説明

ソリッドタイヤ

【課題】リム部の回転方向に沿った荷重に対して、タイヤ部の保持力が得られ易く、かつ、リム部とタイヤ部との分離の容易なソリッドタイヤを提供する。
【解決手段】リム部13の外周面には、リム凸条15及びリム凹条16が形成されている。タイヤ部12の内周面には、タイヤ凸条17及びタイヤ凹条18が形成されている。タイヤ凸条17及びタイヤ凹条18は、それぞれリム凹条16及びリム凸条15に嵌合されるとともに圧着されている。各凸条15,17及び各凹条16,18は、リム部13の軸線方向に沿って延びるように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソリッドタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
ソリッドタイヤは、無人搬送車、フォークリフト等の産業車両の車輪、自動倉庫、立体駐車場、各種製造設備等に備えられる搬送用車輪、ジェットコースター、観覧車等の遊戯装置等に備えられる車輪等として利用されている。このようなソリッドタイヤにおいては、リム部の外周に中実のタイヤ部が設けられなり、走行時にはリム部とタイヤ部との界面にせん断荷重が加わることになる。このため、そのせん断荷重に耐え得るように、リム部に対してタイヤ部を取り付ける必要がある。従来、リム部に対するタイヤ部の取り付け構造としては、リム部とタイヤ部との間に接着層を設けた構成が一般的である。また、このような取り付け構造としては、一対のリム部でタイヤ部を挟み込む構成が開示されている(特許文献1〜3参照)。
【特許文献1】特開2003−182303号公報
【特許文献2】特開2003−182306号公報
【特許文献3】特開平06−106908号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、例えば所定の走行距離に達することで寿命を迎えたソリッドタイヤは、新たなソリッドタイヤと交換される。このように交換されたソリッドタイヤをリサイクルする際には、リム部とタイヤ部とは分離されることになる。ここで、リム部とタイヤ部との間に、接着力の強い接着層を設けることで、せん断荷重に対する耐久性は高まることになる。しかしながら、リム部とタイヤ部とを分離する作業は極めて困難となる。そこで、上記特許文献1〜3に示されるように、一対のリム部でタイヤ部を挟み込む構成によれば、一対のリム部を分離させることで同リム部とタイヤ部との分離は容易になると考えられる。しかしながら、リム部の軸線方向に沿った荷重に対してはタイヤ部の保持力は得られ易いものの、リム部の回転方向に沿った荷重に対してはタイヤ部の保持力が得られ難い。このため、例えば車軸から大きなトルクがリム部に伝達される場合には、タイヤ部に対してリム部が空転するおそれがある。このため、そうした空転を防止するために強力な接着剤の使用を余儀なくされる結果、上述したようにリム部とタイヤ部との分離は困難になってしまう。
【0004】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、リム部の回転方向に沿った荷重に対して、タイヤ部の保持力が得られ易く、かつ、リム部とタイヤ部との分離の容易なソリッドタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明のソリッドタイヤは、リム部の外周にタイヤ部が設けられたソリッドタイヤであって、前記リム部の外周面と前記タイヤ部の内周面とは凸条及び凹条の関係により嵌合されるとともに前記凸条及び凹条が圧着されてなり、前記凸条及び凹条は前記リム部の軸線方向に沿って延びるように形成されていることを要旨とする。
【0006】
この発明では、凸条及び凹条の関係により嵌合されるとともに圧着される構成によって、リム部に対するタイヤ部の保持力が得られ易くなる。特に、それら凸条及び凹条は、リム部の軸線方向に延びるように形成されているため、リム部の回転方向に沿った荷重に対して、抵抗力が働き易くなる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のソリッドタイヤにおいて、前記凸条及び凹条が前記リム部の軸線方向全体にわたって形成されていることを要旨とする。
この構成によれば、リム部の回転方向に沿った荷重に対するタイヤ部の保持力は、リム部の軸線方向においてバランスよく発揮されるようになる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のソリッドタイヤにおいて、前記凸条の間隔及び前記凹条の間隔が、前記リム部の外周に沿って等間隔とされていることを要旨とする。
【0009】
