説明

ゼータ電位に基づくエレクトレット物品の作製方法

−7.5ミリボルトを超える又は未満のゼータ電位を有するポリマー部品から、エレクトレット物品を作製する方法。この物品は、以下の或るpH及び伝導度を有する水性液と接触させる方法により帯電され、(i)物品が−7.5mV以下のゼータ電位を有する場合、接触液は、7を超えるpHと、センチメートル当り5〜9,000マイクロシーメンスの伝導度とを有する、及び(ii)物品が−7.5mVを超えるゼータ電位を有する場合、接触液は、7以下のpHと、センチメートル当り5〜5,500マイクロシーメンスの伝導度とを有する。本様式で作製されたエレクトレット物品は、特にエレクトレット濾過物品において、改善されたエレクトレット性能を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマーエレクトレット物品の新規帯電方法に関する。本方法は、或る伝導度及びpHを有する水性液体の使用に関し、これらは、両方とも物品のゼータ電位の機能として選択される。
【背景技術】
【0002】
エレクトレット物品、つまり、少なくとも準永続電気的帯電を示す誘電体物品は、優れた濾過特性を示すことが知られている。これらの物品は、多様な構造に形成されているが、空気濾過目的の場合、物品は、典型的に不繊布ポリマー繊維ウェブの形態をとる。そのような製品の例は、3M Companyから販売されているフィルトレート(商標)ブランドの炉フィルターである。不織布ポリマーエレクトレットフィルターは、個人用呼吸保護マスクにも使用されており、例えば、Bergに対する米国特許第4,536,440号、Dyrud等に対する同第4,807,619号、Kronzer等に対する同第5,307,796号、Braun等に対する同第5,804,295号、及びRekow等に対する同第6,216,693号を参照のこと。
【0003】
電気的帯電は、不織布ウェブの性能を強化してウェブを通過する流体に懸濁される粒子を捕捉する。不織布ウェブは、典型的に、誘電体、つまり、非導電性ポリマーを含む繊維を含有する。エレクトレット物品を製造するための様々な技法が長年にわたって開発されている。
【0004】
電気的に帯電されるポリマー箔は、P.W.Chudleigh in Mechanism of Charge Transfer to a Polymer Surface by a Conducting Liquid Contact,21 Appl.Phys.Lett.,547−48(Dec.1,1972)及びCharging of Polymer Foils Using Liquid Contacts,47J.Appl.Phys.,4475−83(October 1976)に記載されている。Chudleighの方法は、箔に電圧を印加することによってポリフルオロエチレンポリマーを帯電する工程を含む。電圧は、箔の表面に接触する導電液体を通して印加される。
【0005】
繊維形態でのポリマーエレクトレットを作製するための初期の既知の技法は、Kubic及びDavisに対する米国特許第4,215,682号に記載されている。本方法において、繊維は、ダイ開口部から生じる電気的に帯電される粒子で衝撃される。ダイ開口部に隣接して高速度で吹き付けられるガス流が、押し出された高分子材料を引き出し、固化した繊維に冷却する、「メルトブロー」工程を用いて繊維を作製する。衝撃されたメルトブロー繊維は、ランダムに捕集装置に蓄積して、繊維性エレクトレットウェブを作製する。上記の特許は、濾過の効率は、メルトブロー繊維が本様式で電気的に帯電される時、2つ以上の要因によって改善され得ることを記述している。
【0006】
繊維性エレクトレットウェブは、コロナ帯電によっても製造される。Klaase等に対する米国特許第4,588,537号は、例えば、実質的に閉じた誘電体箔の主表面の1つに隣接して位置付けられながら、コロナ放電装置に連続して送り込まれる繊維ウェブを示す。コロナは、逆帯電された薄いタングステンワイヤに接続される高電圧源から生成される。不織布ウェブへの帯電を付与するための別の高電圧技法は、Nakaoに対する米国特許第4,592,815号に記載されている。本帯電プロセスにおいて、ウェブは、滑らかな表面の研磨電極と緻密に接触させられる。
【0007】
また、繊維性エレクトレットウェブは、van Turnhoutに対する米国再発行特許第30,782号、同第31,285号、及び同第32,171号に記載されるような、ポリマーフィルムから製造されてもよい。ポリマーフィルム又は箔は、実質的に収集され、不織布繊維性フィルターに加工される繊維にフィブリル化される前に、電気的に帯電される。
【0008】
機械的なアプローチも電気的帯電を繊維に付与するために用いられている。Brownに対する米国特許第4,798,850号は、フリースに毛羽立てられた後、フェルトを形成するように縫われる、2つの異なる織縮された合成ポリマー繊維の混合物を含有するフィルター材料を記載している。上記の特許は、毛羽立てる間に電気的に帯電されるように繊維を良く混合することを記載している。Brownに開示されるプロセスは、通常、「摩擦帯電」と呼ばれる。
【0009】
摩擦帯電は、高速度の非帯電ガス又は液体噴射が誘電体フィルムの表面を通過する時に生じることができる。Coufal等に対する米国特許第5,280,406号は、非帯電流体噴射が誘電体フィルムの表面に衝突した時に、表面が帯電されることを開示している。
【0010】
最近の開発は、不織布繊維ウェブに電気的な帯電を付与するために水を用いる(Angadjivand等に対する米国特許第5,496,507号を参照のこと)。加圧水噴射又は水液滴流は、非導電マイクロファイバーを含有する不織布ウェブ上に衝撃され、電気的帯電を生成する。ハイドロチャージ作業前にウェブを空気コロナ放電処理にさらすことで更に帯電を強化することができる。得られた帯電は、濾過強化特性を与える。エレクトレット物品を製造するための水を用いた他の方法については、Eitzman等の米国特許第6,824,718号及び同第6,406,657号、並びにAngadjivand等の同第6,783,574号、同第6,375,886号、及び同第6,119,691号、並びにInsley等の同第6,743,464号も参照のこと。非水性極性液体も繊維性エレクトレット物品の作製に使用されている(Eitzman等に対する米国特許第6,454,986号を参照のこと)。
【0011】
ウェブに特定の添加剤を添加すると、エレクトレットの性能が向上する。油性ミストエアゾールに対する耐性を改善するための方法の1つは、ポリマー繊維物品の製造中、ポリマーへのフッ素性化学物質オキサゾリジノン、フッ素性化学物質ピペラジン又は過フッ素化アルカン等の融解処理可能フッ素性化添加剤の添加を含む(例えば、Crater等の米国特許第5,025,052号及び同第5,099,026号、並びにJones等の米国特許第5,411,576号及び同第5,472,481号を参照のこと)。フッ素性化学物質は、溶解処理が可能である、つまり、これらは、エレクトレットウェブに繊維を形成するために用いられる溶解処理条件下で実質的に分解しない(Rousseau等の米国特許第5,908,598号も参照のこと)。融解処理法に加え、フッ素化エレクトレットは、ポリマー物品をフッ素含有種と不活性ガスとを含有する環境にポリマー物品を設置した後、放電を与えてポリマー物品の表面化学を変更することによっても作製される。電気放電は、ACコロナ放電等のプラズマの形態であってよい。プラズマフッ素化法は、フッ素原子をポリマー物品の表面に存在させる。フッ素化ポリマー物品は、例えば上記のハイドロチャージ技術を使用し電気的に帯電されてよい。プラズマフッ素化プロセスは、Jones/Lyons等に対する第6,397,458号、同第6,398,847号、同第6,409,806号、同第6,432,175号、同第6,562,112号、同第6,660,210号、及び同第6,808,551号の多くの米国特許に記載されている。高フッ化飽和率を有するエレクトレット物品は、Spartz等の米国特許第7,244,291号に記載されており、ヘテロ原子と共に低フッ化飽和率を有するエレクトレット物品は、Kirk等の米国特許第7,244,292号に記載されている。フッ素化法を開示している他の発行物は、米国特許第6,419,871号、同第6,238,466号、同第6,214,094号、同第6,213,122号、同第5,908,598号、同第4,557,945号、同第4,508,781号、及び同第4,264,750号、米国公開特許第US2003/0134515 A1号及び同第US2002/0174869 A1号、並びに国際公開特許第WO01/07144号を含む。
【0012】
フィルターウェブは、また、意図的に後で帯電せずに又は繊維若しくは繊維ウェブを「エレクトレット化」せずに製造されている(Chou等の米国特許第5,780,153号を参照のこと)。繊維は、5〜25重量%の(メタ)アクリル酸、あまり好ましくはないが、任意に、1〜8個の炭素原子を有する最大40重量%のアルキル(メタ)アクリレートのエチレンのコポリマーを含むコポリマーから作製される。5〜70%の酸性基は、金属イオン、特に、亜鉛、ナトリウム、リチウム若しくはマグネシウム又はそれらの組み合わせのイオンで中和される。コポリマーは、10分当り5〜1000グラム(g)のメルトインデックスを有する。残余は、ポリプロピレン又はポリエチレン等のポリオレフィンであってもよい。繊維は、メルトブロー工程を通して製造されてもよく、過剰な結合を避けるために水で迅速に冷却されてもよい。上記の特許は、繊維が、あらゆる既存の、又は意図的かつ特定的に誘発された静電気の高い静電荷を有していることを開示している。
【0013】
添加剤を含有する他のエレクトレットは、Nishiuraの米国特許第5,057,710号に記載されている。Nishiuraに開示されるポリプロピレンエレクトレットは、ヒンダードアミン、窒素含有ヒンダードフェノール、及び金属含有ヒンダードフェノールから選択される、少なくとも1つの安定剤を含有する。上記の特許は、これらの添加剤を含有するエレクトレットが高温安定性を提供することができることを記述している。エレクトレット処理は、針様電極と接地電極との間に不織布繊維シートを設置することによって実施された。Ohmori等の米国特許第4,652,282号及び同第4,789,504号は、絶縁ポリマーに脂肪酸金属塩を取り込み、長期間にわたり高い除塵性能を維持することを記載している。日本国特許公告第JP60−947号は、ポリ4−メチル−1−ペンテンと、(a)フェノールヒドロキシ基を含有する化合物、(b)高級脂肪族カルボン酸及びその金属塩、(c)チオカルボキシレート化合物、(d)リン化合物、及び(e)エステル化合物から選択される少なくとも1つの化合物とを含むエレクトレットを記載している。該特許は、エレクトレットが長期保存安定性を有することを示唆する。
【0014】
エレクトレット物品を製造するための方法を開示する他の日本発行物は、2002−115178、2002−115177A、2003−013359、2004−66026、2004−66027、及び2004−195357を含む。
【0015】
境界面でのイオン化学の簡単な調査、及びエレクトレットを製造するためにイオンが吸収された水によってどのように移動され、促進されてもよいかについては、McCarty and Whitesides,Electrostatic Charging Due to Separation of Ions at Interfaces:Contact Electrification of Ion Electrets,47 Angwn Chem.Int.2〜22(2008)を参照のこと。McCarty et al.,Ionic Electrets:Electrostatic Charging of Surfaces by Transferring Mobile Ions Upon Contact,129 J.Am.Chem.Soc.4075−88(2007)及びKudin et al.,Why Are Water−Hydrophobic Intersurfaces Interfaces Charged?,J.Am.Chem.Soc.(received September17,2007)も参照のこと。
【0016】
用語解説
本明細書では、
「水性」とは、水性液体が少なくとも40体積%の水を含有することを指す。
【0017】
「備える、含む」とは、特許術語で標準的に用いられる定義を指し、一般的に、「含む」、「有する」又は「含有する」と同義語である包括的な用語である。「含む、備える」、「含む」、「有する」及び「含有する」並びにそれらの変形が通常使用される、包括的な用語であるが、本発明は、また、その意図される機能を提供するエレクトレット物品の性能に有害な作用を有するであろう物又は要素のみを除外するという点で半包括的である「から基本的になる」等の狭い表現を使用して適切に説明されてもよい。
【0018】
「伝導度」とは、電気的に伝導する物質の能力を指す。
「帯電」とは、帯電分離が有ることを指す。
「エンタルピー」とは、「H」で表される物質の熱力学的性質を指し、H=U+pVの場合、Uは内部エネルギー、pは圧力、そしてVは、体積である。エンタルピーHは、システムの内部エネルギーと、圧力及び体積の生成物である。一定の圧力でシステムにもたらされる熱に等しいシステムでの変化である。
「脱プロトンのエンタルピー」とは、分子からプロトンを取り除くために必要なエンタルピー(ΔHdp)を指す。
「繊維性」は、加工繊維及び可能な他の成分を指す。
「繊維性エレクトレットウェブ」とは、繊維を含有し、準永続的電気的帯電を示すウェブを指す。
液体」とは、固体とガスとの間の物質の状態を指す。
「非導電性」とは、室温(22℃)で約1014オームcm以上の体積固有抵抗を保有することを指す。
「不織布」とは、構成要素(例えば、繊維)が織る以外の手段で結びつけられる構造又は構造の一部を指す。
【0019】
「N−置換アミノ芳香族」とは、例えば、ベンゼン、ナフタレン、又はトリアジン等の1〜3の縮合環を有し、種−NR(基Rは水素、1〜20個の炭素を有するアルキル、結合又は縮合されてもよい1〜5個の環を有するアリール、1〜20個の炭素原子を有するヘテロアルキル若しくは1〜20個の炭素原子を有する置換アルキル、基Rは、水素、1〜20個の炭素を有するアルキル、結合又は縮合されてもよい1〜5個の環を有するアリール、1〜20個の炭素を有するヘテロアルキル若しくは1〜20個の炭素原子を有する置換アルキルである)の少なくとも1つの置換アミノ基と置換される、芳香族基を指す。
【0020】
「pH」とは、0〜14の対数目盛における、室温での溶液の酸性又はアルカリ性(塩基性)及び気圧(22℃、101,300パスカル)の測定を指し、中和性は7の値で表され、酸性の増加はより小さい値への低下により表され、アルカリ性の増加はより大きい値への増加により表され、従来の水素イオン活性の塩基10への負の対数として正式に定義される。
【0021】
「ポリマー」とは、規則的又は不規則に配列される繰り返し結合分子単位又は基含有する有機材料を指す。
「ポリマーの」は、ポリマー及び任意に他の成分の含有を指す。
「高分子繊維形成材料」とは、ポリマーを含有するか、又はポリマーを生成できるモノマーを含有し、場合によっては他の成分を含有し、かつ固体繊維中に形成されることのできる組成物を指す。
「プロトン親和性」又は「PA」とは、プロトンがモル当りのキロカロリー(kcal/mol)中の分子に結合される時の、負のエンタルピー変化を指す。
「品質係数」とは、以下に記載される品質係数試験に従い決定される品質係数QFを指す。
「準永久」とは、帯電が、有意に測定可能な十分に長い時間、(22℃、101,300パスカル気圧及び湿度50%)標準大気条件下で物品内に存在することを指す。
「水」とは、HOを指す。
「ゼータ電位」とは、圧力勾配下の液体の流量により生じる0電流での電位差(別名、界面動電位)を指す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、エレクトレット物品の新規作製方法に関する。方法は、(a)帯電されるポリマー物品を提供する工程と、(b)帯電されたポリマー物品を以下のpHと伝導度とを有する水性液と接触させる工程であって、(i)物品が−7.5ミリボルト(mV)未満のゼータ電位を有する場合、接触水はセンチメートル当り約5〜9,000マイクロシーメンス(microS/cm)の伝導度と、7を超えるpHとを有し、(ii)物品が−7.5ミリボルト(mV)を超えるゼータ電位を有する場合、接触水はセンチメートル当り約5〜5,500マイクロシーメンス(microS/cm)の伝導度と、7以下のpHとを有する工程と、を含む。物品は、積極的に(真空又は熱で)若しくは受動的に(吊るし乾燥)、又はそれらの組み合わせで乾燥させてもよい。
【0023】
本発明の方法は、これに従うと、改善された濾過性能が、このような目的のために適合されるエレクトレット物品について達成することができる新規エレクトレットの作製方法を提供する。本発明者は、既知のパラメータ品質係数(QF)により測定されるように、濾過の改善は、物品をゼータ電位の機能として伝導度及びpHを有するように選択される水性液体で帯電した時に達成され得ることを発見した。本発明者は、プロトン親和性(PA)及び脱プロトン(ΔHdp)のエンタルピーも、特定の添加剤がエレクトレット物品を含む高分子材料に使用される時に役割を果たすことを更に発見した。改善された濾過性能は、少ない濾材が同定度の濾過を達成するために使用されるという点で有益である。得られるエレクトレット物品の強化された帯電レベル又はより最適な帯電分布は、強化された性能に関与する場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明のエレクトレット濾材を使用してもよい使い捨て呼吸マスク10の前側斜視図。
【図2】図1に図示するマスク本体の断面図であり、繊維性エレクトレット濾過層を示す。
【図3】本発明のエレクトレット濾材を含んでもよいフィルターカートリッジ28を有する呼吸マスク24の斜視図。
【図4】本発明に関連して使用されてもよい非繊維性エレクトレット物品の図。
【図5】不織布マイクロファイバーウェブに有用な装置の側面部分断面図。
【図6】本発明に関連してエレクトレット物品に使用されてもよい液体噴射スプレーの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の好ましい実施形態を説明する際、明瞭化のために特定の術語が使用される。しかし、本発明は、そのように選択された特定の用語に制限されることを意図するものではなく、また、そのように選択された各用語は、同様に機能する全ての技術的同等物を包含することを理解すべきである。
【0026】
本発明の実施において、エレクトレット物品は、最初に物品が帯電され、その後、該物品を帯電される物品のゼータ電位に基づき変動する伝導度及びpHを有する水性液と接触させることにより作製されてもよい。帯電される物品が−7.5ミリボルトを超えるゼータ電位を有する場合、接触水溶液は、5〜5,500マイクロシーメンス/cmの伝導度と、7以下のpHとを有する。そして、ゼータ電位が−7.5ミリボルト未満である場合、水性液は、5〜9,000マイクロシーメンス/cmの伝導度と、7を超えるpHとを有する。ポリマー物品が、モル当り約230キロカロリー(kcal/mol)を超えるプロトン親和性並びに約335kcal/molを超える脱プロトン及び約230kcal/mol未満のプロトン親和性のエンタルピーを有するN−置換アミノ芳香族添加剤を含有する場合、水性液体は、7以下のpH又は5〜5,500マイクロシーメンス/cmの伝導度を有する。そして、ポリマー物品が約335kcal/mol未満の脱プロトンのエンタルピーを有するN−置換アミノ芳香族添加剤を含有する場合、水性液体は、7を超えるpHと、5〜9,000マイクロシーメンス/cmの伝導度とを有する。水性液体の所望するpH値及び伝導度は、水中の様々な化学種の種類及び濃度を調節することにより、本発明に従う帯電を付与するように変性され得る。例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液のpH及び伝導度の両方は、水に更に水酸化ナトリウムを添加することにより徐々に上昇されてもよい。酢酸(CHCOOH)水溶液のpH値は、徐々に減少してもよく、その伝導度は、水に酢酸を更に添加することにより徐々に上昇する。伝導度は、pH調節のために一定量の水酸化ナトリウム(NaOH)を添加し、伝導度調節のために中性塩化ナトリム(NaCl)量を変動することにより調整され得る一方、水性液体のpHは一定に保持され得る。連続プロセスにおいて、pH及び伝導度は、長期間、特に、新しい水性液体供給開始時に、連続して測定されてもよい。
【0027】
エレクトレット物品を作製する出願者の方法は、性能が濾過応用に使用される物品について特に有益となる場合がある、優れた性能のエレクトレット物品が調製できる。本発明に関連して作製されるエレクトレット物品は、様々な形状及び構成をとってもよい。物品は、固体、多孔質、繊維性等であってもよい。
【0028】
本発明の使用に好適な繊維性物品は、Van A.Wente,Superfine Thermoplastic Fibers,48 Indus.Engn.Chem.1342−46、及びVan A.Wente等によるManufacture of Super Fine Organic Fibersという表題の1954年5月25日に出版されたNaval Research Laboratoriesの報告書番号4364に記載されるもの等の、エアレイドプロセス、湿式レイドプロセス、水流絡合、スパンボンドプロセス及びメルトブロウンプロセスを含む、様々な技法から作製され得る。繊維性物品は、これらの技法の組み合わせ、及びこれらの繊維の組み合わせを用いて作製される、ウェブ形態であってもよい。マイクロファイバー、特にメルトブロウンマイクロファイバーは、フィルターとして使用される繊維ウェブに特に好適に使用される。本文書に使用される際、「マイクロファイバー」は約25マイクロメートル以下の有効直径を有する繊維を指す。有効直径は、Davies,C.N.,The Separation of Airborne Dust and Particles,Inst.Mech.Engn.,London Proc.1B(1952)の等式12を用いて算出され得る。フィルターアプリケーションの場合、マイクロファイバーは、典型的に20マイクロメートル未満、より典型的には約1〜約10マイクロメートルの有効繊維直径を有する。又、フィブリル化フィルムから作製された繊維が使用されてもよい。例えば、Van Turnoutの米国特許第RE30,782号、同第RE32,171号、同第3,998,916号、及び同第4,178,157号を参照のこと。本発明のプロセスにより作製された不織布ウェブは、1.0、1.2、1.5、1.6、1.7、1.8、2.0、2.3、2.4及び3.4を超える品質係数を示してもよい。典型的には、本発明に従い調製された不織布エレクトレットウェブは、本発明の方法に従い作製されない同様の物品に対して15%を超える、より典型的には50%を超える品質係数を示す。
【0029】
又、短繊維は、マイクロファイバーと組合され、ウェブロフトを改善できる、すなわち、その密度を減少できる。ウェブ密度の減少でウェブに対する圧力低下を小さくでき、空気はより容易にフィルターを通過できる。より小さい圧力低下が、個人用呼吸保護装置において特に望ましい、というのは、それらが、呼吸用マスクの着用をより快適にする。圧力低下が小さければ小さいほど、フィルターを通して空気を吸うために必要なエネルギーは少なくなる。負圧マスクを着用する呼吸用マスク着用者、つまり、フィルターを通して空気を吸うために着用者の肺に負圧を必要とする着用者は、従って、濾過空気を呼吸するため骨を折る必要がない。又、より小さいエネルギー消費は、動力フィルターシステムに有益であり、ファンを動力で動かすことに関連するコストを下げ、バッテリー動力システムのバッテリーの耐用年数を延長する。典型的な不繊布繊維性フィルターでは、約90重量%以下の短繊維が存在し、より典型的には約70重量%以下の短繊維が存在する。多くの場合、繊維の残余は、マイクロファイバーである。短繊維を含有するウェブの例が、ハウサー(Hauser)に対する米国特許第4,118,531号に開示されている。
【0030】
活性粒子もまた、吸着目的、触媒目的、及び他の目的を含む、様々な目的のためにエレクトレットウェブに含まれてもよい。例えば、センカス(Senkus)等に対する米国特許第5,696,199号は、おそらく好適である種々の活性物質微粒子を記載している。活性炭又はアルミナ等の吸着特性を有する活性粒子は、濾過操作中に有機蒸気を取り除くためにウェブ中に含まれてもよい。活性物質微粒子は、ウェブ内に約95容積%までの量で存在してよい。粒子の入った不織布ウェブの例が、例えば、ブラウン(Braun)に対する米国特許第3,971,373号、アンダーソン(Anderson)に対する米国特許第4,100,324号、及びコルピン(Kolpin)等に対する米国特許第4,429,001号に記載されている。
【0031】
エレクトレット物品の製造に使用されて好適であってよいポリマーとしては、熱可塑性有機非導電性ポリマーが挙げられる。一般に、これらのポリマーは、多量の捕捉帯電を保持でき、メルトブロウイング装置又はスパンボンディング装置等により繊維に処理できる。用語「有機」とは炭素原子を含むポリマーの主鎖を指す。好ましいポリマー類としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、これらのポリマー類の1つ以上を含有するブレンド類又はコポリマー類、及びこれらのポリマー類の組合せが挙げられる。他のポリマーには、ポリエチレン、他のポリオレフィン、パーフルオロポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリラクチド等の他のポリエステル、及びこれらのポリマーの組み合わせが挙げられ、任意で他の非導電性ポリマーは高分子繊維形成材料としてか、又は他のエレクトレット物品を製造するために使用されてもよい。
【0032】
本発明に関連するエレクトレット物品を製造するために使用されるポリマー物品は、また、複数のポリマー構成要素を有するように押し出される、又は別の方法で形成されてもよい。Krueger及びDyrudに対する米国特許第4,729,371号、並びにKrueger及びMeyerに対する米国特許第4,795,668号及び同第4,547,420号を参照のこと。異なるポリマー構成成分が、繊維の長さに沿って同心円的に又は長手方向に配列され、例えば、2成分繊維を作製してよい。繊維は、配列され、「巨視的に均質な」ウェブ、すなわち、各々が同一の一般組成を有する繊維から作製されるウェブを形成してもよい。
【0033】
ポリマー材料から作製される繊維も他の適切な添加剤を含有してもよい。可能な添加剤は、化合物又はオリゴマーがトリアジン環の窒素原子に加え少なくとも1つの窒素原子を含有する熱的に安定な有機トリアジン化合物又はオリゴマーを含む。Rousseau等に対する米国特許第6,268,495号、同第5,976,208号、同第5,968,635号、同第5,919,847号、及び同第5,908,598号を参照のこと。水噴射により帯電されるエレクトレットを強化することが知られる別の添加剤は、Chimassorb(商標)944LF(ポリ[[6−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)アミノ]−s−トリアジン−2,4−ジイル][[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]])であり、Ciba Specialty Chemicals,Inc.から入手することができる。添加剤は、N−置換アミノ芳香族化合物、特に、例えば、以下に記述する式(1)又は(2)のトリ−アミノ置換化合物であってもよく、
【化1】


