説明

センサアダプタ回路収容体アセンブリ及びその製造方法

センサアダプタ回路収容体アセンブリ及び製造方法は、回路基板と、収容体と、入力線と、コネクタとを含んでいる。回路基板は、センサ信号を受信し、受信したセンサ信号に応じてセンサ特性を生成するために構成された電気回路を含んでいる。収容体は、本体と、本体の内部表面で定義され、回路基板を受け入れるために適応した空洞とを含んでおり、回路基板は、空洞内に置かれている。入力線は、センサからのセンサ信号を受信するように構成され、絶縁固体又は撚線導体で形成することができる。コネクタは、単体構造物を含んでおり、単体構造物の第一の終端は、入力線の終端に直接結合され、単体構造物の第二の終端は、空洞内に納められ、回路基板に直接結合され、回路基板との第一の電気的接続をなしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、センサ・アセンブリに関するものであり、特に、ネットワーク又は計測機器にセンサを結合するためのセンサアダプタ回路収容体及び、これらの温度センサ・アセンブリ及び収容体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
本セクションの文章は、本発明に関連する背景情報を単に提供するものであり、従来技術を構成するものではない。
【0003】
センサは、動作特性及び環境特性を監視するために、様々な動作環境で用いられている。センサには、一例として、温度センサ、圧力センサ、速度センサ、位置センサ、動作センサ、電流センサ、電圧センサ、インピーダンスセンサなどがある。これらは、監視している動作環境内に設けられるか、動作環境に関連付けられて、電気信号を生成するか、監視されている動作又は環境特性が変化することに伴い変化する値に応じて変動するようなインピーダンス、電圧又は電流等の電気特性を有するように設計されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
温度検出プローブは、例えば、温度検出素子、様々な配線、抵抗、ダイオード及びスイッチなどの多くの構成部品を含んでいる。一般的に、温度センサプローブは、温度センサプローブ自身の構成機器に容易に損傷を与えるような厳しい環境にさらされる。さらに、温度センサプローブは、周囲の機械装置からの振動による機械的ストレスにさらされる。環境及び機械的ストレスによる損傷がプローブに与えられる可能性を減らすため、プローブの測定回路を保護するために、様々なパッケージ方法が用いられてきた。しかし、これらのパッケージ方法や、製造で用いられる方法では、しばしば、温度検出プローブの初期故障や性能劣化を招く結果となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、一般的に、温度センサ・アセンブリと、温度検出の過酷な環境において性能の改善を可能とし、製造コストを低減する温度センサ・アセンブリの製造方法とを含んでいる。
【0006】
一様態によれば、センサアダプタ回路収容体アセンブリは、回路基板と、収容体と、入力線と、コネクタとを含んでいる。回路基板は、センサ信号を受信し、受信したセンサ信号に応じてセンサ特性を生成するために構成された電気回路を含んでいる。収容体は、本体と、本体の内部表面で定義され、回路基板を受け入れるために適応した空洞を含んでおり、回路基板は、空洞内に置かれている。入力線は、センサからのセンサ信号を受信するように構成されている。コネクタは、単体構造物を含んでおり、単体構造物の第一の終端は、入力線の終端に直接結合され、単体構造物の第二の終端は空洞内に納められ、回路基板に直接結合され、回路基板との第一の電気的接続をなしている。
【0007】
他の様態によれば、センサアダプタ回路収容体アセンブリは、センサ信号を受信し、受信したセンサ信号に応じてセンサ特性を生成するために構成された電気回路を有する回路基板を含んでいる。収容体は、本体と、本体の内部表面とで定義され、回路基板を受け入れるために適応した空洞であって、回路基板を空洞内に納められる空洞と、第一のセンサからのセンサ信号を受信するための1つ又はそれ以上の数の第一の入力線と、第二のセンサからのセンサ信号を受信するための1つ又はそれ以上の数の第二の入力線と、複数のコネクタであって、各々が、入力線の1つの終端に直接結合された第一の終端と、空洞内に納められた第二の終端を有する複数のコネクタを含んでおり、各々は回路基板に個別に直接結合され、電気回路との電気的接続をなしている。
