説明

セルロース系樹脂組成物の製造方法

【課題】混練機でセルロース系樹脂組成物を製造する際に、着色の問題、低分子化の問題、未溶融物が残存する問題、所望の物性が得られない問題の全てを解決することができる。
【解決手段】少なくとも粒状のセルロース系樹脂を含む樹脂材料と、可塑剤と、を含む原料を、混練機から押し出して樹脂組成物を製造するセルロース系樹脂組成物の製造方法において、混練機として、スクリュー14に2箇所の混練部を有すると共に該混練部の剪断速度を140〜436sec−1の範囲に調整可能な二軸押出機10を用い、2箇所の混練部のうち、入口側の混練部のバレル温度を樹脂材料の軟化温度以下に設定し、出口側の混練部のバレル温度を樹脂材料の軟化温度以上に設定することにより、入口側の混練部を原料の粉砕ゾーン22として使用すると共に出口側の混練部を原料の混合ゾーン26として使用して原料の粉砕と分散・混合とを1つの混練機で連続的に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロース系樹脂組成物の製造方法に係り、特に、射出成形、押出成形、ブロー成形等の溶融成形する原料としての品質を高めることができるセルロース系樹脂組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形原料や押出成形原料等の溶融成形する原料としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル、ポリアミド、ポリスチレン系樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、ポリカーボネート等の石油系の合成樹脂が広く使用されている。
【0003】
かかる石油系の合成樹脂で製造された容器やフィルム等の生活必需品や工業製品の廃棄物は、一部はリサイクルされるものの、多くが焼却や埋め立て等によって処分されることで、地球温暖化の原因物質として考えられているCOを多く排出することにつながっている。このような背景から、これ以上COを大気中に増やさないカーボンニュートラルという考え方が重要視され始めており、樹脂材料を石油原料から天然原料に変えて合成された材料への代替が進みつつある。特に、とうもろこしやサトウキビを原料として、発酵・合成されたポリ乳酸樹脂は優れた力学物性を有しており、最も利用が進んでいる。その他にもとうもろこしの発酵によって、得られるエタノールをガソリンの代替として燃料の一部として利用されたりしている。
【0004】
しかし、原料のとうもろこしは農業用飼料として家畜を育てたり、人が食用として利用したりすることから、今後利用量が増加した場合、食料不足を生じる可能性がある。但し、厳密には食用のとうもろこしと、樹脂原料用のとうもろこしとは種類が異なるため問題にはならないという意見もある。しかし、オーストラリアなどの穀倉地帯での生産量は温暖化による気候変動の影響と考えられる渇水によりとうもろこしの生産量が大幅に減少したり、投機的な取引の影響を受けたりすることで流通量が不足するという問題が発生している。
【0005】
このような背景から、非可食性原料を使った天然原料由来の樹脂が求められている。その中でも、セルロース系材料は古くから利用されており、供給に問題がない。また、既にディスプレイ用材料としても多量に利用されており、通常の高分子材料としての利用実績も十分である上、ポリ乳酸がもつ耐熱性の不足や、使用環境化における加水分解などの課題をセルロース系樹脂は解決できる可能性があり、いままでポリ乳酸樹脂が利用できなかった分野へも用途が広げられる可能性がある。
【0006】
しかし、セルロース系樹脂は溶融粘度が大きく、単独使用は勿論のこと、他の石油系樹脂と混合しても射出成形等の原料として使用しにくい。このため、セルロース系樹脂を溶融成形するための原料として使用するには、可塑剤を加えて可塑性をもたせる必要がある。
【0007】
また、セルロース系樹脂は衝撃に弱く破壊され易い。よって、セルロース系樹脂にはない特性を有する石油系樹脂を加えることでセルロース系樹脂の物性を用途に合わせて変えることも重要になる。このため、セルロース系樹脂に可塑剤、更には石油系樹脂を加えたセルロース系樹脂組成物を製造することはセルロース系樹脂の用途拡大にとって極めて重要である。
【0008】
