説明

セラミック成形体及び金属基複合部材

【課題】 本発明は、熱膨張率が低減された金属基複合部材を製造することができるセラミック成形体を提供することを課題とする。
【解決手段】 球状の気泡である球状セル2がその内部に複数形成されたセラミック成形体1であって、相隣る前記球状セル2同士が連通孔3を介して連通し合って三次元網目構造を形成していると共に、前記球状セル2の内径のメジアン(MD)に対する前記連通孔3の内径のメジアン(Md)の比(Md/MD)が0.5未満となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属基複合部材(MMC:Metal Matrix Composite)及びこの金属基複合部材の製造に使用されるセラミック成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セラミック成形体内の空隙部分(以下、これを「セル」という)に金属を充填した金属基複合部材が知られている(例えば、特許文献1参照)。この金属基複合部材に使用されるセラミック成形体は、コランダム等からなるセラミックの粉体を焼結することによって、その内部に多数の孔状のセルを形成したものである。このようなセラミック成形体のセルに金属を充填して得られる金属基複合部材は、耐摩耗性等の機械的強度に優れることから、製紙用の精砕機プレートやタービン羽等に好適に使用される。
【特許文献1】特開平6−170514号公報(段落0008乃至段落0013、図6、図10)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、このような金属基複合部材では、セラミック成形体の熱膨張率に比較して金属の熱膨張率が大きいことから、セルに充填された金属の熱膨張の大きさ及びその方向性は、金属基複合部材の全体の熱膨張率に大きく影響する。その一方で、従来の金属基複合部材に使用されるセラミック成形体(例えば、特許文献1参照)は、そのセルが不定形の孔で構成されていることから、このような孔内に充填された金属は、孔が延びる方向に大きく熱膨張する。つまり、金属基複合部材内に分布する金属の熱膨張に異方性が生じる。
【0004】
その結果、従来の金属基複合部材(例えば、特許文献1参照)は、このように金属の熱膨張に異方性が生じるために、金属基複合部材の全体としての熱膨張率の低減化が困難となる。
【0005】
したがって、このような従来の金属基複合部材は、優れた機械的強度を有しながらも、大きな温度変化を伴うと共に寸法安定性が要求される部材として使用することができなかった。
【0006】
そこで、本発明は、熱膨張率が低減された金属基複合部材及びこの金属基複合部材の製造に使用されるセラミック成形体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、セルに金属を充填した金属基複合部材の熱膨張を抑制するセラミックの骨格構造を見出して本発明に到達した。
【0008】
すなわち、前記課題を解決するための発明は、球状の気泡である球状セルがその内部に複数形成されたセラミック成形体であって、相隣る前記球状セル同士が連通孔を介して連通し合って三次元網目構造を形成していると共に、前記球状セルの内径のメジアン(MD)に対する前記連通孔の内径のメジアン(Md)の比(Md/MD)が0.5未満であることを特徴とする。
【0009】
このセラミック成形体は、金属基複合部材を製造するためのものであって、金属が充填される球状セルをその内部に複数備えている。金属基複合部材が製造される際には、球状セルに溶融した金属が注入される。この際、相隣る球状セル同士が連通孔を介して連通し合って三次元網目構造を形成しているので、各球状セルには、連通孔を通じて溶融した金属が行きわたる。そして、その溶融した金属を凝固させることによって金属基複合部材が製造される。
【0010】
このセラミック成形体を使用して製造された金属基複合部材では、球状セルに充填された金属が球状になっているので、その金属の熱膨張に異方性が生じない。また、この金属基複合部材では、金属が球状セルで拘束されると共に、金属が金属基複合部材内で三次元網目構造を形成して均一に分布する。そして、球状セルの内径のメジアン(MD)に対する前記連通孔の内径のメジアン(Md)の比(Md/MD)は0.5未満に設定されている。その結果、このセラミック成形体を使用して製造された金属基複合部材は、従来の金属基複合部材(例えば、特許文献1参照)と比較して、熱膨張率が小さい。
【0011】
また、このようなセラミック成形体において、複数の前記球状セルが、最密充填構造状の配列を形成するように配置されていることが好ましい。なお、ここでの「球状セルの最密充填構造状の配列」とは、各球状セルが面心立方格子を構成するように配置されることをいう。
【0012】
このセラミック成形体は、球状セルが最密充填構造状の配列を形成するように配置されることによって、得られる金属基複合部材の熱膨張率の低減効果が増大する。その結果、従来の金属基複合部材と同等の熱膨張率を達成するために必要な体積分率を低くすることができる。したがって、このセラミック成形体によれば、溶湯の溶浸性を向上させることができる。