式中、Arは0〜3個の窒素原子で置換された三価の芳香族基であり、nは1〜20の整数であり、各Rは、独立して、約20個未満の非水素非金属原子を有する基であってもよい。各Rは、例えば、独立して、水素、例えばフッ素等のハロゲン、ヒドロキシル、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル等の最大20個の炭素原子を有するアルキル、トリフルオロメチル等のハロゲン置換アルキル、メトキシ等の1〜20個の炭素原子を有するアルコキシ、メトキシカルボニル等の2〜20個の炭素原子を有するエステル、メチルアミノ等の2〜20個の炭素原子を含有する置換アミン、及びニトロであってもよい。これらの式に合致する電荷添加剤は、以下の実施例のセクションで記述される。帯電強化添加剤の更なる例としては、本特許出願と同日に出願されたCharge−Enhancing Additives For Electretsという表題の米国特許出願第61/058,029号(代理人整理番号64263US002)及びElectret Webs With Charging−Enhancing Additivesという表題の米国特許出願第61/058,041号(代理人整理番号64170US002)が挙げられる。典型的には、添加剤は、約0.1〜5重量%、より典型的には、約0.25〜2重量%でポリマー物品に存在する。
【0034】
他の添加剤は、光安定剤、一級及び二級酸化防止剤、金属賦活剤、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール脂肪酸金属塩、トリエステル亜リン酸塩、リン酸塩、フッ素含有化合物、メラミン並びにLeir等に対する米国仮特許出願60/992745号、米国特許公開第2007/0180997号、Nishiura等に対する米国特許第5,057,710号、日本国特許公開第2002212439号、日本国特許公開第2005131485号に記述される添加剤を含む。
【0035】
添加剤を含有する繊維は、エレクトレット物品を作製するように加熱されたポリマー及び添加剤の溶融ブレンドを形成した後にクエンチされ得て、焼還及び帯電工程が続く。強化された濾過性能は、本様式でエレクトレットを作製することにより物品に付与されてもよい。Rousseau等に対する米国特許第6,068,799号を参照のこと。エレクトレット物品は、低レベルの抽出可能な炭化水素(<3.0重量%)を有するように作製され得て荷重性能を改善する。Rousseau等に対する米国特許第6,776,951号を参照のこと。
【0036】
本発明の方法に従って、エレクトレット物品を製造するために使用される高分子材料は、室温で1014オームcmを超える体積固有抵抗も有してもよい。体積固有抵抗は、また、約1016オームcmを超えてもよい。高分子繊維形成材料の抵抗率は、標準試験ASTM D257−93にしたがって測定され得る。又、メルトブロー繊維等のエレクトレット物品を作製するために使用される高分子繊維形成材料は、帯電防止剤等の構成成分を実質的に無くする必要がある、というのは、帯電防止剤は、帯電を受け取り保持するため導電性を増加させ、ないしは別の方法でエレクトレット物品の性能を妨げる。
【0037】
呼吸フィルターにおける不織布高分子繊維ウェブを含むエレクトレットは、典型的に1平方メートル当り約2〜500グラム(g/m)、より典型的には約20〜150g/mの「坪量」を有する。坪量は、フィルターウェブ単位面積当たりの質量である。前記不繊布ポリマー繊維ウェブの厚さは、典型的に約0.25〜20ミリメートル(mm)、より好ましくは約0.5〜2mmである。通常、多層繊維性エレクトレットウェブは、フィルターエレメントに使用される。繊維性エレクトレットウェブの硬度は、典型的には約1〜25%、より典型的には約3〜10%である。硬度は、物品の固体画分を画定する単位なしパラメータである。本発明の物品は、坪量、厚さ又は硬度に関する実質なしに帯電された不織布繊維性ウェブ全体に一般的に均一の帯電分布を含有することができる。
【0038】
発明のエレクトレット物品は、フィルターマスクのフィルターとして使用されてよく、着用者の少なくとも鼻と口をカバーする。
【0039】
図1は、本発明により製造される電気的に帯電した不織布ウェブを含有するよう構成されてよいフィルターフェースマスク10の例を示す。一般的なカップ型本体部分12は、着用者の鼻及び口上で適合する形状に成形されてもよい。本体部分12は、多孔質であり、そのため、吸入した空気は、本体部分12を通過できる。エレクトレット濾材は、マスク本体12内に配置され(典型的にほぼ全表面積にわたって)吸入した空気から汚染物質を除去する。着用者の鼻上でぴったりした適合を維持するのを助けるために、マスク本体上に鼻適合クリップ13が載置される。鼻クリップは、Castiglioneに対する米国意匠特許第412,573号及び米国特許第5,558,089号に記載されているような「M形状」クリップであり得る。ストラップ又はハーネスシステム14がマスク本体12を着用者の顔上に支持するように提供されてもよい。二重ストラップシステムが図1に図示されるが、ハーネス14は、1つのストラップ16のみを利用してもよく、様々な他の構成に対応してもよい。例えば、Japuntich等に対する米国特許第4,827,924号、Seppalla等に対する同第5,237,986号、Byram等に対する同第5,464,010号、Dyrud等に対する同第6,095,143号、及びXue等に対する同第6,332,465号を参照のこと。呼気弁は、マスクの内部からの呼気を迅速に送り出すためにマスク本体に載置され得る。Japuntich等に対する米国特許第5,325,892号、同第5,509,436号、同第6,843,248号、同第6,854,463号、同第7,117,868号、及び同第7,311,104号、Bowersに対する米国特許第RE37,974号、並びにMartin等に対する同第7,013,895号、同第7,028,689号、及び同第7,188,622号を参照のこと。
【0040】
図2は、マスク本体12の断面図の例を示す。マスク本体12は、数字18,20及び22で示したように複数個の層を有してよい。エレクトレット濾材は、熱固着繊維から作製される形成層等、繊維が繊維交点で他の繊維に固着できる外側熱可塑性構成成分を有する2成分繊維等の他の層で支持されてよい。層18は、外側形成層、層20は、濾過層、層22は、内側形成層であってよい。形成層18及び22は、濾過層20を支持し、及びマスク本体12に形状を付与する。用語「形成層」が、この説明に使用されるが、形成層は、その他の機能も有し、そしてそれは、最も外側層の場合、更に濾過層の保護及びガス状流の前濾過等の一次機能であってよい。又、用語「層」が使用されるが、1つの層は、正確に言えば所望の厚さ又は重量を得るため組み付けられた数個のサブレイヤを備えてもよい。実施形態によっては、概ね内側の1つの形成層だけが、フェースマスク内に包含されるが、2つの形成層が使用される、例えば図2に示した濾過層の各側に1つの場合、形成は、より長持ちし、好都合に達成できる。形成層の例が以下の特許、すなわちバーグ(Berg)に対する米国特許第4,536,440号、ダイラッド(Dyrud)等に対する米国特許第4,807,619号、クロンザー(Kronzer)等に対する米国特許第5,307,796号、バージオ(Burgio)に対する米国特許第5,374,458号、及びスコブ(Skov)に対する米国特許第4,850,347号に記載されている。図1及び2に例示されるマスク本体は一般的に丸いカップ型の形状であるが、マスク本体は他の形状を有しても良い。例えば、Japuntichに対する米国特許第4,883,547号を参照のこと。更に、マスク本体は、着用者の顔に滑らかで快適な接触を提供するように、及び/又は繊維の形成を妨げる、並びに濾過層がマスク本体から外れるのを妨げるように、内側及び/又は外側カバーウェブを含んでもよい。Angadjivand等に対する米国特許第6,041,782号を参照のこと。呼吸マスクは、また、(成形されたマスクではなく)平らで折り畳められたマスク本体を有してもよい。例えば、Chenに対する米国特許第6,394,090号、及びBostock等に対する同第6,484,722号を参照のこと。
【0041】
図3は、発明のエレクトレット物品をフィルターとして使用してよい他の呼吸用マスク24を示す。呼吸用マスク24は、マスク本体に固定されたフィルターカートリッジ28を有するエラストマーマスク本体26を含む。典型的に、マスク本体26は、人の鼻と口を覆って快適に取り付けるエラストマーフェースピース30を含む。フィルターカートリッジ28は、着用者が吸入する前に汚染物質を捕捉するように、本発明に従い作製されたエレクトレット濾材を含有してもよい。フィルターエレメントは、本発明のポリマーエレクトレットフィルター物品自体か、又は活性炭床のようなガス状フィルターと結合した状態を含んでもよい。多孔質カバー又はスクリーン32は、フィルターカートリッジに備えられ、フィルターエレメントの外部表面を保護してよい。本発明のエレクトレット濾材が使用されてもよい他のフィルターカートリッジは、例えば、Brostrom等に対する米国特許第Re.35,062号、又はBurns及びReischelに対する米国特許第5,062,421号に開示されるフィルターカートリッジ等の呼吸マスク用フィルターカートリッジに開示されている。これらの特許に示したように、複合フィルターカートリッジが使用されてよい。又、カートリッジは、取り外し及び置換可能であってよい。更に、発明の濾材は、動力空気浄化呼吸マスク(PAPRs)のフィルターカートリッジに使用されてよい。PAPRの例は、Bennett等に対する米国特許第6,666,209号、及びCook等に対する同第6,575,165号に示される。更に、本発明の濾材は、エスケープフード用フィルターカートリッジに使用され得る。Martinson等に対する米国特許第D480,476号、並びにResnickに対する同第6,302,103号、同第6,371,116号、同第6,701,925号を参照のこと。
【0042】
図4は、濾材配列40の斜視図を示す。配列40の構造は、配列40の第1側面44上に入口43、及び配列48の第2側面上に出口46を有する複数の流路42を含んで良い。流路は、波形化又はミクロ構造化層50及びキャップ層52により画定されてよい。波形化層50は、1つ以上のピーク又は谷部分でキャップ層52に接合されてよい。構造化及び平面部材の多層を積み重ねることにより、マイクロチャネル化配置が達成されてよい。流路は、高いアスペクト比を有する傾向があり、及びフィルム層は、好ましくは電気的に帯電され、良好な捕捉効率を有する物品40を提供する。第1の側44から第2の側48の配列40全体にわたる圧力低下は、無視できる。
【0043】
したがって、濾過目的で使用される非繊維性エレクトレット物品は、形成フィルム、ミクロ構造化表面、又は多数のミクロ構造化路の形態を取ってよい。非繊維性エレクトレット物品の例が、インスレイ(Insley)等に対する米国特許第6,752,889号、インスレイ(Insley)等に対する米国特許第6,280,824号、ファンターンアウト(Van Turnout)に対する米国特許第4,016,375号、及びルサーフォード(Rutherford)に対する米国特許第2,204,705号に開示されている。
【0044】
エレクトレット帯電は、様々な既知の(又は後に開発された)装置を使用してポリマー物品に付与され得る。既知のハイドロチャージ装置を説明する文献としては、Angadjivand等に対する米国特許第5,496,507号、同第6,119,691号、同第6,375,886号、及び同第6,783,574号、Eitzmanに対する米国特許第6,406,657号、並びにInsleyに対する米国特許第6,743,464号が挙げられる。
【0045】
本発明に関連して帯電される物品は、物品のゼータ電位によって変動するpH及び伝導度を有する水性液体と接触される。物品のゼータ電位は、以下に記述されるゼータ電位試験を用いて測定されてもよい。水伝導度及びpHも、以下で記述される伝導度測定及びpH測定を用いて測定され得る。
【0046】
ハイドロチャージ法は、正及び負電荷の両方を繊維に注入する、そのため正及び負電荷は、ウェブ全体にわたってランダムに分散される。ランダムな電荷分散は、非分極性ウェブを製造する傾向にある。したがって、水のような極性液体で帯電することにより製造される不繊布繊維性エレクトレットウェブは、ウェブ平面に垂直な平面において実質的に非分極されてよい。本様式で帯電された繊維は、理想的には、Angadjivand等に対する米国特許第6,119,691号の図5Cに示す電荷構成を示す。繊維ウェブがコロナ処理操作を受ける場合、上記の特許の図5Bに示す構成と同様の電荷構成を示す。単にハイドロチャージを用いて帯電された繊維から形成されるウェブは、典型的にウェブの体積全体を通して非極性捕捉帯電を有する。「実質的に非極性捕捉帯電」とは、熱的にシミュレートされた放電電流(TSDC)分析(分母はエレクトレット表面積)を用いて1μC/m未満の検出可能な放電電流を示す繊維性エレクトレットウェブを指す。この電荷構成は、ウェブをTSDCさせることにより示されてよい。有用なハイドロチャージプロセスの一実施例は、ウェブに濾過強化エレクトレット帯電を付与するのに十分な圧力及び時間で、水の噴射又は水液滴流を物品に衝突させる工程を含む。Angadjivand等に対する米国特許第5,496,507号を参照のこと。物品に付与される濾過強化エレクトレット帯電を最適化するために必要な圧力は、使用されるスプレーの種類、物品が形成されるポリマーの種類、ポリマーへの添加剤の種類及び濃度、並びに物品の厚さ及び密度により変動する。69〜3450kPa(約10〜500psi)の範囲の圧力が好適である。水の噴射又は水液滴流は、任意の好適なスプレーでもたらされてよい。有用なスプレーの1つの例は、水圧によって交絡した繊維に使用される装置である。
【0047】
コロナ前処理又は後処理も、上述のハイドロチャージ装置と併用して使用されてもよい。van Turnhoutに対する米国特許第RE30,782号、同第31,285号、及び同第32,171号、並びにWadsworth等に対する米国特許第4,375,718号及び同第5,401,446号、Klasse等に対する米国特許第4,588,537号、並びにNakaoに対する米国特許第4,592,815号を参照のこと。この文献に記載された方法により形成されたエレクトレットは、例えば、マイクロホン、ヘッドホン及びスピーカー、流体フィルター、塵粒制御装置等の電気音響機器における、例えば、高電圧静電起電機、静電記録装置、呼吸マスク(例えば、前置フィルター、キャニスタ及び交換可能なカートリッジ)、暖房、換気、空気調整、及びフェースマスクにおける静電要素として使用されるのに好適である。
【0048】
本発明に有用な不織布マイクロファイバーウェブは、図5に示すような装置を用いて作製されてもよい。このような装置は、液化繊維形成材料が前進する押出形成チャンバ61を有するダイ60を備える。ダイ開口部62は、ダイの前端部にわたって、及び繊維形成材料が押し出される線状に配列されてもよい。ガス、典型的には加熱された空気は、高速度で共働ガス開口部63に押し出される。高速度ガス状流が引き込まれ、押し出された繊維形成材料を細径化し、これによって捕集装置64に移動する間に繊維形成材料がマイクロファイバーとして固化してウェブ65を形成する。
【0049】
短繊維がウェブ上に存在する場合、これらは、図5に示すようにマイクロファイバーブロー装置上に配置されるリッカリン(lickerin)ロールの使用を通じて導入されてもよい。主要繊維のウェブ67、典型的には、反毛機又はRANDO−WEBBER装置上に作製されたような緩い不織布ウェブは、前縁がリッカリンロール66に係合する駆動ロール69の下でテーブル68に沿って進められる。リッカリンロール66は、相互から繊維を分離するウェブ67の前縁から繊維を拾い上げる。拾い上げられた繊維は、傾いたトラフ又はダクト70を通して空気流でブロウンマイクロファイバーと混合されるブロウンマイクロファイバーの流れに運ばれる。粒子状物質がウェブに導入される場合、ダクト70に類似する荷重機構を用いて添加されてもよい。
【0050】
ハイドロチャージは、ウェブに濾過強化エレクトレット帯電を提供するのに十分な水性液と、ウェブを接触させることにより実行されてもよい。水性液体のpH及び伝導度は、物品のゼータ電位に基づき選択される。水性液体の接触は、帯電されるポリマー物品上に水性液体を噴射、浸漬、圧縮する等によって達成されてもよい。噴霧器が使用される場合、最適な結果を得るのに必要な圧力は、用いる噴霧器の種類、物品が形成されるポリマーの種類、物品の厚さ及び密度、並びにコロナ放電処理などの前処理がハイドチャージの前に行われるかどうかにより変動してもよい。一般的に、69〜3450kPa(約10〜500psi)の範囲の圧力が好適である。水性液体は、物品のゼータ電位が−7.5mV以下の場合、約5〜9,000マイクロシーメンス/cmの伝導度を有する。ゼータ電位が−7.5mVを超える場合、接触液体は、約5〜5,500マイクロシーメンス/cmの伝導度を有する。いずれかの場合、伝導度は、典型的に約7〜3,000マイクロシーメンス/cmであり、より典型的には約10〜1,000マイクロシーメンス/cmである。伝導度が低い値である場合、連続プロセスにおける目標伝導度の維持において多大な相対プロセスのばらつきが存在する。したがって、例えば、目標伝導度が7マイクロシーメンス/cmである場合、プラスマイナス(+/−)約4マイクロシーメンス/cmのばらつきが存在してもよい。同様のばらつきが高伝導度(例えば>100)で示されてもよいが、%の差異は低い。蒸留水又は脱イオン水が、水道水より好ましい。水性液体は、単に水道水より、例えば、蒸留、逆浸透又は脱イオンで生成される精製水であってもよい。純粋でない水は、効果的な繊維帯電を妨げる制御不可能な有機又は無機不純物を含有するため、精製水が好ましい。水は、約1.85デバイの双極子モーメントを有し、78〜80の誘電定数を有し、水性液体は少なくとも0.5デバイの双極子モーメントを有してもよい。水性液体は、約40体積%、より典型的には、60体積%、更により典型的には80体積%の水を含有する。好ましくは、水性液体は、本質的に、100体積%の水を含有する。水性帯電液体は、本質的に、少量の他の成分又は添加剤を含有する純水であってもよい。伝導度、電気抵抗の反転は、伝導度メーターを用いて測定されてもよく、マイクロシーメンス/センチメートルで記載される。
【0051】
液体噴射又は液体液滴流は、本質的に、いずれかの適切なスプレー手段により提供され得る。一般に、油圧駆動により交絡加工した繊維に有用な装置が、本発明の方法において有用であるが、作動は一般に水流交絡にて使用される場合よりも低圧にてハイドロチャージ中に実施される。
【0052】
図6は、繊維性ウェブ65が液体噴射74の下の支持手段上に移送される好適なスプレー手段の例を示す。移送手段は、ベルト、好ましくは、メッシュスクリーン又は布地等の多孔質の形態であってもよい。液体噴射74は、噴射ヘッド76から伸延し、衝突点78’でウェブ65に衝突する。真空は、ウェブを通して液体の通過を補助し、乾燥エネルギー必要量を低減するために、多孔質支持体の下に提供されてもよい。
【0053】
本発明の方法に用いるのに適したスプレー手段の他の例は、流体管路を通じて提供される水性液体及び空気管路を通じて提供される加圧空気が、帯電される物品に衝突するようにスプレーミストを提供するためにノズルに供給されるネブライザと、ポンプハンドルがスプレーミストを提供するようにノズルを通じて供給手段により提供される液体を押し出すポンプ作動噴霧器とを備える。水の接触を提供する本方法の更なる説明は、Angadjivand等に対する米国特許第6,119,691号に提供される。別の方法としては、帯電される物品は、Eitzman等に対する第6,406,657号、Angadjivand等に対する第6,375,886号、Eitzman等に対する第6,454,986号、及びEitzman等に対する第6,824,718号に記載される装置を含む、様々な多の装置を用いて水性液体と接触され得る。
【実施例】
【0054】
これらの実施例は単にあくまで例示を目的としたものであり、添付した書類名特許請求の範囲の範囲に限定するものではない。実施例及び明細書の他の箇所における全ての部、パーセント、比等は、他に記載がない限りにおいて、重量あたりである。使用される溶媒及びその他の試薬は、特に記載のない限り、Sigma−Aldrich Chemical Company;Milwaukee,Wisconsinより入手した。
【0055】
伝導度測定
各実施例又は比較実施例に用いたそれぞれのハイドロチャージ流体の伝導度は、ORION 3−Star Conductivity Meter(Thermo Fisher Scientific,Inc.,Waltham,MA)を用いて、室温で測定された。他の伝導度測定装置は同等の結果を提供してもよい。
【0056】
pH測定
各実施例又は比較実施例に用いたハイドロチャージ流体のpHは、Triode pH/ATC Combination Electrodeを備えた自動温度補償ORION 3−Star pH Meter(両方ともThermo Fisher Scientific,Inc.,Waltham,MA)を用いて、室温で測定された(他のpHメーターは同等の結果を提供してもよい)。文献(ASTM D5464〜07Standard Test Method for pH Measurement of Water of Low Conductivity;ASTM D 5128〜90(2005)Standard Test Method for On−Line pH Measurement of Water of Low Conductivity;“Back to Basics−Measuring pH in High Purity Water”,W.F.Harfst,Ultrapure Water,Oct.1994,p75.)に記載されるように、非常に純度の高い水のpHの測定は、環境からの汚染、特にCOに対する脆弱性に加え、その低い伝導度及び得られる弱電気シグナルのため困難であり得る。ASTM D5464〜07に示唆されるように、2マイクロシーメンス/以下の伝導度を有する溶液のpH測定は、特に困難である。実施において、低い伝導度pH測定(<100マイクロシーメンス/cm)は、環境汚染を避けるためにASTM D5128〜90(2005)に推奨されるように、帯電される物品を接触させる直前にオンラインをとるべきである。連続帯電プロセスには、連続pH測定が好ましい。本明細書の測定は、上記に示す作用を最小にするために、それぞれのハイドロチャージ流体が調製された後、直ちに測定されたが、2マイクロシーメンス/cm以下であると測定された伝導度を有する帯電流体における低伝導度のpH測定の難しさを考慮して、pH測定値は、単に基準値と考えられた。
【0057】
プロトン親和性試験
計算化学法は、密度関数理論(DFT),(Kohn,W.,71Rev.Mod.Phys.,1253(1999))法と呼ばれる。我々は、NWChemバージョン5.0(Bylaska,E.J.et al.NWChem,A Computational Chemistry Package for Parallel Computers,Version 5.0(2006),Pacific Northwest National Laboratory,Richland,Washington 99352−0999,USA.)に組み入れられるような、Kohn−Sham形式(Kohn,W.;Sham,L.J.,140Phys.Rev.,A1133(1965))を使用し、計算の詳細は、特定の交換相関関数及び一電子基底関数系(Hehre,W.J.;Radom,L.;Schleyer,P.v.R.;Pople,J.A.Ab Initio Molecular Orbital Theory,Wiley:New York(1986))により定義される。我々は、特定の方法(Foresman,J.B.;Frisch,A in Exploring Chemistry with Electronic Structure Methods 2nd Ed.,(1996)))を定義するために標準的なスラッシュ記法を使用する。例えば、算定方法において、B3LYP/MIDI!は、我々がB3LYP交換相関関数(Stephens,P.J.;Devlin,F.J.;Chabalowski,C.F.;Frisch,M.J.,98 J.Phys.Chem.11623(1994)及びMIDI!一電子基底関数系(Easton,R.E.;Giesen,D.J.;Welch,A.;Cramer,C.J.;Truhlar,D.G.93 Theor.Chem.Acc.1432(1996))を使用したことを意味する。算出の算定必要条件は、大きな関数系が、多くの場合、より正確であるが非常に高価である場合がある、一電子基底関数系の大きさによって大きく左右される。計算化学における難しさの一つは、どのレベルの理論、すなわち、交換相関関数及び関数系が、合理的な時間量内で受け入れられる結果を出すかを判断することである。
【0058】
数多くの特性がDFT方法を用いて算定されてもよい。我々が算出した特性は、電子エネルギー、分子形状、及び振動モードである。分子形状は、核座標に対してシステムの電子エネルギーを最小にすることにより算出された。振動周波数は、最初に形状を最小にし、核座標に対して第2の誘導体を算出することによって算出された。振動算出は、ゼロ点振動及び熱エネルギー補正を算定するために重要であった。エネルギー算出よりも振動周波数及び形状算出が計算的に要求される。このように、我々は、形状を最適化し、調和周波数を算出するためにより小さい基底関数系を用いた。
【0059】
密度関数理論DFTを用いてプロトン親和性(Gal,J.−F.;Maria,P.−C.;Raczynska,E.D.,36 J.Mass Spectrom.699(2001))PAを算出した。PAは、
PA=プロトンが分子に結合した時に放出されるエンタルピーである、
X+H→XH PA=−ΔHPA(1)
として定義されるガス相熱力学的特性である。PAは、プロトン化プロセスにおいてエンタルピー変化の負であり、したがって、より大きなPA値は、より多くの発熱プロセスに対応することに留意することが重要である。
【0060】
分子は、1つ以上のプロトン化部位を有してもよく、よって可能性のある全ての部位を調査し、最も塩基性の部位が最も大きいPAを有する部位として定義される、最も塩基性の部位に対するPAが報告される。
【0061】
全ての算出は、NWChemバージョン5.0で実行された。PAは、以下に挙げる手順(工程1〜7)に従って算出され、T=298.15Kについて算定される。
【0062】
(1)B3LYP関数及びMIDI!基底関数系を用いて中性分子の形状を最適化する。
(2)B3LYP/MIDI!法を用いて最適化された形状で調和周波数を算出する。これらの周波数は、それぞれ、E及びEZPEと表示される、熱及びゼロ点エネルギー補正を算出するために使用される。
(3)電子エネルギーは、(1)で最適化された形状で、PW6B95関数(Zhao,Y.;Truhlar,D.,109 J.Phys.Chem.A 5656(2005)及び6−3+G(d,p)基底関数系(Hehre,W.J.;Radom,L.;Schleyer,P.v.R.;Pople,J.A.,Ab Initio Molecular Orbital Theory,Wiley:New York(1986))を用いて算出される。このエネルギーは、Eelecとして表示される。
(4)中性分子Eの総エネルギーは、E=Eelec+E+EZPEである。
(5)用語Eelec、E、及びEZPEは、工程1〜4に従ってプロトン化種について算出され、プロトン化種のエネルギーEは、E=Eelec+E+EZPEとして算定される。
(6)裸プロトンは、電子又はゼロ点エネルギーを有さないが、5/2RTに等しい熱エネルギーを有し、式中、Rは一般気体定数であり、Tは温度である。よって、プロトンのエネルギーは、EH+=5/2RTである。
(7)式1で記載するように、PA=EH++E−Eである。
【0063】
選択された方法は、一連の実験PAに対して検証された。実験データは、NIST Webbook(Lias,S.;Bartness,J.E.,Gas Phase Ion Thermochemistry in NIST Chemistry WebBook,NIST Standard Reference Database Number 69,Eds.P.J.Linstrom and W.G.Mallard,June 2005,National Institute of Standards and Technology,Gaithersburg MD,20899(http://webbook.nist.gov))から援用され、表1に列記される。データは、多様な化学構造により選択され、測定の正確度によってではない。複数の場合において、実験誤差は、算出された誤差より大きい。しかし、データを含めた。データセットの大きさも、化学的に重複する構造を含まないことによって制限した。例えば、CHNHのデータは含まれるが、CH(CHNH(n≧1)の全ての実験データは除外された。重複データの除外により、データベースは、任意の一種類の分子を不当に量らないため、検証はより客観的である。PAに対して算出された値をPW6B95/6−31+G(d,p)法における平均無符号誤差(「平均絶対偏差」としても知られる)MUEと共に、表1に示す。PAのMUEは1.8kcal/molである。この誤差は、基底関数系を増大する及び/又は形状を改善することによって更に低減されることが予想される。
【0064】
脱プロトンエンタルピー測定:
脱プロトンエンタルピー(Gal,J.−F.;Maria,P.−C.;Raczynska,E.D.;36 J.Mass Spectrom.699(2001),ΔHdpも、密度関数理論DFTを用いて算出された。ΔHdpガス相熱力学的特性を以下に定義する。
【0065】
dp=分子からプロトンを除去するために必要なエンタルピー
XH→X+H ΔHdp (2)
複数の酸性プロトンを有する分子の場合、全ての脱プロトン部位が検証され、最も酸性のプロトンが最も低いΔHdpを有するプロトンである、最も酸性のプロトンのΔHdp値が報告された。
【0066】
全ての算出は、NWChemバージョン5.0で実行された。ΔHdpは、以下の手順を用いて算出され、T=298.15K.について算定される。
【0067】
1.Eは、上のセクションで説明されるように算定される。
2.用語Eelec、E及びEZPEは、上のセクションの工程1〜4に従って脱プロトン種に対して算出される。脱プロトン種Eのエネルギーは、E=Eelec+E+EZPEとして算定される。
3.裸プロトンは、電子又はゼロ点エネルギーを有さないが、5/2RTに等しい熱エネルギーを有し、式中、Rは一般気体定数であり、Tは温度である。よって、プロトンのエネルギーは、EH+=5/2RTである。
4.上の式(2)で説明するように、ΔHdp=E−E−EH+である。
【0068】
PAと同様に、ΔHdp値は、NISTデータセットから援用された一連の実験データに対して較正され、データを表1に示す。ΔHdpに対して算出された値も表1に示す。算出された値の平均無符号誤差は、1.7kcal/molであり、これは算出されたPAの誤差に類似する。
【0069】
【表1】

