説明

センサを備える液体化学薬品分配システム

【課題】高純度の液体を取り扱うシステムおよびその方法を提供する。
【解決手段】口34を備える容器12を有する。第1のキーエレメント40を含むキャップ30は、口34に連結される。コネクタ14は、キャップ30に連結される。コネクタ14は、コネクタヘッド、プローブ46、および第2のキーエレメント52を含む。プローブ46は、コネクタヘッドから延び、キャップ30の中心を通って、容器12の口34に挿入可能である。プローブ46は、流路を有する。第2のキーエレメントは、第1のキーエレメント40とかみ合うように構成される。システムはまた、プローブ46と流路とに連結されるポンプを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、酸、溶媒、塩基、フォトレジスト、ドーパント、無機、有機、生物学的溶液、製剤、および、放射性化学薬品、などの液体化学薬品の保存および分配のための分配システムに関する。具体的には、本発明は、キーエレメントおよびセンサを用いて、容器から出される液体化学薬品の適切で安全な分散のために、容器へのコネクタ部材の適切な連結を保証することに関する。
【背景技術】
【0002】
ある特定の製造プロセスは、酸、溶媒、塩基およびフォトレジストなどの液体化学薬品の使用を必要とする。これらのプロセスは、特定のプロセスの各々に、特定の液体化学薬品を必要とする場合が多い。さらに、各プロセスは、プロセスの様々な段階で、特定の液体化学薬品を必要とし得る。保存および分配システムは、代替容器が、特定の時間に製造プロセスに液体化学薬品を搬送するために使用されることを可能にする。従って、製造に携わる従業員は、システムが製造プロセスに正しい液体化学薬品を搬送するように、特定の時間に特定のプロセスに使用される液体化学薬品を変える必要がある。特定のプロセスについて、適切な液体化学薬品がシステムに装備されることが決定的に重要である。特定のプロセスについて、正しくない液体化学薬品が装備されると、従業員が、危険にさらされ得る。さらに、機器および製造中の物品が、深刻な損傷を受け得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術のシステムは、正しい容器にのみ適合する独自のポンプコネクタを使用することを試みている。各容器は、その中に含まれる液体化学薬品に基づいて、独自の構成を有する。その意図は、いかなる特定の製造プロセスにも、正しい化学薬品だけが使用され得ることである。なぜなら、プロセスが、独自のポンプ接続と、正しい化学薬品液体を有する対応する容器とを指示するからである。しかし、従来技術のシステムは、ポンプコネクタが、正しくない化学薬品に部分的に接続されることを可能にするため、接続が適切でなくてもポンプによる汲み出しが起こり得る。さらに、従業員は、間違った化学薬品を、間違ったプロセスまたは間違った時間に付与してしまいがちである。そのような正しくない接続は、従業員にとって危険であり得、機器および製品に、数百万ドルもの損害を引き起こしてしまい得る。本発明は、従来技術のシステムに関連する上記およびその他の問題点を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の要旨
本発明は、高純度の液体を取り扱うシステム、およびその方法である。システムは、口を備える容器を有する。第1のキーエレメントを含むキャップが、口に連結される。コネクタは、キャップに連結される。コネクタは、コネクタヘッド、プローブ、および第2のキーエレメントを含む。プローブは、コネクタヘッドから延び、キャップの中心を通って、容器の口に挿入可能である。プローブは、流路を有する。第2のキーエレメントは、第1のキーエレメントとかみ合うように構成される。
【0005】
システムは、プローブと流路とに連結されるポンプを含む。ポンプは、プローブおよび流路を通して、流体を汲み出す。次いで、センサは、第1および第2のキーエレメントがかみ合っているときを検知し、且つ、第1および第2のキーエレメントがかみ合っていないときを検知する。
【0006】
最後に、システムは、センサとポンプとに連結されるコントローラを含む。コントローラは、センサが、第1および第2のキーエレメントがかみ合っていることを検知すると、ポンプを可能化し(enable)、センサが、第1および第2のキーエレメントがかみ合っていないことを検知すると、ポンプを不能化する(disable)。
【0007】
好適な実施態様では、センサは、ホール効果センサおよび磁石を含む。ホール効果センサは、コネクタに装着され、2つの状態を有する。一方の状態は、互いにすぐ隣接しているホール効果センサおよび磁石により規定され、他方の状態は、互いに間隔があけられているホール効果センサおよび磁石により規定される。
【0008】
好適な実施態様では、第1のキーエレメントは、キャップの切り欠きであり、第2のキーエレメントは、コネクタ上にある突起である。突起は、突起と切り欠きとがかみ合ったときにキャップとコネクタとが単一の所定の向きでのみ連結され得るように、キャップの切り欠きとかみ合うように構成される。
【0009】
したがって、本発明は以下をも提供する。
1. 高純度液体取り扱いシステムであって、
口を有する容器と、
該口と連結するためのキャップであって、第1のキーエレメントを含むキャップと、
該キャップと連結するためのコネクタと、を含み、該コネクタは、
コネクタヘッドと、
該コネクタヘッドから延び、該キャップの中心を通って該口に挿入可能なプローブであって、その内部に流路を有するプローブと、
該第1のキーエレメントとかみ合うように構成される第2のキーエレメントと、を含み、該システムが、
該プローブと該流路とに連結され、該プローブおよび該流路を通して流体を汲み出すためのポンプ手段と、
該第1および第2のキーエレメントがかみ合っているときを検知し、且つ、該第1および第2のキーエレメントがかみ合っていないときを検出するためのセンサ手段と、
コントローラ手段と、をさらに含み、該コントローラ手段は、該センサ手段が該第1および第2のキーエレメントがかみ合っていることを検出すると該ポンプ手段を可能化し、且つ、該センサ手段が該第1および第2のキーエレメントがかみ合っていないことを検出すると該ポンプ手段を不能化するように該センサ手段と該ポンプ手段とに連結される、高純度液体取り扱いシステム。
