タイプライター玩具
【目的】 文字等の転写が簡単に行えるタイプライター玩具を提供する。
【構成】 台盤と、縦方向および横方向に移動可能な移動台と、タイピング用紙が巻き掛けられるローラと、電動モータと、前記電動モータにより作動して前記移動台を縦方向に往復動作させる移動台縦送り機構と、前記移動台が先方位置へ移動した際に転写を行う転写機構と、前記電動モータの作動を始動後所定時間継続させる第1のタイマ機構と、前記電動モータにより作動して前記ローラを行送り方向に回転させる行送り機構と、前記電動モータの作動を始動後所定時間継続させる第2のタイマ機構と、前記移動台を右方へ1文字相当分ずつ送る移動台横送り機構とを備え、この移動台横送り機構は、突起を有し左右に所定角度範囲で回動可能なレバーと、このレバーを右方向に付勢する付勢手段と、左斜め先方に向けて延び前記移動台の先方位置への移動の際に前記突起が通行可能な案内溝が横方向に1文字相当間隔で多数並設された案内部材とから構成されている。
【構成】 台盤と、縦方向および横方向に移動可能な移動台と、タイピング用紙が巻き掛けられるローラと、電動モータと、前記電動モータにより作動して前記移動台を縦方向に往復動作させる移動台縦送り機構と、前記移動台が先方位置へ移動した際に転写を行う転写機構と、前記電動モータの作動を始動後所定時間継続させる第1のタイマ機構と、前記電動モータにより作動して前記ローラを行送り方向に回転させる行送り機構と、前記電動モータの作動を始動後所定時間継続させる第2のタイマ機構と、前記移動台を右方へ1文字相当分ずつ送る移動台横送り機構とを備え、この移動台横送り機構は、突起を有し左右に所定角度範囲で回動可能なレバーと、このレバーを右方向に付勢する付勢手段と、左斜め先方に向けて延び前記移動台の先方位置への移動の際に前記突起が通行可能な案内溝が横方向に1文字相当間隔で多数並設された案内部材とから構成されている。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、タイプライター玩具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のタイプライター玩具としては、転写キーおよび行送りキーを有する台盤と、この台盤の縦方向に移動可能な移動台と、この移動台の先方位置に設けられタイピング用紙が巻き掛けられ当該タイピング用紙の行送り方向に回転可能なローラと、前記転写キーが操作された際に前記移動台を縦方向に往復動作させる移動台縦送り機構とを備えたものが知られている。この種のタイプライター玩具は、実公平4−7976号公報に記載されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、前記タイプライター玩具にあっては、文字等の転写にあたり、移動台が向かって前方へ移動して転写し終わるまで、転写キーを操作し続ける必要があり、その加減は難しく、転写キーの操作が中途半端に終わった場合には、転写ができないという問題があった。また、行送りはローラの軸に付設されたつまみを手で回転させることによって行っていたが、このつまみ操作も手でクリック感を感じつつ行う必要があり、面倒であった。
【0004】
本考案は、このような点に鑑みなされたもので、文字等の転写が簡単に行えるタイプライター玩具を提供することを目的とする。また、他の目的は、行送りも簡単に行えるタイプライター玩具を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の手段は、転写キーおよび行送りキーを有する台盤と、この台盤の縦方向および横方向に移動可能な移動台と、この移動台の先方位置に設けられタイピング用紙が巻き掛けられ当該タイピング用紙の行送り方向に回転可能なローラと、前記転写キーおよび前記行送りキーの操作により作動する電動モータと、前記転写キーが操作された際に前記電動モータにより作動して前記移動台を縦方向に往復動作させる移動台縦送り機構と、前記移動台に設けられ当該移動台が初期位置の手前側位置から先方位置へ移動した際に前記タイピング用紙に文字等を転写する転写機構と、前記転写キーの操作をトリガとして前記電動モータにより作動して当該電動モータの作動を始動後所定時間継続させる第1のタイマ機構と、前記行送りキーの操作をトリガとして前記電動モータにより作動して前記ローラを行送り方向に回転させる行送り機構と、前記行送りキーの操作をトリガとして前記電動モータにより作動して当該電動モータの作動を始動後所定時間継続させる第2のタイマ機構と、前記移動台の縦方向の往復動作毎に当該移動台を右方へ1文字相当分ずつ送る移動台横送り機構を備え、この横送り機構は、突起を有し前記移動台上の鉛直な軸を中心に左右に所定角度範囲で回動可能なレバーと、このレバーを向かって右方向に付勢する付勢手段と、左斜め先方に向けて延び前記移動台の先方位置への移動の際に前記突起が通行可能な案内溝が横方向に1文字相当間隔で多数並設された案内部材とから構成されていることを特徴とするものである。
【0006】
第2の手段は、第1の手段において、転写位置固定キーと、転写位置を固定する転写位置固定機構とを備え、前記転写位置固定機構は、前記転写位置固定キーの操作によって前記案内部材を動作させて前記案内溝を前記突起の通行位置より退避させることができるように構成されていることを特徴とするものである。
【0007】
第3の手段は、第1または第2の手段において、スペースキーと、前記スペースキーの操作により前記移動台をほぼ定位置で1文字相当分ずつ右方に移動させる空送り機構とを備え、前記空送り機構は、前記案内溝の手前位置に設けられ前記突起を歯間凹部に臨入可能な歯が横方向に1文字相当間隔で多数形成され前記スペースキーの操作によって初期位置より右斜め先方へ移動可能な波板と、この波板を初期位置に復帰させる付勢手段とによって構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
【作用】
上記した手段によれば、転写キーの操作により、電動モータを介して移動台縦送り機構が作動し、移動台が先方位置へ移動して、ローラに巻き掛けられたタイピング紙に文字等の転写を行う。この場合、移動台縦送り機構の作動は、転写キーの操作を止めた後も第1のタイマ機構によって継続されることになり、転写が確実に行われることになる。
【0009】
また、行送りキーの操作により、電動モータを介して行送り機構が作動し、ローラが行送り方向に回転して、ローラに巻き掛けられたタイピング紙の行送りを行う。この場合、行送り機構の作動は、行送りキーの操作を止めた後も第2のタイマ機構によって継続されることになり、行送りが確実に行われることになる。
【0010】
さらに、移動台の往復動作毎に当該移動台を右方へ1文字相当分ずつ送る移動台横送り機構を備えたものでは、1文字分転写する毎に移動台が1文字相当分ずつ右方へ送られるので、連続しての転写が可能となる。
【0011】
また、転写位置固定機構が設けられたものでは、転写位置が固定され、その転写位置に重ね打ちをすることができるので、任意の組み合わせ絵柄などを作成できることになる。
【0012】
さらに、空送り機構が設けられたものでは、スペースをスペースキーの操作によって確保することができるので、文字間等にスペースを挿入するのが容易である。
【0013】
【実施例】
以下、図面に基づいて、本考案の実施例に係るタイプライターについて説明する。
【0014】
