説明

セルを識別する情報の少なくとも1つの監視リストを更新する方法及びデバイス、並びにこの方法に関連したコンピュータプログラム

【課題】限られたコンピューティング資源で隣接セルの正確な監視リストを決定することができる方法を提供する。
【解決手段】基地局は、移動端末が移動して通ったセルを識別する情報を含んだパスリストを含むメッセージを受信し、セルを識別する情報の少なくとも1つの監視リストを受信されたパスリストの内容に従って更新し、受信されたパスリストの内容から少なくとも1つの変更パスリストを求め、かつ、変更パスリスト又は各変更パスリストについて、その変更パスリストの内容から別の基地局を決定し、別の基地局へその変更パスリストを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線電気通信ネットワークの基地局によって管理されるセル内でこの基地局により転送されるセルを識別する情報の監視リストを更新する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
少なくとも1つのセルをそれぞれ管理する複数の基地局で構成された無線セルラー電気通信ネットワークでは、セル内に位置している移動端末は、その移動端末が位置しているそのセルを管理する基地局BSを通じて、通信の確立又は受信又は継続を行うことができる。
【0003】
各基地局は、自身が管理する各セル内で、別のセルを識別する情報を含む監視リストを転送する。移動端末は、これらのセル内で転送される信号を監視し、移動端末が位置しているセルを管理する基地局に測定報告を送信する。この測定報告は、受信信号の品質についての情報を含み、定期的、又は所定タイプのイベントが検出される時のいずれかに報告される。このようなイベントは、異なる信号の品質値が互いに交差している時又は異なる信号の品質値が所定のしきい値と交差している時に検出できる。このようなイベントは、通信が別の基地局を介して転送されるべき場所でのハンドオーバの状況を検出するのに有用である。
【0004】
移動端末が、基地局を通じてリモート電気通信デバイスと通信している時、ネットワークは、測定報告に従って、通信のハンドオーバ処理に進むこと、すなわち、別の基地局を通じて通信の継続を可能にすることを決定できる。
【0005】
都合が悪いことに、移動端末によってスキャンされて測定されるセルの個数は、多くなる可能性がある。受信された無線レベルの正確な測定を実現するために移動端末側で利用可能な時間及び物理的資源は、限られている。また、あまりにも多くの品質値の定期的な報告は、アップリンクチャネルのシグナリング容量を消費する。したがって、このような報告は、時間を要し、ハンドオーバ処理において望ましくない待ち時間をもたらすか、又は、アップリンクチャネルの帯域幅を消費し、アップリンクチャネルを有用なデータに使用できない。
【0006】
したがって、今後のスムーズなハンドオーバに実際に重要となるセルの信号の品質の測定及び報告に、移動端末がその測定時間及び資源を集中できるようにするために、基地局は、別のセルを識別する情報を含む監視リストの内容を、自身が管理する1つ又は複数のセルの隣接したセルに限定すべきである。
【0007】
上述した、隣接セルの監視リストの内容の制限に関する問題は、それが隣接セルリストのアプリオリな知識に依拠しているということである。この監視リストは、既知の最適化技法から決定される。この既知の最適化技法は、都合が悪いことに、無線伝搬予測ツール等の予測ツールに依拠している。
【0008】
無線伝搬予測ツールは、通常、精度が限られており、かなり集中的なコンピュータシミュレーションを必要とする。
【0009】
無線セルラー電気通信ネットワークにおいて、セルが追加又は除去されるたびに、近傍の状況は変更され、更新された隣接セルの監視リストを得るために、新たに最適化が行われなければならない。無線セルラー電気通信ネットワークのメンテナンスは、困難な仕事であり、厳しい調整を行わなければならない。
【0010】
したがって、本発明の目的は、従来の無線計画を必要としない解決法を提案することを可能にし、且つ、限られたコンピューティング資源で隣接セルの正確な監視リストを決定することができる方法及びデバイスを提案することである。
【0011】
この目的のために、本発明は、無線電気通信ネットワークの基地局によって管理される少なくとも1つのセル内で基地局により転送される、セルを識別する情報の少なくとも1つの監視リストを更新する方法であって、
少なくとも1つの監視リストは、当該少なくとも1つの監視リストが転送される基地局によって管理されるセルに隣接したセルを識別する情報を含み、
当該方法は、
基地局によって実行されるステップであって、
移動端末が移動して通ったセルを識別する情報を含んだパスリストを含むメッセージを受信するステップと、
セルを識別する情報の少なくとも1つの監視リストを受信されたパスリストの内容に従って更新するステップと、
受信されたパスリストの内容から少なくとも1つの変更パスリストを求めるステップと、
変更パスリスト又は各変更パスリストについて、
その変更パスリストの内容から別の基地局を決定するステップと、
別の基地局へその変更パスリストを送信するステップと
を含むことを特徴とする、方法に関する。
【0012】
本発明は、基地局によって管理される少なくとも1つのセル内で基地局により転送される、セルを識別する情報の少なくとも1つの監視リストを更新するデバイスであって、
少なくとも1つの監視リストは、少なくとも1つの監視リストが転送される基地局によって管理されるセルに隣接したセルを識別する情報を含み、
当該デバイスは、基地局に含まれ、且つ、
移動端末が移動して通ったセルを識別する情報を含んだパスリストを含むメッセージを受信する手段と、
セルを識別する情報の少なくとも1つの監視リストを受信されたパスリストの内容に従って更新する手段と、
受信されたパスリストの内容から少なくとも1つの変更パスリストを求めることと、
変更パスリスト又は各変更パスリストについて、その変更パスリストの内容から少なくとも1つの別の基地局を決定する手段と、
変更パスリスト又は各変更パスリストについて、別の基地局又は別の各基地局へその変更パスリストを送信する手段と
を備えることを特徴とする、デバイスにも関する。
【0013】
したがって、もはや無線計画を有する必要はない。移動端末が移動して通ったセルを識別する情報を使用することにより、基地局によって管理される或るセルに隣接したあらゆる新しいセルに気付くことが可能になる。
【0014】
さらに、少なくとも1つの別の基地局が、その別の基地局によって管理されるセルに隣接したあらゆる新しいセルに気付くことも可能である。
【0015】
特定の特徴によれば、
基地局は、
基地局によって管理される或るセルを識別する情報をパスリストにおいて識別し、
パスリストにおいて基地局によって管理される或るセルを識別する情報のすぐ後に続く別のセルを識別する情報を、パスリストにおいて識別し、
基地局によって管理される或るセル及び別のセルに関連付けられているカウンタの値を更新し、且つ、
基地局によって管理される或るセル内で基地局によって転送される、セルを識別する情報の監視リストは、カウンタの値に従って更新される。
【0016】
したがって、その別のセルが、移動端末がこの基地局によって管理されるセルを去る時に入る可能性があるセルであるか否かを判断することが可能である。カウンタは、多数の移動端末に対応する、受信された多くの連続したメッセージに含まれる情報を反映するので、無線伝搬状態の変更に起因するセル間の典型的な隣接状態のあらゆる変更を検出することが可能である。
【0017】
特定の特徴によれば、
基地局は、
基地局によって管理される或るセルを識別する情報をパスリストにおいて識別し、
パスリストにおいて基地局によって管理される或るセルを識別する情報のすぐ前の別のセルを識別する情報を、パスリストにおいて識別し、
基地局によって管理される或るセル及び別のセルに関連付けられているカウンタの値を更新し、且つ、
基地局によって管理される或るセル内で基地局によって転送される、セルを識別する情報の監視リストは、カウンタの値に従って更新される。
【0018】
したがって、その別のセルが、移動端末がこの基地局によって管理されるセルに入る時に去る可能性があるセルであるか否かを判断することが可能である。カウンタは、多数の移動端末に対応する、受信された多くの連続したメッセージに含まれる情報を反映するので、無線伝搬状態の変更に起因するセル間の典型的な隣接状態のあらゆる変更を検出することが可能である。
【0019】
特定の特徴によれば、別のセル内で基地局によって転送される、セルを識別する情報の監視リストは、別のセルが基地局によって管理される場合に、カウンタの値に従って更新される。
【0020】
したがって、この基地局によって管理されるセルにおいて転送される複数の監視リストは、単一のメッセージの受信後に一度に更新される。メッセージの個数が削減される。
【0021】
特定の特徴によれば、
基地局は、
受信されたパスリストにおいて、基地局によって管理される第1のセルを識別する第1の情報を選択し、
受信されたパスリストにおいて、第2のセルを識別する第2の情報を選択し、
受信されたパスリストにおいて、第1の情報と第2の情報との間に含まれるセルを識別する各情報を選択し、且つ、
