説明

センサカートリッジ用接続システム

本発明は、液体または固体サンプル、特に唾液や血液などの生体液の検査のためのセンサカートリッジに関する。この目的を達成するために、サンプルを採取する前に第1固定装置(5)を介してカートリッジ(3)に解放可能に接続されたサンプルを採取するためのサンプル収集装置を有し、カートリッジ(3)は第2固定装置(6)を介して読み取り機(1)に解放可能に接続される、カートリッジ(3)をカートリッジ読み取り機(1)に接続するための接続システム(1、2、3)が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体または固体サンプル、特に唾液や血液のような生物体液の検査のためのセンサカートリッジ用接続システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、収集装置と検査カートリッジとを有する口腔液の収集および移送装置を開示する。検査カートリッジは、収集装置の検査カートリッジへの挿入を可能にする収集チャンバを有する。収集装置は、収集チャンバ内の固定位置に位置し、この位置において吸収パッドは制御された度合いの圧縮を受け、その結果、所定量の口腔液を吸収パッドから検査ストリップに移送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0082878号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この状況に基づいて、本発明の目的は、サンプル収集装置をカートリッジおよび検知装置または読み取り機に接続するための代替手段を提供することであり、この手段は低コストで製造することができ、使用し易く、正確かつフレキシブルな計測を可能にすることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1による接続システムおよび請求項10による接続方法により達成される。好適な実施形態は従属請求項に開示される。
【0006】
本発明による接続システムは、サンプルを採取する前に第1固定装置を介してカートリッジに解放可能に接続されたサンプルを採取するためのサンプル収集装置の特徴を有するカートリッジのカートリッジ読み取り機への接続に役立ち、カートリッジは第2固定装置を介して読み取り機に解放可能に接続される。
【0007】
記載されているシステムは、外部読み取り装置への信頼性および利便性のある接続を提供するのに有利である。高価で大きい構成部品を再利用可能な読み取り機または読み取り装置の中に配置することができる一方サンプルと接触する消耗品はセンサのカートリッジ内に離れて格納され、カートリッジおよびサンプル収集装置は大抵使い捨であるので、精巧なセンシングおよびデータ処理の技術を用いることが可能である。
【0008】
本発明は、取り扱いが容易なサンプルを採取しサンプルを分析する容易で明確なワークフローを可能にし、特に、例えば沿道での検査等、実験室ではない環境での使用に有利である。最初に、サンプル収集装置およびカートリッジが読み取り機に接続される。第1のステップでは、サンプル収集装置はカートリッジから解放され、カートリッジは読み取り機にそのまま接続されている。第2のステップでは、サンプルがサンプル収集装置により採取され、サンプルを含むサンプル収集装置が再びカートリッジに接続される。第3のステップでは、サンプルが任意の最近知られた方法により読み取り機内で分析される。更なるステップでは、サンプル収集装置およびそこに接続されたカートリッジが読み取り機から取り外され、異なるサンプル収集装置およびカートリッジを用いる上述のステップを繰り返すための可能性を与える。
【0009】
外部読み取り機との接続により、ここでは読み取り機と称されるサンプル検査手段は、即座にユーザにより観察されなければならない単純なもの(例えば、色の変化等)に限定されない。
【0010】
本発明の例は、従属クレームに開示される。
【0011】
一つの例によれば、接続システムの第1固定装置は、カートリッジとサンプル収集装置との間の開放可能な接続を成立させる、フラップリングの端部においてサンプル収集装置の凹所内に突出するよう設計され、フラップを有するカートリッジに同心円状に配置されるフラップリングである。従って、サンプル収集装置とカートリッジとの間の効果的で安価な接続が設計され、これはサンプル収集装置に加えられる一定の力により解放できる。
【0012】
