説明

セルフチェックアウト装置およびプログラム

【課題】医薬品を適切に販売することができるセルフチェックアウト装置およびプログラムを提供することである。
【解決手段】実施形態のセルフチェックアウト装置は、店員が監視可能である店員用端末にネットワーク接続されたセルフチェックアウト装置であって、コード受付手段と、通知手段とを備える。コード受付手段は、商品コードの入力を受付ける。通知手段は、前記商品コードの商品が、予め登録された登録販売者によって販売されるべき医薬品である場合に、前記ネットワークを介して前記店員用端末に、店員の対応が必要な事態が発生した旨を通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、セルフチェックアウト装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、購入する商品の販売登録および会計処理を客自身が行うためのセルフチェックアウト装置(セルフPOS(Point Of Sales)装置、セルフレジ装置)が備えられ、客が商品の販売登録および会計処理を行う販売形態を採用する店舗が増加している。一般的に、このようなセルフチェックアウト装置では、客が商品に付されたコードシンボルをスキャナでスキャンして商品の販売登録を行う。
【0003】
ところで、一般的に、医薬品の販売は薬事法に基づいて行われるよう規定されている。即ち、例えば、第1類医薬品については薬剤師でなければ販売することができず、第2類医薬品および第3類医薬品については薬剤師に加えて登録販売者も販売することができる。従って、従来、店員が販売登録を行うPOS端末においては、店員が医薬品のパッケージを確認して、販売可能である店員を呼ぶ等して医薬品の販売登録を行っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、セルフチェックアウト装置においては、客は上述のような医薬品販売に関する規約を知らない場合が多いため、医薬品を適切に販売することが難しいという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のセルフチェックアウト装置は、店員が監視可能である店員用端末にネットワーク接続されたセルフチェックアウト装置であって、コード受付手段と、通知手段とを備える。コード受付手段は、商品コードの入力を受付ける。通知手段は、前記商品コードの商品が、予め登録された登録販売者によって販売されるべき医薬品である場合に、前記ネットワークを介して前記店員用端末に、店員の対応が必要な事態が発生した旨を通知する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、本実施形態にかかるセルフチェックアウト装置(セルフPOS)の構成を示す外観斜視図である。
【図2】図2は、セルフPOSの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、警告対象設定テーブルを説明する図である。
【図4】図4は、医薬品登録販売者テーブルを説明する図である。
【図5】図5は、アテンダント端末のディスプレイに表示される警告画面の一例を示す図である。
【図6】図6は、ディスプレイに表示される報知画面の一例を示す図である。
【図7】図7は、店員コードが入力された場合に表示される、店員用の登録画面の一例を示す図である。
【図8】図8は、セルフPOSが実行する販売登録処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、薬事法対象商品が登録されたことを示す確認画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、本実施形態にかかるセルフチェックアウト装置1(以降、単にセルフPOS1と称する)の構成を示す外観斜視図である。セルフPOS1は、例えばスーパーマーケット等の店舗に設置されて用いられる。セルフPOS1の本体2は、タッチパネル3aが表面に配設されたディスプレイ3bや、商品に付されたバーコードや二次元コード等のコードシンボルを読み取るためのスキャナ4(本体2のスキャナ4)およびハンドスキャナ5を備えている。
【0008】
ディスプレイ3bとしては例えば液晶表示器が用いられる。ディスプレイ3bは、客にセルフPOS1の操作方法を知らせるための案内画面や、コードシンボルが付されていない商品の商品情報を入力するための入力画面や、スキャナ4やハンドスキャナ5で読み込んだ商品情報を表示する登録画面、商品の合計金額や預かり金額、釣銭額等を表示し、支払い方法の選択をする精算画面等を表示する。