【0013】
また、以上のようなセラミック成形体によれば、前記セラミック成形体の前記球状セル及び前記連通孔に金属が充填されていることを特徴とする金属基複合部材が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、熱膨張率が低減された金属基複合部材を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、実施形態に係るセラミック成形体を模式的に示す斜視図、図2(a)、図2(b)及び図2(c)は、「球状セルの最密充填構造状の配列」を説明するための図、図3は、図1中のA−A線における断面の様子を部分的に示す図、図4は、実施形態に係るセラミック成形体(図3参照)を使用して製造された金属基複合部材を示す図である。なお、図1において、セラミック成形体の球状セルは、便宜上、一部の球状セルのみを記載している。また、図2(a)、図2(b)及び図2(c)において、球状セル及び仮想の球体(仮想球体)は、便宜上、一部の球状セル及び一部の仮想の球体(仮想球体)のみを記載している。
【0016】
(セラミック成形体)
図1に示すように、セラミック成形体1は、その内部に複数の球状セル2が形成されている。この球状セル2は、セラミック成形体1を使用して後記する金属基複合部材5(図4参照)が製造された際に、金属6(図4参照)が充填される部分であり、球状の気泡で形成されている。なお、本実施形態では、各球状セル2の内径は、均一になっている。ここでの「均一」とは、各球状セル2の内径が同一である場合を意味するほか、球状セル2の内径のCV値(Coefficient of Variation:平均粒子径に対する標準偏差の割合)が10%以下である場合を含む意味である。
なお、球状セル2の内径としては、特に制限はないが、メジアンで10μm乃至1000μmの範囲で設定すればよい。
【0017】
本実施形態では、この球状セル2は、セラミック成形体1内で最密充填構造状に配列されている。ここでの「球状セル2の最密充填構造状の配列」とは、各球状セル2が面心立方格子を構成するように配置されることをいう。
【0018】
このような「球状セル2の最密充填構造状の配列」は、図2(c)に示すように、球状セル2の内壁面2aに対して近接するように球状セル2のそれぞれを内包する仮想の球体4(以下、「仮想球体4」という)であって、各仮想球体4の径が同一であるものを想定した場合に、各仮想球体4が最密充填構造を構成するように組み上げられることによって形成される。さらに具体的に言うと、この「球状セル2の最密充填構造状の配列」は、図2(a)に示すように、各仮想球体4のそれぞれにおいて、1つの仮想球体4がこれを取り囲む6つの仮想球体4と接するように配置されて構成された第1層L1と、図2(b)に示すように、第1層L1を構成する、互いに接した3つの仮想球体4のそれぞれと接するように第1層L1上に仮想球体4が配置されて構成された第2層L2と、図2(c)に示すように、第2層L2を構成する、互いに接した3つの仮想球体4のそれぞれと接するように第2層L2上に仮想球体4が配置されて構成された第3層L3と、さらに第3層L3上で第2層L2及び第3層L3と同様にして順番に積層されていく複数の層(図示せず)とによって構築される。
【0019】
この「球状セル2の最密充填構造状の配列」では、仮想球体4が最密充填構造を構成するように組み上げられていくので、各仮想球体4同士の間隙が最小となる。その結果、本実施形態では、球状セル2の内径が均一であるので、球状セル2が最密充填構造状の配列を形成するように配置されると、各球状セル2がセラミック成形体1内で緻密に、かつ均一に配置されることとなる。
【0020】
このような球状セル2は、図3に示すように、相隣る球状セル2同士が連通孔3を介して連通し合っている。その結果、各球状セル2は、連通孔3を介して連通し合うことによって、セラミック成形体1内で三次元網目構造7(図1を併せて参照)を形成している。
【0021】
連通孔3は、図3に示すように、各球状セル2の間に形成されて、各球状セル2を連通させている。この連通孔3は、セラミック成形体1を使用して金属基複合部材5(図4参照)を製造する際に、各球状セル2を連通させることによって、三次元網目構造7を構成する各球状セル2内に溶融した金属を行きわたらせるためのものである。
【0022】
この連通孔3の内径は、設定した球状セル2の内径に応じて設定されており、具体的には、球状セル2の内径のメジアン(MD)に対する連通孔3の内径のメジアン(Md)の比(Md/MD)が0.5未満となっている。そして、この(Md/MD)は、0.01を超え、かつ0.5未満であることが好ましい。このように連通孔3の内径を設定することによって、このセラミック成形体1を使用して製造された金属基複合部材5(図4参照)の熱膨張率は、従来の金属基複合部材と比較して一段と低減される。