変更パスリストは、第1の情報、第1の情報と第2の情報との間の各情報、及び第2の情報で構成される。
【0022】
したがって、変更パスリストを求めることは、最初の順序付きパスリストをサブリストに切り分けることにその本質があり、これは移動端末が移動して通ったセルの順序に影響を与えないので、変更パスリストを求めることは、実現が簡単である。
【0023】
特定の特徴によれば、選択された第1の情報は、受信されたパスリストにおいて、基地局によって管理されないセルを識別する情報が受信されたパスリストにおいて後に続く、基地局によって管理されるセルを識別する第1の情報である。
【0024】
したがって、受信されたパスリストにおいてこの基地局によって管理されるセルを識別する第1の情報の前にある、この基地局によって管理されるセルを識別する情報は、変更パスリストの一部とはならない。なお、第1の情報は、受信されたパスリストにおいて、この基地局によって管理されないセルを識別する情報が後に続く。このような情報は、この基地局によって管理されるセル間の隣接関係にしか影響を与えず、別の基地局へ転送される必要はない。シグナリングは最小にされる。
【0025】
特定の特徴によれば、選択された第2の情報は、受信されたパスリストにおいて選択された第1の情報に続く初めの基地局のセルを識別する情報である。
【0026】
したがって、基地局が、求められた変更パスリストから同様の方法を用いて求められた変更パスリストを別の基地局からさらに受信する機会はない。受信されたパスリストで観察されるセル間の遷移は、1回しかカウントされない。基地局の処理は最小にされる。基地局間のシグナリングも最小にされる。
【0027】
特定の特徴によれば、複数の変更パスリストが求められ、変更パスリストを求めるための選択された少なくとも1つの第2の情報は、次の変更パスリストを求めるための第1の情報である。
【0028】
したがって、受信されたパスリストの、すべての基地局にわたる処理は、並列的に扱われることになり、要する時間はより少なくなる。監視リストをより高速に更新できる。
【0029】
加えて、受信されたパスリストが、ループを含む移動端末の軌跡を表している場合に、基地局は、このような軌跡を1回しか処理しない。
【0030】
特定の特徴によれば、第2の情報は、受信されたパスリストの最後の情報である。
【0031】
したがって、変更パスリストを求めることは簡単であり、次の変更パスリストを求めることが可能でないときに実現できる。
【0032】
特定の特徴によれば、
別の基地局は、変更パスリストにおいて第1の情報のすぐ後に続く第3のセルを識別する第3の情報を、変更パスリストにおいて選択することによって決定され、且つ、
別の基地局は、選択された第3の情報によって識別されるセルを管理する基地局である。
【0033】
したがって、別の基地局は、移動端末が、この別の基地局によって管理され且つ選択された第3の情報によって識別される別のセルに入る前に、この基地局により管理され且つ第1の情報によって識別されるセルを去ったことを観察すると、監視リストを更新できる。
【0034】
特定の特徴によれば、移動端末が移動して通ったセルを識別する情報のパスリストを含むメッセージは、無線電気通信ネットワークの別の基地局から、又は、無線電気通信ネットワークのサーバから、又は、移動端末から受信される。
【0035】
したがって、このようなリストのシグナリングは、効率的な方法で行われる。移動端末は、メッセージを1回しか送信する必要がないので、移動端末のバッテリーを節減できる。サーバは、パスリストを1回しか送信しないので、サーバの処理能力を節減できる。
【0036】
特定の特徴によれば、別の基地局も、少なくとも1つの監視リストを更新する方法及びステップを実行する。
【0037】
したがって、変更パスリストに含まれる情報は、連続した基地局によって取り扱うことができ、受信されたパスリストにおいて識別されたすべてのセル内で転送される監視リストは、移動端末が移動して通ったセルのリストを表すパスリストに従って更新されることになる。
【0038】
更新された各監視リストは、実際のモビリティ状態及びセル間の典型的な無線隣接状態をより良く反映する。無線電気通信ネットワークは、無線計画を必要とせず、無線伝搬状態が変化していることを検出するために複雑な方式も必要としない。
【0039】
さらに別の態様によれば、本発明は、プログラマブルデバイス内へ直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムがプログラマブルデバイス上で実行されると本発明による方法のステップを実施する命令又はコード片を含む、コンピュータプログラムに関する。
【0040】
コンピュータプログラムに関連した特徴及び利点は、本発明による方法及びデバイスに関連した、上記で説明したものと同じであるので、ここでは繰り返さないことにする。
【0041】
本発明の特徴は、実施形態の一例の以下の説明を読むことによってより明らかになる。上記説明は、添付図面について作成されている。
【0042】
図1は、本発明による移動電気通信ネットワークのアーキテクチャを表す第1の図である。
【0043】
この移動電気通信ネットワークでは、サーバ20が、電気通信ネットワーク50を通じて複数の基地局BS1〜BS4に接続されている。電気通信ネットワーク50は、専用有線ネットワーク、又は、公衆交換ネットワークのような公衆ネットワーク、又は、IPベースネットワーク、又は、無線ネットワーク、又は、非同期転送モードネットワーク、又は、上記列挙したネットワークの組み合わせである。
【0044】
電気通信ネットワーク50は、本発明によれば、基地局BS1〜BS4を互いに接続して、基地局BS1〜BS4の間又は基地局BS1〜BS4とサーバ20との間のメッセージ及び情報の転送を可能にする。
【0045】
各基地局BS1〜BS4は、少なくとも1つの無線エリア15を通じてデータの転送及び/又は受信を行うことができる。このような無線エリア15は、以下では、基地局BSによって管理されるセル15と呼ばれる。
【0046】
図1の例によれば、基地局BS1はセル151及び152を管理し、基地局BS2はセル153及び154を管理し、基地局BS3はセル155及び156を管理し、基地局BS4はセル157及び158を管理する。
【0047】
サーバ20は、移動電気通信ネットワークの基地局BS1〜BS4に関連した情報を記憶する。サーバ20は、各基地局BSが管理する各セル15を識別する情報を記憶する。
【0048】
図1では、1つのサーバ20しか示されていないが、より多くの個数のサーバ20を本発明で使用できることを理解することができる。
【0049】
同様に、4つの基地局BS1〜BS4及びそれらの各セル15しか示されていないが、より多くの個数の基地局BS及びセル15を本発明で使用できることを理解することができる。
【0050】
3GPPで現在論議されている長期的発展型(LTE)ネットワークでは、サーバ20は、モビリティ管理エンティティ(MME)と呼ばれる。汎用パケット無線サービスネットワークでは、サーバ20は、サービングGPRSサポートノード(SGSN)と呼ばれる。移動IPネットワークでは、サーバ20は外部エージェント(FA)と呼ばれ、GSMネットワークでは、サーバ20は、在圏ロケーションレジスタ(VLR)と呼ばれる。
【0051】
図1では、移動端末30が示されている。この移動端末30は、基地局BS4のセル158に位置している。
【0052】
移動端末30は、セル158に位置する前に、矢印記号A12によって示すようにセル151からセル152に、矢印記号A23によって示すようにセル152からセル153に、矢印記号A34によって示すようにセル153からセル154に、矢印記号A42によって示すようにセル154からセル152に、矢印記号A25によって示すようにセル152からセル155に、矢印記号A57によって示すようにセル155からセル157に、矢印記号A71によって示すようにセル157からセル151に連続的に移動し、最終的に矢印記号A18によって示すようにセル151からセル158に移動している。
【0053】
移動端末30は、セル15内に位置しているときに、移動端末30が位置しているセル15を管理する基地局BSを通じて、通信の確立若しくは受信若しくは継続を行うことができるか、又はページング通知メッセージを受信できる。
【0054】
サーバ20は、移動端末30が位置していると予想されるトラッキングエリアのセル15を少なくとも管理する基地局BSにページング通知をルーティングできるように、無線セルラー電気通信ネットワークにおいて、移動端末30のロケーションの軌跡を保管(keep)することを担当する。このようなページング通知は、さまざまな場合に起こり得るが、主として、ネットワークから移動端末30に着信コールをルーティングしなければならない時に起こり得る。その場合、基地局30は、移動端末30がリスン(listen)できるページングメッセージを、無線によって送信できる。移動端末30は、ページングメッセージを受信すると、コールを受け付けるためにウェークアップしてシグナリングをトリガできる。
【0055】
セル151〜157は、好ましくは、移動端末30に割り当てられたトラッキングエリアに含まれる。
【0056】