【0009】
スキャナ4は、客が商品に付されたコードシンボルをスキャナ4の読み取り窓にかざすことでコードシンボルを光学的に読み取るものである。また、例えばダンボール箱や長尺の商品などの大型の商品に関しては、商品に付されたコードシンボルをスキャナ4の読み取り窓にかざすことは難しいため、客はハンドスキャナ5を用いてコードシンボルを読み取ることが可能である。
【0010】
また、本体2の右側にはかごに入った未精算の商品を置くための商品載置台6が設けられ、本体2の左側には精算済みの商品を置くための商品載置台7が設けられ、精算済みの商品を入れるための袋を掛けるための袋掛けフック8や、精算済みの商品を袋に入れる前に一時的に置いておくための一時置き台9が設けられている。商品載置台6および7には計量器が備えられており、精算の前後で商品の重量が同じであることを確認する機能を有している。
【0011】
また、セルフPOS1の本体2には、精算時に客のポイントカードやクレジットカードを挿入するためのカード挿入口10や、レシートを発行するレシート発行口11が設けられ、さらに、精算用の紙幣の入金や釣り紙幣の受け取りを行うための紙幣入出金口12、精算時に硬貨を投入するための硬貨投入口13、釣り硬貨を受け取るための硬貨取出口14等が設けられている。さらに、本体2の上面にはポールが備えられており、そのポールの上部には、セルフPOS1での操作に異常があった場合や店員を呼び出す場合等に点灯する警告灯15が設けられている。
【0012】
次に、セルフPOS1の機能的構成について説明する。図2は、セルフPOS1の機能的構成を示すブロック図である。セルフPOS1は、CPU(Central Processing Unit)と、記憶手段として機能するROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)(いずれも不図示)等から構成されるコンピュータ構成の制御部50を備えている。ROMは、CPUが実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAMは、CPUが各種プログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶するものであり、商品の販売記録を示す販売データや、ディスプレイ3bに表示する各種の画面表示データを記憶するものである。
【0013】
制御部50は、I/O(Input/Output)機器制御部39およびバス38を介して、タッチパネル3a、ディスプレイ3b、スキャナ4、ハンドスキャナ5、警告灯15、カードリーダ30、レシートプリンタ31、紙幣入出金ユニット32、硬貨投入ユニット33、硬貨排出ユニット34、HDD(Hard Disk Drive)35等のI/O機器を制御し、セルフPOS1のシステム全体を制御するものである。
【0014】
カードリーダ30は、カード挿入口10から挿入された客のポイントカードやクレジットカードの情報を読み込むものである。レシートプリンタ31は、会計処理後にレシートを印刷して、これをレシート発行口11から発行するものである。紙幣入出金ユニット32は、紙幣入出金口12から入金または出金される紙幣を処理するものである。また、硬貨投入ユニット33は硬貨投入口13から投入される硬貨を、硬貨排出ユニット34は硬貨取出口14に排出される硬貨を処理するものである。
【0015】
HDD35は、警告対象設定テーブル36と、医薬品登録販売者テーブル37とを格納している。図3は、警告対象設定テーブル36を説明する図である。
【0016】
ここで、スーパーマーケットやドラッグストア等で販売される一般用医薬品については、薬事法により第1類医薬品、第2類医薬品、第3類医薬品の3つに分類されている。第1類医薬品は、薬剤師でなければ販売できないのに対し、第2類医薬品および第3類医薬品は、薬剤師に加えて予め登録された登録販売者も販売することができる。
【0017】
図3に示すように、警告対象設定テーブル36には、部門コードと、医薬品の分類に関する分類情報とが対応付けられている。部門コードとは、商品コードの少なくとも一部に用いられるコードである。一例として、商品コードのうちの2桁を部門コードとして用いることができる。分類情報としては、上述した第1類医薬品、第2類医薬品、第3類医薬品等を設定することができる。
【0018】