図1には実施例のタイプライターの外観斜視図が示されている。このタイプライター1は、文字、図形または記号等(以下「文字等」という)を印字するための判2aが付設されたディスク2を備えており、このディスク2は移動台3の上にセット可能となっている。また、タイピング用紙4(図9参照)は、ローラ5に巻き掛けられてセットされ、押え部材6で押えられるようになっている。そして、ディスク2およびタイピング用紙4をセットした状態で、電源スイッチ7aをON状態にし、転写キー7cを叩くと、移動台3が、向かって前方(先方)へ進む。移動台3が前方へ進むと、途中で、スタンプインクローラ8が上方へ持ち上がり、そのスタンプインクローラ8のインクが判2aの文字等に付着する。次いで、スタンプインクローラ8が下降し、移動台3の押圧板9が判2aの上を叩き、判2aの文字等がタイピング用紙4に印字される。その後、移動台3が、向かって後方へ進む。その際、ディスク2が判2aの1つ分だけ反時計方向に回転すると共に、移動台3は右方へ1文字相当分移動する。その結果、転写キー7cを次に押した場合には、先程と同じ動作でもって、先の判2aによる文字等の右隣に、次の判2aによる文字等が転写されることになる。
【0015】
また、転写位置固定キー7bを押しながら転写キー7cを押すと、転写キー7cだけを押した場合と同じに、転写が行われるが、その転写後に、移動台3は右方へ1文字相当分移動しないままで、元の位置に戻る。その結果、転写キー7cを次に押した場合には、先程と同じ動作でもって、先の判2aの文字等の上あるいはその余白に、次の判2aの文字等が転写されることになる。この転写位置固定キー7bは組み合わせ文字あるいは絵柄等の場合に用いられる。例えば、左側に漢字の「へん」を1つの判2aで転写し、右側に「つくり」を他の1つの判2aで転写したり、また、人の顔形をいくつもの判2aで作成する場合に転写位置固定キー7bが用いられる。
【0016】
また、スペースキー7dを押すと、移動台3は、手前側のほぼ定位置で右方へ1文字相当分移動する。一方、行送りキー7eを押すと、ローラ5が所定角度回転し、タイピング用紙4の行送りがされる。
【0017】
なお、この実施例のタイプライター1においては、判2aの組み替えができるようになっており、この組み替えによって所望の文を作成することができる。
【0018】
次に、このタイプライター1の詳細を説明する。
【0019】
このタイプライター1は台盤10を備えている。この台盤10の手前側には左から電源スイッチ7a、転写位置固定キー7b、転写キー7c、スペースキー7dおよび行送りキー7eが付設されている。また、台盤10の中程には凹部10aが形成されており、この凹部10aには移動台3が設置されている。そして、この移動台3にはスタンプインクローラ8および押圧板9が設けられている。また、この移動台3にはディスク2がセット可能となっている。さらに、台盤10の凹部10aの奥にはローラ5が設置されている。また、台盤10の奥には、凹部10aを覆うことができるカバー11が取り付けられている。
【0020】
(1)タイマ機構 図2に示すように、台盤10の内部には、バッテリB(図3〜図5参照)と、このバッテリBを電源とするモータMと、このモータMによって駆動され移動台3を動作させる転写タイマカム12と、前記モータMによって駆動されローラ5を動作させる行送りタイマカム13とが設けられている。
このうちモータMと転写タイマカム12とは歯車14a〜14hを介して連結されている。このうち歯車14aは、モータ軸に付設された太陽歯車であり、歯車14bは、モータ軸を中心に回転可能なアーム15に支持されて歯車14aに噛合する遊星歯車であり、歯車14cは歯車14bと一体的に構成された歯車であり、歯車14dは軸16の一端に固定されモータMの正回転時に歯車14cに噛合する歯車であり、歯車14eは軸16の他端に固定の歯車であり、歯車14fは軸17に支持されて歯車14eに噛合するクラウン歯車であり、歯車14gは歯車14fと一体的に構成された歯車であり、歯車14hは転写タイマカム12の軸18に固定の歯車である。一方、モータMと行送りタイマカム13とは歯車14a〜14cおよび19a〜19eを介して連結されている。このうち歯車19aは、軸20に支持されてモータMの逆転時に歯車14cと噛合する歯車であり、歯車19bは歯車19aと一体的な歯車であり、歯車19cは軸21に固定のクラウン歯車であり、歯車19dは軸21に固定の歯車であり、歯車19eは軸22に固定のクラウン歯車である。そして、軸22には行送りタイマカム13が固定されている。
続いて、モータMの駆動回路を図3〜図5を用いて説明すれば、モータMの駆動は、電源スイッチ7aをON状態にした後、転写キー7cの押圧や行送りキー7eの押圧によって、開始されるようになっている。すなわち、転写キー7cを押圧すると、その転写キー7cに対応したスイッチの可動接点aが固定接点bに接触し、モータMが正回転する。モータMが正回転すると、転写タイマカム12が回転するので、転写タイマカム12のカム突起12aが可動接点cから離れる。すると、今まで、接触していた可動接点dが自らの弾性力によって固定接点eから離れた後、可動接点cも自らの弾性力によって固定接点fに接触する。その結果、転写キー7cから手を離しても、モータMは駆動し続ける。転写タイマカム12が1回転すると、カム突起12aが可動接点cを押し、可動接点cが固定接点fから離れた後、転写タイマカム12の惰性回転によってカム突起12aが可動接点cをなおも押し、可動接点dが固定接点eに接触する。これにより、モータMの駆動は自動的に停止する。一方、行送りキー7eを押圧すると、その行送りキー7eに対応したスイッチの可動接点gが固定接点hに接触し、モータMが逆回転する。モータMが逆回転すると、行送りタイマカム13が回転するので、行送りタイマカム13が可動接点iを押し、可動接点iが固定接点jから離れ、その直後に、行送りタイマカム13の惰性回転により可動接点iがなおも押され、可動接点kが固定接点lに接触する。その結果、行送りキー7eから手を離しても、モータMは駆動し続ける。行送りタイマカム13が1回転すると、可動接点kが自らの弾性力によって固定接点lから離れた後、可動接点iが自らの弾性力によって固定接点jに接触する。これにより、モータMの駆動は自動的に停止する。
【0021】
(2)紙保持機構 ローラ5の軸50の左端には図2および図6に示すようにダイヤル51が付設されている。また、ローラ5には歯車52が付設されている。この歯車52は軸53に固定の歯車54aに噛合している。また、軸53には所定間隔でピンチローラ54b,54bが固定されている。そして、ローラ5とピンチローラ54b,54bとの間で挟むようにしてタイピング用紙4を保持するようになっている。
【0022】
(3)ローラ5の位置決め機構 ローラ5の軸50には玉受部材55が設けられている。この玉受部材55には計12個の玉受凹部55aが設けられている。この玉受凹部55aには、図7(a),(b)に示すように、押しばね56aによって上方へ付勢された押し玉56が嵌合するようになっており、この押し玉56の嵌合によってローラ5の位置決めがされるようになっている。
【0023】
(4)行送り機構 歯車19eには爪部材57が付設され、一方、ローラ5の軸50には爪部材57によって間欠的に回転する爪車58が付設されている。そして、歯車19eが1回転した際に、図8(a)〜(c)に示すように、爪部材57によって爪車58が1爪分回転するようになっている。
【0024】
(5)移動台縦送り機構 転写タイマカム12の上面には偏心位置に上向ピン12b(図2および図9(a)〜(c))が立設されている。この上向ピン12bは、台盤10の縦方向に往復動作可能なスライダ板23の横方向に延びるスリット23aに差し込まれている(図10に示す下方から見た斜視図参照)。その結果、転写タイマカム12が1回転すると、スライダ板23が縦方向に往復動作することになる。このスライダ板23の下面には横方向に延びる直線状の玉受部材24が付設されている。
この玉受部材24には玉受凹部24aが1文字相当間隔で多数設けられている。
また、この玉受部材24の近くには玉受部材24に沿って延びる開口25が設けられている。一方、移動台3の下側には、押しばね26aによって付勢される押し玉26bが取付具26によって支持され、その取付具26は前記開口25に臨み、スライダ板23の下面から下に突き出し、押し玉26が玉受凹部24aの1つに嵌合している。その結果、スライダ板23が縦(前後)に往復動作すると、図9(a)〜(c)に示すように、移動台3も追従して動作することになる一方で、移動台3はスライダ板23に対して左右に移動可能となり、その際、押し玉26が玉受凹部24aの1つに適宜嵌合することによって、移動台3の位置決めがなされる。
