説明

タイムスイッチ

【課題】組立性を向上させつつ基板の腐食を防止し、且つ、基板に応力が加わることがなく見栄えを向上させたタイムスイッチを提供する。
【解決手段】タイムスイッチは、前面が開口する略矩形箱状のボディ2及び後面が開口する略矩形箱状のカバー3からなるケース1と、ケース1内に収納される基板ブロック4とを備えている。基板ブロック4をボディ2内に組み込んだ状態では、端子台9の両側面に設けた嵌合突起をボディ2に設けた嵌合孔にそれぞれ嵌合させることによって端子台ブロック6がボディ2に固定され、基板本体38aはボディ2に設けた複数の基板受け部2eの上面に当接する。そして、ボディ2にカバー3を被着すると、ボディ2の基板受け部2eの上面とカバー3の基板押さえ部3mの下面との間で基板本体38aが挟持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め設定した時刻において負荷を制御するタイムスイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、1枚のプリント基板に弱電回路部品及び強電回路部品を実装したタイムスイッチが提供されている(例えば特許文献1、2参照)。これらのタイムスイッチは、1枚のプリント基板の一方の面に計時用の演算素子や表示素子や操作スイッチなどの弱電回路部品を実装するとともに、他方の面に負荷制御用のリレーや電源接続端子及び負荷接続端子を具備した端子台などの強電回路部品を実装しており、さらに特許文献2のタイムスイッチは、ボディの前面側を下にした状態で後面側から上記プリント基板がボディ内に組み込まれる。
【0003】
また、プリント基板を下ケースにねじ固定したタイムスイッチも提案されている(例えば特許文献3参照)。このタイムスイッチは、プリント基板に液晶表示器及び操作スイッチなどを具備した時計機能ブロックや負荷制御用のリレーや電源接続端子及び負荷接続端子を具備した端子台などが実装されており、このプリント基板は四隅において下ケースにねじ固定されてケース内に収納される。
【特許文献1】実開平3−51395号公報(第7頁、及び、第2図)
【特許文献2】特開平2−269994号公報(第9頁−第10頁、及び、第28図)
【特許文献3】特開平11−134990号公報(段落[0005]、及び、第15図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献3に示したタイムスイッチでは、プリント基板は下ケースにねじ固定されているが、端子台はプリント基板にのみ固定されているため、端子台の各接続端子に電源線や負荷からの電線を接続する際の端子ねじの締付力が大きい場合には、プリント基板と端子台の接続部分に大きな応力が加わり、プリント基板が曲がる虞があった。さらに、プリント基板を下ケースにねじ固定しているので、組立性がよくないという問題もあった。
【0005】
また、特許文献2に示したタイムスイッチでは、プリント基板をボディ内に組み込む際にボディの前面側を下にした状態で後面側から組み込んでいるため、組み込み時に加えられる押圧力によってボディの表面が傷つけられる虞があった。
【0006】
さらに、これらのタイムスイッチでは、プリント基板をケース内に組み込む際に、回路部分に手が触れることで手の脂が回路部分に付着し、脂が付着した部分が腐食することによって回路の短絡や断線などが起こる虞があった。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、組立性を向上させつつ基板の腐食を防止し、且つ、基板に応力が加わることがなく見栄えを向上させたタイムスイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、少なくとも計時用の演算素子、表示素子及び操作スイッチを含む弱電回路部品、並びに、電源が接続される電源接続端子と負荷が接続される負荷接続端子とを具備した端子台及び負荷への電源供給をオン/オフする負荷制御用のリレーを含む強電回路部品が実装された1枚の基板と、上ケース部及び下ケース部からなり内部に基板が収納されるケースとを備え、端子台は、端子台及び下ケース部にそれぞれ設けた嵌合部を互いに嵌合させることによって下ケース部に固定され、上ケース部は、上ケース部又は下ケース部の何れか一方に設けた係合爪を他方に設けた係合孔に係合させることによって嵌合部を覆うように下ケース部と結合し、上ケース部及び下ケース部に組立状態において基板を両側から挟持する挟持手段を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、上ケース部は、表示素子及び操作スイッチを前面側に露出させる開口部を有し、下ケース部は、基板の組み込み方向に沿ってそれぞれ設けられ端子台をガイドする端子台ガイド部及び基板をガイドする基板ガイド部と、基板の組み込み方向において端子台が当接する端子台受け部及び基板が当接する基板受け部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、端子台及び下ケース部にそれぞれ設けた嵌合部を互いに嵌合させるだけで端子台を下ケース部に固定することができるので、固定ねじを用いて固定する場合と比較して組立性を向上させることができ、また端子台に電源や負荷からの電線を接続する際に端子台に加わる力を上ケース部及び下ケース部で受けることで基板に応力が加わりにくくなるという効果がある。