説明

セール

【課題】ジブセールとスピンセールとを兼用可能とする。
【解決手段】セール100はトップのアウトホール1と、ボトムのアウトホール3と、巻き取り装置に備えられた溝部に装着可能で、上下方向に延びるグルーブと、グルーブの両側に2つの張出部100a、100bとを備える。帆走時に追い風の場合には、張出部100a、100bが展開して使用可能となり、向かい風または横風の場合には、張出部100a、100bがグルーブで折り重なりジブセールとして使用可能となる。また、トップのアウトホール1とボトムのアウトホール3とを巻き取り装置に連結し、グルーブを巻き取り装置に装着することで、張出部100a、100bの巻き取り、巻出し可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、向かい風または横風の時に使用するセール(ジブセール)と追い風専用セール(スピンセール)兼用のセールとしたことで、セール交換に伴う煩雑な作業を無くし、一人乗りの帆走(シングルハンド)でも容易にスピンランが可能で、多くのヨットで装備されている巻き取り装置を用いて帆走途中でもセール面積を縮小可能で、また巻き取り終えた時に綺麗に重なりセール表面を保護できるセールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のヨットの帆走では風向きに合わせて、ジブセールとスピンセールとを交換する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許公報 3828711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のヨットの帆走では風向きに合わせて、ジブセールとスピンセールとを交換する必要があった。スピンセールは掲げるのに煩雑な操作が必要で、取り扱いが困難でもあった。これを避けるため、訓練不足のクルーでは追い風時でもジブセールをそのまま使用して、低速で帆走しなければならなかった。特にシングルハンドではセールを交換しスピンセールを揚げて追い風の中帆走する事はきわめて困難であった。
【0005】
特許文献1の様に、当セールに類似するセールは過去に考案された経緯はあるものの、強風時などに巻き取り装置でセールを巻き取り、面積を縮小する事を想定した形状を成しておらず、また停泊時などには完全に綺麗に巻き取り終えセールを保護することも解決していなかったため、天候の変化する海上では実用できず使用されていない。
【0006】
そこで、この発明は、前記の課題を解決し、スピンセールとジブセールを1枚で兼用可能なセールを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ヨットの帆走に使用するセールで、ヨットの前部に揚げるジブセール左右2枚分を1枚にした形状のセールで、トップのアウトホール1を1個、クリューアウトホール2を左右各1個、ボトムのアウトホール3を1個有し、トップのアウトホール1とボトムのアウトホール3間の垂直線上に巻き取り装置に緊結する為のグルーブ4を有し、ヨットに装備されている巻き取り装置で巻き取り終えた時に綺麗に重なる菱形の、追い風時には左右に開き追い風専用セールを兼用でき、向かい風や横風時には左右が自ずと綺麗に重なりジブセール同様に使用できる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、ヨットの帆走に使用するセールであって、上端部に配設された少なくとも1つのトップのアウトホールと、下端部に配設された少なくとも1つのボトムのアウトホールと、トップのアウトホールとボトムのアウトホールとを結ぶ線上に、ヨットに設置された巻き取り装置に備えられた溝部に装着可能で、上下方向に延びるグルーブと、グルーブの両側に設けられた2つの張出部と、を備え、ヨットの帆走時に追い風の場合には、張出部が展開して使用可能となり、ヨットの帆走時に向かい風または横風の場合には、張出部がグルーブで折り重なりジブセールとして使用可能となり、トップのアウトホールとボトムのアウトホールとを巻き取り装置に連結し、グルーブを巻き取り装置に装着することで、張出部の巻き取り、巻出し可能となっている、ことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、ヨットの帆走時に追い風の場合には、展開してスピンセールとして使用可能となり、ヨットの帆走時に向かい風または横風の場合には、グルーブで折り重なりジブセールとして使用可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のセールにおいて、張出部の下側部は、上方に湾曲した曲線である、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1および請求項2に記載の発明によれば、風向きに合わせて、ジブセールとスピンセールを交換する必要が無く、スピンセールなどを掲げるのに煩雑な操作が不要である。