説明

センサ故障診断装置、記録装置、センサ故障診断方法および情報記憶システム

【課題】記録装置の振動を検知するセンサの故障を精度良く診断すること。
【解決手段】記録装置内部に設けられ、当該記録装置内部の可動部を可動させることにより振動を発生させる振動発生指示部201と、振動発生指示部201によって記録装置に発生させた振動を検知したセンサによって出力された振動量に係る値が所定の範囲内にあるか否かを判定する故障判定部204と、故障判定部204によって判定された結果を出力する判定結果出力部205と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体の振動を検知するセンサの故障を診断するセンサ故障診断装置、記録装置、センサ故障診断方法および情報記憶システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、磁気ディスク装置は、ショックセンサおよび加速度センサを内部に備え、そのショックセンサおよび加速度センサが、種々の原因で発生する磁気ディスク装置の振動および衝撃を検知して、記憶媒体ならびに周辺の部品の破損を回避する。
【0003】
したがって、このショックセンサおよび加速度センサが正常に動作することは、磁気ディスク装置にとって、重要なことであり、ショックセンサおよび加速度センサの故障診断を精度良く行うことが必要とされている。
【0004】
たとえば、加速度センサの故障診断では、加速度センサが、自己診断用の電極を有しており、当該電極に交流電圧を印加して擬似的に振動を発生させ、その振動によって発生する加速度を検知することにより、自己の故障診断をすることができる技術が開示されている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平05−164779号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ショックセンサや加速度センサなどのセンサの故障診断を行うためには、実際に発生し得る振動および衝撃が発生する種々の原因を考慮して、磁気ディスク装置に振動および衝撃を与える必要があるため、磁気ディスク装置は、センサの故障診断を精度良く行うことが困難であるという問題がある。
【0007】
また、上述した特許文献1では、加速度センサは、加速度センサ内部で振動を発生させ自己の故障診断をすることができるが、加速度センサ内部で擬似的に振動を発生させているため、種々の原因によって発生する実際の振動および衝撃を考慮した精度が良い故障診断を行うことができない。また、加速度センサそのものに付加回路を備える必要があるため、コストアップとなってしまう。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、振動を検知するセンサの改変を行うことなく、センサの故障を精度良く診断するセンサ故障診断装置、記録装置、センサ故障診断方法および情報記憶システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した問題を解決し、目的を達成するために、センサ故障振動装置は、記録装置の振動を検知するセンサの故障を診断するセンサ故障診断装置であって、前記記録装置内部に設けられ、当該記録装置内部の可動部を可動させることにより振動を発生させる制御部と、前記制御部によって前記記録装置に発生させた振動を検知した前記センサによって出力された振動量に係る値が所定の範囲内にあるか否かを判定する判定部と、前記判定部によって判定された結果を出力する出力部と、を備える構成を採る。
【0010】
また、上記の構成において、センサ故障診断装置は、前記センサによって出力された振動量を積算して振動量に係る値を算出する測定部をさらに備え、前記判定部は、前記測定部によって算出された値が所定の範囲内にあるか否かを判定する構成を採る。
【0011】
また、上記の構成において、センサ故障診断装置は、前記測定部は、複数のセンサによって出力された振動量の積を積算して振動量に係る値を算出する構成を採る。
【0012】
また、上記の構成において、センサ故障診断装置は、前記測定部は、前記センサによって出力された振動量のうち規定量未満の振動量を除外して振動量に係る値を算出する構成を採る。
【0013】
また、記録装置は、振動を検知するセンサの故障を診断する記録装置であって、自記録装置内部に設けられ、自記録装置内部の可動部を可動させることにより振動を発生させる制御部と、自記録装置に発生した振動を検知して当該振動の振動量を出力するセンサと、前記センサによって出力された振動量に係る値が所定の範囲内にあるか否かを判定する判定部と、前記判定部によって判定された結果を出力する出力部と、を備える構成を採る。
【0014】
また、センサ故障診断方法は、記録装置の振動を検知するセンサの故障を診断するセンサ故障診断方法であって、前記記録装置内部に設けられ、当該記録装置内部の可動部を可動させることにより振動を発生させる制御ステップと、前記制御ステップによって前記記録装置に発生させた振動を検知した前記センサによって出力された振動量に係る値が所定の範囲内にあるか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップによって判定された結果を出力する出力ステップと、を備えるようにした。
【発明の効果】
【0015】
本明細書に開示されたセンサ故障診断装置、記録装置、センサ故障診断方法および情報記憶システムによれば、記録装置内部から記録装置に振動を発生させることができ、発生させられた振動をセンサが検知するため、実際の記録装置の振動を考慮した精度が良いセンサの故障診断をすることができるという効果を奏する。また、記録装置内部から記録装置に振動を発生させることができるため、手間と時間をかけることなくセンサの故障診断を容易に行うことができ、特に出荷後の故障診断を容易に行うことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明にかかるセンサ故障診断装置、記録装置、センサ故障診断方法および情報記憶システムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0017】
図1は、本実施例にかかる磁気ディスク装置の全体構成の一例を示す図である。同図に示すように、磁気ディスク装置1は、記録媒体101と、ヘッド搭載アクチュエータ103と、ショックセンサ104と、RV(Rotary Vibration)センサA105と、RVセンサB106と、サーボコントローラ107と、リードチャネル109と、ハードディスクコントローラ110と、センサ故障診断部111と、RAM(Random Access Memory)112と、FROM116(不揮発性メモリ)と、インナストッパ113と、アウタストッパ114と、から構成される。また、この磁気ディスク装置1は、上位装置であるホスト115と接続されている。
【0018】
記録媒体101は、データを磁気的に記録する媒体である。スピンドルモータ102は、サーボコントローラ107から出力される制御電流に基づき、記録媒体101を回転させる。
【0019】
ヘッド搭載アクチュエータ103は、サーボコントローラ107から出力される制御電流に基づき、磁気ヘッドを記録媒体101の半径方向に移動(シーク)させて、記録媒体101に記録された磁気データを読み込む。また、ヘッド搭載アクチュエータ103は、磁気データおよびサーボ情報を読み込み、読み込んだ磁気データをデータ信号として、読み込んだサーボ情報をサーボ信号として、リードチャネル109に出力する。
【0020】
ショックセンサ104は、磁気ディスク装置1に与えられた振動を検知するセンサであり、検知された振動の振動量を計測してサーボコントローラ107に出力する。