さらに、基板は固定ねじを用いてねじ固定しておらず、上ケース部及び下ケース部の挟持手段のみで保持しており、端子台からの力が基板に加わった場合でも挟持方向と直交する方向に基板を移動させることができるので、基板に応力が加わることがなく、また周囲温度の変化に応じて基板を伸縮させることもできるという効果がある。また、上ケース部を上記嵌合部に当接させた場合には、上ケース部によって嵌合部の移動を規制することができるので、端子台を強固に固定することができるという効果がある。
【0011】
請求項2の発明によれば、下ケース部側に基板受け部、端子台受け部、基板ガイド部及び端子台ガイド部を設けており、基板を下ケース部側に組み込む際に加わる力を下ケース部側で受けているので、表示素子や操作スイッチが露出する上ケース部の表面が傷つけられることがなく、見栄えを向上させたタイムスイッチを提供することができるという効果がある。また、下ケース部に対して基板、上ケース部の順に組立てることで組立性のよいタイムスイッチを提供することができるという効果もある。さらに、下ケース部に基板を組み込む際に基板の端部を持って基板受け部に載せるだけでいいので、回路部分に手が触れることがなく、したがって手の脂が基板に付着して回路部分が腐食するのを防止することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。本実施形態のタイムスイッチは、例えば接続された負荷L(例えば、照明など)を予め設定した時刻にオン/オフするために用いられる。尚、以下の説明では特に断りがない限り、図3中の矢印a−bの方向を前後方向、矢印c−dの方向を上下方向、矢印e−fの方向を左右方向として説明を行う。
【0013】
このタイムスイッチは、図2及び図3に示すように前面側が開口するボディ(下ケース部)2と、後面側が開口しボディ2の開口を閉塞する形でボディ2に被着されるカバー(上ケース部)3と、ボディ2とカバー3とを結合することで形成されるケース1内に収納される基板ブロック4とを備えている。
【0014】
基板ブロック4は、後述するタイマ回路5が形成された基板38と、電源接続端子36、36及び負荷接続端子37、37を有する端子台ブロック6とで構成されている。図8はタイマ回路5のブロック図を示しており、タイマ回路5は、マイクロコンピュータからなり、計時用発振部30からのクロック信号に基づいて現在の曜日や現在時刻を計時する時計部31、及び、所望の時刻に負荷Lを制御するためのプログラムが格納されたプログラム記憶部33が内蔵された制御部17と、複数のプッシュ型ボタンからなる設定用スイッチ部13と、スライドスイッチからなるモード切替スイッチ16と、スライドスイッチからなる動作設定スイッチ15と、液晶ディスプレイからなる液晶表示部12と、複数のLEDからなるLED表示部14(14a、14b)と、電源接続端子36、36を介して入力された商用電源ACから動作電源を生成する電源部35と、商用電源ACの停電を検出する停電検出部28と、商用電源ACの停電時に制御部17に電源を供給する停電補償電源部39と、負荷接続端子37、37を介して接続された負荷Lへの電源供給を制御部17からのオン/オフ指令にしたがってオン/オフする出力部19と、制御部17の動作をリセットするリセット部29と、制御部17を動作させるクロック信号を生成する発振部32とを備えている。尚、本実施形態のタイマスイッチでは、動作条件として所望の曜日を設定することもでき、例えば毎週月曜日の午前8時に負荷Lをオンさせるようなプログラムを設定することも可能である。
【0015】
電源部35は、図8に示すように電源接続端子36、36から入力される商用電源ACを降圧する降圧回路35aと、降圧した入力電圧を直流変換して動作電源として上記各部へ供給する直流変換回路35bとで構成され、電源の通電時には通電状態表示部14bが点灯する。また、停電検出部28により商用電源ACの停電が検出されると、停電補償電源部39からの電源供給に切り替わるようになっている。
【0016】