つまり、追い風の場合は、セールを展開して帆走し、ヨットが変針し向かい風または横風となった場合は、セールは自然にグルーブで折り重なり、従来のジブセールと同様の形態となる。再度追い風となった場合は、セールは再び展開してスピンセールと同様な形態となる。また、セール交換が不要なので、追い風となった場合は、シングルハンドでもクルーの熟練度によらず、容易にスピンランができる。
【0012】
また、トップのアウトホール、ボトムのアウトホール、グルーブとを巻き取り装置に装着し、セールを巻き取り装置に確実に固定できるので、横風などによってセールの折り重ね部がずれてしまうことを防止できる。
【0013】
さらに、セールをグルーブで折り重ねて、巻き取り装置でグルーブ側から巻き取ることができるので、セールを紫外線や潮風などから保護できる。このため、ヨットはセールを巻き取った状態で、長期間停泊することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、張出部の下側部は上方に膨らんだ円弧状であるので、帆走時に張出部(セールの下側部)によって前方の視界が遮られることを防止し、視界を良好に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の実施の形態1に係るセールの全体を示す図である。
【図2】向かい風または横風の時重なりあったセールを示す図である。
【図3】追い風の時の帆走姿を示す図である。
【図4】向かい風または横風の時の帆走姿を示す図である。
【図5】追い風の時の巻き取り装置の使用状態を示す断面図である。
【図6】向かい風または横風の時の巻き取り装置の使用状態を示す断面図である。
【図7】追い風の強風時の巻き取り装置の使用状態を示す断面図である。
【図8】向かい風または横風の強風時にセールを巻き取り縮小した帆走姿を示す図である。
【図9】追い風の強風時にセールを巻き取り縮小した帆走姿を示す図である。
【図10】巻き取り装置の使用状態を示す図である。
【図11】巻き取り装置の下部を示す拡大図である。
【図12】巻き取り装置の上部を示す拡大図である。
【図13】セールを巻き取った状態を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態2に係るセールの全体を示す図である。
【図15】この発明の実施の形態3に係るセールの全体を示す図である。
【図16】追い風時に、セールを高く掲げて帆走する状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1ないし図13は、この発明の実施の形態1を示している。
【0018】
図1の様に、セール100は、ヨット船体7の帆走に使用し、従来のジブセール2枚を左右それぞれ1枚ずつとした形状である。このセール100は、上端部に配設された少なくとも1つのトップのアウトホール1と、下端部に配設された少なくとも1つのボトムのアウトホール3と、トップのアウトホール1とボトムのアウトホール3とを結ぶ線上に、ヨット船体7に設置された巻き取り装置6に備えられた溝部61に装着可能で、上下方向に延びるグルーブ4と、グルーブ4の両側に設けられた2つの張出部100a、100bとを備えている。セール100の張出部100a、100bは、図2の様に、グルーブ4を中心に対称な略三角形状に形成されている。この張出部100a、100bの下側部は、セール100の上方(内側)に湾曲した曲線で、後述するクリューアウトホール2とボトムのアウトホール3とを結ぶ直線より上方(内側)に位置するようになっている。また、ヨット船体7の帆走時に追い風の場合には、図3の様に、セール100は、展開してスピンセールとして使用可能となり、ヨット船体7の帆走時に向かい風または横風の場合には、図4の様に、セール100は、グルーブ4で折り重なりジブセールとして使用可能となる。また、図13の様に、セール100をグルーブ4で折り重ね、一方の張出部100bを外側にして、グルーブ4側から巻き取った状態では、セール100の外周部はセール保護用のカバーが装着可能なカバー装着部となっている。ここで、セール保護用のカバーは、紫外線防止効果を有する繊維で構成され、カバー装着部に密着した状態で装着可能となっている。さらに、セール100は、グルーブ4の上方に1つのトップのアウトホール1と、グルーブ4の下方に1つのボトムのアウトホール3と、張出部100a、100bの側端部にそれぞれ1つのクリューアウトホール2とを備えている。
