説明

セラミックほうろう組成物、その製法、接着性セラミックほうろう被覆を有するガラス支持体の製法及び被覆されたガラス支持体

【課題】 セラミックほうろう組成物、その製法、接着性セラミックほうろう被覆を有するガラス支持体の製法及び被覆されたガラス支持体
【解決手段】 セラミックほうろう組成物は、酸化物フリット、ケイ酸ビスマス種物質、顔料及びビヒクルから成る。有利なケイ酸ビスマス種物質は、結晶性Bi12SiO20、Bi4(SiO43、Bi2SiO5及びそれらの混合物から選択する。そのほうろうで被覆されたガラス支持体を焼成して、ほうろうの成分を支持体に接着させる。被覆された帯域が成形ダイへ粘着することを減少させながら、そのガラスを成形ダイを用いて所望の形に成形することができる。そのセラミックほうろうは、自動車ガラスの周囲の外観を向上させ、かつ紫外線照射による接着性の劣化を減少させる着色された縁の提供に特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
発明の分野本発明は、特に自動車ガラスと共に使用するためのセラミックほうろうに関する。
【0002】発明の背景セラミックほうろう塗料組成物は、技術上公知である。それらは、、例えばガラス製品、陶磁器等のための装飾的被覆として種々の用途に使用することができる。それらは、自動車の風防ガラス、側灯及びバックライトに使用されるガラス板の周囲の着色された縁(border)の形成において特に有用である。この着色された縁は、外観を向上させると同様に、下にある接着剤のUV劣化を防止する。
【0003】一般に、これらのほうろう組成物は、主にガラスフリット、着色剤及び有機ビヒクルから成る。それらは支持体に施与され、引き続き有機ビヒクルを焼き取りかつフリットを融着するために焼成し、このようにしてほうろう被覆を支持体に結合させる。
【0004】
【従来の技術】自動車用のガラス板は、一般にセラミックほうろう組成物で被覆され、次いで高められた温度で成形工程にかけられる。この処理の間に、ほうろうは溶融し、ガラス支持体に融着し、そのガラスは成形されて所望の最終形状にされる。しかしながら、多くの先行技術の被覆は、これらの慣用のほうろうが溶融後に低い粘度を有し、高温で他の物質に粘着するので、成形ダイ、例えば繊維ガラス又は金属繊維被覆成形ダイを被覆している物質に粘着する傾向を示す。従って、これらの物質は、ほうろうで被覆され加熱されたガラスが物質で被覆された成形ダイと接触するガラス成形工程において使用するためには好適ではない。
【0005】高められた曲げ温度又は成形温度及び、ほうろうが成形ダイに粘着することなく、ガラス板と被覆された成形ダイとの繰り返される接触に耐える、セラミックほうろうで被覆されているガラス板の成形を容易にするために、種々の試みが提案されている。例えば米国特許第4596590号及び同第4770685号(Boaz に発行)及びヨーロッパ特許第201241号明細書は、被覆と繊維ガラスで被覆された成形ダイとの間に非粘着性のバリアを設けるために、低い原子価の金属酸化物粉末、例えば酸化銅(I)を塗料組成物に添加することを提案している。米国特許第4684389号;同第4857096号及び同第5037783号明細書(Boaz に発行)は、微細に細分された亜鉛金属粉末を同様の効果のために添加することを提案している。鉄金属粉末の使用は、米国特許第4983196号明細書(Stotka に発行)中で提案されている。
【0006】酸化ビスマス含有塗料を含めて、他の金属酸化物粉末の使用が、米国特許第4029605号(Kosiorek に発行);同第4098949号(Kosiorek に発行);同第4892847号(Reinherz に発行);同第4959090号(Reinherz に発行);同第4970178号(Klimas 他に発行);同第5093285号(Murkens に発行);同第5203902号(Murkens に発行)及びヨーロッパ特許第370693号明細書中で提案されている。
【0007】しかしながら、一定のビスマス含有系は、例えばリチウムが存在する場合に、弱いガラスを生成し、不良な銀表面にじみ特性と同様に、不充分な非粘着特性を有する。
【0008】米国特許第4828596号明細書は、硫化銅又は硫酸銅を粘着防止剤としてセラミックほうろう組成物の中に導入することを提案している。他の金属の硫化物又は硫酸塩が、粘着防止剤として米国特許第4822396号明細書(Reinherz 他に発行)中で提案されている。
