説明

ソケット

【課題】一対のL字形のランプピンを有する直管形ランプを所定の装着位置に案内できるソケットを提供する。
【解決手段】ソケット16には、直管形ランプ12の一対のL字形のランプピン29を挿入し、回転させることで装着する。ソケット16は、ソケット本体41と、ソケット本体41内に配置する回転子42および一対の端子43とを備える。直管形ランプ12の装着時に直管形ランプ12に対向するソケット本体41の正面に対して交差する面に、一対のランプピン29が挿入可能な挿入口49を設ける。ソケット本体41の正面に、挿入口49と連通するとともに、一対のランプピン29が回転可能な開口部50を設ける。ソケット本体41の開口部50の縁部に、ランプ回転方向に沿って正面側から背面側へ突出傾斜する傾斜部55を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、直管形ランプの一対の脚部およびこれら脚部の先端から互いに離れるように外方に向かう屈曲部を有する一対のL字形のランプピンを挿入し、回転させることで装着するソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、円柱状の一対のランプピンが突出されたG13形口金を両端に有する直管形の蛍光ランプ、およびこの蛍光ランプを接続するソケットを用いた照明装置が多く使用されている。
【0003】
ソケットには、回転装着式のものがあり、直管形蛍光ランプの一対のランプピンをソケットの先端側から挿入して直管形蛍光ランプをソケットの正面側に配置した後、直管形蛍光ランプをソケットに対して回転させることにより、一対のランプピンがソケット内に配置されている一対の端子に電気的に接続されるとともに保持される構成となっている。
【0004】
また、LED素子を用いた直管形ランプが提案されている。この直管形ランプでは、従来と同様にG13形口金を用いた直管形ランプの他に、一対のL字形のランプピンを有する口金を備えた直管形ランプがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−100402号公報
【特許文献2】実用新案登録第3152509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、一対のL字形のランプピンを有する直管形ランプの装着について十分な検討がなされていない。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、一対のL字形のランプピンを有する直管形ランプを所定の装着位置に案内できるソケットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態のソケットには、直管形ランプの一対のL字形のランプピンを挿入し、回転させることで装着する。ソケットは、ソケット本体と、ソケット本体内に配置する回転子および一対の端子とを備える。直管形ランプの装着時に直管形ランプに対向するソケット本体の正面に対して交差する面に、一対のランプピンが挿入可能な挿入口を設ける。ソケット本体の正面に、挿入口と連通するとともに、一対のランプピンが回転可能な開口部を設ける。ソケット本体の開口部の縁部に、ランプ回転方向に沿って正面側から背面側へ突出傾斜する傾斜部を設ける。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、一対のL字形のランプピンを有する直管形ランプを所定の装着位置に案内することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施形態を示すソケットのカバーを外して背面側から見た斜視図である。
【図2】同上ソケットに対する直管形ランプの装着例を示し、(a)は直管形ランプが所定の装着位置にある状態の断面図、(b)は直管形ランプが所定の装着位置よりもソケット本体の正面から離れた状態の断面図、(c)は直管形ランプが所定の装着位置よりもソケット本体の正面から離れた他の状態の断面図である。
【図3】同上ソケットおよび直管形ランプの一部を示す斜視図である。
【図4】同上ソケットの分解状態の斜視図である。
【図5】同上ソケットに接続する直管形ランプの斜視図である。
