説明

タイプII中継ノード初期化プロシージャ

中継ノードは、アクセスノードに伝送されるメッセージをエンコードするように構成された1つ以上の構成要素を含み、該メッセージは、該中継ノードの初期化中に、該中継ノードを中継ノードとして識別するために使用される。一実施形態において、中継ノードにおいて実装される方法は、アクセスノードに伝送されるメッセージをエンコードするステップを含み、該メッセージは、該中継ノードの初期化の際に、該中継ノードを中継ノードとして識別する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本明細書で使用される場合、用語「モバイルステーション(MS)」、「ユーザエージェント(UA)」、および「ユーザ機器(UE)」は、ある場合には、電気通信能力を有する、携帯電話、携帯情報端末、携帯式またはラップトップコンピュータ、および類似のデバイス等のモバイルデバイスを指す場合がある。そのようなMSは、MSと、加入者識別モジュール(SIM)アプリケーション、汎用加入者識別モジュール(USIM)アプリケーション、または可撤性ユーザ識別モジュール(R−UIM)アプリケーションを含む、汎用集積回路カード(UICC)等が挙げられるが、これに限定されない、その関連する可撤性メモリモジュールとから成る場合がある。本明細書で使用される場合、用語「SIM」はまた、「USIM」を指し得、用語「USIM」はまた、「SIM」を指し得る。代替として、そのようなMSは、そのようなモジュールを伴わないデバイス自体から成る場合がある。他の場合において、用語「MS」は、デスクトップコンピュータ、セットトップボックス、またはネットワーク機器等の携帯可能ではないが、類似した能力を有するデバイスを指す場合がある。用語「MS」はまた、ユーザのために、通信セッションを終了することが可能な、任意のハードウェアまたはソフトウェア構成要素を指すことが可能である。また、用語「MS」、「UE」、「ユーザエージェント(UA)」、「ユーザデバイス」、および「ユーザノード」は、本明細書で同義的に使用される場合がある。
【0002】
電気通信技術の進化に伴って、より高度なネットワークアクセス機器が導入され、以前には可能ではなかったサービスが提供可能となっている。本ネットワークアクセス機器は、従来の無線電気通信システム内の同等機器の改良である、システムおよびデバイスを含む場合がある。そのような高度または次世代機器は、ロングタームエボリューション(LTE)またはLTE−アドバンスト(LTE−A)等の進化型無線通信規格に含まれ得る。例えば、LTEまたはLTE−Aシステムは、従来の基地局ではなく、進化型汎用地上無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)ノードB(eNB)、無線アクセスポイント、または類似構成要素を含む場合がある。
【0003】
本明細書で使用される場合、用語「アクセスノード」は、MSまたは中継ノードに、電気通信システム内の他の構成要素にアクセスさせる、受信および伝送範囲の地理的面積を生成する、従来の基地局、無線アクセスポイント、あるいはLTEまたはLTE−AeNB等の無線ネットワークの任意の構成要素を指す。本書では、用語「アクセスノード」は、複数のハードウェアおよびソフトウェアを備え得る。アクセスノード、コアネットワーク構成要素、または他のデバイスは、セルとして知られる面積内に無線通信リソースを提供し得る。
【0004】
LTEまたはLTE−Aシステムは、MSとアクセスノード、または中継ノード、あるいは他のLTE機器との間の無線リソースの割当、構成、および解放に関与する、無線リソース制御(RRC)プロトコル等のプロトコルを含むことが可能である。RRCプロトコルは、第三世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)技術規格(TS)36.331に詳述されている。
【0005】
MS、中継ノード、およびアクセスノード間でデータを搬送する信号は、周波数、時間、およびコーディングのパラメータ、ならびにネットワークノードによって指定され得る他の特徴を有することが可能である。そのような特徴の指定セットを有する、これらの要素のいずれか間の接続は、リソースと称されることが可能である。用語「リソース」、「通信接続」、「チャネル」、および「通信リンク」は、本明細書では、同義的に使用される場合がある。ネットワークノードは、典型的には、それと任意の特定の時間で通信する、各MSまたは他のネットワークノードのための異なるリソースを確立する。
【0006】
用語「アクセスノード」は、アクセスノードまたは別の中継ノードによって生成される範囲を拡大あるいは拡張するように構成される、無線ネットワーク内の構成要素である、「中継ノード」を指さない場合がある。アクセスノードおよび中継ノードは両方とも、無線通信ネットワーク内に存在し得る、無線構成要素であって、用語「構成要素」および「ネットワークノード」は、アクセスノードまたは中継ノードを指し得る。構成要素は、その構成および設置に応じて、アクセスノードまたは中継ノードとして動作する場合がある。しかしながら、構成要素が、無線通信システム内の他の構成要素にアクセスするために、アクセスノードまたは他の中継ノードの無線範囲を必要とする場合のみ、構成要素は、「中継ノード」と呼ばれる。加えて、2つ以上の中継ノードが、アクセスノードによって生成される範囲を拡大または拡張するために直列に使用され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
最初に、本開示の1つ以上の実施形態の例証的実装が、以下に提供されるが、開示されるシステムおよび/または方法は、現在公知であるか、存在しているかに関わらず、任意の数の技術を使用して実装され得ることを理解されたい。本開示は、本明細書に例証され、説明される例示的設計および実装を含む、以下に例証される例証的実装、図面、および技術に、いかようにも限定されるべきではなく、添付の請求項の範囲とともに、その均等物の完全範囲内で修正され得る。
【0008】
以下の用語は、本明細書で使用される、以下の定義を有する。そのような用語が、3GPP技術規格(TS)において使用されている場合、これらの用語は、3GPPTSに提供される定義と同等である。
【0009】
「CQI」は、「チャネルの質インジケータ」として定義される。
【0010】
「CRS」は、「共通基準信号」として定義される。
【0011】
「DL」は、「ダウンリンク」として定義される。
【0012】
「DRX」は、「間欠受信」として定義される。
【0013】
「EC」は、「確立原因」として定義される。
【0014】
「eNB」は、「進化型ノードB」として定義される。
【0015】
「EoR」は、「ENBまたはRN」として定義される。
【0016】
「L1Relay」または「層1RN」は、「層1中継ノード」として定義される。
【0017】
「L2Relay」または「層2RN」は、「層2中継ノード」として定義される。
【0018】
「L3Relay」または「層3RN」は、「層3中継ノード」として定義される。
【0019】
「LTE」は、「ロングタームエボリューション」として定義される。
【0020】
