説明

ソーラーモジュールから出力配線するための配線接続箱及び当該配線接続箱を設置する方法

平らな面(例えば、ソーラーモジュールの裏打ちシート)上に設けられている出力と線との間の半田付けされた電気接続部を保護するようになされた配線接続箱及び当該配線接続箱を前記接続部を覆うように設置する方法。前記配線接続箱は、分離されているハウジングを備えることができ、当該ハウジングは、接続部をカバーし且つ保護するシーラントを充填する前に、前記線を覆うように嵌るように広げることができる。次いで、別個のカバーが前記ハウジングに掛け止めされる。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、電気接続部を部品から保護するための配線接続箱に関し、一つの特徴においては、ソーラーモジュールの端子出力線とソーラーモジュール自体の出力線との間の接続部を覆うように配置されて当該接続部を保護するようになされた配線接続箱及び当該配線接続箱をこれらの接続部を覆うように設置する方法に関する。
(関連出願)
2005年2月11日に出願された米国仮特許出願60/652,256号による利益を主張している。
【背景技術】
【0002】
近年においては、ソーラーエネルギを有用な電気エネルギに直接変換するための光電(PV)セル等において著しい進歩がなされて来た。典型的には、これらの光電セルが複数個、透明シート(例えば、プラスチック等)と裏打ちシートとの間に入れられ、それによって、処理し易いサイズ(例えば、幅1メートル×長さ2メートル)の平らな典型的には矩形形状のソーラーモジュール(時々は、“ラミネート”又は“パネル”と称される)が形成される。PVセルは、シリコン又はその他の適切な半導体材料のウェーハによって作ることができ又は典型的にはソーラーモジュール技術において公知の種々のプロセスによって基板又は裏打ちシート上に蒸着された薄いフィルム型のセルとすることができる。これは、この構造によって使用される電気エネルギの全て又は少なくとも一部分を提供するために、現存の構造物(例えば、家、ビル等)の屋根に設置することができるタイプのソーラーモジュールである。
【0003】
各ソーラーモジュールは、幾つかの個々のPVセル(例えば、1乃至約100個)を含んでいても良く、これらの各々が、正又は負の出力を有し、これらの出力は、次いで、各々、正或いは負のバスバー又は出力線に直列に電気接続されて、当該技術において理解されるように、モジュールから所望の電圧を生成する。正の出力及び負の出力は、典型的には、モジュールの一端近くで裏打ち材を通過せしめられる。各々の出力は、裏打ち材内を直接通過することができ又はより適当にはソーラーモジュール内のPC基板(例えば、1以上の個々のPVセルが何らかの理由で作動不可能になったときに、モジュールを機能させ続ける構成部品を有しているPC基板)を介して接続されるであろう。
【0004】
ひとたび正の出力或いは負の出力がモジュールの外側に半田付けされると、これらは、次いで、各々の正或いは負の出力線に接続されなければならず、これらの出力線は、順に、モジュールからの電流を搬送して電流がその意図した目的のために使用することができるようにする。典型的には、線の各々の一端は、モジュール上の出力端子に半田付けされる。端子と出力線との間の半田付けされた接続部の保護に関して、露出されたまま残された場合には、短絡するか、さもなければ有害気象又は雰囲気によって損傷を受け得るという問題が生じる。
【0005】
これらの接続部を“部品”に対して保護するために、一般的には、“配線接続箱”と呼ばれる保護構造が、接続部の上方に配置され且つ固定され、当該配線接続箱は、接続部を覆うためにエポキシ樹脂を充填される。既知の配線接続箱はこの目的のために良好に機能して来たけれども、これらは幾つかの欠点を有している。例えば、エポキシ樹脂は、配線接続箱が接続部を覆うように位置決めされた後に小さな穴を介して配線接続箱内へ充填される。このことにより、充填動作中はほとんど常に、少量の空気が配線接続箱の内部に捕捉される。この捕捉された空気は、次いで、水分及び/又は水が配線接続箱内へ入り且つ接続部の完全性を阻害し、これは次いでモジュールを不作動とさせ得る。
【0006】