【0023】
以上のようなセラミック成形体1の材質としては、例えば、SiC、Al23、Si34、AlN等のエンジニアリングセラミックが挙げられる。
【0024】
(金属基複合部材)
次に、このセラミック成形体1を使用して製造された金属基複合部材5(図4参照)について説明する。
図4に示すように、金属基複合部材5は、セラミック成形体1の球状セル2及び連通孔3に金属6が充填された部材である。したがって、この金属基複合部材5では、各球状セル2内に充填された金属6のそれぞれが、均一な外径を有する球状に形成されており、球状の金属6のそれぞれは、球状セル2内で拘束されている。そして、球状の金属6は、前記した最密充填構造状の配列となるように金属基複合部材5内に分布している。
【0025】
このように各球状セル2内に充填された金属6のそれぞれは、図4に示すように、連通孔3に充填された金属6によって繋げられて、金属基複合部材5内での金属6は、三次元網目構造7を形成するように金属基複合部材5内に広がっている。
【0026】
また、球状セル2の内径のメジアン(MD)に対する連通孔3の内径のメジアン(Md)の比(Md/MD)が0.5未満であるセラミック成形体1を使用して製造された金属基複合部材5では、図4に示すように、球状セル2に充填された金属6の外径のメジアンに対する連通孔3に充填された金属6の外径のメジアンの比が、前記したMd/MDと等しく、0.5未満となっている。
【0027】
以上のような金属基複合部材5に使用される金属6としては、例えば、Al、Al合金、Si、Si合金、Cu、Cu合金、Mg、Mg合金等が挙げられる。
【0028】
(セラミック成形体の製造方法)
次に、本実施形態に係るセラミック成形体の製造方法について適宜図面を参照しながら説明する。参照する図面において、図5は、本実施形態に係るセラミック成形体の製造方法の工程説明図、図6は、本実施形態に係るセラミック成形体の製造方法を構成する充填工程で製造される「セラミック粒子で被覆された微小球」の概念図、図7は、本実施形態に係るセラミック成形体の製造方法を構成する充填工程で製造される成形体材料の概念図、図8は、本実施形態に係るセラミック成形体の製造方法を構成する気化工程で製造される焼結用成形体の概念図である。
【0029】
セラミック成形体1の製造方法は、図5に示すように、予め設定された温度で気化する微小球を準備する工程(微小球の準備工程)と、前記微小球及びセラミック粒子を型内に充填する工程(充填工程)と、前記微小球を気化させる工程(気化工程)と、セラミック粒子を焼結する工程(焼結工程)とで主に構成される。
【0030】
<微小球の準備工程>
微小球は、予め設定された温度で気化するものであり、真球の粒子で構成されている。この微小球は、後記する焼結工程の温度を下回る温度、好ましくは250℃乃至750℃程度で気化するものが選択される。この微小球としては、樹脂で構成される有機微小球が好ましく、さらに好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリスチレン等の樹脂からなるものである。このような樹脂で構成される有機微小球は、所定のモノマを公知の懸濁重合法によって懸濁重合させて得ることができる。また、有機微小球は、市販のものが使用されてもよい。
【0031】
この微小球は、その外径のCV値(前記と同義)が10%以下になるように選別されることが好ましい。なお、微小球は、後記する気化工程で気化することによって、セラミック成形体1の球状セル2を形成するものであり、その外径は、メジアンで10μm以上、1000μm以下のものが好ましい。
【0032】
<充填工程>
この充填工程では、前記した微小球とセラミック粒子とが型内に充填される。この充填工程では、微小球が型内に充填されるに先立って、図6に示すように、微小球10の表面がセラミック粒子11で被覆される。このセラミック粒子11は、外径が均一である真球の微粒子で構成されている。その結果、この「セラミック粒子11で被覆された微小球10」の外径は、均一になっている。このセラミック粒子11は、その外径が0.1μm以上、100μm以下のものが好ましい。
【0033】
このセラミック粒子11は、後記する焼結工程で焼成されてセラミック成形体1の骨格を形成するものである。したがって、このセラミック粒子11の材質としては、SiC、Al23、Si34、AlN等のエンジニアリングセラミックが選択される。
【0034】
微小球10のセラミック粒子11による被覆は、微小球10とセラミック粒子11とを含む組成物を、この組成物に剪断力を加えながら微小球10及びセラミック粒子11を混合することによって行うことができる。微小球10とセラミック粒子11との配合比は、微小球10の質量をW1とし、セラミック粒子11の質量をW2としたときの質量比(W1/W2)で、0.1≦W1/W2≦10の範囲内であることが好ましい。このような配合比で微小球10とセラミック粒子11とを配合することによって、微小球10の表面は、万遍なくセラミック粒子11で被覆される。なお、このように微小球10の表面をセラミック粒子11で被覆する際に、微小球10とセラミック粒子11とを含む組成物には、ポリビニルアルコール等のバインダが配合されてもよい。