【0008】
さらに他の様態によれば、センサアダプタ回路収容体アセンブリの製造方法は、単体構造物を有するコネクタの第一の終端を、センサからのセンサ信号を受信するように構成された入力線の第一の終端に結合するステップと、コネクタと、入力線の第一の終端とを、金型の中に配置するステップであって、入力線の第二の終端を金型の外に引き出しておくステップと、内部表面で定義され、回路基板を受け入れるために適応した空洞を有する収容体本体を一体成形するステップであって、収容体本体が、コネクタの第一の終端と、コネクタの中間部とを密封し、収容体本体の成形品により定義された空洞内に、コネクタの第二の終端が自由に引き回せるようにするステップと、コネクタの第二の終端を回路基板に直接結合するステップとを含んでいる。
【0009】
さらに他の様態によれば、センサアダプタ回路収容体アセンブリの製造方法は、第一のコネクタの第一の終端を、第一のセンサからのセンサ信号を受信するように構成された第一の入力線の第一の終端に結合するステップと、第二のコネクタの第一の終端を、第二のセンサからのセンサ信号を受信するように構成された第二の入力線の第一の終端に結合するステップと、第一及び第二のコネクタと、第一及び第二の入力線の第一の終端とを、金型の中に配置するステップであって、第一及び第二の入力線の第二の終端を金型の外に引き出しておき、コネクタの第二の終端を金型で定義された空洞内に引き回せるようにするステップと、内部表面で定義され、回路基板を受け入れるために適応した空洞を有する収容体本体を一体成形するステップであって、収容体本体が、コネクタの第一の終端と、コネクタの中間部とを密封し、収容体本体の空洞内に、コネクタの第二の終端を自由に引き回せるようにするステップと、第一及び第二のコネクタの第二の終端を回路基板に直接結合するステップとを含んでいる。
【0010】
本発明の他の様態は、それらの一部は自明であり、それらの一部は以下に示すものとなる。本開示の様々な様態は、個々に実装するものであってもよいし、あるいは、それらを互いに組み合わせたものであってもよいことを理解すべきである。また、詳細な記載及び図面は、ある例示的な実施形態を示すものであるが、これらは例示のみを目的としたものであり、本開示の範囲を制限するものとして構成すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】本開示の原理に従い構成された、単一センサのためのセンサアダプタ回路収容体アセンブリの一形式の斜視図。
【図1B】本開示の原理に従い構成された、二重センサのためのセンサアダプタ回路収容体アセンブリの一形式の斜視図。
【図2】本開示の原理に従い構成された、センサアダプタ回路収容体アセンブリの分解斜視図。
【図3】本開示の原理に従い構成された、センサアダプタ回路収容体アセンブリのコネクタの斜視図。
【図4】本開示の原理に従い構成された、一部組立て済みのセンサアダプタ回路収容体アセンブリの分解斜視図。
【図5】本開示の原理に従い構成された、一部組立て済みのセンサアダプタ回路収容体アセンブリの透視斜視図。
【図6】本開示の原理に従い構成された、一部組立て済みのセンサアダプタ回路収容体アセンブリの底面斜視図。
【図7】本開示の原理に従い構成された、センサアダプタ回路収容体アセンブリの他の形式の透過側面図。
【図8】本開示の原理に従い構成された、センサアダプタ回路収容体アセンブリの他の形式の側面分解図。
【図9】本開示の他の形式に従い構成された、一部組立て済みのセンサアダプタ回路収容体アセンブリの斜視図。
【図10】本開示の原理に従い構成された、センサアダプタ回路収容体アセンブリの他の形式の透過斜視図。
【図11】本開示の原理に従い構成された、センサアダプタ回路収容体アセンブリの製造方法を示すフローチャート。
【図12】本開示の原理に従い構成された、センサアダプタ回路収容体アセンブリの他の製造方法を示すフローチャート。
【0012】
全図面を通して、同一又は対応する部分及び特徴を示すために、対応する引用番号は、後に、予備補正に付加されるものであることを理解すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の記載は、事実上、単に例示であり、本開示又は開示の適用あるいは利用を制限しようとするものではない。
