説明

タクシー配車プログラムおよびタクシー配車システム

【課題】模範乗務員と対象乗務員との運転技術の比較を容易に行うこと。
【解決手段】本発明は、乗務員とリンクとに車体挙動情報と道路状況情報とを対応させた過去運転情報を用い配車するタクシーを決定するためにコンピュータを、各リンクに対応する予測情報を生成する予測情報生成手段16と、予測情報と対象乗務員の過去運転情報である対象情報とを比較し予測情報に類似する情報を比較情報として生成する比較情報生成手段18と、比較情報と模範乗務員の過去運転情報とを比較し各リンクに対応する運転評価情報を算出する運転評価情報算出手段20と、運転評価情報に基づき配車の可否を判定する配車可否判定手段22と、として機能させるためのタクシー配車プログラムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタクシー配車プログラムおよびタクシー配車システムに関し、特に過去の運転情報に基づき配車の可否を判定するタクシー配車プログラムおよびタクシー配車システムに関する。
【背景技術】
【0002】
タクシー会社では、営業車両の実車率向上が求められている。特許文献1および2には、実車率を向上させるための車両運行支援システムが開示されている。
【0003】
また、顧客サービス向上の観点から、顧客の希望に適った乗務員を配車するため、乗務員を評価し、顧客の希望に適った乗務員を配車することが行われる。特許文献3には、スキルを乗務員が自主的に登録する方法が開示されている。また特許文献4には、タクシーの利用客が登録した評価を参照する方法が開示されている。
【0004】
特許文献5には、経路の過去の交通情報および経路を運転者が走行した走行状況等の運転技術に関する情報から最適経路を案内する方法が開示されている。
【特許文献1】特開2001−266293号公報
【特許文献2】特許3728694号公報
【特許文献3】特開2005−269143号公報
【特許文献4】特開2006−235828号公報
【特許文献5】特開平6−76003号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献3および4の方法は、客観的な乗務員の評価とはなっていない。特許文献5の方法は、運転手ごとの運転技術の違いを評価していないため、運転が得意または不得意なルートの評価ができないという課題がある。そこで、乗務員の中で模範とされる模範乗務員と評価の対象となる対象乗務員との運転技術の比較を行う方法が考えられる。しかしながら、利用者がタクシーに乗車する位置である輸送元からタクシーを降車する位置である輸送先までのルートは多くのリンクに分割される。また、道路状況等の状況は多くのパターンがある。よって、ルートを構成するすべてのリンクについて、同一状況で対象乗務員と模範乗務員との運転技術を比較することは容易ではない。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、評価基準となる模範乗務員と評価対象となる対象乗務員との運転技術の比較を容易に行え、対象乗務員の配車の可否判定することが可能なタクシー配車プログラムおよびタクシー配車システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本タクシー配車プログラムは、模範的な運転を行う乗務員である模範乗務員と配車予定の乗務員である対象乗務員とを含む乗務員と、輸送元と輸送先との間のルートを分割したリンクと、に対応し、各乗務員がタクシーの車体を運転した際の前記車体の挙動に関する車体挙動情報とリンク内の道路の状況に関する道路状況情報とを対応させた情報である過去運転情報を用い配車するタクシーを決定するためにコンピュータを、入力された輸送元と入力された輸送先との間のルートを分割した各リンクに対応する現在の道路状況情報と前記過去運転情報とから前記対象乗務員が前記各リンクに到達した際の車体挙動情報および道路状況情報の少なくとも一方を予測し前記各リンクに対応する予測情報を生成する予測情報生成手段と、前記各リンクにおいて、前記予測情報と前記対象乗務員に対応する過去運転情報である対象情報とを比較し、前記予測情報に類似する前記対象情報を前記各リンクに対応する比較情報として生成する比較情報生成手段と、前記各リンクにおいて、前記比較情報の車体挙動情報と前記過去運転情報のうち前記各リンクに関連付けられた前記模範乗務員の過去運転情報の車体挙動情報とを比較し、それぞれの車体挙動情報間の類似性から前記各リンクに対応する前記対象乗務員の運転技術の評価に関する情報である運転評価情報を算出する運転評価情報算出手段と、前記運転評価情報に基づき前記入力された輸送元と前記入力された輸送先との間のルートでの配車の可否を判定する配車可否判定手段と、として機能させる。また、これらの手段を有するタクシー配車システムである。
【発明の効果】
【0008】