「LTE−A」は、「LTE−アドバンスト」として定義される。
【0021】
「MAC」は、「媒体アクセス制御」として定義される。
【0022】
「MIB」は、「マスタ情報ブロック」として定義される。
【0023】
「MME」は、「移動管理エンティティ」として定義される。
【0024】
「NAS」は、「非アクセス階層」として定義される。
【0025】
「PDCCH」は、「物理的ダウンリンク制御チャネル」として定義される。
【0026】
「PHY」は、「物理層」として定義される。
【0027】
「RA」は、「ランダムアクセス」として定義される。
【0028】
「RACH」は、「ランダムアクセスチャネル」として定義される。
【0029】
「RAR」は、「ランダムアクセス応答」として定義される。
【0030】
「RN」は、「中継ノード」として定義される。
【0031】
「RRC」は、「無線リソース制御」として定義される。
【0032】
「SIB」は、「システム情報ブロック」として定義される。
【0033】
「SRS」は、「サウンディング基準信号」として定義される。
【0034】
本明細書に説明される実施形態は、無線通信ネットワークにおける、中継ノード(RN)の使用に関する。実施形態はさらに、RNの初期化プロシージャに関する。実施形態はまた、MSをRNおよび/またはeNBと関連付けるプロシージャ、および/または切り離すためのプロシージャに関する。
【0035】
実施形態は、RNのための初期化プロシージャを行なうために、少なくとも3つの異なる技法を提供する。ある実施形態では、eNBは、検出されたRACHプリアンブルに応答して、RACH応答をRNに送信し得る。RNが、RRC接続要求メッセージを返信すると、RNは、MSとは対照的に、RRC接続要求の確立原因に値を追加することによって、eNBに対して、RNとして、自身を識別するであろう。別の実施形態では、RNは、コンテンツが空であるRRC接続設定完了メッセージをeNBに送信し得る。このように、eNBは、MSとは対照的に、RACHプロシージャが、RNによって始動されることを把握する。さらに別の実施形態では、所定のセットのプリアンブルが、RNのために分配される(eNBと関連付けられた利用可能なRACHプリアンブルから)。eNBが、分配されたRACHプリアンブルが、RNのために指定されたRACHプリアンブルのプールに属することを検出すると、eNBは、拡張パケットコア(EPC)によって、NAS設定プロシージャを開始しないであろう。eNBはまた、RNのタイプに適切なEPCによって、NAS設定プロシージャを開始するであろう。いくつかの他の実施形態では、RNをMSと区別するための表示が、上述のそれらの信号伝達の他に、初期化プロシージャの際、他の信号伝達によって送信可能である。
【0036】
MSをRNおよび/またはeNBと関連付けおよび/または切り離す場合、少なくとも3つの技法が使用され、関連付けおよび/または切り離しを達成し得る。MSは、複数のRNと、また、eNBとも関連付けられてもよいことに留意されたい。一実施形態では、MSのRNへの関連付けは、MSアップリンクSRS信号の受信した信号の質に基づく。例えば、既存の関連付けられたMSのSRS信号の平均的受信信号強度(または、一般に、信号対干渉雑音比(SINR)等の受信の質を表す、任意のインジケータ)が、強い、またはいくつかの所定の閾値より強い時、RNは、eNBが、MSをRNに関連付けることを要求する。対照的に、SRS信号の質が、弱過ぎる、またはいくつかの所定の閾値より弱くなる場合、RNは、eNBに、MSをRNから切り離すことを要求し得る。
【0037】
MSから受信されるSRS信号の受信の質が、強過ぎる、または弱過ぎるかどうかを決定するために、RNによって使用される閾値は、eNBによって、静的、準静的、または動的に構成可能である。別の実施形態では、RNは、測定されたSRS信号強度をeNBに報告し、eNBは、MSが、RNおよび/またはeNBのいずれかと関連付けられるべきかどうかを決定する。一実施形態では、eNBにおける決定は、RNおよびeNBで受信されたSRSの相対的信号強度の比較に基づくことが可能である。別の実施形態では、関連付けおよび/または切り離しは、RACH信号に基づく。関連付けまたは切り離しは、MSから直接受信された信号の質と、中継されたRACHプリアンブルCQIの組み合わせに基づき得る。さらに別の実施形態では、SRS信号強度とRACHプリアンブルの組み合わせを使用して、RNに、MSをRNと関連付ける、または切り離すように、eNBに要求するように指示し得る。別の実施形態では、RNによって、eNBに中継されたSRS信号強度およびRACHプリアンブルと、eNBで直接受信されたそれらの組み合わせが、MSがRNと関連付けられる、または切り離されるべきかどうかを決定するために、eNBによって使用され得る。
【0038】
実施形態は、eNBへの接続またはその使用を想定するが、実施形態はまた、異なるタイプのアクセスノードへの接続またはその使用も想定する。したがって、本明細書で使用される場合、用語「eNB」はまた、「アクセスノード」を意味し、通信ネットワーク内の任意のタイプのアクセスデバイスを含み得る。他のタイプのアクセスノードの実施例は、層3中継ノード、コアネットワーク、移動管理エンティティ、およびその他を含む。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本開示をより完全に理解するために、添付の図面および発明を実施するための形態と併せて理解される、以下の簡単な説明を参照する(類似参照数字は、類似部品を表す)。
【図1】図1は、本開示のある実施形態による、中継ノードを使用する、無線通信システムを例証する、ブロック図である。
【図2】図2は、本開示のある実施形態による、RN、eNB、およびMME間の通信プロシージャを示す。
【図3】図3は、本開示のある実施形態による、RRC接続要求メッセージのための例示的疑似コードを示す。
【図4】図4は、本開示のある実施形態による、RN、eNB、およびMME間の通信プロシージャを示す。
【図5】図5は、本開示のある実施形態による、RN、eNB、およびMME間の通信プロシージャを示す。
【図6】図6は、本開示のある実施形態による、複数のMS、RN、およびeNB間の通信を示す。
【図7】図7は、本開示のある実施形態による、MS、RN、およびeNB間の通信を示す。
【図8】図8は、タイプ2RNを初期化するための方法を示す工程図である。
【図9】図9は、RNをMSと関連付けるための方法を示す工程図である。
【図10】図10は、RNをMSと関連付けるための方法を示す工程図である。