【0014】
一実施例において、センサアダプタ回路収容体アセンブリは、回路基板と、収容体と、入力線と、コネクタを含んでいる。回路基板は、センサ信号を受信し、受信したセンサ信号に応じてセンサ特性を生成するために構成された電気回路を含んでいる。収容体は、本体と、本体の内部表面で定義され、回路基板を受け入れるために適応した空洞を含んでおり、回路基板は、空洞内に納められている。入力線は、センサからのセンサ信号を受信するように構成され、絶縁固体又は撚線導体で形成することができる。コネクタは、単体構造物を含んでおり、単体構造物の第一の終端は、入力線の終端に直接結合され、単体構造物の第二の終端は、空洞内に納められ、回路基板に直接結合され、回路基板との第一の電気的接続をなしている。
【0015】
このようなセンサアダプタ回路収容体アセンブリの2つの実施例を、図1に示す。図示するように、図1Aは、単一センサを接続するためのセンサアダプタ回路収容体であり、単一の入力線の組と、入力線を受け入れるための入力インターフェースとを含んでいる。本例では、入力線インターフェースは、入力線を密封し、それにより線を収容体に確実に固定する一体成形されたアセンブリを含んでいる。図1Bは、2組の入力線と2つの入力インターフェースとを有する、二重センサアダプタ回路収容体を示すものである。
【0016】
図2は、センサアダプタ回路収容体の一実施例の分解図を示すものである。本収容体は、2つの入力線を含み、各入力線は、湾曲部を有する単体構造物となっており、入力コネクタに結合されている。入力及び出力のためのコネクタ/ピンは、回路基板の穴に直接結合するために、両者とも直角に曲げ加工して形成されている。収容体の空洞は、収容体の空洞の内部表面から予め定められた距離にある空洞内に、回路基板を固定するための、固定支持部を含んでいる。
【0017】
図3は、コネクタをより詳細に示したものである。図示するように、コネクタは、コネクタの第一の終端と第二の終端との間に、湾曲部を含んでいる。このような細長い部材は、必要とされるよりも多くの金属を用いるが、コネクタの第一の終端と第二の終端との間には、多量の湿分の通路が設けられるものとなる。このようにして、湿分の移動が抑制<>され、それにより、湿分による故障が起こりにくくする。図示するように、コネクタの湾曲した部材は、全体的に平坦な金属棒により形成し、第一の終端と第二の終端との間に、1つあるいはそれ以上の曲線を有する湾曲部を設けることができる。言うまでもないことであるが、本例は当業者には既知のものであり、他の構造及び形状を用いることもできる。
【0018】
図2及び図3に示すように、コネクタは、コネクタの湾曲部を含み、入力線の終端は、収容体本体の部分により全体的に密封され、コネクタの第二の終端は、コネクタの第一の終端に対して約90度の角度に位置するものとなる。入力線が導体及び絶縁被覆を含み、コネクタの第一の終端が、入力線の第一の終端の導体に圧縮して結合する圧縮カプラを含むように、コネクタを構成することができる。
【0019】
図4において、入力線とコネクタは、収容体本体内に少なくとも部分的に密封されており、その終端が、空洞内に置かれた一方の終端が回路基板に直接結合するようになっている。同様に、出力コネクタ/ピンも、収容体本体内に少なくとも部分的に密封されており、回路基板に直接結合するようになっている。これについては、さらに図5、図6及び図7に図示する。
【0020】
図7、図8及び図9に示すように、コネクタの第二の終端は、回路基板により定義された穴を通して置かれ、例えば、半田付け、溶接又は接合により、電気的に回路基板に接続されている。
【0021】
図4、図5、図6及び図7に示すように、入力線及びコネクタの終端の全て又は一部と、それらの間の結合は、全体的又は少なくとも一部が、収容体本体の部分に密封されている。これは、収容体本体の様々な部分を組立てて、集積された部材を形成することにより、あるいは、成形又は密封によりなすことができる。
【0022】