【0035】
次いで、「セラミック粒子11で被覆された微小球10」(図6参照)と、次に説明するセラミックスラリとの混合物が調製される。
このセラミックスラリは、セラミック粉体を水等の分散媒中に分散させたものであり、セラミック粉体と分散媒とをボールミル等を使用して混合することによって得られる。このセラミックスラリ中のセラミック粉体の量は、50質量%乃至90質量%程度に設定されればよい。
【0036】
このセラミックスラリの粘度は、0.05Pa・秒乃至5Pa・秒程度に設定されればよい。このような範囲にセラミックスラリの粘度が調整されることによって、「セラミック粒子11で被覆された微小球10」(図6参照)同士の間にセラミックスラリが十分に行きわたると共に、後記する焼結工程におけるセラミック成形体1(図1参照)の収縮が抑制される。
【0037】
このセラミック粉体は、後記する焼結工程で焼成されて前記したセラミック粒子11(図6参照)と共にセラミック成形体1(図1参照)の骨格を形成するものである。したがって、このセラミック粉体の材質としては、セラミック粒子11の材質と同じ材質のもの、つまり、SiC、Al23、Si34、AlN等のエンジニアリングセラミックが選択される。このセラミック粉体は、その粒子径が0.1μm以上、100μm以下のものが好ましい。
【0038】
なお、このようなセラミックスラリには、解膠剤やバインダが含まれていてもよい。解膠剤としては、公知のものでよく、例えば、四級アンモニウム塩、アクリル酸オリゴマ、モノエチルアミン等が挙げられる。バインダとしては、例えば、ポリビニルアルコール、アクリルエマルジョン、ポリビニルブチラール、メチルセルロース、β−1,3グルカン等が挙げられる。
【0039】
このようなセラミックスラリと、「セラミック粒子11で被覆された微小球10」との混合物は、「セラミック粒子11で被覆された微小球10」の体積V1と、セラミックスラリの体積V2との比が、V1:V2=6:4乃至9:1となるように設定されることが好ましい。また、この混合物のpHは、8乃至10が好ましく、さらに好ましくは8.5乃至9である。このような範囲に混合物のpHを調整することによって、この混合物におけるセラミック粉体の分散性が向上する。
【0040】
次に、混合物は、この混合物の減圧濾過が可能な型に流し込まれる。この型としては、例えば、石膏等の多孔質の部材からなる型や、底部に濾紙が配置された型が挙げられる。この混合物は、この型を介して減圧濾過される。その結果、この混合物の液体成分であるセラミックスラリ中の分散媒は、混合物から抜け出ていくと共に、混合物は、減圧方向に圧縮される。その結果、図7に示すように、混合物中の固形成分である「セラミック粒子11で被覆された微小球10」が相互に寄り合うことによって最密充填構造状に微小球10が配置されると共に、「セラミック粒子11で被覆された微小球10」の間にセラミック粉体12が充填された成形体材料13が得られる。
【0041】
そして、この成形体材料13は、乾燥した後に次に説明する気化工程で処理される。なお、成形体材料13の乾燥は、10℃以上、30℃以下の雰囲気下に5時間乃至40時間程度放置し、次いで、30℃以上、120℃以下の雰囲気下に1時間乃至20時間程度放置して行うことが好ましい。このような条件で乾燥されることによって、成形体材料13は、ひびや反りが生じることなく効率良く乾燥される。なお、このような成形体材料13において、「セラミック粒子11で被覆された微小球10」(図6及び図7参照)は、前記した仮想球体4(図2(c)参照)に対応しており、「セラミック粒子11で被覆された微小球10」は、成形体材料13内で最密充填構造の配列を形成している。
【0042】
<気化工程>
次に、気化工程を主に図7及び図8を参照しながら説明する。
この気化工程では、成形体材料13(図7参照)内の微小球10(図7参照)が気化される。この気化工程では、成形体材料13が、炉内にて所定の昇温速度で加熱される。成形体材料13が加熱されると、成形体材料13内の微小球10が気化することによって、図8に示すように、成形体材料13(図7参照)の微小球10(図7参照)が存在していた部分が空洞化して球状セル2となる。その一方で、微小球10が気化する際に発生したガス圧によって、微小球10を被覆するセラミック粒子11が外れる。この際、相隣る球状セル2同士が近接した箇所のセラミック粒子11が優先的に外れる。その結果、図8に示すように、球状セル2同士を連通させる連通孔3が形成される。
【0043】
この連通孔3(図8参照)の大きさは、微小球10(図7参照)が気化する際に発生したガス圧の大きさを制御することによって調節することができる。つまり、ガス圧が大きければ大きいほど連通孔3の内径は大きくなる。そして、このガス圧の制御は、成形体材料13(図7参照)が配置される炉内の圧力、所定の加熱温度に至るまでの昇温速度及び前記加熱温度の保持時間等を調節することによって行われる。