代替の例によれば、第1固定装置は、カンチレバーの一方の端部において、カートリッジを通って嵌めるためにサンプル収集装置に形成された溝内へ突出する、屈曲可能なカンチレバーである。カートリッジをサンプル収集装置から外すために、カンチレバーをサンプル収集装置から離れる方向に曲げるよう、他方の端部においてカンチレバーを押すためのくさびが読み取り機に設けられる。同様に、安価で効果的な具体化が上述の代替の第1固定装置に設計される。
【0013】
本発明の他の例によれば、第2固定装置は、サンプル採取前にカートリッジを読み取り機に解放可能に固定するための、カートリッジ内に設計された溝の中に嵌めるための読み取り機に配置されるボール−ばねロックである。ボール−ばねは、カートリッジに向けられるばね力を有し、これによりカートリッジはこの位置にカートリッジを保持するようにカートリッジに形成された溝に固定される。
【0014】
他の例によれば、第2固定装置は、カートリッジおよびサンプル収集装置への軸方向の力において、サンプル収集装置をカートリッジから解放することおよび読み取り機に固定されたカートリッジを解放することを可能にする第1固定装置により加えられる力より大きくなるよう、カートリッジおよびサンプル収集装置と垂直にカートリッジに力を加える。この特徴により、人からサンプルを採取する前にカートリッジからサンプル収集装置を解放するための単純な例が与えられ、カートリッジは読み取り機にとどまる。
【0015】
接続システムの他の例では、第3固定装置が、カートリッジを有するサンプル収集装置を読み取り機から引き抜くために、サンプル収集装置をカートリッジと不可逆的に固定するよう、カートリッジに配置される。第3固定装置は、サンプルが採取され読み取り機に提供された後のサンプル収集装置のカートリッジへの接続を確実にする。第3固定装置により、使い捨て可能なサンプル収集装置およびカートリッジは、次の更なる動作に準備ができている読み取り機から確実に解放可能である。
【0016】
第3固定装置の例として、サンプル採取後にカートリッジをサンプル収集装置に不可逆的に固定するため、サンプル収集装置内に設計された溝の中に嵌めるためにカートリッジに配置されたクランプが説明される。
【0017】
カートリッジ読み取り機または読み取り機は、サンプルを検知するための光学的、磁気的、機械的、音響的、熱的、または電気的なセンサ要素であってよい。センサ要素は、検査されるべきサンプルから興味を引かれるパラメータを検知するために適合された任意の検出ユニットであってよいかユニットを含んでよい。好ましくは、センサ要素は、光学的、磁気的、機械的、音響的、熱的、および/または電気的な小型電子部品のセンサ要素を含む。磁気センサ要素は特に、コイル、ホールセンサ、平面ホールセンサ、フラックスゲートセンサ、SQID(超伝導量子干渉素子)、磁気共鳴センサ、磁気制限センサ、またはWO2005/010543A1号明細書またはWO2005/010542A2号明細書内に記載された種類の磁気抵抗センサ、特にGMR(巨大磁気抵抗)、TMR(トンネル磁気抵抗)、またはAMR(異方性磁気抵抗)を含んでよい。光学センサ要素は特に、検知表面での標的粒子に起因するフラストレートされた(frustrated)全内部反射から生じる出力光線内の変化を検出するように適合されてもよい。他の光学的、磁気的、機械的、音響的、熱的センサの概念は、参照により本文書に組み込まれる、WO93/22678号明細書に記載されている。
【0018】
他の特徴として、接続システムの読み取り機は、十分なサンプルが収集された場合に検出および表示をするためのインジケータを有する。インジケータが読み取り機で信号を出す場合、ユーザは十分な量のサンプルを認識するとともにカートリッジに接続されたサンプル収集装置を取り外すことができる。読み取り機に十分なサンプルが供給されない場合、ユーザは、サンプルが読み取り機の検出エリアに供給されるまで待つまたは他のサンプルを採取しなければならない。
【0019】
カートリッジのカートリッジ読み取り機への接続のための方法もまた特許請求の範囲に記載され、
サンプル収集装置およびカートリッジを読み取り機に接続することと、
カートリッジが読み取り機に接続されたままサンプル収集装置をカートリッジから解放することと、
サンプル収集装置によりサンプルを採取することと、
サンプル収集装置を読み取り機に接続されたカートリッジに不加逆的に接続することと、
読み取り機内のサンプルを検出することと、
サンプル収集装置およびサンプル収集装置に不加逆的に接続されたカートリッジを読み取り機から取り外すことと、を有することを特徴とする。
【0020】
