説明

タイル剥落防止具、PC板およびその製造方法

【課題】タイル裏面への取り付け作業をワンタッチで容易に行うことができると共に、簡素な構造でかつ低廉にタイルの剥落を確実に防止できるタイル剥落防止具1を提供する。
【解決手段】本発明のタイル剥落防止具1は、タイル20の裏面20aに形成された裏足21,22間に固定されるタイル剥落防止具であって、裏足21の凹部23内に挿入可能な第1挿入部2を備えた第1固定部3と、裏足22の凹部24内に挿入可能な第2挿入部4を備えた第2固定部5とを有し、第1固定部3および第2固定部5を内側に押圧することにより第1挿入部2と第2挿入部4との離間距離が縮小し裏足21,22間の凹条部25内に挿入可能に構成され、前記押圧を解除することにより第1挿入部2と第2挿入部4との離間距離が復元して裏足21,22間に固定されるよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面等の装飾材としてタイルを使用した場合、タイルが壁面等から剥落することを防止するためのタイル剥落防止具、それを用いたPC板、およびそれを用いて作製するPC板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、タイルが壁面等から剥落することを防止するものとして、壁面等とタイルの間に介在させるタイル剥落防止具が種々提案されている。例えば、そのようなものとして、特開平11−205058号公報の大型タイル等の固定金具がある。この固定金具は、大型タイルの裏面に当接固定される固定片と、固定片から裏側に立ち上げられた立上片と、立上片からタイルの裏面に対して平行に延出した延出片とからなり、使用に際しては固定片をタイルの裏面にボルトにて固定しなければならず取り付け作業が煩雑であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−205058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の課題は、タイル裏面への取り付け作業をワンタッチで容易に行うことができると共に、簡素な構造でかつ低廉にタイルの剥落を確実に防止できるタイル剥落防止具、それを用いたPC板、およびそれを用いて作製したPC板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するものは、タイルの裏面に形成された裏足間に固定されるタイル剥落防止具であって、該タイル剥落防止具は、一方の裏足の内側面に形成された凹部内に挿入可能な第1挿入部を先端付近に備えた第1固定部と、他方の裏足の内側面に形成された凹部内に挿入可能な第2挿入部を先端付近に備え前記第1固定部と基部付近で一体的に構成された第2固定部とを有し、前記第1固定部および前記第2固定部を内側に押圧することにより前記第1挿入部と前記第2挿入部との離間距離が縮小し裏足間の凹条部内に挿入可能に構成され、前記押圧を解除することにより前記第1挿入部と前記第2挿入部との離間距離が復元して裏足間に固定されることを特徴とするタイル剥落防止具である。
【0006】
また、上記課題を解決するものは、タイルと、前記タイルの裏面に形成された裏足間に固定されたタイル剥落防止具と、前記タイルの裏面に打設されたコンクリート層とを有し、前記タイル剥落防止具は、一方の裏足の内側面に形成された凹部内に挿入可能な第1挿入部を先端付近に備えた第1固定部と、他方の裏足の内側面に形成された凹部内に挿入可能な第2挿入部を先端付近に備え前記第1固定部と基部付近で一体的に構成された第2固定部とを有し、前記第1固定部および前記第2固定部を内側に押圧することにより前記第1挿入部と前記第2挿入部との離間距離が縮小し裏足間の凹条部内に挿入され、前記押圧を解除することにより前記第1挿入部と前記第2挿入部との離間距離が復元して裏足間に固定されていることを特徴とするPC板である。
【0007】