【0025】
(6)ディスク2の取付構造 移動台3の上には図1および図11に示すように軸筒30が付設されている。
この軸筒30内には水平な軸31aを中心に所定角度範囲で回転可能に鉤部材31が設けられている。この鉤部材31は、押しばね32によって、先端が軸筒30の半径方向外方へ向けて付勢されている。この軸筒30には、ディスク2がはまり合うようになっている。一方、鉤部材31の先端部上面は先端側へ向けて下り勾配を持つ斜面となっている。その結果、ディスク2を軸筒30にはめ合わせる際、ディスク2の軸孔2bの縁部によって、鉤部材31は押しばね32の付勢力に抗して一旦後退し、ディスク2が完全に軸筒30にはまり合った時、押しばね32の付勢力によって、鉤部材31の先端がディスク2の上まで突き出て、ディスク2の抜けが防止される。
【0026】
(7)ディスク2の構造 ディスク2は円板状に構成され、中央に、軸筒30とはまり合う軸孔2bを有している。また、ディスク2には放射状に外縁まで延びる切込みが多数設けられている。この切込みによって画成される各片は弾性を有しており、その先端部には判取付孔2cが設けられ、ここには、文字等を刻んだ判2aの裏側の突起が差し込まれるようになっている。その結果、判2aを任意のものに交換することができる。
【0027】
(8)転写機構 移動台3の下方には、図11に示すように、移動台3に追従して左右方向に移動可能なスタンプインク支持板32が設けられている。このスタンプインク支持板32には軸受板32a,32b設けられ、この軸受板32a,32bには、インクを含侵させたスタンプインクローラ33と重り34を持つシーソ部材35が軸支持されている。このシーソ部材35の後方のアームの右側面には横向ピン35bが付設され、この横向ピン35bは移動台3内に臨み、移動台3の上枠下面に垂設された直動カム36に接触している。このカム36のカム輪郭は、図9(a)〜(c)に示すように、移動台3の前進途中でシーソ部材35のスタンプインクローラ33が首を一瞬持ち上げてディスク2の判2aに接触するような形状とされている。なお、シーソ部材35およびスタンプインクローラ33は、判2a自体にインクを含侵させておけば、省略することができる。
また、移動台3には軸9a,9aを中心に上下に動作可能な押圧板9が取り付けられている。この押圧板9の左側の軸9aにはリンク37が固定され、このリンク37に付設された横向ピン37aとスタンプインク支持板32の左側の軸受板32bとの間には引っ張りばね38が掛けられている。また、移動台3内のリンク37の近くには逆Z状の係止レバー40が設けられている。この係止レバー40の後端には図12(b)および図13(b)に示すように板ばね41が取り付けられ、この板ばね41の作用によって、図12(a),(b)に示すように、係止レバー40の後端部の爪40aがリンク37を係止し、押圧板9が上方に上がった状態に保持される。また、係止レバー40の前端部は移動台3の前端から突き出し、移動台3が先方位置に移動した時に、台盤10内のストッパ39に係止レバー40の前端部が突き当たり、図13(b)に示すように、係止レバー40が反時計方向に回転し、係止レバー40によるリンク37の係止が解除され、押圧板9が引っ張りばね38の作用によって判2aの上側を叩くことになる。
【0028】
(9)ディスク2の文字送り機構 移動台3の内部には、図11に示すように、突起42a,42bが設けられた回動板42が設けられている。この回動板42は鉛直の軸42cを中心に回動可能となっている。突起42aは、移動台3がローラ5から離反する際に、一方、突起42bは、移動台3がローラ5に接近する際に、スタンプインク保持板31の右側の軸受板32aに突き当たり、回動板42を動作させる。この回動板42には2つの上向ピン43a,43bが付設されている。このうち上向ピン43aにはアーム44が取り付けられている。このアーム44は上向ピン43bを中心に水平面内で回動可能となっている。このアーム44の上面には三角形状の爪44aが付設されている。この爪44aは移動台3の上枠に形成された開口3c内に臨み、移動台3の上枠の上面よりも上に突き出している。また、アーム44の下面には下向ピン44bが垂設され、この下向ピン44bと回動板42の上向ピン43aとの間には引っ張りばね45が掛けられている。一方、ディスク2の裏面には爪車46が設けられ(図1参照)、この爪車46に前記爪44aが係合している。そして、回動板42の1回の回動動作により、ディスク2を1爪分回転させる(図14および図15)。
【0029】
(10)支持台横送り機構 移動台3には、図11に示すように、鉛直軸60を中心に左右に動作する揺動板61が設けられている。この揺動板61の下面先端には下向突起61aが付設され、この下向突起61aは移動台3の下枠に形成された弧状スリット3fにはまり込み、その下枠の下面から突き出している。この揺動板61の下向突起61aは引っ張りばね93によって弧状スリット3fの右端部に押し付けられている。一方、台盤10の凹部10aには、図10、図14および図15に示すように、左斜め先方へ向けて延びる多数の案内突起62aが横方向に1文字相当間隔で形成された案内板(案内部材)62が水平軸63を中心に上下に回動可能に設けられている。隣合う案内突起62a,62aの間は案内溝62bを構成している。この案内板62は図示しないばねによって上方へ付勢され、移動台3が後退する際に、揺動板61の下向突起61aが案内溝62b内を通行するが、その際、下向突起61aは図17(a)に示すように案内溝62bを倣うので、下向突起61aが移動台3に対して右方へ移動しようとするが、この下向突起61aは引っ張りばね93によって弧状スリット3fの右端部に押し付けられているので、移動台3は右方へ移動1文字相当分移動し、案内溝62bを手前側に抜け出る(図17(b))。そして、次に転写キー7cを押した時には、図17(c)に示すように、先の案内溝62bと同じ案内溝62bを下向突起61aが通行する。
この時、揺動板61は引っ張りばね93の付勢力に抗して左方へ回転し、それに連れて下向突起61bは弧状スリット3fの左端部へ向けて移動し、案内溝62bを先方側に抜け出る。下向突起61bが案内溝61bを抜け出ると、揺動板61は引っ張りばね93の付勢力によって右方へ回転し、下向突起61aは引っ張りばね93によって弧状スリット3fの右端部に押し付けられる。その結果、移動台3が再び後退するときには、下向突起61aは先の案内溝62bの右隣の案内溝62bを通行することになる。
【0030】
(11)転写位置固定機構 前記案内板62は、図16に示すように、転写位置固定キー7bの操作の際、その転写位置固定キー7bに押され、水平軸63を中心に下方へ回転する。これにより、案内溝62aが揺動板61の下向突起61bの通路から退避することになる。その結果、移動台3が後退する際に、転写位置固定キー7bが押されていれば、移動台3は右方へは移動しない。
【0031】
(12)空送り機構 案内溝62bの手前位置には、図10に示すように、鋸歯状の歯が形成された波板70が設けられ、歯間凹部70aには前記揺動板61の下向突起61bが臨入可能となっている。この波板70は、スペースキー7dの押圧により右斜め先方へ移動できるようになっている。この波板70には、その両端部に斜状の案内孔70b,70bが形成され、この案内孔70b,70bには、台盤10の上板の下面に付設された下向ボス(図示せず)がはまり込み、この下向ボスにワッシャ付きのおねじ(図示せず)を螺合することによって台盤10に取り付けられる。スペースキー7dの下側には傾斜面72が設けられており、この傾斜面72によって動作するレバー71によって波板70が動作される。つまり、レバー71の上面には突片71aが形成され、この突片71aと前記傾斜面72とが接触するようになっている。レバー71の他端には波板70のスリット70cにはまり込む突起71bが設けられている。また、レバー71上にはレバー71と一体動作するアーム73が設けられ、このアーム73には復帰ばね74が掛けられている。この空送り機構によれば、スペースキー7dを操作した際に、図18(a)