ところで、セルロース系樹脂の製造メーカは、セルロース系樹脂の製造方法上の理由から粉状体での供給はしておらず、1mm〜30mm程度の不揃いな粒状体の形態で供給している。このため、セルロース系樹脂を可塑剤あるいは石油系樹脂と混練機で均一に混ぜ合わせるには、混合する前に、セルロース系樹脂を粉状体にするための粉砕工程が必要になる。
【0009】
従来、セルロース系樹脂に可塑剤や他の樹脂を混ぜ合わせたセルロース系樹脂組成物を製造するには、粉砕装置(例えばミル式、パドル式等)で予めセルロース系樹脂原料を粉状体にしてから可塑剤や石油系樹脂と混ぜ合わせ、混ぜ合わせた物を混練機、例えば一軸又は二軸混練機に供給して分散・混合する、又は増粒することによりセルロース系樹脂組成物を製造していた。
【0010】
混練機に供給する前のセルロース系高分子材料を粉砕装置で予め粉砕する関連技術としては、例えば特許文献1〜4がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007−84713号公報
【特許文献2】特開平11−58483号公報
【特許文献3】特開2008−93873号公報
【特許文献4】特開2003−128791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、セルロース系樹脂は、加熱により劣化(分子量の低下、着色)し易いため、混練機に供給する前のセルロース系樹脂を粉砕装置で予め粉砕する従来のセルロース系樹脂組成物の製造方法では、混練機から吐出されるまでに熱劣化が生じ、セルロース系樹脂が黄色く着色したり、分子量が低下したりするという欠点がある。一方、セルロース系樹脂と、可塑剤や石油系樹脂との分散・混合が十分に行われないと、組成物中に未溶融物が残存したり、所望の物性の組成物が得られなかったりする等の欠点が生じる。この結果、射出成形や押出成形の原料として溶融成形する分野の成形材料としての品質が低下するという問題がある。
【0013】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、混練機でセルロース系樹脂組成物を製造する際に、着色の問題、低分子量化の問題、未溶融物が残存する問題、所望の物性が得られない問題の全てを解決することができるセルロース系樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するために、少なくとも粒状のセルロース系樹脂を含む樹脂材料と、可塑剤とを含む原料を、混練機から押し出して樹脂組成物を製造するセルロース系樹脂組成物の製造方法において、前記混練機として、スクリューに2箇所の混練部を有すると共に該混練部の剪断速度を140〜436sec−1の範囲に調整可能な二軸混練機を用い、前記2箇所の混練部のうち、入口側(前記原料の投入側に近い)の混練部のバレル温度を前記樹脂材料中の樹脂成分の軟化温度以下に設定し、出口側(樹脂排出側)混練部のバレル温度を前記樹脂材料中の樹脂成分の軟化温度以上に設定することにより、前記入口側の混練部を前記原料の粉砕ゾーンとして使用すると共に前記出口側の混練部を前記原料の混合ゾーンとして使用し、前記原料の粉砕と分散・混合とを1つの混練機で連続的に行うことを特徴とするセルロース系樹脂組成物の製造方法を提供する。
【0015】
ここで混練部とは、2本のスクリュー軸にニーディングディスクと呼ばれるスクリューエレメントを備えた処理ゾーンを言う。
【0016】
本発明では、スクリューに2箇所の混練部を有すると共に該混練部の剪断速度を140〜436sec−1の範囲に調整可能な二軸混練機を用い、入口側の混練部のバレル温度を原料が可塑化しない軟化温度以下に設定することで粉砕ゾーンとして使用する。一方、出口側の混練部を前記樹脂材料の軟化温度以上に設定することで混合ゾーンとして使用することにより、原料の粉砕と分散・混合とを1つの混練機で連続的に行うようにした。
【0017】
このように、1つの混練機で原料の粉砕と分散・混合とを連続的に行うことにより、粉砕ゾーンで粉砕される際に発生する剪断発熱により原料温度を上昇させ一旦冷やすことなく、そのまま混合ゾーンへ供給する。混合ゾーンでは、粉砕ゾーンで温められた樹脂材料をその軟化温度以上で加熱・保温しながら混合・分散させることができる。したがって、本発明のセルロース系樹脂組成物の製造方法では、粉砕から分散・混合までを一度の熱履歴で行うことができる。
【0018】
これに対して、混練機に供給する前にセルロース系樹脂を粉砕装置で予め粉砕する従来のセルロース系樹脂組成物の製造方法では、粉砕装置で原料を予め粉砕してから室温付近まで冷却し、その後混練機で分散・混合することになる。したがって、従来の方法では、粉砕から分散・混合までの間に、粉砕時と分散・混合時の2度の熱履歴(樹脂材料の軟化温度以上の高温)を受けることになる。