【0021】
RVセンサA105およびRVセンサB106は、記録媒体101の円周方向に対応する振動を検知し、検知された振動の振動量を計測してサーボコントローラ107に出力する。なお、本実施例にかかる磁気ディスク装置で行うセンサ故障診断は、ショックセンサ104、RVセンサA105およびRVセンサB106を診断対象とする。
【0022】
サーボコントローラ107は、スピンドルモータ102とヘッド搭載アクチュエータ103とを制御する。たとえば、サーボコントローラ107は、記録媒体101に振動を発生させる指示(以降、振動発生指示という。)を表す制御電流指示をセンサ故障診断部111から取得し、制御電流指示に基づいてヘッド搭載アクチュエータ103またはスピンドルモータ102を制御する。
【0023】
また、サーボコントローラ107は、ADコンバータ108を備え、ADコンバータ108が、振動を検知したショックセンサ104、RVセンサA105およびRVセンサB106から出力された振動量をアナログ信号からデジタル信号へ変換する。さらに、サーボコントローラ107は、ショックセンサ104から出力されたショック検知信号と、RVセンサA105およびRVセンサB106から出力されたRV検知信号をそれぞれハードディスクコントローラ110に出力する。
【0024】
リードチャネル109は、ヘッド搭載アクチュエータ103から出力されたデータ信号およびサーボ信号を取得して復調し、復調によって得られたデータをハードディスクコントローラ110に出力する。
【0025】
ハードディスクコントローラ110は、記録媒体101へのデータの書き込みおよび記録媒体101からのデータの読み込みを制御する処理部であり、データ信号の復調によって得られたデータを上位装置のホスト115に送信する処理などを行う。また、ハードディスクコントローラ110は、サーボコントローラ107から出力されたRV検知信号とショック検知信号を取得し、センサ故障診断部111に出力する。
【0026】
センサ故障診断部111は、振動を検知するショックセンサ104、RVセンサA105およびRVセンサB106の故障を診断する。この故障診断は、例えば、磁気ディスク装置1に電源が投入された場合や、磁気ディスク装置1の試験工程等において、ホスト115からセンサの故障診断を行うコマンドを受け付けた場合、データの読み込みまたは書き込み異常が発生した場合、ホスト115により発行されるコマンドの待ち時間が規定時間以上となった場合などに行われる。
【0027】
この故障診断においては、まず、センサ故障診断部111は、サーボコントローラ107に対して、振動発生指示を表す制御電流指示を出力する。サーボコントローラ107は、この制御電流指示に基づき、停止していたスピンドルモータ102を回転させ、ヘッド搭載アクチュエータ103をインナストッパ113またはアウタストッパ114に衝突させ、あるいは、磁気ヘッドを往復シークさせることにより振動を発生させる。
【0028】
このようにして振動が発生すると、ショックセンサ104、RVセンサA105およびRVセンサB106は、その振動を検知する。そして、ショックセンサ104は、検知した振動の振動量の情報を含んだショック検知信号を出力し、RVセンサA105およびRVセンサB106は、検知した振動の振動量を表すRV検知信号をそれぞれ出力する。そして、センサ故障診断部111は、ショック検知信号およびRV検知信号を取得する。
【0029】
ショックセンサ104、RVセンサA105およびRVセンサB106の故障診断は、その振動量に対して所定の操作を行って得た値を測定値として、そのようにして得られた測定値とあらかじめ設定された基準値とを比較することにより行われる。
【0030】
具体的には、センサ故障診断部111は、FROM116からあらかじめ規定された許容し得る測定値の範囲(規定範囲)の情報を読み込み、上記測定値が規定範囲内にあるか否かを判定する。この規定範囲は、センサが正常である場合に、上記測定値が示す範囲である。この規定範囲は、あらかじめ実験等で調べられ、その情報はFROM116に記憶されている。
【0031】
そして、センサ故障診断部111は、測定値が規定範囲以内であればセンサは正常であると判定し、測定値が規定範囲外であればセンサは異常であると判定し、判定した結果を出力する。なお、センサ故障診断部111は、振動量に所定の操作を行って得られた測定値から故障判定を行うのではなく、ショックセンサ104、RVセンサA105およびRVセンサB106により取得された振動量そのものが所定の許容し得る範囲にあるか否かに基づいて故障診断を行うこととしても良い。
【0032】
RAM112は、センサ故障診断部111に接続され、データを一時的に記憶するランダム・アクセス・メモリである。また、FROM116は、許容し得る測定値の範囲である規定範囲の上限値および下限値を記憶しておく。
【0033】
インナストッパ113は、ヘッド搭載アクチュエータ103の記録媒体101の内周方向への動きを制限する。アウタストッパ114は、ヘッド搭載アクチュエータ103の記録媒体101の外周方向への動きを制限する。
【0034】
ホスト115は、磁気ディスク装置1の上位装置であり、たとえば、所定のコマンドを発行して、記録媒体101からの所定のデータの読み込みや記録媒体101に対するデータの書き込みを行う。
【0035】
次に、本実施例にかかるセンサの実装位置を、図2を参照して説明する。図2は、本実施例にかかるセンサの実装位置の一例を示す図である。同図に示すように、記録媒体101の外周近辺にショックセンサ104とRVセンサA105とRVセンサB106とが配置されている。
【0036】
そして、RVセンサA105とRVセンサB106とは、記録媒体101のスピンドルモータ102を挟んで対角線上に配置されている。そのため、RVセンサA105とRVセンサB106とが、記録媒体101の円周方向に対応する振動を検知した場合には、それぞれの振動量は、正負が逆となる値であって絶対値がほぼ同一の値となる。たとえば、RVセンサA105によって検知された振動量が+100のとき、RVセンサB106によって検知された振動量は約−100となる。
【0037】
図3は、本実施例にかかるセンサ故障診断部111の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、センサ故障診断部111は、振動発生指示部201と、センサ出力取得部202と、センサ出力測定部203と、故障判定部204と、判定結果出力部205と、を備える。
【0038】
振動発生指示部201は、故障診断の開始コマンドをホストから受け付けた場合などに、振動発生指示を表す制御電流指示をサーボコントローラ107に対して出力する。この制御電流指示を受け付けたサーボコントローラ107は、この制御電流指示に基づき、停止していたスピンドルモータ102を回転させ、ヘッド搭載アクチュエータ103をインナストッパ113またはアウタストッパ114に衝突させ、あるいは、磁気ヘッドを往復シークさせることにより磁気ディスク装置1内部で振動を発生させる。
【0039】
そして、ショックセンサ104、RVセンサA105およびRVセンサB106は、この振動を検知し、検知された振動に対応する振動量を計測する。続いて、ショックセンサ104は、計測した振動量を表すショック検知信号を出力し、RVセンサA105およびRVセンサB106は、振動量を表すRV検知信号を出力する。
【0040】
その後、サーボコントローラ107は、ショック検知信号およびRV検知信号をハードディスクコントローラ110に出力し、ハードディスクコントローラ110は、ショック検知信号およびRV検知信号をセンサ故障診断部111に出力する。
【0041】
センサ出力取得部202は、ハードディスクコントローラ110によって出力されたショック検知信号およびRV検知信号を取得する。