この構成によれば、リム部の回転方向に沿った荷重に対して、リム部に対するタイヤ部の保持力はソリッドタイヤの周方向においてバランスよく発揮されるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のソリッドタイヤにおいて、前記タイヤ部における凸条の先端部が前記リム部における凹条の内底部に圧着されていることを要旨とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のソリッドタイヤにおいて、前記タイヤ部における凹条の内底部が前記リム部における凸条の先端部に圧着されていることを要旨とする。
【0011】
上記構成によれば、タイヤ部の弾性により上記凸条及び凹条の密着性が高まることで、リム部の回転方向に沿った荷重に対する抵抗力のみならず、リム部の軸線方向に沿った荷重に対する抵抗力も働き易くなる。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のソリッドタイヤにおいて、前記リム部の両側には、前記タイヤ部の側面を挟み込む側板が設けられていることを要旨とする。
【0013】
この構成によれば、リム部の軸線方向に沿った荷重に対して、タイヤ部の保持力が得られ易くなる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、リム部の回転方向に沿った荷重に対して、タイヤ部の保持力が得られ易く、かつ、リム部とタイヤ部との分離の容易なソリッドタイヤが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明のソリッドタイヤを具体化した一実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。
図1及び図2に示されるように、ソリッドタイヤは、円筒状のホイール11と、そのホイール11の外周に設けられるタイヤ部12とから構成されている。ホイール11は環状のリム部13の内側に一体に形成される装着部14により、図示しない車軸に装着されるように構成されている。ホイール11は、剛性を確保するために金属材料から形成されている。一方、タイヤ部12は、円環状をなすとともに走行面を有しており、各種エラストマーから構成される。エラストマーとしては、例えばウレタン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、シリコーンゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルゴム、天然ゴム等が挙げられる。各種エラストマーは、単独であってもよいし、複数種を組み合わせてもよい。各種エラストマーの中でも、タイヤ部12の物性を調整し易く、タイヤ部12の性能を高めることが容易であるという観点から、ウレタン系エラストマーが好適である。なお、タイヤ部12は、硬さの異なる複数層から構成してもよい。
【0016】
リム部13の外周面には、断面台形状のリム凸条15及びリム凹条16が形成されている。すなわち、リム凸条15の外側壁は先端に向かうにしたがって互いに接近するテーパ状に形成されているとともに、リム凹条16の内側壁は内底に向かうにしたがって互いに接近するテーパ状に形成されている。それらリム凸条15の間隔及びリム凹条16の間隔は、リム部13の外周に沿って等間隔で設けられている。本実施形態のリム部13においては、リム凸条15及びリム凹条16はそれぞれ66個形成されている。
【0017】
図2に示されるようにリム凸条15及びリム凹条16は、リム部13の軸線L方向に沿って延びるように形成されている。本実施形態のリム凸条15及びリム凹条16は、リム部13の外周面においてリム部13の軸線L方向全体にわたって形成されている。
【0018】
一方、タイヤ部12の内周面には、リム部13の軸線L方向に延びるタイヤ凸条17及びタイヤ凹条18が形成され、それらタイヤ凸条17及びタイヤ凹条18は、それぞれリム凹条16及びリム凸条15に嵌合されるように構成されている。タイヤ凸条17及びタイヤ凹条18は、リム凸条15及びリム凹条16と同様にそれぞれ外側壁及び内側壁を有した断面台形状をなしている。また、タイヤ凸条17及びリム凸条15についても、タイヤ部12の内周に沿って等間隔で設けられるとともに、タイヤ部12の内周面においてリム部13の軸線L方向全体にわたって延びるように形成されている。そして、タイヤ凸条17の外側壁は、リム凹条16の内側壁に嵌合されるとともに圧着されている。これに伴って、リム凸条15の外側壁は、タイヤ凹条18の内側壁に嵌合されるとともに圧着されている。
【0019】