【0019】
これにより、本発明では、粉砕開始から分散・混合終了までに原料に加わるトータルの熱量を従来よりも顕著に低減することができる。しかも、粉砕から分散・混合までを1つの混練機で連続して行うことで原料を十分に分散・混合することができるので、未溶融物が残存したりすることもなく、所望の物性の組成物を得ることができる。
【0020】
したがって、本発明は、混練機でセルロース系樹脂組成物を製造する際に、従来の課題であった樹脂組成物の着色、分子量の低下とそれに伴う物性低下や、未溶融物が残存するなどの問題の全てを解決することができる。
【0021】
本発明においては、前記粉砕ゾーンにおける最狭部分のチップクリアランスが、前記混合ゾーンにおける最狭部分のチップクリアランスよりも広いことが好ましい。
【0022】
これは、粉砕ゾーンの目的が混練を行うゾーンとは異なり、原料を均一粉砕でき、且つ粉砕による発熱は可能な限り小さくする必要があるためである。具体的には、粉砕ゾーンの最狭部分のチップクリアランスは0.03〜2mm、好ましくは0.05〜2mmに設定することが好ましい。一方、混合ゾーンにおける最狭部分のチップクリアランスは0.01〜1mmに設定することが好ましい。
【0023】
なお、チップクリアランスとは、スクリューに備えられた楕円形状のニーディングディスクとバレル内面とのクリアランスを意味し、最狭部分とはニーディングディスクの楕円長手方向とバレル内面とのクリアランスを指す。
【0024】
本発明においては、前記二軸混練機に投入する前の前記セルロース系樹脂の粒径は1〜30mmの範囲であることを特徴とする。これは、セルロース系樹脂の製造メーカーから供給されるセルロース系樹脂の粒径範囲を示したものであり、このように粒径に分布のあるセルロース系樹脂は可塑剤や石油系樹脂と分散・混合する前に粉状体にしておかないと均一混合ができない。
【0025】
本発明においては、前記粉砕ゾーンでは、前記樹脂材料に前記可塑剤が添加された状態で粉砕することが好ましい。これにより、粉砕による発熱で可塑剤の樹脂材料への浸透速度が大きくなり、樹脂材料に可塑剤を均一混合できるばかりでなく、可塑剤が浸透したセルロース系樹脂は軟化するため、粉砕による発熱も小さくすることができる。
【0026】
また、粉砕ゾーンは元々混練部を粉砕ゾーンとして利用したものなので、混合機能にも優れている。したがって、樹脂材料に可塑剤が添加された状態で粉砕すれば粉砕と混合とを同時に行うことができ、樹脂材料への可塑剤の均一混合を一層促進できる。
【0027】
本発明においては、前記粉砕ゾーンの後部にオープンベントを設け、粉砕された原料からの水蒸気等の揮発物質を脱気することで、原料の粉砕と乾燥を同時に行うことが好ましい。これにより、原料の粉砕と乾燥を同時に進めることができるので、原料を混練機に投入する前に行なう予備乾燥等の工程を削減でき、製造工程を簡素化できる。
【0028】
また、セルロース系樹脂は他の石油系樹脂よりも樹脂の含有水分が多く、混合ゾーンでの分散・混合時に水分が蒸発して樹脂中に気泡として残存し易い。本発明では、粉砕ゾーンの後にオープンベントを設け、粉砕時における剪断熱等で蒸発した樹脂中の水分をオープンベントから外部に逃がすようにしたことにより、樹脂中での気泡の残存や、水分による加水分解を防止できる。
【0029】
本発明においては、前記原料は、前記セルロース系樹脂と前記可塑剤の2種類であることを特徴とする。また、前記原料は、前記セルロース系樹脂とポリカーボネートと前記可塑剤の3種類であることを特徴とする。
【0030】
これは、本発明を適用する原料の好ましい具体例を示したものであり、セルロース系樹脂単独の場合と、セルロース系樹脂とポリカーボネートによる複合樹脂の場合に、特に好ましく適用することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、混練機でセルロース系樹脂組成物を製造する際に、樹脂組成物の着色、低分子量化とそれに伴う物性低下や、未溶融物が残存するなどの問題の全てを解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明のセルロース系樹脂組成物の製造方法に用いる混練機である二軸押出機の構成を説明する説明図
【図2】混練部のスクリューセグメント構造を説明する説明図.