【図6】同上ソケットを用いた照明器具の側面図である。
【図7】同上照明器具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0012】
図6および図7に直管形蛍光ランプ2灯用タイプの埋込形照明器具である照明器具11を示し、この照明器具11には2本の直管形ランプ12が用いられている。
【0013】
照明器具11は、天井面に埋め込み設置される下面開放形の長尺な器具本体15、この器具本体15の長手方向の両端に対向配置されて各直管形ランプ12の端部がそれぞれ装着される2組のソケット16,17、および器具本体15に配置されて直管形ランプ12を点灯させる点灯装置18を備えている。直管形ランプ12の一端側を装着する一端側のソケット16は給電側であり、直管形ランプ12の他端側を装着する他端側のソケット17は非給電側であってアース側である。なお、アース側のソケット17は、直管形ランプ12のアース接続と取り付けとを兼ねる場合、直管形ランプ12の取り付けのみを行う場合とがあり、いずれでもよい。
【0014】
図5に示すように、直管形ランプ12は、直管形蛍光ランプの発光管と同程度の管長および管径で直管形に形成されたチューブである透光性カバー21、この透光性カバー21内に収容された光源ユニット22、および透光性カバー21の両端部にそれぞれ設けられた口金23,24を備えている。直管形ランプ12の一端側の口金23は給電側のソケット16に装着される給電側であり、直管形ランプ12の他端側の口金24はアース側のソケット17に装着される非給電側であるアース側である。なお、アース側の口金24は、ソケット17に対してアース接続と取り付けとを兼ねる場合、ソケット17に対して取り付けのみを行う場合とがあり、いずれでもよい。
【0015】
光源ユニット22は、例えばLED素子やEL素子などの複数の半導体発光素子25が実装された複数の基板26、およびこれら基板26を取り付けた取付板27を備えている。半導体発光素子25の実装方式には、LED素子の場合、基板26上にLEDチップが搭載された接続端子付きの複数のSMD(Surface Mount Device)パッケージを実装する方式や、基板26上に複数のLED素子を実装するCOB(Chip On Board)方式が用いられている。
【0016】
図3に示すように、給電側の口金23の端面には、径方向に沿って突出する突条部28が形成され、この突条部28から光源ユニット22と電気的に接続された一対のランプピン29が突出されている。これらランプピン29は、断面四角形状の平板で形成されているとともに、直管形ランプ12の長手方向に沿って突出する脚部29a、およびこれら脚部29aの先端から他方の脚部29aに対して互いに離れるように外方に向けて突出する屈曲部29bを有するL字形に折曲形成されている。そして、ランプピン29の板厚は1mm、一対のランプピン29の脚部29aの中心間の距離は16mm、一対のランプピン29の脚部29aが対向する距離は15mmとなっている。それに対し、G13形口金は、一対のランプピンの直径が2.29〜2.67mm、一対のランプピンの中心間の距離が12.7mm、一対のランプピンの外側間の距離が15.17mmである。したがって、給電側の口金23の一対のランプピン29は、G13形口金の一対のランプピンと比較して、形状が異なるとともに、G13形口金の一対のランプピンよりも間隔が広く、G13形口金とは互換性がない。
【0017】
図6に示すように、アース側の口金24の端面には、その端面の管軸中心から1本のアースピン30が突出されている。このアースピン30は、口金24から突出する円柱状の脚部30a、およびこの脚部30aの先端に設けられた楕円形状(長円形状)の保持部30bを有している。
【0018】
なお、直管形ランプ12は、一対のランプピン29が並ぶ方向と、アースピン30の保持部30bの長手方向とが一致されているとともに、これらの方向に平行な面と光源ユニット22の半導体発光素子25の発光面とが平行になるように設けられている。すなわち、直管形ランプ12がソケット16,17間に正しく装着された状態で、光源ユニット22の半導体発光素子25の発光面からの光を所定の照射方向に照射できるように設けられている。
【0019】