の状態から同図(b)に示すように右斜め先方へ波板70が移動し、波板70の歯間凹部70aに臨入し、移動台3は右方へ1文字相当分移動する。その後、スペースキー7dから手を離すと、同図(c)に示すように、波板70は復帰ばね74によって元位置に戻ろうとする。その際、揺動板61の下向突起61bは左方へ引っ張られるが、下向突起61bは弧状スリット3fを左方に移動するだけなので、移動台3は左方へは移動しない。その後、波板70は復帰ばね74によって元位置に戻る。
【0032】
このように構成されたタイプライター玩具1によれば下記の効果を得ることができる。
【0033】
すなわち、転写キー7cの操作により、電動モータMを介して移動台縦送り機構が作動し、移動台3が先方位置へ移動して、ローラ5に巻き掛けられたタイピング紙4に文字等の転写を行う。この場合、移動台縦送り機構の作動は、転写キー7cの操作を止めた後も転写タイマカム12によって継続されることになり、転写が確実に行われることになる。
【0034】
また、行送りキー7eの操作により、電動モータMを介して行送り機構が作動し、ローラ5が行送り方向に回転して、ローラ5に巻き掛けられたタイピング紙4の行送りを行う。この場合、行送り機構の作動は、行送りキー7eの操作を止めた後も行送りタイマカム13によって継続されることになり、行送りが確実に行われることになる。
【0035】
さらに、移動台3の往復動作毎に当該移動台3を右方へ1文字相当分ずつ送る移動台横送り機構を備えているので、1文字分転写する毎に移動台3が1文字相当分ずつ右方へ送られるので、連続しての転写が可能となる。
【0036】
また、転写位置固定機構が設けられているので、転写位置を固定して、その転写位置に重ね打ちをすることができるので、任意の組み合わせ絵柄などを作成できることになる。
【0037】
さらに、空送り機構が設けられているので、スペースをスペースキーの操作によって確保することができるので、文字間等にスペースを挿入するのが容易である。
【0038】
以上、本考案者によってなされた考案の実施例について説明したが、本考案は、かかる実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
【0039】
【考案の効果】
本考案の代表的なものの効果を説明すれば、文字等の転写および行送りが簡単に行えるタイプライター玩具の実現が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の外観斜視図である。
【図2】本考案の実施例に係るタイプライター玩具のタイマ機構の構成を示す斜視図である。
【図3】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の回路構成を示す斜視図である。
【図4】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の回路構成を示す図である。
【図5】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の回路構成を示す等価回路図である。
【図6】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の一部の分解斜視図である。
【図7】本考案の実施例に係るタイプライター玩具のローラの位置決め機構を示す側面図である。
【図8】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の行送り機構を示す側面図である。
【図9】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の移動台縦送り機構を示す側面図である。
【図10】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の一部を下方から見た斜視図である。
【図11】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の移動台の分解斜視図である。
【図12】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の転写機構の押圧板の動作を示す図である。
【図13】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の転写機構の押圧板の動作を示す図である。
【図14】本考案の実施例に係るタイプライター玩具のディスクの文字送り機構を示す平面図である。
【図15】本考案の実施例に係るタイプライター玩具のディスクの文字送り機構を示す平面図である。
【図16】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の転写位置固定機構を示す側面図である。
【図17】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の支持台横送り機構の働きを示す平面図である。
【図18】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の空送り機構の働きを示す平面図である。
【符号の説明】
1 タイプライター玩具
2 ディスク
3 移動台
4 タイピング紙
5 ローラ
7b 転写位置固定キー
7c 転写キー
7d スペースキー
7e 行送りキー
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、タイプライター玩具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のタイプライター玩具としては、転写キーおよび行送りキーを有する台盤と、この台盤の縦方向に移動可能な移動台と、この移動台の先方位置に設けられタイピング用紙が巻き掛けられ当該タイピング用紙の行送り方向に回転可能なローラと、前記転写キーが操作された際に前記移動台を縦方向に往復動作させる移動台縦送り機構とを備えたものが知られている。この種のタイプライター玩具は、実公平4−7976号公報に記載されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、前記タイプライター玩具にあっては、文字等の転写にあたり、移動台が向かって前方へ移動して転写し終わるまで、転写キーを操作し続ける必要があり、その加減は難しく、転写キーの操作が中途半端に終わった場合には、転写ができないという問題があった。また、行送りはローラの軸に付設されたつまみを手で回転させることによって行っていたが、このつまみ操作も手でクリック感を感じつつ行う必要があり、面倒であった。
【0004】
本考案は、このような点に鑑みなされたもので、文字等の転写が簡単に行えるタイプライター玩具を提供することを目的とする。また、他の目的は、行送りも簡単に行えるタイプライター玩具を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の手段は、転写キーおよび行送りキーを有する台盤と、この台盤の縦方向および横方向に移動可能な移動台と、この移動台の先方位置に設けられタイピング用紙が巻き掛けられ当該タイピング用紙の行送り方向に回転可能なローラと、前記転写キーおよび前記行送りキーの操作により作動する電動モータと、前記転写キーが操作された際に前記電動モータにより作動して前記移動台を縦方向に往復動作させる移動台縦送り機構と、前記移動台に設けられ当該移動台が初期位置の手前側位置から先方位置へ移動した際に前記タイピング用紙に文字等を転写する転写機構と、前記転写キーの操作をトリガとして前記電動モータにより作動して当該電動モータの作動を始動後所定時間継続させる第1のタイマ機構と、前記行送りキーの操作をトリガとして前記電動モータにより作動して前記ローラを行送り方向に回転させる行送り機構と、前記行送りキーの操作をトリガとして前記電動モータにより作動して当該電動モータの作動を始動後所定時間継続させる第2のタイマ機構と、前記移動台の縦方向の往復動作毎に当該移動台を右方へ1文字相当分ずつ送る移動台横送り機構を備え、この横送り機構は、突起を有し前記移動台上の鉛直な軸を中心に左右に所定角度範囲で回動可能なレバーと、このレバーを向かって右方向に付勢する付勢手段と、左斜め先方に向けて延び前記移動台の先方位置への移動の際に前記突起が通行可能な案内溝が横方向に1文字相当間隔で多数並設された案内部材とから構成されていることを特徴とするものである。