図10に示すように、いくつかの実施例においては、空洞の封止材を設け、寸法を定め及び/又は適応させ、空洞を閉じ、全体的に空洞を密封することができる。これは、空洞の開口を覆うためのカバーと、空洞に充填しカバーを形成し、回路基板及び/又は基板上の電子部品を部分的に又は完全に密封する注封材とを含んでいる。さらに、従来例で知られているような他の充填材及び密封材を、空洞の封止材として用いてもよく、いくつかの実施例においては、2つあるいはそれ以上の数の組み合わせを用いることもでき、この場合、空洞の封止材としては、一例として、樹脂、接着剤、シリコン、エポキシ、ウレタンなどの注封材がある。
【0023】
図4、図5、図6、図7、図8及び図10に示すように、出力には、外部の係合コネクタに接続するための出力コネクタを含むことができる。出力コネクタは、中空体又は固形体を有し、複数の構成要素からなるもの、又は単体構造物としてなるものとすることができる。出力コネクタの第一の終端は、本体の外部に引き出し、外部の係合コネクタの係合部に直接結合するように構成することができる。第二の終端は、空洞内に置き、回路基板への電気接続をなすために回路基板に直接結合することができる。出力コネクタは、一例として、曲げ加工により形成し、図8の実施例で示すように、出力コネクタの第一の終端と第二の終端との間が、一例として、全体的に直角となるようにすることができる。
【0024】
図8に示すように、いくつかの実施例において、出力コネクタピンの第二の終端は、回路基板に直接結合されており、回路基板により定義された穴を通して置かれ、回路基板に電気的に接続することができる。
【0025】
入力コネクタと同様に、出力コネクタの中間部は、収容体本体の機械的な組立て又は出力コネクタの収容部への一体成形により、部分的又は全体的に収容体本体の部分で密封することができる。
【0026】
通常、電気回路には、回路基板の1つあるいはそれ以上の数の面に搭載された電気部品を含んでいる。一実施例においては、全ての回路は、回路基板の片面又は同一面に搭載されている。1つあるいはそれ以上の数の電子部品を、ウレタン、シリコンなどの絶縁保護被覆又はパラキシレン絶縁保護被覆で被覆又は塗布することができる。このような被覆は、迅速に硬化あるいは時間を経て硬化する。
【0027】
さらに、回路基板及び/又は空洞及び/又は収容体は、本体の空洞の、各々に対応した内部表面よりも小さい幅と長さを持つ寸法とすることができ、幅と長さを定義する回路基板の辺と、収容体本体の空洞の内部表面との間に、注封材又は密封材を充填することができる。
【0028】
他の実施例において、収容体本体は、空洞内の予め定められた位置に回路基板を固定するために寸法が決められた一つあるいはそれ以上の数の支持部を、空洞内に含むことができる。例えば、支持部は、空洞の内部表面から予め定められた距離にある空洞内に、回路基板を固定するために、寸法が決められ適応した柱として形成することができる。この予め定められた距離は、収容体の内部表面と回路基板との間に延びた湿分の通路を設けるように定義し特定することが好ましい。このようにして、湿分は最小に抑えられ、回路基板とその上に搭載された電子部品に対する影響も最小に抑えることができる。
【0029】
また、収容体本体は、本体の外部表面から延びて、本体の外部の入力線のある長さ部分を密封する、入力線の結合構造を定義することもでき、この入力線の結合構造は、入力線の部分の周りの入力線の結合構造に、外部の構造物を固定するために、外部表面上に少なくとも一つの挿入管を有している。
【0030】
いくつかの実施例において、同一のセンサに関連付けられ、第一の入力線とともに動作する、一つあるいはそれ以上の数の第二の入力線が、センサ信号の受信を受け持つ。このような場合、単体構造物を有する第二のコネクタは、第二の入力線の終端に直接結合することができ、第二の単体構造物の第二の終端は、空洞内に置いて、回路基板に直接結合することができる。
【0031】
いくつかの実施例において、収容体は、動作環境内で、収容体を簡単に固定できるように設計することができる。例えば、収容体の一つあるいはそれ以上の数の外部表面は、固定する機器を受け止めるための、鞍面又は固定面、もしくは取付け具を含むことができる。これには、例えば、線状の紐や、結束バンド、あるいはクランプがある。巻線又は結束バンドを受け止めるための鞍部の一実施例を、図1、図2及び図4に示す。
【0032】