【0042】
センサ出力測定部203は、ショック検知信号およびRV検知信号が示す振動量に対して所定の操作を行って、測定値を算出する。この測定値が規定範囲範囲内にあるか否かが判定され、その判定結果に基づいてセンサの故障判定がなされる。この操作については、後に詳しく説明する。
【0043】
故障判定部204は、あらかじめ設定された規定範囲の情報をFROM116から読み込み、センサ出力測定部203により算出された測定値が、規定範囲内にあるか否かを判定する。
【0044】
そして、故障判定部204は、測定値が規定範囲内にあるとき、センサ正常と判定し、測定値が規定範囲外であるとき、センサ故障と判定する。
【0045】
判定結果出力部205は、故障判定部204によってなされた決定結果をハードディスクコントローラ110に出力する。すなわち、判定結果出力部207は、ショックセンサ104、RVセンサA105およびRVセンサB106の正常、故障の判定結果を出力する。
【0046】
次に、本実施例にかかるセンサ故障診断部111の処理概要について図4を参照しながら説明する。図4は、本実施例にかかるセンサ故障診断部111の処理概要を示すフローチャートである。
【0047】
まず、センサ故障診断部111の振動発生指示部201は、振動を発生させる振動発生指示をサーボコントローラ107に対して出力する(S101)。そして、センサ出力取得部202は、ハードディスクコントローラ110によって出力されたRV検知信号およびショック検知信号を取得する(S102)。
【0048】
続いて、センサ出力測定部203は、センサ出力取得部202によって取得されたRV検知信号およびショック検知信号が表す各振動量から、測定値を算出する(S103)。そして、故障判定部204は、FROM116に記憶された規定範囲の情報を読み出し、測定値が規定範囲内であるか否かを判定する(S104)。
【0049】
また、測定値が規定範囲内である場合には(S104Yes)、故障判定部204は、センサ正常と判定し(S105)、その判定結果を出力する(S106)。一方、測定値が規定範囲外であると判定された場合には(S104No)、故障判定部204は、センサ故障と判定し(S107)、その判定結果をハードディスクコントローラ110に出力する(S106)。
【0050】
なお、故障結果出力部207によって、ショックセンサ104がセンサ異常であるとの判定結果が出力されたときは、たとえば、ハードディスクコントローラ110は、その後の読み込みおよび書き込みのコマンドを受け付けないものとしても良いし、オフトラックの閾値を厳しくして(トラック中心からのずれの許容値を現在の設定よりも小さくして)読み込みおよび書き込みを行うとしても良い。
【0051】
また、判定結果出力部205によって、RVセンサA105またはRVセンサB106がセンサ異常であるとの判定結果が出力されたときは、たとえば、異常と出力されたセンサの使用を中止することとしても良い。
【0052】
このようにして、センサ故障診断部111は、停止していたスピンドルモータ102を回転させ、ヘッド搭載アクチュエータ103をインナストッパ113またはアウタストッパ114に衝突させ、あるいは、磁気ヘッドを往復シークさせることにより振動を発生させ、ショックセンサ104、RVセンサA105およびRVセンサB106により検知された振動の振動量に係る値(測定値)が所定の範囲(規定範囲)内にあるか否かによって故障か否かを判定しているため、精度が良い故障診断を行うことができる。
【0053】
すなわち、センサ故障診断部111は、磁気ディスク装置1内の可動部を可動させることにより振動を発生させ、その振動に基づいて故障診断を行うため、センサそのものに擬似的に振動を発生させるのとは異なり、センサの改変を行うことなく、実際に発生し得る振動を考慮した精度が良い故障診断を行うことができる。また、振動を外部から与えるのではなく、磁気ディスク装置1内部で発生させることができるため、手間と時間をかけることなくショックセンサ104、RVセンサA105およびRVセンサB106の故障診断を容易に行うことができ、特に出荷後の故障診断を容易に行うことができる。
【0054】
次に、本実施例にかかるセンサ故障診断部111の振動発生指示部201がさまざまな方法で振動を発生させ、センサの故障診断を行う処理を、図5−1、図5−2および図5−3を参照して説明する。
【0055】
図5−1は、インナストッパ113にヘッド搭載アクチュエータ103を衝突させて振動を発生させる場合のセンサ故障診断処理のフローチャートである。なお、ここでは、インナストッパ113にヘッド搭載アクチュエータ103を衝突させる場合について説明するが、アウタストッパ114にヘッド搭載アクチュエータ103を衝突させて振動を発生させることとしてもよい。
【0056】
まず、振動発生指示部201によりインナストッパ113にヘッド搭載アクチュエータ103を衝突させる指示を示す振動発生指示がサーボコントローラ107に出力されると、サーボコントローラ107により、振動発生指示に基づいた制御電流がヘッド搭載アクチュエータ103に出力され、その制御信号によりヘッド搭載アクチュエータ103はインナストッパ113付近に移動する(S201)。
【0057】
そして、サーボコントローラ107は、ヘッド搭載アクチュエータ103を引き続きインナストッパ113方向に移動するよう制御して、ヘッド搭載アクチュエータ103をインナストッパ113に衝突させる(S202)。その結果、磁気ディスク装置1には振動が発生する。
【0058】
続いて、センサ出力取得部202は、振動を検出したショックセンサ104、RVセンサA105およびRVセンサB106により出力されたショック検知信号およびRV検知信号を取得し、センサ出力測定部203は、それらに含まれる振動量の情報に対して所定の操作を行って測定値を算出する(S203)。
【0059】
その後、振動発生指示部201は、規定時間内にヘッド搭載アクチュエータ103がインナストッパ113に衝突したか否かを調べる(S204)。ここで、ヘッド搭載アクチュエータ103がインナストッパ113に衝突したか否かは、たとえば、ショックセンサ104、RVセンサA105、あるいは、RVセンサB106により出力された振動量の情報のいずれかが所定値を超えたか否かを調べることにより判定する。
【0060】
規定時間内にヘッド搭載アクチュエータ103がインナストッパ113に衝突しなかった場合には(S204No)、振動発生指示部201は、サーボコントローラ107に振動発生指示を再度出力し、サーボコントローラ107は、ヘッド搭載アクチュエータ103を引き続きインナストッパ113方向に移動するよう再度制御して、ヘッド搭載アクチュエータ103をインナストッパ113に衝突させる(S202)。
【0061】
規定時間内にヘッド搭載アクチュエータ103がインナストッパ113に衝突した場合には(S204Yes)、故障判定部204は、振動量の情報から算出した測定値が規定範囲内であるか否かを調べる(S205)。
【0062】
測定値が規定範囲内である場合には(S205Yes)、故障判定部204は、センサ正常と判定し(S206)、判定結果出力部205は、判定結果をハードディスクコントローラ110に出力する(S207)。
【0063】
測定値が規定範囲外である場合には(S205No)、故障判定部204は、センサ故障と判定し(S208)、判定結果出力部205は、判定結果をハードディスクコントローラ110に出力する(S207)。
【0064】
図5−2は、スピンドルモータ102の回転起動により振動を発生させる場合のセンサ故障診断処理のフローチャートである。
【0065】