2.前記センサ手段が、前記コネクタに装着される検出器と、前記キャップに装着される、検出器に影響を及ぼすエレメントと、を含む、項目1に記載の高純度液体取り扱いシステム。
3.前記検出器がホール効果センサであり、前記検出器に影響を及ぼすエレメントが磁石であり、前記コネクタに装着される該ホール効果センサが、2つの状態を有し、一方の状態は、互いにすぐ隣接している該ホール効果センサおよび該磁石により規定され、他方の状態は、互いに間隔があけられている該ホール効果センサおよび該磁石により規定される、項目2に記載の高純度液体取り扱いシステム。
4.前記検出器が、アクチュエータを備えるマイクロスイッチセンサであり、前記検出器に影響を及ぼすエレメントが、剛性面であり、該コネクタに装着される該マイクロスイッチセンサが、2つの状態を有し、該状態は、該マイクロスイッチセンサと該剛性面とが互いに接するときに該アクチュエータが該剛性面に接するたびに切り換えられる、項目2に記載の高純度液体取り扱いシステム。
5.前記センサ手段が、前記キャップに装着される検出器と、前記コネクタに装着される、検出器に影響を及ぼすエレメントと、を含む、項目1に記載の高純度液体取り扱いシステム。
6.前記検出器が、ホール効果センサであり、前記検出器に影響を及ぼすエレメントが、磁石であり、前記キャップに装着される該ホール効果センサが、2つの状態を有し、一方の状態は、互いにすぐ隣接している該ホール効果センサおよび該磁石により規定され、他方の状態は、互いに間隔があけられている該ホール効果センサおよび該磁石により規定される、項目5に記載の高純度液体取り扱いシステム。
7.前記第1のキーエレメントが、前記キャップの切り欠きであり、前記第2のキーエレメントが、前記コネクタ上にある突起であり、該突起は、該突起と該ノッチとがかみ合うときに該キャップと該コネクタとが単一の所定の向きでのみ連結され得るように、該キャップの該切り欠きとかみ合うように構成される、項目1に記載の高純度液体取り扱いシステム。
8.前記センサ手段が、前記コネクタに装着される検出器と、前記キャップに装着される、検出器に影響を及ぼすエレメントと、を含み、該コネクタに装着される該検出器は、2つの状態を有し、一方の状態が、前記切り欠きと前記突起とがかみ合い、且つ、該キャップと該コネクタとが所定の向きで連結されるときであり、第2の状態が、該切り欠きと該突起とがかみ合っておらず、且つ、該キャップと該コネクタとが該所定の向きで連結されていないときである、項目7に記載の高純度液体取り扱いシステム。
9.前記第1のキーエレメントが、前記キャップ上にある突起であり、前記第2のキーエレメントが、前記コネクタの切り欠きであり、該突起が、該突起と該切り欠きとがかみ合うときに該キャップと該コネクタとが単一の所定の向きでのみ連結され得るように、該コネクタの該切り欠きとかみ合うように構成される、項目1に記載の高純度液体取り扱いシステム。
10.高純度の液体を取り扱う方法であって、
容器であって、該容器の内部と連通する口を有する容器を提供する工程と、
第1のキーエレメントを有するキャップを、該口の上に取り付ける工程と、
該キャップにコネクタを連結する工程と、を包含し、該コネクタは、該容器の該内部内で終わる流路を規定するプローブを含み、該コネクタは、該第1のキーエレメントとかみ合うように構成される第2のキーエレメントを有し、
該キャップの該第1のキーエレメントと、該コネクタの該第2のキーエレメントとが適切にかみ合っているかどうかを検知する工程と、
該第1および第2のキーエレメントが適切にかみ合っているとき、ポンプ手段に第1の信号を提供し、該第1および第2のキーエレメントが適切にかみ合っていないとき、該ポンプ手段に第2の信号を提供する工程と、
該第1の信号が受け取られると、該容器から該プローブを通して液体を分配し、該第2の信号が受け取られると、該容器からの該液体の分配を防ぐ工程と、をさらに包含する、方法。
11.前記キャップの前記第1のキーエレメントと、前記コネクタの前記第2のキーエレメントとが適切にかみ合っているかどうかを検知する前記工程が、該コネクタに装着されるセンサと、該キャップに装着される、センサに影響を及ぼすエレメントと、を提供する工程を包含する、項目10に記載の方法。
12.前記センサがホール効果センサであり、前記センサに影響を及ぼすエレメントが、磁石であり、前記コネクタに装着される該ホール効果センサが、2つの状態を有し、一方の状態は、互いにすぐ隣接している該ホール効果センサおよび該磁石により規定され、他方の状態は、互いに間隔があけられている該ホール効果センサおよび該磁石により規定される、項目11に記載の方法。
13.前記センサが、前記コネクタに装着されるアクチュエータを備えるマイクロスイッチセンサであり、前記検出器に影響を及ぼすエレメントが、前記キャップ上の剛性面であり、該マイクロスイッチセンサが、2つの状態を有し、該マイクロスイッチの該状態は、該マイクロスイッチセンサと該剛性面とが互いに接するときに該アクチュエータが該剛性面に接するたびに切り換えられる、項目11に記載の方法。
14.前記キャップの前記第1のキーエレメントと、前記コネクタの前記第2のキーエレメントとが適切にかみ合っているかどうかを検知する前記工程が、該キャップに装着されるセンサと、該コネクタに装着される、センサに影響を及ぼすエレメントと、を提供する工程を包含する、項目10に記載の方法。
15.前記第1のキーエレメントが、前記キャップの切り欠きであり、前記第2のキーエレメントが、前記コネクタ上にある突起であり、該突起は、該突起と該切り欠きとがかみ合うときに該キャップと該コネクタとが単一の所定の向きでのみ連結され得るように、該キャップの該切り欠きとかみ合うように構成される、項目10に記載の方法。
16.前記第1のキーエレメントが、前記キャップの切り欠きであり、前記第2のキーエレメントが、前記コネクタ上にある突起であり、該突起が、該突起と該切り欠きとがかみ合うときに該キャップと該コネクタとが単一の所定の向きでのみ連結され得るように、該キャップの該切り欠きとかみ合うように構成される、項目10に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明による液体化学薬品分配システムを示す。
【図2】図2は、外側容器およびキャップの斜視図を示す。
【図3】図3および図4は、外側容器、キャップ、およびコネクタの斜視図を示す。
【図4】図3および図4は、外側容器、キャップ、およびコネクタの斜視図を示す。