【0070】
ゼータ電位試験
ゼータ電位を測定するために、Anton Paar GmbH,Graz,Austriaから商業的に入手可能なEKA ELECTRO KINETIC ANALYZERがこれらの実施例で使用された。以下に記述するプロトコルを使用して、他の装置も比較可能な測定値を提供する。圧勾配下の液体の流量により生じるゼロ電流での電位差は、毛細管、プラグ、隔壁、又は膜を通じて液体流量として測定されてもよい。差異は、毛細管の末端部間、プラグ全体、又は隔壁若しくは膜の対向する側で測定されてもよい。電解質溶液が材料の多孔質プラグを通される時、拡散層のイオン移動のため、流動電位が顕色し、動電分析器(EKA)により測定され得る。流動電位は、その後、以下に説明するように、ゼータ電位を算出するために使用されてもよい。動電測定法の一般的評論はPure Appl.Chem.,Vol.77,No.10,pp.1753〜1805,2005.Measurement And Interpretation Of Electrokinetic Phenomena(IUPAC Technical Report)に見出される。
【0071】
EKA装置は、分析器と、直径20mmの円筒形サンプルセルと、Ag/AgCl可逆電極と、データ制御システムとを備える。分析器は、本明細書に説明される濾材のサンプルを含有する測定セルを通して、リザーバから電解質溶液(一般的に塩化カリウム)を通過させるのに必要な圧力を生成するためのポンプを備える。温度、圧力低下、伝導度、及びpHを測定するためのセンサは、セルの外部に配置される。電解質溶液は、多孔質物質を通して送られる。電解質溶液は、サンプルを通過すると、帯電の変位が発生する。得られた流動電位及び/又は流動電流は、サンプルの両端に設置される電極によって検出され得る。次いで、サンプルのゼータ電位が、電解質の伝導度を考慮するFairbrother and Mastin(F.Fairbrother,H.Mastin,Studies in electro−endosmosis,125J.Chem.Soc.2319−30(1924))の方法に従う算出より判断される。EKAシステムは、また、Anton Paar GmbHから入手可能なEKA用のVisiolab Control And Evaluationソフトウエアバージョン1.0を作動させるデータ収集コンピュータにより遠隔制御された。Visiolabソフトウエアは、温度補正動的粘度及び誘電率の値を含んだ。EKAは、コンピュータ制御による自動滴定用の遠隔滴定ユニット(RTU)に接続された。脱イオン(DI)水がそれぞれの試験に使用され、有機汚染物を除去するOrganex−Qカートリッジを用いる、Millipore Corporation,Billerica,MAのMILLI−Q PLUS Model ZD4011584−4の4カートリッジ浄水システムを用いてその場で生成された。
【0072】
EKAの操作手順書、取扱説明書、及びVISIOLABの取扱説明書からの一般的な手順を以下に記載する。具体的に、試験するサンプルの各ウェブは、10層の積み重ね体に畳まれた後、20.6ミリメートル(13/16インチ)径、典型的に約0.2グラムの重量のディスクに切断された。サンプルは、汚染を最小にするため、ピンセットで取り扱った。各サンプルをEKAサンプルセルに設置し、調節ネジを過剰に締めないよう注意して、2平行電極を約3ミリメートル(mm)間隔に調節した。これは、Fairbrother and Mastinの分析法が使用できる、純ポリプロピレンの密度のものの約20%の試料嵩密度をもたらした。
【0073】
試料セルは、その後、EKAユニットに取り付けられ、その電気接触及び配管接続が接続された。約400+/−20ミリメートル(ml)の新しい脱イオン(DI)水をリザーバビーカーに添加し、そしてこれを、十分な混合を確実にするため、試験を通して、攪拌棒を用いて穏やかに攪拌した。EKAのポンプは、EKA配管に水を引き込むために「バイパス」モードに設定される一方で、その入口チューブ及びプローブアセンブリをリザーバビーカーに下げて、ビーカー中の水との接触を避けるためにビーカーをカバーする。EKAのポンプ及び関連する配管を充填した後、システムからの試料セル内から閉じ込められた空気を流すために、交互の方向に試料セルを通して水を送り込んだ。溶液リザーバを覆う以外にシステムを不活性にする方法がないため(例えば、窒素フラッシュがない)、空気からのある程度の二酸化炭素の混和が経時的に発生する場合がある。よって、新しい試料を通して最小量のフラッシュは、多量の空気を取り除くことによって達成され、各試験は、あらゆる溶解された二酸化炭素の炭酸への変換による伝導度のいかなる増加及びpHの減少の可能性を合理的に最小にするために、できるだけ迅速に開始される。
【0074】
以下は、VISIOLABプログラムに入力された試験パラメータである。
サンプル設定:
測定種類:自動滴定
評価方法:Fairbrother−Mastin
電解質:KCl(水性)
分子量:18.02g/mol
開始濃度:0.001モル/リットル(mol/L)
開始容量:400ml
粘度:H
誘電定数:H
圧力プログラム:
最大圧力:50kPa(500ミリバール(mbar))
時間:60秒
測定:電圧
反復数:2
洗浄プログラム:
最大圧力:40kPa(400mbar)
時間バイパス:10秒(s)
時間セル:15秒
反復数:1
自動滴定プログラム:
滴定種類:伝導度
使用シリンジ:RTU1左(KCl(水性),1.0mol/L
所望伝導度差:50 microS/cm
開始容量:0.25mL
伝導度限度使用
伝導度最小:1マイクロシーメンスS/cm
伝導度最大:3000マイクロシーメンス/cm
【0075】
プログラムされた試験手順は、システムから更に空気を取り除くために自動フラッシュサイクルを有する。伝導度滴定は、自動的低プログラム及び1mol/L KCl溶液を用いて実施された。よって、pHは、試験中に調節されなかったが、測定されたpHは、典型的な試験中、4〜6の範囲であった。典型的なサンプル実行処理は、最小工程の50microS/cm及び0.25mLの1モルKCl溶液の第1注入量で行われた。
【0076】
各試験が開始される前に、脱イオン水が実際に純水であることを確認するために、セル中の開始溶液の伝導度を測定して、10マイクロシーメンス/cm以下であることを確認した。伝導度が10マイクロシーメンス/cmを超えていた場合、試験は中止された。システムパラメータが適切にプログラムされ、確認されれば、実験を開始した。完全に実験を完了するには、典型的に、6〜7時間を必要とした。
【0077】
各試験が完了した後、EKAから取り外す前に、DI水でサンプルセルを繰り返しフラッシュして、伝導度が20マイクロシーメンス/cm以下になるまで、完了した試験からシステムに残る高伝導電解質を洗い流した。試料セル及び循環回路を排水して、次の試料への持ち越しを低減した。Ag/AgCl電極を傷つけないように注意して、試料セル、電極、及び試料を取り除いた。最後に、新しい試料を挿入する前に、DI水でセルを再度十分にフラッシュした。
【0078】
ゼータ電位評価:EKAシステムは、Fairbrother−Mastinアプローチを用いて、試料のゼータ電位を流動電位の直接測定及び適用される電解質の特定の電気伝導度から算出する。
【数1】