さらに、上記課題を解決するものは、複数のタイルを配列する工程と、前記タイルの裏面に形成された裏足間にタイル剥落防止具を固定する工程と、前記タイルの裏面にコンクリートを打設する工程とを有し、前記タイル剥落防止具を固定する工程は、一方の裏足の内側面に形成された凹部内に挿入可能な第1挿入部を先端付近に備えた第1固定部と、他方の裏足の内側面に形成された凹部内に挿入可能な第2挿入部を先端付近に備え前記第1固定部と基部付近で一体的に構成された第2固定部とを有したタイル剥落防止具を、前記第1固定部および前記第2固定部を内側に押圧することによって前記第1挿入部と前記第2挿入部との離間距離を縮小させ裏足間の凹条部内に挿入した後、前記押圧を解除することによって前記第1挿入部と前記第2挿入部との離間距離が復元して裏足間に固定されるものであることを特徴とするPC板の製造方法である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1ないし3に記載した発明によれば、タイル裏面への取り付け作業をワンタッチで容易に行うことができると共に、簡素な構造でかつ低廉にタイルの剥落をより確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明のタイル剥落防止具の一実施例の正面図である。
【図2】図1に示したタイル剥落防止具の右側面図である。
【図3】図1に示したタイル剥落防止具の斜視図である。
【図4】図1に示したタイル剥落防止具の屈曲成形前の状態を示す正面図である。
【図5】図1に示したタイル剥落防止具の作用を説明するための右側面図である。
【図6】本発明のPC板の製造方法の一工程を説明するための斜視図である。
【図7】本発明のPC板の一実施例の部分縦断面概略図である。
【図8】引張強度試験の方法を説明するための試験器概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、第1固定部3および第2固定部5を内側に押圧することにより第1挿入部2と第2挿入部4との離間距離が縮小し裏足21,22間の凹条部25内に挿入可能に構成され、前記押圧を解除することにより第1挿入部2と第2挿入部4との離間距離が復元して裏足21,22間に簡単かつ強固に固定され、ボルト等による取り付け作業が不要でワンタッチ装着が可能なタイル剥落防止具1を実現した。
【実施例1】
【0011】
本発明のタイル剥落防止具を図1ないし図7に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例のタイル剥落防止具1は、タイル20の裏面20aに形成された裏足21,22間に固定されるタイル剥落防止具であって、一方の裏足21の内側面21aに形成された凹部23内に挿入可能な第1挿入部2を先端付近に備えた第1固定部3と、他方の裏足22の内側面22aに形成された凹部24内に挿入可能な第2挿入部4を先端付近に備え第1固定部3と基部付近で一体的に構成された第2固定部5とを有し、第1固定部3および第2固定部5を内側に押圧することにより第1挿入部2と第2挿入部4との離間距離が縮小し裏足21,22間の凹条部25内に挿入可能に構成され、前記押圧を解除することにより第1挿入部2と第2挿入部4との離間距離が復元して裏足21,22間に固定されるように構成されている。以下、各構成について順次詳述する。
【0012】
タイル剥落防止具は、図6または図7に示すように、タイル20の裏面20aに形成された裏足21,22間に固定されるタイル剥落防止具であり、二丁掛タイルであれば例えば、図6に示すように、長手方向に沿って中央付近に設けられた2本の裏足21,22間の両側付近に2個固定されて使用される。ただし、本発明のタイル剥落防止具1が使用可能なタイルは二丁掛に限定されるものではなく、裏足を有するタイルであればどのようなタイルでもよい。また、この実施例では、長手方向に沿って中央付近に設けられた2本の裏足21,22間の両側付近に2個使用されているが、これに限定されるものではなく、裏足間であればどの部位でもよく、さらに、一枚のタイルに使用されるタイル剥落防止具は2個に限定されず、タイルの大きさ等に応じて1ケ以上で適宜選択決定可能である。
【0013】
第1固定部(固定片)3は、図7に示すように、一方の裏足21の内側面21aに形成された凹部23内に挿入可能な第1挿入部(挿入片)2を先端付近(図7中下部付近)に備え、タイル20の裏面20aに係合してタイル20の落下を防止すると共に、基部3a側は施工面側に突出してモルタルまたはコンクリート層内に延在することでタイル20を強固に保持する。
【0014】
