説明

タクシー防犯用仕切り装置

【課題】暴力を振るう犯罪者からタクシー運転手を守ることができるタクシー防犯用仕切り装置を提供する。
【解決手段】運転席2の後席16側、助手席14側を保護するためのタクシー防犯用仕切り装置1であって、運転席2の後部に運転席2と後席16の間を仕切るように取り付けられ透明のポリカーボネートからなると共に後方に凸となる曲面形状に形成され、かつ、助手席14側の端部に前方に延びるフランジ3を有する後席側仕切り壁4と、フランジ3の運転席2側の側面に運転席2と助手席14の間を仕切るように取り付けられ透明のポリカーボネートからなる平板状の助手席側仕切り壁5とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暴力を振るう犯罪者からタクシー運転手を保護するタクシー防犯用仕切り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図15に示すように、タクシー防犯用仕切り装置50としては、ヘッドレスト固定用のシャフト51に左右方向に延びる金属板からなるステー52を取り付け、このステー52にアクリルからなる仕切り板53を固定するものが知られている。このタクシー防犯用仕切り装置50は、仕切り板53で後席と運転席2を仕切ることで運転手が背後から襲われるのを防止していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−46104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このタイプの仕切り板は小型であり、後席と運転席の間に隙間も多いことから、後席より運転手に対して隙間から、またはシートバックを貫通する形で、危害を加えることができ、実際に強盗事件が発生していた。
【0005】
また、仕切り板は助手席側を覆っていないので、助手席から襲われた場合、防ぎ様がないという課題があった。
【0006】
またさらに、ヘッドレストのステーのみが仕切り板の強度を保っているため、仕切り板を強力に殴打すれば破壊できるという課題があった。
【0007】
また、金属のステーを使用するため、金属のエッジが後席側に露出することとなり、衝突などの事故が発生した場合、後席の乗客がエッジに当たって怪我をする可能性もあった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、暴力を振るう犯罪者からタクシー運転手を守ることができるタクシー防犯用仕切り装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明は、運転席の後席側、助手席側を保護するためのタクシー防犯用仕切り装置であって、運転席の後部に運転席と後席の間を仕切るように取り付けられ透明のポリカーボネートからなると共に後方に凸となる曲面形状に形成され、かつ、助手席側の端部に前方に延びるフランジを有する後席側仕切り壁と、上記フランジの運転席側の側面に運転席と助手席の間を仕切るように取り付けられ透明のポリカーボネートからなる平板状の助手席側仕切り壁とを備えたものである。
【0010】
運転席と助手席の間に設けられ前後に延びるガイドレールと、該ガイドレールに前後にスライド自在に、かつ、上下の移動を規制するように設けられる被ガイド部とを備え、該被ガイド部が上記助手席側仕切り壁に結合されるとよい。
【0011】
運転席と助手席の間に設けられ前後に延びるガイドレールと、該ガイドレールに前後にスライド自在に、かつ、上下の移動を規制するように設けられる被ガイド部とを備え、該被ガイド部には前後に延びると共に上下に延びるリクライニング用ガイド板が設けられ、該リクライニング用ガイド板の後部には、運転席のリクライニングセンタを中心とした円弧状の長穴が形成され、上記助手席側仕切り壁には上記長穴に挿入されるガイドピンが設けられ、上記リクライニング用ガイド板の前部が上記助手席側仕切り壁に脱着可能に結合されるとよい。
【0012】
上記リクライニング用ガイド板の前部は上記助手席側仕切り壁にラッチ機構を介して脱着可能に結合され、該ラッチ機構は、上記助手席側仕切り壁に設けられたフック部と、上記リクライニング用ガイド板に設けられ上記フック部を係脱可能に係止する係止部を有すると共に該係止部をフック部から離脱させるための操作部を有するラッチ本体とを備え、上記操作部は運転席のリクライニングレバーと連動するようにリクライニングレバーに索を介して連結されるとよい。
【0013】
上記後席側仕切り壁には、後席側に運転席のヘッドレストを露出するための切欠部が形成されるとよい。
【0014】
