説明

ソニック・ヘッジホッグホモログに対する抗体およびその使用

本発明は、ヒトのソニック・ヘッジホッグホモログ(Shh)に対する標的結合剤およびかかる薬剤の使用に関する。さらに具体的には、本発明は、Shhを指向する完全ヒトモノクローナル抗体に関する。記載したこれらの標的結合剤は、Shhの活性および/または過剰生産と関連する疾患の治療において、ならびに診断として有用である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソニック・ヘッジホッグホモログ(Shh)と特異的に結合する単離した抗体であり、以下の特性:
BIAcoreによりヒトShhと120pM未満のKで結合する;
Shhに誘導される細胞の骨芽細胞分化を阻害する;
colo205異種移植腫瘍におけるマウスGli1のmRNAレベルの80%超の減少を示す;
colo205異種移植腫瘍におけるマウスPatched−1のmRNAレベルの70%超の減少を示す;または
デザート・ヘッジホッグに対する非結合を示す、
のうちの1つまたは複数を示す抗体。
【請求項2】
前記抗体が哺乳動物における腫瘍の増殖および/または転移を阻害する、請求項1に記載の単離した抗体。
【請求項3】
前記抗体がShhと100pM未満のKで結合する、請求項1または2のいずれか一項に記載の単離した抗体。
【請求項4】
前記抗体が任意の1つの1A12、1G12、1H10、3H8、4B6、1G1、1F4、1H8、1H12、1C8、1A5、6D7、6D7OP、6D7OP2またはそれらの任意の最適バージョンの抗体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の単離した抗体。
【請求項5】
前記抗体がモノクローナル抗体1G12である、請求項4に記載の単離した抗体。
【請求項6】
前記抗体がモノクローナル抗体3H8である、請求項4に記載の単離した抗体。
【請求項7】
前記抗体がモノクローナル抗体6D7である、請求項4に記載の単離した抗体。
【請求項8】
前記抗体がモノクローナル抗体6D7OPである、請求項4に記載の単離した抗体。
【請求項9】
前記抗体が配列番号46の配列を含み、ここで配列番号46は表10の各行に示される生殖系列および非生殖系列残基の任意の1つの固有の組み合わせを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の単離した抗体。
【請求項10】
前記抗体が配列番号48の配列を含み、ここで配列番号48は表11の各行に示される生殖系列および非生殖系列残基の任意の1つの固有の組み合わせを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の単離した抗体。
【請求項11】
前記抗体が配列番号14の配列を含み、ここで配列番号14は表12の各行に示される生殖系列および非生殖系列残基の任意の1つの固有の組み合わせを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の単離した抗体。
【請求項12】
前記抗体が配列番号16を含み、ここで配列番号16は表13の各行に示される生殖系列および非生殖系列残基の任意の1つの固有の組み合わせを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の単離した抗体。
【請求項13】
Shhへの結合に対して、任意の1つの抗体1A12、1G12、1H10、3H8、4B6、1G1、1F4、1H8、1H12、1C8、1A5、6D7、6D7OPまたはそれらの任意の最適バージョンと競合する完全ヒトモノクローナル抗体。
【請求項14】
任意の1つの抗体1A12、1G12、1H10、3H8、4B6、1G1、1F4、1H8、1H12、1C8、1A5、6D7、6D7OPまたはそれらの任意の最適バージョンと同じShh上のエピトープに結合する、完全ヒトモノクローナル抗体。
【請求項15】
以下
a)表9に示すCDR3配列;
b)表9に示す任意の1つのCDR1、CDR2もしくはCDR3配列;
c)表9に示す可変軽鎖配列のCDR1、CDR2およびCDR3配列;または
d)表9に示す可変重鎖配列のCDR1、CDR2およびCDR3配列
を含むアミノ酸配列を含む単離した抗体:。
【請求項16】
Shhと免疫特異的に結合し、以下:
(a)配列番号50のVH CDR1と同一のまたは配列番号50のVH CDR1に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号50のVH CDR1;
(b)配列番号50のVH CDR2と同一のまたは配列番号50のVH CDR2に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号50のVH CDR2;
(c)配列番号50のVH CDR3と同一のまたは配列番号50のVH CDR3に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号50のVH CDR3;
(d)配列番号54のVL CDR1と同一のまたは配列番号54のVL CDR1に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号54のVL CDR1;
(e)配列番号54のVL CDR2と同一のまたは配列番号54のVL CDR2に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号54のVL CDR2;ならびに
(f)配列番号54のVL CDR3と同一のまたは配列番号54のVL CDR3に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号54のVL CDR3
を含む抗体。
【請求項17】
前記抗体が以下:
(a)配列番号50のVH CDR1、CDR2およびCDR3;ならびに
(b)配列番号54のVL CDR1、CDR2およびCDR3
を含む、請求項16に記載の単離した抗体。
【請求項18】
Shhと免疫特異的に結合し、以下:
(a)配列番号14のVH CDR1と同一のまたは配列番号14のVH CDR1に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号14のVH CDR1;