振動発生指示部201により磁気ヘッドをアンロードさせる指示がサーボコントローラ107に出力されると、サーボコントローラ107により、当該指示に基づいた制御電流がヘッド搭載アクチュエータ103に出力され、その制御信号によりヘッド搭載アクチュエータ103は磁気ヘッドをアンロードさせる(S301)。
【0066】
そして、振動発生指示部201によりスピンドルモータ102を回転起動させる指示を示す振動発生指示がサーボコントローラ107に出力されると、サーボコントローラ107は、スピンドルモータ102を回転起動させる(S302)。その結果、磁気ディスク装置1には振動が発生する。
【0067】
続いて、センサ出力取得部202は、振動を検出したショックセンサ104、RVセンサA105およびRVセンサB106により出力されたショック検知信号およびRV検知信号を取得し、センサ出力測定部203は、それらに含まれる振動量の情報に対して所定の操作を行って測定値を算出する(S303)。
【0068】
その後、振動発生指示部201は、スピンドルモータ102の回転を停止させる指示をサーボコントローラ107に出力し、サーボコントローラ107は、スピンドルモータ102の回転を停止させる(S304)。
【0069】
そして、振動発生指示部201は、スピンドルモータ102の回転・停止処理が規定回数を超過したか否かを調べる(S305)。そして、規定回数を超過していない場合には(S305No)、振動発生指示部201は、振動発生指示をサーボコントローラ107に再度出力し、サーボコントローラ107は、スピンドルモータ102を回転起動させる処理を再度実行する(S302)。
【0070】
規定回数を超過した場合には(S305Yes)、故障判定部204は、振動量の情報から算出した測定値が規定範囲内であるか否かを調べる(S306)。
【0071】
測定値が規定範囲内である場合には(S306Yes)、故障判定部204は、センサ正常と判定し(S307)、判定結果出力部205は、判定結果をハードディスクコントローラ110に出力する(S308)。
【0072】
測定値が規定範囲外である場合には(S306No)、故障判定部204は、センサ故障と判定し(S309)、判定結果出力部205は、判定結果をハードディスクコントローラ110に出力する(S308)。
【0073】
図5−3は、往復シークにより振動を発生させる場合のセンサ故障診断処理のフローチャートである。
【0074】
振動発生指示部201により磁気ヘッドをシリンダBにシークさせる指示がサーボコントローラ107に出力されると、サーボコントローラ107により、当該指示に基づいた制御電流がヘッド搭載アクチュエータ103に出力され、その制御信号によりヘッド搭載アクチュエータ103は磁気ヘッドをシリンダBにシークさせる(S401)。
【0075】
そして、振動発生指示部201により磁気ヘッドをシリンダAにシークさせる指示を示す振動発生指示がサーボコントローラ107に出力されると、サーボコントローラ107は、ヘッド搭載アクチュエータ103を制御して、磁気ヘッドがシリンダBに到達した後、磁気ヘッドをシリンダAにシークさせる(S402)。その結果、磁気ディスク装置1には振動が発生する。
【0076】
続いて、センサ出力取得部202は、振動を検出したショックセンサ104、RVセンサA105およびRVセンサB106により出力されたショック検知信号およびRV検知信号を取得し、センサ出力測定部203は、それらに含まれる振動量の情報に対して所定の操作を行って測定値を算出する(S403)。
【0077】
その後、振動発生指示部201は、磁気ヘッドをシリンダBにシークさせる指示をサーボコントローラ107に出力し、サーボコントローラ107は、当該指示に基づいた制御電流をヘッド搭載アクチュエータ103に出力し、その制御信号によりヘッド搭載アクチュエータ103は、磁気ヘッドがシリンダAに到達した後に磁気ヘッドをシリンダBにシークさせる(S404)。
【0078】
そして、振動発生指示部201は、磁気ヘッドがシリンダBからシリンダAに移動して再度シリンダBに戻る動作が規定回数を超過したか否かを調べる(S405)。そして、規定回数を超過していない場合には(S405No)、振動発生指示部201は、振動発生指示をサーボコントローラ107に再度出力し、サーボコントローラ107は、磁気ヘッドをシリンダAにシークさせる処理を再度実行する(S402)。
【0079】
規定回数を超過した場合には(S405Yes)、故障判定部204は、振動量の情報から算出した測定値が規定範囲内であるか否かを調べる(S406)。
【0080】
測定値が規定範囲内である場合には(S406Yes)、故障判定部204は、センサ正常と判定し(S407)、判定結果出力部205は、判定結果をハードディスクコントローラ110に出力する(S408)。
【0081】
測定値が規定範囲外である場合には(S406No)、故障判定部204は、センサ故障と判定し(S409)、判定結果出力部205は、判定結果をハードディスクコントローラ110に出力する(S408)。
【0082】
このようにして、センサ故障診断部111は、磁気ディスク装置1の振動を発生させる振動発生指示を出力することにより、ヘッド搭載アクチュエータ103またはスピンドルモータ102を用いて振動を発生させ、その振動をショックセンサ104、RVセンサA105およびRVセンサB106に検知させて故障診断を行うことができるため、手間と時間をかけることなく容易にセンサの故障診断を行うことができ、また、実際に発生し得る振動を考慮した故障診断を精度が良く行うことができる。
【0083】
次に、本実施例にかかるセンサ故障診断部111のセンサ出力測定部203によりなされる測定値算出の方法を、図6ないし図13を参照して説明する。
【0084】
図6は、オフセット計算処理のフローチャートである。なお、ここでは、ショックセンサ104により出力された振動量に基づいてオフセット計算を行う場合について説明するが、RVセンサA105およびRVセンサB106から出力された振動量からも同様にしてオフセット計算が行われる。
【0085】
まず、センサ出力測定部203は、オフセット値(ofs)を0に設定して、オフセットの値をクリアする(S501)。
【0086】
そして、センサ出力測定部203は、ショックセンサ104から出力され、ADコンバータ108によりアナログ値からデジタル値に変換された振動量であるADC値を取得し、変数snsに代入する(S502)。
【0087】
続いて、センサ出力測定部203は、オフセット値(ofs)に変数snsを加えて新たなオフセット値(ofs)とする(S503)。
【0088】
その後、センサ出力測定部203は、ADC値をオフセット値に加算する処理の処理回数が規定回数を超過したか、または、ADC値をオフセット値に加算する処理の処理時間が規定時間を経過したかを調べる(S504)。ここで、処理回数が規定回数を超過したか、または、処理時間が規定時間を経過したかを調べるのは、オフセット計算に用いるADC値のサンプル数を制御するためである。
【0089】
処理回数が規定回数を超過していない場合、または、処理時間が規定時間を経過していない場合には(S504No)、センサ出力測定部203は、ショックセンサ104から出力された新たなADC値を取得し、変数snsに代入する処理を再度行い(S502)、それ以降の処理を継続する。
【0090】
処理回数が規定回数を超過した場合、または、処理時間が規定時間を経過した場合には(S504Yes)、センサ出力測定部203は、オフセット値を測定回数、すなわち、ADC値をオフセット値に加算する処理を行った回数で除算して平均値を算出し(S505)、その算出結果を測定値とする(S506)。そして、上述したように、このようにして得られた測定値が規定範囲内にあるか否かに基づいて、ショックセンサ104が故障しているか否かが判断される。
【0091】
