説明

セラミックスによる液体(水など)の表面張力、溶存酸素の低減方法

【課題】 従来の考案は、水をセラミックスに通過させる等して、電気的な力により水分子に影響を与え、水を活性化させ、機能性を持たせようとしたものである。しかし、振動エネルギー(超音波等)により、水の表面張力、溶存酸素の低減を図るとしたものではない。
【解決手段】 本発明は、高温焼成した酸化系鉱物の焼結体からなるセラミックス粒子を充填した容器に、液体(水など)を接触させる。また、セラミックス粒子を液体(水など)の通過流速により流動、相互摩擦、衝突させることにより多数の発生源から発生する振動エネルギー(超音波等)により、媒体は膨張と圧縮を繰り返し、液体(水など)の液面や液内部に疎密波が生じる。疎密波の負圧により、キャビテーション(空洞現象)を発生させる。キャビテーションより発生した、気泡が破壊され、液面に無数のキャピラリ波(毛細表面波)をつくり、液体(水など)の表面積の増大による表面張力の低減や気泡の破壊による衝撃波の発生。また、気泡の放出により溶存酸素を低減させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックスによる液体(水など)の表面張力、溶存酸素の低減方法に関する。
【背景技術】
【0002】
酸化物系鉱石粉末の焼結体からなるセラッミクス粒子装入容器に水を通し、またその水の中のセラミックス粒子を相互摩擦、衝突させることによる界面動電現象や熱電現象により、水に正電荷を持たせ水を活性化させる技術がある。また超音波により液体を微細化(霧化)させる技術がある。
【0003】
なお本発明に関する公知技術として次の特許文献1、非特許文献1を、挙げることが出来る。
【特許文献】 「活性水の生成方法」特許番号第30705500号
【非特許文献】 「超音波噴霧」山海堂出版、第56頁〜第58頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】