また、出力部19は、図8に示すように制御部17からのオン/オフ指令にしたがって駆動信号を生成するドライブ回路19bと、この駆動信号によって接点がオン/オフするリレー19aとで構成され、負荷Lはリレー19aの接点を介して電源に接続されており、リレー19aのオン/オフに応じて電源供給のオン/オフが切り替えられる。すなわち、リレー19aがオンして負荷Lへ電源が供給されている運転状態と、リレー19aがオフして負荷Lへ電源が供給されていない停止状態とが制御部17によって制御されているのである。さらに、負荷Lを運転状態に制御しているときは出力状態表示部14aが点灯する。
【0017】
また、図5及び図8に示すように一方の電源接続端子36とリレー19aの一方の出力端子19cとの間は帯板状に形成された導電部材20により電気的に接続され、一方の負荷接続端子37とリレー19aの他方の出力端子19cとの間は帯板状に形成された導電部材21により電気的に接続されている。
【0018】
端子台ブロック6は、図2〜図4に示すように、例えば合成樹脂からなる横長の端子台9を有し、端子台9の長手方向中央部にはタイムスイッチのケース1を被取付部に取付けるための固定ねじ25が挿通されるねじ挿通凹部9bが凹設され、ねじ挿通凹部9bの上部にはねじ孔9dが形成されている。また、ねじ挿通凹部9bを間にして長手方向両側には、前面及び下面が開口し電源接続端子36、36及び負荷接続端子37、37を構成する端子金具10及び端子ねじ11が収納される端子収納部9cがそれぞれ2個ずつ設けられており、隣接する端子収納部9c、9c間には端子間の絶縁を確保するための絶縁壁9aがそれぞれ設けられている。さらに、端子台9の幅方向に沿う両側壁には、ボディ2に突設した端子台ガイド片2kが挿通されるガイド溝9eが設けられ、各ガイド溝9e内には端子台ガイド片2kに貫設した嵌合孔(嵌合部)2pと嵌合する嵌合突起(嵌合部)9fがそれぞれ外向きに突設されている。尚、本実施形態では、図3中の左側に配置した2個の端子が電源接続端子36、36を構成し、右側に配置した2個の端子が負荷接続端子37、37を構成している。
【0019】
基板ブロック4を構成する基板38はプリント基板であって、図2、図4及び図5に示すように略矩形板状の基板本体38aを有し、基板本体38aの一端側には端子台ブロック6を基板本体38aに実装する際に端子台9を載置するための端子台載置部(図示せず)が一体に形成されている。尚、この端子台載置部は、端子台ブロック6を基板本体38aに実装した後、基板本体38aから切り離される。
【0020】
基板本体38aの前面において上部の左寄りには図2に示すように液晶表示部12が配置されており、この液晶表示部12は現在の時刻状態(例えば、現在の曜日、現在時刻、時刻カウント動作ドットなど)やタイマの設定状態(例えば、タイマを設定する時刻や負荷の動作状態を示す「入」、「切」など)などを表示する。また、基板本体38aの前面において液晶表示部12の下部には複数のプッシュ型ボタン13aで構成された設定用スイッチ部13が配置されており、各プッシュ型ボタン13aの押操作により所望の曜日や時刻に負荷Lをオン/オフさせるプログラムが設定される。尚、各プッシュ型ボタン13aは、押圧された導電ゴムが基板本体38aに形成された導電パターン42(図5参照)に導通することによって、オン/オフ操作される所謂導電ゴムスイッチが用いられる。
【0021】
さらに、基板本体38aの前面において液晶表示部12及び設定用スイッチ部13の右側には、負荷Lの出力状態を表示するLEDからなる出力状態表示部14a、スライド操作に応じて自動動作、連続入動作、連続切動作、手動一時入動作又は手動一時切動作の何れかの動作を設定する動作設定スイッチ15、電源の通電状態を表示するLEDからなる通電状態表示部14b、並びに、現在時刻を表示する時計表示モード、タイマを設定するタイマ設定モード又は現在時刻を設定する時計設定モードの何れかのモードに切替えられるモード切替スイッチ16が上下方向に並んで配置されている。
【0022】
ここに、自動動作とは、制御部17がプログラム記憶部33に記憶しているプログラムに基づいて時計部31で計時している現在時刻とプログラムで設定された時刻(設定時刻)とを比較し、現在時刻が設定時刻に一致すると負荷を運転又は停止させる負荷制御動作のことをいい、連続入動作とは、制御部17がプログラムに基づく運転/停止制御に関係なく負荷の運転状態を連続的に維持する負荷制御動作のことをいい、連続切動作とは、制御部17がプログラムに基づく運転/停止制御に関係なく負荷の停止状態を連続的に維持する負荷制御動作のことをいう。また、手動一時入動作とは、制御部17がプログラムに基づく運転/停止制御に関係なく停止状態の負荷を一時的に運転状態にする負荷制御動作のことをいい、手動一時切動作とは、制御部17がプログラムに基づく運転/停止制御に関係なく運転状態の負荷を一時的に停止状態にする負荷制御動作のことをいう。尚、手動一時入動作は、動作設定スイッチ15の操作部を自動動作の位置(図3中の真ん中の位置)から連続入動作の位置(図3中の上側の位置)に切替えた後、所定時間内に再び自動動作の位置に戻すことで設定され、手動一時切動作は、動作設定スイッチ15の操作部を自動動作の位置から連続切動作の位置(図3中の下側の位置)に切替えた後、所定時間内に再び自動動作の位置に戻すことで設定される。