本発明のこれらおよび他の態様は、以下に記述される実施形態から明らかであるとともに以下に記述される実施形態を参照して明らかにされる。これらの実施形態は、添付の図面を用いて例として記述される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、サンプル収集装置およびカートリッジの読み取り機への接続前の読み取り機およびカートリッジに接続されたサンプル収集装置を有する接続システムの大変概略的な方法での斜視図を示す。
【図2】図2は、左側のカートリッジおよびカートリッジに部分的に挿入された右側のサンプル収集装置の断面を示し、サンプル採取前のサンプル収集装置のカートリッジへの解放可能な接続のためにカートリッジの第1固定装置がサンプル収集装置の凹所内でサンプル収集装置に接続された状態である。
【図3】図3は、左側のカートリッジおよび右側のサンプル収集装置の図2と同様の断面図を示し、サンプル採取後のカートリッジの第1固定装置のサンプル収集装置への接続前の状態である。
【図4】図4は、サンプル収集装置内の凹所への嵌合のためにカートリッジに配置されたフラップを有するフラップリングとして設計された第1固定装置の例の斜視図を示す。
【図5】図5は、切断側面図として図4の例を示す。
【図6】図6は、カートリッジに接続されたサンプル収集装置の断面図を示し、いずれもサンプル収集装置により供給されるサンプルを検出するための読み取り機に接続され、サンプル収集装置およびカートリッジを読み取り機から取り外す前にサンプル収集装置をカートリッジに不可逆的に固定するための第3固定装置を有する。
【図7】図7は、図6による第3固定装置の例を説明するための、カートリッジの一部としての一体化されたばね要素およびノッチを有するスクイズチューブの斜視図を示す。
【図8】図8は、カートリッジが読み取り機に接続された状態において切断部分で示され、サンプル収集装置とカートリッジとの解放可能な接続のためのサンプル収集装置内の溝に接続されたカートリッジ内の代替の第1固定装置の断面図を示す。
【図9】図9は、サンプル収集装置のノッチに嵌合する別の第3固定装置としてカートリッジのクランプを有する、90度移された図8の代替に類似する断面図を示す。
【図10】図10は、読み取り機によるサンプルの検出後にサンプル収集装置およびカートリッジを読み取り機から取り出すことを可能にするために、カートリッジのクランプがサンプル収集装置のノッチ内に不可逆に嵌合した状態の図9に類似する図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、左側のカートリッジ3に接続されたサンプル収集装置2により供給されるサンプルを検出するための検出装置を含む、図1の右側の読み取り機1を有する接続システム1、2、3の斜視図を示す。サンプルは、例えば沿道での検査で人から採取された唾液であり、読み取り機内の検出装置は光学的検出装置であることが可能で、他の検出装置が設計され得る。図1では、サンプル収集装置2およびカートリッジ3が図2にも示されるように初期位置にある。この位置では、サンプル収集装置2およびカートリッジ3は、これらの部品を収容する包装から取り出される一つの部品として扱うことができる。
【0023】
詳細には、図2はサンプル収集装置2を取り囲む左側のカートリッジ3の一部の断面を示す。カートリッジ3は、外側のハウジングおよび内側のモジュールを有する。カートリッジ3は、ここではカートリッジ3のモジュールに取付けられ、フラップ7を有するフラップリング5として示される例であり、図4および図5にもより明確に示される、第1固定装置5を有する。カートリッジ3のハウジングおよびモジュールは取り外し不能に固定される。2つのフラップ7が図2に示され、断面においてフラップリング5からサンプル収集装置2に向かう方向に突出する。カートリッジ3の第1固定装置5はサンプル収集装置2内の凹所10に解放可能に接続される。ここで、凹所10は、サンプル収集装置2の直径の全体の周りに形成される。凹所10内に位置するフラップ7は、図2に示すように、サンプル収集装置2のカートリッジ3内への更なる挿入を防ぐ。スワブ(図示せず)がサンプルを吸収するためにカートリッジ3内に挿入されるサンプル収集装置2の先端に取り付けられ、このスワブは第1固定装置5がサンプル収集装置2を更なる挿入から拘束することにより変形から保護される。サンプル収集装置2はまたカートリッジ3から抜けることができない。この位置では、サンプル収集装置2は、人からのサンプルが採取される前であるとともに読み取り機1内でのサンプルの検出が始まる前である。示された位置にあるサンプル収集装置2およびカートリッジ3は、ユーザにより一つの部品として扱われることが可能であり、通常ユーザは、サンプル検出を開始しようとする際に、包装から両方の部品を取る。