【図5】図5は、コネクタの底面図を示す。
【図6】図6は、コネクタおよびキャップの分解図を示す。
【図7】図7および図8は、外側容器、キャップ、およびコネクタの断面図を示す。
【図8】図7および図8は、外側容器、キャップ、およびコネクタの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
好適な実施態様の詳細な説明
図1は、本発明による液体化学薬品分配システム10の好適な実施態様を示す。分配システム10は、内側容器11、外側容器12、コネクタ14、制御ユニット16、およびポンプ18を含む。コネクタ14は、センサ20およびポートアダプタ22を含む。センサライン24は、センサ20を制御ユニット16に連結する。アダプタチューブ26は、ポートアダプタ22をポンプ18に接続する。
【0012】
分配システム10の動作において、内側容器11は、外側容器12内に収容される。内側容器11は、可撓性のある材料からなり、外側容器12は、剛性材料からなる。内側容器11は、その内部に液体化学薬品を含む。例えば、内側容器11は、集積回路の製造において使用されるフォトレジストなどの液体化学薬品を含み得る。
【0013】
コネクタ14は、外側容器12に装着される。クリップ28は、コネクタ14を外側容器12に固定するのを助ける。コネクタ14を外側容器12にさらに固定するために、追加のクリップが使用されてもよい。アダプタチューブ26およびポートアダプタ22は、内側容器11の内部からポンプ18への流路を提供する。分配システム10が適切に組み立てられると、ポンプ18は、内側容器11中の液体化学薬品を、ポートアダプタ22およびアダプタチューブ26を通して、集積回路の製造などの製造プロセスに汲み出し得る。
【0014】
ポンプ18の動作は、制御ユニット16により制御される。制御ユニット16は、オペレータから、ポンプ18の始動および停止に関する入力を受け取り得る。例えば、内側容器11中の液体化学薬品の、製造プロセスへのポンプによる汲み出しを開始しようとしているオペレータは、この情報を制御ユニット16に入力し得る。
【0015】
しかし、制御ユニット16はまた、センサ20からセンサライン24を介して信号を受け取るように構成される。センサ20は、コネクタ14と外側容器12との適切な接続がなされているときを検知する。適切な接続が検知されると、センサ20は、適切な接続を示す第1の信号を、センサライン24上の制御ユニット16に送る。不適切な接続が検知されると、センサ20は、不適切な接続を示す第2の信号を、センサライン24上の制御ユニット16に送る。制御ユニット16は、センサ20が適切な接続を示す第1の信号を送ったときにのみ、ポンプ18を可能化する。制御ユニット16がセンサ20から不適切な接続を示す第2の信号を受け取ると、制御ユニット16は、ポンプ18を不能化する。
【0016】
従って、分配システム10が適切に組み立てられていないときに、分配システム10が適切に組み立てられていると思っているオペレータが情報を入力してポンプ18を始動しても、ポンプ18は動作しない。このようにして、分配システム10は、不適切に組み立てられたシステムの不慮の動作を防ぐ。
【0017】
図2〜図4は、分配システム10の構成要素の組み立ての一連を示す。図2は、外側容器12およびキャップ30を示す。外側容器12は、容器運搬ハンドル32および容器口34を含む。キャップ30は、取り外し可能なキャップハンドル36、磁石38、およびキャップキー40を含む。容器口34には、雄ねじが切られている。口34と相互接続するために、キャップ30には、雌ねじが切られている。容器運搬ハンドル32は、外側容器12の運搬および取り扱いを助ける。
【0018】
キャップ30は外側容器12と螺合可能に接続され、内側容器11の液体化学薬品内容物が逃げられないような方法で、内側容器11およびその内部を効果的に封止する。キャップ30と外側容器12との接続は、こぼれたり汚れたりする危険性を伴わない、高純度流体の運搬のための理想的な構成を提供する。取り外し可能なキャップハンドル36は、キャップ30上に形成され、キャップ30を取り外さずに内側容器11へのアクセスを可能にするために、取り外され得る。キャップキー40は、キャップ30に作られる溝である。以下により詳細に説明されるように、磁石38およびキャップキー40は、コネクタ14の、外側容器12への適切な接続にとって重要である。
【0019】
図3は、分配システム10の構成要素の組み立ての一連の続きを示す。図3は、外側容器12、キャップ30、およびコネクタ14を示す。容器12は、容器運搬ハンドル32および容器口34を含む。キャップ30は、(ハンドルバー37を備える)取り外し可能なキャップハンドル36、磁石38、キャップキー40、破断可能な膜42、および膜切り込み(membranescores)44を含む。コネクタ14は、センサ20、ポートアダプタ
22、センサライン24、アダプタチューブ26、クリップ28、およびプローブ46を含む。プローブ46は、プローブチップ50に隣接して配置される下側プローブポート48を含む。
【0020】
キャップ30は、外側容器12の口34に螺合可能に接続される。キャップ30を有する外側容器12が所望の場所に運搬された後、ハンドルバー37を持ち上げることにより、取り外し可能なキャップハンドル36が、キャップ30から取り外される。キャップ30から取り外しているキャップハンドル36がプローブ孔41および通気孔43を開くように、キャップ30には、予め切り込みが入れられる。破断可能な膜42は、プローブ孔41を通して露出される。破断可能な膜42は、その表面に、膜切り込み44を有する。
【0021】
コネクタ14は、キャップ30と相互接続されるように構成される。図3および図4は、分配システム10の構成要素の組み立ての一連の続きを示す。より具体的には、キャップ30および外側容器12と相互接続されるコネクタ14が示される。プローブチップ50は、プローブ孔41を通して挿入され、膜切り込み44に近接して破断可能な膜42に押しつけられる。破断可能な膜42に向かって、コネクタ14に十分な圧力が付与されると、プローブチップ50は、プローブ46が膜42を通って挿入されることを可能にする膜切り込み44に沿って、破断可能な膜42を破る。次いで、コネクタ14に続けて付与される圧力は、コネクタ14が、キャップ30のすぐ隣で移動されることを可能にする。次いで、プローブ46は、内側容器11の内部と連通する。