他の実施例において、センサアダプタ回路収容体アセンブリは、センサ信号を受信し、受信したセンサ信号に応じてセンサ特性を生成するために構成された電気回路を有する回路基板を含んでいる。収容体は、本体と、本体の内部表面とで定義され、収容体は、回路基板を受け入れるために適応した空洞であって、回路基板を空洞内に納められる空洞と、第一のセンサからのセンサ信号を受信するための1つ又はそれ以上の数の第一の入力線と、第二のセンサからのセンサ信号を受信するための1つ又はそれ以上の数の第二の入力線と、複数のコネクタであって、各々が、入力線の1つの終端に直接結合された第一の終端と、空洞内に納められた第二の終端とを有する複数のコネクタとを含んでおり、各々は回路基板に個別に直接結合され、電気回路との電気的接続をなしている。
【0033】
一実施例において、図4、図5、図6及び図7に示すように、各コネクタの第一の終端及び湾曲部と並びに各入力線の終端は、収容体本体の部分により全体的に密封され、各コネクタの第二の終端は、各コネクタの第一の終端に対して約90度の角度に位置するものとなる。
【0034】
いくつかの実施例において、各入力線は、導体及び絶縁被覆を含み、各コネクタの各第一の終端は、入力線の第一の終端で導体に圧縮結合する圧縮カプラを含んでいる。さらに、いくつかの実施例において、各入力線の各終端と、各入力線への結合部を含んでいる各コネクタの部分は、収容体本体の部分内に全体的に密封されている。
【0035】
上述したように、出力は、出力コネクタを含み、その出力コネクタは、外部の係合コネクタに接続し、単体構造物を有し、コネクタの第一の終端は単体構造物本体の外部に引き出され、外部の係合コネクタの係合部に直接結合するように構成され、第二の終端は空洞内で回路基板に直接結合し電気回路への第二の電気接続をなしている。また、第一の終端と第二の終端との間の出力コネクタの中間部は、収容体本体の部分により全体的に密封されている。
【0036】
さらに、電気回路は、回路基板の同一面に搭載された複数の電気部品を含んでおり、絶縁保護被覆が電気部品の部分を覆っているが、この絶縁保護被覆は、ウレタン、シリコン、パラキシレンを含むものから選択される。
【0037】
図2、図4、図6、図7及び図10に示すように、収容体本体は、空洞内の予め定められた位置に回路基板を固定するために、寸法が決められた支持部を空洞内に含むことができる。回路が、空洞の内部表面から予め定められた距離をもって固定されるように、空洞及び支持部並びに回路基板が設計されている。さらに、回路基板は、対応する収容体本体の空洞の内部表面よりも小さい幅と長さを持つように、その寸法が決められている。これらの実施例においては、回路基板の幅と長さを定義する辺と、収容体本体の空洞の内部表面との間に、注封材又は密封材が充填されている。
【0038】
他の実施例において、図11のフローチャートで一例を示すように、センサアダプタ回路収容体アセンブリの製造方法は、単体構造物を有するコネクタの第一の終端を、センサからのセンサ信号を受信するように構成された入力線の第一の終端に結合するステップと、コネクタと、入力線の第一の終端とを、金型の中に配置するステップであって、入力線の第二の終端は金型の外に引き出しておくステップと、内部表面で定義され、回路基板を受け入れるために適応した空洞を有する収容体本体を一体成形するステップであって、収容体本体が、コネクタの第一の終端と、コネクタの中間部とを密封し、収容体本体の成形品により定義された空洞内に、コネクタの第二の終端が自由に引き回せるようにするステップと、コネクタの第二の終端を回路基板に直接接続するステップとを含んでいる。
【0039】
以上、説明したように、一体成形は、任意の種類の一体成形であり、例えば、出射成形、圧縮成形、トランスファー成形、RIM成形などがあることを理解すべきである。
【0040】
上述したように、本方法は、コネクタの第一の終端を入力線の第一の終端に結合することは、入力線の導体の周りに、コネクタの第一の終端を圧着することを含んでもよい。
【0041】
当業者により当然理解されることとして、コネクタ自身は、様々な方法で形成することができる。その方法には、一例として、棒形状を有するコネクタを形成し、その中間部に湾曲形状を有するように棒を加工する方法がある。例えば、一実施例による製造プロセスには、入力線の第一の終端にコネクタを結合する前に、金属製の連続部品からコネクタを加工するステップを含むことができ、さらに、その加工ステップは、入力線の第一の終端の周りで圧着するように適応させた圧着部を、コネクタの第一の終端に形成するステップと、コネクタの中間部を曲げ加工し、湾曲形状を作り出すステップとを含んでいる。またこのプロセスでは、コネクタを形成するステップは、コネクタの第二の終端が、コネクタの第一の終端に対して約90度の角度に位置するように、コネクタを曲げ加工するステップを含むことができる。