図7は、センサ出力プロットの一例を示した図である。ここでは、インナストッパ113にヘッド搭載アクチュエータ103を衝突させて振動を発生させた場合のショックセンサ104、RVセンサA105およびRVセンサB106から出力された振動量をプロットしている。
【0092】
同図には、ショックセンサ104、RVセンサA105およびRVセンサB106がすべて正常であるときのプロット(A)、RVセンサA105から出力された振動量が異常に小さく、また、ショックセンサ104から出力された振動量がオフセット異常であるときのプロット(B)、RVセンサA105から出力された振動量が異常に大きいときのプロット(C)が示されている。
【0093】
そして、各プロットの横軸はサンプル数、縦軸はADC値を示している。ここで、1サンプルが一定間隔(たとえば、約20ms(マイクロ秒))でサンプリングされているとすると、サンプル数は時間で指定することもできる。
【0094】
プロット(A)においては、ショックセンサ104、RVセンサA105およびRVセンサB106がすべて正常であるため、各センサのADC値について図6で説明したオフセット計算を行うと、計算された測定値は、零に近い値となる。
【0095】
一方、プロット(B)のようにショックセンサ104がオフセット異常の場合には、オフセット計算を行うと、計算された測定値は正常時に加えて非常に大きくなり、規定範囲から外れるようになる。そのため、このような場合には、センサ異常を容易かつ効率的に検出することができる。
【0096】
図8は、センサ出力の積算値計算処理のフローチャートである。なお、ここでは、ショックセンサ104により出力された振動量に基づいて積算値計算を行う場合について説明するが、RVセンサA105およびRVセンサB106から出力された振動量からも同様にして積算値計算が行われる。
【0097】
まず、センサ出力測定部203は、積算値(add)を0に設定して、積算値をクリア
する(S601)。
【0098】
そして、センサ出力測定部203は、ショックセンサ104から出力され、ADコンバータ108によりアナログ値からデジタル値に変換された振動量であるADC値を取得し、変数snsに代入する(S602)。
【0099】
続いて、センサ出力測定部203は、積算値(add)に変数snsの絶対値を加えて新たな積算値(add)とする(S603)。
【0100】
その後、センサ出力測定部203は、ADC値を積算値に加算する処理の処理回数が規定回数を超過したか、または、ADC値を積算値に加算する処理の処理時間が規定時間を経過したかを調べる(S604)。ここで、処理回数が規定回数を超過したか、または、処理時間が規定時間を経過したかを調べるのは、積算値計算に用いるADC値のサンプル数を制御するためである。
【0101】
処理回数が規定回数を超過していない場合、または、処理時間が規定時間を経過していない場合には(S604No)、センサ出力測定部203は、ショックセンサ104から出力された新たなADC値を取得し、変数snsに代入する処理を再度行い(S602)、それ以降の処理を継続する。
【0102】
処理回数が規定回数を超過した場合、または、処理時間が規定時間を経過した場合には(S604Yes)、センサ出力測定部203は、積算値を測定値とする(S605)。そして、上述したように、このようにして得られた測定値が規定範囲内にあるか否かに基づいて、ショックセンサ104が故障しているか否かが判断される。
【0103】
図9は、センサ出力の積算値をプロットした一例を示した図である。ここでは、インナストッパ113にヘッド搭載アクチュエータ103を衝突させて振動を発生させた場合において、図8で説明した方法によってショックセンサ104、RVセンサA105またはRVセンサB106からの出力に対して算出された積算値をプロットしている。なお、プロット(A)、(B)、(C)における各センサの正常あるいは異常の状態は、図7のプロット(A)、(B)、(C)における各センサの状態とそれぞれ同様であるため、説明は省略する。
【0104】
プロット(A)、(B)、(C)のいずれにおいてもADC値の絶対値を加えていくことにより積算値を算出しているため、積算値は、サンプル数が大きくなるごとに徐々に大きくなる。
【0105】
プロット(A)に示されるように、ショックセンサ104、RVセンサA105およびRVセンサB106が正常である場合には、積算値は規定範囲内となるため、ショックセンサ104、RVセンサA105およびRVセンサB106の故障診断を行った場合には、正常であると判定される。
【0106】
一方、プロット(B)では、RVセンサA105から出力された値が異常(出力小)であり、ADC値はすべて零に近い値であるため(図7プロット(B)参照)、サンプル数が規定回数となったときの積算値は、あらかじめ定められた規定範囲外となる。したがって、RVセンサA105の故障診断の結果は、異常判定となる。
【0107】
また、プロット(B)において、ショックセンサ104から出力された値がオフセット異常であり、ADC読み値はすべて+500の値となっているため(図7プロット(B)参照)、サンプル数が規定回数となったときの積算値は、あらかじめ定められた規定範囲外となる。したがって、ショックセンサ104の故障診断の結果は、異常判定となる。
【0108】
また、プロット(C)では、RVセンサA105から出力された振動量が異常(出力大)であり、サンプルごとのADC値は顕著に大きな値となっているため(図7プロット(C)参照)、サンプル数が規定回数となったときの積算値は、あらかじめ定められた規定範囲外となる。したがって、RVセンサA105の故障診断の結果は、異常判定となる。
【0109】
このようにして、センサ故障診断部111は、ショックセンサ104、RVセンサA105およびRVセンサB106によって出力されたADC値の絶対値を積算した値から、故障であるか否かを判定するため、センサの故障を容易かつ効率的に検出することができる。
【0110】
図10は、フィルタリングされたセンサ出力の積算値をプロットした一例を示した図である。ここでは、インナストッパ113にヘッド搭載アクチュエータ103を衝突させて振動を発生させた場合において、図8で説明した方法によってショックセンサ104、RVセンサA105またはRVセンサB106からの出力をフィルタリングし、フィルタリングされた出力に対して算出された積算値をプロットしている。
【0111】
フィルタリングとは、規定値よりも小さい出力値をノイズとしてカットする処理である。図10の例では、RVセンサA105およびRVセンサB106からの出力値が50未満であるとき、また、ショックセンサからの出力値が150未満であるとき、それらの出力値を0として、積算値に影響を及ぼさないようにしている。なお、プロット(A)、(B)、(C)における各センサの正常あるいは異常の状態は、図7のプロット(A)、(B)、(C)における各センサの状態とそれぞれ同様であるため、説明は省略する。
【0112】
プロット(A)、(B)、(C)とも、そのサンプルに対応する積算値は、フィルタリングによりノイズを除去しているため、ノイズを除いたADC値の積算値が示されている。このようにして、センサ故障診断部111は、規定値未満のADC値に対するフィルタリングを行った後に積算をすることによって、ノイズを排除することができるため、診断精度を向上させることができる。
【0113】
図11は、RVセンサA105およびRVセンサB106のセンサ出力の乗算に対する積算値計算処理のフローチャートである。
【0114】
まず、センサ出力測定部203は、積算値(add)を0に設定して、積算値をクリアする(S701)。
【0115】
そして、センサ出力測定部203は、RVセンサA105およびRVセンサB106から出力され、ADコンバータ108によりアナログ値からデジタル値に変換された振動量であるADC値を取得し、変数snsA、snsBにそれぞれ代入する(S702)。