第2固定部(固定片)5は、他方の裏足22の内側面22aに形成された凹部24内に挿入可能な第2挿入部4を先端付近に備え第1固定部3と基部付近で一体的に構成されており、第1固定部3と同様に、タイル20の裏面20aに係合してタイル20の落下を防止すると共に、基部5a側は施工面側に突出してモルタルまたはコンクリート層31内に延在することでタイル20を強固に支持する。
【0015】
具体的には、この実施例のタイル剥落防止具1は、図4に示すように、一枚のステンレス板の両側をそれぞれ逆L字状、L字状に切り欠いて、中央を第1固定部3とし、第1固定部3の両側をそれぞれ第2固定部5A,5Bとして構成されている。
【0016】
第1固定部3は、図2ないし図4に示すように、水平方向に延びる4本の屈曲線3e,3f,3g,3hを有しており、側面視(図2参照)で略S字型に構成されている。これにより、タイル20とモルタルまたはコンクリート層31がドライアウト等の界面剥離を起こしても、第1固定部3の周囲に付着したモルタル等が硬化していることによってタイル剥落防止具1がモルタルまたはコンクリート層31内に強固に固定保持され、タイル20の剥落がより確実に防止される。
【0017】
具体的には、屈曲線3eは、第1固定部3の基部3aと第2固定部5の基部5aとが一体となる境界線であると共に、ステンレス板面の一方側下方に向かって約40゜程度屈曲させる線である。屈曲線3fは、ステンレス板面の他方側下方に向かって約90゜程度屈曲させる線である。屈曲線3gは、ステンレス板面の一方側下方に向かって約90゜程度屈曲させる線である。さらに、屈曲線3hは、ステンレス板面の一方側上方に向かって約110゜程度屈曲させる線であり、それより先端部は第1挿入部(挿入片)2を構成する。
【0018】
第2固定部5A,5Bは、図2ないし図4に示すように、水平方向に延びる2本の屈曲線5e,5fをそれぞれ有している。屈曲線5eは、ステンレス板面の他方側下方に向かって約30゜程度屈曲させる線であり、屈曲線5fは、ステンレス板面の他方側水平方向に向かって約135゜程度屈曲させる線であり、それより先端部は第2挿入部(挿入片)4を構成する。
【0019】
また、第2固定部5の基部5aには、結束用穴6a,6bが設けられている。これらの結束用穴6a,6bは、ステンレス線等でPC板内の鉄筋32と結束するためのものであり、このような結束によりタイル20に対する機械的支持力をさらに強化することができる。
【0020】
このタイル剥落防止具1は、図5に示すように、第1固定部3および第2固定部5を内側に押圧することにより、換言すれば、第1固定部3および第2固定部5を把持して屈曲線3f付近を内側に向かって押圧することにより、第1固定部3の第1挿入部2と第2固定部5の第2挿入部4との離間距離が縮小し(図5中、mからsとなって)、裏足21,22間の凹条部25(図7参照)内に挿入可能に構成されている。そして、凹条部25内に挿入後、前記押圧を解除することにより第1挿入部2と第2挿入部4との離間距離が復元して(図5中、sからmとなって)、裏足21の内側面21aに形成された凹部23内に第1挿入部2が侵入し、裏足22の内側面22aに形成された凹部24内に第2挿入部4が侵入して、タイル剥落防止具1が裏足21,22間に固定されるよう構成されている。なお、前述したタイル剥落防止具1の復元力は、ステンレス板に焼き入れを施し強化したことによる反発力で構成することができる。
【0021】
このように、本発明のタイル剥落防止具1は、タイル裏面への取り付け作業をワンタッチで容易に行うことができると共に、タイルへの取り付けに接着材(例えば有機質系ボンド等)を使用しないため、熱等による接着材の変質や膨張等に起因するトラブルの発生もなく、簡素な構造で低廉にタイルの剥落を確実に防止できる。
【0022】
つぎに、図7に示した本発明のPC板の一実施例について説明する。
この実施例のPC板30は、タイル20と、タイル20の裏面20aに形成された裏足21,22間に固定されたタイル剥落防止具1と、タイル20の裏面20a側に打設されたコンクリート層31とを有し、タイル剥落防止具1は、一方の裏足21の内側面21aに形成された凹部23内に挿入可能な第1挿入部2を先端付近に備えた第1固定部3と、他方の裏足22の内側面22aに形成された凹部24内に挿入可能な第2挿入部4を先端付近に備え第1固定部3と基部5a付近で一体的に構成された第2固定部5とを有し、第1固定部3および第2固定部5を内側に押圧することにより第1挿入部2と第2挿入部4との離間距離が縮小し裏足21,22間の凹条部25内に挿入され、前記押圧を解除することにより第1挿入部2と第2挿入部4との離間距離が復元して裏足21,22間に固定されていることを特徴とするPC板である。以下、各構成について説明するが、タイル剥落防止具1については前述した通りであり説明を省略する。