例えばセル158等、移動端末が現在属しているトラッキングエリアに属していないセル15内に移動端末30が入る時、移動端末30は、該移動端末15が入るセル158を制御する基地局BS4を通じて、サーバ20にトラッキングエリア更新メッセージを送信する。このメッセージは、前に転送されたトラッキングエリア更新メッセージの後に移動端末30が通過したセル15の少なくとも一部を識別する情報を含む。好ましい実施態様では、このメッセージは、移動端末30が現在位置しているセル15を識別する情報を含む。したがって、サーバ20は、移動端末30がどのセル15に位置しているのかを常に知らされ、移動端末30が位置しているセル15を含む新しいトラッキングエリアを決定でき、その新しいトラッキングエリアに属する1つのセル15を制御する各基地局BSに、このような移動端末30へのページング表示をルーティングできる。
【0057】
ここで、移動端末30が通過したセル15の少なくとも一部を識別する情報を含むトラッキングエリア更新メッセージを送信する代わりに、移動端末は、専用メッセージを例えば定期的に送信することに留意しなければならない。この専用メッセージは、移動端末30が通過したセル15を識別する情報を含む。
【0058】
各基地局BSは、自身が管理する各セル15内で、別のセル15を識別する情報を含む監視リストを転送する。移動端末30は、これらのセル15内で転送される信号を監視し、移動端末30が位置しているセル15を管理する基地局BSに測定報告を送信する。
【0059】
たとえば、移動端末30が、図1に図示しないリモート電気通信デバイスと基地局BSを通じて通信している時、その基地局BS又はサーバ20は、測定報告に従って、通信のハンドオーバ処理に進むこと、すなわち、別の基地局BSを通じて通信の継続を可能にすることを決定できる。
【0060】
図2は、本発明による基地局のブロック図である。
【0061】
各基地局BSは、たとえば、バス201によって互いに接続されているコンポーネントと、図3a及び図3b又は図5に開示するようなプログラムによって制御されるプロセッサ200とに基づくアーキテクチャを有する。
【0062】
バス201は、プロセッサ200を、読み出し専用メモリROM202、ランダムアクセスメモリRAM203、ネットワークインターフェース204、及び無線インターフェース206にリンクする。
【0063】
メモリ203は、変数、基地局BSによって管理されるセル15の隣接セルとして知られているセル15のようなセル15を識別する情報及び隣接セル15を管理する基地局BSの識別子、移動端末30又は別の基地局BS又はサーバ20によって転送されたメッセージの内容、並びに、図3a及び図3b又は図5に開示されるようなアルゴリズムに関係したプログラムの命令を収容することを目的としたレジスタを含む。
【0064】
プロセッサ200は、ネットワークインターフェース204及び無線インターフェース206のオペレーションを制御する。
【0065】
読み出し専用メモリ202は、図3a及び図3b又は図5に開示されるようなアルゴリズムに関係したプログラムの命令を含む。これらの命令は、基地局BSの電源が導入された際に、ランダムアクセスメモリ203へ転送される。
【0066】
基地局BSは、ネットワークインターフェース204を通じて電気通信ネットワーク50に接続されている。例として、ネットワークインターフェース204は、DSL(デジタル加入者線)モデム又はISDN(サービス統合デジタル網)インターフェース等である。このようなインターフェースを通じて、基地局BSは、サーバ20及び無線セルラー電気通信ネットワークの別の基地局BSと情報を交換する。基地局BSによって管理される各セル15に含まれる移動端末30により確立又は受信される通信は、ネットワークインターフェース204及び無線インターフェース206を通過する。
【0067】
無線インターフェース206を通じて、基地局BSは、セル15を識別する情報の監視リストを転送し、測定報告、及び、移動端末30が通過したセル15を識別する情報を含んだパスリストを含むメッセージを移動端末30から受信する。
【0068】
図3a及び図3bは、本発明の第1の実現モードに従って各基地局により実行されるアルゴリズムを表している。
【0069】
本アルゴリズムは、各基地局BSのプロセッサ200によって実行される。
【0070】
ステップS300では、プロセッサ200は、無線インターフェース206又はネットワークインターフェース204を通じた、メッセージの受信を検出する。
【0071】
受信されたメッセージは、移動端末30が通過したセル15の少なくとも一部を識別する情報を含んだパスリストを含むメッセージであり、この情報は、好ましくは、無線電気通信ネットワークのセル15の移動端末30の移動に従って順序付けられたものである。
【0072】
このパスリストは、好ましくは、移動端末15が入るセル158を制御する基地局BS4を通じたサーバ20へのトラッキングエリア更新メッセージにより、移動端末30によってサーバ20に転送される。サーバ20は、パスリストに識別情報が1番としてランク付けされているセル151を管理する基地局BS1にパスリストを転送する。パスリストは、図4のライン40に開示されたリストの通りである。
【0073】
ここで、一変形例では、基地局BS4は、移動端末30が通過したセル15の少なくとも一部を識別する情報のパスリストを直接取得するために、移動端末30によってサーバ20に転送されたメッセージを詮索(snoop)することに留意しなければならない。
【0074】
また、一変形例では、サーバ20は、パスリストに識別情報が最後としてランク付けされているセル158を管理する基地局BS4にパスリストを転送することにも留意しなければならない。
【0075】
一変形例では、パスリストは、たとえば基地局BS4のような別の任意の基地局からネットワークインターフェース204を介して受信される。
【0076】
図4は、本発明の第1の実現モードに従って転送されるメッセージの内容を示している。
【0077】
ライン40は、セル151、152、153、154、152、155、157、151、及び158を識別する順序付き情報を含む。これらのセルは、ステップS300で受信されるメッセージに含まれたパスリストに含まれている。
【0078】
次のステップS301では、プロセッサ200は、この基地局BSが管理する少なくとも1つのセル15を識別する情報をパスリストにおいて検索する。
【0079】
例として、メッセージは基地局BS1によって受信され、プロセッサ200は図4のライン40においてセル151及び152を識別する。
【0080】
次のステップS302では、プロセッサ200は、基地局BSが管理するセル151又は152を識別する情報があるか否かをチェックする。
【0081】
情報がセル151も152も識別しない場合には、プロセッサ200は、ステップS300に戻り、新しいメッセージの受信を待つ。情報がセル151又は152を識別する場合には、プロセッサ200はステップS303に移行する。
【0082】
ステップS303では、プロセッサ200は、パスリストにおいて、自身が管理するセル15を識別する第1の情報を選択する。例として、プロセッサ200は、順序付きパスリストにおいて、自身が管理するセル15を識別する第1の情報、すなわち、セル151を識別する情報を選択する。
【0083】
次のステップS304では、プロセッサ200は、ステップS303で選択された情報よりも前に、セル15を識別する情報がパスリストにあるか否かをチェックする。
【0084】
パスリストにおいて、ステップS303で選択された情報よりも前に、セル15を識別する情報がある場合には、プロセッサ200は、ステップS305に移行する。この情報がない場合には、プロセッサ200は、ステップS310に移行する。
【0085】
ステップS310では、プロセッサ200は、パスリストにおいて、ステップS303又はS313で選択された情報の後に続く、セル15を識別する情報があるか否かをチェックする。
【0086】
パスリストにおいて、ステップS303又はS313で選択された情報の後に続く、セル15を識別する情報がある場合には、プロセッサ200は、ステップS311に移行する。この情報がない場合には、プロセッサ200は、ステップS312に移行する。
【0087】
ステップS311では、プロセッサ200は、ステップS303又はS313で選択された情報の後に続くセル15を識別する情報を、パスリストにおいて選択し、ステップS306に移動する。
【0088】
次のステップS306では、プロセッサ200は、ステップS305又はS311で選択された、セル15を識別する情報が既知であるか否か、すなわち、セルを識別する情報が、既知の隣接セル15又はこの基地局BSによって管理されるセル15に対応するか否かをチェックする。
【0089】
セル15を識別する情報が既知でない場合には、プロセッサ200はステップS307に移行する。このような場合は、新しい基地局BSが無線電気通信ネットワークに含まれたとき、又は、無線波伝搬状態が変更されたときに起こる。既知である場合には、プロセッサ200はステップS308に移行する。
【0090】
ステップS307では、プロセッサ200は、ステップS305若しくはS311で選択されたセル15を管理する基地局BSの識別子を取得するために、サーバ20へのメッセージの転送を命令するか、又は、ステップS305若しくはS311で選択されたセル15を管理する基地局BSの識別子が記憶されている場合に、RAMメモリ203から識別子を読み出す。