【0019】
このトップのアウトホール1とボトムのアウトホール3は、巻き取り装置6に取り付けられ、後述するように、セール100が、巻き取り装置6によって巻き取り可能となっている。さらに、クリューアウトホール2は、それぞれジブシート(セール操作ロープ。以下、「ロープ」という。)5に取り付けられている。
【0020】
グルーブ4は、図1の様に、セール100の外側面(進行方向の前面)の、トップのアウトホール1とボトムのアウトホール3とを結ぶ線上に形成され、図5ないし図7の様に、ヨット船体7に設置された巻き取り装置6に備えられた溝部61に装着可能で、上下方向に延びる凸状のセール100の縁処理部である。ここで、この実施の形態では、グルーブ4は巻き取り装置6に固定された状態となっている。
【0021】
次に、このような構成のセール100の使用方法について説明する。
【0022】
まず、セール100の巻き取り装置への取り付け方法について説明する。セール100のトップのアウトホール1、ボトムのアウトホール3、グルーブ4とを巻き取り装置6に装着し、クリューアウトホール2にロープ5を装着する。このようにして、セール100を巻き取り装置6に取り付けた状態で、ヨット船体7は帆走する。
【0023】
追い風時は、図3、図5の様に、セール100を左右に広げ、スピンセールと同様な形態で帆走する。そして、ヨット船体7が風上に変針している場合は、図4の様に、風下側のロープ5を引き、風上側のロープ5を緩めると、セール100は自然と重なり合う。さらに、ヨット船体7が変針し、向かい風または横風となった場合は、図4、図6の様に、セール100はグルーブ4で自然と重なり、従来のジブセールと同様の形態となる。再びヨット船体7が変針し、追い風となった場合は、セール100は追い風により開き始め、図3、図5の様に、セール100は展開する。この際、ほとんどロープ5の操作は必要ないが、セール100のはらんでいる側のロープ5を若干引く事により、風がセール100の反対側に回り込み、セール100の広がりがスムーズになる。
【0024】
続いて、セール100の巻き取り方法について説明する。
【0025】
強風時にセール100の揚力を小さくしたい場合や、停泊する場合などには、図7ないし図9の様に、巻き取り装置6でセール100を巻き取り、面積を小さくする。このとき、図10の様に、巻き取り装置6のロープ12を引くことにより、セール100は巻き取られて面積が縮小する。セール100の下端部は、図11の様に、セール100のボトムのアウトホール3に固定されたロープ9によって、巻き取り装置6のドラム6aに固定されている。また、セール100の上端部は、図12の様に、巻取部6bが回転することによって、巻き取られるものである。このように、ドラム6aに巻かれているロープ12を引くと、ドラム6a、巻取部6bが回転することによって、セール100は巻き取られる。そして、セール100が完全に巻き取られると、図13の様に、カバー装着部が外周を覆った状態で巻き取られる。つまり、セール100の巻き取られた部分は、セール保護用のカバーによって外周が覆われた状態となる。また、引上部6cは、セール100を上方に引き上げるもので、セール100を強く引き上げることによって、トップのアウトホール1とボトムのアウトホール3の間にテンションがかかるようになっている。
【0026】
以上のように、このセール100によれば、風向きに合わせて、向かい風または横風の時に使用するジブセールと、追い風時に使用するスピンセールとを交換する必要が無く、スピンセールを掲げるなどの煩雑な操作が不要となる。つまり、追い風の場合は、セール100を展開して帆走し、セール100はグルーブ4を挟んで両側にはらむので十分な速度を得ることができる。また、ヨット船体7が変針し向かい風または横風となった場合は、セール100は巻き取り装置6の溝部61に装着されたグルーブ4で折り重なり、従来のジブセールと同様の形態となる。再度追い風となった場合は、セール100は自然と左右に広がりスピンセールと同様な形態となる。この間、クルーはセール100の煩雑な操作をする必要がない。また、セール交換が不要なので、追い風となった場合は、シングルハンドでもクルーの熟練度によらず、容易にスピンランができる。また、セール100は折り重なり2重となり強度が増加するので、厚さを薄くすることができる。さらに、セール100を薄くすることで、従来のスピンセールと同様の作用が生じる。
【0027】