【0116】
続いて、センサ出力測定部203は、積算値(add)に変数snsAと変数snsBの乗算をした値を加えて新たな積算値(add)とする(S703)。
【0117】
その後、センサ出力測定部203は、乗算をした値を積算値に加算する処理の処理回数が規定回数を超過したか、または、乗算をした値を積算値に加算する処理の処理時間が規定時間を経過したかを調べる(S704)。ここで、処理回数が規定回数を超過したか、または、処理時間が規定時間を経過したかを調べるのは、積算値計算に用いるADC値のサンプル数を制御するためである。
【0118】
処理回数が規定回数を超過していない場合、または、処理時間が規定時間を経過していない場合には(S704No)、センサ出力測定部203は、ショックセンサ104から出力された新たなADC値を取得し、変数snsA、snsBに代入する処理を再度行い(S702)、それ以降の処理を継続する。
【0119】
処理回数が規定回数を超過した場合、または、処理時間が規定時間を経過した場合には(S704Yes)、センサ出力測定部203は、積算値を測定値とする(S705)。そして、上述したように、このようにして得られた測定値が規定範囲内にあるか否かに基づいて、ショックセンサ104が故障しているか否かが判断される。
【0120】
図12は、RVセンサA105およびRVセンサB106のセンサ出力の乗算の積算値をプロットした一例を示した図である。ここでは、インナストッパ113にヘッド搭載アクチュエータ103を衝突させて振動を発生させた場合において、図11で説明した方法によって算出された積算値をプロットしている。
【0121】
なお、プロット(A)、(B)、(C)における各センサの正常あるいは異常の状態は、図7のプロット(A)、(B)、(C)における各センサの状態とそれぞれ同様であるため、説明は省略する。また、図12では、RVセンサA105およびRVセンサB106の出力値に対してフィルタリングを行った上で積算値を算出している。
【0122】
プロット(A)のように、RVセンサA105およびRVセンサB106がいずれも正常である場合には(図7プロット(A)参照)、積算値はサンプル数が多くなるごとに徐々に小さくなる。そして、サンプル数が規定回数となったとき、積算値は規定範囲内となるため、RVセンサA105およびRVセンサB106の故障診断の結果は、正常判定となる。
【0123】
一方、プロット(B)では、RVセンサA105から出力された振動量が異常(出力小)であるため、ADC値はすべて零に近い値であり(図7プロット(B)参照)、サンプル数が規定回数となったとき、積算値は規定範囲外となる。したがって、RVセンサA105およびRVセンサB106の故障診断の結果は、異常判定となる。
【0124】
また、プロット(C)では、RVセンサA105から出力された振動量が異常(出力大)であり、サンプルごとのADC値は顕著に大きな値となっているため(図7プロット(C)参照)、サンプル数が規定回数となったとき、積算値は規定範囲外となる。したがって、RVセンサA105およびRVセンサB106の故障診断の結果は、異常判定となる。
【0125】
このようにして、センサ故障診断部111は、RVセンサA105およびRVセンサB106によって出力されたADC値の積を積算し、積算値が規定範囲内にあるか否かを判定することにより、精度の高い故障診断を容易かつ効率的に行うことができる。
【0126】
図13は、RVセンサA105およびRVセンサB106のセンサ出力の比率計算処理のフローチャートである。
【0127】
まず、センサ出力測定部203は、積算値(addA、addB)を0に設定して、積算値をクリアする(S801)。
【0128】
そして、センサ出力測定部203は、RVセンサA105およびRVセンサB106から出力され、ADコンバータ108によりアナログ値からデジタル値に変換された振動量であるADC値を取得し、変数snsA、snsBにそれぞれ代入する(S802)。
【0129】
続いて、センサ出力測定部203は、積算値(addA)に変数snsAの絶対値を加えて新たな積算値(addA)とし、同様に、積算値(addB)に変数snsBの絶対値を加えて新たな積算値(addB)とする(S803)。
【0130】
その後、センサ出力測定部203は、絶対値を積算値に加算する処理の処理回数が規定回数を超過したか、または、絶対値を積算値に加算する処理の処理時間が規定時間を経過したかを調べる(S804)。ここで、処理回数が規定回数を超過したか、または、処理時間が規定時間を経過したかを調べるのは、積算値計算に用いるADC値のサンプル数を制御するためである。
【0131】
処理回数が規定回数を超過していない場合、または、処理時間が規定時間を経過していない場合には(S804No)、センサ出力測定部203は、ショックセンサ104から出力された新たなADC値を取得し、変数snsA、snsBに代入する処理を再度行い(S802)、それ以降の処理を継続する。
【0132】
処理回数が規定回数を超過した場合、または、処理時間が規定時間を経過した場合には(S804Yes)、センサ出力測定部203は、センサ出力の比率(addA/addB)を算出し(S805)、算出された値を測定値とする(S806)。そして、上述したように、このようにして得られた測定値が規定範囲内にあるか否かに基づいて、ショックセンサ104が故障しているか否かが判断される。
【0133】
このようにして、センサ故障診断部111は、RVセンサA105およびRVセンサB106によって出力されたそれぞれのADC値の積算値を計算し、積算値の比率を計算することによって、精度の高い故障診断を容易かつ効率的に行うことができる。
【0134】
次に、故障診断の実施を行うタイミングについて説明する。図14は、磁気ディスク装置1の製造工程のうちの試験工程において故障診断を行う場合の試験処理のフローチャートである。
【0135】
まず、磁気ディスク装置1の試験装置は、センサ故障診断以外の磁気ディスク装置1の試験を実施する(S901)。そして、試験装置は、センサ故障診断試験の実行を指示するコマンドを磁気ディスク装置1に対して発行し(S902)、そのコマンドを受信した磁気ディスク装置1は、上述してきたような方法でセンサの故障診断処理を実行する(S903)。
【0136】
その後、試験装置は、診断結果の情報を磁気ディスク装置1から受信して、センサが故障であるか否かを調べる(S904)。センサが故障でない場合には(S904No)、試験装置は残りの試験を実施して(S905)、この試験工程を終了する。センサが故障である場合には(S904Yes)、試験装置は装置不良と判定し(S906)、判定結果を出力して(S907)、この試験工程を終了する。
【0137】
図15は、磁気ディスク装置1の起動時に行う故障診断処理のフローチャートである。電源が投入されると、まず、サーボコントローラ107は、スピンドルモータ102を起動し(S1001)、ヘッド搭載アクチュエータ103の振り出しを行う(S1002)。
【0138】
そして、リードチャネル109は、ヘッド搭載アクチュエータ103の磁気ヘッドにより読み取られたサーボ信号の復調処理を行い(S1003)、ハードディスクコントローラ110は、その結果を受けて各種のキャリブレーションを行う(S1004)。
【0139】
その後、センサ故障診断部111は、上述してきたようなセンサ故障診断を実行する(S1005)。そして、ハードディスクコントローラ110は、その結果センサが故障と判定されたか否かを調べる(S1006)。
【0140】