【0023】
タイル20は内外装材であり、この実施例では二丁掛タイルが縦横に複数整列配置されて壁面等を構成する。裏足21,22の内側面21a,22aにそれぞれ形成された凹部23,24は、タイル素地を押し出し成形する際に長手方向に沿って凹条に形成されたものであり、この実施例では裏足21,22の基部に形成されているが、裏足21,22の中間部付近に形成されていてもよい。また、タイル20は二丁掛であるがこれに限定されるものではなく、裏足を有するタイルであればどのようなサイズのタイルでもよい。
【0024】
タイル20の裏面20aには図6に示すように各2個のタイル剥落防止具1が装着されており、裏面20a側からコンクリートが打設されてコンクリート層31が形成されている。この実施例のタイル剥落防止具1は、長手方向に沿って中央付近に設けられた2本の裏足21,22間の両側付近に2個使用されているが、これに限定されるものではなく、裏足間であればどの部位でもよく、さらに、一枚のタイルに使用されるタイル剥落防止具は2個に限定されず、タイルの大きさ等に応じて1ケ以上で適宜選択決定可能である。
【0025】
このように、本発明のPC板30はタイル20とコンリート層31との間に前述したタイル剥落防止具1が介在されているため、タイル裏面への取り付け作業をワンタッチで容易に行うことができ、ボルトや接着材も不要で、タイルの剥落をより確実に防止できるPC板に構成されている。
【0026】
さらに、本発明のPC板の製造方法の一実施例について説明する。
PC板30の製造方法は、図6または図7に示すように、複数のタイル20を配列する工程と、タイル20の裏面20aに形成された裏足21,22間にタイル剥落防止具1を固定する工程と、タイル20の裏面20にコンクリートを打設する工程とを有し、タイル剥落防止具1を固定する工程は、一方の裏足21の内側面21aに形成された凹部23内に挿入可能な第1挿入部2を先端付近に備えた第1固定部3と、他方の裏足22の内側面22aに形成された凹部24内に挿入可能な第2挿入部4を先端付近に備え第1固定部2と基部5a付近で一体的に構成された第2固定部5とを有したタイル剥落防止具1を、第1固定部3および第2固定部5を内側に押圧することによって第1挿入部2と第2挿入部4との離間距離を縮小させ裏足21,22間の凹条部25内に挿入した後、前記押圧を解除することによって第1挿入部2と第2挿入部4との離間距離が復元して裏足21,22間に固定されるものであることを特徴とするPC板の製造方法である。以下、各工程について説明するが、タイル剥落防止具1を固定する工程は前述した通りであり説明を省略する。
【0027】
複数のタイル20を配列する工程は、PC板型枠ベッド内に仮目地材を配しタイル20を敷設整列させることにより行われる。コンクリー打設工程は、タイル剥落防止具1をタイル20の裏面20aにそれぞれ固定した後、PC板型枠内にコンクリート打設することにより行われている。その後、養生硬化させてPC板が製造される。
【0028】
このように、本発明のPC板30の製造方法は、タイル20とコンリート層31との間に前述したタイル剥落防止具1を介在させる工程を有しているため、タイル裏面への取り付け作業をワンタッチで容易に行うことができ、ボルトや接着材も不要で、タイルの剥落をより確実に防止できるPC板が製造できる。
【0029】
(引張強度試験)
つぎに、本発明のタイル剥落防止具1の剥落防止効果を検証するために以下の引張強度試験を行った。
試験体として、二丁掛サイズでせっ器質無釉湿式外装タイル20を5枚(試験体1ないし5)を準備し、それらの裏面にタイル剥落防止具1を各1個中央部に固定し、図8に示した試験器40に試験体1ないし5をそれぞれセットして引張強度試験を行った。より具体的には、タイル20の裏面に固定したタイル剥落防止具1をステンレス製リング41を介してワイヤー42で吊した上で、荷重体43で下方に向かって押圧し、タイル20とタイル剥落防止具1とが分離した時点の最大引張荷重値(N)を圧力計で計測した。試験結果を以下の表1に示した。