【図11】図11は、本明細書に開示される1つ以上の実施形態を実装するために好適な処理構成要素を含むシステムの実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、本開示のある実施形態による、中継ノード102を使用する無線通信システム100を例証する、ブロック図である。概して、本開示は、無線通信ネットワーク内の中継ノードの使用に関する。無線通信ネットワークの実施例は、LTEまたはLTE−アドバンスト(LTE−A)ネットワークを含み、開示および請求される実施形態はすべて、LTE−Aネットワーク内で実装され得る。中継ノード102は、MS110から受信した信号を増幅、反復、復調、デコード、再エンコード、および/または再変調し、修正信号をアクセスノード106で受信させることが可能である。中継ノード102のいくつかの実装では、中継ノード102は、MS110からのデータを伴う信号を受信し、次いで、新しい信号を生成し、データをアクセスノード106に伝送する。中継ノード102はまた、アクセスノード106からデータを受信し、データをMS110に配信可能である。中継ノード102は、MS110が、セルに対するアクセスノード106と直接通信するのではなく、中継ノード102と通信可能なように、そのセルのエッジ近傍に設置される場合がある。
【0041】
無線システムでは、セルは、受信および伝送範囲の地理的面積である。セルは、相互に重複可能である。典型的実施例では、各セルと関連付けられた1つのアクセスノードが存在する。セルのサイズは、周波数帯域、ピーク伝送電力レベル、およびチャネル条件等の要因によって決定される。中継ノード102等の中継ノードは、セル内またはその近傍の範囲を拡張するため、あるいはセルの範囲のサイズを拡大するために使用可能である。加えて、MS110は、MS110が、セルに対するアクセスノード106と直接通信する時に使用し得るものより、高データ速度または低伝送電力において、中継ノード102にアクセス可能であるため、中継ノード102の使用は、そのセル内の信号のスループットを拡張可能となる。同帯域幅内のより高いデータ速度における伝送は、より高いスペクトル効率をもたらし、より低い電力は、小バッテリ電力を消費することによって、MS110に利益となる。
【0042】
中継ノードは、概して、3つのタイプに分割可能である。すなわち、層1中継ノード、層2中継ノード、および層3中継ノードである。層1中継ノードは、本質的には、増幅および若干の遅延以外、どんな修正も行うことなく、伝送を再送可能である、リピータである。層2中継ノードは、受信した伝送を復調/デコードし、デコードの結果を再エンコード・変調し、次いで、変調されたデータを伝送可能である。層3中継ノードは、完全無線リソース制御能力を有し、したがって、アクセスノードと同様に機能可能である。層3中継ノードによって使用される無線リソース制御プロトコルは、アクセスノードによって使用されるものと同一であり得、中継ノードは、典型的には、アクセスノードによって使用される、一意のセル識別を有し得る。タイプ1中継ノードは、その独自の物理的セル識別および完全RRCプロトコルスタックを有する層3中継ノードであるように定義可能である。本開示の目的のために、中継ノードは、少なくとも1つのアクセスノード(および、アクセスノードと関連付けられたセル)と、可能性として、電気通信システム内の他の構成要素にアクセスするための他の中継ノードの存在を要求するという事実によって、アクセスノードと区別される。
【0043】
例証的実施形態は、主に、タイプ2中継ノードに関係している。タイプ2中継ノードは、以下の特徴によって定義される、層2中継ノードである:タイプ2中継ノードは、アクセスノードと別個の物理的セル識別を有しておらず、したがって、任意の新しいセルを生成しないであろう。タイプ2中継ノードは、レガシー(LTEリリース8)MSへ/から中継可能であるべきであって、レガシーMSは、タイプ2中継ノードの存在を認知しないはずである。実施形態は、他のタイプの中継ノードにも同様に適用し得る。
【0044】
通信システム100では、無線通信を可能にするリンクは、3つの個別のタイプが存在すると言える。第1に、MS110が、中継ノード102を介して、アクセスノード106と通信時、MS110と中継ノード102との間の通信リンクは、アクセスリンク108を経由して生じると言える。第2に、中継ノード102とアクセスノード106との間の通信は、中継リンク104を経由して生じると言える。第3に、中継ノード102を通過せず、MS110とアクセスノード106との間を直接通る通信は、直接リンク112を経由して生じると言える。用語「アクセスリンク」、「中継リンク」、および「直接リンク」は、本書では、図1によって説明される意味に従って使用される。
【0045】
図2は、本開示のある実施形態による、RN、eNB、およびMME間の通信プロシージャを示す。RN200、eNB202、およびMME204は、無線通信ネットワーク内の構成要素である。RN200は、図1におけるRN102に対応し得、eNB202もまた、図1におけるアクセスノード106と対応し得る。MME204は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせの形態をとり得る、コアネットワークの構成要素である。図2に関して説明される実施形態では、RN200は、タイプ2中継ノードである。図2に示される実施形態は、タイプ2中継ノードの初期化の際に使用され得る。
【0046】
本明細書に説明される実施形態では、RN200は、サービングeNB202のものと異なるセル識別を有しておらず、したがって、任意の新しいセルを生成しないであろう。RN200は、3GPPTSのリリース8に準拠するMSへおよびそこからの通信を中継可能であり得る。しかしながら、リリース8準拠MSは、RN200の存在を認知しなくてもよい。
【0047】
RN200によって直面される問題は、eNB202と通信を初期確立することから開始し得る、RN200を無線通信ネットワークに初期接続するプロセスである、初期化である。ある実施形態では、RN200は、無線通信ネットワークに接続する時、MSによって行なわれるランダムアクセスプロシージャと類似する、ランダムアクセスプロシージャを行なう。ランダムアクセスプロシージャは、特に、RNの場所が固定されていない、移動性または非常駐である、RNに好適であるが、それらに限定されない。
【0048】
ある実施形態では、ランダムアクセスプロシージャは、以下のように進められる。最初に、RN200は、RN200が、無線通信ネットワークへのアクセスを初期試行する時、eNB202に登録する。次いで、一意のセットのRNTIが、RN200にサービングするドナーまたは現在のセル内のeNB202によって、RN200に割り当てられる。RN200の識別は、RRC設定プロシージャ中に、追加のパラメータを通して行なわれ得る。MSと同様に、RN200は、別のeNBまたはタイプ1RNからハンドオーバされ得る。いずれのMSも、所定の時間の間、RN200によってサービングされない場合、RN200は、アイドルモードに入り得る。このように、該当する場合、移動性RNまたは非常駐RN、あるいは一般に、任意のバッテリ電力作動RNのためのバッテリ寿命は、保存され得る。ある実施形態では、RN200が接続されるeNB202のみ、RN200の存在を認知する。無線通信ネットワーク内の他のデバイスは、RN200を認知しなくてもよい。アイドルモードにある間、RNは、eNBからのDL伝送およびUEからのUL RACH伝送を周期的に確認し続け得る。周期的ウェークアップサイクルは、eNBによって制御される。DLまたはUL上で受信を感知すると直ぐに、RNは、可能な限り迅速にアイドルモードから退出し得る。RNは、アイドルモードから出る場合、eNBとRACHプロシージャを始動する必要があり得る。