センサが故障と判定されなかった場合には(S1006No)、ハードディスクコントローラ110は、残りの磁気ディスク装置1の起動処理を実行する(S1007)。センサが故障と判定された場合には(S1006Yes)、ハードディスクコントローラ110は、判定結果をホスト115などに出力する(S1008)。
【0141】
図16は、データのライト・リードのリトライ時に行う故障診断処理のフローチャートである。ハードディスクコントローラ110は、データのリード・ライト処理を実行し(S1101)、リード・ライト処理が正常に終了したか否かを調べる(S1102)。正常に終了した場合には(S1102Yes)、ハードディスクコントローラ110は、次のリード・ライト処理を実行する(S1107)。
【0142】
正常に終了しなかった場合には(S1102No)、センサ故障診断部111は、上述してきたようなセンサ故障診断を実行する(S1103)。そして、ハードディスクコントローラ110は、故障診断の結果、センサが故障と判定されたか否かを調べる(S1104)。
【0143】
センサが故障と判定されなかった場合には(S1104No)、ハードディスクコントローラ110は、その他のリトライ処理を実行し(S1105)、再度データのリード・ライト処理を再度実行する(S1101)。センサが故障と判定された場合には(S1104Yes)、ハードディスクコントローラ110は、判定結果をホスト115などに出力する(S1106)。
【0144】
図17は、ホスト115により発行されるコマンドの待ち状態が規定時間以上続いた時に行う故障診断処理のフローチャートである。ハードディスクコントローラ110は、コマンド待ち状態が継続している時間を計測し(S1201)、待ち時間が規定時間以上となったか否かを調べる(S1202)。
【0145】
規定時間以上でない場合には(S1202No)、ハードディスクコントローラ110は、時間の計測を継続する(S1201)。規定時間以上である場合には(S1202Yes)、センサ故障診断部111は、上述してきたようなセンサ故障診断を実行する(S1203)。そして、ハードディスクコントローラ110は、故障診断の結果、センサが故障と判定されたか否かを調べる(S1204)。
【0146】
センサが故障と判定されなかった場合には(S1204No)、ハードディスクコントローラ110は、コマンド待ちを続行する(S1205)。センサが故障と判定された場合には(S1204Yes)、ハードディスクコントローラ110は、判定結果をホスト115などに出力する(S1206)。
【0147】
以上説明してきたように、本実施例によれば、センサ故障診断部111が、磁気ディスク装置1内部に設けられ、当該磁気ディスク装置1内部の可動部(スピンドルモータ102、ヘッド搭載アクチュエータ103)を可動させることにより振動を発生させ、センサ(ショックセンサ104、RVセンサA105、RVセンサB106)が、磁気ディスク装置1に発生させた振動を検知し、センサ故障診断部111が、センサによって出力された振動量に係る値(測定値)が所定の範囲(規定範囲)内にあるか否かを判定し、判定結果を出力するので、精度が良い故障診断を効率的に行うことができる。
【0148】
すなわち、実際に発生し得る振動を磁気ディスク装置1に発生させ、発生した振動をセンサが検知して故障診断を行うため、センサそのものに擬似的に振動を発生させるのとは異なり、実際の磁気ディスク装置1の振動を考慮した精度が良い故障診断を行うことができる。
【0149】
また、磁気ディスク装置1内部において振動を発生させることができるため、手間と時間をかけることなくセンサの故障診断を容易に行うことができ、特に出荷後の故障診断を容易に行うことができる。
【0150】
なお、磁気ディスク装置1にて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU(Central Processing Unit)(またはMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)などのマイクロ・コンピュータ)および当該CPU(またはMPU、MCUなどのマイクロ・コンピュータ)にて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されても良い。また、故障判定の規定範囲を不揮発性メモリであるFROM116から読み出す構成としているが、記録媒体に書き込まれたデータを読み出す、もしくはホスト115から指示する構成としても良い。
【0151】
以上の実施例にかかる実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0152】
(付記1)記録装置の振動を検知するセンサの故障を診断するセンサ故障診断装置であって、
前記記録装置内部に設けられ、当該記録装置内部の可動部を可動させることにより振動を発生させる制御部と、
前記制御部によって前記記録装置に発生させた振動を検知した前記センサによって出力された振動量に係る値が所定の範囲内にあるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって判定された結果を出力する出力部と、
を備えたことを特徴とするセンサ故障診断装置。
【0153】
(付記2)前記センサによって出力された振動量を積算して振動量に係る値を算出する測定部をさらに備え、
前記判定部は、
前記測定部によって算出された値が所定の範囲内にあるか否かを判定することを特徴とする付記1に記載のセンサ故障診断装置。
【0154】
(付記3)前記測定部は、
前記センサによって出力された振動量を積算し、積算によって得られた値の平均値を算出することにより振動量に係る値を算出することを特徴とする付記2に記載のセンサ故障診断装置。
【0155】
(付記4)前記測定部は、
複数のセンサによって出力された振動量の積を積算して振動量に係る値を算出することを特徴とする付記2に記載のセンサ故障診断装置。
【0156】
(付記5)前記測定部は、
複数のセンサによって出力された振動量をそれぞれ積算し、積算して得られた値の比に基づいて振動量に係る値を算出することを特徴とする付記2に記載のセンサ故障診断装置。
【0157】
(付記6)前記測定部は、
前記センサによって出力された振動量のうち規定量未満の振動量を除外して振動量に係る値を算出することを特徴とする付記2〜5のいずれか1つに記載のセンサ故障診断装置。
【0158】
(付記7)振動を検知するセンサの故障を診断する記録装置であって、
自記録装置内部に設けられ、自記録装置内部の可動部を可動させることにより振動を発生させる制御部と、
自記録装置に発生した振動を検知して当該振動の振動量を出力するセンサと、
前記センサによって出力された振動量に係る値が所定の範囲内にあるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって判定された結果を出力する出力部と、
を備えたことを特徴とする記録装置。
【0159】
(付記8)記録装置の振動を検知するセンサの故障を診断するセンサ故障診断方法であって、
前記記録装置内部に設けられ、当該記録装置内部の可動部を可動させることにより振動を発生させる制御ステップと、
前記制御ステップによって前記記録装置に発生させた振動を検知した前記センサによって出力された振動量に係る値が所定の範囲内にあるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップによって判定された結果を出力する出力ステップと、
を含んだことを特徴とするセンサ故障診断方法。
【0160】
(付記9)前記センサによって出力された振動量を積算して振動量に係る値を算出する測定ステップをさらに含み、
前記判定ステップは、
前記測定ステップによって算出された値が所定の範囲内にあるか否かを判定することを特徴とする付記8に記載のセンサ故障診断方法。
【0161】
(付記10)前記測定ステップは、