【図3】本発明と従来法との原料の熱履歴の違いを説明する説明図
【図4】実施例と比較例の条件及び結果示す表図
【図5】混練機の剪断速度とYI値及び分子量との関係を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面に従ってセルロース系樹脂組成物の製造方法の好ましい実施の形態について詳説する。
【0034】
図1は、本発明のセルロース系樹脂組成物の製造方法に使用する混練機である二軸混練機の構成を示した概略図である。図1の(A)は側面図、(B)が二軸スクリューを示す上面図である。
【0035】
図1に示すように、二軸混練機10のバレル12内部には2本のスクリュー14、14が並列され、各スクリューは図示しないモータにより回転される。2本のスクリュー14、14は同方向回転でも異方向回転でもよいが、同方向回転がより好ましい。
【0036】
二軸混練機10のバレル長手方向の一端側上面には、原料供給口16が開口されると共に、原料供給口16に原料投入用のホッパー18が設けられる。バレル12内部は、ホッパー18側から順に、搬送ゾーン20、第1の混練ゾーン(粉砕部)22、加熱・可塑化ゾーン24、第2の混練ゾーン(混練部)26、昇圧・排出ゾーン28に分かれる。なお、図1(B)では、2つの混練ゾーン22、26の位置を明確にするために、黒い四角で示してある。
【0037】
上記各ゾーン20〜28を構成するバレル12外部には、各ゾーン20〜28の温度調整を行う温度調整手段(図示せず)がそれぞれ設けられ、各ゾーン20〜28の温度を個別に調整できるようになっている。温度調整手段としては、電気ヒータ、あるいは温水及び冷水が流れるジャケットを好適に使用することができる。
【0038】
また、搬送ゾーン20、加熱・可塑化ゾーン24及び昇圧・排出ゾーン28には、スクリュー軸に2条ネジ又は1条ネジと呼ばれるスクリューエレメントが設けられる。
【0039】
一方、第1及び第2の混練ゾーン22、26のスクリュー14には、図2(A)、(B)に示すように、スクリュー軸14Aに楕円状のニーディングディスク14Bと呼ばれるスクリューエレメントが等間隔で複数設定されている。そして、2本のスクリュー14、14に設けられたニーディングディスク14Bの回転方位位相が連続的に、又は周期的に異なるように設定されている。連続的に位相差がずらされており、且つその位相のずれ方が樹脂の排出方向に対して順方向になっているもの(排出されやすい)を図2(B)に示すように順ニーディングという。ニーディングディスク14Bはスクリュー軸14Aの回転方向と同方向に捻じる捩じれ角を有して順次ずらして配設され、捻じれ角は例えば20〜30°程度に設定される。そして、2本のスクリュー軸14Aは、対応するニーディングディスク14B同士が図2(A)に示すように、回転周期を90°ずらした位置関係を保持する状態で回転駆動される。
【0040】
また、位相差のずれ方が樹脂の排出方向と逆方向になっているもの(樹脂が滞留しやすい)を逆ニーディング(図示せず)といい、周期的にずらされているだけで搬送能力のないものをニュートラルニーディング(図示せず)という。これらにより、ニーディングディスク14Bの面相互間での剪断作用と、不連続なニーディングディスク14Bによる切返し効果による分散作用が発生し、原料の分散・混合を行う。なお、図2(A)の矢印は原料の動きを示す。
【0041】
このように、スクリュー14に2箇所の混練ゾーン22、26を有する二軸混練機としては、例えば東芝機械社製のTEMシリーズや日本製鋼社製のTEXシリーズ等を好適に利用することができる。
【0042】
そして、本発明では、混練機として上記の如く構成された二軸混練機10を用いて、粒状のセルロース系樹脂を少なくとも含む樹脂材料と、可塑剤と、を含む原料を二軸混練機10から押し出して組成物を製造する際に、入口側の第1の混練ゾーン22のバレル温度を樹脂材料の軟化温度以下に設定することで、粉砕ゾーンとして使用するようにした。この場合、樹脂材料と可塑剤とは共存した状態で粉砕すると、粉砕時の発熱で可塑剤が溶融し、樹脂材料に浸透し易くなるので好ましい。
【0043】
また、出口側の第2の混練ゾーン26のバレル温度を樹脂材料の軟化温度以上に設定することで、分散・混合を行う混合ゾーンとして使用するようにした。これにより、原料の粉砕と分散・混合とを1つの混練押出機で連続的に行うようにした。以下、第1の混練ゾーン22を粉砕ゾーン22として説明し、第2の混練ゾーン26を混合ゾーン26として説明する。
【0044】
上記構造の二軸混練機10において、粉砕ゾーン22及び混合ゾーン26の剪断速度は140〜436sec−1の範囲に調整可能であることが必要である。ここでの剪断速度は図2(A)におけるニーディングディスク14BのクリアランスCと垂直な方向のクリアランスDを元に計算した。これは、セルロース系樹脂は熱に弱く、剪断速度が436sec−1を超えて剪断発熱が大きくなると、黄色く着色し易くなる。一方、剪断速度が140sec−1を下回ると、分散・混合が十分に行われず、未溶融物が残存したり、所望の物性が得られなくなったりする。