図4は、医薬品登録販売者テーブル37を説明する図である。図4に示すように、医薬品登録販売者テーブル37は、店員コード(店員識別情報)と、各店員コードの店員が一般医薬品の登録販売者(即ち、薬剤師または上述の登録販売者)であるか否かを対応付けるものである。一例として、店員コード0001の店員は、フラグが「1:薬剤師」と登録されており、第1類〜第3類医薬品のいずれも販売可能な登録販売者である旨が登録されている。また、店員コード0002の店員は、フラグが「2:登録販売者」と登録されており、第2類医薬品および第3類医薬品を販売可能な登録販売者である旨が登録されている。店員コード0003の店員は、フラグが「0:登録なし」と登録されており、薬剤師および登録販売者ではなく、いずれの一般医薬品も販売できない旨が登録されている。
【0019】
図2に戻って、制御部50は、通信I/F40を介してLAN(Local Area Network)等のネットワークNTで接続されたストアサーバ(不図示)やセルフチェックの各処理を補助する店員(アテンダント)用のアテンダント端末20と相互に通信を行うことができる。ストアサーバは店舗内に設置された1台または複数台のセルフPOS1で行われる商品販売登録処理等の管理を全般的に行う。
【0020】
アテンダント端末20は、図2に示すように、CPU、ROM、RAMを備える制御部21と、通信I/F22と、ディスプレイ23と、キーボード24等の入力装置とを備える通常のコンピュータ構成を備えている。制御部21は、通信I/F22およびネットワークNTを介してセルフPOS1とデータ通信を行う。制御部21は、その通信内容に基づいて、セルフPOS1における販売登録状況、セルフPOS1で発生したエラー、セルフPOS1において客から補助依頼があったこと等をディスプレイ23に表示して、アテンダントに通知する。店員(アテンダント)は、このような構成を有するアテンダント端末20を用いて、アテンダント端末20にネットワーク接続されたセルフPOS1を監視することができる。
【0021】
次に、セルフPOS1のより詳細な機能的構成について説明する。セルフPOS1の制御部50は、ROMに格納された本実施形態のプログラムをRAMに展開して実行することにより、図2に示すように、表示制御部51と、入力受付部52と、医薬品判定部53と、通知部54と、報知部55と、登録販売者判定部56と、販売登録部57として機能する。
【0022】
表示制御部51は、I/O機器制御部39を介してディスプレイ3bにおける表示処理を制御し、ディスプレイ3bに各種画面を表示させる。また、表示制御部51は、販売登録された商品の商品名や数量、商品価格や合計金額等の各種情報を、客用の登録画面(不図示)または店員用の登録画面(図7参照)において表示させる。
【0023】
入力受付部52(コード受付手段)は、スキャナ4またはハンドスキャナ5が商品に付されたコードシンボルに記憶されている商品コード等の商品情報を読み込んだ場合に、その商品情報の入力を受付ける。また、入力受付部52は、ディスプレイ3bに表示された入力画面において商品名や数量を示す入力ボタンがタッチ入力された場合等に、タッチパネル3aに対する入力に基づいて、客が買い上げる商品に対応する商品コードを記憶部等から読み出して、その商品コードの入力を受付ける。
【0024】
医薬品判定部53は、警告対象設定テーブル36に基づいて、入力受付部52が受付けた商品コードの商品が、第1類医薬品、第2類医薬品、第3類医薬品のいずれかであるか否かについて判定する。すなわち、医薬品判定部53は、商品コードに含まれる部門コードが、警告対象設定テーブル36において第1類〜第3類医薬品のいずれか1つに対応するコードであるか否か判定する。一例として、商品コードに含まれる部門コードが10である場合には、医薬品判定部53は、その商品コードの商品が第1類医薬品であると判定する。そして、医薬品判定部53は、商品が第1類〜第3類医薬品のいずれか1つである場合に、その商品は店員の対応無しでは客に販売できない旨のエラーが発生したと判定する。
【0025】
通知部54は、医薬品判定部53がその商品は第1類〜第3類医薬品のいずれか1つであると判定した場合に、通信I/F40およびネットワークNTを介してアテンダント端末20に、店員の対応が必要な事態が発生した旨を通知する。一例として、通知部54は、自装置を識別する識別情報と、店員呼び出しを指示する呼び出し指示とを対応付けて、アテンダント端末20に送信する。アテンダント端末20の制御部21は、通信I/F22を介して受信したセルフPOS1の識別情報と、呼び出し指示とに基づいて、店員呼び出しが行われている旨のメッセージをディスプレイ23に表示する。