【0009】改良されたと称される非粘着性セラミックほうろう組成物が、米国特許第5153150号及び同第5208191号明細書(Ruderer 他に発行)により提案されており、そこでは、Zn2SiO4を含有する種粉末が、酸化ビスマスの存在する又は存在しない酸化物組成物中に導入される。
【0010】もう一つの問題として、多くの先行のセラミックほうろう系が鉛含有ガラスフリットを使用する。環境への配慮のために、全ての鉛含有系の使用を避けることが望ましい。
【0011】更に、上記のほうろう系の中には、慣用のガラス成形工程でかなり良好に機能し得るものもあるが、自動車ガラスを成形するための新開発の「深曲げ(deep bend)」工程で使用するためには不満足なものもある。
【0012】ほうろう組成物も、それらが接触することがある一定の化学薬剤に対する充分な抵抗性を有することが不可欠であるが、先行技術の多くの組成物は、この観点が欠けている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来公知のそれぞれのほうろう組成物は、上記の欠点を1つ以上有し、これらの欠点を避ける組成物を提供することが望ましくなっている。本発明は、そのようなセラミックほうろう組成物、この組成物の使用法及びこれにより被覆された支持体を提供する。
【0014】
【課題を解決するための手段】
発明の概要本発明は、高温で融着すると同時にガラス支持体上に、少なくとも部分的に結晶質のケイ酸ビスマスを形成するセラミックほうろう組成物に関する。
【0015】本発明のセラミックほうろう組成物は、酸化物フリット20〜80重量%、ケイ酸ビスマス種物質(seed material)0.5〜60重量%、顔料10〜40重量%及びビヒクル10〜40重量%から成る。ケイ酸ビスマス種物質は、組成物中に種晶として供給するのが有利であり、更に、特にその種物質が他の結晶成長のための核を提供する場合には、組成物を焼成すると同時に、例えば酸化物フリットにより供給された酸化ビスマス及び二酸化ケイ素から組成物中に生成されることがある。
【0016】速成のセラミックほうろう組成物の製造法は、順序不同で前記の成分を所望の量で混合することよりなる。
【0017】本発明は、自動車ガラスと共に前記のセラミックほうろう組成物を使用して、自動車ガラスの外面の周囲の着色された縁及び/又はUV耐性の縁を形成する方法にも関する。従って、ガラス支持体に前記のセラミックほうろう組成物を施与し、そのセラミックほうろう組成物の成分をガラス支持体に融着させるためにその被覆されたガラス支持体を焼成することによりセラミックほうろう被覆を有するガラス支持体が提供される。
【0018】従って、ガラス支持体に接着性のセラミックほうろう被覆を有するガラス支持体を意図しており、ここで、セラミックほうろう被覆は、少なくとも部分的に結晶質ケイ酸ビスマスから構成されている。この被覆を、ガラス支持体の外面の少なくとも一部の上に施与するのが有利である。
【0019】更に、速成の被覆を施与されたガラス支持体を成形する方法を記載し、これは、(a)前記のセラミックほうろう組成物をガラス支持体に施与し、(b)その被覆されたガラスを高められた温度、有利には少なくとも1200゜Fに加熱し、(c)その加熱されたガラスに慣用の成形圧力、例えば1〜3psiの範囲、典型的には約2psiを成形ダイを用いてかけ、かつ(d)その成形されたガラスをこのダイから分離することよりなる。
【0020】本発明の利点の中には、その優れた非粘着特性、良好なコンシステンシー、化学的耐久性、広い焼成温度範囲及び低い応力がある。
【0021】本発明を、次いでより詳細にかつ例に関して記述する。
【0022】発明の詳細な説明本発明は、成分としてケイ酸ビスマス種物質少なくとも1種を含有するセラミックほうろう組成物を提供する。速成のケイ酸ビスマス種物質をより充分に以下に記載する。
【0023】本発明の1組成物は、次の成分を含有する:(1)慣用の酸化物ガラスフリット少なくとも1種;(2)ケイ酸ビスマス種物質;(3)着色剤(顔料);及び(4)成分(1)〜(3)用のビヒクル。ケイ酸ビスマス種物質は、焼成と同時に組成物中での微結晶性構造体、例えば結晶性ケイ酸ビスマス化合物の核生成及び成長を助けると考えられている。
【0024】典型的には、速成のセラミックほうろう組成物は、酸化物フリット20〜80重量%、ケイ酸ビスマス種物質0.5〜60重量%、顔料10〜40重量%及びビヒクル10〜40重量%から成る。ケイ酸ビスマス種物質は、2〜40重量%の量で加え、酸化物フリットは40〜80重量%の量で加えるのがより有利である。