更に、従来技術による配線接続箱は、サイズが比較的大きくて接続部を覆うために多量のエポキシ樹脂を必要とする。更に、これらの配線接続箱の構造及び設置により、エポキシ樹脂が配線接続箱の下方端縁から流れ出て完成された製品の美観に悪影響を及ぼすことが稀ではない。更に、従来の配線接続箱は、組み立てが比較的困難で時間がかかり、その結果、このようなソーラーモジュール装置の主要コストを増加させる。ソーラーモジュール装置は、他の電源と張り合えるので、含まれるコストの如何なる節約もソーラーモジュール装置を潜在的なユーザーにとってより魅力のあるものとし得る。従って、ソーラーモジュールの出力接続部を覆うように迅速且つ容易に組み立てることができ、設置のために使用するエポキシ樹脂がより少なく且つひとたび設置されると清潔な外観を提供する配線接続箱は、ソーラーモジュールの製造及び市場において極めて有益であることが理解できる。本発明は、このような配線接続箱を提供する。
【発明の開示】
【0007】
本発明は、出力と各々の線との間に設けられ且つほぼ平らな面上に形成されている“部品”からの電気接続部を保護するようになされた配線接続箱を提供する。本発明はまた、接続部を覆うように配線接続箱を設置する方法をも提供する。本発明の配線接続箱は、1以上の出力線がソーラーモジュール等の1以上の出力に半田付けされた後に容易に取り付けることができる。更に、配線接続箱の一部分のみが接続部を保護する保護シーラントを充填されるので、このシーラントの必要量がより少なく、それによって、このタイプのソーラーモジュールのための製造コスト全体が減じられる。同じく、当該配線接続箱が定位置に固定される形態により、完成された製品の美観が実質的に改良される。
【0008】
より特別には、本発明の配線接続箱はハウジングとカバーとによって構成され、前記カバーはハウジングとは別個の部品であるのが好ましい。前記ハウジングは、電気接続部を覆うように配置されるようになされ且つ接続部を入れるために保護シーラントが充填される内側チャンバを備えている。当該ハウジングはまた、前記内側チャンバからハウジングの外側まで延びている1以上の通路を備えている。これらの通路の各々が、配線接続箱が取り付けられたときに各々の接続部から線を受け取るようになされている。当該カバーは、チャンバが保護シーラントを充填された後にチャンバを閉じるために、ハウジングに掛け止めされる。
【0009】
取り付けを容易にするために、当該配線接続箱のハウジングは“分割”されており、すなわち、当該配線接続箱は、2つの鏡像状の半体又は部分(各部分が、底が無い凹状中央部分を有し、当該中央部分は、内側チャンバの約半分を形成している)と、各々が線の各々の通路のほぼ半分を形成している2つの別個の半通路とによって構成されている。前記2つの部分は、例えば、これらの部分が相対的に分離して前記通路を広げ又は開いて通路が接続部の線を覆うように容易に配置できるようにするためのヒンジとして機能する可撓性のストラップのような少なくとも1つのヒンジ手段によって相互に結合されるのが好ましい。これらの2つの部分とストラップとは、一体ユニットとして形成されるように一体成形されるのが好ましい。各部分の基部にタブが取り付けられ且つ当該タブは設置中に前記部分を相対的に動かす助けとするために上方へ延びているのが好ましい。
【0010】
作動中は、本配線接続箱は、例えば、比較的平らな面で終端している2つの電気出力間の例えば2つの電気接続部及び典型的なソーラーモジュールの裏打ちシート上に存在する半田付けされた接続部のような2つの出力線の各々を覆うように容易に設置される。本発明の配線接続箱を設置するためには、接着シーラントは、配線接続箱のハウジングの基部好ましくはこのような基部の下面に設けられた溝内に適用されるのが好ましい。次いで、ハウジングが平らな面(例えば、裏打ちシート)上に配置されて、ハウジングの内側チャンバが接続部を覆うように位置決めされ、線は各々の通路内に受け入れられる。これを行うためには、対応する部分上のタブが相互に対して押圧されて、各部分が相対的に動かされ、これは、次いで、通路を広げ且つ開いて、線の周囲に容易に嵌合させることができるようになる。
【0011】
次いで、ハウジングの基部が平らな面上へと押し下げられて、接着剤シーラント(存在する場合には)を平らな面と接触させて、配線接続箱を平らな面に固定する。ハウジングの内側チャンバは、接続部を覆い且つ封入するために保護シーラントを充填され、その後に、カバーがハウジング上に掛け止めされて、充填された内側チャンバが閉じられる。カバーは、保護シーラントが十分に硬化する前にハウジングに掛け止めされるのが好ましい。