【0022】
図1は、キャップ30および外側容器12と完全に接続されたコネクタ14を示す。プローブ46、ポートアダプタ22、およびアダプタチューブ26は、流体が、内側容器11の内部から、下側プローブポート48、プローブ46、ポートアダプタ22、およびアダプタチューブ26を通って、ポンプ18に汲み出されることを可能にする流路を規定する。
【0023】
図5は、コネクタ14の底面図を示す。コネクタ14は、センサ20、クリップ28、クリップ29、下側プローブポート48、プローブチップ50、およびコネクタキー52を含む。コネクタキー52は、コネクタ14上にある突起である。コネクタキー52およびキャップキー40は、かみ合うように構成され、コネクタキー52とキャップキー40とは、コネクタ14がキャップ30と適切に接続されるように適切に整列されなければならない。図4に示されるように、コネクタキー52とキャップキー40とが適切に整列されて相互接続されると、センサ20は、磁石38と整列される。さらに、コネクタ14がキャップ30に適切に接続されると、センサ20はまた、磁石38にすぐ隣接する。
【0024】
センサ20は、センサ20が、磁石38にすぐ隣接し、且つ、磁石38と整列されると、センサライン24上の制御ユニット16に第1の信号を送るように構成される。第1の信号は、コネクタ14がキャップ30に適切に接続されていることを示す。センサ20は、センサ20が磁石38に隣接していないとき、センサライン24上の制御ユニット16に第2の信号を送る。第2の信号は、コネクタ14が、キャップ30に適切に接続されていないことを示す。
【0025】
制御ユニット16は、センサライン24をモニタして、コネクタ14がキャップ30に適切に接続されているかどうかを判定する。次いで、制御ユニット16は、ポンプ18の動作を制御する。制御ユニット16は、オペレータから、ポンプ18の動作に関する入力を受け入れる。しかし、制御ユニット16は、コネクタ14とキャップ30との間の適切な接続がなされていることを示す第1の信号をセンサ20から受け取らない限り、ポンプ18の動作を可能化しない。従って、オペレータが制御ユニット16に情報を入力して、ポンプ18の動作を開始しようとしても、制御ユニット16は、センサ20から第1の信号を受け取るまで、ポンプ18を可能化しない。このように、分配システム10は、適切な接続がなければ、ポンプ18の動作を可能にしない。
【0026】
内側容器11に最初に液体化学薬品が満たされると、外側容器12にキャップ30が取り付けられる。キャップ30は、内側容器11内の特定の液体化学薬品に対応するキャップキー40の独自の構成を有する。このように、各液体化学薬品は、その液体化学薬品の独自のキャップ30であって、キャップキー40の対応する独自の構成を備えるキャップ30を有する。例えば、液体フォトレジストが満たされた内側容器11は、3つのキャップキー40を備えるキャップ30を有し得、これらのキャップキー40のうち2つは180度離れて配置され、第3のキャップキー40は、他の2つのキャップキー40のほぼ中間に配置される(図2に大まかに図示)。
【0027】
他の液体化学薬品が満たされる内側容器11は、キャップキー40の、他の独自の構成を有する。例えば、液体塩基は、30度離れて配置された2つのキャップキー40を備えるキャップ30(図示せず)を有し得る。各々が特定の液体化学薬品に対応する数百個の組み合わせを作り出すために、単一または多数のキャップキー40が使用され得ることに注目すべきである。独自の組み合わせをさらに作り出すために、異なる形状および幅のキャップキー40もまた、使用され得る。
【0028】
分配システム10は、化学薬品を必要とする各製造プロセス工程のために、1つの特定の液体化学薬品を使用する。従って、各プロセス工程は、コネクタキー52の独自の構成を備えるコネクタ14と相関する。次いで、コネクタキー52の独自の構成の各々は、キャップキー40の独自の構成に対応し、従って、各コネクタ14は、プロセスのその工程に使用される特定の液体化学薬品に対応する。このようにして、1つの独自のキャップ30と、キャップキー40の1つの独自の構成とだけが、1つの独自のコネクタ14と、コネクタキー52の1つの独自の構成とに適切に相互接続する。このように、1つの液体化学薬品だけが、製造プロセスの1つの工程で使用され得る。
【0029】
例えば、集積回路の製造において液体フォトレジストの使用を必要とするプロセス工程は、3つのコネクタキー52を備えるコネクタ14を有し、これらのコネクタキー52のうちの2つは180度離れて配置され、第3のコネクタキー52は、他の2つのコネクタキー52のほぼ中間に配置される(図5に大まかに図示)。2つのキャップキー40が180度離れて配置され、且つ、第3のキャップキー40が他の2つのキャップキー40のほぼ中間に配置される3つのキャップキー40を備えるキャップ30(図2に大まかに図示)だけが、コネクタ14および3つのコネクタキー52に適切に接続する。従って、液体フォトレジストが満たされた内側容器11だけが、このプロセス工程において使用され得る。
【0030】
本発明を行うために、キャップキー40およびコネクタキー52の他の構成が使用され得ることが認識されるはずである。例えば、キャップキー40および対応するコネクタキー52の数は変わり得る。同様に、キャップキー40がキャップ30上にある突起である限り、コネクタキー52は、コネクタ14に作られる溝であり得る。また、幅の広い溝、幅の狭い溝、ぎざぎざの溝、または鋸歯状の溝、などの様々な形状が使用され得る。キャップキー40の独自の構成の各々は、対応する、コネクタキー52の独自の構成を有する。
【0031】
キャップキー40と、対応するコネクタキー52との様々な組み合わせに対する1つの重要な制限は、これらの組み合わせがいずれも互いに重ならないことである。例えば、単一のキャップキー40と対応するコネクタキー52との構成が使用される場合、コネクタキー52の形状は、図2に大まかに示されるキャップ30での形状のような、コネクタキー52が3つのキャップキー40のうちの1つとかみ合わないような形状でなければならない。各コネクタ14についてのコネクタキー52の独自の組み合わせの各々は、各キャップ30についてのキャップキー40の1つの独自の構成にしかかみ合わないように構成されなければならない。同様に、各キャップ30についてのキャップキー40の独自の組み合わせの各々は、各コネクタ14についてのコネクタキー52の1つの独自の組み合わせにしかかみ合わないように構成されなければならない。