式中、
ζ[mV]はゼータ電位であり、
dU/dp[mV/mbar]は、流動電位対圧力のスロープであり、
η[mPa−s]は、電解質粘度であり、
ε[As/Vm]は、電解質の誘電定数であり、
ε[As/Vm]は、空き領域の誘電率である。
【0079】
我々は、それぞれの繊維ウェブ試料のゼータ電位のサインは、EKA装置で報告された値であるという慣例を採用した。典型的な伝導度スキャン中、データ電位は、最初に上昇するか下降するかのいずれかであり、その後、約500マイクロシーメンス/cm以上に上昇する電解質溶液の伝導度の規模として平坦値に達する。1000マイクロシーメンス/cmと2000 microS/cmとの間のこのゼータ電位平坦レベルの平均値が、試験された各試料のゼータ電位測定値と見なされた。正確な結果を検証するために、手順は繰り返されてもよい。
【0080】
線質係数(QF)試験
メルトブロウンマイクロファイバー試料を、それぞれDOPエアゾール浸透(%Pen)及び圧力降下(DP)について試験し、品質係数を算出した。不織布マイクロファイバーウェブの濾過性能(%PEN及びQF)は、自動フィルター試験機AFT型式8127(TSI社(ミネソタ州、セントポール)から入手可能)を使用し、忌避エアゾールとしてのジオクチルフタレート(DOP)及びフィルターを横切る圧力降下(DP(水柱mm))を測定するMKS圧力変換器を使用して評価した。以下に記述するプロトコルを用いて、他のフィルター試験装置で比較測定が行われてもよい。DOPエアゾールは、名目上、70〜110mg/mの上流濃度を有する単分散0.3マイクロメートル質量中央径である。エアゾールは、エアゾールイオン化装置を停止させ、濾材のサンプルを通して、42.5リットル/分の較正流量(6.9cm/秒の面速度)にて押し出した。総試験時間は、23秒であった(立ち上がり時間15秒、サンプル時間4秒、及びパージ時間4秒)。DOPエアゾールの濃度は、濾材の上流側と下流側の両方にて、較正した光度計を使用して、光散乱により測定した。DOP %Penは、次のように定義される。%Pen=100×(DOP下流側濃度/DOP上流側濃度)各材料について、6個の別個の測定をブロウンマイクロファイバー(BMF)ウェブ上の異なった箇所で行い、結果を平均した。
【0081】
次式によりQFを計算するために、%Pen及びΔPを使用した。
QF=−ln(%Pen/100)/ΔP,
式中、Inは自然対数を表す。QF値が大きい場合、濾過性能がより高いことを示し、QF値が小さい場合には、濾過性能の低下と完全な相関関係があることを示す。
【0082】
以下の実施例は、単に説明目的であるに過ぎず、添付した請求項の範囲を限定することを意図しない。実施例及び明細書の他の箇所における全ての部、パーセント、比等は、他に記載がない限りにおいて、重量あたりである。使用される溶媒及びその他の試薬は、特に記載のない限り、Sigma−Aldrich Chemical Company;Milwaukee,Wisconsinより入手した。
【0083】
【表2】