【0091】
次のステップS308では、プロセッサ200は、ステップS307でサーバ20から取得された基地局BSの識別子を記憶し、プロセッサ200の基地局によって制御される、各セル15iにつき1つのカウンタNijを初期化する。カウンタNijは、いずれかの移動端末30が、プロセッサ200の基地局によって制御されるセル15iから、ステップS305又はS311で選択されたセル15jに移動する発生回数を監視することを目的としている。また、プロセッサ200は、プロセッサ200の基地局によって制御される、各セル15iにつき1つのカウンタNjiを初期化する。カウンタNjiは、いずれかの移動端末30が、ステップS305又はS311で選択されたセル15jから、プロセッサ200の基地局によって制御されるセル15iに移動する発生回数を監視することを目的としている。
【0092】
ステップS309では、プロセッサ200は、セルを識別する後の情報が処理中(under process)である場合に、いずれかの移動端末30が、ステップS303又はS313で選択されたセル15iからステップS311で選択されたセル15jに移動する発生回数を監視することを目的としたカウンタNijを、インクリメントする。また、プロセッサ200は、セルを識別する前の情報が処理中であり、且つ、当該前の情報がこの基地局BSによって管理されるセル15を識別しない場合に、いずれかの移動端末30がステップS305で選択されたセル15jからステップS303又はS313で選択されたセル15iに移動する発生回数を監視することを目的としたカウンタNjiを、インクリメントする。その後、プロセッサ200はステップS310に移行する。
【0093】
図4のライン40に示した例によれば、プロセッサ200は、いずれかの移動端末30がセル151からセル152に移動する回数を監視するカウンタN12を、インクリメントする。
【0094】
ステップS312では、プロセッサ200は、ステップS300で受信されたパスリストに含まれる、この基地局BSによって管理されるセルを識別する別の情報があるか否かをチェックする。
【0095】
プロセッサ200は、ステップS300で受信されたパスリストに含まれる、この基地局BSによって管理されるセルを識別する別の情報がある場合に、ステップS313に移行し、パスリストに含まれる、この基地局BSによって管理されるセルを識別する別の情報を選択し、ステップS304に戻る。別の情報がない場合には、プロセッサ200はステップS350に移行する。
【0096】
図4のライン40の例によれば、プロセッサ200は、セル152を識別する情報を選択し、カウンタN23をインクリメントする。
【0097】
図4のライン40の例によれば、プロセッサ200は、セル152を識別する情報を選択し、カウンタN42及びN25をインクリメントする。
【0098】
図4のライン40の例によれば、プロセッサ200は、セル151を識別する情報を選択し、カウンタN71をインクリメントし、カウンタN81を初期化してカウンタN81をインクリメントし、ステップS350に移行する。
【0099】
図3bのステップS350では、基地局BS1のプロセッサ200は、パスリスト内のこの基地局BSによって管理されるセルを識別する第1の情報、すなわち、セル151を識別する情報を選択する。
【0100】
次のステップS351では、プロセッサ200は、変更パスリスト内のこの基地局BSによって管理されるセルを識別する第1の情報を、ステップS350で選択された情報に設定する。
【0101】
次のステップS352では、プロセッサ200は、パスリストに含まれるこの基地局BSによって管理されるセルを識別する別の情報があるか否かをチェックする。ステップS300で受信されたパスリストに含まれるこの基地局BSによって管理されるセルを識別する別の情報がある場合には、プロセッサ200はステップS353に移行する。別の情報がない場合には、プロセッサ200はステップS359に移行する。ライン40の例によれば、セル152の識別子は、パスリストに2回含まれており、セル151の識別子は、パスリストにもう1回含まれている。プロセッサ200は、ステップS353に移行する。
【0102】
ステップS353では、プロセッサ200は、ステップS300で受信されたパスリストに含まれるこの基地局BSによって管理されるセルを識別する別の情報であって、ステップS351で選択された情報から最も近い別の情報、すなわち、セル152を識別する情報を選択する。
【0103】
次のステップS354では、プロセッサ200は、変更パスリスト内のこの基地局BSによって管理されるセルを識別する第2の情報を、ステップS353で選択された情報に設定する。
【0104】
次のステップS355では、プロセッサ200は、ステップS300で受信されたパスリストにおいて、ステップS351で選択された情報とステップS353で選択された情報との間に含まれるセル15を識別する少なくとも1つの情報があるか否かをチェックする。
【0105】
ステップS300で受信されたパスリストにおいて、ステップS351で選択された情報とステップS353で選択された情報との間に含まれるセル15を識別する少なくとも1つの情報がある場合には、プロセッサ200はステップS356に移行する。この情報がない場合には、プロセッサ200はステップS358に移行する。ライン40の例によれば、パスリストにおいて、ステップS351で選択された情報とステップS353で選択された情報との間に含まれるセル15を識別する情報はないので、プロセッサ200はステップS358に移行する。
【0106】
ステップS358では、プロセッサ200は、変更パスリスト内のこの基地局BSによって管理されるセルを識別する第1の情報を、変更パスリスト内のこの基地局BSによって管理されるセルを識別する第2の情報に設定し、ステップS352に戻る。
【0107】
プロセッサ200は、すでに説明したステップS352で、パスリストに含まれるこの基地局BSによって管理されるセルを識別する別の情報があるか否かをチェックする。ライン40の例によれば、セル152の識別子がパスリストにもう1つ含まれおり、セル151の識別子がパスリストに再び1回含まれている。プロセッサ200は、ステップS353に移行する。
【0108】
ステップS353では、プロセッサ200は、ステップS300で受信されたパスリストに含まれる基地局BSによって管理されるセルを識別する別の情報であって、ステップS358で選択された情報から最も近い別の情報、すなわち、セル152を識別する情報を選択する。
【0109】
次のステップS354では、プロセッサ200は、新しい順序付きリスト内のこの基地局BSによって管理されるセルを識別する第2の情報を、ステップS353で選択された情報に設定する。
【0110】
次のステップS355では、プロセッサ200は、ステップS300で受信されたパスリストにおいて、変更パスリスト内の第1の情報として選択された情報と第2の情報として選択された情報との間に含まれるセル15を識別する少なくとも1つの情報があるか否かをチェックする。
【0111】
ライン40の例によれば、ステップS300で受信されたパスリストにおいて、第1の情報として選択された情報152と第2の情報として選択された情報152との間に、セル153及び154を識別する情報が含まれている。
【0112】
プロセッサ200は、次に、ステップS356に移行して、変更パスリストを形成する。変更パスリストは、第1の情報、第1の情報として選択された情報と第2の情報として選択された情報との間に含まれる情報、及び第2の情報を含む。変更パスリストに含まれるセル152、153、154、及び152を識別する情報が、図4のライン41に開示されている。ここで、変更パスリストは、好ましくは、基地局BS1の識別子と、ステップS350で受信されたメッセージに基地局BSの識別子が含まれていた場合にはこのような基地局BSの識別子とを含むことに留意しなければならない。
【0113】
次のステップS357では、プロセッサ200は、変更パスリストの第1の情報の後に続く情報によって識別されるセル15を管理する基地局、すなわち、セル153を管理する基地局BS2へ変更パスリストを転送する。
【0114】
その後、プロセッサ200は、ステップS358に移行して、変更パスリスト内のこの基地局BSによって管理されるセルを識別する第1の情報を、変更パスリスト内のこの基地局BSによって管理されるセルを識別する第2の情報に設定する。変更パスリスト内のこの基地局BSによって管理されるセルを識別する第1の情報は、セル152を識別する情報に設定される。
【0115】
プロセッサ200は、次に、ステップS352に戻り、ステップS352及びS353を実行して、変更パスリスト内のこの基地局BSによって管理されるセルを識別する第2の情報を、セル151を識別する情報に設定する。
【0116】
プロセッサ200は、ステップS355を実行して、ステップS356において変更パスリストを形成する。この変更パスリストは、変更パスリストにおいて第1の情報として選択された第1の情報、変更パスリストにおいて第1の情報として選択された情報と第2の情報として選択された情報との間に含まれる情報、及び、変更パスリストにおいて第2の情報として選択された情報を含む。変更パスリストに含まれるセル152、155、157、及び151を識別する情報が、図4のライン42に開示されている。ここで、変更パスリストは、好ましくは、基地局BS1の識別子と、ステップS350で受信されたメッセージに基地局BSの識別子が含まれていた場合にはこのような識別子とを含むことに留意しなければならない。