【0006】
第2の手段は、第1の手段において、転写位置固定キーと、転写位置を固定する転写位置固定機構とを備え、前記転写位置固定機構は、前記転写位置固定キーの操作によって前記案内部材を動作させて前記案内溝を前記突起の通行位置より退避させることができるように構成されていることを特徴とするものである。
【0007】
第3の手段は、第1または第2の手段において、スペースキーと、前記スペースキーの操作により前記移動台をほぼ定位置で1文字相当分ずつ右方に移動させる空送り機構とを備え、前記空送り機構は、前記案内溝の手前位置に設けられ前記突起を歯間凹部に臨入可能な歯が横方向に1文字相当間隔で多数形成され前記スペースキーの操作によって初期位置より右斜め先方へ移動可能な波板と、この波板を初期位置に復帰させる付勢手段とによって構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
【作用】
上記した手段によれば、転写キーの操作により、電動モータを介して移動台縦送り機構が作動し、移動台が先方位置へ移動して、ローラに巻き掛けられたタイピング紙に文字等の転写を行う。この場合、移動台縦送り機構の作動は、転写キーの操作を止めた後も第1のタイマ機構によって継続されることになり、転写が確実に行われることになる。
【0009】
また、行送りキーの操作により、電動モータを介して行送り機構が作動し、ローラが行送り方向に回転して、ローラに巻き掛けられたタイピング紙の行送りを行う。この場合、行送り機構の作動は、行送りキーの操作を止めた後も第2のタイマ機構によって継続されることになり、行送りが確実に行われることになる。
【0010】
さらに、移動台の往復動作毎に当該移動台を右方へ1文字相当分ずつ送る移動台横送り機構を備えたものでは、1文字分転写する毎に移動台が1文字相当分ずつ右方へ送られるので、連続しての転写が可能となる。
【0011】
また、転写位置固定機構が設けられたものでは、転写位置が固定され、その転写位置に重ね打ちをすることができるので、任意の組み合わせ絵柄などを作成できることになる。
【0012】
さらに、空送り機構が設けられたものでは、スペースをスペースキーの操作によって確保することができるので、文字間等にスペースを挿入するのが容易である。
【0013】
【実施例】
以下、図面に基づいて、本考案の実施例に係るタイプライターについて説明する。
【0014】
図1には実施例のタイプライターの外観斜視図が示されている。このタイプライター1は、文字、図形または記号等(以下「文字等」という)を印字するための判2aが付設されたディスク2を備えており、このディスク2は移動台3の上にセット可能となっている。また、タイピング用紙4(図9参照)は、ローラ5に巻き掛けられてセットされ、押え部材6で押えられるようになっている。そして、ディスク2およびタイピング用紙4をセットした状態で、電源スイッチ7aをON状態にし、転写キー7cを叩くと、移動台3が、向かって前方(先方)へ進む。移動台3が前方へ進むと、途中で、スタンプインクローラ8が上方へ持ち上がり、そのスタンプインクローラ8のインクが判2aの文字等に付着する。次いで、スタンプインクローラ8が下降し、移動台3の押圧板9が判2aの上を叩き、判2aの文字等がタイピング用紙4に印字される。その後、移動台3が、向かって後方へ進む。その際、ディスク2が判2aの1つ分だけ反時計方向に回転すると共に、移動台3は右方へ1文字相当分移動する。その結果、転写キー7cを次に押した場合には、先程と同じ動作でもって、先の判2aによる文字等の右隣に、次の判2aによる文字等が転写されることになる。
【0015】
また、転写位置固定キー7bを押しながら転写キー7cを押すと、転写キー7cだけを押した場合と同じに、転写が行われるが、その転写後に、移動台3は右方へ1文字相当分移動しないままで、元の位置に戻る。その結果、転写キー7cを次に押した場合には、先程と同じ動作でもって、先の判2aの文字等の上あるいはその余白に、次の判2aの文字等が転写されることになる。この転写位置固定キー7bは組み合わせ文字あるいは絵柄等の場合に用いられる。例えば、左側に漢字の「へん」を1つの判2aで転写し、右側に「つくり」を他の1つの判2aで転写したり、また、人の顔形をいくつもの判2aで作成する場合に転写位置固定キー7bが用いられる。
【0016】
また、スペースキー7dを押すと、移動台3は、手前側のほぼ定位置で右方へ1文字相当分移動する。一方、行送りキー7eを押すと、ローラ5が所定角度回転し、タイピング用紙4の行送りがされる。
【0017】
なお、この実施例のタイプライター1においては、判2aの組み替えができるようになっており、この組み替えによって所望の文を作成することができる。
【0018】
次に、このタイプライター1の詳細を説明する。
【0019】
このタイプライター1は台盤10を備えている。この台盤10の手前側には左から電源スイッチ7a、転写位置固定キー7b、転写キー7c、スペースキー7dおよび行送りキー7eが付設されている。また、台盤10の中程には凹部10aが形成されており、この凹部10aには移動台3が設置されている。そして、この移動台3にはスタンプインクローラ8および押圧板9が設けられている。また、この移動台3にはディスク2がセット可能となっている。さらに、台盤10の凹部10aの奥にはローラ5が設置されている。また、台盤10の奥には、凹部10aを覆うことができるカバー11が取り付けられている。
【0020】
(1)タイマ機構 図2に示すように、台盤10の内部には、バッテリB(図3〜図5参照)と、このバッテリBを電源とするモータMと、このモータMによって駆動され移動台3を動作させる転写タイマカム12と、前記モータMによって駆動されローラ5を動作させる行送りタイマカム13とが設けられている。
このうちモータMと転写タイマカム12とは歯車14a〜14hを介して連結されている。このうち歯車14aは、モータ軸に付設された太陽歯車であり、歯車14bは、モータ軸を中心に回転可能なアーム15に支持されて歯車14aに噛合する遊星歯車であり、歯車14cは歯車14bと一体的に構成された歯車であり、歯車14dは軸16の一端に固定されモータMの正回転時に歯車14cに噛合する歯車であり、歯車14eは軸16の他端に固定の歯車であり、歯車14fは軸17に支持されて歯車14eに噛合するクラウン歯車であり、歯車14gは歯車14fと一体的に構成された歯車であり、歯車14hは転写タイマカム12の軸18に固定の歯車である。一方、モータMと行送りタイマカム13とは歯車14a〜14cおよび19a〜19eを介して連結されている。このうち歯車19aは、軸20に支持されてモータMの逆転時に歯車14cと噛合する歯車であり、歯車19bは歯車19aと一体的な歯車であり、歯車19cは軸21に固定のクラウン歯車であり、歯車19dは軸21に固定の歯車であり、歯車19eは軸22に固定のクラウン歯車である。そして、軸22には行送りタイマカム13が固定されている。