また、セール100は下側を2つのクリューアウトホール2、ボトムのアウトホール3の3点で支持され、さらにグルーブ4が巻き取り装置6の溝部61に固定されているので、セール100が潰れる事がなく、安定して帆走出来る。ここで、従来のスピンセールは三角形状で、セール下側の支点は2か所のため不安定であった。そのため、スピンポールをマストからセールにさしわたして安定させ、セールを広げる必要があった。しかしながら、セール100は3点で支持されるため、安定性が高く、スピンポールを使用する必要がない。つまり、船上作業を大幅に軽減できるので、快適性、安全性が大幅に向上する。
【0028】
また、トップのアウトホール1とボトムのアウトホール3とグルーブ4とを巻き取り装置6に取り付けるだけで、セール100は巻き取る際に左右が重なり、重なり面で摩擦が生じるので、容易に巻き取りが可能である。このため、向かい風または横風の場合や、強い追い風の場合は、迅速に巻き取り装置6でセール100を巻き取って面積を小さくし、風向きや風速によらず同一のセールで簡単に安定して帆走できる。つまり、容易に全方向のセーリングを可能としたため、ヨットの操作性を飛躍的に高めることができる。さらに、トップのアウトホール1、ボトムのアウトホール3、グルーブ4とで、巻き取り装置6に取り付けることが可能であるので、既存巻き取り装置6の改修が不要となり、導入が容易である。
【0029】
また、グルーブ4は巻き取り装置6の溝部61に装着されるので、セール100がグルーブ4で折り重なった場合に、折り目がずれることがなく折り重なった状態を保持できる。このため、セール100の形状が安定するので、ヨット船体7は安定して帆走可能である。さらに、グルーブ4は巻き取り装置6に装着されるので、セール100を巻き取り装置6で容易に巻き取り、巻出し可能である。
【0030】
また、セール100を巻き上げる場合は、セール100をグルーブ4で折り重ね、カバー装着部4を外側にして、グルーブ4側から巻き取り、保護用カバーが装着されたカバー装着部4で外周を覆うことができる。つまり、セール100を巻き取った状態では、保護用カバーが装着されたカバー装着部4が外側になるので、セール100を紫外線や潮風などから保護することができる。このため、ヨット船体7はセール100を装着したまま長期間停泊できる。
【0031】
さらに、セール100の張出部100a、100bの下側部は上方に膨らんだ円弧状であるので、帆走時にセールの下側部によって前方の視界が遮られることを防止し、視界を良好に確保できる。
【0032】
このように、セール100は、トップのアウトホール1、クリューアウトホール2、ボトムのアウトホール3、グルーブ4を有するので、従来のジブセール、スピンセールと異なる形状でありながら、ヨット船体7の既存の装置・設備で使用可能で、かつ、クルーの熟練度によらず容易に操作可能である。ここで、従来から凧型のセールはあったが、パラシュート生地などのごく薄い布地で作られており、巻き取り装置で巻き取る事や強度の必要なジブセールとして使う事を全く発想していないものであった。セール100は、巻き取り装置6を使用可能で、ジブセールとしても使用可能である。
【0033】
(実施の形態2)
図16は、この発明の実施の形態2を示している。この実施の形態2が実施の形態1と異なるところは、セール110の下側部の形状であり、その他の部分は実施の形態1に準じるので、準じる部分に実施の形態1と同一の符号を付すことにより、準じる部分の説明を省略する。
【0034】
セール110の下側部はクリューアウトホール2とボトムのアウトホール3とを結ぶ直線によって形成されている。このセール110の張出部110a、110bは、外周が直線で囲まれ、グルーブ4を中心に対称な略三角形状に形成されている。
【0035】
このような構成のセール110は、外周部が略直線によって形成されているため、加工が容易である。
【0036】
(実施の形態3)
図17は、この発明の実施の形態3を示している。この実施の形態3が実施の形態1と異なるところは、セール120のグルーブ4の上方および下方にスリット120c、120dが形成されている構成である。
【0037】
セール120は、グルーブ4およびスリット120c、120dによって区切られる張出部120a、120bを有している。張出部120a、120bの上側および下側には、それぞれトップのアウトホール1とボトムのアウトホール3とを備えている。つまり、セール120は、上端部に2つのトップのアウトホール1と、下端部に2つのボトムのアウトホール3とを有している。
【0038】
このように、セール120は張出部120a、120bの上端部、下端部にトップのアウトホール1とボトムのアウトホール3とを有しているので、巻き取り装置6により確実に固定され、強風時においてもセール120がずれてしまうことを防止することができる。