また、運転席の後席側、助手席側を保護するためのタクシー防犯用仕切り装置であって、運転席の後部に運転席と後席の間を仕切るように取り付けられ透明のポリカーボネートからなると共に後方に凸となる曲面形状に形成された後席側仕切り壁と、助手席側のフロアに設けられ上方に延びるステーと、該ステーに運転席と助手席の間を仕切るように取り付けられ透明のポリカーボネートからなる平板状の助手席側仕切り壁とを備えるとよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、暴力を振るう犯罪者からタクシー運転手を守ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1はタクシー防犯用仕切り装置の斜視図である。
【図2】図2は助手席側仕切り壁と後席側仕切り壁を上方から視た要部拡大断面図である。
【図3】図3は助手席側仕切り壁とガイドレールを後方から視た背面断面図である。
【図4】図4はタクシー防犯用仕切り装置の概略背面図である。
【図5】図5は図4の平面断面図である。
【図6】図6は図4の側面断面図である。
【図7】図7は後席側仕切り壁の斜視説明図である。
【図8】図8は後席側仕切り壁の要部拡大側面断面図である。
【図9】図9は後席側仕切り壁の要部拡大平面断面図である。
【図10】図10は他の実施の形態を示すタクシー防犯用仕切り装置の斜視図である。
【図11】図11はリクライニング用ガイド板の要部拡大断面図である。
【図12】図12はリクライニング用ガイド板を運転席側から視た斜視図である。
【図13】図13は図12の要部拡大断面図である。
【図14】図14(a)はラッチ機構とリクライニングレバーとの結合関係を説明する説明図であり、図14(b)はラッチ機構の係止部の概略説明図である。
【図15】図15は従来のタクシー防犯用仕切り装置を車外後方から視た斜視説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1、図2及び図3に示すように、タクシー防犯用仕切り装置1は、運転席2の後部に運転席2と後席(図示せず)の間を仕切るように取り付けられ後方に凸となる曲面形状に形成されると共に助手席(図示せず)側の端部に前方に延びるフランジ3を有する後席側仕切り壁4と、フランジ3に運転席2と助手席の間を仕切るように取り付けられた平板状の助手席側仕切り壁5と、運転席2と助手席の間に設けられ前後に延びるガイドレール6と、ガイドレール6に前後にスライド自在に、かつ、上下の移動を規制するように設けられると共に助手席側仕切り壁5に結合される被ガイド部7とを備えて構成されている。
【0018】
後席側仕切り壁4は、透明のポリカーボネート製成形品からなる。図7、図8及び図9に示すように、後席側仕切り壁4には、法令(保安基準第22条3.1)に定められたエリアの、シートバック後面の衝撃吸収性能に係る要件を満たす為、後席側に運転席2のヘッドレスト8を露出するための切欠部9が形成されている。市販車のヘッドレスト8は上記衝撃吸収性能を有することが既に検査されているため、上記衝撃吸収性能に係る試験を受け直す必要がなく、簡易な構造で確実に上記衝撃吸収性能を得ることができる。またさらに、切欠部9に臨む後席側仕切り壁4の縁部10は前方に湾曲されており、万一衝突事故等が起きても、後席の乗客が切欠部9の危険なエッジに衝突することなく運転席2の衝撃吸収性能を持つ部分に衝突し、車両本来の安全性能を確保できる。また、後席側仕切り壁4は、運転席2の後部に装着されたアシストグリップ11と共に運転席2に共締めされると共に、バンド12を介して運転席2のシートバック13下部に固定されている。図5に示すように、フランジ3は、後席側仕切り壁4の助手席14側の端部を前方に屈曲してなり、前後の長さLを約150mmに形成される。図4及び図6に示すように、後席側仕切り壁4は、運転席2のシートバック13下部から、天井15の下方約50mmの位置まで延びるように上下の寸法を決定されており、天井15との間に運転席2又は後席16のいずれからでもルームランプ17の操作ができる程度のクリアランスCを形成するようになっている。後席側仕切り壁4は、助手席14の運転席2側の端から運転席2に臨む車室内壁18まで延びるように車幅方向の寸法を決定されている。センターコンソール19の上面に臨む後席側仕切り壁4には、料金受け渡し用の切欠20が形成されている。
【0019】
助手席側仕切り壁5は、透明のポリカーボネートからなる。図2及び図5に示すように、助手席側仕切り壁5は、フランジ3の運転席2側の側面に重ね合わされると共にボルト、ナット等の締結具21で結合されている。助手席側仕切り壁5の機能は、例えばフランジ3をインストルメントパネルまで延ばすものとすれば、フランジ3のみでも実現でき、助手席14側まで保護することは可能であるが、製造に非常に高価な大型成形設備を必要とする。上述のようにフランジ量を約150mmとし、フランジ3に平板状の助手席側仕切り壁5を組付ける構造とすることで比較的安価な設備で大型の仕切りを得ることができる。