【0049】
したがって、RN200が、初期アクティブ化される場合、RN200は、MSに酷似した挙動をする。RN200は、許可されたRACHプリアンブルのうちの1つをランダムにピックアップし、アップリンクサブフレーム内のランダムに選択されたRACH分配中に伝送するであろう。ある実施形態では、RN200は、eNB202からMIB206およびSIB1208をリッスンする前に、DLフレーム同期を得る。RACH構成パラメータは、SIB2210をリッスン後、RN200に既知となる。
【0050】
例示的初期化プロシージャに戻ると、RN200は、RACHメッセージ212で示されるように、RACHによって、ネットワークへのアクセスを試行する。RN200からの検出されたRACHプリアンブルに応答して、eNB202は、RACH応答(RAR)214をRN200に送信する。RACH応答は、MSがRRC接続プロシージャを始動するためのULリソースを分配する。次いで、RN200は、RRC接続要求メッセージ216を送信することによって開始するRRC接続設定プロシージャを始動し、eNB202に対して、RNとして、自身を識別する。「RNアクセス」等の新しい値が、RRC接続要求メッセージ216内の確立原因(EC)に追加され得る。この新しい値は、eNB202に、MSとは対照的に、RN200がRNであることを通知する。
【0051】
応答において、eNB202は、RRC接続設定メッセージ218をRN200に送信する。RN200は、RRC接続設定完了メッセージ220をeNB202に送信することによって、初期化プロシージャを完了する。
【0052】
図3は、本開示のある実施形態による、RRC接続要求メッセージのための例示的疑似コードを示す。図3に示される疑似コード300は、図2のRN200等のRN内で格納、生成、および/または実行され、eNB202等のeNBに伝送され得る。
【0053】
図2に関して説明されるように、新しい「RNアクセス」値302は、RRC接続要求メッセージの確立原因に追加されている。確立原因は、受信デバイスに、接続要求のための1つ以上の理由を通知するメッセージである。接続要求のための理由を把握することによって、eNBは、受信接続要求を適切に処理し得る。
【0054】
この場合、RNアクセス値302は、図2のeNB202等のeNBに、RRC接続要求メッセージを伝送するデバイスが、MSとは対照的に、RNであることを把握させる。したがって、eNBは、MSとは対照的に、RNとして、それに応じで応答し、伝送デバイスを管理し得る。RNアクセスは、異なる実施形態では、異なる値を有し得る。さらに、本開示は、他のメッセージおよびフォーマットもまた、他の実施形態でも使用され得るため、図3のメッセージの詳細にのみ限定されるべきではない。
【0055】
図4は、本開示のある実施形態による、RN、eNB、およびMME間の通信プロシージャを示す。図4に示される通信プロシージャは、図2に示される通信プロシージャに類似する。図2において使用される参照番号に対応する、図4における参照番号は、類似プロパティを有する。図4に示される実施形態は、タイプ2中継ノードの初期化の際に使用され得る。
【0056】
本実施形態では、eNB202は、RRC接続設定完了メッセージ220のコンテンツによって、MSとは対照的に、RN200がRNであることを通知され得る。RRC接続設定完了メッセージ220が、MSによって送信されるであろう情報を含まない場合、eNB202は、MSとは対照的に、RN200がRNであることを通知され得る。
【0057】
MSは、通常、RRC接続設定完了メッセージ220内において、NAS接続を設定するための情報を送信する。しかしながら、RNの場合、RRC接続設定完了メッセージ220は、情報を含まないダミーメッセージであり得る。したがって、eNB202は、RACHプロシージャが、RNまたはMSによって始動されているかどうかを区別するために、この詳細を使用し得る。本実施形態では、eNB202は、RRC接続設定完了メッセージ220を受信し、RRC接続設定完了メッセージ220内のコンテンツまたはコンテンツの欠如に基づいて、送信者が、RNであるかMSであるかを決定する。代替実施形態では、RRC接続設定完了メッセージ220は、eNB202に、MSとは対照的に、RN200がRNであることを具体的に通知する、いくつかのコンテンツまたはデータを含み得る。さらに、本開示は、他のメッセージおよびフォーマットもまた、他の実施形態で使用され得るため、RRC接続設定完了メッセージ220の使用に限定されるべきではない。
【0058】
図5は、本開示のある実施形態による、RN、eNB、およびMME間の通信プロシージャを示す。図5に示される通信プロシージャは、図2に示される通信プロシージャに類似する。図2において使用される参照番号に対応する、図5における参照番号は、類似プロパティを有する。図5に示される実施形態は、タイプ2中継ノードの初期化の際に使用され得る。
【0059】
図5において示される実施形態の場合、RACHプリアンブルが、eNB202との初期化中にRN200をMSと区別するために、RACHメッセージ212内に分配され得る。eNB202が、RACHプリアンブルがRNのために指定されたRACHプリアンブルのプールに属することを検出すると、eNBは、NAS設定プロシージャを始動しないか、または中継のタイプに適切なNASプロシージャを始動し得る。eNB202は、接続エンティティがRN200であるので、RNとして、接続エンティティを取り扱う。ダミーRRC接続設定メッセージが、eNB202とRN200との間のハンドシェイクとして使用可能である。
【0060】
図1から5に関して説明される実施形態は、RNの初期化の際、eNBに対して、自身をMSと区別するRNの実施例を含む。図6および図7に関して説明される実施形態は、MSとタイプ2中継ノードおよび/またはeNBとの関連付けまたは切り離しの実施例を含む。
【0061】
図6は、本開示のある実施形態による、複数のMS、RN、およびeNB間の通信を示す。通信ネットワーク600は、eNB602と、RN0 604およびRN1 606を含む、いくつかのRNとを含む。通信ネットワーク600はまた、MS0 608、MS1 610、MS2 612、MS3 614、およびMS4 616を含むいくつかのMSを含む。通信ネットワーク600の種々のデバイス間の通信リソースは、雷光記号618によって示される。他の実施形態では、通信ネットワーク600は、デバイスが、コアネットワークまたはMMEに直接接続する場合等、より多くまたはより少ないRN、MS、およびeNBを含み得る。図7に関して説明される実施形態では、RN0 604およびRN1 606は、タイプ2中継ノードであり得る。
【0062】
タイプ2RNは、その独自のCRSを伝送しなくてもよく、その独自のセル識別を有していないため、MSとRNの関連付けの決定は、eNBとRNとの間で行なわれるべきである。MSの移動性のため、関連付けは、随時、アップデートされ、MSが、最も望ましいRNまたは複数のRNと関連付けられる可能性を増大させるべきである。ある場合には、MSは、複数のRNと関連付けられ、さらに性能を改善し得る。言い換えると、eNBおよびRN等の複数のアクセスノードからの協調的通信が存在し得る。
