の有機粘度変成剤は、天然もしくは合成で、高分子量もしくは会合性のポリマーであり得る。これは、セルロースエーテル、ポリアクリルアミドまたは変成ポリアクリルアミド、HEUR増粘剤、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリサッカライドガム、および水の粘度を増加させる任意の他の有機ポリマーから選択可能である。好ましくは、この有機粘度変成剤は、ウエランガム、ジウタンガム、グアーガム、アラビアガム、ジュランガム、ジウタンガム、ランザンガム、およびキサンタンガムなどのポリサッカライドガムから選択される。これらのヘテロポリサッカライドは米国特許出願
2006/0166837に述べられている。ヘテロポリサッカライドの構造を下記に示す。
【0022】
【化2】

【0023】
好ましい例として、ジウタンガムの構造も示す。
【0024】
【化3】

【0025】
上記の(a)ポリカチオン性ポリマーおよび(b)有機粘度変成剤に加えて、本発明の更なる例示の方法および組成物は、成分(c)として無機粘度変成剤を更に含み得る。この追加の成分の包含は、ウオッシュアウト防止性を増強することができるために好ましい。それゆえ、本発明の例示の無機粘度変成剤(成分(c))は、成分(a)および(b)と共に、水への暴露時に膨潤する能力を有する任意の粘土を含む。ベントナイトなどのモンモリロナイト型粘土が好ましくは本発明における追加の成分(c)として使用可能である。
【0026】
好ましいベントナイト粘土は、構造中にナトリウムイオンとカルシウムイオンを含有する。日本特許出願公開平−6−183799は、コンクリート製品の製造からのスラッジを低減するために、このようなベントナイトベントナイト粘土を開示している。特許出願公開平−6−183799に述べられている粘土鉱物は、この明細書で開示されているウオッシュアウト防止増強目的に本発明にも適用可能である。
【0027】
本発明のなお更なる例示の態様においては、セメントを分散するように働くポリカルボキシレートポリマーが使用可能である。セメントの分散にポリカルボキシレートポリマーを使用することは周知である。好ましいポリカルボキシレートポリマーは、ペンダントポリオキシアルキレン基とアニオン性骨格を持つクシ型構造を有する。このアニオン性基は、通常、カルボン酸であるが、他のイオン性基または潜伏性酸性基もポリマー骨格上に見出され得る。このポリオキシアルキレンペンダント基は、通常、400から5,000の分子量範囲のポリエチレングリコールである。ポリプロピレングリコール基もある程度使用され得、ポリカルボキシレートポリマーは所望により長鎖もしくは短鎖のペンダント基を有し得る。骨格とペンダント基の間の化学結合は、この目的にアミド、イミド、および/または他の結合基を使用することも既知であるが、通常、アルキルエーテルもしくはエ
ステル結合を用いて行われる。
【0028】
短鎖アルキル(すなわち、8個未満の炭素−Cを有する)などのポリオキシアルキレンペンダント基のほかに、吸着能、表面活性、および流体力学的半径などの属性をポリマーに付与するために、アルカノールおよび/またはアルキルアリール基が場合によってはポリマー構造の中に組み込まれ得る。
【0029】
セメントの分散目的での随意のポリカルボキシレートポリマーの使用は、増強された流動性ならびに増強されたウオッシュアウト防止性をコンクリートにもたらすことができる。
【0030】
本発明のウオッシュアウト防止混和物の好ましい量は、(a)ポリカチオン性ポリマーに対しては0.01−1重量%;(b)有機粘度変成剤に対しては0.005−0.5重量%;および(c)無機粘度変成剤に対しては0−5重量%である。無機粘度変成剤を使用すると、最低量はセメント質結合剤の重量基準で0.05−5重量%である。
【0031】
単一のコンクリート混和物を提供するのに、上述の成分を一緒に合体するか、もしくは更に好ましくは、処理対象のセメント質組成物に別々に添加することができる。例えば、ポリカチオン性ポリマーと随意の(しかし好ましい)ポリカルボキシレートポリマー(セメント分散剤)が液体の形で、好ましくは一緒に添加可能であり、おそらく他の既知のコンクリート混和物成分と合体可能である。このような混和物成分は、促進剤、遅延剤、強度増強剤、空気同伴剤、空気脱泡剤または空気コントロール剤、またはこれらの組み合わせを含み得;一方、有機粘度変成剤と無機粘度変成剤は、シリカヒューム、フライアッシュ、石灰石粉末、繊維、その他などの乾燥した形のセメントまたはコンクリートミックスの中に通常組み込まれる他の添加物と共に乾燥粉末添加物の形で組み合わせで添加可能である。
【0032】
本発明は限定された数の態様を用いてこの明細書中で述べられているが、これらの具体的な態様は、この明細書中で述べられ、請求されている本発明の範囲を制限するように意図されたものでない。述べられている態様からの改変および変形が存在する。具体的には、請求の発明の態様の具体的な例示として次の実施例を示す。本発明が実施例中に説明されている具体的な詳細に限定されないということは理解されるべきである。実施例ならびにこの明細書の残りにおける部およびパーセントは、特記しない限り重量パーセントによるものである。
【0033】
更に、性質、測定単位、条件、物理的状態またはパーセントの特定の組を表わすものなど、この明細書またはクレーム中に述べられている任意の数の範囲は、このように述べられている任意の範囲内の数の任意の下位組を含む、このような範囲内に入る任意の数を参照によりもしくは別の方法によりこの明細書中に文字通りに明白に組み込むように意図されている。例えば、下限RLおよび上限RUを持つ数値範囲が開示される場合にはいつでも、この範囲内に入る任意の数Rが具体的に開示される。特に、R=RL+k*(RU−RL)なる、範囲内の数Rが具体的に開示される。ここで、kは1%増分の1%から100%の範囲の変数であり、例えば、kは1%、2%、3%、4%、5%、…50%、51%、52%、…95%、96%、97%、98%、99%または100%である。更には、上記に計算されるRの任意の2つの値により表わされる任意の数値範囲も具体的に開示される。
【実施例】
【0034】
実施例1
日本土木学会標準(JSCE−D104−2007)にしたがった水に沈める試料のコ
ンクリートミックスの設計と、ウオッシュアウト防止性の試験手順を用いて、コンクリートミックスを作製した。
【0035】
下記に示すように、セメント質結合剤の重量基準の重量パーセント(%)にしたがって混和物成分を添加した。スランプフロー、空気含量、懸濁固体量、pH、固化時間、および24時間圧縮強度に関して、JSCE−D104−2007にしたがった測定を行った。下記の表1は、使用されるコンクリートミックスの設計を示す。
【0036】
【表1】