続いて、モータMの駆動回路を図3〜図5を用いて説明すれば、モータMの駆動は、電源スイッチ7aをON状態にした後、転写キー7cの押圧や行送りキー7eの押圧によって、開始されるようになっている。すなわち、転写キー7cを押圧すると、その転写キー7cに対応したスイッチの可動接点aが固定接点bに接触し、モータMが正回転する。モータMが正回転すると、転写タイマカム12が回転するので、転写タイマカム12のカム突起12aが可動接点cから離れる。すると、今まで、接触していた可動接点dが自らの弾性力によって固定接点eから離れた後、可動接点cも自らの弾性力によって固定接点fに接触する。その結果、転写キー7cから手を離しても、モータMは駆動し続ける。転写タイマカム12が1回転すると、カム突起12aが可動接点cを押し、可動接点cが固定接点fから離れた後、転写タイマカム12の惰性回転によってカム突起12aが可動接点cをなおも押し、可動接点dが固定接点eに接触する。これにより、モータMの駆動は自動的に停止する。一方、行送りキー7eを押圧すると、その行送りキー7eに対応したスイッチの可動接点gが固定接点hに接触し、モータMが逆回転する。モータMが逆回転すると、行送りタイマカム13が回転するので、行送りタイマカム13が可動接点iを押し、可動接点iが固定接点jから離れ、その直後に、行送りタイマカム13の惰性回転により可動接点iがなおも押され、可動接点kが固定接点lに接触する。その結果、行送りキー7eから手を離しても、モータMは駆動し続ける。行送りタイマカム13が1回転すると、可動接点kが自らの弾性力によって固定接点lから離れた後、可動接点iが自らの弾性力によって固定接点jに接触する。これにより、モータMの駆動は自動的に停止する。
【0021】
(2)紙保持機構 ローラ5の軸50の左端には図2および図6に示すようにダイヤル51が付設されている。また、ローラ5には歯車52が付設されている。この歯車52は軸53に固定の歯車54aに噛合している。また、軸53には所定間隔でピンチローラ54b,54bが固定されている。そして、ローラ5とピンチローラ54b,54bとの間で挟むようにしてタイピング用紙4を保持するようになっている。
【0022】
(3)ローラ5の位置決め機構 ローラ5の軸50には玉受部材55が設けられている。この玉受部材55には計12個の玉受凹部55aが設けられている。この玉受凹部55aには、図7(a),(b)に示すように、押しばね56aによって上方へ付勢された押し玉56が嵌合するようになっており、この押し玉56の嵌合によってローラ5の位置決めがされるようになっている。
【0023】
(4)行送り機構 歯車19eには爪部材57が付設され、一方、ローラ5の軸50には爪部材57によって間欠的に回転する爪車58が付設されている。そして、歯車19eが1回転した際に、図8(a)〜(c)に示すように、爪部材57によって爪車58が1爪分回転するようになっている。
【0024】
(5)移動台縦送り機構 転写タイマカム12の上面には偏心位置に上向ピン12b(図2および図9(a)〜(c))が立設されている。この上向ピン12bは、台盤10の縦方向に往復動作可能なスライダ板23の横方向に延びるスリット23aに差し込まれている(図10に示す下方から見た斜視図参照)。その結果、転写タイマカム12が1回転すると、スライダ板23が縦方向に往復動作することになる。このスライダ板23の下面には横方向に延びる直線状の玉受部材24が付設されている。
この玉受部材24には玉受凹部24aが1文字相当間隔で多数設けられている。
また、この玉受部材24の近くには玉受部材24に沿って延びる開口25が設けられている。一方、移動台3の下側には、押しばね26aによって付勢される押し玉26bが取付具26によって支持され、その取付具26は前記開口25に臨み、スライダ板23の下面から下に突き出し、押し玉26が玉受凹部24aの1つに嵌合している。その結果、スライダ板23が縦(前後)に往復動作すると、図9(a)〜(c)に示すように、移動台3も追従して動作することになる一方で、移動台3はスライダ板23に対して左右に移動可能となり、その際、押し玉26が玉受凹部24aの1つに適宜嵌合することによって、移動台3の位置決めがなされる。
【0025】
(6)ディスク2の取付構造 移動台3の上には図1および図11に示すように軸筒30が付設されている。
この軸筒30内には水平な軸31aを中心に所定角度範囲で回転可能に鉤部材31が設けられている。この鉤部材31は、押しばね32によって、先端が軸筒30の半径方向外方へ向けて付勢されている。この軸筒30には、ディスク2がはまり合うようになっている。一方、鉤部材31の先端部上面は先端側へ向けて下り勾配を持つ斜面となっている。その結果、ディスク2を軸筒30にはめ合わせる際、ディスク2の軸孔2bの縁部によって、鉤部材31は押しばね32の付勢力に抗して一旦後退し、ディスク2が完全に軸筒30にはまり合った時、押しばね32の付勢力によって、鉤部材31の先端がディスク2の上まで突き出て、ディスク2の抜けが防止される。
【0026】
(7)ディスク2の構造 ディスク2は円板状に構成され、中央に、軸筒30とはまり合う軸孔2bを有している。また、ディスク2には放射状に外縁まで延びる切込みが多数設けられている。この切込みによって画成される各片は弾性を有しており、その先端部には判取付孔2cが設けられ、ここには、文字等を刻んだ判2aの裏側の突起が差し込まれるようになっている。その結果、判2aを任意のものに交換することができる。
【0027】
(8)転写機構 移動台3の下方には、図11に示すように、移動台3に追従して左右方向に移動可能なスタンプインク支持板32が設けられている。このスタンプインク支持板32には軸受板32a,32b設けられ、この軸受板32a,32bには、インクを含侵させたスタンプインクローラ33と重り34を持つシーソ部材35が軸支持されている。このシーソ部材35の後方のアームの右側面には横向ピン35bが付設され、この横向ピン35bは移動台3内に臨み、移動台3の上枠下面に垂設された直動カム36に接触している。このカム36のカム輪郭は、図9(a)〜(c)に示すように、移動台3の前進途中でシーソ部材35のスタンプインクローラ33が首を一瞬持ち上げてディスク2の判2aに接触するような形状とされている。なお、シーソ部材35およびスタンプインクローラ33は、判2a自体にインクを含侵させておけば、省略することができる。
また、移動台3には軸9a,9aを中心に上下に動作可能な押圧板9が取り付けられている。この押圧板9の左側の軸9aにはリンク37が固定され、このリンク37に付設された横向ピン37aとスタンプインク支持板32の左側の軸受板32bとの間には引っ張りばね38が掛けられている。また、移動台3内のリンク37の近くには逆Z状の係止レバー40が設けられている。この係止レバー40の後端には図12(b)および図13(b)に示すように板ばね41が取り付けられ、この板ばね41の作用によって、図12(a),(b)に示すように、係止レバー40の後端部の爪40aがリンク37を係止し、押圧板9が上方に上がった状態に保持される。また、係止レバー40の前端部は移動台3の前端から突き出し、移動台3が先方位置に移動した時に、台盤10内のストッパ39に係止レバー40の前端部が突き当たり、図13(b)に示すように、係止レバー40が反時計方向に回転し、係止レバー40によるリンク37の係止が解除され、押圧板9が引っ張りばね38の作用によって判2aの上側を叩くことになる。
【0028】
(9)ディスク2の文字送り機構 移動台3の内部には、図11に示すように、突起42a,42bが設けられた回動板42が設けられている。この回動板42は鉛直の軸42cを中心に回動可能となっている。突起42aは、移動台3がローラ5から離反する際に、一方、突起42bは、移動台3がローラ5に接近する際に、スタンプインク保持板31の右側の軸受板32aに突き当たり、回動板42を動作させる。この回動板42には2つの上向ピン43a,43bが付設されている。このうち上向ピン43aにはアーム44が取り付けられている。このアーム44は上向ピン43bを中心に水平面内で回動可能となっている。このアーム44の上面には三角形状の爪44aが付設されている。この爪44aは移動台3の上枠に形成された開口3c内に臨み、移動台3の上枠の上面よりも上に突き出している。また、アーム44の下面には下向ピン44bが垂設され、この下向ピン44bと回動板42の上向ピン43aとの間には引っ張りばね45が掛けられている。一方、ディスク2の裏面には爪車46が設けられ(図1参照)、この爪車46に前記爪44aが係合している。そして、回動板42の1回の回動動作により、ディスク2を1爪分回転させる(図14および図15)。