【0042】
上述したように、本方法は、一例として、上述したように、出力コネクタを形成するステップを含むこともできる。これは、出力コネクタを金型に据え置く前に、出力コネクタを形成するステップと、ピン形状の固形体を有する出力コネクタを形成し、概ね直角を成すように中間部付近で本体を曲げ加工する形成ステップとを含んでいる。本方法は、出力コネクタを形成した後に、出力コネクタの第一の終端を金型から引き出し、出力コネクタを金型の中に据え置くステップを含むことができ、ここで、収容体本体の一体成形は、出力コネクタの昼間部を密封するステップと、出力コネクタの第二の終端を回路基板に結合するステップとを含んでいる。
【0043】
回路基板を空洞内に納め、入力コネクタと出力コネクタに接続した後、回路基板を空洞内に閉じこめる空洞の封止材により、空洞を密閉することができる。この密閉プロセスには、覆い、注封材、充填材、密封材、絶縁保護被覆などの、一つあるいはそれ以上の数の空洞封止材を導入するステップを含むことができる。これらの材料のうちいくつかは、硬化を必要とするものや、あるいは時間を経て硬化ものもある。
【0044】
さらに、回路基板を装着する前に、回路基板上の一つあるいはそれ以上の数の電子部品に絶縁保護被覆を施し、硬化させてもよい。
【0045】
図12に示すように、他の実施例において、センサアダプタ回路収容体アセンブリの製造方法は、第一のコネクタの第一の終端を、第一のセンサからのセンサ信号を受信するように構成された第一の入力線の第一の終端に結合するステップと、第二のコネクタの第一の終端を、第二のセンサからのセンサ信号を受信するように構成された第二の入力線の第一の終端に結合するステップと、第一及び第二のコネクタと、第一及び第二の入力線の第一の終端とを、金型の中に配置するステップであって、第一及び第二の入力線の第二の終端は金型の外に引き出しておき、コネクタの第二の終端は金型で定義された空洞内に引き回せるようにするステップと、内部表面で定義され、回路基板を受け入れるために適応した空洞を有する収容体本体を一体成形するステップであって、収容体本体が、コネクタの第一の終端と、コネクタの中間部とを密封し、収容体本体の空洞内に、コネクタの第二の終端が自由に引き回せるようにするステップと、第一及び第二のコネクタの第二の終端を回路基板に直接接続するステップとを含んでいる。
【0046】
温度センサ、収容体及び他の構成部品の詳細については、より詳細に、本出願と同一の2007年6月22日出願の同時係属している“温度センサ・アセンブリ及びその製造方法”において、より詳細に記載されており、該同時係属出願は本出願と共同出願であり、その内容は、全体として参照によって本明細書に組み込まれる。
【0047】
要素又は特徴、及び/又はそれらの様態を記載する際には、冠詞“一つの(a)”、“一つの(an)、”その(the)”及び“前記(said)”は、一つあるいはそれ以上の数の要素又は特徴があることを指すことを意図したものである。語句“から成る(comprising)”、“含む(including)及び”有する(having)“は、包含されていることを意図したものであり、さらに、特に記載されたものに加えて、他の要素又は特徴が存在することを意味するものである。
【0048】
当業者であれば、本開示の範囲を逸脱することなく、記載された例示的な実施形態及び実装に対して様々な変更が可能であることは理解できよう。従って、上記の記載に含まれる、又は添付図面に示されている全ての事項は、例示的なものであり、限定的なものではないものとして解釈されるべきである。
【0049】
さらに、ここで記載されたプロセス又はステップは、説明又は図示した特定の順序で必ず実行するものとして、必ずしも構成されることはないものと理解できる。また、追加又は代替のプロセスもしくはステップを用いることができると理解できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ信号を受信し、受信したセンサ信号に応じてセンサ特性を生成するために構成された回路基板と、