本タクシー配車プログラムおよびタクシー配車システムによれば、予測情報と類似する比較情報と模範情報とを比較することにより、対象乗務員の運転情報がなくとも対象乗務員と模範乗務員との運転技術の比較を容易に行うことができる。これにより、ルートを構成する各リンクについて、さまざまな道路状況において対象乗務員と模範乗務員との運転技術の比較が可能となる。よって、ルートおよび道路状況に合った乗務員を配車することがきる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照に、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、実施例1に係るタクシー配車プログラムが機能するコンピュータのハードウェア構成を示す図である。コンピュータ100は、CPU(中央演算処理装置)10、主記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)70、ハードディスク等の記憶部30、液晶ディスプレイ等のディスプレイ200が接続されるグラフィックインターフェース部40、キーボード300やマウス400等が接続される入力インターフェース部50、各タクシー車両やプローブ情報システムを搭載したプローブカーとの情報の入出力をネットワーク500を介して行う入出力部60を有している。CPU10、RAM70、記憶部30、グラフィックインターフェース部40、入力インターフェース部50および入出力部60は互いにBUS80で接続されている。
【0011】
図2は、実施例1に係る機能ブロック図である。配車プログラムはコンピュータ100を輸送先選出手段12、乗務員情報抽出手段14、予測情報生成手段16、比較情報生成手段18、運転評価情報算出手段20および配車可否判定手段22として機能させることができる。記憶部30は過去輸送情報データベース32、過去運転情報データベース34を有している。
【0012】
輸送先選出手段12には、不図示の入力インターフェース部50を介してキーボードやマウス等により、または不図示の入出力部60を介してタクシー車両等から輸送元(以下、入力輸送元ともいう)および現在の時刻である乗車時刻が入力される。なお、乗車時刻とは利用者がタクシーに乗車する時刻であるが、ほぼ現在時刻に対応しており、以下入力乗車時刻ともいう。輸送元とは、利用者がタクシーに乗車する位置である。入力輸送元は、利用者がタクシーの配車依頼をした位置に対応する。輸送先とは、利用者がタクシーを降車する位置である。
【0013】
輸送先選出手段12は、過去輸送情報データベース32から過去輸送情報を取得する。また、記憶部30から輸送先期待値の閾値を取得する。過去輸送情報とは、過去にタクシーが利用された際の過去の輸送元、過去の輸送先、過去の乗車時刻とを要素としてそれぞれ対応させた情報であり、過去輸送情報データベース32に記憶されている。
【0014】
輸送先選出手段12は、過去輸送情報から輸送先として選ばれる期待値が閾値以上の1または複数の輸送先を選出し乗務員情報抽出手段14に出力する。この輸送先を以下、入力輸送先ともいう。
【0015】
乗務員情報抽出手段14は、入力インターフェース部50または入出力部60を介して対象乗務員のIDを取得する。対象乗務員とは、乗務員のうち配車予定の乗務員(現在、利用者を搭乗させておらず、入力輸送元に配車可能な乗務員)である。また、模範乗務員とは、模範的な運転を行う乗務員であり、例えばタクシー会社内で運転技術が模範的とされた乗務員である。例えば、タクシー会社内で乗務員の資格として模範乗務員とそれ以外の評価乗務員とを定めている。乗務員情報抽出手段14は、過去運転情報データベース34から過去運転情報を取得する。
【0016】
過去運転情報とは、各乗務員および各リンクに、過去の車体挙動情報および道路状況情報を対応させた情報であり、過去運転情報データベース34に記憶されている。
【0017】
ここで、リンクとは、道路上の区分であり、ルートは1または複数のリンクに分割される。ルートとは、輸送元から輸送先への道路の経路を示すものである。輸送先と輸送元が同じであっても複数のルートが存在する。例えば図3において、Aが輸送元、Eが輸送先の場合、A−B、B−C、B−D、C−EおよびD−Eがそれぞれリンクである。AからEのルートはA−B−C−EとA−B−D−Eとの2つのルートがある。ルートA−B−C−Eは、A−B、B−CおよびC−Eの3つのリンクに分割される。よって、図3においては対象となるルートは2つあり、対象となるリンクは5つある。
【0018】
車体挙動情報とは、対応する乗務員が対応するリンクを運転した際の車体の挙動に対応する情報であり、例えば、リンク内の車体の巡航速度、ハンドル舵角、シフト、エンジン回転数およびブレーキの強さ等である。車体挙動情報により、乗務員の運転技術を評価することができるとともに、道路形状だけではわからない道路の類似状況を見つけることもできる。
【0019】
道路状況情報とは、リンク内の道路の状況に関する情報であり、道路形状に関する道路形状情報、交通量に関する交通量情報、天候に関する気候情報の少なくとも1つを含む情報である。道路形状とは、例えば幅員、縦断勾配、リンク長、形状(直線、右カーブ、左カーブ等)、最小半径および車線数である。交通量とは、例えば渋滞度、速度規制、通過時間および交通密度である。天候情報とは、例えば天気、降水量、気温および路面状況(凍結、乾燥等)である。
【0020】
乗務員情報抽出手段14は、入力された輸送元から入力された輸送先までの間のルート(図3の例では2つのルート)の各リンク(図3の例では5つのリンク)に関連付けられた模範乗務員および対象乗務員の過去運転情報であるそれぞれ模範情報および対象情報を抽出し出力する。
【0021】
予測情報生成手段16は、入出力部60を介し現在各リンクを走行している車両やプローブカーから現在運転情報を取得する。現在運転情報とは、現在走行している乗務員および各リンクに対応する道路状況情報であり、例えば、巡航速度や渋滞度である。また、予測情報生成手段16は、過去運転情報データベース34から各リンクに対応する過去運転情報を取得する。
【0022】