図6に示すように、ソケット16,17は、これらソケット16,17の先端面から一対のランプピン29およびアースピン30を所定の装着位置に挿入し、直管形ランプ12の管軸を中心として90°回転させることにより所定の装着位置に装着する回転装着式が用いられている。
【0020】
次に、図1ないし図4に、給電側のソケット16を示す。このソケット16は、ソケット本体41、このソケット本体41内に配置される回転子42および一対の端子43を備えている。なお、以下、ソケット16に関して、器具本体15に取り付ける側を基端、およびその反対側を先端と呼び、装着時に直管形ランプ12の端面に対向する面を前面、その反対側を背面、および前面と背面との間を側面と呼ぶ。
【0021】
ソケット本体41は、絶縁性を有する合成樹脂製であり、背面が開口されたケース46、およびこのケース46の背面に取り付けられるカバー47を備えている。
【0022】
ケース46の基端には器具本体15に取り付けられる取付部48が設けられ、ケース46の先端面には直管形ランプ12の一対のランプピン29が挿入可能な挿入口49が形成され、ケース46の前面には挿入口49が連通されていて挿入口49から挿入された一対のランプピン29の脚部29aが回転可能な円形の開口部50が形成されている。
【0023】
ケース46内には、一対の端子43の基端側を保持する一対の端子保持部51が形成されているとともに、一対の端子43の先端側を保持する一対の端子保持部52が形成されている。ケース46の基端には、各端子保持部51に連通する電線挿入孔53が形成されている。
【0024】
ケース46内で、先端の挿入口49とは反対側であってその挿入口49に対向する開口部50の縁部には、壁部54が正面側から背面側に向けて垂直に突出形成されている。この壁部54は、直管形ランプ12がソケット16に対して所定の装着位置にある状態では、挿入口49から先に挿入された一方のランプピン29の屈曲部29bが壁部54より背面側に侵入して脚部29aが壁部54に当接し、直管形ランプ12がソケット16に対して所定の挿入位置に挿入されるのを許容し、また、直管形ランプ12がソケット16に対して所定の装着位置よりもソケット本体41の正面から大きく離れている状態では、挿入口49から先に挿入された一方のランプピン29の屈曲部29bの先端が壁部54に当接し、直管形ランプ12がソケット16に対して所定の挿入位置に挿入されるのを規制するように構成されている。
【0025】
さらに、ケース46内において、開口部50の縁部で、挿入口49からのランプピン29の挿入域の両側位置であって、壁部54の両側位置および挿入口49の両側位置の4箇所に、ランプ回転方向に沿ってケース46の正面側から背面側へ突出傾斜する傾斜部55が形成されている。これら傾斜部55は、開口部50の内周縁に沿って湾曲されていてケース46の背面側へ垂直に突出するリブ55a、およびこのリブ55aの背面側に形成された傾斜面55bで構成されている。傾斜面55bは、壁部54および挿入口49の位置から回転方向に離れていくのに従って背面側へ突出するように傾斜されている。
【0026】
傾斜部55は、挿入口49から開口部50内に挿入されて回転される一対のランプピン29の屈曲部29bが乗り上げることが可能な領域に形成されている。この傾斜部55の背面側への突出寸法が最も小さい一端側は、壁部54の突出寸法と同一で、ソケット16に対して所定の挿入位置に挿入された直管形ランプ12の一対のランプピン29の屈曲部29bが乗り上げ可能に構成されている。傾斜部55の背面側への突出寸法が最も大きい他端側は、ケース46内の端子保持部51,52に保持された端子43の背面側の縁より大きく、ランプピン29の屈曲部29bを端子43より背面側に案内可能に構成されている。
【0027】
また、カバー47の前面には、ケース46の背面を閉塞した状態でケース46に係止される複数の係止部58が形成され、ケース46との間で各端子43を位置決め保持する複数の保持突部59が突設されている。さらに、カバー47の前面には、ケース46の開口部50と同心円位置に、回転子42を回転可能に支持する一対の支持部60が突設されているとともにこれら支持部60の周囲に沿ってガイド壁61が突出形成されている。一対の支持部60間にはランプピン29が通過可能とする溝部60aが形成され、一対の支持部60の先端には回転可能に支持した回転子42を抜け止め係止する爪部60bが形成されている。また、ガイド壁61は、回転子42に所定の回転位置で節度を付与するための切欠部61aが90°毎に形成されている。