【0044】
したがって、前記したような、球状セル2の内径のメジアン(MD)に対する連通孔3の内径のメジアン(Md)の比(Md/MD)が0.5未満であるセラミック成形体1(図3参照)を得るためには、具体的にいうと、炉内の圧力が、1Pa乃至1MPa程度に設定され、そして加熱温度が300℃以上、600℃以下に設定される場合において、加熱温度に至るまでの昇温速度が、5℃/時間以上、120℃/時間以下に設定され、前記保持時間が、30分乃至10時間程度に設定されればよい。さらに具体的に言うと、例えば、微小球10としてポリ(メタ)アクリル酸メチルが使用される場合には、炉内の圧力を0.1MPaに設定し、そして室温から加熱を開始すると共に500℃までの昇温速度を10℃/時間に設定し、保持時間を3時間程度に設定することができる。
【0045】
この気化工程では、成形体材料13(図7参照)が加熱されることによって、図8に示すような焼結用成形体14が製造される。つまり、この焼結用成形体14内には、図8に示すように、前記した球状セル2及び連通孔3が形成される。なお、この焼結用成形体14では、複数の球状セル2が最密充填構造状の配列を形成するように配置されていると共に、相隣る球状セル2同士が連通孔3を介して連通し合って三次元網目構造7を形成している。
【0046】
<焼結工程>
この焼結工程では、前記した焼結用成形体14(図8参照)が焼成される。この焼結工程で、焼結用成形体14(図8参照)が焼成されることによって、球状セル2を取り囲むセラミック粒子11及びセラミック粉体12は焼結して一体となる。その結果、焼結用成形体14は、図3に示すようなセラミック成形体1となる。
【0047】
焼結用成形体14の焼成温度は、セラミック粒子11及びセラミック粉体12の焼結温度に設定すればよいが、具体的には、1000℃以上、2300℃以下に設定されればよい。さらに具体的に言うと、例えば、セラミック粒子11及びセラミック粉体12として、SiCが使用される場合には、この焼成温度は1500℃程度に設定されればよい。そして、焼成時間は、2時間乃至6時間程度に設定されればよい。
【0048】
(金属基複合部材の製造方法)
次に、セラミック成形体1(図3参照)を使用した金属基複合部材5(図4参照)の製造方法について説明する。
金属基複合部材5は、図4に示すように、前記した焼結工程で得られたセラミック成形体1の球状セル2及び連通孔3に溶融した金属6が注入されることによって製造される。この金属6は、前記したAl、Al合金、Si、Si合金、Cu、Cu合金、Mg、Mg合金等が選択される。球状セル2及び連通孔3への溶融した金属6の注入は、セラミック成形体1を所定の金型内に設置して予熱した後に、公知の鋳造法を使用して行えばよい。中でも、低速層流ダイカスト法が好ましい。
【0049】
以上のような製造方法で得られた金属基複合部材5は、球状セル2内に充填された金属6が球状になっているので、金属6の熱膨張に異方性が生じない。また、この金属基複合部材5では、金属6が球状セル2内で拘束されると共に、金属6が金属基複合部材5内で三次元網目構造7を形成するように分布する。その結果、この金属基複合部材5は、金属基複合部材5内に充填された金属6の熱膨張が均一となる。そして、金属6が充填された球状セルの内径のメジアン(MD)に対する前記連通孔の内径のメジアン(Md)の比(Md/MD)は0.5未満に設定されている。したがって、金属基複合部材5は、従来の金属基複合部材(例えば、特許文献1参照)と比較して、熱膨張率が小さい。
【0050】
また、この金属基複合部材5は、球状セル2に充填された金属6が最密充填構造状の配列を形成するように配置されているので、その熱膨張率の低減効果が増大する。その結果、従来の金属基複合部材と同等の熱膨張率を達成するために、使用されるセラミック成形体1の必要な体積分率を低くすることができる。つまり、セラミック成形体1に対する溶湯の溶浸性を向上させることができる。
【0051】
このような金属基複合部材5は、機械的強度が優れていると共に、熱膨張率が小さいことから、その適用範囲は広い。具体的に言うと、この金属基複合部材5は、例えば、エンジンのシリンダボア周り、シリンダヘッドのガスケット面、ボルト締結座面、ジャーナル軸受周り、バルブシート圧入部及びバルブガイド圧入部等に好適に使用することができる。
【0052】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態には限定されない。例えば、前記実施形態では、球状セル2の配置が面心立方格子を形成するように配置されて面心最密充填構造状に配列しているが、本発明は、六方最密充填構造状又は体心最密充填構造状に球状セル2が配列したものであってもよい。また、球状セル2は、本発明の目的(課題)を阻害しない限り、アモルファスのようにランダムに配置されたものであってもよい。ちなみに、球状セル2がランダムに配置されるものは、球状セル2が最密充填構造状に配列するように配置されたものと比較して、微小球10のバラツキに幅があってもよい。