リム部13に装着される前のタイヤ部12においては、その内周がリム部13の外周よりも縮径した寸法にて形成されている。すなわち、タイヤ部12の中心を通るとともにタイヤ凸条17の先端面同士を結ぶ直線距離(d1)は、リム部13の中心を通るとともにリム凹条16の内底面同士を結ぶ直線距離(D1)よりも短く形成されている(D1>d1)。これにより、タイヤ凸条17の先端壁がリム凹条16の内底壁に押し付けられることで、タイヤ凸条17の先端壁がリム凹条16の内底壁に圧着されている。一方、タイヤ部12の中心を通るとともにタイヤ凹条18の内底面同士を結ぶ直線距離(d2)は、リム部13の中心を通るとともにリム凸条15の先端面同士を結ぶ直線距離(D2)よりも短く形成されている(D2>d2)。これにより、タイヤ凹条18の内底壁がリム凸条15の先端壁に押し付けられることで、タイヤ凹条18の内底壁がリム凸条15の先端壁に圧着されている。そして、装着されたタイヤ部12においては、前記直線距離(d1)及び(d2)は、それぞれリム部13における直線距離(D1)及び(D2)とされる。こうした圧着構造により、リム部13の外周面に対するタイヤ部12の内周面の密着性が高められる。
【0020】
リム部13の両側には、タイヤ部12の側面を挟み込む側板19が設けられている。これらの側板19は、それぞれ円環状をなし、タイヤ部12の側面を全周にわたって挟み込むように構成されている。一方の側板19には、複数の貫通孔が形成されており、それら貫通孔に挿入される締結部材20によって一方の側板19はリム部13の側面に対して締結されるように構成されている。他方の側板19は、溶接によりリム部13に予め固定されている。それら側板19によりタイヤ部12の側面を挟持することで、リム部13の軸線L方向に沿った荷重に対して、タイヤ部12の保持力が得られ易くなる。
【0021】
本実施形態のタイヤ部12では、その内周部の幅(W1)は、リム部13の外周部の幅(W2)よりも若干広く設定されている。このため、タイヤ部12を一方の側板19を締結部材20により締結するに際して、タイヤ部12をリム部13の軸線L方向に圧縮した状態とされている。そして、装着されたタイヤ部12においては、前記幅(W1)は、リム部13における幅(W2)とされる。このような圧縮構造により、リム部13の軸線L方向に沿ったタイヤ部12のずれについて極力抑制することができるようになる。
【0022】
こうしたタイヤ部12は金型を用いて成形することができる。なお、タイヤ部12は所定形状に成形した成形品を切削加工することにより形成してもよい。一方、ホイール11は、金属材料の切削加工等により成形することができる。
【0023】
タイヤ部12の装着について詳述すると、リム凸条15及びリム凹条16に対してそれぞれタイヤ凹条18及びタイヤ凸条17を合わせるようにして、リム部13の側方からタイヤ部12を嵌め込むとともにリム部13にタイヤ部12を圧入する。このとき、各凸条15,17及び各凹条18,16は、リム部13の軸線L方向に沿って延びる構成であるため、リム部13に対して軸線L方向に沿ってタイヤ部12を押圧することにより、容易に装着することができる。次に、一方の側板19をリム部13の側面に対して締結する。このようにして構成されたソリッドタイヤは、各凸条15,17及び各凹条18,16の関係により嵌合されるとともに各凸条15,17及び各凹条18,16が圧着された構成であるため、リム部13に対するタイヤ部12の保持力が得られ易くなる。特に、各凸条15,17及び各凹条18,16は、リム部13の軸線L方向に延びる構成であるため、リム部13の回転方向に沿った荷重に対して抵抗力が働き易くなる。よって、例えばソリッドタイヤの走行に際して車軸からホイール11にトルクが伝達されることで、タイヤ部12に対するリム部13の空転を防止することができるようになる。従って、リム部13の外周面とタイヤ部12の内周面とを接合する接着層を設けずに構成することできるようになる。
【0024】
そして、例えば所定の走行距離又は走行時間に達することで寿命を迎えたソリッドタイヤは、リム部13とタイヤ部12とが分離されてリサイクルに供される。すなわち、締結部材20を取り外すとともに、一方の側板19をリム部13から脱離させる。次いで、リム部13とタイヤ部12とをリム部13の軸線L方向に沿って対向するように押圧して、リム部13とタイヤ部12とを分離する。ここで、リム部13に対するタイヤ部12の装着に際して、リム部13の外周面とタイヤ部12の内周面とを接合する接着層を省略することで、例えばリム部13の外周面において接着剤とともにタイヤ部12の断片が残存することを回避することができる。このため、リム部13とタイヤ部12とは円滑に分離することができるようになる。
【0025】