【0032】
図6は、コネクタ14およびキャップ30を、分解斜視図でより詳細に示す。コネクタ14は、センサ20、ポートアダプタ22、コネクタヘッド54、クリップ28および29、プローブ46、プローブカラー56、Oリング58、ならびに雄コネクタリング60を含む。
【0033】
コネクタヘッド54は、コネクタ外面68を有するほぼ円筒形の形状である。コネクタヘッド54は、上側コネクタキャビティ72と下側コネクタキャビティ74とを規定するコネクタヘッドフロア70を含む。フロア70は、センサ装着孔76をさらに含む。
【0034】
センサ20がコネクタヘッド54と螺合可能に接続可能になるように、センサ20には雄ねじが切られ、センサ装着孔76には雌ねじが切られる。センサ20は、センサライン24が上側キャビティ72でセンサ20と接続可能になるように装着される。次いで、センサ20の底部は、コネクタヘッドフロア70を通って下側キャビティ74内に延びる。
【0035】
同様に、ポートアダプタ22は、フロア70を通して接続可能である。そして、ポートアダプタ22の底部は、コネクタヘッドフロア70を通って、下側キャビティ74においてプローブ46と接続可能である。ポートアダプタ22は、アダプタチューブ26が上側キャビティ72においてポートアダプタ22と接続可能になるように配置される。
【0036】
クリップ28および29は、コネクタ外面68上に装着される。クリップ28は、クリップボディ77、クリップピン78、クリップヘッド80、クリップばね82、およびクリップベース84を含む。クリップボディ77は、コネクタ外面68の上に、クリップピン78上で回転可能に装着される。クリップヘッド80は、クリップばね82により、コネクタ外面68から離される。コネクタ外面68に向かって内側にクリップヘッド80に圧力が付与されると、クリップボディ77がクリップピン78上で回転するため、クリップベース84は、コネクタ外面68から離れる方に移動する。コネクタヘッド54は、クリップベース84がコネクタ外面68を通って下側キャビティ74内に延びるように構成される。以下に説明されるように、クリップベース84が下側キャビティ74内に延びることを可能にすることが、コネクタ14をキャップ30に固定することにとって重要である。
【0037】
プローブ46は、上側プローブポート86、下側プローブポート48、およびプローブチップ50を含む。プローブ46は、コネクタヘッドフロア70を通って、上側プローブポート86でポートアダプタ22に接続する。プローブカラー56は、プローブ46の周りに延び、下側キャビティ74においてコネクタヘッドフロア70の下側に当接する。プローブカラー56は、カラー外面57を有する。Oリング58は、プローブカラー56の真下で、プローブ46の周りに延びる。
【0038】
雄コネクタリング60は、プローブ46の周りに延び、リング内面88、リング上面89、およびリング外面90を含む。コネクタキー52は、リング外面90上にある。雄コネクタリング60がプローブカラー56の上に適合するように、リング内面88の内径は、カラー外面57の外径よりも大きい。次いで、雄コネクタリング60は、ねじ92で、コネクタヘッドフロア70の下側に接して装着される。ねじ92は、上側キャビティ72から、コネクタヘッドフロア70を通して挿入可能であり、雄コネクタリング60のリング上面89を、下側キャビティ74においてコネクタヘッドフロア70の下面に接した状態に保持する。
【0039】
キャップ30は、取り外し可能なキャップハンドル36、キャップベース62、雌キャップリング64、および磁石38を含む。
【0040】
キャップベース62は、取り外し可能なキャップハンドル36、ベース上面93、ベース外面94、ベース切り込み95Aおよび95B、ならびにベース溝96を含む。ベース切り込み95Aおよび95Bは、ベース上面93に、円形に形成される。取り外し可能なキャップハンドル36が取り外されると、ベース上面93のうち、ベース切り込み95Aおよび95Bの内側にある部分が、ハンドル36とともに除去される。次いで、ベース切り込み95Aの内側にあるベース上面93の除去により形成されるプローブ孔41により、破断可能な膜42が露出される。通気孔43は、ベース上面93のうち、ベース切り込み95Bの内側にある部分が除去される場所に形成される。
【0041】
雌キャップリング64は、キャップキー40、リングフランジ98、リング下面100、リング外面102、リング上面104、リング内面106、磁石装着窪み108、および磁石キャップ110を含む。リングフランジ98は、キャップベース62のベース外面94に形成される溝96とかみ合うように構成される。雌キャップリング64およびキャップベース62は、溝96および切り欠き98を用いて相互接続され、キャップ30を形成する。
【0042】
雌キャップリング64は、磁石装着窪み108を形成するように構成される。磁石38は、磁石装着窪み108内に適合し、磁石キャップ110は、磁石38の上に適合して、磁石をキャップ30内にしっかりと保持する。磁石キャップ110は、超音波溶接を用いて、磁石38の上でさらに固定され得る。キャップキー40は、リング上面104に形成される。
【0043】
分配システム10の動作において、コネクタ14は、キャップ30と相互接続される。取り外し可能なキャップハンドル36が取り外され、プローブ46が破断可能な膜42を通して挿入される。次いで、キャップ30のリング上面104が、コネクタ14のコネクタヘッドフロア70の下側に向かって動かされる。コネクタヘッド54は、雌キャップリング64がヘッド54の下側キャビティ74内に適合するように構成される。
【0044】
雌キャップリング64のリング内面106の内径は、雄コネクタリング60のリング外面90の直径よりもわずかに大きい。コネクタキー52は、リング内面106の直径を超えて延びる。従って、コネクタキー52は、コネクタ14とキャップ30とが相互接続されたときに、雄コネクタリング60が、雌キャップリング64の内側に適合することを防ぐ。しかし、コネクタキー52は、キャップキー40と整列され得る。コネクタキー52およびキャップキー40は、コネクタに、内側容器11内の化学薬品との適合性があればかみ合うように構成される。従って、コネクタキー52とキャップキー40とが整列されると、雌キャップリング64は、雄コネクタリング60の上で適合する。