【0026】
図5は、アテンダント端末20のディスプレイ23に表示される警告画面23bの一例を示す図である。図5に示すように、アテンダント端末20の制御部21は、各セルフPOS1で行われている販売登録処理やセルフPOS1の状態を監視するための監視用画面23aを、ディスプレイ23に表示している。尚、図5では監視用画面23aを1つのみ示しているが、アテンダント端末20に複数のセルフPOS1が接続される場合には、制御部21は、セルフPOS1ごとの監視用画面23aを複数、ディスプレイ23に表示する。
【0027】
制御部21は、セルフPOS1の通知部54から店員呼び出しの指示を受付けた場合に、監視用画面23a上に、そのセルフPOS1が店員呼び出し中であることを示す警告画面23bをポップアップ表示させる。また、制御部21は、アテンダント端末20のアテンダント用監視用画面23aの一部、例えば、セルフPOS1の状態を示すステータスバー23c等においても、そのセルフPOS1が店員呼び出し中である旨を表示する。尚、制御部21は、該当するセルフPOS1が店員呼び出し中であることを音声出力するとしてもよい。
【0028】
このようにして、通知部54は、店員の対応が必要な事態が発生した場合にその旨をアテンダント端末20に対して通知する。
【0029】
また、通知部54は、医薬品判定部53が商品コードが入力された商品は第1類〜第3類医薬品のいずれか1つであると判定した場合に、警告灯15を点灯あるいは点滅させる。これにより警告灯15を見た店員が、そのセルフPOS1は店員呼び出し中であると認識することができ、セルフPOS1に駆けつけて対応することができる。尚、通知部54はセルフPOS1以外に設けられた警告灯を点灯あるいは点滅させるとしてもよい。即ち、例えば店の壁面に各セルフPOS1に対応付けた警告灯を設置しておき、店員呼び出しが発生したセルフPOS1に対応する警告灯を点灯あるいは点滅させるとしてもよい。
【0030】
以上のようにして、通知部54は、店員の対応が必要な事態が発生した場合にその旨を店員に対して通知する。
【0031】
報知部55は、医薬品判定部53により商品コードが入力された商品は第1類〜第3類医薬品のいずれか1つであると判定された場合に、当該商品を販売登録できない旨のメッセージをセルフPOS1のディスプレイ3bに表示させて、その旨をオペレータである客に報知する。
【0032】
図6は、ディスプレイ3bに表示される報知画面41の一例を示す図である。報知部55は、表示制御部51およびI/O機器制御部39と協働することにより、図6に示すような報知画面41をディスプレイ3bに表示させる。報知画面41には、例えば、商品コードが入力された商品が第1類〜第3類医薬品であり、薬事法対応商品である旨の、少なくとも一部を示すメッセージが示される。また、報知画面41には、店員を呼び出し中であり、店員が来て操作するまでしばらく待つよう促す旨の、少なくとも一部を示すメッセージが示される。尚、報知画面41に表示されるメッセージとしては、上記と同等のメッセージであればその他のメッセージ、あるいは当該メッセージに対応するシンボル等を表示するとしてもよい。
【0033】
尚、報知部55は、医薬品判定部53がその商品は第1類〜第3類医薬品のいずれか1つであると判定した場合に、当該商品を販売登録できない旨のメッセージ或いは上述したその他のメッセージを図示しないスピーカ等によって音声出力することにより、その旨をオペレータである客に報知するとしてもよい。
【0034】
上述のようにしてセルフPOS1に呼び出された店員(アテンダント)は、セルフPOS1のスキャナ4またはハンドスキャナ5によって店員用のIDカード等をスキャンする。本実施形態において、店員用のIDカードには、店員を識別するためのコードシンボル(例えば、バーコードや2次元コード等)が付されており、このコードシンボルには店員を識別する店員コードが記憶されている。スキャナ4またはハンドスキャナ5は、このコードシンボルに記憶されている店員コードを読み込む。
【0035】
入力受付部52は、スキャナ4またはハンドスキャナ5によって読み込まれた店員コードの入力を受付ける。
【0036】
登録販売者判定部56は、医薬品登録販売者テーブル37に基づいて、入力受付部52が受付けた店員コードの店員が、医薬品判定部53が判定した分類の医薬品を販売可能な登録販売者であるか否かを判定する。