【0025】ここで言及されているように、結晶、結晶性、微結晶性等の用語は、対象物質がX線回折技術により1つ以上の不連続な相を示す程に充分に結晶性(配列されている)であることを表す。
【0026】理論に束縛されることは望まないが、ケイ酸ビスマス種物質の存在は、結晶の核生成及び成長をもたらし、増加された耐火性及び失透をもたらすと考えられている。失透は、融着されたほうろう中の微結晶性構造体、例えばBi12SiO20、Bi2(SiO34等の析出を包含する。融着されたほうろう中のこれらの微結晶性構造体の存在は、高められた温度でガラス支持体を成形している間にほうろうが表面、例えば加圧パッドに粘着する傾向を著しく低下させると考えられている。
【0027】本発明で使用されるガラスフリットに関しては、加熱と同時にその場で、必要な微結晶性構造体を形成するように配合されている、単一ビスマス酸化物及び二酸化ケイ素フリット又は非結晶質ケイ酸ビスマスを使用することを排除していない。慣用のガラスフリット2種以上のブレンドを、所望の特性を有する組成物を得るために使用することもできる。
【0028】しかしながら、結晶性ケイ酸ビスマス種物質をほうろう組成物中に加えるのが有利である。結晶性ケイ酸ビスマス種物質は、高い水準で、例えば組成物中に存在する固体の60%以上の水準で組成物中に加えることができる。しかしながら、融剤を加えるために、組成物中には少なくとも多少の酸化物フリットが望ましい。
【0029】このタイプの反応系に好適なケイ酸ビスマス種物質は、化合物Bi12SiO20、Bi4(SiO43、Bi2SiO5及びそれらの混合物を包含してよいが、これらに限定されるものではない。これらの化合物の中で任意の1種又は全てが結晶性であるのが有利であり、同じ結晶質の中で混合物として存在してよい。
【0030】本発明における使用に好適な結晶質ケイ酸ビスマスは、多くの公知の任意の方法により製造することができる。例えば、Bi12SiO20(CAS登録番号12377−72−9)は、6:1のモル比の酸化ビスマス及び二酸化ケイ素を840℃まで16時間加熱することにより製造することができる[National Bureauof Standards, Monogr., 25:22 (1985)]。Bi4(SiO43(CAS登録番号15983−20−7)は、比2:3の酸化ビスマス及びシリカを780℃で50時間焼成し、再粉砕し、かつ830℃で18時間焼成することにより製造することができる[Roob, et al., North Dakota State Univ., JCPDS Grant-in-AidReport (1980)]。Bi2SiO5(CAS登録番号12027−75−7)は、比1:1の酸化ビスマス及び二酸化ケイ素を1000〜1040℃で溶融し、水中で急冷し、400〜520℃で1週間かけて結晶化させることにより製造することができる[Keller, et al., Mineralogisch-Petrographisches Institut, Univ. Heidelberg, Germany, JCPDS Grant-in-Aid Report (1984)]。これらの物質及び関連物質の他の製法は、当業者には容易に明らかである。
【0031】速成ケイ酸ビスマス種物質に関する粒度は、1〜4ミクロンの範囲が有利であり、約1.8ミクロンがより有利である。
【0032】付加的な結晶質、例えばアルミナ−ケイ酸塩化合物、ケイ酸カルシウム化合物、ホウ−アルミナ−ケイ酸塩化合物、ソーダ−カルシア(calcia)−アルミナ−ケイ酸塩化合物、長石化合物、チタニア及びそれらの混合物を配合の中に含めることもできる。なお、特にそれらの存在が必要なケイ酸ビスマス微結晶性構造体の核生成及び成長を促進する場合には、更に金属物質及び/又は酸化物質を添加することができる。
【0033】本発明のほうろう組成物は、例えばCerdec社(ワシントン、PA)から市場で入手できるような慣用のビスマス及び/又は亜鉛ベースのフリット少なくも1種であるガラスフリットを含有するのが有利である。このようなフリットは、単独で使用することができるか又は所望の特性を得るためにブレンドすることができる。条件が許す場合には鉛含有フリットの使用も除外されないが、一般に、上記の環境への配慮に基づき、これらのフリットは鉛不含である。ビスマス及び亜鉛をベースとする特定のフリットは、文献中に公知である。