【好ましい実施形態の説明】
【0012】
本発明の実際の構造、動作及び明らかな利点は、同様の符号が同様の部品を特定している必ずしも実寸ではない図面を参照することによってより良く理解できる。
以下、本発明を好ましい実施形態と組み合わせて説明するが、本発明は、これらの実施形態に限定されないことは理解されるであろう。これと対照的に、本発明は、特許請求の範囲によって規定されている本発明の精神及び範囲に含まれる全ての代替例、変形例及び等価物を包含することを意図している。
【0013】
図面を参照すると、図1は、本発明の配線接続箱を使用することができる典型的な光電モジュール10を示している。モジュール10は、あらゆる適切な材料例えばポリマー材料からなる裏打ちシート11と、ガラス又はその他の適切な透明材料によって構成されるのが好ましいカバー基板12とによって形成されている。基板12と裏打ちシート11との間には、線14によって電気的に接続されている複数の光電(PV)セル13(明確化のために1つだけに符号が付されている)がサンドイッチされている。PVセルは、多晶質又は非晶質のシリコンウェーハによって作られたもののような如何なるタイプであっても良い。図示されているように、各光電セル13は、グリッド型のフロント電気接点15(明確化のために1つだけに符号が付されている)を備えている。
【0014】
太陽光は、シート基板12を通って入射し且つPVセル13の前面に当たる。セル13同士を直列に接続している線14は、セルの背面(図示せず)上の接点に接続され且つPVセル13の前面に設けられた半田付け接点16に接続されてセル同士を直列に接続している。線14はPC基板17に接続され、PC基板17はモジュール10の動作に関するある種の機能を制御する。PC基板17も当該PC基板によって制御される機能も本発明の一部を形成しないので、本発明の完全な理解のためにこれ以上の説明は不要であると考えられる。線14は、PC基板17上の半田付け位置18(正の出力)及び半田付け位置19(負の出力)において事実上終端しており、これらの半田付け位置は両方とも、図1及び2に示されているように事実上裏打ちシート11内を延びていてモジュールのための出力を提供している。
【0015】
ソーラーモジュール10によって発生される電気エネルギを利用するために、正の出力線20及び負の出力線21が、裏打ちシートの外側の各々の半田付け位置18,19に半田付けされるか又はさもなければ電気的に接続され、それによって、各々、電気接続部18a及び19aを形成している。ひとたび線が出口に接続されると、これらの接続部は、モジュール10の作動寿命期間中“部品”から保護されるのが望ましい。本発明に従って、配線接続箱25は、接続部18a,19aの両方を覆うように配置され且つ以下に説明するように接着剤によって固定される。
【0016】
図3乃至5に最も良く見られるように、配線接続箱25は、ハウジング26とカバー27とを含んでいる。配線接続箱25のハウジングとカバーとは、両方とも、種々の適切な材料によって構成され且つあらゆる適切な方法で形成することができる。ハウジングとカバーとは、射出成形によって作られるのが好ましい。ハウジングとカバーとは、プラスチック又は樹脂材料によって作られるのが好ましい。カバーと配線接続箱とは同じ材料によって作られるのが好ましい。配線接続箱とカバーとは、ナイロン、ポリカーボネート、ポリプロピレンオキサイド又はその他の適当なプラスチック若しくは樹脂材料によって作ることができる。プラスチック又は樹脂は、木、ガラス、紙等のような1以上の材料で満たすことができる。Norel 190X、Norel 225X及びNorel 300Xは、本発明の配線接続箱を形成するのに適した材料である。配線接続箱及びカバーを作るのに使用される材料は、難燃性で非導電性であるのが好ましい。ハウジングとカバーとは、図面に示されているように別個の部品であるのが好ましい。ハウジング26は、好ましくは細長い基部である基部28を備え、この基部の底部は、配線接続箱25が接続部を覆う作動可能な位置にあるときに、裏打ちシート11上にほぼ平らに載置されるようになされている。ハウジング26は、2つの鏡像半体又は区分26a,26bによって形成されるのが好ましく、これら2つの区分は、以下に説明する目的のために、可撓性の結合手段、例えば、1以上の可撓性ストラップ30(図4及び5には3つ示されている)によってヒンジ結合関係で相互に保持されているのが好ましい。