予測情報生成手段16は、各リンクについて、現在運転情報と過去運転情報とから対象乗務員が各リンクに到達した際の車体挙動情報および道路状況情報の少なくとも一方を予測し、各リンクに対応する予測情報として出力する。
【0023】
このように、予測情報とは、対象乗務員が対象となるリンクに到着する時刻の交通量情報や気候情報等の道路状況情報を予測した情報である。また、対象乗務員が対象となるリンクに到着する時刻の予測される交通量情報および気候情報から、過去運転情報を用い予測した車体挙動情報を含んでもよい。
【0024】
比較情報生成手段18は、過去運転情報データベース34から過去運転情報を取得する。比較情報生成手段18は、各リンクについて、各リンクの予測情報と過去運転情報とを比較し、比較結果に基づき予想情報に類似する対象情報を各リンクの比較情報として出力する。
【0025】
運転評価情報算出手段20は、各リンクにおいて、比較情報の車体挙動情報と模範情報の車体挙動情報とを比較し、それぞれの車体挙動情報間の類似性から各リンクに対応した対象乗務員の運転評価情報を算出する。ここで、運転評価情報とは、対象乗務員の運転技術の評価に関する情報である。
【0026】
配車可否判定手段22は、記憶部30から運転評価情報の閾値を取得する。閾値は各リンク毎であってもよいし、ルートごとであってもよい。また、閾値は全て同じ値であってもよいし、異なっていてもよい。配車可否判定手段22は、運転評価情報に基づき入力された輸送元と入力された輸送先との間のルートでの配車の可否を判定する。全対象乗務員および全ルートから配車する乗務員およびルートを出力する。例えば、ある対象乗務員に関しあるルート内のリンク全てにおいて、運転評価情報が閾値以上の場合、その乗務員はそのルートで配車可能と判定する。複数の対象乗務員または複数のルートにおいて配車可能な場合は、最も運転評価情報がよい対象乗務員またはルートを選択し配車する。全ての対象乗務員および複数のルートにおいて配車不可の場合は配車不可能となる。
【0027】
図4は、実施例1の処理を説明するためのフローチャートである。
【0028】
輸送先選出手段12は、過去輸送情報データベース32から過去輸送情報を取得し、記憶部30から輸送先期待値の閾値を取得する。
【0029】
そして、輸送先選出手段12は、過去輸送情報から輸送先として選ばれる期待値が閾値以上の1または複数の輸送先を入力輸送先として選出し、乗務員情報抽出手段14に出力する(ステップS12)。
【0030】
乗務員情報抽出手段14は、入力インターフェース部50または入出力部60を介して対象乗務員のIDを取得し、過去運転情報データベース34から過去運転情報を取得する。
【0031】
そして、乗務員情報抽出手段14は、入力された輸送元から入力された輸送先までの間のルートの各リンクに対応する乗務員情報(模範乗務員の模範情報および対象乗務員の過去運転情報)を抽出し出力する(ステップS14)。
【0032】
予測情報生成手段16は、入出力部60を介し現在各リンクを走行している車両やプローブカーから現在運転情報を取得し、各リンクについて、現在運転情報および過去運転情報から対象乗務員が各リンクに到達した時の運転情報(車体挙動情報および道路状況情報の少なくとも一方)を予測する(ステップS16)。
【0033】
比較情報生成手段18は、各リンクにおいて、予測情報に一致する過去運転情報があるかを判断し(ステップS17)、一致する場合(ステップ17のYES)は、一致した予測情報を比較情報とし(ステップS19)、一致しない場合(ステップ17のNO)は、過去運転情報データベース34から過去運転情報を取得し、各リンクについて、各リンクの予測情報と過去運転情報とを比較し、比較結果に基づき予想情報に類似する対象情報を各リンクの比較情報とする(ステップS18)。
【0034】
運転評価情報算出手段20は、各リンクにおいて、比較情報の車体挙動情報と模範情報の車体挙動情報とを比較し、それぞれの車体挙動情報間の類似性から各リンクに対応した対象乗務員の運転評価情報を算出する(ステップS20)。
【0035】
つづいて、最後のリンクか否かを判断し(ステップS21)、最後のリンクでなければ(ステップS21のNO)、ステップS17に戻り、最後のリンクであれば(ステップS21のYES)ステップS22に進む。
【0036】
配車可否判定手段22は、運転評価情報に基づき入力された輸送元と入力された輸送先との間のルートでの配車の可否を判定する。全対象乗務員および全ルートから配車する乗務員およびルートを出力する(ステップS22)。
【0037】
実施例1によれば、乗務員情報抽出手段14がルートを構成する各リンクに一致する模範情報を抽出する。予測情報生成手段16が各リンクの運転情報を予測し、比較情報生成手段18が、リンク毎に予測情報と類似する対象情報を比較情報とする。運転評価情報算出手段20が比較情報と模範情報とを比較し運転評価情報を算出する。このように、予測情報と類似する比較情報と模範情報とを比較することにより、対象乗務員の運転情報がなくとも対象乗務員と模範乗務員との運転技術の比較を容易に行うことができる。これにより、ルートを構成する各リンクについて、多くの道路状況の情報を用い多くの道路情報パターンが存在する場合も、さまざまな道路状況において対象乗務員と模範乗務員との運転技術の比較が可能となる。よって、ルートおよび道路状況に合った乗務員を配車することがきる。
【0038】
以下に、各手段の処理について詳細に説明する。
【0039】