【0023】
基板本体38aの後面には、図1及び図5に示すように下部の右寄りに出力部19を構成するリレー19aが配置され、リレー19aの下部には端子台ブロック6が配置されている。また、リレー19aの一方(図5中の左側)の出力端子19cと端子台ブロック6の一方の電源接続端子36との間は、後面に配置された導電部材20を介して電気的に接続され、リレー19aの他方(図5中の右側)の出力端子19cと端子台ブロック6の一方の負荷接続端子37との間は、後面に配置された導電部材21を介して電気的に接続されている。すなわち、本実施形態の基板本体38aには、前面に液晶表示部12及びLED表示部14を構成する表示素子や制御部17を構成する演算素子23や各操作スイッチ(設定用スイッチ部13、動作設定スイッチ15、モード切替スイッチ16)などの弱電回路部品が配置されるとともに、後面にリレー19aや端子台ブロック6や導電部材20、21などの強電回路部品が配置されている。
【0024】
導電部材20は、図1及び図5に示すように略L字状の主片20aを有し、主片20aの両端部には電源接続端子36を構成する端子金具10の先端部10aが挿通される挿通孔(図示せず)が貫設された接続部20b、及び、リレー19aの出力端子19cが挿通される挿通孔(図示せず)が貫設された接続部20cがそれぞれ一体に設けられている。また、各接続部20b、20cと主片20aとの間には、主片20aにおける接続部20b、20cとの連結部位を斜め下方に折り曲げることによって前後方向(基板本体38aの厚み方向)に段差が設けられている。さらに、主片20aにおいて接続部20c側の部位には、前面側(基板本体38a側)に突出し基板本体38aに貫設した固定孔(図示せず)にそれぞれ差し込まれる一対の固定爪20f、20fが一体に設けられている。
【0025】
また、導電部材21は、図5に示すように略I字状の主片21aを有し、主片21aの両端部には負荷接続端子37を構成する端子金具10の先端部10aが挿通される挿通孔(図示せず)が貫設された接続部21b、及び、リレー19aの出力端子19cが挿通される挿通孔(図示せず)が貫設された接続部21cがそれぞれ一体に設けられている。また、各接続部21b、21cと主片21aとの間には、主片21aにおける接続部21b、21cとの連結部位を斜め下方に折り曲げることによって前後方向(基板本体38aの厚み方向)に段差が設けられている。さらに、主片21aにおいて接続部21c側の部位には、前面側(基板本体38a側)に突出し基板本体38aに貫設した固定孔(図示せず)に差し込まれる固定爪21fが一体に設けられている。
【0026】
一方、基板本体38aにおいて、導電部材20の接続部20b及び導電部材21の接続部21bに対応する部位にはそれぞれ切欠部38dが貫設され、接続部20c及び接続部21cに対応する部位にはそれぞれ略矩形状の開口部38cが貫設されている。
【0027】
而して、導電部材20を基板本体38aに取付ける場合には、接続部20bを切欠部38dに、接続部20cを開口部38cにそれぞれ填め込むとともに、各固定爪20fを対応する固定孔にそれぞれ差し込んで嵌合させると、導電部材20が基板本体38aに取付けられる。この時、各接続部20b、20cはその表面が基板本体38aの後面と略同じ高さとなるように配置されている。尚、導電部材21についても導電部材20と同様にして基板本体38aに取付けられるため、説明は省略する。
【0028】
ボディ2は、例えば厚みが薄い略矩形箱状の合成樹脂成形品であって、ボディ2の長手方向一端側(図4中の上側)の底面において幅方向中央部には、タイムスイッチのケース1を被取付部に取付けるための固定ねじ25が挿通されるねじ挿通孔2cが貫設され、ボディ2の長手方向他端側(図4中の下側)の底面には、端子台ブロック6をガイドするための一対の端子台ガイド壁2g、2gが左右方向に並べて突設されている。而して、ボディ2の長手方向において、これらの端子台ガイド壁2g、2gに対して上側に基板本体38aを収納するための基板収納部2hが形成され、端子台ガイド壁2g、2gに対して下側には端子台ブロック6を収納するための端子台収納部2b、2bが形成される。