【0037】
表2は、コンクリートの実施例で使用される混和物組成物を示す。
【0038】
【表2】

【0039】
次に、この混和物を含有するコンクリート試料をウオッシュアウト防止性について試験
し、結果を下記の表3に示す。
【0040】
【表3】

【0041】
表3に示すように、本発明の混和物および方法により得られる試験結果は、セメント質組成物中の懸濁固体の著しい低下が得られるということを示した。本発明の混和物が水のpH値を低下させるということも注目に値する。これは、水中コンクリート材料が水中に少量の材料成分しか放出しないということを示す。この実施例は、本発明が固化時間、強度、および耐久性などのコンクリート性能に対していかなるマイナスの影響も及ぼさないということも確実なものとする。
【0042】
本発明の原理、好ましい態様、および操作方式を前出の明細書中で説明した。しかしながら、この明細書で保護されるように意図されている本発明は、特定の形が制限的ではなく例示的と見なされるべきなので、開示されているもの限定されるようには解釈されない。当業者によれば本発明の精神から逸脱することなく変形、および変更がなされ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水和型セメント質結合剤と、
(a)前記セメント質結合剤の乾燥重量基準で0.01から1.00パーセントの量で存在する、四級アミンと三級アミンからなる群から選択される複数の窒素含有部分を含有する少なくとも1つのポリカチオン性ポリマー;
(b)量が前記セメント質結合剤の乾燥重量基準で0.005から0.5パーセントである、(i)ポリサッカライド;(ii)ヘテロポリサッカライドガム;(iii)合成水溶性ポリマーからなる群から選択される少なくとも1つの有機粘度変成剤;および
(c)量が前記セメント質結合剤の乾燥重量基準で0から5.0%パーセントである、水への暴露時に膨潤するように働く無機粘度変成剤
を合体することを含んでなる、水和型セメント質組成物においてウオッシュアウト防止性をもたらして、水への暴露時にセメント質組成物中の材料を実質的に失わせないための方法。
【請求項2】
前記導入段階において、前記ポリカチオン性ポリマーがポリ四級アンモニウムポリマーである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記導入段階において、前記有機粘度変成剤がウエランガム、ジウタンガム、グアーガム、アラビアガム、ジュランガム、ランザンガム、およびキサンタンガムからなる群から選択されるヘテロポリサッカライドである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記導入段階において、前記無機粘度変成剤がベントナイト粘土であり、前記ベントナイトの量がセメント質結合剤の乾燥重量基準で少なくとも0.05から5.0%である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記セメント粒子を分散するように働くポリオキシアルキレンペンダント基を有することを特徴とするポリカルボキシレートポリマーを前記水和型セメント質結合剤に導入することを更に含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記導入段階において、前記成分(a)のポリカチオン性ポリマーと前記ポリカルボキシレートポリマーが前記水和型セメント結合剤に液体の形で導入され;ならびに前記成分(b)の少なくとも1つの有機粘度変成剤と前記成分(c)の無機粘度変成剤が前記水和型セメント結合剤に粉末として導入される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法により得られるセメント質構造物。

【公開番号】特開2011−207625(P2011−207625A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−271074(P2008−271074)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【出願人】(399016927)ダブリュー・アール・グレイス・アンド・カンパニー−コネチカット (63)
【出願人】(000003296)電気化学工業株式会社 (1,539)
【Fターム(参考)】