図5は、輸送先選出手段12の処理を説明するフローチャートであり、図4のステップS12に相当するフローチャートである。図6(a)および図6(b)はそれぞれ入力輸送元および入力乗車時刻のデータの例である。図6(a)において、「輸送元0」は例えば、ある県の市のある住所を示す。図6(b)では乗車時刻について年、月、日、及び時刻がデータとして記憶される。図7は、過去輸送情報データベース32に記憶される過去輸送情報の例を示すものである。
【0040】
輸送先選出手段12は、過去輸送情報(図7)の中から入力された輸送元(図6(a))および入力された乗車時間(図6(b))と輸送元および乗車時間とが一致する情報を輸送元と乗車時間とが一致する輸送情報として取得する(ステップS30)。例えば、図7の過去輸送情報中、輸送先が「輸送元0」であり乗車時刻が「12:50」の情報を取得し、図8に示すように輸送元と乗車時間が一致する輸送情報を取得する。なお、乗車時間が一致するとは、完全に一致しなくとも所定の範囲内で一致すればよい。例えば10分単位や1時間単位で一致していればよい。
【0041】
輸送先選出手段12は、輸送元と乗車時間とが一致する輸送情報内の全ての輸送先について期待値を算出したかを判定する(ステップS32)。Yesの場合終了する。Noの場合、輸送先毎の期待値を算出する(ステップS34)。例えば、図8において、6個の情報のうち、輸送先1は2回、輸送先2は1回、輸送先3は3回登場する。よって、図9(a)に示すように、それぞれの期待値は0.33、0.17および0.50となる。
【0042】
輸送先選出手段12は、記憶部30より輸送先の期待値の閾値を取得する。例えば、図9(b)に示すように、閾値として0.30が取得される。つづいて、輸送先毎に期待値が閾値以上かを判定する(ステップS36)。Yesの場合、閾値以上の輸送先とする(ステップS38)。例えば、図9(a)において、輸送先1および3が閾値以上であるので、これらが閾値以上の輸送先とされる。輸送先選出手段12は、閾値以上の輸送先(図9(c))を出力する。
【0043】
以上のように、輸送先選出手段12は、入力された輸送元と入力された乗車時刻とに基づき、過去の輸送先が選択される期待値を算出し、過去の輸送先のうち選択される期待値が所定値以上の輸送先を輸送先として出力する。これにより、利用者が輸送先を告げない場合においても、利用者に選択される可能性の高い輸送先を入力輸送先として出力することができる。
【0044】
図10は、乗務員情報抽出手段14の処理を説明するフローチャートであり、図4のステップS14に相当するフローチャートである。乗務員情報抽出手段14に、入力輸送元および入力輸送先が入力される。乗務員情報抽出手段14は、過去運転情報データベース34の過去運転情報から、輸送元および輸送先が入力輸送元および入力輸送先(輸送先選出手段12から入力された輸送先)に一致する運転情報を取得する(ステップS40)。一例として、図11(a)および図11(b)に過去運転情報データベース34に蓄積された過去運転情報の例を示す。図11(a)は車体挙動情報の例であり、図11(b)は道路状況情報の例である。このなかから、輸送元および輸送先がそれぞれ、「輸送元0」および「輸送先1」の過去運転情報を抽出する。図12(a)および図12(b)に抽出された過去運転情報の例を示す。図12(a)は車体挙動情報から抽出した過去運転情報の例であり、図12(b)は道路状況情報から抽出した過去運転情報の例である。
【0045】
乗務員情報抽出手段14は、入力インターフェース部50または入出力部60を介して配車の候補である対象乗務員の乗務員IDを取得し、抽出された過去運転情報のうち乗務員IDの一致する情報を対象情報とする(ステップS42)。例えば、図12(a)および図12(b)のうち、対象乗務員の乗務員IDが「A01」の乗務員のデータを図13(a)および図13(b)に示すように対象情報とする。
【0046】
乗務員情報抽出手段14は、抽出された過去運転情報のうち乗務員資格が「模範乗務員」の情報を模範情報とする(ステップS44)。例えば、図12(a)および図12(b)のうち、乗務員資格が「模範乗務員」の乗務員の情報を図14(a)および図14(b)に示すように模範情報とする。
【0047】
図15は、予測情報生成手段16の処理を説明するフローチャートであり、図4のステップS16に相当するフローチャートである。予測情報生成手段16に、乗務員情報抽出手段14から対象情報と模範情報とが入力される。予測情報生成手段16は、模範情報に出現するリンクの一覧を抽出する(ステップS50)。例えば、図14(a)および図14(b)に示す模範情報に出現するリンクとして、図16に示すように、「H−M」、「H−L」、「E−K」…を抽出する。模範情報は、図10のステップS40およびS44のように、入力輸送元から入力輸送先までのルートのデータであるから、抽出されたリンク一覧は、模範乗務員が入力輸送元から入力輸送先まで運転した際に運転経験のあるリンク全てが抽出される。
【0048】
予測情報生成手段16は、過去運転情報データベース34の中からリンク一覧に出現するリンクについての過去運転情報を抽出する(ステップS52)。例えば、図17(a)および図17(b)に示した過去運転情報の中から、リンク一覧の全てのリンクの情報を抽出する。図18(a)および図18(b)はリンク「E−K」および「F−K」について抽出された過去運転情報の例である。
【0049】