前記センサによって出力された振動量を積算し、積算によって得られた値の平均値を算出することにより振動量に係る値を算出することを特徴とする付記9に記載のセンサ故障診断方法。
【0162】
(付記11)前記測定ステップは、
複数のセンサによって出力された振動量の積を積算して振動量に係る値を算出することを特徴とする付記9に記載のセンサ故障診断方法。
【0163】
(付記12)前記測定ステップは、
複数のセンサによって出力された振動量をそれぞれ積算し、積算して得られた値の比に基づいて振動量に係る値を算出することを特徴とする付記9に記載のセンサ故障診断方法。
【0164】
(付記13)前記測定ステップは、
前記センサによって出力された振動量のうち規定量未満の振動量を除外して振動量に係る値を算出することを特徴とする付記9〜12のいずれか1つに記載のセンサ故障診断方法。
【0165】
(付記14)情報記憶媒体を備えた記録装置と、
前記記録装置内に設けられ、振動を検知するセンサと、
前記記録装置内に設けられ、当該記録装置内部の可動部を可動させることにより振動を発生させ、前記センサによって出力された振動量に係る値が所定の範囲内にあるか否かに基づき当該センサの故障の有無を判定するセンサ故障診断装置と、
前記記録装置に接続され、当該記録装置に対して情報の記録指示を行うとともに、前記センサ故障診断装置が前記センサは故障と判定した場合、前記記録装置への記録を停止するホストと、
を有することを特徴とする情報記憶システム。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】本実施例にかかる磁気ディスク装置の全体構成の一例を示す図である。
【図2】本実施例にかかるセンサの実装位置の一例を示す図である。
【図3】本実施例にかかるセンサ故障診断部の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】本実施例にかかるセンサ故障診断部の処理概要を示すフローチャートである。
【図5−1】インナストッパにヘッド搭載アクチュエータを衝突させて振動を発生させる場合のセンサ故障診断処理のフローチャートである。
【図5−2】スピンドルモータの回転起動により振動を発生させる場合のセンサ故障診断処理のフローチャートである。
【図5−3】往復シークにより振動を発生させる場合のセンサ故障診断処理のフローチャートである。
【図6】オフセット計算処理のフローチャートである。
【図7】センサ出力プロットの一例を示した図である。
【図8】センサ出力の積算値計算処理のフローチャートである。
【図9】センサ出力の積算値をプロットした一例を示した図である。
【図10】フィルタリングしたセンサ出力の積算値をプロットした一例を示した図である。
【図11】RVセンサAおよびBのセンサ出力の乗算に対する積算値計算処理のフローチャートである。
【図12】RVセンサAおよびBのセンサ出力の乗算を積算値をプロットした一例を示した図である。
【図13】RVセンサAおよびBのセンサ出力の比率計算処理のフローチャートである。
【図14】磁気ディスク装置の製造工程のうちの試験工程において故障診断を行う場合の試験処理のフローチャートである。
【図15】磁気ディスク装置の起動時に行う故障診断処理のフローチャートである。
【図16】データのライト・リードのリトライ時に行う故障診断処理のフローチャートである。
【図17】ホストにより発行されるコマンドの待ち状態が規定時間以上続いた時に行う故障診断処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0167】
1 磁気ディスク装置
101 記録媒体
102 スピンドルモータ
103 ヘッド搭載アクチュエータ
104 ショックセンサ
105 RVセンサA
106 RVセンサB
107 サーボコントローラ
108 ADコンバータ
109 リードチャネル
110 ハードディスクコントローラ
111 センサ故障診断部
112 RAM
113 インナストッパ
114 アウタストッパ
115 ホスト
201 振動発生指示部
202 センサ出力取得部
203 センサ出力測定部
204 故障判定部
205 判定結果出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録装置の振動を検知するセンサの故障を診断するセンサ故障診断装置であって、
前記記録装置内部に設けられ、当該記録装置内部の可動部を可動させることにより振動を発生させる制御部と、
前記制御部によって前記記録装置に発生させた振動を検知した前記センサによって出力された振動量に係る値が所定の範囲内にあるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって判定された結果を出力する出力部と、
を備えたことを特徴とするセンサ故障診断装置。
【請求項2】
前記センサによって出力された振動量を積算して振動量に係る値を算出する測定部をさらに備え、
前記判定部は、
前記測定部によって算出された値が所定の範囲内にあるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のセンサ故障診断装置。
【請求項3】
前記測定部は、
複数のセンサによって出力された振動量の積を積算して振動量に係る値を算出することを特徴とする請求項2に記載のセンサ故障診断装置。
【請求項4】
前記測定部は、
前記センサによって出力された振動量のうち規定量未満の振動量を除外して振動量に係る値を算出することを特徴とする請求項2または3に記載のセンサ故障診断装置。
【請求項5】
振動を検知するセンサの故障を診断する記録装置であって、
自記録装置内部に設けられ、自記録装置内部の可動部を可動させることにより振動を発生させる制御部と、
自記録装置に発生した振動を検知して当該振動の振動量を出力するセンサと、
前記センサによって出力された振動量に係る値が所定の範囲内にあるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって判定された結果を出力する出力部と、
を備えたことを特徴とする記録装置。
【請求項6】
記録装置の振動を検知するセンサの故障を診断するセンサ故障診断方法であって、
前記記録装置内部に設けられ、当該記録装置内部の可動部を可動させることにより振動を発生させる制御ステップと、
前記制御ステップによって前記記録装置に発生させた振動を検知した前記センサによって出力された振動量に係る値が所定の範囲内にあるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップによって判定された結果を出力する出力ステップと、
を含んだことを特徴とするセンサ故障診断方法。
【請求項7】
情報記憶媒体を備えた記録装置と、
前記記録装置内に設けられ、振動を検知するセンサと、
前記記録装置内に設けられ、当該記録装置内部の可動部を可動させることにより振動を発生させ、前記センサによって出力された振動量に係る値が所定の範囲内にあるか否かに基づき当該センサの故障の有無を判定するセンサ故障診断装置と、
前記記録装置に接続され、当該記録装置に対して情報の記録指示を行うとともに、前記センサ故障診断装置が前記センサは故障と判定した場合、前記記録装置への記録を停止するホストと、
を有することを特徴とする情報記憶システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−204534(P2009−204534A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−48591(P2008−48591)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】