【0017】
ストラップ30は、ハウジングと同じ材料であり且つ当該ハウジングと一体成形され、その結果、ハウジング26が単一ユニットとして単一動作で成形することができるのが好ましい。ストラップ30は、“ヒンジ”として機能するように、破壊することなく可撓性である大きさとされ、それによって、ハウジングの各区分が相対的に分離して、以下に説明するように、配線接続箱の設置中に、ハウジングが出力線を覆うように配置され且つ出力線を受け入れることができるようにすることができる。
【0018】
区分26a,26bは、各端部に、相互に協働してハウジングが通常の位置にあるときに、各々、ハウジングの両端に穴31,32を形成する半円形凹部を備えているのが好ましい。これらの穴の各々は、前記2つの区分内に対応する凹部によって形成された底のないチャンバ33内へと開口している。穴31,32は、各々、ハウジング26が接続部を覆うように配置されたときに、出力線20,21を受け入れるようになされている。前記半円形凹部に隣接している各区分には半樋状凹部が形成されており、当該半樋状凹部は、各々、穴31,32を形成しており、各半樋状凹部は、以下に説明する目的のために、各々、内部に形成された少なくとも1つの把持リブ等31b,32bを備えている。ハウジング26が通常位置にあるときには、前記半樋状凹部は、以下に説明する目的のために、各々、相互に協働して樋状凹部31a,32aを形成する。
【0019】
更に、各区分26a,26bは、各端部に配置された中空凹部34を備えており、この中空凹部は、その底部近くに掛け止め面34a等(図3A及び4においては、明確化のために1つだけに符号が付されている)を備えている。中空凹部34は、掛け止め受け装置として機能し、これは、次いで、配線接続箱が組み立てられるときに、カバーをハウジングに掛け止めするためにカバー27上から懸垂している掛け止め部材35を受け入れるようになされている(図1参照)。各掛け止め部材35は、下方端部に少なくとも1つのテーパーが付けられた戻り止め35a(図3Aにおいては一つにのみ符号が付されている)を有し、この戻り止め35aは、それに対応する掛け止め面34aと接触したときに外方へ曲がり、次いで、掛け止め面34aを越えた後に元の位置へとスナップ式に戻り、それによって、カバーがハウジング上に掛け止めされるようになされている。掛け止め面34aの外側端縁は、テーパーが付けられた爪35aが掛け止め面34aの端縁と接触したときに、テーパーが付けられた爪35aが掛け止め面34aの端縁を越えて通過するのを容易にするように面取りされるか部分的に面取りしても良い。
【0020】
各区分26a,26bは、ストラップ30によって提供される“ヒンジ”を中心にこれらの部分を回転させて通路31,32を広げ且つ開く助けとするために、これらの部分の端部間のほぼ中間において基部と一体に形成された“挟み”タブ36を備えている(図6D参照)。これによって、ハウジング26は、出力線の外周に容易に嵌合させることができる。リブ部材37(明確化のために1つだけに符号が付されている)はタブ36を補強する助けとなり、以下により詳細に説明するように、タブ36とハウジング26との間に支持線が配置される助けとなる。各部分はまた、以下に記載する目的のために、基部28の外周に延びている溝をその底部に備えている(図4における点線並びに図6B及び6Cを参照のこと)。図面には示されていないけれども、溝38は、以下により詳細に説明するように、配線接続箱をソーラーモジュールに取り付けるために使用される接着剤の接着を改良するために凹凸面を有することができる。
【0021】