予測情報生成手段16は、現在運転している乗務員の運転情報からリンク一覧に出現するリンクを現在走行しているタクシーの現在運転情報を取得する(ステップS54)。例えば、図19(a)および図19(b)は、現在走行中のタクシーの運転情報であり、この中からリンク一覧に出現するリンクの運転情報を抽出する。図20(a)および図20(b)はリンク「F−K」について抽出された現在運転情報の例である。リンク一覧全てのリンクについて現在運転情報を抽出する。
【0050】
予測情報生成手段16は、現在運転情報内の巡航速度、渋滞度およびリンク長等から入力輸送元から各リンクまでの所要時間を予測し、各リンクへの到達予測時間を算出する(ステップS56)。図21は算出された到着予測時間の例である。到着予測時間は、交通量情報から算出することができる。例えば、算出すべきリンクに到達するまでの各リンクにおいて、リンク長/巡航速度からリンクを通過するのに要する時間(リンク旅行時間)を計算し、算出すべきリンクまでの各リンクのリンク旅行時間を加算することにより到着予測時間を算出することができる。また、渋滞度を加味し到着予測時間を算出することもできる。
【0051】
各リンクへの到着予想時間の運転情報を、ステップS52で抽出した各リンクの過去運転情報に基づき予測し予測情報とする(ステップS58)。図22(a)および図22(b)はリンク「F−K」における予測情報の例を示している。予測情報を生成する方法としては、算出するリンクの到着予測時間の運転情報を未知事例、このリンクの過去運転情報を既知事例として時系列MBR(メモリベース推論)などの周知の予測手段を用いることができる。
【0052】
全てのリンクについて予測情報が予測されていれば終了する(ステップS60)。予測情報としては、車体挙動情報および道路状況情報の少なくとも一つを含めばよい。
【0053】
図23は、比較情報生成手段18内のうち、図4のステップS18を行う類似リンク抽出手段19の処理を説明するフローチャートである。類似リンク抽出手段19は、過去運転情報データベース34から乗務員IDが対象乗務員の過去運転情報を取得する(ステップS62)。例えば、図24(a)および図24(b)に示す過去運転情報データベース34内の過去運転情報から、図25(a)および図25(b)に示すように、対象乗務員である乗務員IDが「A01」の過去運転情報(つまり対象情報)を取得する。図15のステップS52で抽出される対象情報は、リンク一覧のリンクに相当する対象乗務員の過去運転情報であるが、ステップS62で抽出される対象情報は、全てのリンクに相当する対象乗務員の過去運転情報である。
【0054】
類似リンク抽出手段19は、対象情報と図15のステップS58で予測した予測情報との類似度を算出する(ステップS64)。例えば、図25(a)および図25(b)に示す対象情報と図22(a)および図22(b)のリンク「F−K」についての予測情報との類似度を算出する。図26は、図25(a)および図25(b)に示した対象情報の類似度の例である。
【0055】
類似度の算出は周知の方法で行うことができるが、ユークリッド距離の二乗和の逆数とする例について説明する。以下では、車体挙動情報として、巡航速度、ハンドル舵角およびシフト、道路状況情報として、渋滞度、幅員、リンク、縦断勾配、形状、最小半径、車線数、天気、降水量および気温を用い類似度を算出する。まず、乗車時刻から時間情報だけを抜き出しUnixタイム(Unixは登録商標)に変換する。数値化されていない情報を数値化する。例えば渋滞度については、「渋滞なし」および「混雑」をそれぞれ「0」および「1」に変換する。形状については、「直線」、「右カーブ」をそれぞれ「0」および「1」に変換する。天気について、「晴れ」、「曇り」をそれぞれ「0」および「1」に変換する。同様に、予測情報も数値化する。変換後の対象情報の例を図27(a)および図27(b)に、変換後の予測情報の例を図28(a)および図28(b)に示す。
【0056】
次に、類似度を算出する際に用いる対象情報と予測情報との全体について正規化する。正規化は各情報の類似度への寄与を合わせるための処理である。例えば、ある情報の値をX、ある情報の値の平均値をMX、ある情報の2乗の平均をMX2、正規化後のXの値をYとしたとき
Y=(X−MX)/{(MX2−MX0.5
とすることができる。図29に正規化後の対象情報、図30に正規化後の予測情報の例を示す。
【0057】
類似度として、ユークリッド距離の2乗和の逆数を算出する。例えば、図29の項番1の類似度は、1/{(0.11−(−1.63))+(−1.07−1.00)+(−0.35−(−0.35))+(−1.02−0.13)+(1.12−(−0.89))2+(0.89−(−1.12))2+(−0.89−1.12)+(−0.89−1.12)+(0.89−(−1.12))+(0.89−(−1.12))+(0−2.12)0.5=0.16となる。図29の各項番について類似度を算出した例が図26である。
【0058】
類似リンク抽出手段19は、最後の対象情報かを判定する(ステップS66)。このようにして、全ての対象情報に対し、類似度を算出する。
【0059】
類似リンク抽出手段19は、類似度の最も高い対象情報を比較情報として出力する(ステップS68)。例えば、図26において、項番4の対象情報の類似度が最も大きい。よって、図31(a)および図31(b)に示すように、項番4の対象情報を比較情報として出力する。
【0060】
以上により、対象となるリンクについて、予測情報に最も近い対象情報が比較情報として出力される。
【0061】