【0028】
また、回転子42は、絶縁性を有する合成樹脂製で、カバー47の支持部60の周囲に回転可能に嵌合される円筒状に形成されている。回転子42の前寄り位置には、ランプピン29の通過を許容する溝部64が径方向に沿って形成されている。
【0029】
回転子42の前部はケース46の開口部50内に回転可能に配置され、この回転子42の前面にはケース46の前面より突出して直管形ランプ12の口金23の突条部28がスライド嵌合する一対の嵌合突部65が突出形成されている。
【0030】
回転子42の後部は支持部60とガイド壁61との間に配置され、この回転子42の後部外周面で溝部64の溝方向と平行な2箇所に、一対の突部66が突出形成されている。突部66がガイド壁61の切欠部61aに係合して回転子42の回転位置に節度を付与し、突部66の周辺で回転子42の一部が弾性変形することで突部66がガイド壁61の内周面に接触するとともにその内周面を摺動して回転子42の回転が許容される。
【0031】
また、端子43は、導電性を有する板ばねによって形成されており、ケース46の基端側の端子保持部51に配置される電線接続部69、ケース46の先端側の端子保持部52に配置される先端部70、およびこれら電線接続部69と先端部70との間の中間部にランプピン29と接続される接続板部71が形成されている。
【0032】
電線接続部69には、電線挿入孔53から挿入される電線が挿通する挿通孔72、およびこの挿通孔72に挿通された電線に電気的に接続されるとともに電線を抜け止めする鎖錠片73を有している。
【0033】
接続板部71には、ランプピン29の脚部29aが接触する接触面側に窪む端子保持部74が形成されている。この端子保持部74には、窪み面74a、およびこの窪み面74aの両端に一対の傾斜面74bを有している。端子43は、ランプピン29との接続状態で、端子保持部74の両傾斜面74bがランプピン29の断面四角形状の脚部29aの外側2箇所の角部にそれぞれ2点接触するように構成されている。
【0034】
接続板部71の中間部に位置する端子保持部74の幅寸法は、接続板部71の端子保持部74より両端側の幅寸法に比べて広く形成されている。接続板部71の傾斜面74bの両側縁部は、幅広の窪み面74aの両側縁と接続板部71より両端側の両側縁とを連続して接続するように傾斜状に形成されている。
【0035】
なお、アース側のソケット17は、アースピン30の保持部30bの長手方向に沿って直管形ランプ12のアースピン30が挿入され、直管形ランプ12の管軸を中心に90°回転されることにより、アースピン30の保持部30bの長手方向がソケット17への挿入方向に対して横向きとなり、ソケット17内に配置されている端子に電気的に接続されるとともにソケット17に支持される。
【0036】
また、図7に示す点灯装置18は、商用交流電源が入力され、交流電力を直流電力に変換し、この直流電力を給電側のソケット16の一対の端子43および直管形ランプ12の一対のランプピン29を通じて光源ユニット22に供給する。
【0037】
次に、このように構成された照明器具11において、直管形ランプ12を接続する場合には、図6に示すように、ソケット16,17の先端面から直管形ランプ12の一対のランプピン29およびアースピン30をそれぞれ挿入し、直管形ランプ12の管軸を中心として90°回転させることにより、直管形ランプ12をソケット16,17間に装着する。
【0038】
直管形ランプ12のランプピン29を給電側のソケット16に装着する場合(図3参照)、直管形ランプ12の一対のランプピン29を、ケース46の挿入口49から、回転子42の溝部64およびカバー47の支持部60の溝部60aを通じて、ケース46の開口部50内に挿入する。
【0039】