【0084】
【化2】


【化3】


【化4】

【0085】
合成例
合成例1:電荷添加剤3の調製
窒素雰囲気下にて、1−テトラデカノール(96.3グラム、449ミリモル(mmol)、ピリジン(40ミリモル)、及びジクロロメタン(1000ミリモル)の混合物を30℃に加熱した。塩化4−ニトロベンゾイル(100グラム、539mmol)を20分間にわたり少量ずつ添加した。反応混合物を16時間加熱還流させた。その後、反応混合物を水で2回(2×500mL)洗浄した。減圧下で有機層を黄色固体になるまで濃縮した。1000(1000)mLのヘキサンを添加して、混合物を加熱還流した。混合物を冷却して濃縮し、濾過された黄色固体を得た。黄色固体をエタノールから2回再結晶させて、77.0グラムのテトラデシル4−ニトロベンゾエートを黄色結晶として得た。
【0086】
窒素パージしながら、炭素上10%白金(2.5グラム)を、パール社(Parr)製容器内のテトラデシル4−ニトロベンゾエート(25グラム、69mmol)及びエチルアセテート(250mL)の混合物に添加した。容器を水素圧力(3.3×10Pa(49psi))下に16時間置いた。ジクロロメタンを添加し、反応混合物をセライトろ過助剤の層に通して濾過した。ろ液は、減圧下で、黄褐色固体になるまで濃縮した。固体をエタノールから再結晶させて、15グラムのテトラデシル4−アミノベンゾエートを淡褐色針状結晶として得た。
【0087】
窒素雰囲気下にて、テトラデシル4−アミノベンゾエート(45.6グラム、137mmol)及び塩化シアヌル(8.40グラム、45.6mmol)のキシレン(460mL)中混合物を24時間加熱還流させた。反応混合物を90℃まで冷却し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し(500mLで2回)、続いて水で洗浄した(500mLで3回)。キシレンを一晩冷却することにより、白色沈殿物が形成された。白色沈殿物を濾過によって分離し、過剰なキシレンで洗浄した。固体は、34:66ジクロロメタン:メタノール(750mL)から2回、キシレン(300mL)から1回再結晶させて、27.6グラムの2,4,6−トリアニリノ(p−カルボ−テトラデシル−オキシ)−1,3,5−トリアジンを白色固体として得た。
【0088】
組成分析:C66102(% C,73.70;% H,9.56;% N,7.81)について計算した。結果は、% C,73.44;% H,9.37;% N,7.62であった。
【0089】
合成例2:電荷添加剤4の調製
窒素雰囲気下にて、4−オクタデシルアナリン(analine)(50グラム、145mmol)及び塩化シアヌル(8.9グラム、48mmol)のキシレン(500mL)中混合物を24時間加熱還流させた。反応混合物を90℃まで冷却し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し(500mLで2回)、続いて水で洗浄した(500mLで2回)。キシレンを一晩冷却することにより、白色沈殿物が形成された。白色沈殿物を濾過によって分離し、過剰なキシレンで洗浄した。固体は、90:10クロロホルム:メタノール(500mL)から2回、キシレン(500mL)から1回再結晶させて、45グラムのN,N’,N”−トリス(4−オクタデシルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミンを白色固体として得た。
【0090】
組成分析:C75126(% C,81.02;% H,11.42;% N,7.56)について計算した。結果は、% C,81.05;% H,11.38;% N,7.60であった。
【0091】
合成例3:電荷添加剤5の調製
窒素雰囲気下にて、オクタデシルアミン(389グラム、1.44mol)、ジ(プロピレングリコール)ジメチルエーテル(1.50リットル)、酢酸ナトリウム(134グラム、1.63mol)、及び塩化シアヌル(88.4グラム、0.479mol)の混合物を30分間攪拌し、次に85℃まで2時間加熱した。反応混合物を155℃まで加熱し、この温度で反応混合物からの酢酸を還流させた。反応混合物を170℃まで16時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却した時点で、2−プロパノール(1.60リットル)を反応混合物に添加した。沈殿物を室温で濾過し、過剰な2−プロパノールで洗浄した。固体を還流水(2.00リットル)中で2時間攪拌し、濾過し、かつ過剰な水で洗浄した。固体を還流2−プロパノール(2.00リットル)中で攪拌し、濾過し、過剰な2−プロパノールで洗浄して、377グラムのN,N’,N”−トリオクタデシル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミンを白色固体として得た。
【0092】
合成例4:電荷添加剤15の調製
磁気攪拌棒を備えた250mLの3首丸底フラスコにフロログリシノール無水物(6.63g,97%)、4−ドデシルアニリン(36.40g,97%)、及びヨウ素(0.13g,99%)を充填した後、トルエン(30mL)を添加した。Dean−Starkトラップ及びコンデンサをフラスコに装備した後、一定の攪拌状態下で12時間、130℃に加熱した。反応混合物の温度が約60℃(混合物は粘性の液体形態である)に冷却された後、200mLのエタノールにゆっくり注いで、沈殿させた。濾過して沈殿物をピンク色固体として得た。一晩、50℃の真空下(3.6kPa(27mmHg))で乾燥させた後、エタノールから2回(それぞれ150mL)再結晶して淡いピンク色粉末として電荷添加剤1(31.0g、87.8%)を得た。
【0093】
組成分析:C,84.15;H,10.95;N,4.91について計算した。C,84.28;H,10.86,N,4.85を検出した。
【0094】
実施例1〜110及び比較実施例C1〜C60
実施例及び比較実施例の各々について、後述の手順が続く。
【0095】
試料の調製
工程A−メルトブロウンマイクロファイバーウェブの調製:
各実施例及び比較実施例において、上の略記表に挙げたポリマー樹脂の1つ又はその組み合わせを使用して、ブロウンマイクロファイバー(BMF)不織布ウェブを押出したが、いくつかの場合において、前述の表に挙げた電荷添加剤の1つ又はそれらの組み合わせを含有する。押出しは、後述の2つの押出し方法のうちの1つを介して、一般的には、Van A.Wente,Superfine Thermoplastic Fibers,48Indust.Engn.Chem.,1342−46、及びNaval Research Laboratory Report 111437(Apr.15,1954)に記載されるように実施された。表3は、実施例及び比較実施例のそれぞれにおける、特定のウェブ特性及び電荷添加剤の濃度を要約する。
【0096】
押出成形方法1:センチメートル当り10個の穴(インチ当り25個の穴)及び0.38mm(0.015in)径の穴を有するメルトブロウンダイに接続された、約240℃〜330℃の温度で操作される押出成形機を用いて、約45〜70g/mの坪量、約6.5〜15マイクロメートルの有効ファイバー径、約4〜10%の硬度、及び約0.6〜2.5ミリメートルの厚さを有するBMFウェブを形成した。電荷添加剤は、乾燥粉末又は20〜35重量%濃縮物のいずれかで、樹脂と共に押出成形機に直接供給された。
【0097】
押出成形方法2:実施例1の(WO/2008/016782)Monocomponent Monolayer Meltblown Web And Meltblowing Apparatusに記載される一般的な方法を用いて、二峰性ファイバーサイズ分布及び約50〜150g/mの坪量、約12〜16マイクロメートルの有効ファイバー径、約5〜8%の硬度、並びに約0.6〜2.5ミリメートルの厚さを有するBMFウェブを形成した。電荷添加剤は、乾燥粉末形態又は20〜35重量%濃縮物のいずれかで、樹脂と共に押出成形機に直接供給された。
【0098】
【表3】

【0099】
【表4】

【0100】
工程B−エレクトレット調製:
上の工程Aで調製された各BMFウェブの試料を3つ:ハイドロチャージ、コロナ前処理及びハイドロチャージ、又はプラズマフッ素化前処理及びハイドロチャージのエレクトレット帯電方法のうちの1つにより帯電した。表5に、試料のそれぞれに適用される特定の帯電法を要約する。
【0101】
帯電法1−ハイドロチャージング:
ハイドロチャージ流体調製:逆浸透及び脱イオン化により精製された水から開始し、表5のそれぞれの実施例及び比較実施例に挙げられる重量百万分率(PPM)の記載される濃度を用いて様々な水性ハイドロチャージ流体を作製するために、表4に挙げる化合物を使用した。以下の手順は、脱イオン(DI)水中の3つのNaCO水性溶液(50PPM、100PPM、1000PPM)の調製を説明する。同様の手順を用いて他の溶液を作製した。
【0102】
a)1000PPM NaCO溶液:化学てんびんを使用して、3.6gのNaCOを3596.4gのDI水に溶解して、0.1重量%溶液(1000PPM)を作製した。
b)100PPM NaCO溶液:化学てんびんを使用して、360gの1000PPM NaCO溶液を3240gのDI水に溶解して、0.01重量%溶液(100PPM)を作製した。
c)50PPM NaCO溶液:化学てんびんを使用して、1800gの100PPM NaCO溶液を1800gのDI水に溶解して、0.005重量%溶液(50PPM)を作製した。
【0103】
【表5】