【0045】
また、本発明においては、粉砕ゾーン22における最狭部分のチップクリアランスが、混合ゾーン26における最狭部分のチップクリアランスよりも広いことが好ましい。これは、粉砕ゾーン22は分散・混合を行う混合ゾーン26とは異なり、原料を均一粉砕できる程度にチップクリアランスを確保すれば良いからである。具体的には、粉砕ゾーン22の最狭部分のチップクリアランスは0.03〜2mm、好ましくは0.05〜2mmに設定することが好ましい。一方、混合ゾーンにおける最狭部分のチップクリアランスは0.01〜1mmに設定することが好ましい。
【0046】
なお、チップクリアランスとは、図2(A)に示すように、スクリュー14に備えられた楕円形状の混練ディスク14Bとバレル12内壁面とのクリアランスのうち混練ディスク14Bの楕円長手方向とバレル12内壁面とのクリアランスCを指す。
【0047】
また、図1(A)に示したように、粉砕ゾーン22の後部にオープンベント30を設け、粉砕された原料からの水蒸気等の揮発物質を脱気することで、粉砕と乾燥とを同時に進めることが好ましい。
【0048】
図3(A)は、1つの混練混練機(二軸混練機10)で原料の粉砕と分散・混合とを連続的に行う本発明における原料の温度変化を示したものである。一方、図3(B)は、混練押出機に供給する前のセルロース系樹脂を粉砕装置で予め粉砕する従来における原料の温度変化を示したものである。
【0049】
図3(A)に示す本発明では、粉砕ゾーン22で粉砕され剪断発熱等による発熱で品温が上昇した原料を一旦冷やすことなく、そのまま加熱・搬送・可塑化し、混合ゾーン26での分散・混合温度である樹脂材料の軟化温度以上に上昇させることができる。したがって、本発明では、粉砕から分散・混合までを一度の熱履歴で行うことができる。
【0050】
これに対して、図3(B)に示す従来の方法では、粉砕装置で原料を予め粉砕することにより粉砕熱等の発熱で上昇した品温を一旦室温付近まで冷却し、その後に混練機に投入して加熱・搬送して温度を上昇させて再可塑化し、分散・混合温度に到達させる。そして、混合ゾーンで分散・混合する。この場合、粉砕によりある程度軟化した原料は一旦室温付近まで冷却して硬化しないと、混練機に安定供給することができない。したがって、従来の方法では、粉砕から分散・混合までの間に、粉砕時と分散・混合時の2度の熱履歴を受けることになる。
【0051】
また、図3(A)と図3(B)の分散・混合処理における樹脂到達温度の対比から分かるように、粉砕と分散・混合を別装置で行った従来の方法は、粉砕から分散・混合までを1つの混練機で行う本発明に比べて高くなる。これは、従来のように粉砕装置で粉砕して一旦冷えた樹脂材料を、混練機で再昇温させる場合には、樹脂材料が非常に高粘度の温度域を超える必要がある。この結果、従来の方法は剪断発熱量が粉砕から分散・混合までを1つの混練機で行う本発明に比べて増加し、これにより樹脂到達温度が高くなる。また、剪断発熱を抑えるために、混練機での剪断速度を低くすると、分散状態が悪くなり物性が低下してしまう。
【0052】
樹脂材料の着色は、どれだけ高温に達し、どれだけの時間その温度に滞留したかで決まる。したがって、図3(B)に示すように、従来の方法は樹脂到達温度が本発明よりも高くなった分だけ着色の原因となる発熱に曝されることになる。
【0053】
これにより、従来法では原料が熱を受けている時間が長くなると共に、一度冷却した原料を分散・混合温度まで再度上昇させるための大きな熱量が必要になる。したがって、従来法は粉砕から分散・混合までに受けるトータル熱量が本発明に比べて顕著に大きくなる。換言すると、本発明は、粉砕開始から分散・混合終了までに原料に加わるトータルの熱量を従来法よりも顕著に低減することができる。粉砕時の粉砕熱等による発熱を利用して原料を軟化温度以上にまで加熱できるので、その後の分散・混合温度まで上昇させるのに必要な熱量を小さくすることができる。よって、原料が受ける熱量を従来法に比べて大幅に低減できる。
【0054】
したがって、混練機(二軸混練機10)でセルロース系樹脂組成物を製造する際に、樹脂組成物の着色、低分子量化とそれに伴う物性低下や、未溶融物が残存するなどの問題の全てを解決することができる。
【0055】
本実施の形態におけるセルロース系樹脂としては特に限定されないが、セルロースエステルが好ましく、特にジアセチルセルロース(DAC)やトリアセチルセルロース(TAC)、トリアセテートブチレート(CAB)、トリアセテートプロピオネート(CAP)を好ましく使用できる。セルロース系樹脂メーカから供給されているセルロース系樹脂の粒径は、一般的に1〜30mmの範囲で不揃いな粒状体としてユーザに供給される。
【0056】