【0029】
また、ボディ2の基板収納部2h側において長手方向に沿う両側壁及び幅方向に沿う側壁には、基板本体38aの下面が当接する当接面を有する基板受け部2eが前面側に向かって複数(本実施形態では4個)突設されており、幅方向に沿う側壁側の各基板受け部2eの先端部には、基板本体38aをガイドする基板ガイド部2mがそれぞれ一体に設けられている。尚、各基板ガイド部2mの内側面は斜め下方に傾斜する傾斜面になっており、基板本体38aはボディ2内に組み込む際に端縁をこの傾斜面に当接させながら組み込まれる。この時、基板本体38aの端部を持って基板受け部2eの当接面に載せるだけでいいので、回路部分に手が触れることがなく、したがって手の脂が基板本体38aに付着して回路部分が腐食するのを防止することができる。
【0030】
さらに、ボディ2の長手方向に沿う両側壁には、外側に向かって突出する係合爪2dがそれぞれ長手方向に沿って所定の間隔で2個ずつ設けられており、またボディ2の長手方向他端側(図4中の下側)において端子台収納部2b、2b間には、端子台9に設けたねじ挿通凹部9bと連通するねじ挿通凹部2aが凹設されている。また、ボディ2の端子台収納部2b側において長手方向に沿う両側壁には、端子台9の両側壁にそれぞれ設けたガイド溝9e内に挿通される端子台ガイド片2kが前面側に向かってそれぞれ突設され、各端子台ガイド片2kには端子台9の嵌合突起9fが嵌合する嵌合孔2pがそれぞれ貫設されている。尚、長手方向に沿う各側壁において、端子台ガイド片2kは同じ側に設けられた係合爪2dよりも内側に位置するように設けられている。また、各端子台収納部2bの底面には、組立状態において端子台9の下面が当接する略円筒状の端子台受け部2nがそれぞれ2個ずつ設けられている。ここに、端子台ガイド壁2g、2gと、端子台ガイド片2k、2kとで端子台ガイド部が構成されている。
【0031】
また、ボディ2の裏面の長手方向中央部には、図1に示すようにタイムスイッチのケース1をDINレール(図示せず)に取付けるための取付溝2jが幅方向(図1中の前後方向)に沿って設けられており、さらにボディ2の裏面の長手方向一端側(図1中の左側)には、レール取付具8が取付けられている。また、取付溝2jにおいてレール取付具8と反対側の端縁には、内側に向かって突出する係止突部2lが一体に設けられている。
【0032】
レール取付具8は例えば合成樹脂成形品であって、図1及び図2に示すように縦長の略I字状の主片8dを有し、主片8dの先端側には主片8dと交差する方向に延出するばね体8cが一体に設けられている。このレール取付具8は、ボディ2の底面に設けられた溝(図示せず)内に主片8dを挿通させることでボディ2に取付けられ、主片8dはこの溝に沿って、取付溝2j内に挿入されて取付溝2jの底面との間でDINレールの一方の係止片を挟持してDINレールを保持する保持位置と、取付溝2j内から後退してDINレールの保持を解除する解除位置との間で進退自在に移動できるようになっている。
【0033】
而して、ケース1をDINレールに取付ける場合には、DINレールの幅方向一端側の係止片を取付溝2jの底面と係止突部2lとの間に差し込んだ状態で他端側の係止片を主片8dの先端部8bに当接させながらDINレールを取付溝2j側に押し込むと、DINレールからの押圧力により主片8dが外側(図1中の左側)に移動するとともにばね体8cが外側に付勢され、さらにDINレールを押し込んで他端側の係止片が取付溝2jの底面と主片8dの先端部8bとの間に配置されると、ばね体8cからの反力(図1中の右方向の力)により主片8dが内側(図1中の右側)に移動し、DINレールの他端側の係止片が取付溝2jの底面と主片8dの先端部8bとの間に挟持されて、ケース1がDINレールに取付けられる。
【0034】
逆に、ケース1をDINレールから取り外す場合には、ばね体8cからの反力に抗してレール取付具8を取付溝2j内から後退(図1中の左側に移動)させると、上記他端側の係止片の挟持状態が解除されて、DINレールからケース1が取り外される。
【0035】
また、レール取付具8の主片8dには、図2に示すように下端側(先端部8bと反対側)に固定ねじ25が挿通されるねじ挿通孔8aが貫設されており、このねじ挿通孔8aと上述したボディ2のねじ挿通孔2cにそれぞれ挿通した固定ねじ25、25を用いて被取付部にねじ固定することもできる。ここにおいて、レール取付具8は、図3に示すようにケース1の下側の側面から外側へ突出しないように、ねじ挿通孔8aが設けられた部位をねじ挿通凹部9b、ねじ挿通凹部2a及びねじ挿通凹部3cで構成されるねじ挿通凹部内に配置している。
【0036】