【0029】
(10)支持台横送り機構 移動台3には、図11に示すように、鉛直軸60を中心に左右に動作する揺動板61が設けられている。この揺動板61の下面先端には下向突起61aが付設され、この下向突起61aは移動台3の下枠に形成された弧状スリット3fにはまり込み、その下枠の下面から突き出している。この揺動板61の下向突起61aは引っ張りばね93によって弧状スリット3fの右端部に押し付けられている。一方、台盤10の凹部10aには、図10、図14および図15に示すように、左斜め先方へ向けて延びる多数の案内突起62aが横方向に1文字相当間隔で形成された案内板(案内部材)62が水平軸63を中心に上下に回動可能に設けられている。隣合う案内突起62a,62aの間は案内溝62bを構成している。この案内板62は図示しないばねによって上方へ付勢され、移動台3が後退する際に、揺動板61の下向突起61aが案内溝62b内を通行するが、その際、下向突起61aは図17(a)に示すように案内溝62bを倣うので、下向突起61aが移動台3に対して右方へ移動しようとするが、この下向突起61aは引っ張りばね93によって弧状スリット3fの右端部に押し付けられているので、移動台3は右方へ移動1文字相当分移動し、案内溝62bを手前側に抜け出る(図17(b))。そして、次に転写キー7cを押した時には、図17(c)に示すように、先の案内溝62bと同じ案内溝62bを下向突起61aが通行する。
この時、揺動板61は引っ張りばね93の付勢力に抗して左方へ回転し、それに連れて下向突起61bは弧状スリット3fの左端部へ向けて移動し、案内溝62bを先方側に抜け出る。下向突起61bが案内溝61bを抜け出ると、揺動板61は引っ張りばね93の付勢力によって右方へ回転し、下向突起61aは引っ張りばね93によって弧状スリット3fの右端部に押し付けられる。その結果、移動台3が再び後退するときには、下向突起61aは先の案内溝62bの右隣の案内溝62bを通行することになる。
【0030】
(11)転写位置固定機構 前記案内板62は、図16に示すように、転写位置固定キー7bの操作の際、その転写位置固定キー7bに押され、水平軸63を中心に下方へ回転する。これにより、案内溝62aが揺動板61の下向突起61bの通路から退避することになる。その結果、移動台3が後退する際に、転写位置固定キー7bが押されていれば、移動台3は右方へは移動しない。
【0031】
(12)空送り機構 案内溝62bの手前位置には、図10に示すように、鋸歯状の歯が形成された波板70が設けられ、歯間凹部70aには前記揺動板61の下向突起61bが臨入可能となっている。この波板70は、スペースキー7dの押圧により右斜め先方へ移動できるようになっている。この波板70には、その両端部に斜状の案内孔70b,70bが形成され、この案内孔70b,70bには、台盤10の上板の下面に付設された下向ボス(図示せず)がはまり込み、この下向ボスにワッシャ付きのおねじ(図示せず)を螺合することによって台盤10に取り付けられる。スペースキー7dの下側には傾斜面72が設けられており、この傾斜面72によって動作するレバー71によって波板70が動作される。つまり、レバー71の上面には突片71aが形成され、この突片71aと前記傾斜面72とが接触するようになっている。レバー71の他端には波板70のスリット70cにはまり込む突起71bが設けられている。また、レバー71上にはレバー71と一体動作するアーム73が設けられ、このアーム73には復帰ばね74が掛けられている。この空送り機構によれば、スペースキー7dを操作した際に、図18(a)
の状態から同図(b)に示すように右斜め先方へ波板70が移動し、波板70の歯間凹部70aに臨入し、移動台3は右方へ1文字相当分移動する。その後、スペースキー7dから手を離すと、同図(c)に示すように、波板70は復帰ばね74によって元位置に戻ろうとする。その際、揺動板61の下向突起61bは左方へ引っ張られるが、下向突起61bは弧状スリット3fを左方に移動するだけなので、移動台3は左方へは移動しない。その後、波板70は復帰ばね74によって元位置に戻る。
【0032】
このように構成されたタイプライター玩具1によれば下記の効果を得ることができる。
【0033】
すなわち、転写キー7cの操作により、電動モータMを介して移動台縦送り機構が作動し、移動台3が先方位置へ移動して、ローラ5に巻き掛けられたタイピング紙4に文字等の転写を行う。この場合、移動台縦送り機構の作動は、転写キー7cの操作を止めた後も転写タイマカム12によって継続されることになり、転写が確実に行われることになる。
【0034】
また、行送りキー7eの操作により、電動モータMを介して行送り機構が作動し、ローラ5が行送り方向に回転して、ローラ5に巻き掛けられたタイピング紙4の行送りを行う。この場合、行送り機構の作動は、行送りキー7eの操作を止めた後も行送りタイマカム13によって継続されることになり、行送りが確実に行われることになる。
【0035】
さらに、移動台3の往復動作毎に当該移動台3を右方へ1文字相当分ずつ送る移動台横送り機構を備えているので、1文字分転写する毎に移動台3が1文字相当分ずつ右方へ送られるので、連続しての転写が可能となる。
【0036】
また、転写位置固定機構が設けられているので、転写位置を固定して、その転写位置に重ね打ちをすることができるので、任意の組み合わせ絵柄などを作成できることになる。
【0037】
さらに、空送り機構が設けられているので、スペースをスペースキーの操作によって確保することができるので、文字間等にスペースを挿入するのが容易である。
【0038】
以上、本考案者によってなされた考案の実施例について説明したが、本考案は、かかる実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
【0039】
【考案の効果】
本考案の代表的なものの効果を説明すれば、文字等の転写および行送りが簡単に行えるタイプライター玩具の実現が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の外観斜視図である。
【図2】本考案の実施例に係るタイプライター玩具のタイマ機構の構成を示す斜視図である。
【図3】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の回路構成を示す斜視図である。
【図4】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の回路構成を示す図である。
【図5】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の回路構成を示す等価回路図である。
【図6】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の一部の分解斜視図である。
【図7】本考案の実施例に係るタイプライター玩具のローラの位置決め機構を示す側面図である。
【図8】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の行送り機構を示す側面図である。
【図9】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の移動台縦送り機構を示す側面図である。
【図10】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の一部を下方から見た斜視図である。