【0053】
また、前記実施形態では、セラミック成形体1が略立方体の形状になっているが、本発明は製造する金属基複合部材5の形状に応じて適宜に変更することができる。
【実施例】
【0054】
次に、本発明の効果を確認した実施例について説明する。
(実施例1)
<セラミック成形体の製造>
(i) 微小球の準備工程
セラミック成形体を製造するために、ポリメチルメタクリレート樹脂からなる有機微小球(綜研化学社製、商品名MR−90G)を準備した。この有機微小球の外径は、メジアンで90μmであった。この有機微小球は、図6に示す微小球10に対応する。
【0055】
(ii) 充填工程
次に、この有機微小球の表面を、SiCからなるセラミック粒子(屋久島電工社製、商品名OY−20)で被覆した。このセラミック粒子の外径は、メジアンで0.5μmであった。このセラミック粒子は、図6に示すセラミック粒子11に対応する。なお、有機微小球の表面へのセラミック粒子の被覆は、有機微小球1質量部、セラミック粒子1質量部及びポリビニルアルコール0.1質量部からなる組成物を、この組成物に剪断力を加えながら有機微小球、セラミック粒子及びポリビニルアルコールを混合することによって行った。この混合には、ホソカワミクロン社製、AM−15Fが使用された。この際、混合器の回転速度は1000rpmに設定され、混合時間は30分に設定され、そして、インナーピース距離は1mmに設定された。
【0056】
次に、「セラミック粒子で被覆された有機微小球」とセラミックスラリとの混合物を調製した。この混合物は、「セラミック粒子で被覆された有機微小球」の体積V1と、セラミックスラリの体積V2との比が、V1:V2=6:4乃至9:1の範囲に入るように調製された。
【0057】
また、セラミックスラリは、SiCからなるセラミック粉体(屋久島電工社製、商品名OY−20)61.7質量部、四級アンモニウム塩2.8質量部、アクリルエマルジョン1.9質量部及び蒸留水33.6質量部を混合して調製された。なお、セラミック粉体の粒子径は、メジアンで0.5μmであった。このセラミック粉体は、図7に示すセラミック粉体12に対応する。
【0058】
次に、この混合物を流し込むための型を準備した。この型は、縦が25mm、横が35mm、そして深さが45mmのキャビティを有するものであり、この型の底部には、キャビティ内に連通する吸引口が設けられている。そして、この型の底部に設けられた吸引口上には、ガラス繊維製濾紙(孔径0.7μm)が配置されている。
【0059】
次に、この型内に前記した混合物を流し込むと共に、吸引口を介して吸引することによって混合物を減圧濾過した。そして、キャビティ内に成形体材料を得た。この成形体材料は、図7に示す成形体材料13に対応する。成形体材料は、型から外された後に乾燥された。この成形体材料の乾燥は、20℃の雰囲気下に20時間放置した後、さらに90℃の雰囲気下に1時間放置することによって行った。
【0060】
(iii) 気化工程
次に、乾燥させた成形体材料を炉内にて加熱した。このときの炉内の圧力は、0.1MPaに設定された。そして、室温から加熱を開始すると共に500℃までの昇温速度が10℃/時間に設定され、500℃での保持時間が3時間程度に設定された。このように成形体材料を加熱することによって、焼結用成形体を得た。この焼結用成形体は、図8に示す焼結用成形体14に対応する。
【0061】
(iv) 焼結工程
次に、得られた焼結用成形体を炉内にて焼成した。この際、炉内の圧力は、0.1MPaに設定され、焼成温度は、2100℃に設定され、焼成時間は、3時間に設定された。このような焼成によって、セラミック成形体を得た。このセラミック成形体は、図1及び図3に示すセラミック成形体1に対応する。
【0062】
<セラミック成形体の解析>
次に、得られたセラミック成形体が、三次元CT(3D−CT)を使用して解析された。その結果、セラミック成形体内において、セラミック粒子及びセラミック粉体は、焼結して一体となっていた。そして、セラミック成形体内には、無数の球状セルがセラミック成形体の全体にわたって均一に分布しており、相隣る球状セル同士が連通孔で連通し合っていることが確認された。また、各球状セルは、連通孔を介して相互に連通することによって三次元網目構造を形成していることが確認された。この球状セル及び連通孔は、図8に示す球状セル2及び連通孔3に対応する。
【0063】
そして、球状セルの内径のメジアン(MD)を三次元CTの解析データに基づいて算出した結果、球状セルの内径のメジアン(MD)は、80μmであった。また、連通孔の内径のメジアン(Md)を、水銀圧入法を使用して求めた。連通孔の内径のメジアン(Md)は、16μmであった。つまり、このセラミック成形体の(Md/MD)は、0.2となっていた。
【0064】
また、このセラミック成形体について、三次元CTの解析データに基づいて、球状セルの内径のバラツキを求めた。その結果を図9に示す。図9は、球状セルの内径(μm)と、セラミック成形体における球状セルの存在確率(%)との関係を示すグラフである。