本実施形態のソリッドタイヤは、例えば、無人搬送車、フォークリフト等の産業車両の車輪、自動倉庫、立体駐車場、各種製造設備等に備えられる搬送用車輪、及び、ジェットコースター、観覧車等の遊戯装置に備えられる車輪として利用される。ここで、フォークリフト等の産業車両の車輪においては、車軸からホイール11に伝達されるトルクは大きい傾向にある。このような産業車両の車輪に本実施形態のソリッドタイヤを適用すれば、ホイール11に伝達されるトルクは、リム部13に対するタイヤ部12の空転を防止するという観点で極めて有効である。
【0026】
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)リム部13とタイヤ部12とが各凸条15,17及び各凹条18,16の関係により嵌合されるとともに各凸条15,17の外側壁は、それぞれ各凹条18,16の内側壁に圧着されている。特に、それら凸条15,17及び凹条18,16は、リム部13の軸線L方向に沿って延びるように形成されているため、リム部13の回転方向に沿った荷重に対して、抵抗力が働き易くなる。これにより、例えばリム部13の外周面とタイヤ部12の内周面とを接合する接着層を省略したとしても、リム部13の回転方向に沿った荷重に対して、タイヤ部12の保持力が得られ易くなる。さらに、接着層の省略によって、リム部13とタイヤ部12との分離は容易となる。従って、寿命を迎えたソリッドタイヤについて、例えば分離したリム部13に再び新しいタイヤ部12を装着することで、リム部13のリサイクルを図ることが容易である。また例えば、リム部13を形成する金属材料をマテリアルリサイクルに供したり、タイヤ部12を形成するエラストマーをサーマルリサイクルに供したりすることが容易である。このように、環境に配慮したソリッドタイヤを提供することができる。
【0027】
(2)リム部13の外周面では、リム凸条15及びリム凹条16が同リム部13の軸線L方向全体にわたって延びるように形成されている。このため、リム部13の回転方向に沿った荷重に対して、リム部13に対するタイヤ部12の保持力は、リム部13の軸線L方向においてバランスよく発揮されるようになる。従って、リム部13とタイヤ部12との分離の容易性を確保しつつも、ソリッドタイヤの耐久性を高めることができるようになる。
【0028】
(3)各凸条15,17の間隔及び各凹条16、18の間隔は、リム部13の外周に沿って等間隔とされている。このため、リム部13の回転方向に沿った荷重に対して、リム部13に対するタイヤ部12の保持力はソリッドタイヤの周方向においてバランスよく発揮されるようになる。従って、リム部13とタイヤ部12との分離の容易性を確保しつつも、ソリッドタイヤの耐久性を高めることができるようになる。
【0029】
(4)タイヤ凸条17の先端壁はリム凹条16の内底壁に圧着されている。このため、タイヤ部12の弾性によりタイヤ凸条17及びリム凹条16の密着性が高まることで、リム部13の回転方向に沿った荷重に対する抵抗力のみならず、リム部13の軸線方向に沿った荷重に対する抵抗力も働き易くなる。
【0030】
(5)さらに、タイヤ凹条18の内底壁はリム凸条15の先端壁に圧着されているため、タイヤ凹条18及びリム凸条15の密着性が高まる。従って、上記(4)欄に記載の抵抗力を高めることできるようになる。
【0031】
(6)凸条15,17及び凹条18,16は、リム部13の軸線L方向に沿って延びるように形成されているため、その軸線L方向に沿った荷重に対しては保持力が不足するおそれがある。本実施形態のリム部13の両側には、タイヤ部12の側面を挟み込む側板19が設けられている。このため、リム部13の軸線L方向に沿った荷重に対して、リム部13に対するタイヤ部12の保持力が得られ易くなる。
【0032】
なお、前記実施形態を次のように変更して構成してもよい。
・前記側板19は、それぞれ円環状をなし、タイヤ部12の側面を全周にわたって挟み込むように構成されているが、タイヤ部12の周方向において、同タイヤ部12の側面を部分的に挟み込むように構成してもよい。この場合、タイヤ部12の保持力が十分に確保され易いという観点から、一方の側板19と他方の側板19はリム部13の軸線L方向に沿って対向していることが好適であるが、対向させずに側板19を設けてもよい。なお、前記側板19は省略することもできる。
【0033】
・前記側板19においてタイヤ部12に当接する面に凸部を形成してもよい。例えば、そうした凸部を周方向に離間して複数設けることで、リム部13の回転方向に沿った荷重に対して、タイヤ部12の保持力がさらに得られ易くなる。
【0034】
・前記他方の側板19は、リム部13に予め固定されているが、締結部材により着脱可能に構成してもよい。