一定の力を加えることのみにより、サンプル収集装置2はカートリッジ3から引き離されることが可能になり、第1固定装置5を開けるまたは解放する。フラップリング5の周りのフラップ7は一定の可撓性を有しているので、フラップ7は、サンプル収集装置2を引っ張る際に右方向に曲げられ、サンプル収集装置2の引っ張りに従う。一方フラップリング5はその位置にとどまる。フラップ7を有するフラップリング5は図4および図5により詳細に示される。フラップリング5は、例では、双安定と呼ばれる2つの安定した位置を有し、一つの位置が図2および図3に示され、他の安定した位置ではフラップ7は図6に説明されるように図2および図3の右側に向けられる。2つの安定した位置を有するこの設計では、フラップ7は力の適用を受けて曲げられるとともに形を一方から他方の安定した位置に切り替える。フラップ7を有するフラップリング5はポリプロピレンから圧延されることが可能である。
【0024】
図3によるカートリッジ3に解放可能に接続されたサンプル収集装置2は、カートリッジ3を読み取り機1の対応する開口に部分的に挿入することにより、読み取り機1に接続される。挿入により、カートリッジ3は、後述するように、第2固定装置6により読み取り機1に解放可能に接続される。この位置において、接続システム1、2、3は、第1固定装置5および第2固定装置6により一つの部品として接続される。
【0025】
さらなるステップでは、サンプル収集装置2をカートリッジ3およびカートリッジ3に解放可能に接続された読み取り機1から離れる方向に引っ張ることにより、サンプル収集装置2がカートリッジ3から取り外される。フラップ7は、フラップ7が凹所10から開放されることを可能にするとともにサンプル収集装置2が対応してカートリッジ3から解放されること可能にする上述のような異なる安定した位置に切り替わるので、サンプル収集装置2はカートリッジ3から解放される。カートリッジ3からサンプル収集装置2を分離するために必要な力は、読み取り機1からカートリッジ3を分離するために必要な力より小さいので、カートリッジ3は読み取り機1に解放可能に接続された状態を保つ。言い換えると、第2固定装置6は、カートリッジ3およびサンプル収集装置2への軸方向の力において、サンプル収集装置2をカートリッジ3から解放することを可能にする第1固定装置5により及ぼされる力より大きくなることを生じさせる力を、カートリッジ3およびサンプル収集装置2に垂直にカートリッジ3に対して及ぼす。したがって、カートリッジ3は読み取り機1に依然として固定される。第2固定装置6は後に詳細に記述される。
【0026】
次に、サンプル収集装置2は、カートリッジ3から取られ、実行される検査の対象となった人物からのサンプル、例えば、沿道での薬物検査での唾液を収集するために自由に扱われる。例えば、サンプル収集装置2のスワブ等によりサンプルが採取された後、サンプル収集装置2は再び図3に示すように読み取り機1に依然として接続されるカートリッジ3内に部分的に挿入される。図3では、したがって、サンプル収集装置2はユーザにより右側から左側に移動される。
【0027】
次に、第2固定装置6および第3固定装置8の構造および機能が詳細に記述される。図6は、サンプル収集装置2の操作のためのグリップ25を有する、カートリッジ3に接続されたサンプル収集装置2の断面を示す。図6では、サンプル収集装置2は、カートリッジ3に組み込まれた第3固定装置8により、カートリッジ3に不可逆的に接続される。この例の第3固定装置8は、図7によるスクイズチューブであり、このスクイズチューブはスクイズチューブのばね要素の一方の端部にノッチ31を有する。サンプル採取後にサンプル収集装置2をカートリッジ3内に挿入する際、ノッチ31は、サンプル収集装置2に対してばね要素により付勢される。図に示すように、フラップリング5のフラップ7は、安定した解放位置に依然として曲げられる。サンプル収集装置2をカートリッジ3内へ十分な力と距離押すことにより、第3固定装置8のノッチ31は、サンプル収集装置2に形成された溝23から抜ける。サンプル収集装置2およびカートリッジ3はここでは不可逆的な方法で接続され、すなわち2つの部品は再び分離されないことになっている。採取されたサンプルは次にサンプル内の物質の検出を可能にする読み取り機1内の領域に移送され、これは当技術分野で知られ本発明の対象ではない。サンプル収集装置2およびカートリッジ3は今や互いに不可逆的に接続されサンプルを読み取り機1に供給するという目的が達成されるので、両方の部品は読み取り機1から取りはずされて処分される。他の計測が同じ読み取り機1および他の使い捨て可能なサンプル収集装置2とカートリッジ3を用いて行われる。
【0028】