このとき、図2(a)に示すように、直管形ランプ12がソケット16に対して所定の装着位置にある場合には、挿入口49から先に挿入された一方のランプピン29の屈曲部29bがケース46の壁部54より背面側に侵入して脚部29aが壁部54に当接して、一対のランプピン29がケース46の開口部50内に配置され、直管形ランプ12がソケット16に対して所定の挿入位置に挿入される。このとき、直管形ランプ12の口金23の端面から突出する突条部28が回転子42の一対の嵌合突部65間に嵌り込む。
【0040】
この正常な挿入状態では、一対のランプピン29の屈曲部29bが、ケース46の傾斜部55の背面位置、およびケース46内に保持されている端子43の背面位置よりも背面側に配置される。
【0041】
また、図2(b)に示すように、例えば直管形ランプ12のアースピン30側かソケット17に対して挿入不十分な状態で直管形ランプ12が傾いており、直管形ランプ12がソケット16に対して所定の装着位置よりもソケット本体41の正面から大きく離れている状態では、挿入口49から先に挿入された一方のランプピン29の屈曲部29bの先端がケース46の壁部54に当接し、直管形ランプ12がソケット16に対して所定の挿入位置に挿入されるのが規制される。
【0042】
この不完全な挿入状態では、挿入口49に後から挿入された他方のランプピン29が挿入口49内に位置していて開口部50内には挿入されていないため、直管形ランプ12をソケット16に装着するために回転させようとしても、他方のランプピン29が挿入口49を形成しているケース46の部分に当接して直管形ランプ12を回転させることができず、不完全な挿入状態の直管形ランプ12がソケット16に装着されるのを防止できる。
【0043】
また、図2(c)に示すように、直管形ランプ12がソケット16に対して所定の装着位置よりもソケット本体41の正面から離れていても、挿入口49から先に挿入された一方のランプピン29の屈曲部29bがケース46の壁部54より背面側に侵入している場合には、挿入口49から先に挿入された一方のランプピン29の屈曲部29bがケース46の壁部54より背面側に侵入して脚部29aが壁部54に当接して、一対のランプピン29がケース46の開口部50内に配置され、直管形ランプ12がソケット16に対して所定の挿入位置に挿入される。
【0044】
この挿入状態では、仮にこの位置で直管形ランプ12が回転したときの一対のランプピン29の屈曲部29bの回転軌跡が、ケース46の傾斜部55の傾斜面55b、およびケース46内に保持されている端子43と干渉する領域に配置される。
【0045】
そして、直管形ランプ12がソケット16に対して所定の挿入位置に挿入された状態(図2(a)または(c)の状態)では、直管形ランプ12をソケット16に対して回転させることが可能である。
【0046】
直管形ランプ12の光の放射方向が所定の照射方向に向くように、直管形ランプ12の管軸を中心として接続位置まで90°回転させる。これにより、少なくとも一対のランプピン29がカバー47の支持部60より外径側で回転子42に当接し、直管形ランプ12と一緒に回転子42が回転する。直管形ランプ12がソケット16に対して所定の装着位置にある状態では、一対のランプピン29がカバー47の支持部60より外径側で回転子42に当接することに加えて、口金23の突条部28が回転子42の嵌合突部65に当接することによっても、直管形ランプ12と一緒に回転子42が回転する。
【0047】
直管形ランプ12を回転させたとき、図2(a)に示すように、直管形ランプ12がソケット16に対して所定の装着位置にある場合には、直管形ランプ12の回転に伴って、一対のランプピン29の屈曲部29bが、ケース46の傾斜部55やケース46内に保持されている端子43に干渉することなく、その端子43の背面側に移動する。
【0048】
また、直管形ランプ12を回転させたとき、図2(c)に示すように、直管形ランプ12がソケット16に対して所定の装着位置よりもソケット本体41の正面から離れていても、挿入口49から先に挿入された一方のランプピン29の屈曲部29bがケース46の壁部54より背面側に侵入している場合には、図1に示すように、直管形ランプ12の回転に伴って、一対のランプピン29の屈曲部29bが回転方向に対応するケース46の一対の傾斜部55の傾斜面55bに当接して乗り上げる。
【0049】