【0117】
次のステップS357では、プロセッサ200は、変更パスリストの第1の情報の後に続く情報によって識別されるセルを管理する基地局BS、すなわち、セル155を管理する基地局BS3へ変更パスリストを転送する。
【0118】
その後、プロセッサ200は、ステップS358に移行して、変更パスリスト内のこの基地局BSによって管理されるセルを識別する第1の情報を、変更パスリスト内のこの基地局BSによって管理されるセルを識別する第2の情報に設定する。変更パスリスト内のこの基地局BSによって管理されるセルを識別する第1の情報は、セル151を識別する情報に設定される。
【0119】
プロセッサ200は、次に、ステップS352に戻る。
【0120】
プロセッサ200は、ステップS352からステップS359に移行する。
【0121】
ステップS359では、プロセッサ200は、ステップS300で受信されたパスリストにおいてセル15を識別する最後の情報、すなわち、セル158を識別する情報を選択する。
【0122】
次のステップS360では、プロセッサ200は、変更パスリストに含まれる第2の情報を、ステップS359で選択された情報に設定する。
【0123】
次のステップS361において、プロセッサ200は、ステップS359で選択された情報を管理する基地局BSが、ステップS300で受信されたメッセージにおいて識別されるか否か、又は、プロセッサ200の基地局BSを識別するか否かをチェックする。
【0124】
ステップS359で選択された情報を管理する基地局BSが、ステップS300で受信されたメッセージにおいて識別される場合、又は、プロセッサ200の基地局BSを識別する場合には、プロセッサ200はステップS362に移行する。そうでない場合、プロセッサ200はステップS363に移行する。ライン40の例によれば、基地局BS4は、リスト40を含むメッセージにおいて識別されず、且つ、基地局BS1でないので、プロセッサ200は、次に、ステップS362に移行する。
【0125】
ステップS362では、プロセッサ200は、ステップS300で受信されたパスリストにおいて、第1の情報として選択された情報と第2の情報として選択された情報との間に含まれるセル15を識別する少なくとも1つの情報があるか否かをチェックする。
【0126】
ステップS300で受信されたパスリストにおいて、それら情報間に含まれるセル15を識別する少なくとも1つの情報がある場合には、プロセッサ200はステップS363に移行する。情報がない場合には、プロセッサ200はステップS365に移動する。
【0127】
ステップS363では、プロセッサ200は、変更パスリストを形成する。この変更パスリストは、第1の情報、第1の情報として選択された情報と第2の情報として選択された情報との間に含まれる情報、及び第2の情報として選択された情報を含む。この新しいリストに含まれるセル151及びセル158を識別する情報が、図4のライン42に開示されている。ここで、変更パスリストは、好ましくは、基地局BS1の識別子と、ステップS350で受信されたメッセージに基地局BSの識別子が含まれていた場合にはこのような識別子とを含むことに留意しなければならない。
【0128】
次のステップS364では、プロセッサ200は、変更パスリストの第1の情報の後に続く情報によって識別されるセルを管理する基地局BS、すなわち、セル158を管理する基地局BS4へ変更パスリストを転送する。
【0129】
プロセッサ200は、次に、ステップS365に移行して、隣接セルの監視リストを更新する。プロセッサ200は、セル158を、セル151の新しい隣接セルとみなす。更新された監視リストは、次に、無線インターフェース206を介して移動端末へ送信される。
【0130】
ここで、一変形例では、隣接セルの監視リストの更新は、カウンタN18が所定のしきい値を上回った時に実行されることに留意しなければならない。
【0131】
別の変形例では、隣接セルの監視リストの更新は、本アルゴリズムとは別個に実行され、入力としてセル間の遷移確率を使用する。カウンタNijは、このような遷移確率を求めるために、ステップS365で使用される。
【0132】
限定ではなく例として、セル15iとセル15jとの間の遷移確率Pijは、Pij=(Nij+Nji)/sum_over_k(Nik+Nki)によって与えられる。
【0133】
一組の確率Pijから隣接セル15iを求めることは、確率Pijがしきい値よりも高いセル15jを選択することにより、又は、一組の確率Pijでの中で最も高いランクを有する所定の個数のセル15jを選択することにより行われる。
【0134】
その後、基地局BS1のプロセッサ200は、本アルゴリズムを停止する。
【0135】
基地局BS2、BS3、及びBS4の各プロセッサ200も、ステップS357又はS364で基地局BS1によって転送されたメッセージを受信すると、図3a及び図3bのアルゴリズムを実行する。
【0136】
基地局BS2を考える。基地局BS2のプロセッサ200は、ステップS300において、ネットワークインターフェース204を通じての図4のメッセージ41の受信を検出する。
【0137】
次のステップS301では、プロセッサ200は、基地局BS2が管理する少なくとも1つのセル15、すなわち、セル153及び154を識別する情報を変更パスリストにおいて検索する。
【0138】
ステップS303では、プロセッサ200は、変更パスリストにおいて、自身が管理するセル15を識別する第1の情報、すなわち、セル153を識別する情報を選択する。
【0139】
プロセッサ200は、ステップS304〜S312によって構成されるループを実行して、カウンタN23、N34、及びN42をインクリメントする。
【0140】
ステップS351では、プロセッサ200は、別の変更パスリスト内の基地局BS2によって管理されるセルを識別する第1の情報を情報153に設定する。
【0141】
プロセッサ200は、ステップS352からステップS353に移行して、ステップS300で受信された変更パスリストに含まれる基地局BSによって管理されるセルを識別する別の情報であって、ステップS351で選択された情報から最も近い別の情報、すなわち、セル154を識別する情報を選択する。
【0142】
次のステップS354では、プロセッサ200は、別の変更パスリスト内のこの基地局BSによって管理されるセルを識別する第2の情報を、ステップS353で選択された情報に設定する。
【0143】
次のステップS355では、プロセッサ200は、ステップS300で受信された変更パスリストにおいて、ステップS351で選択された情報とステップS353で選択された情報との間に含まれるセル15を識別する少なくとも1つの情報があるか否かをチェックして、ステップS358に移行する。
【0144】
ステップS358では、プロセッサ200は、別の変更パスリスト内のこの基地局BSによって管理されるセルを識別する第1の情報を、別の変更パスリスト内のこの基地局BSによって管理されるセルを識別する第2の情報に設定して、ステップS352に戻る。
【0145】
プロセッサ200は、ステップS352からステップS359に移行して、セル151を識別する情報を選択し、ステップS360において、別の変更パスリストに含まれる第2の情報を、ステップS359で選択された情報に設定する。
【0146】
ステップS361では、ステップS300で受信されたメッセージにおいて基地局BS1が識別されるので、プロセッサはステップS362に移行する。
【0147】
ステップS362では、プロセッサ200は、ステップS300で受信された変更パスリストにおいて、第1の情報として選択された情報と第2の情報として選択された情報との間に含まれるセル15を識別する少なくとも1つの情報があるか否かをチェックする。ライン42の例によれば、変更パスリストにおいて、第1の情報として選択された情報154と、第2の情報として選択された情報151との間に情報は含まれていないので、プロセッサ200は、次に、ステップS365に移行する。
【0148】
ステップS365では、プロセッサ200は、受信されたメッセージに新しいセル15が含まれていない限り、隣接セルの監視リストを更新しない。
【0149】
一変形例では、プロセッサ200は、自身が管理するセル153及び154と他のすべての既知のセルとの間の遷移確率を更新して、この新しい一組の確率から、自身が管理するセル153及び154の隣接セルの新しい監視リストを求める。
【0150】
基地局BS3を考える。基地局BS3のプロセッサ200は、ステップS300において、ネットワークインターフェース204を通じての図4のメッセージ42の受信を検出する。
【0151】
次のステップS301では、プロセッサ200は、基地局BS3が管理する少なくとも1つのセル15、すなわち、セル155及び156を識別する情報を変更パスリストにおいて検索する。
【0152】
ステップS303では、プロセッサ200は、ステップS300で受信された変更パスリストにおいて、自身が管理するセル15を識別する第1の情報、すなわち、セル155を識別する情報を選択する。