【0045】
コネクタキー52およびキャップキー40が整列されず、リング上面104が、コネクタヘッドフロア70の下側に達することが防がれると、これは、コネクタ14とキャップ30との間の不適切な接続である。コネクタに内側容器11内の化学薬品との適合性がなければ、コネクタキー52とキャップキー40とを整列させることは不可能である。そのような不適切な接続でポンプ18を可能化すると、オペレータが危険にさらされ得るか、機器に損傷を与え得るか、または、不良品が製造され得る。分配システム10は、ポンプ18が、そのような不適切な接続で機能することを可能にしない。
【0046】
センサ20は、ホール効果センサなどの磁気センサである。センサ20が、磁石38により生成されるような磁場内にあるとき、センサ20は、第1の信号を生成する。センサ20は、センサ20が磁石38の隣にあるとき、第1の信号を生成する。センサ20が磁場内にないとき、センサ20は、第2の信号を生成する。センサ20は、センサ20が磁石38から間隔があけられているとき、第2の信号を生成する。コネクタ14とキャップ30との間の不適切な接続がある場合、コネクタキー52とキャップキー40とは整列されず、リング上面104は、コネクタヘッドフロア70の下側から間隔があけられ、従って、センサ20は、磁石38から間隔があけられる。このように、コネクタ14とキャップ30との間に不適切な接続がある場合、センサ20は、第2の信号を生成する。上で説明されたように、制御ユニット16は、この信号を受け取り、ポンプ18を不能化する。
【0047】
コネクタ14とキャップ30との間に適切な接続がある場合、コネクタキー52とキャップキー40とが整列され、リング上面104が、コネクタヘッドフロア70の下側にすぐ隣接し、従って、センサ20が磁石38にすぐ隣接する。このように、コネクタ14とキャップ30との間に適切な接続がある場合、センサ20は、第1の信号を生成する。制御ユニット16は、この信号を受け取り、ポンプ18を可能化する。
【0048】
当業者が理解するように、本発明の目的を達成するために、センサ20および磁石38の構成の様々な組み合わせが使用され得る。例えば、センサ20は、マイクロスイッチなどの、機械作動式小型スイッチであり得る。マイクロスイッチは、アクチュエータがトリガされるたびにスイッチの状態を変える機械アクチュエータを有する。次いで、磁石38は単に、コネクタキー52とキャップキー40とが整列され、リング上面104がコネクタヘッドフロア70にすぐ隣接すると、スイッチ内のアクチュエータをトリガする表面であり得る。コネクタキー52とキャップキー40とが整列されず、リング上面104がコネクタヘッドフロア70から取り外されると、センサ20のアクチュエータはトリガされず、その状態は変わらないままである。従って、この別の構成は、制御ユニット16がポンプ18を可能化および不能化するための別の状態を提供する。
【0049】
本発明の目的を達成するために、センサ20および磁石38の様々な他の構成が使用され得る。例えば、光学マークを検知することができる光センサが使用され得る。剛性材料によりトリガされる機械スイッチが使用され得る。誘導もしくは容量近接センサまたは赤外線センサが使用され得る。材料の種類、または、材料の欠如を検知するいかなるセンサも使用され得る。本質的に、コネクタ14とキャップ30との適切な接続を検出することができるいかなる構成も使用され得る。
【0050】
同様に、本発明の目的を達成するために、キャップキー40およびコネクタキー52の構成の様々な組み合わせが使用され得る。例えば、キャップキー40がキャップ30上にある突起である限り、コネクタキー52は、コネクタ14に作られる溝であり得る。同様に、ぎざぎざまたは鋸歯状の構成が使用され得る。キャップキー40の独自の構成の各々は、コネクタキー52の対応する独自の構成を有する。
【0051】
図7および図8は、コネクタ14、キャップ30、および外側容器12を含む、分配システム10の構成要素の組み立ての一連を、断面図で示す。図7は、取り外し可能なハンドル36が取り外される前のキャップ30を示す。図8は、キャップ30および容器12と完全に組み立てられたコネクタ14を示す。
【0052】
図7において、キャップ30は、外側容器12に螺合可能に装着される。容器口34は、キャップ30の雌ねじと相互接続する雄ねじを有する。キャップ30はまた、キャップシール113を含む。キャップシール113は、口34の直径と同様の直径を有する。このようにして、キャップ30が容器口34の上で外側容器12に螺合可能に装着されると、キャップシール113は、キャップ30と外側容器12との間のシールを提供する。
【0053】
容器口34は、口棚部114を含むように構成される。保持具116は、口34内で口棚部114の上に載るように構成される。保持具116は、保持具棚部118を含む。備品(fitment)120は、保持具116内に適合し、且つ、保持具棚部118の上に載る
ように構成される。備品120は、その上端に備品口122を形成し、内側容器11は、その下端で備品120の上に適合する。
【0054】
キャップ30が外側容器12の上に締め付けられると、破断可能な膜42が、備品口122に押しつけられ、内側容器11の内部を封止する。取り外し可能なキャップハンドル36がキャップ30から取り外されると、破断可能な膜42は、プローブ孔41を通して露出される。次いで、プローブチップ50が、プローブ孔41を通して押し込まれ得、破断可能な膜42に抗して付勢される。膜切り込み44は、破断可能な膜42が、備品口122内に開くことを可能にし、プローブ46が、内側容器11の内部に移動され得る。
【0055】
図8は、コネクタ14、キャップ30、および外側容器12の断面図を示す。ここで、コネクタ14は、キャップ30および外側容器12と適切に接続されている。クリップ28および29は、コネクタ14とキャップ30との間の接続を固定する。
【0056】