【図11】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の移動台の分解斜視図である。
【図12】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の転写機構の押圧板の動作を示す図である。
【図13】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の転写機構の押圧板の動作を示す図である。
【図14】本考案の実施例に係るタイプライター玩具のディスクの文字送り機構を示す平面図である。
【図15】本考案の実施例に係るタイプライター玩具のディスクの文字送り機構を示す平面図である。
【図16】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の転写位置固定機構を示す側面図である。
【図17】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の支持台横送り機構の働きを示す平面図である。
【図18】本考案の実施例に係るタイプライター玩具の空送り機構の働きを示す平面図である。
【符号の説明】
1 タイプライター玩具
2 ディスク
3 移動台
4 タイピング紙
5 ローラ
7b 転写位置固定キー
7c 転写キー
7d スペースキー
7e 行送りキー
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 転写キーおよび行送りキーを有する台盤と、この台盤の縦方向および横方向に移動可能な移動台と、この移動台の先方位置に設けられタイピング用紙が巻き掛けられ当該タイピング用紙の行送り方向に回転可能なローラと、前記転写キーおよび前記行送りキーの操作により作動する電動モータと、前記転写キーが操作された際に前記電動モータにより作動して前記移動台を縦方向に往復動作させる移動台縦送り機構と、前記移動台に設けられ当該移動台が初期位置の手前側位置から先方位置へ移動した際に前記タイピング用紙に文字等を転写する転写機構と、前記転写キーの操作をトリガとして前記電動モータにより作動して当該電動モータの作動を始動後所定時間継続させる第1のタイマ機構と、前記行送りキーの操作をトリガとして前記電動モータにより作動して前記ローラを行送り方向に回転させる行送り機構と、前記行送りキーの操作をトリガとして前記電動モータにより作動して当該電動モータの作動を始動後所定時間継続させる第2のタイマ機構と、前記移動台の縦方向の往復動作毎に当該移動台を右方へ1文字相当分ずつ送る移動台横送り機構とを備え、この移動台横送り機構は、突起を有し前記移動台上の鉛直な軸を中心に左右に所定角度範囲で回動可能なレバーと、このレバーを向かって右方向に付勢する付勢手段と、左斜め先方に向けて延び前記移動台の先方位置への移動の際に前記突起が通行可能な案内溝が横方向に1文字相当間隔で多数並設された案内部材とから構成されていることを特徴とするタイプライター玩具。
【請求項2】 転写位置固定キーと、転写位置を固定する転写位置固定機構とを備え、前記転写位置固定機構は、前記転写位置固定キーの操作によって前記案内部材を動作させて前記案内溝を前記突起の通行位置より退避させることができるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のタイプライター玩具。
【請求項3】 スペースキーと、前記スペースキーの操作により前記移動台をほぼ定位置で1文字相当分ずつ右方に移動させる空送り機構とを備え、前記空送り機構は、前記案内溝の手前位置に設けられ前記突起を歯間凹部に臨入可能な歯が横方向に1文字相当間隔で多数形成され前記スペースキーの操作によって初期位置より右斜め先方へ移動可能な波板と、この波板を初期位置に復帰させる付勢手段とによって構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のタイプライター玩具。
【請求項1】 転写キーおよび行送りキーを有する台盤と、この台盤の縦方向および横方向に移動可能な移動台と、この移動台の先方位置に設けられタイピング用紙が巻き掛けられ当該タイピング用紙の行送り方向に回転可能なローラと、前記転写キーおよび前記行送りキーの操作により作動する電動モータと、前記転写キーが操作された際に前記電動モータにより作動して前記移動台を縦方向に往復動作させる移動台縦送り機構と、前記移動台に設けられ当該移動台が初期位置の手前側位置から先方位置へ移動した際に前記タイピング用紙に文字等を転写する転写機構と、前記転写キーの操作をトリガとして前記電動モータにより作動して当該電動モータの作動を始動後所定時間継続させる第1のタイマ機構と、前記行送りキーの操作をトリガとして前記電動モータにより作動して前記ローラを行送り方向に回転させる行送り機構と、前記行送りキーの操作をトリガとして前記電動モータにより作動して当該電動モータの作動を始動後所定時間継続させる第2のタイマ機構と、前記移動台の縦方向の往復動作毎に当該移動台を右方へ1文字相当分ずつ送る移動台横送り機構とを備え、この移動台横送り機構は、突起を有し前記移動台上の鉛直な軸を中心に左右に所定角度範囲で回動可能なレバーと、このレバーを向かって右方向に付勢する付勢手段と、左斜め先方に向けて延び前記移動台の先方位置への移動の際に前記突起が通行可能な案内溝が横方向に1文字相当間隔で多数並設された案内部材とから構成されていることを特徴とするタイプライター玩具。
【請求項2】 転写位置固定キーと、転写位置を固定する転写位置固定機構とを備え、前記転写位置固定機構は、前記転写位置固定キーの操作によって前記案内部材を動作させて前記案内溝を前記突起の通行位置より退避させることができるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のタイプライター玩具。
【請求項3】 スペースキーと、前記スペースキーの操作により前記移動台をほぼ定位置で1文字相当分ずつ右方に移動させる空送り機構とを備え、前記空送り機構は、前記案内溝の手前位置に設けられ前記突起を歯間凹部に臨入可能な歯が横方向に1文字相当間隔で多数形成され前記スペースキーの操作によって初期位置より右斜め先方へ移動可能な波板と、この波板を初期位置に復帰させる付勢手段とによって構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のタイプライター玩具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図12】
【図14】
【図15】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図13】
【図8】
【図9】
【図10】
【図18】
【図11】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図12】
【図14】
【図15】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図13】
【図8】
【図9】
【図10】
【図18】
【図11】
【図16】
【図17】
【登録番号】第3016051号
【登録日】平成7年(1995)7月12日
【発行日】平成7年(1995)9月26日
【考案の名称】タイプライター玩具
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平7−3290
【出願日】平成7年(1995)3月22日
【出願人】(000003584)株式会社トミー (248)
【登録日】平成7年(1995)7月12日
【発行日】平成7年(1995)9月26日
【考案の名称】タイプライター玩具
【国際特許分類】
【出願番号】実願平7−3290
【出願日】平成7年(1995)3月22日
【出願人】(000003584)株式会社トミー (248)
[ Back to top ]