カバー3は、上下方向及び左右方向の寸法がボディ2と略同寸法に形成された略矩形箱状の合成樹脂成形品であって、ボディ2に被着することでボディ2とともにケース1を形成する。カバー3の長手方向一端側(図2中の上側)には、ボディ2のねじ挿通孔2cと連通するねじ挿通孔3aが設けられ、カバー3の前面においてねじ挿通孔3aの下部には、操作部表示シート7が固着される略矩形状の取付凹所3lが設けられている。また、取付凹所3lの底面において液晶表示部12に対応する部位には、液晶表示部12の表示内容を前方から視認可能とする略矩形状の開口窓(開口部)3dが設けられ、この開口窓3dの下部には設定用スイッチ部13を構成する各プッシュ型ボタン13aの操作部を前面側に露出させる複数の孔からなる露出部(開口部)3eが設けられている。また、開口窓3d及び露出部3eの右側には、出力状態表示部14a及び通電状態表示部14bに対応する部位にLEDからの光を前面側に露光するための露光窓(開口部)3f、3hがそれぞれ設けられるとともに、動作設定スイッチ15及びモード切替スイッチ16に対応する部位に各スイッチの操作部に取付けられる摘み18を配置するための溝3g、3jがそれぞれ設けられ、溝3g、3jの底部には上記各スイッチの操作部を前面側に露出させる露出孔(開口部)が貫設されている。これらの露光窓3f、3h及び溝3g、3jは、取付凹所3l内において上下方向に並んで設けられている。尚、摘み18は、上記各スイッチの操作性を向上させるために取付けられるものであり、溝3g、3j内に上下方向に移動自在に配置される。
【0037】
さらに、カバー3の長手方向他端側(図2中の下側)には、端子台ブロック6を露出するための切欠部3bが設けられ、切欠部3bの上部には各端子の名称(本実施形態では、電源及び負荷)が記載されたネームプレート27が取付けられている。また、カバー3の長手方向他端側において幅方向中央部には、側壁を内側に略コ字型に折り曲げて形成され、端子台9に設けたねじ挿通凹部9b及びボディ2に設けたねじ挿通凹部2aと連通するねじ挿通凹部3cが設けられている。さらに、カバー3の長手方向に沿う両側壁においてボディ2に設けた係合爪2dに対応する部位には、係合爪2dが係合する係合孔3kが設けられており、ボディ2の前面側からカバー3を被着するとともに、各係合爪2dを対応する係合孔3kにそれぞれ係合させることでケース1が組立てられる。
【0038】
また、カバー3の内側面においてボディ2の各基板受け部2eに対応する部位には、基板押さえ部3mがそれぞれ突設されており、ケース1を組立てた状態では図1に示すように基板本体38aが基板受け部2eの当接面(上面)と基板押さえ部3mの下面との間で挟持される。ここに、ボディ2の基板受け部2eと、カバー3の基板押さえ部3mとで挟持手段が構成されている。
【0039】
操作部表示シート7は、例えばアクリル樹脂などにより略矩形シート状に形成され、液晶表示部12、出力状態表示部14a及び通電状態表示部14bに対応する部位には表示内容やLEDからの光が前面側から視認できるように透明部7a、7bがそれぞれ設けられている。また、設定用スイッチ部13、動作設定スイッチ15及びモード切替スイッチ16に対応する部位には、各スイッチの操作部を露出させる露出孔7c、7dが設けられており、さらに透明部7b、露出孔7c、7dの近傍には、各スイッチのモードやLEDの表示対象などを示す文字列26が例えば印刷により形成されている。この操作部表示シート7は、取付凹所3l内に配置された状態でカバー3に固着され、上記摘み18はこの操作部表示シート7とカバー3との間に挟まれた状態で溝3g、3j内に配置される。
【0040】
カバー3の前面側には、図1に示すように前面カバー22が取付けられる。この前面カバー22は下面が開口する略矩形箱状であって、例えば透明なアクリル樹脂などにより形成されており、前面カバー22をカバー3に取付けた状態でも液晶表示部12の表示内容や各スイッチの設定状態などが確認できるようになっている。
【0041】
ここで、タイムスイッチの組立手順について図1〜図7に基づいて説明する。まず、ボディ2の底面にレール取付具8を取付けるとともに、基板本体38aが基板収納部2h側、端子台ブロック6が端子台収納部2b、2b側となるように前面側から基板ブロック4をボディ2内に組み込む。この時、端子台9は両ガイド溝9e、9e内にボディ2の端子台ガイド片2k、2kがそれぞれ挿通されるとともに、端子台9の上側の側面を両端子台ガイド壁2g、2gに当接させることでガイドされ、各ガイド溝9e内の嵌合突起9fがそれぞれ対応する端子台ガイド片2kの嵌合孔2pに嵌合することでボディ2に固定される。尚、この状態において端子台9は、下面が端子台受け部2nの上面に当接した状態で配置される。また、基板本体38aは、基板ガイド部2mの傾斜面に当接しながら基板収納部2h内に収納され、下面が4つの基板受け部2eの各当接面に当接した状態で載置される。