【0063】
図6に関して説明される実施形態では、RNとのMS関連付けは、MSのアップリンクSRS信号に基づき得る。比較的に強いSRS信号、またはヒステリシスマージンの有無を問わず、所定の閾値より高いSRS信号強度を伴う、MSが検出されると、RNは、eNBに、関連付け要求を伝送するはずである。関連付け要求は、eNBに、MSをRNと関連付けるための要求であり得る。一方、既存の関連付けられたMSのSRS信号が、ヒステリシスマージンの有無を問わず、所定の閾値によって決定されるように、比較的に弱くなると、RNは、eNBに、切り離し要求を伝送するはずである。切り離し要求は、MSをRNと切り離すためのeNBへの要求であり得る。MSから受信したSRS信号が、強過ぎる、または弱過ぎるかどうかを決定するために、ヒステリシスマージンの有無を問わず、RNによって使用される閾値は、eNBによって、静的、準静的、または動的に構成可能である。別の実施形態では、RNは、測定されたSRS信号強度をeNBに報告し、eNBは、MSが、RNおよび/またはeNBと関連付けられるべきかどうかを決定する。一実施形態では、eNBにおける決定は、RNおよびeNBで受信したSRSの相対的信号強度の比較に基づくことが可能である。一般に、UEからのDL測定報告と組み合わされた受信したSRSを介して観察された任意の信号の質インジケータが、MSとノード、eNB、およびRNのいずれかとの関連付けを継続的にアップデートするために使用されることが可能である。
【0064】
LTEまたはLTE−アドバンストでは、MSは、チャネルの質測定およびアップリンクタイミング予測目的のために、アップリンクSRSを継続して伝送するため、SRS信号は、本目的のために使用され得る。ドナーセル内の各MSは、一意のSRS伝送構成を有し、例えば、伝送コーム、SRS持続時間、SRS帯域幅、およびその他である。eNBは、これらのSRS構成をドナーセル内の1つ以上のRNに転送し得る。次いで、RNは、SRS「チャネル」内の伝送を監視し、どのMSが近傍にあるかを決定し得る。
【0065】
ある実施形態では、関連付けおよび切り離しは、MSが移動性であり得るという事実のため、所定の周期で、またはイベント駆動式に、アップデートされるべきである。周期的アプローチでは、周期は、eNBによって信号伝達され得る。対応する測定に基づいて、eNBは、いくつかのタイプの関連付けを行い得る。
【0066】
関連付けタイプの1つは、MSが、eNBのみと関連付けられるものであり得る。この場合、RNは、任意のデータまたは信号伝達を、MSに送信しないことがあり、あるいはMSからそれらを検出しないことがある。本関連付けタイプは、「eNB専用」関連付けと称され得る。
【0067】
別の関連付けタイプは、MSが、1つ以上のRNと関連付けられるものであり得る。この場合、無線伝送が、eNBにおいてスケジューリングされ得る。情報は、1つ以上のRNを通して、MSに透過的に中継され得る。本関連付けタイプは、「RN専用」関連付けと称され得る。
【0068】
さらに別の関連付けタイプは、MSが、eNBおよび1つ以上のRNの両方と関連付けられるものであり得る。この場合、無線伝送は、協調的マルチポイント伝送を使用する、eNBおよび1つ以上のRNからのものであり得る。本関連付けタイプは、「多重関連付け」と称され得る。
【0069】
例えば、図6を参照すると、MS0 608は、上述のeNB専用関連付けに対応する、eNB602とのみ関連付けられる。対照的に、MS1 610およびMS2 612は、上述のRN専用関連付けに対応する、RNRN0 604およびRN1 606とのみ関連付けられる。しかしながら、MS3 614およびMS4 616は、上述の多重関連付けに対応する、eNB602とRN0 604およびRN1 606との両方と関連付けられる。全3つの関連付けタイプでは、MSのための関連付けは、MSが、物理的に、ネットワークをトラバースするのに伴って、継続的に、または所定の周期において、アップデートされ得る。
【0070】
ある実施形態では、eNB602は、SRS伝送制御情報を各MSに送信する。加えて、eNB602は、各MSのSRS伝送制御情報をRN、RN0 604、およびRN1 606に送信する。SRS伝送制御情報は、SRS伝送期間、測定量、SRS構成、アップリンクタイミング情報、および他の情報を含み得る。順に、RN、RN0 604、およびRN1 606は、伝送制御情報に従って、アップリンクSRS伝送を受信し、測定する。
【0071】
eNBは、1つ以上のイベントの発生に基づいて、測定報告を送信するように、RNをプログラムし得る。イベントの例は、閾値への到達またはタイマの終了を含む。RNはまた、そのようにトリガされることなく、測定報告を周期的に伝送し得る。測定報告は、複数のユーザの測定報告を含み得る。RNはまた、受信したSRS伝送からタイミング予測を行い得る。受信したSRS伝送はまた、タイミング整合調節のために使用され得る。RNはまた、測定されたSRS信号強度に基づいて、UE関連付け決定を行い、UE関連付け決定をeNBに報告し得る。
【0072】
上述の情報に加え、MSのDRX構成が、1つ以上のRNに転送され得る。DRX構成の転送は、これらのMSが、DRXオフ持続時間中にSRSを伝送しなくてもよいため、リリース8に有用となり得る。したがって、リリース8MSの場合でも、1つ以上のRNが、MSの好適な測定を行い得る。
【0073】
図7は、本開示のある実施形態による、MS、RN、およびeNB間の通信プロシージャを示す。通信プロシージャ700は、1つ以上のRNと接続しているMS間に実装され得、例えば、MS1 610またはMS2 612の一方あるいは両方が、図6のRN0 604またはRN1 606の一方あるいは両方と接続する。
【0074】
図7に関して説明される実施形態では、RNとのMS関連付けは、初期ランダムアクセス信号に基づき得る。MS702のRN704を介したeNB706への初期アクセス中にeNB706は、MS702からRACHプリアンブルを受信する。RN704等の全ての接近RNもまた、RACHプリアンブルを受信する。次いで、eNB706は、MS702から直接受信した信号の質およびRN704から中継されたRACHプリアンブルチャネルの質インジケータ(CQI)に基づいて、MS702をRN704に関連付け得る。RN704等のRNはまた、受信したRACHプリアンブル信号に基づいて、UE関連付け決定を行い、関連付けられたUE識別をeNBに報告し得る。
【0075】
eNB706は、PDCCH指示(PDCCH order)、MAC制御要素、またはRRC信号伝達等の信号伝達を送信し、MS702に、関連付けのためのアップリンクランダムアクセスを行うように要求し得る。eNB706からの信号伝達の受信後、MS702は、ランダムアクセスプリアンブルを伝送するであろう。
【0076】
ある実施形態では、MS702は、完全ランダムアクセスプロシージャを行う必要がない場合がある。例えば、SRS構成転送メッセージ708およびSRSメッセージ710は、MS702をRN704と関連付けるために十分であり得る。
【0077】