【0065】
<金属基複合部材の製造>
前記のセラミック成形体は、その大きさが、縦が20mm、横が30mm、そして高さが40mmとなるように切削加工された。金属基複合部材は、このセラミック成形体の球状セル及び連通孔にアルミニウム合金(JIS ADC12)が充填されることによって製造された。球状セル及び連通孔へのアルミニウム合金の充填は、溶融したアルミニウム合金を、低層流ダイカスト法を使用して球状セル及び連通孔に注入することによって行った。この際、セラミック成形体の予熱温度は、500℃に設定され、アルミニウム合金の溶湯の温度は、680℃に設定され、アルミニウム合金の溶湯の射出速度は、0.2m/秒に設定され、そして鋳造圧力は、75MPaに設定された。
このようにして得られた金属基複合部材は、セラミック成形体の体積分率Vfが30%であった。
【0066】
<金属基複合部材の熱膨張率の測定試験>
前記の金属基複合部材について、熱膨張率の測定試験を行った。この熱膨張率の測定試験には、製造された金属基複合部材から切り出された円柱状のテストピース(直径4mm、高さ15mm)が使用された。そして、熱膨張率の測定には、理学電気(株)製のTMA8410型の熱膨張率測定器が使用された。その結果を表1に示す。なお、表1中、「連続性」の欄には、使用されたセラミック成形体中に形成された球状セルの連続性の有無(後記する比較例における「セル」の連続性の有無)が記載されている。また、「均一性」の欄には、使用されたセラミック成形体における球状セルの分布の均一性の有無(後記する比較例における「セル」の分布の均一性の有無)が記載されている。
【0067】
(比較例1)
発泡セラミック成形体(MMI社製)を準備した。この発泡セラミック成形体は、連続孔を有する発泡性樹脂にセラミック粒子を担持させた後に、発泡性樹脂を焼失させると共にセラミック粒子を焼結させたものである。なお、セラミック粒子は、実施例1と同じSiCが使用されている。
【0068】
この発泡セラミック成形体について、実施例1と同様にして三次元CTによる解析を行った。その結果、発泡セラミック成形体内には、連続する複数のセルが確認された。そして、相隣るセル同士は融合し合うと共に、セル同士は相互に共有する開口を介して繋がっていた。また、各セルの大きさ及び形状並びに発泡セラミック成形体におけるセルの分布は不均一となっていた。
【0069】
そして、実施例1と同様にして、セルの内径のメジアン(MD)及びセル同士を繋ぐ開口の内径のメジアン(Md)を求めた。なお、セルの内径のメジアン(MD)及び開口の内径のメジアン(Md)は、セルの直径及び開口の直径を測定することによって求めた。その結果、セルの内径のメジアン(MD)は、100μmであり、開口の内径のメジアン(Md)は、20μmであった。つまり、この発泡セラミック成形体の(Md/MD)は、0.2となっていた。
【0070】
また、この発泡セラミック成形体について、三次元CTの解析データに基づいて、セルの内径のバラツキを求めた。その結果を図9に示す。
【0071】
次に、この発泡セラミック成形体を使用して実施例1と同様にして金属基複合部材を製造した。この金属基複合部材は、発泡セラミック成形体の体積分率Vfが30%であった。そして、得られた金属基複合部材について、実施例1と同様にして熱膨張率を測定した。その結果を表1に示す。
【0072】
(比較例2)
実施例1のセラミック成形体に充填した金属と同様の金属、つまりアルミニウム合金(JIS ADC12)中に、SiCからなるセラミック粒子を分散させた金属基複合部材を製造した。セラミック粒子の粒子径は、メジアンで15μmであった。また、アルミニウム合金へのセラミック粒子の分散量は、この金属基複合部材におけるセラミック粒子の体積分率Vfが30%になるように設定した。そして、得られた金属基複合部材について、実施例1と同様にして熱膨張率を測定した。その結果を表1に示す。
【0073】
(比較例3)
ここでは有機微小球として、外径が90μm(メジアン)のポリメチルメタクリレート樹脂からなる有機微小球(綜研化学社製、商品名MR−90HG)を準備した。また、実施例1の「気化工程」の炉内の昇温速度を30℃/時間に変更すると共に、炉内の圧力を40Paに変更した以外は、実施例1と同様にしてセラミック成形体を製造した。
【0074】
次に、得られたセラミック成形体について、実施例1と同様にして三次元CTによる解析を行った。その結果、セラミック成形体内には、無数の球状セルがセラミック成形体の全体にわたって均一に分布しており、相隣る球状セル同士が連通孔で連通し合っていることが確認された。また、各球状セルは、連通孔を介して相互に連通することによって三次元網目構造を形成していることが確認された。
【0075】
そして、実施例1と同様にして、球状セルの内径のメジアン(MD)及び連通孔の内径のメジアン(Md)を求めたところ、球状セルの内径のメジアン(MD)は、100μmであり、連通孔の内径のメジアン(Md)は、50μmであった。つまり、このセラミック成形体の(Md/MD)は、0.5となっていた。