【0030】
【表1】

【0031】
(考察)
試験体1ないし5で最大引張荷重値(N)にバラツキが生じたが、タイル20とタイル剥落防止具1とが分離するには平均で519N(上下を数値を除外した平均値466N)の力が必要であり、タイル剥落防止具1にはタイル20に対する強い係止力があることが確認された。また、タイル20とタイル剥落防止具1とが分離した状況を観ると、全てタイル20の裏足が破断したことによるもので、裏足が破断する前にタイル剥落防止具1が撓んで外れてしまうこともなく、この点においてもタイルに対する強い係止力が確認された。なお、タイル剥落防止具1は、図7に示すように、基部側がモルタルまたはコンクリート層内に深く埋設し固着されること、タイル剥落防止具1は屈曲部を有し略S字等に構成されモルタル等がその周囲に付着硬化していることから、タイル20とタイル剥落防止具1とが一体となって剥落することは考え難く、上記試験結果に鑑みて、タイル剥落防止具1には高い剥落防止効果があるものと考えられる。
【符号の説明】
【0032】
1 タイル剥落防止具
2 第1挿入部
3 第1固定部
4 第2挿入部
5 第2固定部
6 結束用穴
20 タイル
21,22 裏足
23,24 凹部
25 凹条部
30 PC板
31 コンクリート層
32 鉄筋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイルの裏面に形成された裏足間に固定されるタイル剥落防止具であって、該タイル剥落防止具は、一方の裏足の内側面に形成された凹部内に挿入可能な第1挿入部を先端付近に備えた第1固定部と、他方の裏足の内側面に形成された凹部内に挿入可能な第2挿入部を先端付近に備え前記第1固定部と基部付近で一体的に構成された第2固定部とを有し、前記第1固定部および前記第2固定部を内側に押圧することにより前記第1挿入部と前記第2挿入部との離間距離が縮小し裏足間の凹条部内に挿入可能に構成され、前記押圧を解除することにより前記第1挿入部と前記第2挿入部との離間距離が復元して裏足間に固定されることを特徴とするタイル剥落防止具。
【請求項2】
タイルと、前記タイルの裏面に形成された裏足間に固定されたタイル剥落防止具と、前記タイルの裏面に打設されたコンクリート層とを有し、前記タイル剥落防止具は、一方の裏足の内側面に形成された凹部内に挿入可能な第1挿入部を先端付近に備えた第1固定部と、他方の裏足の内側面に形成された凹部内に挿入可能な第2挿入部を先端付近に備え前記第1固定部と基部付近で一体的に構成された第2固定部とを有し、前記第1固定部および前記第2固定部を内側に押圧することにより前記第1挿入部と前記第2挿入部との離間距離が縮小し裏足間の凹条部内に挿入され、前記押圧を解除することにより前記第1挿入部と前記第2挿入部との離間距離が復元して裏足間に固定されていることを特徴とするPC板である。
【請求項3】
複数のタイルを配列する工程と、前記タイルの裏面に形成された裏足間にタイル剥落防止具を固定する工程と、前記タイルの裏面にコンクリートを打設する工程とを有し、前記タイル剥落防止具を固定する工程は、一方の裏足の内側面に形成された凹部内に挿入可能な第1挿入部を先端付近に備えた第1固定部と、他方の裏足の内側面に形成された凹部内に挿入可能な第2挿入部を先端付近に備え前記第1固定部と基部付近で一体的に構成された第2固定部とを有したタイル剥落防止具を、前記第1固定部および前記第2固定部を内側に押圧することによって前記第1挿入部と前記第2挿入部との離間距離を縮小させ裏足間の凹条部内に挿入した後、前記押圧を解除することによって前記第1挿入部と前記第2挿入部との離間距離が復元して裏足間に固定されるものであることを特徴とするPC板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−82610(P2012−82610A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−229215(P2010−229215)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(500210372)織部製陶株式会社 (1)
【Fターム(参考)】