比較情報生成手段18は、ステップS64のように予測情報と対象情報との中の各対応するデータ(例えば「巡航速度」…「気温」等)を各々比較し、各データの各々の比較結果(つまり「巡航速度」同士の比較結果、「ハンドル舵角」同士の比較結果…「気温」同士の比較結果)に基づき予測情報に類似する対象情報を選択し各リンクに対応する比較情報とすることが好ましい。これにより、多くの項目について考慮された類似度が得られる。
【0062】
ステップS62で取得される対象情報は、対象となるリンクのみの対象乗務員の過去運転情報でもよいが、図25のように、全リンクについての対象乗務員の過去運転情報とすることが好ましい。これにより、対象でないリンクの過去運転情報からも予測情報に類似する比較情報を抽出することができ、より類似度の高い比較情報を得ることができる。また、予測情報の中に車体挙動情報が含まれることが好ましい。これにより、道路形状だけでなく、車体挙動情報により、より類似度の高い比較情報を得ることができる。
【0063】
図32は、運転評価情報算出手段20の処理を説明するためのフローチャートであり、図4のステップS20に相当するフローチャートである。運転評価情報算出手段20は、各リンクにおいて、比較情報生成手段18が出力した比較情報と乗務員情報抽出手段14が出力した模範情報との車体挙動情報を比較し、それぞれの車体挙動情報の類似性を示す運転技術評価値を算出する(ステップS70)。
【0064】
比較情報の車体挙動情報と模範情報の車体挙動情報との類似性から運転技術評価値を算出する方法は周知の方法とすることができるが、類似度の算出と同様にユークリッド距離の二乗和の逆数とする例について説明する。例えば、図33(a)の項番1の情報は、リンク「F−K」における図31(a)および図31(b)に示した比較情報の車体挙動情報である。また、項番2の情報は、リンク「F−K」における模範情報の車体挙動情報である。図29と同様に、正規化を行う。正規化を行った例を図33(b)に示す。正規化後のデータから運転技術評価値を算出する。例えば、図33(b)の場合、1/{(−1−1)+(0−0)+(0−0)0.5=0.5となる。
【0065】
運転評価情報算出手段20は、リンク毎にリンク、運転技術評価値、輸送元および輸送先からなる運転技術評価表を作成する(ステップS72)。例えば、図34がリンク「F−K」の運転技術評価表である。
【0066】
運転評価情報算出手段20は、最後のリンクか判定する(ステップS74)。これにより、各リンクについて対象乗務員の運転技術評価表が作成される。例えば図35に各リンクの運転技術評価表の例を示す。運転技術評価表は運転評価情報に相当する。
【0067】
運転評価情報算出手段20は、ステップS70のように比較情報と模範情報との車体挙動情報の中の各対応するデータ(例えば「巡航速度」、「ハンドル舵角等)を各々比較し、各データの各々の比較結果(つまり「巡航速度」同士の比較結果、「ハンドル舵角」同士の比較結果等)に基づき運転技術評価値を算出することが好ましい。これにより、多くの項目について考慮された運転技術評価値が得られる。
【0068】
図36は、配車可否判定手段22の処理を説明するためのフローチャートであり、図4のステップS22に相当するフローチャートである。配車可否判定手段22は、各リンクに対応する運転技術評価値の閾値を記憶部30から取得する。例えば、図37は、記憶部30に記憶されている各リンクの運転技術評価値の閾値である。この中から、図35に出現するリンクに対応する運転技術評価値の閾値を抽出する(ステップS80)。図38に抽出された閾値の例を示す。
【0069】
配車可否判定手段22は、各リンクについて運転技術評価値と閾値を比較する(ステップS82)。運転技術評価値が閾値以上の場合、リンク合格とする(ステップS84)。運転技術評価値が閾値未満の場合、リンク不合格とする(ステップS86)。全てのリンクの閾値との比較が終了したか判断する(ステップS88)。各リンクの比較が終了していればステップS90に進む。このとき、例えば、1つでも不合格のリンクのあるルートについては、配車不可とすることができる。
【0070】
配車可否判定手段22は、記憶部30内のルート一覧データに基づきルート毎の運転技術評価値を算出する(ステップS90)。例えば、図39は、輸送元0から輸送先1までのルート一覧データの例である。図39には、3つのルートがある。項番1から4はルート1、項番5から9はルート2、項番10から14はルート3の各リンクを示している。図40は、各ルートの運転技術評価値を算出した例である。例えば、ルート内の各リンクの運転技術評価値を単純平均することでルート毎の運転技術評価値を算出することができる。図40では、ルート1、ルート2およびルート3のそれぞれの運転技術評価値は0.625、0.56および0.52である。
【0071】
配車可否判定手段22は、記憶部30からルート毎の運転技術評価値の閾値を取得する(ステップS92)。例えば、図41(a)は、記憶部30内のルート毎の運転技術評価値の閾値のデータである。
【0072】
配車可否判定手段22は、各ルートの運転技術評価値と閾値とを比較する(ステップS94)。運転技術評価値が閾値以上の場合、ルート合格とする(ステップS96)。運転技術評価値が閾値未満の場合、ルート不合格とする(ステップS98)。全てのルートの閾値との比較が終了したか判断する(ステップS100)。
【0073】
配車可否判定手段22は、配車可否および配車ルートを決定する(ステップS102)。例えば図40および図41(a)より、閾値以上のルートはルート1のみである。そこで、図41(b)のように、ルート1を配車ルートとして出力する。なお、全てのルートが閾値以下の場合、配車不可と判定することができる。
【0074】