【0020】
図1及び図3に示すように、ガイドレール6は、運転席2側に開口する断面C字状に形成された棒状の金属材からなり、前端をインストルメントパネル22に取り付けられると共に、後部をセンターコンソール19の後端部に取り付けられている。
【0021】
被ガイド部7は、ガイドレール6内に前後スライド自在に、かつ、他の方向への移動を規制するように収容される。被ガイド部7は、前後に所定の間隔を隔てて複数配置されると共に助手席側仕切り壁5の下端部にボルト等の締結具23を介してそれぞれ固定される。
【0022】
次に本実施の形態の作用を述べる。
【0023】
運転席2にタクシー防犯用仕切り装置1を取り付ける場合、運転席2からアシストグリップ11を外し、運転席2の後部に後席側仕切り壁4をアシストグリップ11と共に共締めし、運転席2のシートバック13下部に後席側仕切り壁4をバンド12で縛り付けて固定する。
【0024】
この後、後席側仕切り壁4のフランジ3に助手席側仕切り壁5を締結具21で結合する。このとき図2に示すように、助手席側仕切り壁5の後端部24をフランジ3の運転席2側に入れて後席16の乗客に危険なエッジを露出しない様にする。後席側仕切り壁4の凸となる曲面が後席16側に向き、助手席側仕切り壁5の後端部24のエッジが後席側仕切り壁4で被われることで、後席16の乗客には後席側仕切り壁4の凸曲面が向けられるのみとなり、衝突時の後席16の乗客の安全が確保される。
【0025】
また、仮に後席側仕切り壁4が平面であった場合、例え後席側仕切り壁4が透明であっても後席16の乗客にとって、目の前にある壁となり、圧迫感を感じさせることとなるが、図6に示すように後方に凸となる曲面に成形した後席側仕切り壁4では外周部25が前方に逃げて外周部25後方のスペースが広くなることから後席16の乗客に奥行きを感じさせることができ、圧迫感が無い。
【0026】
また、後席側仕切り壁4は現在用いられている仕切り板53より大型であると共にシートバック13を被う程度に大型であるため後席16にいる犯人が運転席2のシートバック13を貫通させて攻撃をしようとした場合でも攻撃を防ぐことができ、運転席2の安全性を向上させる。またさらに、助手席側仕切り壁5は助手席14と運転席2の間を略隙間なく仕切るため、助手席14にいる犯人がタクシー運転手に攻撃しようとしても攻撃を防ぐことができ、運転席2の安全性を向上させる。
【0027】
運転席2を前後にスライドさせて位置調節した場合、後席側仕切り壁4と助手席側仕切り壁5は運転席2に追従して前後に移動する。このとき、ガイドレール6は被ガイド部7を介して助手席側仕切り壁5を上下方向に規制すると共に前後に移動を許容し、運転席2のスライド動作に助手席側仕切り壁5を円滑に追従させる。
【0028】
このように、運転席2の後部に運転席2と後席16の間を仕切るように取り付けられ透明のポリカーボネートからなると共に後方に凸となる曲面形状に形成され、かつ、助手席14側の端部に前方に延びるフランジ3を有する後席側仕切り壁4と、フランジ3の運転席2側の側面に運転席2と助手席14の間を仕切るように取り付けられ透明のポリカーボネートからなる平板状の助手席側仕切り壁5とを備えてタクシー防犯用仕切り装置1を構成したため、後席16からタクシー運転手に攻撃できない程度に後席16と運転席2の間の隙間を小さくできると共に、運転席2のシートバック13を貫通する形での攻撃を防ぐことができ、助手席14からの攻撃も防ぐことができる。そして、攻撃によって後席側仕切り壁4及び助手席側仕切り壁5が破壊されるのを防ぐことができる。また、後席16の乗客が後席側仕切り壁4又は助手席側仕切り壁5のエッジに当たって怪我をするのを防ぐことができると共に、後席16の乗客に圧迫感を与えるのを防ぐことができる。そして、簡易な構造であるため、大型のタクシー防犯用仕切り装置1としては比較的安価に提供できる。
【0029】
また、運転席2と助手席14の間に設けられ前後に延びるガイドレール6と、ガイドレール6に前後にスライド自在に、かつ、上下の移動を規制するように設けられる被ガイド部7とを備え、被ガイド部7が助手席側仕切り壁5に結合されるものとしたため、運転席2の前後の位置調節機能を阻害することなく助手席側仕切り壁5を強固に支持でき、運転席2の安全性を向上できる。
【0030】
後席側仕切り壁4には、後席16側に運転席2のヘッドレスト8を露出するための切欠部9が形成されるものとしたため、衝突事故時等に後席16の乗客をヘッドレスト8で受けて衝撃を吸収することができる。また、簡易な構造で衝撃を吸収できる。
【0031】