本体と、本体の内部表面で定義され回路基板を受け入れるために適応した空洞とを含み、回路基板が空洞内に置かれていることを特徴とする収容体と、
センサからのセンサ信号を受信するように構成された入力線と、
単体構造物を有し、単体構造物の第一の終端は入力線の終端に直接結合され、単体構造物の第二の終端は空洞内に納められ、回路基板に直接結合されて、回路基板との第一の電気的接続をなすコネクタから成るセンサアダプタ回路収容体アセンブリ。
【請求項2】
請求項1記載のアセンブリにおいて、
コネクタの単体構造物は、単体構造物の第一の終端と第二の終端との間には、湾曲部を含み、単体構造物の第一の終端と第二の終端との間に、湿分の通路を増やしたことを特徴とするアセンブリ。
【請求項3】
請求項2記載のアセンブリにおいて、
コネクタの単体構造物の湾曲部は、第一の終端と第二の終端との間に、1つあるいはそれ以上の数の曲線を有する、全体的に平坦な金属棒を含むことを特徴とするアセンブリ。
【請求項4】
請求項2記載のアセンブリにおいて、
コネクタの単体構造物の、第一の終端と湾曲部と、入力線の終端は、全体的に収容体本体の部分により密封され、コネクタの単一構造物の第二の終端は、コネクタの単一構造物の第一の終端に対して約90度の角度に位置することを特徴とするアセンブリ。
【請求項5】
請求項1記載のアセンブリにおいて、
コネクタの単体構造物の第二の終端は、回路基板により定義された穴を通して置かれたことを特徴とするアセンブリ。
【請求項6】
請求項1記載のアセンブリにおいて、
入力線は、導体及び絶縁被覆を含み、コネクタの単体構造物の第一の終端は、入力線の終端の導体に圧縮して結合した圧縮カプラを含むことを特徴とするアセンブリ。
【請求項7】
請求項6記載のアセンブリにおいて、
入力線は、撚線導体を含むことを特徴とするアセンブリ。
【請求項8】
請求項1記載のアセンブリにおいて、
入力線の終端と、単体構造物の第一の終端は、全体的に収容体の部分内に密封されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項9】
請求項1記載のアセンブリにおいて、さらに、空洞を閉じ全体的に封止するために設けられ、寸法が定められた、空洞の封止材を含むことを特徴とするアセンブリ。
【請求項10】
請求項9記載のアセンブリにおいて、
空洞の封止材は、覆い、注封材、充填材、密封材、絶縁保護被覆のうち少なくとも1つを含むことを特徴とするアセンブリ。
【請求項11】
請求項9記載のアセンブリにおいて、
空洞の封止材は、樹脂、接着剤、シリコン、エポキシ、ウレタンからなるグループから選択された注封材を含むことを特徴とするアセンブリ。
【請求項12】
請求項1記載のアセンブリにおいて、さらに、外部の係合コネクタに接続するように構成された出力コネクタを含む出力を有し、
出力コネクタは、単体構造物と、単体構造物本体の外部に引き出された第一の終端とを有し、出力コネクタの第一の終端は、外部の係合コネクタの係合部に直接結合するように構成され、
出力コネクタは、空洞内に置かれ、回路基板に直接結合した第二の終端を有し、出力コネクタの第二の終端は、電気回路への第二の電気接続をなしていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項13】
請求項12記載のアセンブリにおいて、
出力コネクタは、出力コネクタの第一の終端と第二の終端との間で全体的に直角の曲げを有する、固形ピンであることを特徴とするアセンブリ。
【請求項14】
請求項13記載のアセンブリにおいて、
出力コネクタピンの第二の終端は、回路基板により定義された穴を通して置かれたことを特徴とするアセンブリ。
【請求項15】
請求項1記載のアセンブリにおいて、
電気回路は、回路基板の同一面に搭載された複数の電気部品を含み、絶縁保護被覆が、少なくとも電気部品の部分を覆うことを特徴とするアセンブリ。
【請求項16】
請求項15記載のアセンブリにおいて、
絶縁保護被覆は、ウレタン、シリコン、パラキシレンからなるグループから選択されることを特徴とするアセンブリ。
【請求項17】