(b)配列番号14のVH CDR2と同一のまたは配列番号14のVH CDR2に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号14のVH CDR2;
(c)配列番号14のVH CDR3と同一のまたは配列番号14のVH CDR3に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号14のVH CDR3;
(d)配列番号16のVL CDR1と同一のまたは配列番号16のVL CDR1に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号16のVL CDR1;
(e)配列番号16のVL CDR2と同一のまたは配列番号16のVL CDR2に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号16のVL CDR2;ならびに
(f)配列番号16のVL CDR3と同一のまたは配列番号16のVL CDR3に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号16のVL CDR3
を含む抗体。
【請求項19】
前記薬剤が以下:
(a)配列番号14のVH CDR1、CDR2およびCDR3ならびに
(b)配列番号16のVL CDR1、CDR2およびCDR3
を含む、請求項18に記載の単離した抗体。
【請求項20】
Shhと免疫特異的に結合し、以下:
(a)配列番号22のVH CDR1と同一のまたは配列番号22のVH CDR1に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号22のVH CDR1;
(b)配列番号22のVH CDR2と同一のまたは配列番号22のVH CDR2に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号22のVH CDR2;
(c)配列番号22のVH CDR3と同一のまたは配列番号22のVH CDR3に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号22のVH CDR3;
(d)配列番号24のVL CDR1と同一のまたは配列番号24のVL CDR1に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号24のVL CDR1;
(e)配列番号24のVL CDR2と同一のまたは配列番号24のVL CDR2に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号24のVL CDR2;ならびに
(f)配列番号24のVL CDR3と同一のまたは配列番号24のVL CDR3に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号24のVL CDR3
を含む抗体。
【請求項21】
前記抗体が以下:
(a)配列番号22のVH CDR1、CDR2およびCDR3;ならびに
(b)配列番号24のVL CDR1、CDR2およびCDR3
を含む、請求項20に記載の単離した抗体。
【請求項22】
免疫特異的にShhと結合し、配列番号22のアミノ酸と少なくとも90%の同一性を有する重鎖可変領域を含み、かつ配列番号24のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む抗体。
【請求項23】
免疫特異的にShhと結合し、配列番号50のアミノ酸と少なくとも90%の同一性を有する重鎖可変領域を含み、かつ配列番号54のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む抗体。
【請求項24】
前記抗体がモノクローナル抗体の結合断片である、請求項1〜23のいずれか一項に記載の単離した抗体。
【請求項25】
前記抗体が完全ヒトモノクローナル抗体である、請求項1〜24のいずれか一項に記載の単離した抗体。
【請求項26】
前記抗体がFab、Fab’、F(ab’)、FvおよびdAb断片からなる群から選択される、請求項1〜25のいずれか一項に記載の単離した抗体。
【請求項27】
以下:
PTA−9505という番号でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託されたMab6D7VLと命名されたプラスミドの中に、ポリヌクレオチドによってコードされる少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つの軽鎖CDRを含む可変軽鎖アミノ酸配列;
PTA−9506という番号でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託されたMab6D7VHと命名されたプラスミドの中に、ポリヌクレオチドによってコードされる少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つの重鎖CDRを含む可変重鎖アミノ酸配列;または
PTA−9506という番号でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託されたMab6D7VHと命名されたプラスミドの中に、ポリヌクレオチドによってコードされる少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つの重鎖CDRを含む可変重鎖アミノ酸配列、ならびにPTA−9505という番号でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託されたMab6D7VLと命名されたプラスミドの中に、ポリヌクレオチドによってコードされる少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つの軽鎖CDRを含む可変軽鎖アミノ酸配列
の任意の1つを含むアミノ酸配列を含む抗体。
【請求項28】
以下:
PTA−9504という番号でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託されたMab6D7VHOPと命名されたプラスミドの中に、ポリヌクレオチドによってコードされる少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つの重鎖CDRを含む可変重鎖アミノ酸配列;