なお、後席側仕切り壁4には、法令(道路運送車両の保安基準第22条 座席 添付30)に定められた衝撃吸収性能を持たせるためのクッション材(図示せず)が、所定の保安基準エリアに該当する部位に位置して設けられるものとしてもよい。
【0032】
ガイドレール6及び被ガイド部7を介して助手席側仕切り壁5を支持する構造に変更を加えた他の実施の形態について述べる。上述と同様の構成については説明を省略し同符号を付す。
【0033】
図10及び図12に示すように、助手席側仕切り壁5は、前後に延びると共に上下に延びるリクライニング用ガイド板30を介して被ガイド部7に設けられる。リクライニング用ガイド板30の後部には、運転席2のリクライニングセンタを中心とした円弧状の長穴31が形成されており、助手席側仕切り壁5にはリクライニング用ガイド板30の長穴31に挿入されるガイドピン32が設けられている。ガイドピン32は、長穴31内で移動可能な太さに形成されており、運転席2のリクライニング量に応じて長穴31内で移動するようになっている。図11に示すように、長穴31周囲のリクライニング用ガイド板30は板厚を厚く形成されており、ガイドピン32に広い面積で接触することでガイドピン32を安定してガイドするようになっている。
【0034】
図12及び図14に示すように、リクライニング用ガイド板30の前部は、助手席側仕切り壁5にラッチ機構33を介して着脱可能に結合されている。ラッチ機構33は、助手席側仕切り壁5に設けられたフック部34と、リクライニング用ガイド板30に設けられフック部34を係脱可能に係止する係止部35を有するラッチ本体36とからなる。係止部35はフック部34に掛かる位置とフック部34から離脱する位置とに移動可能な掛け爪37と、掛け爪37をフック部34に掛かる位置に弾発付勢するバネ38とからなる。また、ラッチ本体36は、係止部35をフック部34から離脱させるための操作部39を有する。操作部39は掛け爪37に連結されており、一方方向に引かれることで掛け爪37をフック部34から離間する位置に移動させるようになっている。操作部39は、ワイヤ等の索40を介して運転席2のリクライニングレバー41に連結されており、リクライニングレバー41の操作に連動して一方方向に引かれるようになっている。
【0035】
図12及び図13に示すように、リクライニング用ガイド板30には、リクライニング用ガイド板30の前部と助手席側仕切り壁5とがラッチ機構33を介して結合されたとき助手席側仕切り壁5の下端部を上方に付勢しつつ支持するためのストッパラバー42が複数間隔を隔てて設けられている。ストッパラバー42は、ブロック状に形成されたラバー材の上面に助手席側仕切り壁5を挿入・着座させるための溝43を形成すると共に溝43の下方のラバー材に溝43の底面の下方への変形を許容するための中空部44を形成してなる。溝43の上部両側には上方に拡がる傾斜面45が形成されており、溝43内に助手席側仕切り壁5を安定して挿入・着座させられるようになっている。
【0036】
本実施の形態の作用について述べる。
【0037】
運転席2のシートバック13を後方に倒したい場合、リクライニングレバー41を引き、シートバック13を後方に押す。リクライニングレバー41が引かれることでラッチ機構33の操作部39が引かれ、係止部35がフック部34から離間される。また、シートバック13が後方に倒れることで後席側仕切り壁4と助手席側仕切り壁5も後方に倒れる。助手席側仕切り壁5に設けられたガイドピン32はリクライニング用ガイド板30の長穴31に沿って移動するため助手席側仕切り壁5の移動を阻害することはなく、通常のシート操作と同様に違和感なくリクライニングをすることができる。これにより、タクシー運転手は運転席2にて休息を取ることができる。
【0038】
またさらに、運転席2を前後方向にスライドさせるとき、リクライニング用ガイド板30はガイドレール6に沿って走行するため、運転席2の前後のスライドを阻害することはない。
【0039】
運転席2のリクライニングを解除し、運転席2を通常の運転時の姿勢に戻す場合、タクシー運転手がシートバック13から離れ、リクライニングレバー41を引く。運転席2のシートバック13は前方へ回動し、助手席側仕切り壁5がストッパラバー42の溝43内に挿入・着座され、ラッチ機構33のフック部34が係止部35に係止される。このとき、ストッパラバー42は溝43の底面が助手席側仕切り壁5に押されて変形する一方、ラッチ機構33が助手席側仕切り壁5の上方への移動を規制する。このため、ラッチ機構33のフック部34は、ストッパラバー42からの反力を受けて上方に弾発付勢されることで係止部35に押し付けられ係止部35にがたつきなく係止される。また、助手席側仕切り壁5はストッパラバー42に安定してしっかりと固定され、タクシーが振動してもがたつくことはない。