これら傾斜部55の傾斜面55bは直管形ランプ12の回転方向に沿ってケース46の背面側に突出傾斜しているため、傾斜部55の傾斜面55bに沿って一対のランプピン29の屈曲部29bが回転しながら背面側に移動し、直管形ランプ12がソケット本体41の正面に近付き、直管形ランプ12がソケット16に対して所定の装着位置に自動的に引き込まれる。
【0050】
このとき、一対のランプピン29の屈曲部29bが一対の傾斜部55に乗り上げている状態では、一対のランプピン29の脚部29aが一対の傾斜部55のリブ55aや開口部50の縁部により、一対のランプピン29が互いに対向する方向への移動が規制されるため、一対のランプピン29の屈曲部29bが一対の傾斜部55に乗り上げた状態が確実に維持される。
【0051】
このようにして、直管形ランプ12がソケット16に対して所定の装着位置に位置し、一対のランプピン29の屈曲部29bが、ケース46内に保持されている端子43に干渉することなく、その端子43の背面側に移動する。
【0052】
そして、直管形ランプ12の回転途中で、一対のランプピン29の脚部29aが一対の端子43の接続板部71に接触し、この接続板部71を外側に弾性変形させる。
【0053】
回転子42が回転するとき、回転子42の突部66がガイド壁61の切欠部61aから外れてガイド壁61の内周面を摺動しながら回転しており、一対のランプピン29が接続位置まで回転すると、回転子42の突部66がガイド壁61の隣に位置する切欠部61aに嵌り込み、直管形ランプ12の回転に負荷が加わり、直管形ランプ12を接続位置に回転させたことを確認できる。
【0054】
直管形ランプ12を所定の接続位置に回転させると、回転子42の溝部64がケース46の挿入口49の位置から外れてケース46の開口部50の縁部で閉鎖され、一対のランプピン29がケース46の挿入口49から脱落するのが防止される。さらに、一対のランプピン29の屈曲部29bが端子43の背面側に配置され、ランプピン29がケース46の開口部50から脱落するのが防止される。
【0055】
そして、直管形ランプ12を所定の接続位置に回転させると、一対の端子43の接続板部71に設けられた端子保持部74の両傾斜面74bに一対のランプピン29の断面四角形状の脚部29aの各外側2箇所の角部がそれぞれ接触し、各端子43が各ランプピン29にそれぞれ2点接触した状態で保持される。
【0056】
一方、直管形ランプ12のアースピン30は、アースピン30の保持部30bの長手方向に沿って直管形ランプ12のアースピン30が挿入され、直管形ランプ12の管軸を中心に90°回転されることにより、アースピン30の保持部30bの長手方向がソケット17への挿入方向に対して横向きとなり、ソケット17内に配置されている端子に電気的に接続されるとともにソケット17に支持される。
【0057】
そして、点灯装置18の動作により、点灯装置18からの直流電力が給電側のソケット16の一対の端子43および直管形ランプ12の一対のランプピン29を通じて光源ユニット22に供給され、光源ユニット22の各半導体発光素子25が点灯し、各半導体発光素子25からの光が透光性カバー21を透過して照明器具11の下方の所定の照射方向へ照射される。
【0058】
また、直管形ランプ12を外す場合には、直管形ランプ12を装着時とは反対方向に90°回転させる。これにより、給電側のソケット16においては、一対のランプピン29と一緒に回転する回転子42の溝部64がケース46の挿入口49に一致するため、ケース46の挿入口49を通じて一対のランプピン29を抜き外すことができる。一方、アース側のソケット17においては、アースピン30の保持部30bの長手方向がソケット17に対する挿入方向と一致し、アースピン30をソケット17から抜き外すことができる。
【0059】
このように、本実施形態の給電側のソケット16では、ソケット本体41の開口部50の縁部に、ランプ回転方向に沿って正面側から背面側へ突出傾斜する傾斜部55を設けたため、一対のL字形のランプピン29をソケット本体41の挿入口49から開口部50に挿入した直管形ランプ12が所定の装着位置よりもソケット本体41の正面から離れた状態で、この直管形ランプ12を回転させた場合でも、ランプピン29の屈曲部29bが傾斜部55に乗り上げ、この傾斜部55によって直管形ランプ12を所定の装着位置に案内でき、直管形ランプ12を所定の装着位置に確実に装着できる。
【0060】