請求項1記載のアセンブリにおいて、回路基板は、幅と長さを定義する辺を有し、対応する収容体本体の内部表面よりも幅と長さが各々小さいものとなるように、回路基板は寸法が決められ、回路基板の辺と収容体本体の背部表面との間に、注封材又は密封材が充填されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項18】
請求項1記載のアセンブリにおいて、
収容体本体は、空洞内の予め定められた位置に回路基板を固定するために寸法が決められた複数の支持部を、空洞内に含むことを特徴とするアセンブリ。
【請求項19】
請求項18記載のアセンブリにおいて、
複数の支持部は、収容体本体の内部表面から予め定められた距離で、回路基板を支持する、複数の支持柱を含むことを特徴とするアセンブリ。
【請求項20】
請求項1記載のアセンブリにおいて、
入力線は第一の入力線であり、
コネクタは第一のコネクタであり、
前記アセンブリは、さらに、
センサと関連付けられ、第一の入力線とともに動作してセンサ信号を受信する、第二の入力線と、単体構造物を有する第二のコネクタとを含み、
第二のコネクタの単体構造物の第一の終端は、第二の入力線の終端に直接結合し、
第二のコネクタの単体構造物の第二の終端は、空洞内に置かれ、回路基板に直接結合し、電気回路への第二の電気接続をなしていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項21】
センサ信号を受信し、受信したセンサ信号に応じてセンサ特性を生成するように構成された電気回路を有する回路基板と、
収容体本体と、収容体本体の内部表面で定義された空洞とを有し、回路基板が空洞内に置かれた収容体と、
第一のセンサからのセンサ信号を受信するように構成された第一の入力線と、
第二のセンサからのセンサ信号を受信するように構成された第二の入力線と、
各コネクタが、第一及び第二の入力線の1つの終端に直接結合された第一の終端と、空洞内に納められた第二の終端とを含み、各第二の終端は回路基板に個別に直接結合され、電気回路との電気的接続をなしている複数のコネクタから成ることを特徴とするセンサアダプタ回路収容体アセンブリ。
【請求項22】
請求項21記載のアセンブリにおいて、各コネクタは、単一構造物と、各コネクタの第一及び第二の終端の間に設けられた湾曲部とを有し、各コネクタの第二の終端は、各コネクタの第一の終端に対して約90度に位置することを特徴とするアセンブリ。
【請求項23】
請求項21記載のアセンブリにおいて、さらに、空洞を全体的に閉じ密封する注封材を含み、注封材は、樹脂、接着剤、シリコン、エポキシ、ウレタンからなるグループから選択されることを特徴とするアセンブリ。
【請求項24】
請求項21記載のアセンブリにおいて、収容体本体は、収容体本体の内部表面から予め定められた距離で、回路基板を支持する複数の支持柱を含むことを特徴とするアセンブリ。
【請求項25】
単体構造物を有するコネクタの第一の終端を、センサからのセンサ信号を受信するように構成された入力線の第一の終端に結合するステップと、
コネクタと、入力線の第一の終端とを、金型の中に配置するステップであって、入力線の第二の終端は金型の外に引き出しておくステップと、
内部表面で定義され、回路基板を受け入れるために適応した空洞を有する収容体本体を一体成形するステップであって、収容体本体が、コネクタの第一の終端と、コネクタの中間部とを密封し、収容体本体の成形品により定義された空洞内に、コネクタの第二の終端が自由に引き回せるようにするステップと、
コネクタの第二の終端を回路基板に直接結合するステップから成るセンサアダプタ回路収容体アセンブリの製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−530541(P2010−530541A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513326(P2010−513326)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【国際出願番号】PCT/US2008/066301
【国際公開番号】WO2009/002690
【国際公開日】平成20年12月31日(2008.12.31)
【出願人】(500157653)ワトロウ エレクトリック マニュファクチュアリング カンパニー (25)