【0034】本発明で使用することができる代表的な1フリットは、下記の表1に示された組成を有する。
【0035】表1酸化物 重量%範囲SiO2 20〜35Bi23 10〜50ZnO 5〜45B23 5〜15Na2O 1〜7CaO 0〜10TiO2 0〜2Al23 0〜5ZrO2 0〜2F2 0〜1このようなフリットの製法は、米国特許第5346651号明細書(Oprosky他に発行)中に開示されている。それらのフリットは、支持体への充分な接着を確保するのに充分に低い焼成温度を有し、かつ低い密度特性も有する。
【0036】特に好適なビスマス含有フリット組成物は、Cerdec社からRD−2006として市場で入手できる。
【0037】好適な亜鉛含有フリットは、Cerdec社からE−8012及びPD997として市場で入手できる。
【0038】本発明のセラミックほうろうの顔料は、市販で入手できる任意のものであってよい。特に好適な顔料は、Cerdec社から、銅クロマイト黒色顔料である*2991顔料、コバルトクロム鉄黒色顔料である*2980顔料及びニッケルマンガン鉄クロム黒色顔料である*2987顔料として市場で入手できる。
【0039】組成物中で使用されるべきビヒクルは、その最終用途に基づいて選択される。このビヒクルが粒子を充分に懸濁し、支持体上での組成物の焼成時に完全に燃え尽きることが不可欠である。ビヒクルは、典型的には有機物であり、パイン油、植物油、鉱油、低分子量の石油留分、トリデシルアルコール、合成及び天然樹脂等をベースとする組成物を包含する。
【0040】相応して、UV−ベース(UV-base)のビヒクルは同様に本発明における使用に適用可能である。このようなUV−ベースビヒクルは、文献中に公知であり、一般に光開始剤及び重合抑制剤と共に、例えばアクリレート若しくはメタクリレート官能基を有する重合可能なモノマー及び/又はオリゴマーから成る。代表的な系は、米国特許第4306012号及び同第4649062号明細書中に開示されている。認識されているように、このような系は、支持体に施与の後に紫外線照射により硬化される。
【0041】特定のビヒクル及び使用量は、組成物の特定の成分及び所望の粘度に基づいて選択される。一般に、ビヒクルの量は、ほうろう組成物の全重量に対して約10〜約40重量%である。
【0042】一般に、ほうろう組成物は必然的に粘性であり、使用されるべき施与法及び最終用途に依存する粘度を有する。スクリーン印刷のためには、ブルックフィールド粘度計で20rpmの#7スピンドルで測定して、20℃で10000〜80000、有利には35000〜65000センチポイズの範囲にある粘度が好適である。
【0043】本発明のほうろうは、慣用の充填剤、例えばシリカ並びにアルミナ及び他の慣用の添加剤、例えば鉄、ケイ素、亜鉛等を、所望の特性、例えば銀の表面にじみ耐性を高めるために含有してもよい。
【0044】本発明のほうろう組成物を製造するためには、フリットを慣用の方法を用いて粉砕して微細な粉末にして、任意の順序で前記のケイ酸ビスマス種物質、顔料、任意の充填剤及びビヒクルと混合する。組成物のケイ酸ビスマス種物質が結晶であることが所望である場合には、それを添加することもできる。他の酸化物を上記のように、銀の表面にじみに抵抗する物質と同様に添加することができる。異なるタイプの上記の成分のそれぞれの代表物1種以上を、ほうろう組成物中に加えることができる。
【0045】ほうろう組成物が製造されると、それをガラス支持体に慣用の方法で、例えばスクリーン印刷、デカルコマニア塗り、噴霧、はけ塗り、ローラー塗り等により施与することができる。組成物をガラス支持体に施与する場合には、スクリーン印刷が有利である。支持体にこの組成物を所望の型模様に施与した後に、次いで、この施与された被覆をほうろうを支持体に結合させるために焼成する。この焼成温度は、一般にフリット熟成温度により決定され、広い温度範囲内にあるのが有利である。典型的には、速成組成物の焼成範囲は、1100〜1350゜Fの範囲内であり、より有利には1200〜1300゜Fの範囲内であり、最も有利には約1250゜Fである。
【0046】下記の組成物は、本発明の有利な実施態様を示す。それらは、本発明をより詳述するために示すが、本発明を限定するものではない。
【0047】
【実施例】
例1下記の成分から成る組成物を製造した。記載の重量%は、組成から除外されている印刷用媒体に基づいて計算した。
【0048】