・各凸条15,17の先端壁と各凹条18,16の内底壁は圧着されているが、リム凸条15の先端壁とタイヤ凹条18内底壁を圧着させずに構成してもよいし、タイヤ凸条17の先端壁とリム凹条16の内底壁を圧着させずに構成してもよい。さらに、各凸条15,17の先端壁と各凹条18,16の内底壁を圧着しないように構成してもよい。すなわち、図3に拡大して示されるように、各凸条15,17の外側壁及び各凹条18,16の内側壁のみを圧着させて嵌合させてもよい。
【0035】
・各凸条15,17の間隔及び各凹条18,16の間隔は、リム部13の周方向に沿って等間隔とされているが、不等間隔とされていてもよい。
・各凸条15,17及び各凹条18,16は、リム部13の軸線L方向全体に延びるように形成されているが、その軸線L方向において部分的に延びるように形成してもよい。
【0036】
・各凸条15,17及び各凹条18,16の断面形状は、特に限定されず、各凸条15,17及び各凹条18,16を例えば断面湾曲状に形成することにより、それら凸条及び凹条が嵌合されるとともにそれら凸条及び凹条が圧着されるように構成してもよい。ただし、凸条及び凹条は、前記実施形態のように側壁を有する形状とすることが好適である。すなわち、それら側壁同士でリム部13の回転方向に沿った荷重を受け止める作用が発揮され易くなり、その結果、リム部13に対するタイヤ部12の保持力が強まることになる。
【0037】
・例えばタイヤ部12の硬さ等に応じて、各凸条15,17の間隔及び各凹条18,16の間隔、各凹条18,16の深さ等は適宜変更してもよい。また、各凸条15,17及び各凹条18,16の数は特に限定されない。例えば図3に示されるソリッドタイヤでは、各凸条15,17及び各凹条18,16の数は6個としている。
【0038】
・リム部13に対するタイヤ部12の保持力を高めるべく、リム部13の外周面とタイヤ部12の内周面とを接合する接着層を補助的に設けてもよい。しかしながら、リム部13とタイヤ部12との分離を容易にするためには、上記接着層を設けずにソリッドタイヤを構成することが好適である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施形態のソリッドタイヤの一部を切り欠いて示す側面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】ソリッドタイヤの変形例を示す側面図。
【符号の説明】
【0040】
12…タイヤ部、13…リム部、15…リム凸条、16…リム凹条、17…タイヤ凸条、18…タイヤ凹条、19…側板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リム部の外周にタイヤ部が設けられたソリッドタイヤであって、前記リム部の外周面と前記タイヤ部の内周面とは凸条及び凹条の関係により嵌合されるとともに前記凸条及び凹条が圧着されてなり、前記凸条及び凹条は前記リム部の軸線方向に沿って延びるように形成されていることを特徴とするソリッドタイヤ。
【請求項2】
前記凸条及び凹条が前記リム部の軸線方向全体にわたって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のソリッドタイヤ。
【請求項3】
前記凸条の間隔及び前記凹条の間隔が、前記リム部の外周に沿って等間隔とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のソリッドタイヤ。
【請求項4】
前記タイヤ部における凸条の先端部が前記リム部における凹条の内底部に圧着されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のソリッドタイヤ。
【請求項5】
前記タイヤ部における凹条の内底部が前記リム部における凸条の先端部に圧着されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のソリッドタイヤ。
【請求項6】
前記リム部の両側には、前記タイヤ部の側面を挟み込む側板が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のソリッドタイヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−234361(P2009−234361A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−81409(P2008−81409)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000106771)シーシーアイ株式会社 (245)