【0037】
より具体的には、登録販売者判定部56は、入力受付部52が受付けた店員コードに対してフラグが「0:登録なし」である場合には、その店員は一般医薬品の登録販売者ではないと判定する。また、登録販売者判定部56は、入力受付部52が受付けた店員コードのフラグが「1:薬剤師」である場合には、その店員は部門コード10、20、30に対応する第1類〜第3類医薬品を販売可能な登録販売者であると判定する。また、登録販売者判定部56は、入力受付部52が受付けた店員コードのフラグが「2:登録販売者」である場合には、その店員は部門コード20に対応する第2類医薬品、および、部門コード30に対応する第3類医薬品を販売可能な登録販売者であると判定する。
【0038】
表示制御部51は、入力受付部52が店員コードの入力を受付けた場合に、店員用の登録画面42(図7参照)をディスプレイ3bに表示させる。
【0039】
図7は、店員コードが入力された場合に表示される、店員用の登録画面42の一例を示す図である。この登録画面42は、店員コードが入力された場合に表示される画面であり、客が商品を登録する登録画面(不図示)から、店員コードの入力なしにこの画面に遷移させることは不可能に構成されている。
【0040】
登録画面42には、販売登録部57によって登録された商品の商品名や数量、商品価格や合計金額等の各種情報が表示される。また、医薬品判定部53が上述のようにエラー発生を判定した場合に、登録画面42には、図7に示すようにエラー発生とその原因を報知するメッセージ46やシンボル47が表示される。
【0041】
店員は、登録済みの各商品をタッチ選択すること等により選択することができる。登録画面42には、登録済みの商品の登録を取り消す取消ボタン43と、登録済みの商品であるがエラーが発生している商品の登録を確定する登録確定ボタン44とが設けられている。また、登録画面42には、客用の登録画面(不図示)に戻るための戻るボタン45が設けられている。取消ボタン43、登録確定ボタン44、戻るボタン45を含む登録画面42上の各ボタンは、タッチパネル3aに対するタッチ選択により選択可能に構成されている。
【0042】
販売登録部57は、医薬品判定部53によって、入力受付部52が受付けた商品コードの商品が第1類〜第3類医薬品ではないと判定された場合に、その商品コードの商品を客が買い上げる商品として販売登録する。また、販売登録部57は、医薬品判定部53によって第1類〜第3類医薬品のいずれか1つであると判定された場合に、その商品にエラーを付随させた上で、客が買い上げる商品として仮登録する。
【0043】
また、販売登録部57は、上述の店員用の登録画面42において販売登録されている商品が少なくとも1つ選択された状態で、取消ボタン43が選択された場合に、選択されている商品の販売登録を取り消す。また、販売登録部57は、店員用の登録画面42において販売登録されている商品が少なくとも1つ選択された状態で、登録確定ボタン44が選択された場合に、選択されている商品に対するエラーをクリアして、その商品の販売登録を確定する。
【0044】
次に、セルフPOS1が実行する販売登録処理の手順について、図8を用いて説明する。図8は、セルフPOS1が実行する販売登録処理の手順を示すフローチャートである。
【0045】
入力受付部52は、スキャナ4またはハンドスキャナ5によって商品に付されたコードシンボルからそのコードシンボルに記憶された商品コードが読み取られた場合に、その商品コードの入力を受付ける。そして、入力受付部52は、商品コードの入力を受付けたか否かを判定する(ステップS1)。商品コードの入力を受付けない間(ステップS1:No)は、ステップS1に戻って入力待ちをする。商品コードの入力を受付けた場合(ステップ1:Yes)には、ステップS2に移行する。
【0046】
医薬品判定部53は、警告対象設定テーブル36に基づいて、入力受付部52が受付けた商品コードの商品が、第1類医薬品、第2類医薬品、第3類医薬品のいずれかであるか否かについて判定する(ステップS2)。
【0047】
第1類〜第3類医薬品のいずれでもない場合(ステップS2:No)には、販売登録部57は、その商品コードの商品を客が買い上げる商品として販売登録し(ステップS20)、ステップS14に移行する。
【0048】