成 分 重 量%RD20061 37.5PD9972 25.0ケイ酸ビスマス種3 17.5*2991顔料4 20.01RD2006は、Cerdec社から市場で入手できるビスマスフリットである。2PD997は、Cerdec社から市場で入手できる亜鉛フリットである。3ケイ酸ビスマス種晶は、記載のように酸化ビスマスとシリカを反応させることにより製造され、X線回折解析により次の相の存在を示した:Bi12SiO20 57%、Bi4[SiO43 33%及びBi2SiO5 10%。4*2991顔料は、Cerdec社から市場で入手できる。
【0049】例2例1に従って、下記の重量百分率を有するほうろう組成物を製造した。ケイ酸ビスマス種晶及び他の成分は、例1中に記載されているのと同様であった。
【0050】
成 分 重 量%RD2006 44.2PD997 17.8ケイ酸ビスマス種 17.5*2991顔料 20.5例3例1に従って、下記の重量百分率を有するほうろう組成物を製造した。ケイ酸ビスマス種晶及び他の成分は、例1中に記載されているのと同様であった。
【0051】
成 分 重 量%RD2006 63ケイ酸ビスマス種 10*2991顔料 27例4下記のほうろうは、加圧成形されるべきガラス支持体上にスクリーン印刷するために使用される典型的な組成物を表している。
【0052】
成 分 重 量%ガラスフリット 49種晶粉末 11顔料 20印刷媒体 20本発明を説明及び例により記載したが、上記の個々の実施態様によって限定されるものではない。従って、本発明に相当する一定の明確な変更を記載の請求項の範囲内で実行することができることは、当業者に認識されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 セラミックほうろう組成物において、酸化物フリット20〜80重量%、ケイ酸ビスマス種物質0.5〜60重量%、顔料10〜40重量%及び有機ビヒクル10〜40重量%から成ることを特徴とするセラミックほうろう組成物。
【請求項2】 酸化物フリットが酸化ビスマス及び酸化亜鉛の少なくとも1種を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】 ケイ酸ビスマス種物質が組成物中に種晶として加えられる、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】 ケイ酸ビスマス種晶が、Bi12SiO20、Bi4(SiO43及びBi2SiO5から成る群から選択された相少なくとも1種を含有する、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】 組成物が更に、アルミナ−ケイ酸塩化合物、ケイ酸カルシウム化合物、ホウ−アルミナ−ケイ酸塩化合物、ソーダ−カルシア−アルミナ−ケイ酸塩化合物、長石化合物、チタニア及びそれらの混合物から成る群から選択された物質1種を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】 組成物が更に、鉄、ケイ素又は亜鉛を含有する耐銀表面にじみ物質を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】 セラミックほうろう組成物の製法において、酸化物フリット20〜80重量%、ケイ酸ビスマス種物質0.5〜60重量%、顔料10〜40重量%及び有機ビヒクル10〜40重量%を混合することよりなる、セラミックほうろう組成物の製法。
【請求項8】 接着性セラミックほうろう被覆を有するガラス支持体の製法において、請求項1に記載のセラミックほうろう組成物をガラス支持体に施与し、かつそのセラミックほうろう組成物の成分をガラス支持体に融着させるために、被覆されたガラス支持体を高められた温度に加熱することよりなる、接着性セラミックほうろう被覆を有するガラス支持体の製法。
【請求項9】 セラミックほうろう組成物をガラス支持体の外面の少なくとも一部に施与する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】 更に、加熱されたガラスに成形ダイを用いて成形圧力をかけ、かつその成形ダイから成形されたガラスを分離することよりなる、請求項8に記載の方法。
【請求項11】 接着性セラミックほうろう被覆を有するガラス支持体において、そのセラミックほうろう被覆が部分的に結晶質ケイ酸ビスマスから成る、接着性セラミックほうろう被覆を有するガラス支持体。
【請求項12】 被覆がガラス支持体の外面の少なくとも一部の上に施与されている、請求項11に記載の被覆されたガラス支持体。