【0042】
次に、基板本体38aに設けた各導電パターン42に対して各プッシュ型ボタン13aが対応するように設定用スイッチ部13を基板本体38aに取付ける(図5参照)。さらに、カバー3を前面側からボディ2に被着するとともにボディ2の各係合爪2dを対応するカバー3の係合孔3kにそれぞれ係合させてケース1を組立てる(図7参照)。
【0043】
この時、液晶表示部12は開口窓3dを臨んだ状態で配置され、設定用スイッチ部13の各プッシュ型ボタン13aは操作部を露出部3eの対応する孔からそれぞれ露出させた状態で配置される。また、出力状態表示部14a及び通電状態表示部14bは、それぞれ露光窓3f、3hを臨んだ状態で配置されるとともに、動作設定スイッチ15及びモード切替スイッチ16は操作部を溝3g、3jと連通する露出孔からそれぞれ露出させた状態で配置され、さらに端子台ブロック6はカバー3の切欠部3bを臨んだ状態で配置される。さらに、基板本体38aは、カバー3の基板押さえ部3mの下面と、ボディ2の基板受け部2eの当接面(上面)との間で挟持される。尚、この状態においてボディ2の各端子台ガイド片2kは、図6に示すようにカバー3の長手方向に沿う各側壁とそれぞれ当接しており、カバー3により外側への移動が規制されているので、端子台ブロック6をケース1に強固に固定することができる。
【0044】
最後に、摘み18、18を動作設定スイッチ15及びモード切替スイッチ16の操作部にそれぞれ取付けるとともに溝3g、3j内に配置し、さらに前面側から操作部表示シート7をカバー3の取付凹所3l内に固着した後、端子カバー(図示せず)を端子台ブロック6を覆うようにカバー3に取付けると、タイムスイッチの組立てが完了する。
【0045】
さらに、組立てられたタイムスイッチはDINレールに取付けられたり、固定ねじ25を用いて被取付部に取付けられ、電源線や負荷Lからの電線(ともに図示せず)がカバー3の切欠部3bを通して端子台ブロック6の電源接続端子36、36及び負荷接続端子37、37にそれぞれ接続される。そして、端子カバーを固定ねじ(図示せず)を用いて端子台9に螺着し、前面カバー22をカバー3に被着するとタイムスイッチの取付けが完了する。
【0046】
次に、タイムスイッチによる負荷Lの制御動作について図9に基づいて説明する。制御部17が動作を開始すると(ステップS1)、時計部31により現在時刻の計時動作を行わせた後(ステップS2)、制御部17は動作設定スイッチ15のスライド操作によって設定された動作が自動動作であるか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3において自動動作であると判定した場合には、制御部17はプログラム記憶部33に記憶されたプログラムで設定した曜日及び時刻と、現在の曜日及び時刻とを比較し(ステップS4)、現在の曜日及び時刻が設定された曜日及び時刻に一致すると制御部17は出力部19に対してオン/オフ指令を出力し、このオン/オフ指令に基づいて出力部19が負荷Lをオン/オフさせる(ステップS5)。
【0047】
また、ステップS3において自動動作でないと判定した場合には、制御部17は動作設定スイッチ15のスライド操作によって設定された動作が連続入動作または連続切動作であるか否かを判定する(ステップS6)。ステップS6において連続入動作または連続切動作であると判定した場合には、制御部17はプログラムに関係なく出力部19に対して連続的にオン/オフ指令を出力し、このオン/オフ指令に基づいて出力部19が負荷Lを連続的にオン/オフさせる(ステップS7)。
【0048】
さらに、ステップS6において連続入動作または連続切動作の何れでもないと判定した場合には、制御部17は動作設定スイッチ15のスライド操作によって設定された動作が手動一時入動作または手動一時切動作であるか否かを判定する(ステップS8)。ステップS8において手動一時入動作または手動一時切動作であると判定した場合には、制御部17はプログラムに関係なく出力部19に対して一時的にオン/オフ指令を出力し、このオン/オフ指令に基づいて出力部19が負荷Lを一時的にオン/オフさせる(ステップS9)。
【0049】
そして、負荷Lの制御動作が終了すると、計時動作に戻り(ステップS2)、以降、上記ステップS2〜S9を繰り返して負荷Lの動作制御を行う。
【0050】
本実施形態のタイムスイッチでは、端子台9に設けた嵌合突起9fをボディ2に設けた嵌合孔2pに嵌合させるだけで端子台ブロック6をボディ2に固定することができるので、固定ねじを用いて固定する場合と比較して組立性を向上させることができ、また端子台ブロック6に電源や負荷からの電線を接続する際に端子台9に加わる力をカバー3及びボディ2で受けることで基板本体38aに応力が加わりにくくなる。