従来の考案は、水をセラミックスに通過させる等して、電気的な力により水分子に影響を与え、水を活性化させ、機能性を持たせようとしたものである。しかし、振動エネルギー(超音波等)により、水の表面張力、溶存酸素の低減を図るとしたものではない。
【問題を解決する為の手段】
【0005】
上述の課題を解決する為、本発明は、高温焼成した酸化系鉱物の焼結体からなるセラミック粒子を充填した容器に、水を接触させる。また、セラミックス粒子を水の通過流速などにより流動、相互摩擦、衝突させることにより発生する振動エネルギー(超音波等)により、媒体は膨張と圧縮を繰り返し、水の液面や液内部に疎密波が生じる。疎密波の負圧により、キャビテーション(空洞現象)を発生させる。キャビテーションより発生した、気泡が破壊され、液面に無数のキャピラリ波(毛細表面波)をつくり、水の表面積の増大による表面張力の低減や気泡の破壊による衝撃波の発生。また、気泡の放出により溶存酸素を低減させる。
【0006】
振動エネルギー(超音波等)は、水と接触するセラミックス微粒子の多様な機能(磁性、圧電素子、表面誘起電荷、遠赤外線等)とその相互作用が発生源とる為、多数の発生箇所からの複雑な方向性を持つ。また、その振動波は固有音響インピーダンスにより他の物質に伝搬し難く、水の中で集束、反射、屈折する。水が遅延媒体となり、長時間、振動波を維持する。また、共振作用により、激しく振動し、上述のキャビテーションと気泡の破壊を発生しやすくする。
【発明の効果】
【0007】
水の表面張力の低減により、物質と水との濡れ性が良くなり、洗浄力が向上する。また、物質の溶解力も良くなる。
【0008】
気泡の破壊による衝撃波による力により、汚れの清掃力を向上する。
【0009】
気泡の放出により溶存酸素を低減させ、嫌気呼吸(酸素以外の無機化合物を電子受容体とする生物)を活性化させる。例えば、鉄還元細菌により、赤サビ(三酸化二鉄)を黒サビ(四酸化三鉄)に還元する等である。また、発酵(有機化合物を電子受容体とする生物)を活性化させる。例えば乳酸菌、酵母等の増殖速度を向上させる。
【0010】
溶存酸素の低減により、物質の酸化速度を低減させる。また、好気性生物(酸素を電子受容体とする生物)の増殖を低減・死滅させる。
【発明を実施する為の最良の形態】
【0011】
高温焼成した酸化系鉱物の焼結体からなるセラミックス粒子を充填した容器に、液体(水など)を通過させ、液体(水など)によりセラミックス粒子を流動、相互摩擦、衝突させることが出来る筒状等の容器。
【産業上の利用可能性】
【0012】
様々な分野の利用が考えられる。例えば、管渠のスケールの除去・保護。トイレにおける尿石の除去。好気性生物(カキ、フジツボ等)の発生・生育の低減、死滅。洗剤の削減。セメント混和剤の削減。熱交換器の機能維持。嫌気性生物(乳酸菌、酵母等)の生長促進。抗酸化作用などである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は、高温焼成した酸化系鉱物の焼結体からなるセラミックス粒子を充填した容器に、液体(水など)を接触させる。また、セラミックス粒子を液体(水など)の通過流速などにより流動、相互摩擦、衝突させることにより、多数の発生源から発生する振動エネルギー(超音波等)は、固有音響インピーダンスにより他の物質に伝搬し難く、液体(水など)内で集束、反射、屈折する。液体(水など)が遅延媒体となり、長時間、振動波(超音波等)を維持する。媒体は膨張と圧縮を繰り返し、液体(水など)の液面や液内部に疎密波が生じる。液体(水など)の液面や液内部の疎密波による負圧により、キャビテーション(空洞現象)を発生させる。キャビテーションにより発生した気泡は破壊される。また、共振作用により、激しく振動し、キャビテーションと気泡の破壊を発生しやすくする。それにより、液面に無数のキャピラリ波(毛細表面波)をつくり、液体(水など)の表面積の増大による表面張力の低減や気泡の破壊による衝撃波の発生。また、気泡の放出により溶存酸素を低減させる。セラミックスによる液体(水など)の表面張力、溶存酸素の低減方法。
【請求項2】
水の表面張力の低減により、物質と水との濡れ性が良くなり、洗浄力が向上する。また、物質の溶解力も良くなる。請求項1記載のセラミックスによる液体(水など)の表面張力、溶存酸素の低減方法。
【請求項3】
気泡の破壊による衝撃波による力により、汚れの清掃力を向上する。請求項2記載のセラミックスによる液体(水など)の表面張力、溶存酸素の低減方法。
【請求項4】
気泡の放出により溶存酸素を低減させ、嫌気呼吸(酸素以外の無機化合物を電子受容体とする生物)を活性化させる。例えば、鉄還元細菌により、赤サビ(三酸化二鉄)を黒サビ(四酸化三鉄)に還元する等である。発酵(有機化合物を電子受容体とする生物)を活性化させ、例えば乳酸菌、酵母等の増殖速度を向上させる。好気呼吸(酸素を電子受容体とする生物)の活性を低減させ、好気性生物を増殖の低減や死滅に至らしめる。また、物質の酸化速度を低減させる。請求項3記載のセラミックによる液体(水など)の表面張力、溶存酸素の低減方法。
【請求項5】
高温焼成した酸化系鉱物の焼結体からなるセラミックス粒子を充填した容器に、液体(水など)を通過させ、液体(水など)によりセラミックス粒子を流動、相互摩擦、衝突させることが出来る筒状等の容器からなる請求項4記載のセラミックスによる液体(水など)の表面張力、溶存酸素の低減方法。

【公開番号】特開2009−190018(P2009−190018A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−61818(P2008−61818)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(507018447)
【出願人】(507018436)
【Fターム(参考)】