代替実施形態では、MS関連付けは、上述のSRS方法(図6)とランダムアクセスプリアンブル方法(図7)を組み合わせることによって、達成され得る。MS702による初期アクセス中に、eNB706は、受信したプリアンブル信号強度に基づいて、MS702をRN704またはeNB706に関連付け得る。初期関連付け後、MS関連付け/切り離しが行われ、SRSメッセージ710におけるMSアップリンクSRS伝送によって、アプデートされ得る。
【0078】
図8は、タイプ2RNを初期化するための方法を示す工程図である。図8に示されるプロセスは、図1のRN102等、RN内に実装され得る。図8に示されるプロセスは、図2から図5に関して説明されるプロシージャを使用して実装され得る。方法は、中継ノードの初期化に応じて、中継ノードとして、タイプ2中継ノードを識別するメッセージをエンコードするステップを含む(ブロック800)。プロセスは、その後、終了する。
【0079】
ある実施形態では、メッセージは、RRC接続要求メッセージであり得る。この場合、値は、RRC接続要求メッセージ内の確立原因に追加され得る。値は、アクセスノードに対して、タイプ2中継ノードが中継ノードであることを識別する。
【0080】
別の実施形態では、メッセージは、RRC接続設定完了メッセージである。この場合、タイプ2中継ノードは、RRC接続設定完了が、コンテンツを欠いている時、アクセスノードに対して、中継ノードとして、識別される。
【0081】
さらに別の実施形態では、メッセージは、ランダムアクセスチャネル(RACH)メッセージを備える。この場合、プリアンブルは、アクセスノードに対して、タイプ2中継ノードが中継ノードであることを識別するために、RACHメッセージ内に分配される。分配されたプリアンブルは、所定のプリアンブルのプールから得られ得る。
【0082】
図9は、RNをMSと関連付けるための方法を示す工程図である。図9に示されるプロセスは、図1のRN102等、RN内に実装され得る。図9に示されるプロセスは、図6および7に関連して説明されるプロシージャを使用して実装され得る。
【0083】
プロセスは、RNが、モバイルステーションから受信したサウンディング基準信号(SRS)の信号強度を測定するのに伴って開始する(ブロック900)。次いで、RNは、信号強度が所定の閾値を超えるのに応答して、第1の要求をアクセスノードに伝送する(ブロック902)。第1の要求は、アクセスノードが、モバイルステーションを中継ノードと関連付けるためのものである。プロセスは、その後、終了する。
【0084】
ある実施形態では、RNは、第1の要求後、第2の要求をアクセスノードに伝送する。第2の要求は、信号強度が第2の所定の閾値を下回るのに応答して、伝送される。第2の要求は、アクセスノードが、モバイルステーションを中継ノードと切り離すためのものである。
【0085】
別の実施形態では、RNは、周期的に、信号強度を測定する。さらに別の実施形態では、RNは、アクセスノードによって設定された条件が充足されると、信号強度の測定報告を生成する。条件は、信号強度の閾値およびタイマの終了、またはいくつかの他の条件のうちの1つであり得る。
【0086】
さらに別の実施形態では、第1の要求は、モバイルステーションがアクセスノードのみと関連付けられること、モバイルステーションが1つ以上の中継ノードのみと関連付けられること、およびモバイルステーションがアクセスノードおよび1つ以上の中継ノードの両方と関連付けられることから成る群から選択される、1つのタイプの関連付けを確立する。
【0087】
図10は、RNをMSと関連付けるための方法を示す、工程図である。図10に示されるプロセスは、図1のアクセスノード106等、アクセスノード内に実装され得る。図10に示されるプロセスは、図6および7に関連して説明されるプロシージャを使用して、実装され得る。
【0088】
プロセスは、アクセスノードが、モバイルステーションから信号を受信するのに伴って開始し、信号は、信号強度を有する(ブロック1000)。アクセスノードはまた、中継ノードから中継されたランダムアクセスチャネル(RACH)要求を受信する(ブロック1002)。中継されたRACH要求は、モバイルステーションから発生し、チャネルの質インジケータ(CQI)を含むプリアンブルを含む。
【0089】
次に、アクセスノードは、モバイルステーションに伝送される、応答メッセージをエンコードする(ブロック1004)。応答メッセージは、モバイルステーションに、ランダムアクセスプロシージャを介して、中継ノードと関連するよう命令するようにエンコードされる。
【0090】
ある実施形態では、応答メッセージは、物理的ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)指示、媒体アクセス層(MAC)制御要素、または無線リソース制御(RRC)信号伝達のうちの1つである。別の実施形態では、応答メッセージは、モバイルステーションに、プリアンブルを伝送するよう命令するようにエンコードされ得る。
【0091】
さらに別の実施形態では、応答メッセージは、モバイルステーションに、完全未満のランダムアクセスプロシージャを使用することによって、中継ノードと関連付けるよう命令するようにエンコードされ得る。
【0092】
上述のMSおよび他の構成要素は、上述の作用に関する命令を実行可能な処理構成要素を含む場合がある。図11は、本明細書に開示される1つ以上の実施形態を実装するために好適な処理構成要素1110を含むシステム1115の実施例を例証する。プロセッサ1110(中央プロセッサユニットまたはCPUと称され得る)に加えて、システム1100は、ネットワーク接続デバイス1120と、ランダムアクセスメモリ(RAM)1130と、読取専用メモリ(ROM)1140と、二次記憶装置1150と、入力/出力(I/O)デバイス1160とを含む場合がある。これらの構成要素は、バス1170を介して相互に通信する場合がある。ある場合には、これらの構成要素のうちのいくつかは、存在しなくてもよく、または相互の組み合わせ、もしくは図示されない他の構成要素との種々の組み合わせとして、組み合わされ得る。これらの構成要素は、単一の物理的エンティティ内、または2つ以上の物理的エンティティ内に位置する場合がある。プロセッサ1110によって行われるように本明細書に説明されるいずれの作用も、プロセッサ1110のみ、またはデジタル信号プロセッサ(DSP)1190等の、図中に示される、もしくは示されない1つ以上の構成要素と協働するプロセッサ1110によって行われる場合がある。DSP1190は、別個の構成要素として示されているが、DSP1190は、プロセッサ1110に組み込まれる場合がある。
【0093】
プロセッサ1110は、それがネットワーク接続デバイス1120、RAM1130、ROM1140、または二次記憶装置1150(ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、または光ディスク等、種々のディスクベースのシステムを含む場合がある)からアクセスする場合がある、命令、コード、コンピュータプログラム、またはスクリプトを実行する。1つのCPU1110のみが示されているが、複数のプロセッサが存在し得る。したがって、命令が、プロセッサによって実行されているように述べられ得るが、命令は、同時に、順次、あるいは別様に1つまたは複数のプロセッサによって実行され得る。プロセッサ1110は、1つ以上のCPUチップとして実装され得る。