【0051】
さらに、基板本体38aは固定ねじを用いてねじ固定しておらずボディ2の基板受け部2eとカバー3の基板抑押さえ部3mで構成される挟持手段のみで保持しており、端子台9からの力が基板本体38aに加わった場合でも両挟持手段間の遊びにより基板本体38aを移動させることができるので、基板本体38aに応力が加わることがなく、また周囲温度の変化に応じて基板本体38aを伸縮させることもできる。また、ボディ2側に基板受け部2e、端子台受け部2n、基板ガイド部2m及び端子台ガイド部(端子台ガイド壁2g及び端子台ガイド片2k)を設けており、基板ブロック4をボディ2側に組み込むことで組み込み時に加わる力をボディ2側で受けているので、表示素子(液晶表示部12及びLED表示部14)や操作スイッチ(設定用スイッチ部13、動作設定スイッチ15及びモード切替スイッチ16)が露出するカバー3の表面が傷つけられることがなく、見栄えのよいタイムスイッチを提供することができる。さらに、上述したようにボディ2に対して基板ブロック4、設定用スイッチ部13、カバー3の順に組立てることで組立性のよいタイムスイッチを提供することができる。
【0052】
尚、本実施形態では、カバー3に係合孔3kを、ボディ2に係合爪2dを設けた場合を例に説明したが、カバー3に係合爪を、ボディ2に係合孔を設けてもよく、ボディ2とカバー3を容易に結合させることができ、組立性のよいタイムスイッチを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本実施形態のタイムスイッチの縦断面図である。
【図2】同上の分解斜視図である。
【図3】同上の斜視図である。
【図4】同上の組立手順を示す斜視図である。
【図5】同上の組立手順を示す別の斜視図である。
【図6】同上の端子台ブロックとボディの嵌合状態を示す横断面図である。
【図7】同上のカバーとボディの嵌合状態を示す横断面図である。
【図8】同上に用いられる基板に形成されたタイマ回路のブロック図である。
【図9】同上の負荷の制御動作を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0054】
1 ケース
2 ボディ(下ケース部)
2d 係合爪
2e 基板受け部
2p 嵌合孔(嵌合部)
3 カバー(上ケース部)
3k 係合孔
3m 基板押さえ部
9 端子台
9f 嵌合突起(嵌合部)
12 液晶表示部
13 設定用スイッチ部
14 LED表示部
15 動作設定スイッチ
16 モード切替スイッチ
19a リレー
23 演算素子
36 電源接続端子
37 負荷接続端子
38a 基板本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも計時用の演算素子、表示素子及び操作スイッチを含む弱電回路部品、並びに、電源が接続される電源接続端子と負荷が接続される負荷接続端子とを具備した端子台及び負荷への電源供給をオン/オフする負荷制御用のリレーを含む強電回路部品が実装された1枚の基板と、上ケース部及び下ケース部からなり内部に基板が収納されるケースとを備え、端子台は、端子台及び下ケース部にそれぞれ設けた嵌合部を互いに嵌合させることによって下ケース部に固定され、上ケース部は、上ケース部又は下ケース部の何れか一方に設けた係合爪を他方に設けた係合孔に係合させることによって前記嵌合部を覆うように下ケース部と結合し、上ケース部及び下ケース部に組立状態において前記基板を両側から挟持する挟持手段を設けたことを特徴とするタイムスイッチ。
【請求項2】
前記上ケース部は、前記表示素子及び操作スイッチを前面側に露出させる開口部を有し、前記下ケース部は、基板の組み込み方向に沿ってそれぞれ設けられ端子台をガイドする端子台ガイド部及び基板をガイドする基板ガイド部と、基板の組み込み方向において端子台が当接する端子台受け部及び基板が当接する基板受け部とを備えたことを特徴とする請求項1記載のタイムスイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−54386(P2009−54386A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−219043(P2007−219043)
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【出願人】(505155012)パナソニック電工電路株式会社 (140)
【出願人】(392000567)パナソニック電工インテリア照明株式会社 (100)
【Fターム(参考)】