図6Cに示されているように、基部28の下側面のコーナーは、幾分凸凹しているかも知れないソーラーモジュールの裏打ちシートのような面上に配線接続箱を配置する助けとするために、若干持ち上がった出っ張り又はパッド50(明確化のために1つにだけ符号が付されている)を有することができる。図6Bに示されているように、チャンバ33の底部端縁の外周は、配線接続箱がモジュール上に配置されたときにモジュールの面との緊密な嵌合を形成するために、持ち上がった外周55を有することができる。このような緊密な嵌合は、シーラントがチャンバを通り過ぎてモジュール面へ漏れ出る可能性を減じる。図3Aに示されているように、カバー27は、掛け止め部材35に隣接して配置されたカバーの各コーナーにガイドピン60(明確化のために1つにのみ符号が付されている)を含むことができる。ガイドピン60は、カバー27がハウジング26内に配置されたときに半体26a及び26bが開くのを防止するように機能する。カバー27もまた、当該カバーがハウジング26上の定位置に配置されたときに、チャンバ33の内側面に当接して嵌合するようになされた下方を向いている畝状出っ張りを含むこともできる。この畝状出っ張りは、ハウジングとカバーとの間でシーラントが漏れ出るのを防止する堰堤として機能する。
【0022】
以上においては配線接続箱25の構造を説明したけれども、続いて、以下においては、配線接続箱が電気接続部19a,20aを覆って組み立てられる方法を説明する。図6A乃至6Fは、配線接続箱25をその作動状態へと組み立てるための好ましいステップを明確に示している。図6Aに示されているように、出力線20,21は、上記したソーラーモジュール10の下面においてソーラーモジュール10からの出力に半田付けされるか、さもなければ電気的固定される。配線接続箱25は逆さにされており(図6B)、基部28の下側に設けられた溝38には接着シーラント39が充填されている。接着シーラントとしては、GE Company又はDow Corningのような供給者から入手可能なシリコーンシーラントのような適切な接着シーラントとすることができる。この接着シーラントはまた、ホットメルト接着剤、エポキシ樹脂又は両面テープとすることもできる。接着シーラントは、配線接続箱がモジュールの表面上に適用されたときに、ソーラーモジュールの溝から表面へ容易に流れ出さない粘度であるのが好ましい。シーラントが難燃性であることも好ましい。適切な接着シーラントとしては、Dow Corning732若しくは732又はGeneral ElectricのRTV108のような材料がある。図6Cに示されているように、シーラントからなる接触押縁が適用されるべきである。
【0023】
タブ36が押し込まれるか又は挟まれて内方へ押されて、穴31,32が、各々、出力線20,21の周わりに配置されるように十分に開くまで、可撓性ストラップ30(図6D)によって提供されているヒンジ手段を中心に部分26a,26bが回転せしめられ且つタブにかけられている圧力が解放されてハウジングが元の位置に戻ったときに、線が各々の樋状凹部31b,32b内に位置せしめられる。これは、線をそれら各々の穴31,32内に入れ且つ樋状凹部31a,32a内に位置決めする。次いで、ハウジングがソーラーモジュールの裏打ち材11上へと押し下げられて接着剤39が硬化して配線接続箱25をモジュールに接合させるであろう。
【0024】
次に、チャンバ33に適切な保護シーラント40がストラップ30の全ての底部に達し且つチャンバ内で実質的な高さとなるまでだけ充填される。保護シーラントは、チャンバを充填し且つ接続部を保護する如何なる適切な材料ともすることができる。例えば、これは、エポキシ樹脂又は二成分シリコーンとすることができる。シーラントは、セルフレベリング性で、難燃性で、良好な流動特性を有し、即硬性であるべきである。適切なエポキシ樹脂は、Loctite、3M、Aremco、Devcon、Botik and Emerson & Cumingのような供給者から入手可能である。適切な二成分シリコーン接着剤は、Dow Corning及びColumbus Adhesive & Chemical Companyのような供給者から入手可能である。適切なシーラントとしては、3MのDP-100、Dow CorningのRTV3140又はGeneral ElectricのTSE3664がある。この時点で、シーラントは、接続部18a,19aを覆い且つこれらを部品から保護するであろう。シーラントがハウジング26のコーナーの掛け止め受け部材34内に達しないように注意が払われるべきである。図4に示されているように、チャンバ33の内側壁は、垂直方向好ましくはチャンバ33の頂部から底部まで延びている1以上の隔置されたリブを有することができる。これらのリブは、配線接続箱に対するシーラントの接着を助け得る。次いで、カバー27上の掛け止め部材35が、ハウジング26内の各々の中空の掛け止め受け部材34内に位置決めされ、シーラントが依然として未硬化状態の間に、ハウジングの4つのコーナー全てにおいて“クリック音”が聴き取られるまでカバーが下方へ押し付けられる。このことは、カバーがハウジング上の定位置に適正に掛け止めされたことを示す。この時点で、カバーとハウジングとの間に空隙は存在しないはずである。