クリップ28に関して示されるように、クリップボディ77は、コネクタ外面68上に、クリップピン78上で回転可能に装着される。クリップヘッド80は、クリップばね82により、コネクタ外面68から離される。コネクタ外面68に向かって内側にクリップヘッド80に圧力が付与されると、クリップボディ77がクリップピン78の上で回転するため、クリップベース84は、コネクタ外面68から離れる方に移動する。コネクタヘッド54は、クリップベース84がコネクタ外面68を通って下側キャビティ74内に延びるように構成される。雌キャップリング64のリング外面102の直径は、キャップベース62のキャップ外面94の直径よりも大きく、リング棚部112を形成する。クリップばね82は、クリップベース84を、リング棚部112の下のベース外面94に対して押しつける。従って、コネクタ14とキャップ30とが適切に相互接続されると、クリップベース84およびリング棚部112が、コネクタ14をキャップ30に固定する。クリップヘッド80への内側への圧力は、クリップベース84を、リング棚部112から解放し、そして、コネクタ14およびキャップ30が分離されることを可能にする。クリップ29も同様に機能する。
【0057】
コネクタ14がキャップ30と適切に接続されると、プローブ46は、内側容器11内で、備品120を通るように配置される。Oリング58は、備品120である場合は、内壁に押しつけることにより、内側容器11の内部を封止する。従って、ポンプ18が、プローブ46を通して内側容器11から液体化学薬品を汲み出すとき、内側容器11の内部は、適切に封止される。
【0058】
取り外し可能なキャップハンドル36がキャップ30から取り外されると、通気孔43が形成される。次いで、通気孔43が保持具ベント124と連通し、空気が、内側容器11と外側容器12との間の空間から、保持具ベント124および通気孔41を通過することが可能にされる。このようにして、内側容器11は、液体化学薬品が内側容器11内に入れられると膨らむことが可能にされ、液体化学薬品が内側容器11から汲み出されるとしぼむことが可能にされる。
【0059】
本発明を好適な実施態様を参照して説明してきたが、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、態様および詳細に変更がなされ得ることを認識する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体取り扱いシステムであって、
外側容器と、
内側容器であって、その内部に格納された液体を有し、該外側容器内に配置されている内側容器と、
該外側容器の口と連結されたキャップであって、該キャップは、第1のキーエレメントを含む、キャップと、
該キャップと連結するように適合されたコネクタであって、該コネクタは、
該キャップを通って、該内側容器の内部に挿入可能なプローブであって、該プローブは、その内部に流路を有する、プローブと、
該第1のキーエレメントと整列するように構成された第2のキーエレメントと
を含む、コネクタと、
該プローブの該流路に連結され、該流路を通して流体を汲み出すためのポンプと、
該第1および第2のキーエレメントが整列されているときを検知し、且つ、該第1および第2のキーエレメントが整列されていないときを検知するためのセンサ手段と、
該センサ手段および該ポンプに連結された制御ユニットであって、該コネクタが、該キャップに動作可能に連結されているときに、該センサ手段は、該第1および第2のキーエレメントが整列されていることを検知し、該ポンプは、制御ユニットを通して使用のために可能化される、制御ユニットと
を含む、液体取り扱いシステム。
【請求項2】
前記コネクタが、前記キャップに動作可能に連結されるが、前記センサ手段が、前記第1および第2のキーエレメントが整列されていないことを検知するときに、前記ポンプは、前記制御ユニットを通しての使用のために可能化されない、請求項1に記載の液体取り扱いシステム。
【請求項3】
前記外側容器は、剛性材料から作られる、請求項1〜2のいずれか一項に記載の液体取り扱いシステム。
【請求項4】
前記内側容器は、可撓性材料から作られる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体取り扱いシステム。
【請求項5】
前記センサ手段は、前記コネクタに装着される検出器と、前記キャップに装着される検出器に影響を及ぼすエレメントとを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体取り扱いシステム。
【請求項6】
前記センサ手段は、前記キャップに装着される検出器と、前記コネクタに装着される検出器に影響を及ぼすエレメントとを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体取り扱いシステム。
【請求項7】
前記検出器は、ホール効果センサであり、前記検出器に影響を及ぼすエレメントは、磁石であり、該ホール効果センサは、2つの状態を有し、一方の状態は、互いにすぐ隣接している該ホール効果センサおよび該磁石により規定され、他方の状態は、互いに間隔があけられている該ホール効果センサおよび該磁石により規定される、請求項5または6に記載の液体取り扱いシステム。
【請求項8】
前記検出器は、アクチュエータを備えるマイクロスイッチセンサであり、前記検出器に影響を及ぼすエレメントは、剛性面であり、該マイクロスイッチセンサは、2つの状態を有し、該状態は、該マイクロスイッチセンサおよび該剛性面が互いに接するときに、該アクチュエータが該剛性面に接するたびに切り換えられる、請求項5または6に記載の液体取り扱いシステム。
【請求項9】
前記第1のキーエレメントは、前記キャップの切り欠きであり、前記第2のキーエレメントは、前記コネクタ上にある突起であり、該突起は、該突起と該切り欠きとが整列するときに、該キャップおよび該コネクタが単一の所定の向きでのみ連結され得るように、該キャップの該切り欠きと整列するように構成される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の液体取り扱いシステム。
【請求項10】
前記第1のキーエレメントは、前記キャップ上にある突起であり、前記第2のキーエレメントは、前記コネクタの切り欠きであり、該突起は、該突起と該切り欠きとが整列するときに、該キャップおよび該コネクタが単一の所定の向きでのみ連結され得るように、コネクタリングの該切り欠きと整列するように構成される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の液体取り扱いシステム。
【請求項11】