【0094】
ネットワーク接続デバイス1120は、モデム、モデムバンク、イーサネット(登録商標)デバイス、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェースデバイス、シリアルインターフェース、トークンリングデバイス、光ファイバ分散データインターフェース(FDDI)デバイス、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)デバイス、符号分割多重アクセス(CDMA)デバイス、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(GSM(登録商標))無線送受信機デバイス等の無線送受信機デバイス、マイクロ波アクセス用の世界的相互運用性(WiMAX)デバイス、および/またはネットワークに接続するための他の周知のデバイスの形態を成し得る。これらのネットワーク接続デバイス1120は、プロセッサ1110が情報を受信するか、またはプロセッサ1110が情報を出力するインターネット、あるいは1つ以上の電気無線通信ネットワークまたは他のネットワークと、プロセッサ1110が通信することを可能にし得る。また、ネットワーク接続デバイス1120は、データを無線で伝送および/または受信可能な1つ以上の送受信機構成要素1125を含む場合がある。
【0095】
RAM1130を使用して、揮発性データ、および可能性として、プロセッサ1110によって実行される命令を記憶する場合がある。ROM1140は、典型的には、二次記憶装置1150のメモリ容量より小さいメモリ容量を有する、不揮発性メモリデバイスである。ROM1140を使用して、命令、および可能性として、命令の実行中に読み取られるデータを記憶する場合がある。RAM1130およびROM1140の両方へのアクセスは、典型的には、二次記憶装置1150へのアクセスよりも高速である。二次記憶装置1150は、典型的には、1つ以上のディスクドライブまたはテープドライブから成り、RAM1130が全ての作業用データを保持するのに十分大きくない場合、データの不揮発性保存用に、またはオーバーフローデータ記憶デバイスとして使用される場合がある。二次記憶装置1150は、プログラムが実行のために選択されると、RAM1130へロードされる、プログラムを記憶するために使用され得る。
【0096】
I/Oデバイス1160は、液晶ディスプレイ(LCD)、タッチスクリーンディスプレイ、キーボード、キーパッド、スイッチ、ダイヤル、マウス、トラックボール、音声認識装置、カードリーダ、紙テープ読取機、プリンタ、ビデオモニタ他の周知の入出力デバイスを含み得る。また、送受信機1125は、ネットワーク接続デバイス1120の構成要素である代わりに、またはそれに加えて、I/Oデバイス1160の構成要素であると見なされる場合がある。上述のシステム1115の構成要素の1つ以上は、本明細書では、「構成要素」と称され得る。
【0097】
実施形態は、アクセスノードに伝送されるメッセージであって、中継ノードの初期化の際、中継ノードとして、該中継ノードを識別するために使用されるメッセージをエンコードするように構成される、1つ以上の構成要素を含む、中継ノードを提供する。実施形態はまた、アクセスノードに伝送されるメッセージであって、中継ノードの初期化の際、中継ノードとして、該中継ノードを識別するために使用されるメッセージをエンコードするための方法と、方法を実装するためのコードを格納する、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。実施形態はさらに、中継ノードから受信したメッセージをデコードし、メッセージから、中継ノードとして、該中継ノードを識別するように構成される、1つ以上の構成要素を提供する。
【0098】
さらに他の実施形態では、モバイルステーションから受信したサウンディング基準信号(SRS)の信号強度を測定し、信号強度が所定の閾値を上回るのに応答して、第1の要求をアクセスノードに伝送るうように構成される1つ以上の構成要素を含む、中継ノードが提供される。第1の要求は、アクセスノードが、モバイルステーションを中継ノードと関連付けるためのものである。実施形態はまた、上述を実装するための方法を提供する。
【0099】
さらに他の実施形態では、モバイルステーションを中継ノードと関連付けるための第1の要求を受信するように構成される、1つ以上の構成要素を含む、アクセスノードが提供される。第1の要求は、モバイルステーションから受信したサウンディング基準信号(SRS)の信号強度が所定の閾値を上回ることを中継ノードが決定した結果、伝送される。
【0100】
実施形態はまた、モバイルステーションからランダムアクセスチャネル(RACH)伝送を受信し、受信したRACH伝送の信号強度を検出し、中継ノードから中継されたRACH報告を受信するように構成される、1つ以上の構成要素を含む、アクセスノードを提供する。実施形態はまた、上述を実装するための方法を提供する。
【0101】
さらに他の実施形態では、中継されたランダムアクセスチャネル(RACH)報告をアクセスノードに伝送するように構成され、中継されたRACH報告が、中継ノードによって、モバイルステーションから受信したRACHの信号の質を含む、1つ以上の構成要素を含む、中継ノードが提供される。
【0102】
本開示において複数の実施形態を提供してきたが、開示されたシステムおよび方法は、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、多数の他の特定の形態で具体化され得ることを理解されたい。本実施例は、制限的ではなく例証的と見なされ、本明細書で提供される詳細に限定されることを意図しない。例えば、種々の要素または構成要素を、別のシステムに組み入れるか、または一体化し得、あるいは、ある特徴を省略するか、または実装しなくてもよい。
【0103】
また、離散したものまたは別個のものとして種々の実施形態の中で説明および例証される技術、システム、サブシステム、および方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、他のシステム、モジュール、技術、または方法と組み合わせても、または一体化し得る。連結もしくは直接連結または相互に通信するように図示または説明される他のアイテムは、電気的、機械的、またはその他の方法かどうかにかかわらず、何らかのインターフェース、デバイス、または中間構成要素を通して、間接的に連結または通信し得る。変更、置換、および改変の他の例は、当業者により解明可能であり、本明細書で開示される精神および範囲から逸脱することなく行うことが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中継ノードであって、
アクセスノードに伝送されるメッセージをエンコードするように構成された1つ以上の構成要素を備え、
該メッセージは、中継ノードの初期化中に、該中継ノードを中継ノードとして識別するために使用される、
中継ノード。
【請求項2】
前記中継ノードの初期化は、該中継ノードの無線リソース制御(RRC)接続確立段階である、請求項1に記載の中継ノード。