第1類〜第3類医薬品のいずれか1つである場合(ステップS2:Yes)には、販売登録部57がその医薬品の販売登録(仮登録)を行い(ステップS3)、報知部55および表示制御部51は、ディスプレイ3bに報知画面41(図6参照)を表示させる(ステップS4)。そして、通知部54は、警告灯15を点灯させる(ステップS5)とともに、アテンダント端末20に対して店員呼び出しの指示を通知して、アテンダント端末20のディスプレイ23に警告画面23b(図5参照)を表示させる(ステップS6)。
【0049】
次に、入力受付部52は、店員コードの入力を受付けたか否か判定する(ステップS7)。店員コードの入力を受け付けない間(ステップS7:No)は、入力待ちをする。店員コードの入力を受付けた場合(ステップS7:Yes)に、通知部54は警告灯15を消灯させる(ステップS8)。表示制御部51は、店員用の登録画面42(図7参照)をディスプレイ3bに表示させる(ステップS9)。
【0050】
販売登録部57は、登録画面42において取消ボタン43が選択されたか否かを判定する(ステップS10)。取消ボタン43が選択された場合(ステップS10:Yes)には、販売登録部57は登録画面42において選択されている商品の販売登録を取り消す(ステップS11)。そして、表示制御部51は、登録画面42において戻るボタン45が選択されたか否かを判定する(ステップS12)。戻るボタン45が選択された場合(ステップS12:Yes)には、客用の登録画面(不図示)をディスプレイ3bに表示させる(ステップS13)。販売登録部57は、客用の登録画面において一取引の会計を行うための会計ボタン(不図示)が選択されたか否かを判定する(ステップS14)。会計ボタンが選択されていない場合(ステップS14:No)には、ステップS1に戻って、会計ボタンが選択されるまでステップS1〜ステップS14を続ける。会計ボタンが選択された場合(ステップS14:Yes)には、この取引の会計処理を行って(ステップS15)、処理を終了する。
【0051】
一方、取消ボタン43(図7参照)が選択されていない場合(ステップS10:No)には、販売登録部57は、登録画面42において登録確定ボタン44が選択されたか否かを判定する(ステップS16)。登録確定ボタン44が選択されない場合(ステップS16:No)には、ステップS12に移行する。登録確定ボタン44が選択された場合(ステップS16:Yes)には、登録販売者判定部56は、医薬品登録販売者テーブル37に基づいて、ステップS7で受付けた店員コードの店員が、ステップS2で判定した分類の医薬品を販売可能な登録販売者であるか否かを判定する(ステップS17)。
【0052】
その医薬品を販売可能な登録販売者である場合(ステップS17:Yes)には、販売登録部57はその医薬品を販売登録し(ステップS18)、その商品に対するエラーを取り消す。表示制御部51は、薬事法対象商品が登録されたことを示す確認画面48(図9参照)をディスプレイ3bに表示させる(ステップS19)。確認ボタン(図9参照)が選択されて、店員用の登録画面42(図7参照)が表示されると、表示制御部51は、登録画面42において戻るボタン45が選択されたか否かを判定する(ステップS12)。ステップS12以降は上述と同様の処理を行う。
【0053】
一方、その医薬品を販売可能な登録販売者でない場合(ステップS17:No)には、販売登録部57は、その医薬品の販売登録を取り消して(ステップS11)、その商品に対するエラーも取り消して、ステップS12に移行する。ステップS12以降は上述と同様の処理を行う。
【0054】
尚、上述では、入力受付部52が店員を識別する店員識別情報として店員コードを受付けるとしたが、店員識別情報としてはその他の情報を用いる形態としてもよい。例えば、店員識別情報として生体認証に用いられる情報を医薬品登録販売者テーブル37に格納しておき、入力受付部52が生体認証によって受付けた店員識別情報に基づいて、登録販売者判定部56が上述の判定を行うとしてもよい。
【0055】
以上説明したとおり、本実施形態によれば、商品が予め登録された登録販売者によって販売されるべき医薬品である場合に、ネットワークを介して接続された店員用端末に、店員の対応が必要な事態が発生した旨を通知する。これにより、店員がセルフチェックアウト装置に出向き、販売登録を行っている客に対して適切な対応を行うことができるため、医薬品を適切に販売することができる。
【0056】
なお、本実施形態のセルフPOS1で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施形態のセルフPOS1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0057】