【0104】
各実施例及び比較実施例に使用される各ハイドロチャージ液体の伝導度及びpHは上述のように測定され、結果は以下の表5に記載される。
【0105】
ハイドロチャージ手順:
Angadjivand等に対する米国特許第5,496,507号に教示される技法に従い、所望の帯電液体を用いてBMFウェブをハイドロチャージした。ハイドロチャージ液体の微細噴射を、655キロパスカル(95psig)に加圧された、約1.4リットル/分の流速のステンレスタンクの1つに接続されるノズルから連続して生成した。工程Aにて作製した選択されたBMFウェブは、水噴霧を抜け約10cm/秒の速度にて、下方からウェブを通してハイドロチャージ液体を同時に真空引きしながら、多孔質ベルトによって搬送された。各BMFウェブは、ハイドロチャージャーへ2回通し(連続して、各面に対して1回)、次にフィルター試験に先だって一晩完全に風乾させた。
【0106】
帯電法2−コロナ前処理及びハイドロチャージ:
工程Aにて作製された選択されたBMFウェブは、DCコロナ放電により前処理された。コロナ前処理は、毎秒約3cmの速度で、放電ソース長1cm当たり約0.01ミリアンペアのコロナ電流を備えたコロナブラシソースの下を接地表面上のウェブを通過させることによって行なわれた。コロナソースは、その上をウェブが搬送される接地表面上約3.5cmにある。コロナソースは、正の直流電圧によって駆動した。コロナ処理後、BMFウェブは、帯電法1に記載されるように、所望の帯電液体を用いてハイドロチャージにより帯電された。
【0107】
帯電法3−プラズマフッ素化前処理及びハイドロチャージ:
上記の工程Aにて作製されたBMFウェブは、Electret Article Having Heteroatoms And Low Fluorosaturation Ratioという表題のKirk等に対する米国特許第7,244,292号の「General Web Making,Plasma Treatment,and Electret Charging Procedures」に記載される手順を用いて、3M Company,St.Paul,MN.から入手可能なペルフルオロプロパン(C)ガスを用いて、プラズマフッ素化により前処理された。プラズマ前処理後、BMFウェブは、上記帯電法1に記載されるように、所望の帯電液体を用いてハイドロチャージにより帯電された。
【0108】
ゼータ電位及びQF
工程Aにて作製された代表的なBMF試料において、ゼータ電位は上述の方法を用いて測定された。1000〜2000(Sigma−Aldrich)/cmの間から伝導度スキャン中に測定されたゼータ電位の平均が判断され、表5に報告されるが、いくつかの場合において、この値は同じBMF試料材料で実施された複数の試験の平均であった。
【0109】
上記工程Bで作製された各帯電サンプルを2個の1メートル部分へと切断した。1つのセクションを、%DOPエアゾール浸透(%Pen)及び圧力降下についてのその初期状態にて試験し、品質係数(QF)を上記の試験方法に記載するようにして算出した。いくつかの試料において、ゼータ電位を測定するために、第2のセクションが使用された。これらの結果は、%Pen、圧力降下、及びQFとして、以下の表5に報告される。
【0110】
実施例1〜60及び比較実施例C1〜C60
比較実施例1a、1b、&実施例1:電荷添加剤を含有しないポリプロピレン(BMF−1)から作製されたBMFウェブにおいて、ゼータ電位は、−9.3mVであるように測定された。50PPMのNaCO(pH 10.6)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することにより、実施例1(0.33)の品質係数は、DI水(pH 7.5)のみで帯電された比較実施例1a(0.27)又は50PPMのCHCOOH(pH 4.2)で帯電された比較実施例1b(0.24)のそれを超えた。
【0111】
比較実施例2a、2b、&実施例2:電荷添加剤を含有しないポリプロピレン(BMF−2)から作製されたBMFウェブにおいて、コロナ前処理後のゼータ電位は、−10.8mVであるように測定された。50PPMのNaCO(pH 10.6)を用いた帯電法−2(コロナ前処理後ハイドロチャージ)を使用することにより、実施例2(1.04)の品質係数は、DI水(pH 8.1)のみで帯電された比較実施例2a(0.78)又は50PPMのCHCOOH(pH 4.3)で帯電された比較実施例2b(0.65)のそれを超えた。
【0112】
比較実施例3a、&実施例3a、3b:1重量%の電荷添加剤−1を含有するポリプロピレン(BMF−6)から作製されたBMFウェブにおいて、ゼータ電位は−10.2mVであるように測定された。帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することにより、水(pH 7.5)のみで帯電された実施例3a(1.02)及び50PPMのNaCO(pH 10.1)を用いて帯電された実施例3b(1.41)の品質係数は、50PPMのCHCOOH(pH 4.4)で帯電された比較実施例3(0.30)のそれを超えた。
【0113】
比較実施例4a、4b、&実施例4:1重量%の電荷添加剤−1を含有するポリプロピレン(BMF−6)から作製されたBMFウェブにおいて、コロナ前処理後のゼータ電位は、−10.8mVであるように測定された。50PPMのNaCO(pH 10.4)を用いた帯電法−2(コロナ前処理後ハイドロチャージ)を使用することにより、実施例4(1.59)の品質係数は、DI水(pH 8.1)のみで帯電された比較実施例4a(1.24)又は50PPMのCHCOOH(pH 4.2)で帯電された比較実施例4b(0.47)のそれを超えた。
【0114】
比較実施例5a、5b、&実施例5:1重量%の電荷添加剤−1を含有するポリプロピレン(BMF−6)から作製されたBMFウェブにおいて、ゼータ電位は、−10.2mVであるように測定された。50PPMのNaCO(pH 10.7)と共に有機溶媒(DI水中に10重量%アセトン)を含有する溶液を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することにより、実施例5(1.41)の品質係数は、DI水(pH 9.7)中に10重量%アセトンのみで帯電された比較実施例5a(1.15)又は50PPMのCHCOOH(pH 5.0)で帯電された比較実施例5b(0.20)のそれを超えた。
【0115】
比較実施例6a、6b、&実施例6:1重量%の電荷添加剤−2を含有するポリプロピレン(BMF−10)から作製されたBMFウェブにおいて、コロナ前処理後のゼータ電位は、−10.7mVであるように測定された。50PPMのNaCO(pH 10.4)を用いた帯電法−2(コロナ前処理後ハイドロチャージ)を使用することにより、実施例6(1.61)の品質係数は、DI水(pH 8.2)のみで帯電された比較実施例6a(1.28)又は50PPMのCHCOOH(pH 4.2)で帯電された比較実施例6b(0.46)のそれを超えた。
【0116】
比較実施例7a、&実施例7a、7b、7c:1重量%の電荷添加剤−2を含有するポリプロピレン(BMF−10)から作製されたBMFウェブにおいて、データ電位は−10.9mVであるように測定された。50PPMのNaCO(pH 10.5、伝導度139 microS/cm)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することにより、実施例7a(1.62)の品質係数は、DI水(pH 7.2)のみで帯電された比較実施例7(1.06)のそれを超えた。実施例7aの塩基性50PPM NaCOハイドロチャージ溶液に増量した中性NaCl塩を添加することにより、pHはごく僅かに低下したが、伝導度は著しく上昇し、実施例7b(50PPM NaCO、50PPM NaCl、pH 10.3、伝導度230.4(Sigma−Aldrich)/cm、QF 1.45)、実施例7c(50PPM NaCO、500PPM NaCl、pH 10.3、伝導度1150(Sigma−Aldrich)/cm、QF 1.25)、及び比較実施例7b(50PPM NaCO、5000PPM NaCl、pH 10.3、伝導度9340(Sigma−Aldrich)/cm、QF 0.75)のQFは、実施例7aと比較して減少した。
【0117】
比較実施例8a、8b、&実施例8:1重量%の電荷添加剤−7を含有するポリプロピレン(BMF−14)から作製されたBMFウェブにおいて、コロナ前処理後のゼータ電位は、−8.4mVであるように測定された。50PPMのNaCO(pH 10.4)を用いた帯電法−2(コロナ前処理後ハイドロチャージ)を使用することにより、実施例8(1.75)の品質係数は、DI水(pH 8.2)のみで帯電された比較実施例8a(1.15)又は50PPMのCHCOOH(pH 4.2)で帯電された比較実施例8b(0.70)のそれを超えた。
【0118】
比較実施例9a、9b、9c&実施例9a、9b、9c:1重量%の電荷添加剤−7を含有するポリプロピレン(BMF−14)から作製されたBMFウェブにおいて、ゼータ電位は−11.8mVであるように測定された。50PPMのNaCO(pH 10.4、伝導度136.4 microS/cm)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することにより、実施例9a(1.85)の品質係数は、DI水(pH 8.2)のみで帯電された比較実施例9a(1.14)又は50PPMのCHCOOH(pH 4.2)で帯電された比較実施例9c(0.48)のそれを超えた。実施例9aの塩基性50PPM NaCOハイドロチャージ溶液に増量した中性NaCl塩を添加することにより、pHはごく僅かに低下したが、伝導度は著しく上昇し、実施例9b(50PPM NaCO、50PPM NaCl、pH10.3、伝導度230.4 microS/cm、QF 1.53)、実施例9c(50PPM NaCO、500PPM NaCl、pH 10.3、伝導度1150 microS/cm、QF 1.33)、及び比較実施例9c(50PPM NaCO、5000PPM NaCl、pH 10.3、伝導度9340 microS/cm、QF 0.90)のQFは、実施例9aと比較して減少した。
【0119】
比較実施例10a、10b、&実施例10:1重量%の電荷添加剤−8を含有するポリプロピレン(BMF−15)から作製されたBMFウェブにおいて、ゼータ電位は、−10.4mVであるように測定された。50PPMのNaCO(pH 10.5)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することにより、実施例10(1.46)の品質係数は、DI水(pH 7.2)のみで帯電された比較実施例10a(1.08)又は50PPMのCHCOOH(pH 4.1)で帯電された比較実施例10b(0.66)のそれを超えた。
【0120】
比較実施例114a、11b、&実施例11:1重量%の電荷添加剤−8を含有するポリプロピレン(BMF−16)から作製されたBMFウェブにおいて、コロナ前処理後のゼータ電位は、−9.6mVであるように測定された。50PPMのNaCO(pH 10.5)を用いた帯電法−2(コロナ前処理後ハイドロチャージ)を使用することにより、実施例11(2.05)の品質係数は、DI水(pH 8.1)のみで帯電された比較実施例11a(1.63)又は50PPMのCHCOOH(pH 4.3)で帯電された比較実施例10b(1.72)のそれを超えた。
【0121】
比較実施例12a、12b、&実施例12a、12b:電荷添加剤を含有しないポリプロピレン(BMF−17)から作製されたBMFウェブにおいて、プラズマフッ素化前処理後のゼータ電位は、−24.1mVであるように測定された。帯電法−3(プラズマフッ素化前処理後ハイドロチャージ)を使用することにより、50PPMのNaCO(pH 10.4)を用いた実施例12a(QF 2.35)、及び50PPMのNHOH(pH 10.6)を用いた実施例12b(QF 2.38)の両方は、DI水(pH 8.2)のみで帯電された比較実施例12a(2.18)又は50PPMのCHCOOH(pH 4.2)で帯電された比較実施例12b(1.96)を超える品質係数を有した。
【0122】
比較実施例13a、13b、&実施例13:0.75重量%の電荷添加剤−6を含有するポリプロピレン(BMF−19)から作製されたBMFウェブにおいて、ゼータ電位は、3.8mVであるように測定された。50PPMのCHCOOH(pH 4.2)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することにより、実施例13(2.40)の品質係数は、DI水(pH 8.2)のみで帯電された比較実施例13a(2.35)又は50PPMのNaCO(pH 10.4)で帯電された比較実施例13b(1.21)のそれを超えた。
【0123】
比較実施例14a、14b、&実施例14:0.5重量%の電荷添加剤−6を含有するポリプロピレン(BMF−18)から作製されたBMFウェブにおいて、コロナ前処理後のゼータ電位は、0.5mVであるように測定された。50PPMのCHCOOH(pH 4.2)を用いた帯電法−2(コロナ前処理後ハイドロチャージ)を使用することにより、実施例14(2.32)の品質係数は、DI水(p H8.2)のみで帯電された比較実施例14a(1.88)又は50PPMのNaCO(pH 10.4)で帯電された比較実施例14b(1.68)のそれを超えた。
【0124】
比較実施例15a、15b、&実施例15:1重量%の電荷添加剤−5を含有するポリプロピレン(BMF−20)から作製されたBMFウェブにおいて、ゼータ電位は、−1.9mVであるように測定された。50PPMのCHCOOH(pH 4.4)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することにより、実施例15(2.85)の品質係数は、DI水(pH 7.5)のみで帯電された比較実施例15a(2.18)又は50PPMのNaCO(pH 10.1)で帯電された比較実施例15b(1.55)のそれを超えた。
【0125】
比較実施例16a、16b、&実施例16:0.5重量%の電荷添加剤−5を含有するポリプロピレン(BMF−21)から作製されたBMFウェブにおいて、コロナ前処理後のゼータ電位は、−3.3mVであるように測定された。50PPMのCHCOOH(pH 4.2)を用いた帯電法−2(コロナ前処理後ハイドロチャージ)を使用することにより、実施例16(2.34)の品質係数は、DI水(pH 8.2)のみで帯電された比較実施例16a(1.59)又は50PPMのNaCO(pH 10.4)で帯電された比較実施例16b(1.43)のそれを超えた。
【0126】
比較実施例17a、17b、&実施例17:0.5重量%の電荷添加剤−5を含有するポリプロピレン(BMF−31)から作製されたBMFウェブにおいて、ゼータ電位は、−6mVであるように測定された。50PPMのCHCOOH(pH 4.2)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することにより、実施例17(1.68)の品質係数は、脱イオン水(pH 8.2)のみで帯電された比較実施例17a(0.5)又は50PPMのNaCO(pH 10.4)で帯電された比較実施例17b(0.35)のそれを超えた。
【0127】
比較実施例18a、18b、&実施例18:0.75重量%の電荷添加剤−15を含有するポリプロピレン(BMF−35)から作製されたBMFウェブにおいて、ゼータ電位は、−1.0mVであるように測定された。50PPMのCHCOOH(pH 4.2)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することにより、実施例18(2.64)の品質係数は、DI水(pH 8.2)のみで帯電された比較実施例18a(2.22)又は50PPMのNaCO(pH 10.4)で帯電された比較実施例18b(1.42)のそれを超えた。
【0128】
比較実施例19a、19b、&実施例19:0.75重量%の電荷添加剤−5及び0.2重量%電荷添加剤−10を含有するポリプロピレン(BMF−37)から作製されたBMFウェブにおいて、ゼータ電位は、0.6mVであるように測定された。50PPMのCHCOOH(pH 4.2)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することにより、実施例19(3.04)の品質係数は、DI水(pH 8.2)のみで帯電された比較実施例19a(2.35)又は50PPMのNaCO(pH 10.4)で帯電された比較実施例19b(0.99)のそれを超えた。
【0129】
比較実施例20a、20b、&実施例20:1重量%の電荷添加剤−5を含有するポリプロピレン(BMF−47)から作製されたBMFウェブにおいて、ゼータ電位は、2.7mVであるように測定された。50PPMのCHCOOH(pH 4.3)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することにより、実施例20(1.70)の品質係数は、DI水(pH 8.1)のみで帯電された比較実施例20a(1.28)又は50PPMのNaCO(pH 10.5)で帯電された比較実施例20b(0.92)のそれを超えた。
【0130】
比較実施例21a、21b、&実施例21:電荷添加剤を含有しないポリ(4−メチル−1−ペンテン)(BMF−48)から作製されたBMFウェブにおいて、ゼータ電位は、−9.9mVであるように測定された。50PPMのNaCO(pH 10.8)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することにより、実施例21(1.72)の品質係数はDI水(pH 5.9)のみで帯電された比較実施例21a(0.41)又は50PPMのCHCOOH(pH 4.6)で帯電された比較実施例21b(0.52)のそれを超えた。
【0131】
比較実施例22&実施例22a、22b:電荷添加剤を含有しないポリ(4−メチル−1−ペンテン)(BMF−48)から作製されたBMFウェブにおいて、ゼータ電位は、−9.9mVであるように測定された。帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することにより、10PPMのNaCO(pH 8.2)を用いた実施例22a(0.33)及び100PPMのNaCO(pH 9.7)を用いた実施例22b(0.40)の品質係数は、両方ともDI水(pH 6.0)のみで帯電された比較実施例22(0.19)のそれを超えた。
【0132】
比較実施例23a、23b、&実施例23:1重量%の電荷添加剤−1を含有するポリ(4−メチル−1−ペンテン)(BMF−49)から作製されたBMFウェブにおいて、ゼータ電位は、−8.3mVであるように測定された。50PPMのNaCO(pH 10.8)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することにより、実施例23(1.39)の品質係数は、DI水(pH 5.9)のみで帯電された比較実施例23a(0.41)又は50PPMのCHCOOH(pH 4.6)で帯電された比較実施例23b(0.33)のそれを超えた。
【0133】
比較実施例24&実施例24a、24b:1重量%の電荷添加剤−1を含有するポリ(4−メチル−1−ペンテン)(BMF−49)から作製されたBMFウェブにおいて、ゼータ電位は、−8.3mVであるように測定された。帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することにより、10PPMのNaCO(pH 8.2)を用いた実施例24a(0.72)及び100PPMのNaCO(pH 9.7)を用いた実施例24b(0.91)の品質係数は、両方ともDI水(pH 6.0)のみで帯電された比較実施例24(0.54)のそれを超えた。
【0134】
比較実施例25&実施例25a、25b:1重量%の電荷添加剤−5を含有するポリ(4−メチル−1−ペンテン)(BMF−50)から作製されたBMFウェブにおいて、ゼータ電位は、−4.8mVであるように測定された。帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、DI水(pH 5.9)のみで帯電される時の実施例25a(1.18)又は50PPMのCHCOOH(pH 4.6)を用いた実施例25(1.78)の品質係数は、両方とも100PPMのNaCO(pH 9.7)で帯電された比較実施例25のそれを超えた。
【0135】
比較実施例26a、26b&実施例26a、26b、26c:電荷添加剤(実質的に、実施例1にて使用されたものと等価)を含有しないポリプロピレン(BMF−3)から作製されたBMFウェブにおいて、50PPMのKCO(pH 7.7,伝導度120 microS/cm)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、実施例26a(0.73)の品質係数は、DI水(pH 6.5)のみで帯電された比較実施例26a(0.45)のそれを超えた。実施例26b(500PPM、pH 10、伝導度1000 microS/cm、QF 0.78)におけるハイドロチャージ溶液中のKCOの増量に伴い、QFは上昇した。実施例26c(5000PPM、pH 11、伝導度5000 microS/cm、QF 0.68)及び比較実施例26b(15000PPM、pH 11.8、伝導度22,000 microS/cm、QF 0.58)におけるハイドロチャージ溶液中のKCOの更なる増量に伴い、pH及び伝導度の両方は上昇するが、QFは実施例26aに対して減少する傾向がある。
【0136】
比較実施例27a、27b、27c&実施例27a、27b、27c、27d、27e、27f:この一連の実施例は、電荷添加剤(実質的に、実施例1にて使用されたものと等価)を含有しないポリプロピレン(BMF−3)から作製されたBMFウェブにおいて、50PPMのNaCO(pH 7.7、伝導度123.6 microS/cm)を用いた帯電法−2(コロナ前処理及びハイドロチャージ)を使用することによって、実施例27a(1.51)の品質係数がDI水(pH 6.8)のみで帯電された比較実施例27a(0.84)のそれを超えたことを例証する。同様に、実施例27b(5PPM NHOH、pH 7.1、伝導度24 microS/cm、QF 1.29)、実施例27c(50PPM NHOH、pH 8.5、伝導度64マイクロシーメンス/cm、QF 1.26)、実施例27d(50PPM NaHCO、pH 8.5、伝導度56.7マイクロシーメンス/cm、QF 1.22)、実施例27e(50PPM CHCOONa、pH 7.1、伝導度42マイクロシーメンス/cm、QF 1.09)、実施例27f(50PPM KOH、pH 8.3、伝導度212マイクロシーメンス/cm、QF 1.34)において、QFは、比較実施例27b(15000PPM KOHpH 13、伝導度68,000マイクロシーメンス/cm、QF 1.07)、及び比較実施例27c(500PPM CuCl、pH 4.7、伝導度721マイクロシーメンス/cm、QF 0.55)に加え、比較実施例27aのそれを超える。
【0137】