【0153】
プロセッサ200は、ステップS304〜S312によって構成されるループを実行して、カウンタN25、N57、及びN71をインクリメントする。
【0154】
ステップS351では、プロセッサ200は、別の変更パスリスト内のこの基地局BSによって管理されるセルを識別する第1の情報を、セル155を識別する情報に設定する。
【0155】
プロセッサ200は、ステップS352からステップS359に移行して、セル151を識別する情報を選択し、ステップS360において、別の変更パスリストに含まれる第2の情報を、ステップS359で選択された情報に設定する。
【0156】
ステップS361では、ステップS300で受信されたメッセージにおいて基地局BS1が識別されるので、プロセッサ200はステップS362に移行する。
【0157】
ステップS362では、プロセッサ200は、ステップS300で受信された変更パスリストにおいて、第1の情報として選択された情報と第2の情報として選択された情報との間に含まれるセル15を識別する少なくとも1つの情報があるか否かをチェックする。ライン43の例によれば、セル157を識別する情報が、ステップS300で受信された変更パスリストにおいて、第1の情報として選択された情報155と、第2の情報として選択された情報151との間に含まれているので、プロセッサ200は、次に、ステップS363に移行する。
【0158】
ステップS363では、プロセッサ200は、別の変更パスリストを形成する。この別の変更パスリストは、この別の変更パスリスト内の第1の情報、ステップS300で受信された変更パスリストにおいて、この別の変更パスリスト内の第1の情報として選択された情報と第2の情報として選択された情報との間に含まれる情報、及びこの別の変更パスリスト内の第2の情報として選択された情報を含む。この別の変更パスリストに含まれるセル155、157、及び151を識別する情報が、図4のライン44に開示されている。ここで、この新しいリストは、好ましくは、基地局BS1及びBS3の識別子を含むことに留意しなければならない。
【0159】
次のステップS364では、プロセッサ200は、別の変更パス順序付きリストの第1の情報の後に続く情報によって識別されるセルを管理する基地局BS、すなわち、セル157を管理する基地局BS4へこの別の変更パスリストを転送する。
【0160】
ステップS365では、プロセッサ200は、受信されたメッセージに新しいセル15が含まれていない限り、隣接セルの監視リストを更新しない。
【0161】
一変形例では、プロセッサ200は、自身が管理するセル155及び156と他のすべての既知のセルとの間の遷移確率を更新し、この新しい一組の確率から、自身が管理するセル155及び156の隣接セルの新しい監視リストを求める。
【0162】
基地局BS4を考える。基地局BS4のプロセッサ200は、ステップS300において、ネットワークインターフェース204を通じての図4のメッセージ43の受信を検出する。
【0163】
次のステップS301では、プロセッサ200は、基地局BS4が管理する少なくとも1つのセル15、すなわち、セル157及び158を識別する情報を、ステップS300で受信された変更パスリストにおいて検索する。
【0164】
ステップS303では、プロセッサ200は、ステップS300で受信された変更パスリストにおいて、自身が管理するセル15を識別する第1の情報、すなわち、セル158を識別する情報を選択する。
【0165】
プロセッサ200は、ステップS304〜S312によって構成されるループを実行して、カウンタN18をインクリメントする。
【0166】
ステップS351では、プロセッサ200は、別の変更パスリスト内のこの基地局BSによって管理されるセルを識別する第1の情報を、セル158を表す情報に設定する。
【0167】
プロセッサ200は、次に、ステップS352からステップS359に移行して、セル158を識別する情報を選択し、ステップS360において、別の変更パスリストに含まれる第2の情報を、ステップS359で選択された情報に設定する。
【0168】
ステップS361では、基地局BS4はプロセッサ200の基地局であるので、プロセッサはステップS362に移行する。
【0169】
ステップS362では、プロセッサ200は、ステップS300で受信された変更パスリストにおいて、第1の情報として選択された情報と第2の情報として選択された情報との間に含まれるセル15を識別する少なくとも1つの情報があるか否かをチェックする。ライン43の例によれば、ステップS300で受信された変更パスリストにおいて、第1の情報として選択された情報158と、第2の情報として選択された情報158との間に情報は含まれていないので、プロセッサ200は、次に、ステップS365に移行する。
【0170】
ステップS365では、プロセッサ200は、受信されたメッセージに新しいセル151が含まれている限り、隣接セルの監視リストを更新する。
【0171】
一変形例では、プロセッサ200は、自身が管理するセル157及び158と他のすべての既知のセルとの間の遷移確率を更新し、この新しい一組の確率から、自身が管理するセル157及び158の隣接セルの新しい監視リストを求める。
【0172】
基地局BS4を考える。基地局BS4のプロセッサ200は、ステップS300において、ネットワークインターフェース204を通じての図4のメッセージ44の受信を検出する。
【0173】
次のステップS301では、プロセッサ200は、基地局BS4が管理する少なくとも1つのセル15、すなわち、セル157及び158を識別する情報を、ステップS300で受信された変更パスリストにおいて検索する。
【0174】
ステップS303では、プロセッサ200は、ステップS300で受信された変更パスリストにおいて、自身が管理するセル15を識別する第1の情報、すなわち、セル157を識別する情報を選択する。
【0175】
プロセッサ200は、ステップS304〜S312によって構成されるループを実行して、カウンタN57及びN71をインクリメントする。
【0176】
ステップS351では、プロセッサ200は、別の変更パスリスト内のこの基地局BSによって管理されるセルを識別する第1の情報を、セル157を表す情報に設定する。
【0177】
プロセッサ200は、次に、ステップS352からステップS359に移行して、セル151を識別する情報を選択し、ステップS360において、別の変更パスリストに含まれる第2の情報を、ステップS359で選択された情報に設定する。
【0178】
ステップS361では、ステップS300で受信されたメッセージにおいて基地局BS1が識別されるので、プロセッサはステップS362に移行する。
【0179】
ステップS362では、プロセッサ200は、ステップS300で受信された変更パスリストにおいて、第1の情報として選択された情報と第2の情報として選択された情報との間に含まれるセル15を識別する少なくとも1つの情報があるか否かをチェックする。ライン43の例によれば、ステップS300で受信された変更パスリストにおいて、第1の情報として選択された情報157と、第2の情報として選択された情報151との間に情報は含まれていないので、プロセッサ200は、次に、ステップS365に移行する。
【0180】
ステップS365では、プロセッサ200は、受信されたメッセージに新しいセルが含まれていない限り、隣接セルの監視リストを更新しない。
【0181】
一変形例では、プロセッサ200は、自身が管理するセル157及び158と他のすべての既知のセル15との間の遷移確率を更新し、この新しい一組の確率から、自身が管理するセル157及び158の隣接セルの新しい監視リストを求める。
【0182】
図5は、本発明の第2の実現モードに従って各基地局により実行されるアルゴリズムを開示している。
【0183】
本アルゴリズムは、各基地局BSのプロセッサ200によって実行される。
【0184】
ステップS500では、プロセッサ200は、無線インターフェース206又はネットワークインターフェース204を通じてのメッセージの受信を検出する。
【0185】
受信されたメッセージは、移動端末30が通過したセル15の少なくとも一部を識別する情報で構成されたパスリストを含むメッセージであり、この情報は、好ましくは、無線電気通信ネットワークのセル15の移動端末30の移動に従って順序付けられたものである。
【0186】
このパスリストは、好ましくは、移動端末15が入るセル158を制御する基地局BS4を通じたサーバ20へのトラッキングエリア更新メッセージにより、移動端末30によってサーバ20に転送される。サーバ20は、パスリストに識別情報が1番としてランク付けされているセル151を管理する基地局BS1にパスリストを転送する。パスリストは、図6のライン60に開示されたリストの通りである。
【0187】
ここで、一変形例では、基地局BS4は、移動端末30が通過したセル15の少なくとも一部を識別する情報のパスリストを直接取得するために、基地局BS1の代わりにサーバ20からパスリストを受信するか、又は、移動端末30によってサーバ20に転送されたメッセージを詮索することに留意しなければならない。
【0188】
一変形例では、パスリストは、ネットワークインターフェース204を介して隣接基地局BSから受信される。
【0189】
図6は、本発明の第2の実現モードに従って転送されるメッセージの内容を示している。