ルートの合格不合格の判断は、ルート内の各リンクに対応する運転技術評価値が所定の範囲かの比較結果とルートに対応する運転技術評価値が所定の範囲かの比較結果とにより判断することもできる。また、ルート内の各リンクに対応する運転技術評価値の比較結果のみを用いることもできる。さらに、ルートに対応する運転技術評価値の比較結果のみを用いることもできる。
【0075】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】実施例1に係るタクシー配車プログラムが機能するコンピュータのハードウェア構成を示す図である。
【図2】図2は実施例1に係るシステムの機能ブロック図である。
【図3】図3はルートとリンクを示す図である。
【図4】図4は実施例1に係るシステムの処理を示すフローチャートである。
【図5】図5は輸送先選出手段の処理を示すフローチャートである。
【図6】図6は入力輸送先および入力乗車時間のデータの例を示す図である。
【図7】図7は過去輸送情報データベース中の過去輸送情報の例を示す図である。
【図8】図8は輸送元と乗車時間が一致する過去輸送情報の例を示す図である。
【図9】図9(a)から図9(c)はそれぞれ輸送先の期待値、期待値の閾値および閾値以上の輸送先のデータの例を示す図である。
【図10】図10は乗務員情報抽出手段の処理を示すフローチャートである。
【図11a】図11(a)は過去運転情報データベース内の過去運転情報(車体挙動情報)の例を示す図である。
【図11b】図11(b)は過去運転情報データベース内の過去運転情報(道路状況情報)の例を示す図である。
【図12】図12(a)および図12(b)は同一輸送元かつ同一輸送元の抽出された過去運転情報の例を示す図である。
【図13】図13(a)および図13(b)は抽出された対象情報の例を示す図である。
【図14】図14(a)および図14(b)は抽出された模範情報の例を示す図である。
【図15】図15は予測情報生成手段の処理を示すフローチャートである。
【図16】図16は抽出されたリンク一覧の例を示す図である。
【図17a】図17(a)は過去運転情報データベース内の過去運転情報(車体挙動情報)の例を示す図である。
【図17b】図17(b)は過去運転情報データベース内の過去運転情報(道路状況情報)の例を示す図である。
【図18】図18(a)および図18(b)はリンク一覧に相当する過去運転情報の例を示す図である。
【図19】図19(a)および図19(b)は現在走行中のタクシーの運転情報の例を示す図である。
【図20】図20(a)および図20(b)は、現在運転情報の例を示す図である。
【図21】図21は到着予測時間の例を示す図である。
【図22】図22(a)および図22(b)は予測情報の例を示す図である。
【図23】図23は類似リンク抽出手段の処理を示すフローチャートである。
【図24a】図24(a)は、過去運転情報データベース内の過去運転情報(車体挙動情報)の例を示す図である。
【図24b】図24(b)は、過去運転情報データベース内の過去運転情報(道路状況情報)の例を示す図である。
【図25】図25(a)および図25(b)は、抽出された対象情報の例を示す図である。
【図26】図26は類似度の例を示す図である。
【図27】図27(a)および図27(b)は、数値化後の対象情報の例を示す図である。
【図28】図28(a)および図28(b)は、数値化後の予測情報の例を示す図である。
【図29】図29は、規格化後の対象情報の例を示す図である。
【図30】図30は、規格化後の対象情報の例を示す図である。
【図31】図31(a)および図31(b)は、比較情報の例を示す図である。
【図32】図32は運転技術評価手段の処理を示すフローチャートである。
【図33】図33(a)は比較情報と模範情報の車体挙動情報の例を示す図であり、図33(b)は正規化後の例である。
【図34】図34は運転技術評価値の例である。
【図35】図35は全リンクの運転技術評価値の例である。
【図36】図36は配車可否判定手段の処理を示すフローチャートである。
【図37】図37は記憶部内の各リンクに対応する閾値の例を示す図である。
【図38】図38は抽出された閾値の例を示す図である。
【図39】図39はルート一覧の例を示す図である。
【図40】図40はルートごとの運転技術評価値を算出した例を示す図である。
【図41】図41は各ルートの閾値の例を示す図であり、図41(b)は配車可能ルートの例を示す図である。
【符号の説明】
【0077】
10 CPU
12 輸送先選出手段
14 乗務員情報抽出手段
16 予測情報生成手段
18 比較情報生成手段
19 類似リンク抽出手段
20 運転評価情報算出手段
22 配車可否判定手段
30 記憶部
32 過去輸送情報データベース
34 過去運転情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
模範的な運転を行う乗務員である模範乗務員と配車予定の乗務員である対象乗務員とを含む乗務員と、輸送元と輸送先との間のルートを分割したリンクとに、各乗務員がタクシーの車体を運転した際の前記車体の挙動に関する車体挙動情報とリンク内の道路の状況に関する道路状況情報とを、対応させた情報である過去運転情報を用い配車するタクシーを決定するためにコンピュータを、
入力された輸送元と入力された輸送先との間のルートを分割した各リンクに対応する現在の道路状況情報と前記過去運転情報とから前記対象乗務員が前記各リンクに到達した際の車体挙動情報および道路状況情報の少なくとも一方を予測し前記各リンクに対応する予測情報を生成する予測情報生成手段と、