【0025】
カバーはハウジング上へと下方へ動かされると、カバー27と一体に形成されている樋状凹部45,46は、各々、樋状凹部31a,32aと協働して、各々、線20,21の主要部分を順に取り囲む円形の通路を形成する。リブ31b,32b及び樋状凹部45,46内のリブ(図示せず)は、互いに協働して対応する線を把持し且つ各々の樋状凹部が相互に近づく方向に動かされると線を定位置に固定保持する。この把持作用は、線の取り扱い及び/又は設置中に不意に引っ張られるか又は十分強く引っ張られて配線接続箱内の電気接続が破壊されるのを阻止する付加的な安全性を提供する。
【0026】
上記から、本発明の配線接続箱は、ソーラーモジュールの出力に出力線が半田付けされた後に容易に取り付けることが出来ることが分かる。更に、保護シーラントはチャンバ33にのみ充填されることが必要とされるので、必要とされるシーラントの量が従来の配線接続箱よりも少なく、これによって製造コストの節約が提供される。更に、チャンバは、カバーが取り付けられる前に充填され、空気がその中に捕獲されるのが阻止される。更に、接着剤39は注意深く計量しながらハウジングの基部上の溝38内へ供給することができ、配線接続箱は、チャンバ33の充填中に裏当てに対して接着されるので、設置中に配線接続箱の下方端から接着剤か(存在する場合には)保護シーラントの流出が殆どなく、それによって、最終製品の美観が実質的に改良されるであろう。
【0027】
挟みタブ36は、完成されたモジュール内の配線接続箱から出て行く電気線のような線を収容し且つ保持するために、チャンバ33の隣接している外壁から隔置させることができる。このような線は、例えば、モジュールの貯蔵及び輸送中に且つモジュールが屋根又はその他の構造物に取り付けられた後に保持される。挟みタブ36の内側ばかりでなくチャンバ33の隣接する外壁の一部分は、線特にゴム又はその他の柔軟な絶縁材料内に入れられた線を保持し又は把持する形状とされた1以上のリブを有することができる。
【0028】
2005年2月11日に出願された米国仮特許出願60/652,256号は、その全体が参考として本願に組み入れられている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、本発明を組み込むことができるタイプの光電モジュールの斜視図である。
【図2】図2は、図1のモジュールの下面図である。
【図3A】図3Aは、本発明の配線接続箱の一つの実施形態の分解斜視図である。
【図3B】図3Bは、図3Aに示されている配線接続箱の端面図である。
【図4】図4は、図3Aの配線接続箱のハウジングの頂面図である。
【図5】図5は、組み立てられたときの図3の配線接続箱の斜視図である。
【図6A】図6Aは、図3Aの配線接続箱を作動可能な位置に組み立てる各ステップを示している図である。
【図6B】図6Bは、図3Aの配線接続箱を作動可能な位置に組み立てる各ステップを示している図である。
【図6C】図6Cは、図3Aの配線接続箱を作動可能な位置に組み立てる各ステップを示している図である。
【図6D】図6Dは、図3Aの配線接続箱を作動可能な位置に組み立てる各ステップを示している図である。
【図6E】図6Eは、図3Aの配線接続箱を作動可能な位置に組み立てる各ステップを示している図である。
【図6F】図6Fは、図3Aの配線接続箱を作動可能な位置に組み立てる各ステップを示している図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力とその線との間で実質的に平らな面上に形成された電気接続を保護するようになされた配線接続箱であり、