【0190】
ライン60は、ステップS500で受信されたメッセージにリストされているように、セル151、152、153、154、152、155、157、151、及び158を識別する順序付き情報で構成されたパスリストを含む。
【0191】
本発明によれば、パスリストは、別の基地局BSから受信することができる。パスリストは、図6のライン61〜66に開示されたリストの通りである。
【0192】
次のステップS501では、プロセッサ200は、受信されたパスリストにおいて、第1のセル15を識別する第1の情報及び第2のセル15を識別する第2の情報を読み出す。
【0193】
図6の例によれば、プロセッサ200は、受信されたパスリスト60において、このパスリストの情報の順序に従って、セル151を識別する第1の情報及びセル152を識別する第2の情報を読み出す。
【0194】
次のステップS502では、プロセッサ200は、ステップS501で選択されたセル15を識別する情報が既知であるか否か、すなわち、セルを識別する情報が、既知の隣接セル15又はこの基地局BSによって管理されるセル15に対応するか否かをチェックする。
【0195】
セル15を識別する一情報が既知でない場合には、プロセッサ200はステップS503に移行する。このような場合は、新しい基地局BSが無線電気通信ネットワークに含まれたとき、又は、無線波伝搬状態が変更されたときに起こる。既知である場合には、プロセッサ200はステップS505に移行する。
【0196】
ステップS503では、プロセッサ200は、ステップS304で選択されたセル15を管理する基地局BSの識別子を取得するために、サーバ20へのメッセージの転送を命令するか、又は、ステップS304で選択されたセル15を管理する基地局BSが既知の場合に、RAMメモリ203から識別子を読み出す。
【0197】
次のステップS504では、プロセッサ300は、基地局の識別子がサーバ20から受信されている場合にその識別子を記憶し、カウンタNijを初期化する。カウンタNijは、いずれかの移動端末30が第1のセル15iから第2のセル15jへ移動する回数を監視することを目的としている。その後、プロセッサ200は、ステップS505に移動する。
【0198】
次のステップS505では、プロセッサ200は、カウンタNijをインクリメントする。
【0199】
図6の例によれば、プロセッサ200は、カウンタN12をインクリメントする。
【0200】
次のステップS506では、プロセッサ200は、パスリスト内のセル15を識別する第1の情報を削除する。すなわち、プロセッサ200は、セル151を識別する情報を削除する。パスリスト内のセル15を識別する第2の情報は、その後、変更パスリスト内のセル15を識別する第1の情報となる。
【0201】
次のステップS507では、プロセッサ200は、変更パスリストにおいて、セル15を識別する第2の情報を読み出す。この第2の情報は、変更パスリストにおいて、セル15を識別する第1の情報の後に続くものである。すなわち、プロセッサ200は、セル153を識別する情報を読み出す。
【0202】
次のステップS508では、プロセッサ200は、ステップS507で読み出されて、変更パスリストにおいて第2の情報により識別されたセル153が、プロセッサ200の基地局BS、すなわち、基地局BS1によって管理されるか否かをチェックする。
【0203】
ステップS507で読み出されて、変更パスリストにおいて第2の情報により識別されたセル153が、プロセッサ200の基地局BSによって管理される場合には、プロセッサ200は、ステップS509に移行する。管理されない場合には、プロセッサ200は、ステップS502に戻り、変更パスリストの第2の情報がプロセッサ200の基地局BSによって管理されない限り、ステップS502〜S508によって構成されるループを実行する。
【0204】
ステップS509では、プロセッサ200は、第2の情報によって識別されるセル15を管理する基地局BSを識別する。
【0205】
次のステップS510では、プロセッサ200は、識別された基地局BSへの変更パスリストの転送を命令する。図1の例によれば、プロセッサ200は、ライン61に含まれる変更パスリストの基地局BS2への転送を命令する。
【0206】
プロセッサ200は、次に、ステップS511に移行して、必要な場合には、隣接セルの監視リストを更新する。プロセッサ200は、セル158を隣接セルとみなす。
【0207】
ここで、一変形例では、隣接セルの監視リストの更新は、カウンタN18が所定のしきい値を上回った時に実行されることに留意しなければならない。
【0208】
一変形例では、ステップS511において、プロセッサ200は、自身が管理するセル151及び152と他のすべての既知のセル15との間の遷移確率を更新し、この新しい一組の確率から、自身が管理するセル151及び152の隣接セルの新しい監視リストを求める。
【0209】
基地局BS2のプロセッサ200は、ライン61に含まれる変更パスリストを受信すると、本アルゴリズムを実行し、カウンタN23及びN34をインクリメントし、変更パスリストから第1の情報、すなわち、セル152を識別する情報及び後にセル152を識別する情報を削除し、ライン62に含まれる別の変更パスリストの基地局BS1への転送を命令する。
【0210】
一変形例では、ステップS511において、基地局BS2のプロセッサ200は、自身が管理するセル153及び154と他のすべての既知のセルとの間の遷移確率を更新し、この新しい一組の確率から、自身が管理するセル153及び154の隣接セルの新しい監視リストを求める。
【0211】
基地局BS1のプロセッサ200は、ライン62に含まれる変更パスリストを受信すると、本アルゴリズムを実行し、カウンタN42をインクリメントし、変更パスリストから第1の情報、すなわち、セル154を識別する情報を削除し、ライン63に含まれる別の変更パスリストの基地局BS3への転送を命令する。
【0212】
一変形例では、ステップS511において、基地局BS1のプロセッサ200は、自身が管理するセル151及び152と他のすべての既知のセルとの間の遷移確率を更新し、この新しい一組の確率から、自身が管理するセル151及び152の隣接セルの新しい監視リストを求める。
【0213】
基地局BS3のプロセッサ200は、ライン63に含まれる変更パスリストを受信すると、本アルゴリズムを実行し、カウンタN25をインクリメントし、変更パスリストから第1の情報、すなわち、セル152を識別する情報を削除し、ライン64に含まれる別の変更パスリストの基地局BS4への転送を命令する。
【0214】
一変形例では、ステップS511において、基地局BS3のプロセッサ200は、自身が管理するセル155及び156と他のすべての既知のセルとの間の遷移確率を更新し、この新しい一組の確率から、自身が管理するセル155及び156の隣接セルの新しい監視リストを求める。
【0215】
基地局BS4のプロセッサ200は、ライン64に含まれる変更パスリストを受信すると、本アルゴリズムを実行し、カウンタN57をインクリメントし、変更パスリストから第1の情報、すなわち、セル155を識別する情報を削除し、ライン65に含まれる別の変更パスリストの基地局BS1への転送を命令する。
【0216】
一変形例では、ステップS511において、基地局BS4のプロセッサ200は、自身が管理するセル157及び158と他のすべての既知のセルとの間の遷移確率を更新し、この新しい一組の確率から、自身が管理するセル157及び158の隣接セルの新しい監視リストを求める。
【0217】
基地局BS1のプロセッサ200は、ライン65に含まれる変更パスリストを受信すると、本アルゴリズムを実行し、カウンタN71をインクリメントし、変更パスリストから第1の情報、すなわち、セル157を識別する情報を削除し、隣接セルの監視リストを更新し、すなわち、セル158を隣接セルとみなし、ライン65に含まれる別の変更リストの基地局BS4への転送を命令する。
【0218】
ここで、一変形例では、隣接セルの監視リストの更新は、カウンタN18が所定のしきい値を上回った時に実行されることに留意しなければならない。
【0219】
一変形例では、ステップS511において、基地局BS1のプロセッサ200は、自身が管理するセル151及び152と他のすべての既知のセルとの間の遷移確率を更新し、この新しい一組の確率から、自身が管理するセル151及び152の隣接セルの新しい監視リストを求める。
【0220】
基地局BS4のプロセッサ200は、ライン66に含まれる変更パスリストを受信すると、本アルゴリズムを実行し、カウンタN18をインクリメントし、隣接セルの監視リストを更新し、変更パスリストから第1の情報を削除し、本アルゴリズムを停止する。
【0221】
ここで、一変形例では、隣接セルの監視リストの更新は、カウンタN18が所定のしきい値を上回った時に実行されることに留意しなければならない。
【0222】
一変形例では、ステップS511において、基地局BS4のプロセッサ200は、自身が管理するセル157及び158と他のすべての既知のセルとの間の遷移確率を更新し、この新しい一組の確率から、自身が管理するセル157及び158の隣接セルの新しい監視リストを求める。
【0223】
このような場合に、セルを識別する情報は、最後の情報から第1の情報へ再配列される。