図8−10は、同じ発明の原理を包含する第1、第2および第3固定装置5、6、8の代替例を示す。図8に示されるのは、上述の例によるサンプル収集装置2の断面である。カートリッジ3内の代替の第1固定装置5は、カートリッジ3内に突出する屈曲可能なカンチレバー5として設計される。カートリッジ3のカンチレバー5は、カンチレバー5の一方の端部におけるサンプル収集装置2内の溝23内への嵌合により、サンプル収集装置2に解放可能に接続される。図8に示す位置では、接続システム1、2、3は、サンプルが採取される前であるとともに、左側に切断部分で示される、カートリッジ3が読み取り機1に接続されるちょうど前の状態である。サンプル収集装置2をカートリッジ3および読み取り機1の方向に押すことにより、読み取り機1内にデザインされたくさび15がカンチレバー5の一端を押し、従ってこのカンチレバー5は、サンプル収集装置2をカートリッジ3から解放するための一つの前提条件としての曲げ応力を受ける。解放するための第2の前提条件は、サンプル収集装置2を引っ張ることによる外す力である。カンチレバー5は一部にアンダーカットを有し、そこにおいてサンプル収集装置2に接続される。アンダーカットは、くさび15により与えられる力により発生する曲げモーメントのみによりカンチレバー5が溝23から離れて持ち上がることを防ぐ。カンチレバー5内のアンダーカットにより、カンチレバー5はサンプル収集装置2に留められ、サンプル収集装置2が読み取り機1から引き抜かれるまでサンプル収集装置2から取り外すことができない。次に、曲げモーメントは依然としてカンチレバー5に作用するので、カンチレバー5はアンダーカットからスライドするとともに解放される。要約すると、くさび15に対してカートリッジ3を押すことおよびそれに続くサンプル収集装置2をカートリッジ3から引き離すことにより、カンチレバー5はくさび15と反対の端部において溝23の外に持ち上げられる。カンチレバー5を持ち上げることにより、カンチレバー5の溝23内への嵌合は取り消される、すなわち、第1固定装置5が分離され、サンプル収集装置2をカートリッジ3の外せるようにする。同時に、図9に示すように、読み取り機1に形成された第2固定装置6はカートリッジ3と接続する。図9は、長手方向軸周りに90度移された図8の代替に類似する断面図を示す。この例の第2固定装置6は、読み取り機1をカートリッジ3に解放可能に接続するためにカートリッジ3の凹所11内に嵌合する、互いに対向する2つのボール−ばねロックとして設計される。ボール−ばねロックのばね力は、カートリッジ3が読み取り機1内に固定されるようにボールを凹所11内に押す。第1の例の上述の記述と同様、ボール−ばねが及ぼす力は、サンプル収集装置2をカートリッジ3から外すために必要な力より大きい。図8で記載したように、カンチレバー5はこの状態においてサンプル収集装置2から取り外されるので、サンプル収集装置2はカートリッジ3から取り外されることが可能となり、カートリッジ3は、第2固定装置6、ここではボール−ばねロックにより読み取り機1に保持される。サンプル収集装置2を用いて、上述の本発明の最初の例に対応する人物から、サンプルが採取される。図10は、図9に類似する図を示し、サンプル収集装置2は、サンプル採取後に再びカートリッジ3内に挿入される。今回、サンプル収集装置2は、カートリッジ3のモジュールの端部の周りにデザインされたクランプ24がサンプル収集装置2のグリップに形成された溝23内に嵌合するまで、カートリッジ3内に入れられる。例によれば、クランプ24はカートリッジ3の全周に形成されるとともに、溝23内にクランプ締めする前にグリップ25に当接する際、わずかに曲げられる可撓性材料である。溝23に嵌合するカートリッジ3のクランプ24は、この例で第3固定装置として機能する。この嵌合により確立される接続は不可逆的であり、重ねてこれはサンプル収集装置2およびカートリッジ3が再び分離されず一緒に処分されることを意味する。サンプル収集装置2のカートリッジ3との不可逆的な接続は、サンプル収集装置2のグリップ25を読み取り機1から離れる方向に引くことにより、解放可能な第2固定装置6が分離され、ボール−ばねロックのボールが凹所11から離され、サンプル収集装置2およびカートリッジ3が読み取り機1から取り外されるという効果を有する。
【0029】
最後に、本出願において「有する、含む(comprising)」の語が他の要素またはステップを排除せず、「1つの(“a”または“an”)」が複数を排除せず、単一の処理装置または他のユニットがいくつかの手段からなる機能を果たしてもよいことを指摘しておく。本発明は、全ての新規の特徴的機能及びこれら特徴的機能の全ての組み合わせに帰する。さらに、請求項における参照符号は、請求の範囲を制限するとは考えない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジ読み取り機へのカートリッジの接続のための接続システムであって、