少なくとも1つの電気接続を覆うように配置させ且つ保護シーラントが充填されるようになされた内側チャンバを有しているハウジングであり、前記内側チャンバから前記ハウジングの外側まで延びている少なくとも1つの穴を有し、当該穴の通路は内部に前記線を収容するようになされている前記ハウジングと、
前記チャンバが前記接続部を覆う作動位置にあるときに、前記チャンバを閉じるように前記ハウジング上に掛け止めされるカバーと、を含む配線接続箱。
【請求項2】
請求項1に記載の配線接続箱であり、前記ハウジングが、
2つの鏡像部分と、
当該鏡像部分を相対的に分離させて前記線の周りに前記穴を配置するように相互に固定する手段とを含んでいる、配線接続箱。
【請求項3】
請求項2に記載の配線接続箱であり、
各区分は、作動位置にあるときに、底のない凹んだ前記内側チャンバのほぼ半分を形成している中央部分と、各々が前記穴のほぼ半分を形成している2つの別個の半凹部とを備えている配線接続箱。
【請求項4】
請求項3に記載の配線接続箱であり、
前記区分を相互に固定する前記手段が、前記区分内に延びており且つ当該区分に取り付けられている少なくとも1つの可撓性のストラップを含んでいる配線接続箱。
【請求項5】
請求項4に記載の配線接続箱であり、
前記ストラップの少なくとも1つが、前記2つの区分と一体に形成されている配線接続箱。
【請求項6】
請求項5に記載の配線接続箱であり、
前記ハウジングが、当該ハウジング上に設けられた掛け止め受け手段を含み、
前記カバーが、当該カバーを前記ハウジングに掛け止めするために前記ハウジング上設けられた前記掛け止め受け手段によって受け入れられるようになされた掛け止め部材を含んでいる配線接続箱。
【請求項7】
請求項1に記載の配線接続箱であり、
前記電気接続部が、ソーラーモジュールからの出力と前記線との間の半田付け接続部である配線接続箱。
【請求項8】
2つの出力と2つの各出力の線との間の電気接続部を保護するようになされた配線接続箱であり、前記電気接続部が、実質的に平らな面上に形成されており、当該配線接続箱は細長いハウジングを含んでおり、当該ハウジングは2つの鏡像半体を含んでおり、各半体が、
基部と、底のない凹んだ中央部分であって前記2つの半体が相互に組み立てられたときに前記ハウジング内の底のない内側チャンバのほぼ半分を形成している中央部分と、を備えている細長い区分であり、前記内側チャンバは保護シーラントを充填され、各半体はまたその各端部に半凹部を有しており、当該半凹部は、前記2つの半体が相互に組み立てられたときに、前記内側チャンバから前記ハウジングの外側まで延びる各々の穴のほぼ半分を形成し、前記穴の各々が前記線のうちの1つを受け入れるようになされ、各半体上の前記基部は底部に溝を有し、当該溝は、その前記底部の周囲に沿って延びており且つ接着シーラントが充填されるようになされ、それによって、前記ハウジングを前記接続部を覆う定位置に固定するようになされている前記細長い区分と、
前記半体が相対的に動かされて前記線を受け入れるように前記通路が広がり且つ開くことができるように前記2つの鏡像半体を相互に固定する手段と、
前記内側チャンバが前記接続部を覆う作動位置にあり且つ前記保護シーラントを充填されているときに、前記ハウジング内の前記内側チャンバを閉じるために前記ハウジング上に掛け止めされるようになされたカバーと、を含んでいる、配線接続箱。
【請求項9】
請求項8に記載の配線接続箱であり、
前記半体を相互に固定するための前記手段が、
前記内側チャンバの頂部を覆い且つ前記半体同士の間に延びており且つこれらの半体に固定されている少なくとも1つの可撓性のストラップを含んでいる配線接続箱。
【請求項10】
請求項9に記載の配線接続箱であり、
前記少なくとも1つのストラップが前記2つの半体と一体に形成されている配線接続箱。
【請求項11】
請求項10に記載の配線接続箱であり、
前記ハウジングが、各々、当該ハウジング内の前記半凹部の各々に隣接して形成された半樋状凹部を有し、それによって、前記ハウジングがその通常位置にあるときに、2つの互いに協働する前記半樋状凹部が、各々、前記穴のうちの一つに隣接する樋状凹部を形成し、前記桶状凹部の各々は前記線のうちの対応する一つを受け入れるようになされており、
前記カバーがその各端部の近くに樋状凹部を含んでおり、当該樋状凹部は、前記カバーが前記ハウジング上の定位置にあるときに、前記線を取り囲むために、前記ハウジング内の前記樋状凹部のうちの1つと協働するようになされている、配線接続箱。
