説明

タクシーの屋根上表示灯

【課題】表示灯全体が明るく、発光消費電力が少なく寿命が長いタクシーの屋根上表示灯を提供する。
【解決手段】水平に設けられるプリント基板4上に複数個の発光ダイオード5を光軸が上向きとなるように配設すると共に、半透明な弾性プラスチック板を逆U字状に湾曲させてなる光拡散体6を該発光ダイオードを覆うように設けることで該発光ダイオードから放射された光が該光拡散体の湾曲部に照射されて拡散されるようにし、該光拡散体を覆うように半透明プラスチック製の外カバー体7を設けてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タクシーの屋根上に設置される表示灯の構造に関し、発光ダイオードを光源とし表示灯全体が明るく照らし出されるようにするものである。
【背景技術】
【0002】
タクシーの屋根上表示灯は、一般に社名等が表示された半透明プラスチック製の外カバー体の内部に光源としてのランプを設けたものであった。
一方、下記特許文献1および特許文献2に示されたタクシーの屋根上載置用表示器は、プリント基板上に発光ダイオードからなる複数の発光素子を「空車」「回送」等の表示パターンが形成されるように配設し、該プリント基板を透明なプラスチック製外カバー体によって覆うものであった。
【特許文献1】特開2000−194297号公報
【特許文献2】特開2000−267605号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来の上記ランプを光源とする表示灯は、フィラメントが切れ易いため短期間で定期的に交換する必要があり、そのためのコストが高いものとなる欠点があった。
この点、発光ダイオードを光源とする表示器は、振動にも強く寿命が大幅に延長されると共に消費電力が少ないなどの利点があるが、上記特許文献に記載された発光ダイオードはプリント基板上に平面的に配置されるものであるので、側方からの視認性が良くないという問題がある。
【0004】
また、一般に発光ダイオードは、透明な樹脂中にインサート成形され、その先端部の凸レンズ状に形成された部分から前方に向けて強い指向性をもって光が放射されるように構成されている。このため、従来のランプを光源とするもののように表示灯を全体的に明るく照らし出すことができない欠点があった。
本発明は、タクシーの屋根上表示灯におけるこのような諸問題を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのために本発明に係るタクシーの屋根上表示灯は、水平に設けられるプリント基板上に複数個の発光ダイオードを光軸が上向きとなるように配設すると共に、半透明な弾性プラスチック板を逆U字状に湾曲させてなる光拡散体を該発光ダイオードを覆うように設けることで該発光ダイオードから放射された光が該光拡散体の湾曲部に照射されて拡散されるようにし、該光拡散体を覆うように半透明プラスチック製の外カバー体を設けてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
外カバー体内で発光ダイオードの光が光拡散体によって拡散されることから表示灯全体を明るく発光させることができる。また、外カバー体内に半透明の弾性プラスチック板を逆U字状に湾曲してなる光拡散体を設けるだけの非常に簡単な構成であり、製造コストが軽減されると共に、外カバー体は従来のランプを光源としていたものをそのまま使用できることから、既存のタクシーについても光源だけをランプから発光ダイオードに低コストで簡単に取り替えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
次に本発明の実施の形態を図面と共に説明する。図1はタクシーの屋根上に固設された本発明に係る表示灯の斜視図、図2はその縦断面図、図3は横断面図である。図中、1は取付基板で、該取付基板は下面に突設された複数の吸盤2をタクシーの屋根3の上面に吸着させることにより固設される。4は該取付基板上に水平に固設されたプリント基板で、該プリント基板上に複数個の発光ダイオード5をその光軸が上向きとなるように適宜間隔を離して直線状に配設する。6は半透明の弾性プラスチック板を逆U字状に湾曲させ、該弾性プラスチック板の両端縁を取付基板1の両側縁に止着してなる光拡散体で、該光拡散体により複数個の発光ダイオード5が覆われ、該各発光ダイオードから放射された光が該光拡散体の湾曲部に照射されて拡散されるようにしている。
【0008】
また、7は前面及び後面に「TAXI」等の文字8が表示され、両側面には社標のような図柄9が表示された半透明プラスチック製の外カバー体で、該外カバー体はその下面開口を嵌合して取付基板1に固着することにより光拡散体6を覆う。なお、10は該発光ダイオードに電力を供給するため屋根上に配線されたケーブルである。
なお、光拡散体6を構成するの弾性プラスチック板の材料としては、アクリル等の透明なプラスチックに酸化チタン,タルク,炭酸カルシウム等の白色微粉末を分散させたものを使用することができる。
【0009】
このように構成した屋根上表示灯では、外カバー体7の内面に光拡散体6によって拡散された発光ダイオード5の光が照射されることから表示灯全体を均一に明るく発光させることができる。このため、取付基板1に設けた数個の発光ダイオード5だけで従来のランプを光源とする屋根上表示灯と同様に外カバー体の前後面の文字8および図柄9を照らし出すことができ、側方からの視認性もこれによって大幅に改善される。従って夜間にタクシーの存在を周囲全方向の乗客に知らしめることができる。
なお、外カバー体7はこの実施形態に示した台形状のものだけでなく、扇形、球形、円盤形等のタクシー会社固有の形態に形成される。
【0010】
このように本発明の屋根上表示灯は、外カバー体7内に半透明の弾性プラスチック板を逆U字状に湾曲してなる光拡散体6を設けただけの非常に簡単な構成であることから製造コストが軽減される。そして外カバー体7は従来のランプを光源としていたものをそのまま使用でき、光源だけをランプから発光ダイオードに簡単に取り替えることができるので、変換にもコストを要することなく、これによって発光ダイオードの特質である低消費電力および長寿命化がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係るタクシーの屋根上表示灯の外観斜視図。
【図2】図1に示した屋根上表示灯の縦断面図。
【図3】図1に示した屋根上表示灯の横断面図。
【符号の説明】
【0012】
1 取付基板
2 屋根
4 プリント基板
5 発光ダイオード
6 光拡散体
7 外カバー体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平に設けられるプリント基板上に複数個の発光ダイオードを光軸が上向きとなるように配設すると共に、半透明な弾性プラスチック板を逆U字状に湾曲させてなる光拡散体を該発光ダイオードを覆うように設けることで該発光ダイオードから放射された光が該光拡散体の湾曲部に照射されて拡散されるようにし、該光拡散体を覆うように半透明プラスチック製の外カバー体を設けてなることを特徴としたタクシーの屋根上表示灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−350242(P2006−350242A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−179756(P2005−179756)
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【出願人】(591077461)株式会社リード (11)
【Fターム(参考)】