PTA−9503という番号でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託されたMab6D7VLOPと命名されたプラスミドの中に、ポリヌクレオチドによってコードされる少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つの軽鎖CDRを含む可変軽鎖アミノ酸配列;または
PTA−9504という番号でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託されたMab6D7VHOPと命名されたプラスミドの中に、ポリヌクレオチドによってコードされる少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つの重鎖CDRを含む可変重鎖アミノ酸配列、ならびにPTA−9503という番号でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託されたMab6D7VLOPと命名されたプラスミドの中に、ポリヌクレオチドによってコードされる少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つの軽鎖CDRを含む可変軽鎖アミノ酸配列
の任意の1つを含むアミノ酸配列を含む抗体。
【請求項29】
以下:
PTA−9507という番号でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託されたMab1G1VHと命名されたプラスミドの中に、ポリヌクレオチドによってコードされる少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つの重鎖CDRを含む可変重鎖アミノ酸配列;
PTA−9509という番号でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託されたMab1G1VLと命名されたプラスミドの中に、ポリヌクレオチドによってコードされる少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つの軽鎖CDRを含む可変軽鎖アミノ酸配列;または
PTA−9507という番号でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託されたMab1G1VHと命名されたプラスミドの中に、ポリヌクレオチドによってコードされる少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つの重鎖CDRを含む可変重鎖アミノ酸配列、ならびにPTA−9509という番号でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託されたMab1G1VLと命名されたプラスミドの中に、ポリヌクレオチドによってコードされる抗体の少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つの軽鎖CDRを含む可変軽鎖アミノ酸配列
を含むアミノ酸配列を含む抗体。
【請求項30】
請求項1〜29のいずれか一項に記載の標的剤または抗体を含む組成物。
【請求項31】
前記抗体または請求項1〜30のいずれか一項に記載の抗体を含む医薬品組成物。
【請求項32】
前記抗体または請求項1〜31のいずれか一項に記載の抗体をコードする核酸分子。
【請求項33】
動物における悪性腫瘍を治療する方法であって、悪性腫瘍の治療を必要としている動物を選択すること、および請求項1〜32のいずれか一項に記載の抗体の治療有効量を前記動物に投与することを含む方法。
【請求項34】
前記動物がヒトである、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記抗体が完全ヒトモノクローナル抗体1A12、1G12、1H10、3H8、4B6、1G1、1F4、1H8、1H12、1C8、1A5、6D7、6D7OPまたはそれらの任意の最適バージョンからなる群から選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記悪性腫瘍が、黒色腫、小細胞肺ガン、非小細胞肺ガン、グリオーマ、肝細胞(肝臓)ガン、甲状腺腫瘍、胃(gastric)(胃(stomach))ガン、前立腺ガン、乳ガン、卵巣ガン、膀胱ガン、肺ガン、グリア芽腫、子宮内膜ガン、腎臓ガン、結腸ガン、膵臓ガン、食道ガン、頭頸部ガン、中皮腫、肉腫、胆管(biliary)ガン(胆管ガン(cholangiocarcinoma))、小腸腺ガン、小児悪性腫瘍および扁平上皮ガンからなる群から選択される、請求項33〜35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
悪性腫瘍を治療するための請求項30に記載の組成物の使用。
【請求項38】
前記悪性腫瘍が、黒色腫、小細胞肺ガン、非小細胞肺ガン、グリオーマ、肝細胞(肝臓)ガン、甲状腺腫瘍、胃(gastric)(胃(stomach))ガン、前立腺ガン、乳ガン、卵巣ガン、膀胱ガン、肺ガン、グリア芽腫、子宮内膜ガン、腎臓ガン、結腸ガン、膵臓ガン、食道ガン、頭頸部ガン、中皮腫、肉腫、胆管(biliary)ガン(胆管ガン(cholangiocarcinoma))、小腸腺ガン、小児悪性腫瘍および扁平上皮ガンからなる群から選択される、請求項37に記載の組成物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−502967(P2012−502967A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527408(P2011−527408)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【国際出願番号】PCT/GB2009/051218
【国際公開番号】WO2010/032061
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(504333972)メディミューン,エルエルシー (108)
【Fターム(参考)】