【0076】
次に、このセラミック成形体を使用して実施例1と同様にして金属基複合部材を製造した。この金属基複合部材は、セラミック成形体の体積分率Vfが30%であった。そして、得られた金属基複合部材について、実施例1と同様にして熱膨張率を測定した。その結果を表1に示す。
【0077】
【表1】

【0078】
(金属基複合部材の熱膨張率の評価及び考察)
表1から明らかなように、実施例1の金属基複合部材の熱膨張率は、比較例1、比較例2及び比較例3の金属基複合部材の熱膨張率と比較して小さいことが確認された。
実施例1の金属基複合部材が、比較例1及び比較例2と同じ体積分率Vfのセラミック(比較例1では、セラミック成形体、比較例2では、分散セラミック粒子)を使用しているにも係わらずに熱膨張率が小さいのは、実施例1の金属基複合部材は、球状セルに充填された金属が球状になっているので、金属の熱膨張に異方性が生じないためであると考察される。また、実施例1の金属基複合部材の熱膨張率が小さいのは、金属が球状セルで拘束されると共に、金属が金属基複合部材内で三次元網目構造を形成するように分布することによって、金属が金属基複合部材内で均一に分布しているからであると考察される。
ちなみに、実施例1の金属基複合部材と比較例1の金属基複合部材との比較では、図9から明らかなように、実施例1の球状セルの内径は、比較例1のセルの内径と比較して、そのバラツキが小さい。そして、実施例1の球状セルの内径の分布がシャープなピークで現われているのに対し、比較例1のセルの内径の分布は、ブロードであり、しかも2つのピークが現われている。
【0079】
そして、表1から明らかなように、実施例1の金属基複合部材の熱膨張率が、12.3×10-6/Kであるのに対して、比較例3の金属基複合部材の熱膨張率は、13.5×10-6/Kとなっており、実施例1の金属基複合部材は、比較例3の金属基複合部材と比較して熱膨張率が低減されている。
このように球状セルの内径のメジアン(MD)に対する連通孔の内径のメジアン(Md)の比(Md/MD)を0.5未満にすることによって熱膨張率が小さくなるのは、連通孔が延びる方向への金属の熱膨張が低減されるため、金属基複合部材内における金属の熱膨張が均一化されるためであると考察される。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】実施形態に係るセラミック成形体を模式的に示す斜視図である。
【図2】図2(a)、図2(b)及び図2(c)は、「球状セルの最密充填構造状の配列」を説明するための図である。
【図3】図1中のA−A線における断面の様子を部分的に示した図である。
【図4】実施形態に係るセラミック成形体を使用して製造された金属基複合部材の図である。
【図5】実施形態に係るセラミック成形体の製造方法の工程説明図である。
【図6】実施形態に係るセラミック成形体の製造方法を構成する充填工程で製造される「セラミック粒子で被覆された微小球」の概念図である。
【図7】実施形態に係るセラミック成形体の製造方法を構成する充填工程で製造される成形体材料の概念図である。
【図8】実施形態に係るセラミック成形体の製造方法を構成する気化工程で製造される焼結用成形体の概念図である。
【図9】球状セルの内径(μm)と、セラミック成形体における球状セルの存在確率(%)との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0081】
1 セラミック成形体
2 球状セル
3 連通孔
5 金属基複合部材
6 金属
7 三次元網目構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
球状の気泡である球状セルがその内部に複数形成されたセラミック成形体であって、
相隣る前記球状セル同士が連通孔を介して連通し合って三次元網目構造を形成していると共に、前記球状セルの内径のメジアン(MD)に対する前記連通孔の内径のメジアン(Md)の比(Md/MD)が0.5未満であることを特徴とするセラミック成形体。
【請求項2】
複数の前記球状セルが、最密充填構造状の配列を形成するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のセラミック成形体。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のセラミック成形体の前記球状セル及び前記連通孔に金属が充填されていることを特徴とする金属基複合部材。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−1747(P2006−1747A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−176317(P2004−176317)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】