【0040】
このように、被ガイド部7には前後に延びると共に上下に延びるリクライニング用ガイド板30が設けられ、リクライニング用ガイド板30の後部には、運転席2のリクライニングセンタを中心とした円弧状の長穴31が形成され、助手席側仕切り壁5には長穴31に挿入されるガイドピン32が設けられ、リクライニング用ガイド板30の前部が助手席側仕切り壁5に脱着可能に結合されるものとしたため、運転席2のリクライニング機能を損なうことなく運転席2の安全性を向上できる。
【0041】
また、リクライニング用ガイド板30の前部は助手席側仕切り壁5にラッチ機構33を介して脱着可能に結合され、ラッチ機構33は、助手席側仕切り壁5に設けられたフック部34と、リクライニング用ガイド板30に設けられフック部34を係脱可能に係止する係止部35を有すると共に係止部35をフック部34から離脱させるための操作部39を有するラッチ本体36とを備え、操作部39は運転席2のリクライニングレバー41と連動するようにリクライニングレバー41に索40を介して連結されるものとしたため、簡易な構造で助手席側仕切り壁5を支持でき、通常の操作で運転席2をリクライニングできる。
【0042】
なお、フック部34は助手席側仕切り壁5に一体に形成されるものとしてもよく、係止部35及び操作部39はリクライニング用ガイド板30に一体に形成されるものとしてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 タクシー防犯用仕切り装置
2 運転席
3 フランジ
4 後席側仕切り壁
5 助手席側仕切り壁
6 ガイドレール
7 被ガイド部
8 ヘッドレスト
9 切欠部
14 助手席
16 後席
30 リクライニング用ガイド板
31 長穴
32 ガイドピン
33 ラッチ機構
34 フック部
35 係止部
36 ラッチ本体
39 操作部
40 索
41 リクライニングレバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席の後席側、助手席側を保護するためのタクシー防犯用仕切り装置であって、運転席の後部に運転席と後席の間を仕切るように取り付けられ透明のポリカーボネートからなると共に後方に凸となる曲面形状に形成され、かつ、助手席側の端部に前方に延びるフランジを有する後席側仕切り壁と、上記フランジの運転席側の側面に運転席と助手席の間を仕切るように取り付けられ透明のポリカーボネートからなる平板状の助手席側仕切り壁とを備えたことを特徴とするタクシー防犯用仕切り装置。
【請求項2】
運転席と助手席の間に設けられ前後に延びるガイドレールと、該ガイドレールに前後にスライド自在に、かつ、上下の移動を規制するように設けられる被ガイド部とを備え、該被ガイド部が上記助手席側仕切り壁に結合される請求項1記載のタクシー防犯用仕切り装置。
【請求項3】
運転席と助手席の間に設けられ前後に延びるガイドレールと、該ガイドレールに前後にスライド自在に、かつ、上下の移動を規制するように設けられる被ガイド部とを備え、該被ガイド部には前後に延びると共に上下に延びるリクライニング用ガイド板が設けられ、該リクライニング用ガイド板の後部には、運転席のリクライニングセンタを中心とした円弧状の長穴が形成され、上記助手席側仕切り壁には上記長穴に挿入されるガイドピンが設けられ、上記リクライニング用ガイド板の前部が上記助手席側仕切り壁に脱着可能に結合された請求項2記載のタクシー防犯用仕切り装置。
【請求項4】
上記リクライニング用ガイド板の前部は上記助手席側仕切り壁にラッチ機構を介して脱着可能に結合され、該ラッチ機構は、上記助手席側仕切り壁に設けられたフック部と、上記リクライニング用ガイド板に設けられ上記フック部を係脱可能に係止する係止部を有すると共に該係止部をフック部から離脱させるための操作部を有するラッチ本体とを備え、上記操作部は運転席のリクライニングレバーと連動するようにリクライニングレバーに索を介して連結された請求項3記載のタクシー防犯用仕切り装置。
【請求項5】
上記後席側仕切り壁には、後席側に運転席のヘッドレストを露出するための切欠部が形成された請求項1〜4のいずれかに記載のタクシー防犯用仕切り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−126454(P2011−126454A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−287866(P2009−287866)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(390001579)プレス工業株式会社 (173)
【Fターム(参考)】