本実施の形態における石油系樹脂としては、セルロース系樹脂に不足する物性を補うものを使用することができればどのような樹脂でもよいが、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリ−1、4―シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、これらの共重合体を好ましく使用することができる。石油系樹脂の場合製造メーカからは粉状体、粒状体の両方で供給されることが多い。
【0057】
本実施の形態における可塑剤としては特に限定されないが、トリメチルリン酸、ジエチレングリコールジベンゾエート、グリセリルポリベンゾエート、アジピン酸系ポリエステル、アジピン酸エステルを好ましく使用できる。可塑剤は常温で粉状体、液状体のいずれもある。
【実施例1】
【0058】
次に本発明のセルロース系樹脂組成物の製造方法を満足する実施例と、満足しない比較例とで、製造されたセルロース系樹脂組成物(以下、組成物という)の物性及び状態がどのようになるかを試験した。なお、試験は混練機の出口にストランドダイを取り付け、ストランドダイから押し出されるストランド(棒状)の組成物を冷却後にカットしてペレットを製造することにより実施した。
【0059】
[原料]
セルロース系樹脂としてジアセチルセルロース(L−70:ダイセル化学製)を使用し、石油系樹脂としてポリカーボネート(A1700:出光石油化学製)を使用した。また、可塑剤としては、トリメチルリン酸(大八化学製)又はジエチレングリコールジベンゾエート(リカフローLA100:新日本理化製)の何れかを使用した。
【0060】
そして、以下に示す試験条件で実施例1〜4、及び比較例1〜11を行った。
【0061】
(実施例1)
実施例1では、原料組成として、ジアセチルセルロースを70質量%、トリメチルリン酸を30質量%の組成比率になるようにした。そして、混練機(二軸混練機10)の条件としては、粉砕ゾーン22でのバレル12設定温度をジアセチルセルロースの軟化温度以下である30℃とし、チップクリアランスCを0.05mmとした。一方、混合ゾーン26でのバレル12設定温度をジアセチルセルロースの軟化温度以上である220℃とし、チップクリアランスを0.05mmとした。また、粉砕ゾーン22及び混合ゾーン26における剪断速度を140〜436sec−1の範囲を満足する272sec−1に設定した。実施例1におけるストランドダイ吐出口の吐出樹脂温度は265℃であった。なお、剪断速度はスクリュー14の回転数を変えることにより調整し、以下同様である。
【0062】
(実施例2)
実施例2は、可塑剤をトリメチルリン酸からジエチレングリコールジベンゾエートに変えただけで、他の条件は実施例1と同様に行った。即ち、可塑剤を変えた場合の影響を調べた。実施例2におけるストランドダイ吐出口の吐出樹脂温度は262℃であった。
【0063】
(実施例3)
実施例3は、原料組成として、ジアセチルセルロースを35質量%、ポリカーボネートを50質量%、ジエチレングリコールジベンゾエートを15質量%の組成比率になるようにした。また、混練機(二軸混練機10)の条件としては、剪断速度を本発明の140〜436sec−1の上限である436sec−1に設定した以外は実施例1と同様に行った。実施例3におけるストランドダイ吐出口の吐出樹脂温度は270℃であった。
【0064】
(実施例4)
実施例4は、原料組成を実施例3と同じものを用い、混練機(二軸混練機10)の剪断速度を本発明の140〜436sec−1の下限である140sec−1に設定した。それ以外の条件は実施例1と同様である。実施例4におけるストランドダイ吐出口の吐出樹脂温度は265℃であった。
【0065】
(比較例1)
比較例1は、実施例1と同じ組成の原料を用いて、粉砕と分散・混合とを別装置に分けて実施した場合である。即ち、混練部が1つの第1混練機(二軸混練機)で粉砕を行い、混練部が1つの第2混練機(二軸混練機)で分散・混合を行った。第1混練機(粉砕)及び第2混練機(分散・混合)におけるバレル設定温度、チップクリアランスC、及び剪断速度は実施例1と同様に設定した。比較例1は、粉砕と分散・混合とを1つの混練機で行う実施例1との対比のための試験である。比較例1における第1混練機出口での吐出樹脂温度は262℃であり、第2混練機に取り付けたストランドダイ出口での吐出樹脂温度は275℃であった。
【0066】
(比較例2)
比較例2は、実施例1と同じ組成の原料を用いて、混練機(二軸混練機10)の粉砕ゾーン22のみで処理した場合である。即ち、混練機(二軸混練機10)の混合ゾーン26のニーディングディスク14Bを搬送機能のみの2条ネジに代えて行った。粉砕ゾーン22でのバレル温度、チップクリアランスC、及び剪断速度は実施例1と同様である。比較例2におけるストランドダイ吐出口の吐出樹脂温度は245℃であった。
【0067】
(比較例3)
比較例3は、実施例1と同じ組成の原料を用いて、混練機(二軸混練機10)の混合ゾーン26のみで処理した場合である。即ち、混練機(二軸混練機10)の粉砕ゾーン22のニーディングディスク14Bを搬送機能のみの2条ネジに代えて行った。混合ゾーン26でのバレル温度、チップクリアランスC、及び剪断速度は実施例1と同様である。比較例3におけるストランドダイ吐出口の吐出樹脂温度は255℃であった。