また、ソケット本体41の挿入口49とは反対側であってその挿入口49に対向する開口部50の縁部に、直管形ランプ12がソケット16に対して所定の装着位置よりもソケット本体41の正面から大きく離れている状態でのランプピン29の挿入を規制する壁部54を設けたため、不完全な挿入状態の直管形ランプ12がソケット16に装着されるのを防止できる。
【0061】
また、一対のランプピン29の屈曲部29bが一対の傾斜部55に乗り上げている状態では、一対のランプピン29の脚部29aが一対の傾斜部55のリブ55aや開口部50の縁部により、一対のランプピン29が互いに対向する方向への移動が規制されるため、一対のランプピン29の屈曲部29bが一対の傾斜部55に乗り上げた状態を確実に維持できる。
【0062】
また、端子43の接続板部71の中間部に位置する端子保持部74の幅寸法を、接続板部71の端子保持部74より両端側の幅寸法に比べて広く形成しているため、端子保持部74のばね性を増強し、この端子保持部74に接続されたランプピン29を確実に保持できる。また、接続板部71の全体の幅寸法を広くすると、直管形ランプ12の装着時に回転するランプピン29の屈曲部29bが端子板部71に干渉して端子43を無理に変形させるおそれがあるが、直管形ランプ12の装着時に回転するランプピン29の屈曲部29bが端子43の背面側に移動する領域、すなわち端子保持部74の両端の領域は幅寸法を広くせず、端子保持部74のみ幅寸法を広くすることで、ランプピン29を保持するばね性を増強したうえで、回転するランプピン29の屈曲部29bが端子43と干渉するのを防止できる。
【0063】
なお、壁部54は設けたほうが好ましいが、壁部54がない場合でも傾斜部55によって直管形ランプ12を所定の装着位置に案内できるため、壁部54は設けなくてもよい。
【0064】
また、端子43は、電線接続部69側の幅寸法も広くしてばね性を増強してもよい。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
12 直管形ランプ
16 ソケット
29 ランプピン
29a 脚部
29b 屈曲部
41 ソケット本体
42 回転子
43 端子
49 挿入口
50 開口部
54 壁部
55 傾斜部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直管形ランプの一端に設けられた一対の脚部およびこれら脚部の先端から互いに離れるように外方に向かう屈曲部を有する一対のL字形のランプピンを挿入し、回転させることで装着するソケットであって、
前記直管形ランプの装着時に前記直管形ランプに対向する正面に対して交差する面に設けられ、前記一対のランプピンが挿入可能な挿入口と、前記正面に前記挿入口と連通して設けられ、前記ランプピンの一対の脚部が回転可能な開口部と、この開口部の縁部に設けられ、ランプ回転方向に沿って正面側から背面側へ突出傾斜する傾斜部とを有するソケット本体と;
このソケット本体内に配設され、前記直管形ランプの回転とともに前記ソケット本体に対して回転する回転子と;
前記ソケット本体内に配設され、前記一対のランプピンとそれぞれ電気的に接続される一対の端子と;
を具備していることを特徴とするソケット。
【請求項2】
前記ソケット本体は、前記挿入口に対向する前記開口部の縁部に設けられ、前記直管形ランプが所定の装着位置よりも前記ソケット本体の正面から離れた状態での前記挿入口からの前記ランプピンの挿入を規制する壁部を備える
ことを特徴とする請求項1記載のソケット。
【請求項3】
前記端子は、一端部および他端部が前記ソケット本体に保持され、中間部に前記ランプピンが接続されるとともにこの中間部の幅寸法が一端部および他端部に比べて広く形成されている
ことを特徴とする請求項1または2記載のソケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−142198(P2012−142198A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−294399(P2010−294399)
【出願日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】