さらに、本実施形態のセルフPOS1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のセルフPOS1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0058】
本実施形態のセルフPOS1で実行されるプログラムは、上述した各部(表示制御部51、入力受付部52、医薬品判定部53、通知部54、報知部55、登録販売者判定部56、販売登録部57)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、表示制御部51、入力受付部52、医薬品判定部53、通知部54、報知部55、登録販売者判定部56、販売登録部57が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0060】
1…セルフチェックアウト装置(セルフPOS)、2…本体、3a…タッチパネル、3b…ディスプレイ、4…スキャナ、5…ハンドスキャナ、6、7…商品載置台、8…袋掛けフック、9…一時置き台、10…カード挿入口、11…レシート発行口、12…紙幣入出金口、13…硬貨投入口、14…硬貨取出口、15…警告灯、20…アテンダント端末、23a…監視用画面、23b…警告画面、23c…ステータスバー、41…報知画面、42…登録画面、43…取消ボタン、44…登録確定ボタン、45…戻るボタン、46…メッセージ、47…シンボル、48…確認画面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0061】
【特許文献1】特開2010−277398号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店員が監視可能である店員用端末にネットワーク接続されたセルフチェックアウト装置であって、
商品コードの入力を受付けるコード受付手段と、
前記商品コードの商品が、予め登録された登録販売者によって販売されるべき医薬品である場合に、前記ネットワークを介して前記店員用端末に、店員の対応が必要な事態が発生した旨を通知する通知手段と、
を備えるセルフチェックアウト装置。
【請求項2】
前記通知手段は、前記商品コードの商品が前記医薬品である場合に、店員の対応が必要な事態が発生した旨を前記店員用端末の表示器に表示させることにより前記通知を行う、請求項1に記載のセルフチェックアウト装置。
【請求項3】
前記商品コードの商品が前記医薬品でない場合に、前記商品コードの商品を販売登録する販売登録手段と、
前記商品コードの商品が前記医薬品である場合に、当該商品を販売登録できない旨を報知する報知手段と、
をさらに備える請求項1または2に記載のセルフチェックアウト装置。
【請求項4】
店員を識別する店員識別情報の入力を受付ける受付手段と、
前記販売登録手段は、前記店員識別情報の店員が前記登録販売者であるか否かを記憶する登録販売者記憶手段を参照して、前記受付手段が受付けた前記店員識別情報の店員が前記登録販売者である場合に、前記商品を販売登録する請求項3に記載のセルフチェックアウト装置。
【請求項5】
前記医薬品に対して、その医薬品に対する商品コードの少なくとも一部を対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に基づいて、前記コード受付手段が受付けた前記商品コードの商品が前記医薬品であるかを判定する医薬品判定手段と、をさらに備え、
前記通知手段は、前記判定手段によって前記商品コードの商品が前記医薬品であると判定された場合に、前記ネットワークを介して前記店員用端末に、店員の対応が必要な事態が発生した旨を通知する、請求項1ないし4のいずれか1つに記載のセルフチェックアウト装置。
【請求項6】
店員が監視可能である店員用端末にネットワーク接続されたセルフチェックアウト装置を制御するコンピュータを、
商品コードの入力を受付けるコード受付手段と、
前記商品コードの商品が、予め登録された登録販売者によって販売されるべき医薬品である場合に、前記ネットワークを介して前記店員用端末に、店員の対応が必要な事態が発生した旨を通知する通知手段と、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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