【請求項12】
請求項9に記載の配線接続箱であり、
各区分の前記基部に取り付けられ且つ前記半体を相対的に動かす助けとなるように前記基部から上方へ延びているタブを含んでいる配線接続箱。
【請求項13】
請求項8に記載の配線接続箱であり、
当該配線接続箱が、射出成形されたプラスチックによって作られている配線接続箱。
【請求項14】
請求項8に記載の配線接続箱であり、
前記2つの半体と前記少なくとも1つのストラップとが、射出成形プラスチックによって形成されており且つ単一動作によって形成され、それによって、前記少なくとも1つのストラップが前記2つの半体と結合してそれらと一体化されている、配線接続箱。
【請求項15】
表面上で終端している少なくとも1つの出力と、対応する線との間の少なくとも1つの電気接続部を覆うように配線接続箱を設置して前記接続部を部品から保護する方法であり、
前記配線接続箱がカバーとハウジングとによって構成されており、前記ハウジングは、基部を有し且つ2つの鏡像部分によって構成されており、当該2つの鏡像部分は、相対的に曲げられるように結合されて相対的に可動であり、前記ハウジングは、内側チャンバと少なくとも1つの通路とを有し、当該通路は、前記線を受け入れるようになされており、
接着シールを前記ハウジングの基部の下面に適用するステップと、
前記内側チャンバが前記接続部を覆うように位置決めされ且つ前記線が前記ハウジング内の各々の通路内に受け入れられるように、前記ハウジングを前記表面上に位置決めするステップと、
前記シールを前記平らな面と接触させるために、前記ハウジングを前記平らな面上へと押し下げるステップと、
前記接続部を覆うために、前記内側チャンバに保護シーラントを充填するステップと、
前記内側チャンバを閉じるために、前記カバーを前記ハウジングに掛け止めするステップと、を含む方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であり、
前記通路が前記線の外周に嵌合することができるように、前記通路を広げ且つ開くように前記鏡像部分が相対的に動かされる方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であり、
前記保護シーラントが硬化する前に、前記カバーが前記ハウジングに掛け止めされる方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法であり、
2つの出力、2つの接続部、2つの線及び2つの通路が設けられている方法。
【請求項19】
請求項1に記載の配線接続箱であり、
2つの穴が設けられ、2つの出力と2つの各々の線との間の2つの電気接続を保護するようになされている配線接続箱。
【請求項20】
出力とこれに対応する線との間に形成されている電気接続部を保護するようになされ、前記接続部はほぼ平らな面上に形成されている配線接続箱であり、
少なくとも1つの電気接続を覆うように配置され且つ保護シーラントが充填されるようになされた内側チャンバを備えているハウジングであって、当該ハウジングは、前記内側チャンバから当該ハウジングの外側まで延びている少なくとも1つの穴を備えており、当該穴の通路は前記線を内部に受け入れるようになされている前記ハウジングと、
前記チャンバが前記電気接続部を覆う作動位置にあるときに、前記チャンバを閉じるために前記ハウジング上に掛け止めされるようになされた別個のカバーと、を含む配線接続箱。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【公表番号】特表2008−530758(P2008−530758A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555224(P2007−555224)
【出願日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際出願番号】PCT/US2006/004645
【国際公開番号】WO2006/086588
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(503259381)ビーピー・コーポレーション・ノース・アメリカ・インコーポレーテッド (84)
【Fターム(参考)】