前記各リンクにおいて、前記予測情報と前記対象乗務員に対応する過去運転情報である対象情報とを比較し、前記予測情報に類似する前記対象情報を前記各リンクに対応する比較情報として生成する比較情報生成手段と、
前記各リンクにおいて、前記比較情報の車体挙動情報と前記過去運転情報のうち前記各リンクに関連付けられた前記模範乗務員の過去運転情報の車体挙動情報とを比較し、それぞれの車体挙動情報間の類似性から前記各リンクに対応する前記対象乗務員の運転技術の評価に関する情報である運転評価情報を算出する運転評価情報算出手段と、
前記運転評価情報に基づき前記入力された輸送元と前記入力された輸送先との間のルートでの配車の可否を判定する配車可否判定手段と、
として機能させるためのタクシー配車プログラム。
【請求項2】
前記タクシー配車プログラムは、前記コンピュータを、
前記入力された輸送元と前記利用者が前記タクシーに乗車する時間である乗車時刻とから前記利用者が降車する位置である輸送先を選出し前記入力された輸送先とする輸送先選出手段として機能させることを特徴とする請求項1記載のタクシー配車プログラム。
【請求項3】
前記輸送先選出手段は、過去の輸送元と過去の乗車時刻と過去の輸送先とを対応つけた情報である過去輸送情報から、前記入力された輸送元と前記入力された乗車時刻とに基づき、前記過去の輸送先が選択される期待値を算出し、前記過去の輸送先のうち前記選択される期待値が所定値以上の輸送先を前記輸送先選出手段に出力することを特徴とする請求項2記載のタクシー配車プログラム。
【請求項4】
前記比較情報生成手段は、各リンクに対応する前記予測情報と前記対象情報とが一致するかを判断し、一致する場合は、前記一致した対象情報を前記比較情報とし、一致しない場合は、前記予測情報と前記対象情報とを比較し、前記予測情報に類似する前記対象情報を前記各リンクに対応する前記比較情報とすることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載のタクシー配車プログラム。
【請求項5】
前記比較情報生成手段は、前記予測情報と前記対象情報との中の対応するデータを各々比較し、各データの各々の比較結果に基づき前記予測情報に類似する前記対象情報を前記各リンクに対応する比較情報とし、
運転評価情報算出手段は、前記比較情報の車体挙動情報と前記模範情報の車体挙動情報との中の対応するデータを各々比較し、各データの各々の比較結果に基づき前記運転評価情報を算出することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載のタクシー配車プログラム。
【請求項6】
前記比較情報生成手段は、前記各リンクにおいて、前記予測情報と前記対象乗務員に対応する全リンクの過去運転情報である対象情報とを比較することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載のタクシー配車プログラム。
【請求項7】
模範的な運転を行う乗務員である模範乗務員と配車予定の乗務員である対象乗務員とを含む乗務員と、輸送元と輸送先との間のルートを分割したリンクと、に対応し、各乗務員がタクシーの車体を運転した際の前記車体の挙動に関する車体挙動情報とリンク内の道路の状況に関する道路状況情報とを対応させた情報である過去運転情報を用い配車するタクシーを決定するタクシー配車システムであって、
入力された輸送元と入力された輸送先との間のルートを分割した各リンクに対応する現在の道路状況情報と前記過去運転情報とから前記対象乗務員が前記各リンクに到達した際の車体挙動情報および道路状況情報の少なくとも一方を予測し前記各リンクに対応する予測情報を生成する予測情報生成手段と、
前記各リンクにおいて、前記予測情報と前記対象乗務員に対応する過去運転情報である対象情報とを比較し、前記予測情報に類似する前記対象情報を前記各リンクに対応する比較情報として生成する比較情報生成手段と、
前記各リンクにおいて、前記比較情報の車体挙動情報と前記過去運転情報のうち前記各リンクに関連付けられた前記模範乗務員の過去運転情報の車体挙動情報とを比較し、それぞれの車体挙動情報間の類似性から前記各リンクに対応する前記対象乗務員の運転技術の評価に関する情報である運転評価情報を算出する運転評価情報算出手段と、
前記運転評価情報に基づき前記入力された輸送元と前記入力された輸送先との間のルートでの配車の可否を判定する配車可否判定手段と、
を具備することを特徴とするタクシー配車システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17a】
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【図17b】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24a】
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【図24b】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【公開番号】特開2009−237837(P2009−237837A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−82263(P2008−82263)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】