【0224】
当然ながら、本発明の範囲から逸脱することなく、上述した本発明の実施形態に対して多くの変更を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0225】
【図1】本発明による移動電気通信ネットワークのアーキテクチャを表す第1の図である。
【図2】本発明による基地局のブロック図である。
【図3a】本発明の第1の実現モードに従って各基地局により実行されるアルゴリズムを示す図である。
【図3b】本発明の第1の実現モードに従って各基地局により実行されるアルゴリズムを示す図である。
【図4】本発明の第1の実現モードに従って転送されるメッセージの内容を示す図である。
【図5】本発明の第2の実現モードに従って各基地局により実行されるアルゴリズムを示す図である。
【図6】本発明の第2の実現モードに従って転送されるメッセージの内容を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線電気通信ネットワークの基地局によって管理される少なくとも1つのセル内で前記基地局により転送される、セルを識別する情報の少なくとも1つの監視リストを更新する方法であって、
前記少なくとも1つの監視リストは、該少なくとも1つの監視リストが転送される前記基地局によって管理される前記セルに隣接したセルを識別する情報を含み、
該方法は、
前記基地局によって実行されるステップであって、
移動端末が移動して通ったセルを識別する情報を含んだパスリストを含むメッセージを受信するステップと、
セルを識別する情報の少なくとも1つの監視リストを前記受信されたパスリストの内容に従って更新するステップと、
前記受信されたパスリストの前記内容から少なくとも1つの変更パスリストを求めるステップと、
前記変更パスリスト又は各変更パスリストについて、
その変更パスリストの内容から別の基地局を決定するステップと、
前記別の基地局へその変更パスリストを送信するステップと
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記方法は、
前記基地局によって実行されるステップであって、
前記基地局によって管理される或るセルを識別する情報を前記パスリストにおいて識別するステップと、
前記パスリストにおいて前記基地局によって管理される前記或るセルを識別する情報のすぐ後に続く別のセルを識別する情報を、前記パスリストにおいて識別するステップと、
前記基地局によって管理される前記或るセル及び前記別のセルに関連付けられているカウンタの値を更新するステップと
をさらに含むことを特徴とし、且つ、
前記基地局によって管理される前記或るセル内で前記基地局によって転送される、セルを識別する情報の前記監視リストは、前記カウンタの前記値に従って更新されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、
前記基地局によって実行されるステップであって、
前記基地局によって管理される或るセルを識別する情報を前記パスリストにおいて識別するステップと、
前記パスリストにおいて前記基地局によって管理される前記或るセルを識別する情報のすぐ前の別のセルを識別する情報を、前記パスリストにおいて識別するステップと、
前記基地局によって管理される前記或るセル及び前記別のセルに関連付けられているカウンタの値を更新するステップと
をさらに含むことを特徴とし、且つ、
前記基地局によって管理される前記或るセル内で前記基地局によって転送される、セルを識別する情報の前記監視リストは、前記カウンタの前記値に従って更新されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記別のセル内で前記基地局によって転送される、セルを識別する情報の前記監視リストは、前記別のセルが前記基地局によって管理される場合に、前記カウンタの前記値に従って更新されることを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、
前記基地局によって実行されるステップであって、
前記受信されたパスリストにおいて、前記基地局によって管理される第1のセルを識別する第1の情報を選択するステップと、
前記受信されたパスリストにおいて、第2のセルを識別する第2の情報を選択するステップと、
前記受信されたパスリストにおいて、前記第1の情報と前記第2の情報との間に含まれるセルを識別する各情報を選択するステップと
をさらに含むことを特徴とし、且つ、
前記変更パスリストは、前記第1の情報、該第1の情報と前記第2の情報との間の各情報、及び該第2の情報で構成されることを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記選択された第1の情報は、前記受信されたパスリストにおいて、前記基地局によって管理されないセルを識別する情報が前記受信されたパスリストにおいて後に続く、前記基地局によって管理されるセルを識別する前記第1の情報であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記選択された第2の情報は、前記受信されたパスリストにおいて前記選択された第1の情報に続く初めの前記基地局のセルを識別する情報であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
複数の変更パスリストが求められることを特徴とし、且つ、
変更パスリストを求めるための選択された少なくとも1つの第2の情報が、次の変更パスリストを求めるための前記第1の情報として選択されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の情報は、前記受信されたパスリストの最後の情報であることを特徴とする、請求項6又は請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記別の基地局は、前記変更パスリストにおいて前記第1の情報のすぐ後に続く第3のセルを識別する第3の情報を、前記変更パスリストにおいて選択することによって決定されることを特徴とし、且つ、
前記別の基地局は、前記選択された第3の情報によって識別される前記セルを管理する前記基地局であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
移動端末が移動して通ったセルを識別する情報の前記パスリストを含む前記メッセージは、前記無線電気通信ネットワークの別の基地局から、又は、前記無線電気通信ネットワークのサーバから、又は、移動端末から受信されることを特徴とする、請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記別の基地局は、前記方法の前記ステップを実行することを特徴とする、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
基地局によって管理される少なくとも1つのセル内で前記基地局により転送される、セルを識別する情報の少なくとも1つの監視リストを更新するデバイスであって、
前記少なくとも1つの監視リストは、前記少なくとも1つの監視リストが転送される前記基地局によって管理される前記セルに隣接したセルを識別する情報を含み、
該デバイスは、前記基地局に含まれ、且つ、
移動端末が移動して通ったセルを識別する情報を含んだパスリストを含むメッセージを受信する手段と、
セルを識別する情報の少なくとも1つの監視リストを前記受信されたパスリストの内容に従って更新する手段と、
前記受信されたパスリストの前記内容から少なくとも1つの変更パスリストを求めることと、
前記変更パスリスト又は各変更パスリストについて、その変更パスリストの内容から少なくとも1つの別の基地局を決定する手段と、
前記変更パスリスト又は各変更パスリストについて、前記別の基地局又は別の各基地局へその変更パスリストを送信する手段と
を備えることを特徴とする、デバイス。
【請求項14】
プログラマブルデバイス内へ直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、該コンピュータプログラムが前記プログラマブルデバイス上で実行されると、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の方法の前記ステップを実施する命令又はコード片を含む、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−278472(P2008−278472A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−71426(P2008−71426)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(503163527)ミツビシ・エレクトリック・インフォメイション・テクノロジー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ (175)
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC INFORMATION TECHNOLOGY CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】