【0068】
(比較例4)
比較例4は、剪断速度が本発明の条件範囲である140〜436sec−1の上限を大きく上回って850sec−1の場合であり、その他の条件は実施例1と同様である。比較例4におけるストランドダイ吐出口の吐出樹脂温度は320℃であった。
【0069】
(比較例5)
比較例5は、剪断速度が本発明の条件範囲である140〜436sec−1の下限を大きく下回って87sec−1の場合であり、その他の条件は実施例1と同様である。比較例5におけるストランドダイ吐出口の吐出樹脂温度は250℃であった。
【0070】
(比較例6)
比較例6は、剪断速度が本発明の条件範囲である140〜436sec−1を大きく下回って87sec−1の場合であると共に原料組成を実施例3に変えた以外は実施例1と同様である。比較例6におけるストランドダイ吐出口の吐出樹脂温度は250℃であった。
【0071】
(比較例7)
比較例7は、粉砕ゾーン22のバレル12設定温度をジアセチルセルロースの軟化温度よりも高い220℃に設定した場合であり、その他の条件は実施例1と同様である。即ち、粉砕ゾーン22のバレル12設定温度が本発明を満足しない場合である。比較例7におけるストランドダイ吐出口の吐出樹脂温度は282℃であった。
【0072】
(比較例8)
比較例8は、粉砕ゾーン22のチップクリアランスCを3mmに設定した場合であり、その他の条件は実施例1と同様である。即ち、粉砕ゾーン22のチップクリアランスCが本発明の条件を満足しない場合である。比較例8におけるストランドダイ吐出口の吐出樹脂温度は240℃であった。
【0073】
(比較例9)
比較例9は、混合ゾーン26のバレル12設定温度をジアセチルセルロースの軟化温度よりも低い30℃に設定した場合であり、その他の条件は実施例1と同様である。即ち、混合ゾーン26のバレル12設定温度が本発明を満足しない場合である。比較例9におけるストランドダイ吐出口の吐出樹脂温度は265℃であった。
【0074】
(比較例10)
比較例10は、粉砕ゾーン22のチップクリアランスCを2mmに設定した場合であり、その他の条件は実施例1と同様である。即ち、粉砕ゾーン22のチップクリアランスCが本発明の条件を満足しない場合である。比較例10におけるストランドダイ吐出口の吐出樹脂温度は238℃であった。
【0075】
(比較例11)
比較例11は、原料組成として、分散剤を使用せずにジアセチルセルロースを100質量%とした場合であり、その他の条件は実施例1と同様である。即ち可塑剤を使用しないで組成物を製造した場合である。比較例11におけるストランドダイ吐出口の吐出樹脂温度は330℃であった。
【0076】
なお、実施例1〜4及び比較例1〜11の上記条件以外は、全て共通である。
【0077】
[組成物品質の評価項目]
〈ストランド外観〉
得られた組成物中に未溶融物が有るか無いかを目視にて評価したものであり、未溶融物が無ければ○、有れば×とした。
【0078】
〈ペレットカラー〉
ペレットのイエローインデックス(YI値)が原料のときより増加していなければ○、増加していれば×とした。
【0079】
〈分子量〉
ペレットの分子量分布(Mw)が原料の値に比べて10%以下の減少量であれば○、10%を超えていれば×とした。
【0080】
〈シャルピー衝撃強度〉
シャルピー衝撃試験機(JIS7111)を使用してストランド樹脂について測定し、ペレットのシャルピー衝撃強度が5kJ/m2以上であれば○、5kJ/m2であれば×とした。
【0081】
〈総合評価〉
総合評価は、ストランド外観、ペレットカラー、分子量、シャルピー衝撃強度の4項目全てが○の場合に総合評価を○とし、1つでも×がある場合には総合評価を×とした。
【0082】
[試験結果]
試験結果を図4の表に示す。
【0083】
図4の表から分かるように、本発明のセルロース系樹脂組成物の製造方法を満足する実施例1〜4は、全ての評価項目が○であり、総合評価も○となった。
【0084】
一方、本発明のセルロース系樹脂組成物の製造方法を満足しない比較例1〜11は、4つの評価項目の少なくとも1つが×となった。このため、総合評価が×となった。
【0085】
特に注目すべき点は、実施例1と比較例1との対比から分かるように、1つの混練押出機で粉砕と分散・混合とを連続して行った実施例1と、2つの混練押出機で粉砕と分散・混合とを分けて行った場合では、ペレットカラーに違いがでた。即ち、実施例1はペレットカラーの評価が○であり、ペレットのYI値が原料のときより増加していないのに対して、比較例1では×の評価であり、YI値が増加した。
【0086】
この理由は、図3で説明したように、実施例1では、粉砕ゾーンで粉砕され粉砕熱等により品温が上昇した原料を一旦冷やすことなくそのままゾーンでの温度である樹脂材料の軟化温度以上に上昇させることができる。これに対して、比較例1は第1混練機で粉砕した原料を一旦室温付近まで冷却してから第2混練機に投入して混合するため、2回の熱履歴を経ることになり実施例1の1回の熱履歴よりも原料が熱劣化を受け易いためと考察される。