前記制御ユニットは、前記ポンプ手段が可能化されるときのみに、該ポンプ手段が動作することを可能にする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の液体取り扱いシステム。
【請求項12】
前記コネクタを前記キャップに固定する固定手段
をさらに含み、
該コネクタは、該コネクタが前記キャップに隣接するようにされたときに、前記第2のキーエレメントが、前記第1のキーエレメントと整列し、該固定手段が、該コネクタを該キャップに固定し、前記センサ手段が、該第1および第2のキーエレメントが整列したことを検知し、それぞれが、該キャップに対する該コネクタのターン運動を必要としないように、構成される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の液体取り扱いシステム。
【請求項13】
液体を取り扱う方法であって、
容器システムを受け取る工程であって、該容器システムは、
外側容器と、
内側容器であって、その内部に格納された液体を有し、該外側容器内に配置されている内側容器と、
該外側容器の口と連結されたキャップであって、該キャップは、第1のキーエレメントを含む、キャップと、
該キャップと連結するように適合されたコネクタであって、該コネクタは、
該キャップを通って、該内側容器の内部に挿入可能なプローブであって、該プローブは、その内部に流路を有する、プローブと、
該第1のキーエレメントと整列するように構成された第2のキーエレメントと
を含む、コネクタと、
該容器の内部と連通する口を有する容器と
を含む、工程と、
該キャップの該第1のキーエレメントと、該コネクタの該第2のキーエレメントとが適切に整列されているかどうかを検知する工程と、
該第1および第2のキーエレメントが適切に整列されているときに、ポンプ制御ユニットにポンプ可能化信号を提供し、その結果、ポンプが該ポンプ制御ユニットを通して動作される、工程と
を含む、方法。
【請求項14】
前記第1および第2のキーエレメントが適切に整列されていないときに、前記ポンプ制御ユニットに前記ポンプ可能化信号を提供せず、その結果、前記ポンプが該ポンプ制御ユニットを通して動作を可能化されないことをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ポンプ制御ユニットにおいて前記ポンプを動作させる入力信号を受け取ると、前記ポンプ可能化信号が該ポンプ制御ユニットにおいて受け取られたときに、該容器から前記プローブを通して液体を分配することをさらに含む、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記ポンプ制御ユニットにおいて前記ポンプを動作させる入力信号を受け取ると、前記ポンプ可能化信号が該ポンプ制御ユニットにおいて受け取られたときに、該容器から液体を分配することを防ぐことさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記キャップの前記第1のキーエレメントと、前記コネクタの前記第2のキーエレメントとが適切に整列されているかどうかを検知する工程は、該コネクタに装着されたセンサと、該キャップに装着されたセンサに影響を及ぼすエレメントとを用いることを含む、請求項13〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記キャップの前記第1のキーエレメントと、前記コネクタの前記第2のキーエレメントとが適切に整列されているかどうかを検知する工程は、該キャップに装着されたセンサと、該コネクタに装着されたセンサに影響を及ぼすエレメントとを用いることを含む、請求項13〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記センサは、ホール効果センサであり、前記センサに影響を及ぼすエレメントは、磁石であり、該ホール効果センサは、2つの状態を有し、一方の状態は、互いにすぐ隣接している該ホール効果センサおよび該磁石により規定され、他方の状態は、互いに間隔があけられている該ホール効果センサおよび該磁石により規定される、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
前記センサは、前記コネクタリングに装着されたアクチュエータを備えるマイクロスイッチセンサであり、前記センサに影響を及ぼすエレメントは、前記キャップリング上の剛性面であり、該マイクロスイッチセンサは、2つの状態を有し、該マイクロスイッチの該状態は、該マイクロスイッチセンサおよび該剛性面が互いに接するときに、該アクチュエータが該剛性面に接するたびに切り換えられる、請求項17または18に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のキーエレメントは、前記キャップの切り欠きであり、前記第2のキーエレメントは、前記コネクタ上にある突起であり、該突起は、該突起と該切り欠きとが整列するときに、該キャップおよび該コネクタが単一の所定の向きでのみ連結され得るように、該キャップの該切り欠きと整列するように構成される、請求項13〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のキーエレメントは、前記キャップ上にある突起であり、前記第2のキーエレメントは、前記コネクタの切り欠きであり、該突起は、該突起と該切り欠きとが整列するときに、該キャップおよび該コネクタが単一の所定の向きでのみ連結され得るように、該コネクタの該切り欠きと整列するように構成される、請求項13〜20のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−230851(P2011−230851A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110862(P2011−110862)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【分割の表示】特願2008−208281(P2008−208281)の分割
【原出願日】平成10年2月19日(1998.2.19)
【出願人】(599006351)アドバンスド テクノロジー マテリアルズ,インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】