サンプルを採取する前に第1固定装置を介して前記カートリッジに解放可能に接続された、サンプルを採取するためのサンプル収集装置を有し;
前記カートリッジは第2固定装置を介して前記読み取り機に解放可能に接続される、
接続システム。
【請求項2】
前記第1固定装置は、前記カートリッジと前記サンプル収集装置との間の解放可能な接続を成立させる、端部において前記サンプル収集装置の凹所内に突出するよう設計され、フラップを有する前記カートリッジに同心円状に配置されるフラップリングである、
ことを特徴とする請求項1に記載の接続システム。
【請求項3】
前記第1固定装置は、一方の端部において前記カートリッジを通って嵌めるために前記サンプル収集装置に形成された溝内へ突出する屈曲可能なカンチレバーであり、前記カートリッジを前記サンプル収集装置から外すために、前記カンチレバーを前記サンプル収集装置から離れる方向に曲げるよう、前記カンチレバーを他方の端部において押すためのくさびが前記読み取り機に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の接続システム。
【請求項4】
前記第2固定装置は、前記サンプルの採取前に前記カートリッジを前記読み取り機に解放可能に固定するための、前記カートリッジ内に設計された溝の中に嵌めるための前記読み取り機に配置されるボール−ばねロックである、
ことを特徴とする請求項1に記載の接続システム。
【請求項5】
前記第2固定装置は、前記カートリッジおよび前記サンプル収集装置への軸方向の力において、前記サンプル収集装置を前記カートリッジから解放することおよび前記読み取り機に固定された前記カートリッジを解放することを可能にする第1固定装置により加えられる力より大きくなるよう、前記カートリッジおよび前記サンプル収集装置と垂直に前記カートリッジに力を加える、
ことを特徴とする請求項1に記載の接続システム。
【請求項6】
第3固定装置が、前記カートリッジを有する前記サンプル収集装置を前記読み取り機から引き抜くために、前記サンプル収集装置を前記カートリッジと不可逆的に固定するよう、前記カートリッジに配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の接続システム。
【請求項7】
前記第3固定装置は、前記サンプル採取後に前記カートリッジを前記サンプル収集装置に不可逆的に固定するため、前記サンプル収集装置内に設計された溝の中へ嵌めるための前記カートリッジに配置されたクランプである、
ことを特徴とする請求項6に記載の接続システム。
【請求項8】
前記読み取り機は、前記サンプルを検知するための光学的、磁気的、機械的、音響的、熱的、または電気的なセンサ要素である、
ことを特徴とする請求項1に記載の接続システム。
【請求項9】
前記接続システムは、十分なサンプルが収集された場合に検出および表示をするためのインジケータを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の接続システム。
【請求項10】
カートリッジのカートリッジ読み取り機への接続のための方法であって、
サンプル収集装置およびカートリッジを読み取り機に接続することと、
前記カートリッジが前記読み取り機に接続されたまま前記サンプル収集装置を前記カートリッジから解放することと、
前記サンプル収集装置により前記サンプルを採取することと、
前記サンプル収集装置を前記読み取り機に接続された前記カートリッジに不加逆的に接続することと、
前記読み取り機内の前記サンプルを検出することと、
前記サンプル収集装置および前記サンプル収集装置に不加逆的に接続された前記カートリッジを前記読み取り機から取り外すことと、
を有することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−519273(P2012−519273A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551556(P2011−551556)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【国際出願番号】PCT/IB2010/050761
【国際公開番号】WO2010/097747
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】