【請求項3】
前記1つ以上の構成要素は、前記中継ノードを中継ノードとして識別するために、前記メッセージ内に表示を含むことによって、該中継ノードが中継ノードとして識別されるようにするようにさらに構成されている、請求項1に記載の中継ノード。
【請求項4】
前記メッセージ内に含まれる前記表示は、前記アクセスノードに伝送されるRRC接続要求メッセージ内の確立原因に追加される値である、請求項3に記載の中継ノード。
【請求項5】
前記表示は、前記アクセスノードに伝送されるRRC接続設定完了メッセージ内のモバイルステーションに関連する情報を排除することによって、該メッセージ内に含まれる、請求項3に記載の中継ノード。
【請求項6】
前記1つ以上の構成要素は、前記アクセスノードに伝送されるランダムアクセスチャネル(RACH)メッセージ内にプリアンブルを分配するようにさらに構成されている、請求項1に記載の中継ノード。
【請求項7】
分配されるプリアンブルは、前記アクセスノードによって示される所定のプリアンブルのプールから採用される、請求項6に記載の中継ノード。
【請求項8】
中継ノードにおいて実装される方法であって、
アクセスノードに伝送されるメッセージをエンコードするステップを含み、
該メッセージは、該中継ノードの初期化の際に、該中継ノードを中継ノードとして識別する、方法。
【請求項9】
前記中継ノードの初期化は、該中継ノードの無線リソース制御(RRC)接続確立段階である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記中継ノードは、該中継ノードを中継ノードとして識別するために、前記メッセージ内に表示を含むことによって、中継ノードとして識別される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記メッセージ内に含まれる前記表示は、前記アクセスノードに伝送されるRRC接続要求メッセージ内の確立原因に追加される値である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記表示は、前記アクセスノードに伝送されるRRC接続設定完了メッセージ内のモバイルステーションに関連する情報を排除することによって、該メッセージ内に含まれる、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記メッセージは、ランダムアクセスチャネル(RACH)メッセージを含み、前記アクセスノードに対して、前記中継ノードが中継ノードであることを識別するために、プリアンブルが該RACHメッセージ内に分配される、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
分配されるプリアンブルは、前記アクセスノードによって示される所定のプリアンブルのプールから採用される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
プログラムを格納したコンピュータ可読記憶媒体であって、
該プログラムは、プロセッサによって実行されると、中継ノードにおいて実装された方法を実装し、該方法は、
該中継ノードの初期化の際に、該中継ノードを中継ノードとして識別するメッセージをエンコードするステップを含む、
コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
前記メッセージは、RRC接続要求メッセージを含み、前記アクセスノードに対して、前記中継ノードが中継ノードであることを識別するために、値が前記RRC接続要求メッセージ内の確立原因に追加される、請求項15に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
前記メッセージは、RRC接続設定完了メッセージを含み、前記中継ノードは、該RRC接続設定完了がコンテンツを欠いている場合に、アクセスノードに対して中継ノードとして識別される、請求項15に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
前記メッセージは、ランダムアクセスチャネル(RACH)メッセージを含み、アクセスノードに対して、前記中継ノードが中継ノードであることを識別するために、プリアンブルが、該RACHメッセージ内に分配される、請求項15に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
分配されるプリアンブルは、所定のプリアンブルのプールから採用される、請求項18に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
アクセスデバイスであって、1つ以上の構成要素を備え、
該1つ以上の構成要素は、中継ノードから受信したメッセージをデコードし、該メッセージから、該中継ノードを中継ノードとして識別するように構成されている、
アクセスデバイス。
【請求項21】
前記中継ノードの初期化が、該中継ノードの無線リソース制御(RRC)接続確立段階である、請求項20に記載のアクセスデバイス。
【請求項22】
前記中継ノードは、該中継ノードを中継ノードとして識別するために、前記メッセージ内に表示を含むことによって、中継ノードとして識別される、請求項20に記載のアクセスデバイス。
【請求項23】
前記メッセージ内に含まれる前記表示は、前記アクセスデバイスに伝送されるRRC接続要求メッセージ内の確立原因に追加される値である、請求項21に記載のアクセスデバイス。
【請求項24】
前記表示は、前記アクセスデバイスに伝送されるRRC接続設定完了メッセージ内のモバイルステーションに関連する情報を排除することによって、該メッセージ内に含まれる、請求項21に記載のアクセスデバイス。
【請求項25】
前記メッセージは、ランダムアクセスチャネル(RACH)メッセージを含み、前記1つ以上の構成要素は、該RACHメッセージ内のプリアンブルをデコードすることによって、前記中継ノードを中継ノードとして識別する、請求項20に記載のアクセスデバイス。
【請求項26】
前記プリアンブルは、前記アクセスノードによって示される所定のプリアンブルのプールから採用される、請求項25に記載のアクセスデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−531116(P2012−531116A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516351(P2012−516351)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2010/039237
【国際公開番号】WO2010/148342
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(500043574)リサーチ イン モーション リミテッド (531)
【氏名又は名称原語表記】Research In Motion Limited
【住所又は居所原語表記】295 Phillip Street, Waterloo, Ontario N2L 3W8 Canada
【Fターム(参考)】