比較実施例28a、28b&実施例28a、28b:この一連の実施例は、電荷添加剤(実質的に、実施例1にて使用されたものと等価)を含有しないポリプロピレン(BMF−4)から作製されたBMFウェブにおいて、10PPMのNaOH(pH 7.1、伝導度23.3マイクロシーメンス/cm)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、実施例28a(0.80)の品質係数が、DI水(pH 6.8)のみで帯電された比較実施例28(0.22)のそれを超えたことを例証する。実施例28b(100PPM、pH 9、伝導度325マイクロシーメンス/cm、QF 1.01)におけるハイドロチャージ溶液中のNaOHの増量に伴い、QFは上昇した。比較実施例28b(5000PPM、pH 13、伝導度26,000マイクロシーメンス/cm、QF 0.71)におけるハイドロチャージ溶液中のNaOHの更なる増量に伴い、pH及び伝導度の両方は上昇するが、QFは実施例28aに対して減少する傾向がある。
【0138】
比較実施例29a、29b&実施例29a、29b、29c:この一連の実施例は、電荷添加剤(実質的に、実施例1にて使用されたものと等価)を含有しないポリプロピレン(BMF−4)から作製されたBMFウェブにおいて、50PPMのKCO(pH 7.7、伝導度120マイクロシーメンス/cm)を用いた帯電法−2(コロナ前処理及びハイドロチャージ)を使用することによって、実施例29a(1.46)の品質係数が、DI水(pH 6.5)のみで帯電された比較実施例29a(0.97)のそれを超えたことを例証する。同様に、実施例29b(50PPM KOH、pH 8.3、伝導度212マイクロシーメンス/cm、QF 1.19)、実施例29c(50PPM NaOH、pH 8.5、伝導度246マイクロシーメンス/cm、QF 1.32)において、QFは、比較実施例29a及び比較実施例29b(5,000PPM NaOH、pH 12.8、伝導度27,400マイクロシーメンス/cm、QF 1.12)のそれを超える。
【0139】
比較実施例30a、30b、30c、30d、30e:この一連の実施例は、電荷添加剤(実質的に、実施例1にて使用されたものと等価)を含有しないポリプロピレン(BMF−3)から作製されたBMFウェブにおいて、DI水(pH 6.8)を用いた帯電法−2(コロナ前処理及びハイドロチャージ)を使用することによって、比較実施例30a(1.66)のQFが比較実施例30b(10PPMのNHCl、pH 6.8、伝導度28.2マイクロシーメンス/cm、QF 1.61)、比較実施例30c(100PPMのNHCl、pH5.8、伝導度273マイクロシーメンス/cm、QF 1.39)、比較実施例30d(1,000PPMのNHCl、pH 5.5、伝導度2580マイクロシーメンス/cm、QF 1.28)、及び比較実施例30e(5,000PPMのNHCl、pH 5.3、伝導度11,800マイクロシーメンス/cm、QF 1.01)のそれを超えたことを例証する。
【0140】
比較実施例31a、31b&実施例31a、31b:この一連の実施例は、電荷添加剤(実質的に、実施例1にて使用されたものと等価)を含有しないポリプロピレン(BMF−5)から作製されたBMFウェブにおいて、10PPMの界面活性剤ドデシルベンゼンナトリウムスルホネートを用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、実施例31a(10PPMドデシルベンゼンナトリウムスルホネート、pH 7.9、QF 0.32)及び実施例31b(10PPMドデシルベンゼンナトリウムスルホネート及び100PPMのNaCO、pH 10.2、QF 0.53)の両方が、DI水(pH 7.7)のみで帯電された比較実施例31a(0.23)及び比較実施例31b(10PPMドデシルベンゼンナトリウムスルホネート及び100PPM HCl、pH 2.6、QF 0.16)を超えるQFを有したことを例証する。
【0141】
比較実施例32a、32b&実施例32a、32b:この一連の実施例は、1重量%の電荷添加剤−1(実質的に、実施例3にて使用されたものと同等)を含有するポリプロピレン(BMF−7)から作製されたBMFウェブにおいて、1PPMのNaOH(pH 9.6、伝導度5.19マイクロシーメンス/cm)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、実施例32a(1.19)のQFがDI水(pH 6.3)のみで帯電された比較実施例32a(0.93)のそれを超えたことを例証する。実施例32b(10PPM、pH 10.8、伝導度61.7マイクロシーメンス/cm、QF 1.48)におけるハイドロチャージ溶液中のNaOHの増量に伴い、QFは上昇した。比較実施例32b(5,000PPM、pH 13、伝導度26,000マイクロシーメンス/cm、QF 0.88)におけるハイドロチャージ溶液中のNaOHの更なる増量に伴い、pH及び伝導度の両方は上昇するが、QFは実施例32aに対して減少する傾向がある。
【0142】
比較実施例33&実施例33a、33b:この一連の実施例は、0.5重量%の電荷添加剤−1を含有するポリプロピレン(BMF−8)から作製されたBMFウェブにおいて、20PPMのNaOH(pH 11)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、実施例33a(1.40)のQFがDI水(pH 7.5)のみで帯電された比較実施例33(1.05)のそれを超えたことを例証する。同じ20PPMのNaOH溶液(pH 11)を用いたウェブ(BMF−8)の2度目のハイドロチャージは、実施例33b(1.62)のQFを更に上昇させる。
【0143】
比較実施例34a、34b、34c、34d、34e、34f:この一連の実施例は、1重量%の電荷添加剤−1(実質的に、実施例3にて使用されたものと等価)を含有するポリプロピレン(BMF−7)から作製されたBMFウェブにおいて、DI水(pH 6.8)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、比較実施例34a(1.32)QFが、比較実施例34b(1PPMのNHCl、pH 6.8、伝導度3.7マイクロシーメンス/cm、QF 1.30)、比較実施例34c(10PPMのNHCl、pH 6.8、伝導度28.2マイクロシーメンス/cm、QF 1.25)、比較実施例34d(100PPMのNHCl、pH 5.8、伝導度273マイクロシーメンス/cm、QF 1.12)、比較実施例34e(1,000PPMのNHCl、5.5、伝導度2,580マイクロシーメンス/cm、QF 0.85)、及び比較実施例34f(5,000PPMのNHCl、pH 5.3、伝導度11,800マイクロシーメンス/cm、QF 0.55)のそれを超えたことを例証する。
【0144】
比較実施例35&実施例35a、35b、35c:この一連の実施例は、1重量%の電荷添加剤−1(実質的に、実施例4にて使用されたものと等価)を含有するポリプロピレン(BMF−9)から作製されたBMFウェブにおいて、1PPMのNaOH(pH 9.6、伝導度5.19マイクロシーメンス/cm)を用いた帯電法−2(コロナ前処理及びハイドロチャージ)を使用することによって、実施例35a(1.91)のQFが脱イオンDI水(pH 6.3)のみで帯電された比較実施例35(1.62)のそれを超えたことを例証する。実施例35b(10PPM、pH 10.8、伝導度61.7マイクロシーメンス/cm、QF 1.85)及び実施例35c(1,000PPM、pH 12.4、伝導度5,820マイクロシーメンス/cm、QF 1.62)におけるハイドロチャージ溶液中のNaOHの増量に伴い、pH及び伝導度の両方は上昇するが、QFは実施例35aに対して減少する傾向がある。
【0145】
比較実施例36a、36b&実施例36a、36b:この一連の実施例は、1重量%の電荷添加剤−1(実質的に、実施例4にて使用されたものと等価)を含有するポリプロピレン(BMF−11)から作製されたBMFウェブにおいて、1PPMのNaOH(pH 9.6、伝導度5.19マイクロシーメンス/cm)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、実施例36a(1.10)のQFがDI水(pH 6.3)のみで帯電された比較実施例36a(0.77)のそれを超えたことを例証する。実施例36b(10PPM、pH 10.8、伝導度61.7マイクロシーメンス/cm、QF 1.38)におけるハイドロチャージ溶液中のNaOHの増量に伴い、QFは上昇した。比較実施例36b(5,000PPM、pH 13、伝導度26,000マイクロシーメンス/cm、QF 0.85)におけるハイドロチャージ溶液中のNaOHの更なる増量に伴い、pH及び伝導度の両方は上昇するが、QFは実施例36aに対して減少する傾向がある。
【0146】
比較実施例37&実施例37a、37b、37c:この一連の実施例は、1重量%の電荷添加剤−2(実施例6にて使用されたものに類似)を含有するポリプロピレン(BMF−12)から作製されたBMFウェブにおいて、1PPMのNaOH(pH 9.6、伝導度5.19マイクロシーメンス/cm)を用いた帯電法−2(コロナ前処理及びハイドロチャージ)を使用することによって、実施例37a(1.96)のQFがDI水(pH 6.3)のみで帯電された比較実施例37(1.52)のそれを超えたことを例証する。実施例37b(10PPM、pH 10.8、伝導度61.7マイクロシーメンス/cm、QF 1.99)におけるハイドロチャージ溶液中のNaOHの増量に伴い、QFは上昇した。実施例37c(1,000PPM、pH 12.4、伝導度5,820マイクロシーメンス/cm、QF 1.61)におけるハイドロチャージ溶液中のNaOHの更なる増量に伴い、pH及び伝導度の両方は上昇するが、QFは実施例37aに対して減少する傾向があり、まだ比較実施例37を超える。
【0147】
比較実施例38a、38b、&実施例38:この一連の実施例は、1重量%の電荷添加剤−3を含有するポリプロピレン(BMF−13)から作製されたBMFウェブにおいて、50PPMのNaCO(pH 10.4)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、実施例38(1.68)の品質係数は、DI水(pH 8.2)のみで帯電された実施例38a(1.38)又は50PPMのCHCOOH(pH 4.2)で帯電された比較実施例38b(0.58)のそれを超えたことを例証する。
【0148】
比較実施例39a、39b、&実施例39:この一連の実施例は、1重量%の電荷添加剤−5(実質的に、実施例15にて使用されたものと等価)を含有するポリプロピレン(BMF−22)から作製されたBMFウェブにおいて、50PPMのCHCOOH(pH 5.2)と共に有機溶媒(DI水に10重量%エタノール)を含有する溶液を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、実施例39(2.57)のQFは、DI水(pH 8.8)に10重量%エタノールのみで帯電された比較実施例39a(1.75)、又は50PPMのNaCO(pH 10.3)で帯電された比較実施例39b(1.34)のそれを超えたことを例証する。
【0149】
比較実施例40&実施例40a、40b:この一連の実施例は、0.5重量%の電荷添加剤−5を含有するポリプロピレン(BMF−23)から作製されたBMFウェブにおいて、20PPMのHCl(pH 3.4)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、実施例40a(2.23)のQFがDI水(pH 7.7)のみで帯電された比較実施例40(1.85)のそれを超えたことを例証する。同じ20PPMのHCl溶液(pH 3.4)を用いたウェブ(BMF−23)の2度目のハイドロチャージは、実施例40b(2.31)のQFを更に上昇させる。
【0150】
比較実施例41&実施例41a、41b:この一連の実施例は、1重量%の電荷添加剤−5(実質的に、実施例15にて使用されたものと等価)を含有するポリプロピレン(BMF−24)から作製されたBMFウェブにおいて、10PPMのCHCOOH(pH 6、伝導度21.6 マイクロシーメンス/cm)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、実施例41a(2.76)のQFがDI水(pH 7.3)のみで帯電された比較実施例41(2.59)のそれを超えたことを例証する。実施例41b(100PPM、pH 4、伝導度70.6マイクロシーメンス/cm、QF 2.87)におけるハイドロチャージ溶液中のCHCOOHの増量に伴い、QFは上昇した。
【0151】
比較実施例42a、42b&実施例42:この一連の実施例は、1重量%の電荷添加剤−5(実質的に、実施例15にて使用されたものと等価)を含有するポリプロピレン(BMF−25)から作製されたBMFウェブにおいて、100PPMのCuCl(pH 5.5、伝導度c146.5マイクロシーメンス/cm)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、実施例42(2.24)のQFがDI水(pH 6.1)のみで帯電された比較実施例42a(2.13)のそれを超えたことを例証する。比較実施例42b(5000PPM、pH 4.5、伝導度5980マイクロシーメンス/cm、QF 1.88)におけるハイドロチャージ溶液中のCuClの増量に伴い、QFは減少する。
【0152】
比較実施例43a、43b&実施例43a、43b、43c:この一連の実施例は、1重量%の電荷添加剤−5(実質的に、実施例15にて使用されたものと等価)を含有するポリプロピレン(BMF−26)から作製されたBMFウェブにおいて、50PPMのCHCOOH(pH 4.6、伝導度45.3マイクロシーメンス/cm)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、実施例43a(2.34)の品質係数は、DI水(pH 7.6)のみで帯電された比較実施例43(2.06)のそれを超えたことを例証した。実施例43aの酸性の50PPM CHCOOHハイドロチャージ溶液に中性NaCl塩を添加することにより、pHはごく僅かに低下したが、伝導度は著しく上昇し、実施例43b(50PPM CHCOOH、50PPM NaCl、pH 4.4、伝導度130.2マイクロシーメンス/cm、QF 2.16)、実施例43c(50PPM CHCOOH、500PPM NaCl、pH 4.0、伝導度280.6マイクロシーメンス/cm、QF 2.13)、及び比較実施例43b(CHCOOH NaCO、5000PPM NaCl、pH 4.0、伝導度9230マイクロシーメンス/cm、QF 1.94)のQFは、実施例43aと比較して減少する。
【0153】
比較実施例44a、44b、&実施例44:この一連の実施例は、1重量%の電荷添加剤−4を含有するポリプロピレン(BMF−27)から作製されたBMFウェブにおいて、50PPMのCHCOOH(pH 4.2)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、実施例44(1.86)の品質係数は、DI水(pH 8.2)のみで帯電された比較実施例44a(0.56)又は50PPMのNaCO(pH 10.4)で帯電された比較実施例44b(0.85)のそれを超えたことを例証する。
【0154】
比較実施例45a、45b&実施例45a、45b、45c:この一連の実施例は、0.1重量%の電荷添加剤−9を含有するポリプロピレン(BMF−28)から作製されたBMFウェブにおいて、100PPM CHCOOH(pH3.9)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、実施例45a(1.72)の品質係数は、DI水(pH 7.2)のみで帯電された比較実施例45a(0.79)、又は100PPMのNaCO(pH 10.7)で帯電された比較実施例45b(0.37)のそれを超えたことを例証する。更に0.5重量%の電荷添加剤−9を含有するBMF−29において、同様の100PPM CHCOOH溶液(pH 3.9)を用いたハイドロチャージは、実施例45bにおいてQF(2.76)が高くなり、同様に0.5重量%の電荷添加剤−9を含有するBMF−30において、10PPM HCl溶液(pH 4.2)を用いたハイドロチャージは、実施例45aより実施例45cにおいてQFが高くなった。
【0155】
比較実施例46a、46b、&実施例46:この一連の実施例は、0.5重量%の電荷添加剤−11を含有するポリプロピレン(BMF−32)から作製されたBMFウェブにおいて、50PPMのCHCOOH(pH 4.1)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、実施例46(1.83)の品質係数は、DI水(pH 7.2)のみで帯電された比較実施例46a(0.26)又は50PPMのNaCO(pH 10.5)で帯電された比較実施例46b(0.45)のそれを超えたことを例証する。
【0156】
比較実施例47a、47b、&実施例47:この一連の実施例は、0.5重量%の電荷添加剤−12を含有するポリプロピレン(BMF−33)から作製されたBMFウェブにおいて、50PPMのCHCOOH(pH 4.1)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、実施例47(1.40)の品質係数は、DI水(pH 7.2)のみで帯電された比較実施例47a(0.24)又は50PPMのNaCO(pH 10.5)で帯電された比較実施例47b(0.39)のそれを超えたことを例証する。
【0157】
比較実施例48a、48b、&実施例48:この一連の実施例は、1重量%の電荷添加剤−13を含有するポリプロピレン(BMF−34)から作製されたBMFウェブにおいて、50PPMのCHCOOH(pH 4.1)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、実施例48(1.68)の品質係数は、DI水(pH 7.2)のみで帯電された比較実施例48a(0.62)又は50PPMのNaCO(pH 10.5)で帯電された比較実施例48b(0.65)のそれを超えたことを例証する。
【0158】
比較実施例49a、49b、&実施例49:この一連の実施例は、1重量%の電荷添加剤−14を含有するポリプロピレン(BMF−36)から作製されたBMFウェブにおいて、50PPMのNaCO(pH 10.5)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、実施例49(0.99)の品質係数は、DI水(pH 7.2)のみで帯電された比較実施例49a(0.60)又は50PPMのCHCOOH(pH 4.1)で帯電された比較実施例49b(0.49)のそれを超えたことを例証する。
【0159】
比較実施例50a、50b、&実施例50:この一連の実施例は、0.5重量%の電荷添加剤−1及び0.4重量%の電荷添加剤−7を含有するポリプロピレン(BMF−38)から作製されたBMFウェブにおいて、50PPMのNaCO(pH 10.4)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、実施例50(1.61)の品質係数は、DI水(pH 7.7)のみで帯電された比較実施例50a(1.02)又は50PPMのCHCOOH(pH 4.2)で帯電された比較実施例50b(0.34)のそれを超えたことを例証する。
【0160】
比較実施例51a、51b、&実施例51a、51b:この一連の実施例は、0.5重量%の電荷添加剤−1及び0.2重量%の電荷添加剤−8を含有するポリプロピレン(BMF−39)から作製されたBMFウェブにおいて、50PPMのNaCO(pH 10.4、伝導度131.8)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、実施例51a(1.59)の品質係数は、DI水(pH 7.7)のみで帯電された比較実施例51(1.25)のそれを超えたことを例証する。実施例51aの塩基性50PPM NaCOハイドロチャージ溶液に増量した中性NaCl塩を添加することにより、pHはごく僅かに低下したが、伝導度は著しく上昇し、実施例51b(50PPM NaCO、50PPM NaCl、pH 10.3、伝導度230.4マイクロシーメンス/cm、QF 1.42)及び比較実施例51b(50PPM NaCO、5000PPM NaCl、pH 10.3、伝導度9340マイクロシーメンス/cm、QF 0.77)のQFは、実施例51aと比較して減少した。
【0161】
比較実施例52、53、54、55、56&実施例52、53、54、55、56:この一連の実施例は、EFD、坪量及び繊維サイズ分布(すなわち、押出成形法−1vs.押出成形法−2)が変動する1重量%の電荷添加剤−1を含有するポリプロピレン(BMF−40、41、42、43 & 44)から作製されたBMFウェブにおいて、100PPMのNaCO(pH 9.2)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、実施例52(1.77)、実施例53(2.19)、実施例54(1.77)、実施例55(2.55)、及び実施例56(2.03)のQFが、全てそれらの対応する比較実施例である、DI水(pH 7.0)のみで帯電された比較実施例52(0.86)、比較実施例53(0.91)、比較実施例54(0.88)、比較実施例55(1.17)、及び比較実施例56(0.81)を超えたことを例証する。
【0162】
比較実施例57a、57b、&実施例57:この一連の実施例は、押出成形法−2を用いて0.5重量%の電荷添加剤−6及び0.2重量%の電荷添加剤−9を含有するポリプロピレン(BMF−45)から作製されたBMFウェブにおいて、50PPMのCHCOOH(pH 4.2)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、実施例57(3.48)の品質係数は、DI水(pH 7.7)のみで帯電された比較実施例57a(3.07)又は50PPMのNaCO(pH 10.4)で帯電された比較実施例57b(1.68)のそれを超えたことを例証する。
【0163】
比較実施例58 &実施例58a:この一連の実施例は、押出成形法−2を用いて0.8重量%の電荷添加剤−5を含有するポリプロピレン(BMF−46)から作製されたBMFウェブにおいて、10PPMのCHCOOH(pH 5.4)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、実施例58(3.50)の品質係数は、DI水(pH 8.8)のみで帯電された比較実施例58(2.58)のそれを超えたことを例証する。
【0164】
比較実施例59a、59b、&実施例59:この一連の実施例は、1重量%の電荷添加剤−1を含有するポリプロピレン(BMF−51)から作製されたBMFウェブにおいて、20PPMのNaOH(pH 11)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、実施例59(1.42)の品質係数は、DI水(pH 7.7)のみで帯電された比較実施例59a(1.10)又は20PPMのHCl(pH 3.5)で帯電された比較実施例59b(0.48)のそれを超えたことを例証する。
【0165】
比較実施例60a、60b、&実施例60:この一連の実施例は、電荷添加剤を含有しないポリプロピレン95%及び環状オレフィンコポリマー5%(BMF−52)から作製されたBMFウェブにおいて、20PPMのNaOH(pH 11)を用いた帯電法−1(ハイドロチャージのみ)を使用することによって、実施例60(2.21)の品質係数が、DI水(pH 7.7)のみで帯電された比較実施例60a(1.77)又は20PPMのHCl(pH 3.5)で帯電された比較実施例60b(0.70)のそれを超えたことを例証する。
【0166】
【表6】