【0039】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、グルーブ4をトップのアウトホール1とボトムのアウトホール3とを結ぶ直線上の略全長に亘って形成するのではなく、トップのアウトホール1の下方とボトムのアウトホール3の上方に全長より短い長さのグルーブをそれぞれ備えるようにしてもよい。さらに、グルーブ4がセール100の外側面(進行方向の前面)に位置するように、巻き取り装置6を略180°回転した状態でグルーブ4を巻き取り装置6の溝部61に装着して、使用してもよい。この場合には、追い風での帆走時には、セール100は巻き取り装置6の外側に張り出して展開する。
【0040】
さらに、帆走中にセールを巻き取る必要がない場合などには、図18の様に、グルーブ4を巻き取り装置6に装着せず、ボトムのアウトホール3をボトムのアウトホール用シート(ロープ)9に取り付け、ロープ9の長さを調節することで、セール100の下端部の海面からの高さを調節可能としてもよい。この場合は、真追っ手の風であっても、ロープ9を繰り出すだけで、セール100を高く掲げることができるので、煩雑な操作をせずに加速でき、容易に帆走可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
類似するセールは考案された経緯はあるものの、強風時などに巻き取り装置で巻き取りセール面積を縮小する事を想定した形状を成しておらず、また停泊時などには完全に綺麗に巻き取り終えて、セールを保護することも解決していなかったため、実用にならず使用されていない。本セールは既存の巻き取り装置に簡単に装着でき、この点を簡潔に解決したことによりヨットの航行範囲や風域を広げマリン産業の奨励に寄与する。
【符号の説明】
【0042】
1 トップのアウトホール
2 左右のクリューアウトホール
3 ボトムのアウトホール
4 グルーブ(セールの縁処理)
5 ジブシート(ロープ)
6 フォアステーと巻き取り装置
7 ヨット船体
8 ボトムのアウトホール用ブロック(滑車)
9 ボトムのアウトホール用シート(ロープ)
10 セールを巻き取り途中の巻き取り装置
11 マスト
61 溝部
100 セール
100a、100b 張出部
110 セール
110a、110b 張出部
120 セール
120a、120b 張出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヨットの帆走に使用するセールで、ヨットの前部に揚げるジブセール左右2枚分を1枚にした形状のセールで、トップのアウトホール1を1個、クリューアウトホール2を左右各1個、ボトムのアウトホール3を1個有し、トップのアウトホール1とボトムのアウトホール3間の垂直線上に巻き取り装置に緊結する為のグルーブ4を有し、ヨットに装備されている巻き取り装置で巻き取り終えた時に綺麗に重なる菱形の、追い風時には左右に開き追い風専用セールを兼用でき、向かい風や横風時には左右が自ずと綺麗に重なりジブセール同様に使用できるセール。
【請求項2】
ヨットの帆走に使用するセールであって、
上端部に配設された少なくとも1つのトップのアウトホールと、
下端部に配設された少なくとも1つのボトムのアウトホールと、
前記トップのアウトホールとボトムのアウトホールとを結ぶ線上に、ヨットに設置された巻き取り装置に備えられた溝部に装着可能で、上下方向に延びるグルーブと、
前記グルーブの両側に設けられた2つの張出部と、を備え、
前記ヨットの帆走時に追い風の場合には、前記張出部が展開して使用可能となり、
前記ヨットの帆走時に向かい風または横風の場合には、前記張出部が前記グルーブで折り重なりジブセールとして使用可能となり、
前記トップのアウトホールと前記ボトムのアウトホールとを前記巻き取り装置に連結し、前記グルーブを前記巻き取り装置に装着することで、前記張出部の巻き取り、巻出し可能となっている、
ことを特徴とするセール。
【請求項3】
前記張出部の下側部は、上方に湾曲した曲線である、ことを特徴とする請求項2に記載のセール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−11998(P2012−11998A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−184317(P2010−184317)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(509239093)