【0087】
また、実施例1〜4の剪断速度と比較例4の剪断速度との対比から分かるように、剪断速度が436sec−1を超えて大きくなり過ぎると、可塑剤を加えた原料であっても混練機の吐出樹脂温度が320℃まで上昇する。この結果、ストランド外観のみは○であるが、その他のペレットカラー、分子量、シャルピー衝撃強度の3項目が×になった。逆に、比較例5のように、剪断速度が140を下回って小さくなり過ぎると、混合ゾーンでの分散・混合が十分に行われない。この結果、原料は熱劣化を受けにくくなることからペレットカラーや分子量は○であるが、未溶融物の評価項目であるストランド外観や物性の評価項目であるシャルピー衝撃強度が×になった。この結果は比較例6のように原料組成を変えた場合も同様であった。
【0088】
図5は、剪断速度がペレットカラーや分子量にどのように影響するかを調べたグラフである。図5の横軸は剪断速度を表し、左側の縦軸はペレットカラーのYI値を表し、右側の縦軸は分子量を表す。また、曲線AがYI値の変化を示すと共に、曲線Bが分子量の変化を示す。
【0089】
図5の曲線Aから分かるように、剪断速度を大きくしていき、剪断速度が436sec−1を超えると原料の品温が273℃になりYI値が急激に大きくなる。一方、曲線Bの分子量は剪断速度436sec−1を超えても変化はなく、727sec−1を超えて品温が287℃になった時点で急激に低分子化し始めた。したがって、剪断速度を436sec−1以下にすることでYI値及び分子量の悪化を防止することができる。
【0090】
また、剪断速度が140sec−1を下回ってもYI値及び分子量に影響はないが、未溶融物が目視にて観察された。したがって、剪断速度の下限は140sec−1に設定することが適切である。
【0091】
なお、比較例1では、原料の粉砕を混練押出機で行ったが、従来のようにミル式やパドル式等の粉砕装置で行った場合も同様の結果を得ることができる。
【符号の説明】
【0092】
10…混練機(二軸混練機)、12…バレル、14…スクリュー、14A…スクリュー軸、14B…混練ディスク、16…原料供給口、18…ホッパー、20…搬送ゾーン、22…第1の混練ゾーン(粉砕部)、24…加熱・可塑化ゾーン、26…第2の混練ゾーン(混練部)、28…昇圧・排出ゾーン、30…オープンベント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも粒状のセルロース系樹脂を含む樹脂材料と、可塑剤とを含む原料を、混練機から押し出して樹脂組成物を製造するセルロース系樹脂組成物の製造方法において、
前記混練機として、スクリューに2箇所の混練部を有すると共に該混練部の剪断速度を140〜436sec−1の範囲に調整可能な二軸混練機を用い、
前記2箇所の混練部のうち、入口側の混練部のバレル温度を前記樹脂材料の軟化温度以下に設定し、出口側の混練部のバレル温度を前記樹脂材料の軟化温度以上に設定することにより、前記入口側の混練部を前記原料の粉砕ゾーンとして使用すると共に前記出口側の混練部を前記原料の混合ゾーンとして使用し、前記原料の粉砕と分散・混合とを1つの混練機で連続的に行うことを特徴とするセルロース系樹脂組成物の製造方法。
【請求項2】
前記粉砕ゾーンにおける最狭部分のチップクリアランスが、前記混合ゾーンにおける最狭部分のチップクリアランスよりも広いことを特徴とする請求項1のセルロース系樹脂組成物の製造方法。
【請求項3】
前記二軸混練機に投入する前の前記セルロース系樹脂の粒径は1〜30mmの範囲であることを特徴とする請求項1又は2のセルロース系樹脂組成物の製造方法。
【請求項4】
前記粉砕ゾーンでは、前記樹脂材料に前記可塑剤が添加された状態で粉砕することを特徴とする請求項1〜3の何れか1のセルロース系樹脂組成物の製造方法。
【請求項5】
前記粉砕ゾーンの後部にオープンベントを設け、粉砕された原料からの水蒸気等の揮発物質を脱気することで、前記原料材料の粉砕と乾燥とを同時に行うことを特徴とする請求項1〜4の何れか1のセルロース系樹脂組成物の製造方法。
【請求項6】
前記原料は、前記セルロース系樹脂と前記可塑剤の2種類であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1のセルロース系樹脂組成物の製造方法。
【請求項7】
前記原料は、前記セルロース系樹脂とポリカーボネートと前記可塑剤の3種類であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1のセルロース系樹脂組成物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−184520(P2011−184520A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−49321(P2010−49321)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】