【0167】
【表7】

【0168】
【表8】

【0169】
【表9】

【0170】
【表10】

【0171】
【表11】

【0172】
N.M.は、測定されなかったことを示す。ゼータ電位は、実質的に類似する材料の測定に基づき予測された。
pH及び伝導度は、帯電時には測定されなかった。報告された値は、等価組成物の溶液についてである。
【0173】
(実施例61〜66)
上述の計算化学法を用いて、PA及びΔHdpは、電荷中心の電子構造に関して、上述のアミノ置換芳香族電荷添加剤に等価であるモデル化学システム(すなわち、電荷添加剤1〜6及び15)において計算された。モデル構造を以下に示すが、我々は、必要な計算時間を削減するために脂肪族尾部を切断した。脂肪族尾部の切断位置を揃えるために、我々は、電荷中心がプロトン化/脱プロトン部位である電荷中心の電子構造に尾部がどのように影響を与えるかを検証した。官能基が芳香族中心の電子構造に影響を与える程度は、Hammett−Sigmaパラメータσ(Dean,J.A.,Physicochemical Relationships.Lange’s Handbook of Chemistry,15th Edition;McGraw−Hill:New York,1999.)を通して理解され得る。R=CH、CHCH、CHCHCH、及びCHCHCHCHに対するσ値は、それぞれ、−0.17、−0.15、−0.15、及び−0.16である。これらのR基に対するσ値の類似性は、メチレン反復基が電荷中心の電子構造に著しい影響を与えないことを示唆する。化学的に異なるR基の例は、R=−H、−CH及びCO−OCHであり、これらのR基に対するσ値は、それぞれ、0.0、−0.17、及び0.39である(Dean,J.A.,Physicochemical Relationships.Lange’s Handbook of Chemistry,15th Edition;McGraw−Hill:New York,1999.)。
【0174】
プロトン親和性:計算されたPA及びΔHdp(以下に説明する)に基づく異なるpH帯電流体と、対応する好ましいpHで帯電された等価電荷添加剤とを含有するBMFウェブの典型的なQFを提供することに加え、構造モデルに対するPAを表6に報告する。これらの結果は、分子のPAが添加剤の帯電性質と両様に良く相関することを示唆する。最初の観測結果は、約230kcal/molを超えるPA値は、酸性の水スプレーで帯電されるウェブ試料の性能を改善し、約230kcal/mol未満のPA値を有する添加剤は、酸性の水スプレーと接触するウェブ試料の性能を改善しないことである。
【0175】
脱プルトンエンタルピー:全てのモデルシステムに対するΔHdpを表6に報告する。これらの結果は、分子のΔHdpがPAに類似する手段で添加剤の帯電性質と良く相関すことを示唆する。最初の観測結果は、約335kcal/mol未満のΔHdp値は、添加剤が塩基性の水スプレーで帯電されるウェブ試料の性能を改善し、約335kcal/molを超えるΔHdp値を有する添加剤が、塩基性の水スプレーと接触する時に試料の帯電挙動を改善しないことを示唆する。我々は、脱プロトンが発熱プロセスであり、よって、より小さい数が好まれることに留意する。
【0176】
対応する電荷添加剤のモデル化に使用された化学化合物
【化5】

【0177】
【表12】

【0178】
DI水:脱イオン水、測定されたDI水のpHは、実施例62及び65において7.5、並びに実施例61、63、64及び66において8.2であった。
酸性水:50ppm CHCOOHを有する水、測定された酸性水のpHは、実施例61、63、64及び66において4.2、並びに実施例62及び65において4.4であった。
塩基性水:50ppm NaCOを有する水、測定された塩基性水のpHは、実施例62及び65において10.1、並びに実施例61、63、64及び66において10.4であった。
【0179】
実施例67〜110
上記の特定の電荷添加剤の特性の算定に加え、広範な電荷添加剤の帯電特性は、電荷添加剤の化学範囲を判断するために算出された。化学範囲を判断するために、式(1)及び(2)として上記に示す2つの添加剤クラスを検証した。式(1)は、それに結合する3つの(NH)−CH−CH基を備える芳香族コアが存在する構造モデル−2を含み、式(2)は、3つのパラ置換アニリン誘導体に結合される芳香族コアが存在する構造モデル3、4、5及び6を含む。これらの構造における芳香族コアは、異なる芳香族性を有するように選択され、式(2)におけるR基は、それらの電子求引性/放出力に基づき選択される。芳香族性を増加するために、芳香環は、トリアジン、ピリミジン、ピリジン及びベンゼン(Shishkin,O.V.;Pichugin,K.Y.;Gorb,L.;Leszczynski,J.616 J.Mol.Struc.159(2002))である。電子求引性を増加するために、R基は、(NH)−CH、−OH、−O−CH、−CH、−H、−F、−C(=O)−NH−CH、−C(=O)−O−CH、CF及び−NOである。電子吸引性の強度は、Hammett−Sigmaパラメータであるσ(Dean,J.A.,Physicochemical Relationships.Lange’s Handbook of Chemistry,15th Edition;McGraw−Hill:New York,1999)で定量化される。
【0180】
PA及びΔHdp値は、上述の式(1)及び(2)の添加剤に対して算出され、表7に報告される。これらの算出に基づき、全ての式(1)添加剤(実施例67〜70)は、これらのPA値が230kcal/molを大きく超え、それらのΔHdp値が335kcal/molを大きく超え、よって、酸性帯電流体(pH<7)でより良く帯電されることが予測される時、塩基性添加剤である。
【0181】
実施例71〜106の目的は、R基の電子吸引性/放出力がどのようにして電荷添加剤の酸性又は塩基性に影響するのかを示すためである。Rが電子放出、すなわち、σ<0.0の時、分子はより塩基性になり、Rが電子供与性、すなわちσ>0.0の時、添加剤は、より酸性になる。酸性と塩基性添加剤との間の遷移におけるσの正確値は、芳香族コアに依存する。例えば、トリアジンを用いた添加剤における酸性と塩基性との間の遷移は、σ≒0の時に生じ、ベンゼンコアを用いた添加剤における酸性と塩基性との間の遷移は、σ≒0.32の時に生じる。
【0182】
【表13】

【0183】
本発明は、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変形及び変更を加えられてもよい。したがって、この発明は、上記に限定されないが、以下の請求項及び全てのその等価物に詳述する制限によって規制される。
【0184】
本発明はまた、本明細書に具体的に開示されないいずれかの要素がない場合でも、好適に実施されることがある。
【0185】
上記の全ての特許及び特許出願は、背景技術部分のものを含め、全体的に参考として本明細書に組み込まれる。そのような組み込まれる文献の開示と上記明細書との間に不一致又は矛盾がある限りにおいては、上記明細書が優先する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレクトレット物品を作製する方法であって、
(a)帯電されるポリマー物品を提供する工程と、
(b)帯電される前記ポリマー物品を以下のpH及び伝導度を有する水性液と接触させる工程であって、
(i)前記物品が−7.5mV以下のゼータ電位を有する場合、前記接触液は7を超えるpHと、1センチメートル当り約5〜9,000マイクロシーメンスの伝導度とを有し、
(ii)前記物品が−7.5mVを超えるゼータ電位を有する場合、前記接触液は7以下のpHと、1センチメートル当り約5〜5,500マイクロシーメンスの伝導度とを有する、工程と、
(c)前記物品を乾燥させる工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記水性液は、7〜3,000microS/cmの伝導度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水性液は、10〜1,000microS/cmの伝導度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ポリマー物品は、230kcal/molを超えるプロトン親和性と、335kcal/molを超える脱プロトン化エンタルピーとを有するN−置換アミノ芳香族添加剤を含有し、前記水性液は、7以下のpHと、5〜5,500microS/cmの伝導度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリマー物品は、335kcal/mol未満の脱プロトン化エンタルピーと、230kcal/mol未満のプロトン親和性とを有するアミノ置換芳香族添加剤を含有し、前記水性液は、7を超えるpHと、5〜9,000マイクロシーメンスmicroS/cmの伝導度とを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリマー物品は、室温で、1014オーム−cm以上の体積固有抵抗を有するポリマー材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記体積固有抵抗は、約1016オーム−cm以上である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリマー物品は、繊維を含み、坪量が約2〜500g/mで、厚さが約0.25〜20mmであり、硬度が約1〜25パーセントの不織布ウェブの形態である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記不織布ウェブは、坪量が約20〜150g/mで、厚さが約0.5〜2mmであり、硬度が約3〜10パーセントである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
帯電される前記ポリマー物品は、以下に記載する式1又は2の化合物を含む添加剤を含み、
【化1】


式中、Arは、0〜3個の窒素原子で置換される三価の芳香族基であり、nは、1〜20の整数であり、それぞれのRは、独立して、約20個未満の非水素非金属原子を有する基であってもよい、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
それぞれのRが、独立して、水素、ハロゲン、20個の炭素原子を有するアルキル、1〜20個の炭素原子を有するハロゲン置換アルキル、2〜20個の炭素原子を有するエステル、2〜20個の炭素原子を含有する置換アミン、及びそれらの組み合わせであってもよい、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記水性液は、精製水を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記水性液は、60体積パーセントの水を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記水性液は、80体積パーセントの水を含有し、前記エレクトレット物品は、pHが連続して測定される連続プロセスにより作製される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記乾燥させる工程は、真空、加熱、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ポリマー物品は、ポリプロピレンを含むマイクロファイバーを含有する繊維性不織布ウェブである、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記マイクロファイバーは、メルトブロウンマイクロファイバーである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
フィルターエレメントを作製する方法であって、請求項16に記載の不織布ウェブをフィルターカートリッジ又はマスク本体に設置する工程、を含む、方法。
【請求項19】
呼吸マスクを作製する方法であって、請求項16に記載の不織布ウェブを人の鼻及び口を覆って着用されるように適合されるマスク本体に設置する工程であって、前記不織布ウェブは、前記呼吸マスクのユーザーにより吸入される前に、濾過されるべき空気が前記不織布ウェブを通過するように前記マスク本体に配置される工程、を含む、方法。
【請求項20】
繊維性エレクトレット物品を作製する方法であって、
(a)室温で、1014オーム−cm以上の体積固有抵抗を有する繊維を含有する不織布ウェブを提供する工程と、
(b)前記不織布ウェブを以下のpH及び伝導度を有する水性液と接触させる工程であって、
(i)前記物品が−7.5mV以下のゼータ電位を有する場合、前記接触液は7を超えるpHと、1センチメートル当り約5〜9,000マイクロシーメンスの伝導度とを有し、
(ii)前記物品が−7.5mVを超えるゼータ電位を有する場合、前記接触液は7以下のpHと、1センチメートル当り5〜5,500マイクロシーメンスの伝導度とを有する、工程と、
(c)前記不織布ウェブを乾燥させる工程と、を含む方法。
【請求項21】
前記不織布ウェブは、マイクロファイバーを含有し、1.5/mmHO以上の品質係数を示す、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記示される品質係数は、2mmH−1以上である、請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−522137(P2011−522137A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512486(P2011−512486)
【出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/040426
【国際公開番号】WO2009/148703
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】