説明

タグテープロール製造装置及びタグテープロール製造方法

【課題】製造工程の簡略化及び製造コストの低減を図ることができるタグテープロール製造装置及びタグテープロール製造方法を提供する。
【解決手段】第1テープロール211から繰り出された第1テープ200Aの粘着材層200Aaと第2テープロール213から繰り出された第2テープ200Bの粘着材層200Baとの間に、情報を記憶するIC回路部151とこのIC回路部151に接続され情報の送受信を行うアンテナ152とを備えた無線タグ回路素子Toを有する無線タグTgを、所定間隔で取り付けるためのタグ挿入器226と、第1テープ200A及び第2テープ200Bの貼りあわせとタグ挿入器226による無線タグTgの取り付けとに基づき生成した基材テープ210を巻き取り、タグテープロールとする基材テープロール215とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定間隔でテープ長手方向に無線タグ回路素子を設けた帯状のタグテープを巻回したタグテープロールを製造するタグテープロール製造装置及びタグテープロール製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。例えばラベル状の無線タグラベルに備えられた無線タグ回路素子は、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えており、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、リーダ/ライタ側よりIC回路部の無線タグ情報に対してアクセス(情報の読み取り/書き込み)が可能であり、資産管理や、オフィスでの文書管理や、人の胸部に着用する名札等、様々な分野において実用化されつつある。
【0003】
このように種々の利用法がある無線タグラベルであるが、この無線タグラベルを作成する際には、例えば、所定間隔でテープ長手方向に無線タグ回路素子を設けた帯状のタグテープを巻回したタグテープロールからタグテープを繰り出すことで各無線タグ回路素子を順次搬送し、この搬送の際に、各無線タグ回路素子のアンテナに対し、装置側で生成した所定の無線タグ情報を装置側アンテナを介して送信し、無線タグ回路素子のアンテナに接続されたIC回路部の無線タグ情報に順次アクセス(読み取り又は書き込む)することにより、無線タグラベルが完成する。
【0004】
従来、上記タグテープを巻回したタグテープロールを製造するタグテープロール製造装置として、第1粘着材層(接着剤層)を備えた第1テープ(ベースシート)を供給する第1供給手段(ロール)と、この第1供給手段から供給された第1テープに情報を記憶する無線タグ回路素子(電気回路)を所定間隔で取り付けるためのタグ取り付け手段(回路シート並設手段)と、第2テープ(カバーシート)を供給する第2供給手段(ロール)と、この第2供給手段から供給された第2テープのタグ貼り合わせ位置に第2粘着材層を形成する第2粘着材層形成手段(接着剤層形成手段)と、上記無線タグ回路素子が所定間隔で取り付けられた第1テープと上記タグ貼り合わせ位置に第2粘着材層が形成された第2テープとが貼り合わせられ生成したタグテープを巻き取り、タグテープロールとする巻取手段とを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
このタグテープロール製造装置では、第1テープと第2テープとが貼り合わせられる際に、各無線タグ回路素子が第1テープの第1粘着材層と第2テープに形成された各第2粘着材層との間にそれぞれ挟みこまれ、タグテープに内包されるようになっている。
【0006】
【特許文献1】特開2003−6596号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来技術のタグテープロール製造装置では、上述したように第2粘着材層形成手段により第2テープに第2粘着材層を形成し、この第2テープの第2粘着材層と第1テープの第1粘着材層とで無線タグ回路素子を挟みこむことにより、無線タグ回路素子を内包するタグテープを生成する。したがって、第2テープに第2粘着材層を形成するための粘着材塗布工程が必要であるため、製造工程が複雑化するとともに製造コストの増加を招いていた。
【0008】
本発明の目的は、製造工程の簡略化及び製造コストの低減を図ることができるタグテープロール製造装置及びタグテープロール製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、第1の発明は、第1粘着材層を備えた第1テープを供給する第1供給手段と、前記第1テープの前記第1粘着材層に貼り合わされる第2粘着材層を備えた第2テープを供給する第2供給手段と、前記第1供給手段から繰り出された前記第1テープの前記第1粘着材層と前記第2供給手段から繰り出された前記第2テープの前記第2粘着材層との間に、情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続され情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を、所定間隔で取り付けるためのタグ取り付け手段と、前記第1テープ及び前記第2テープの貼りあわせと前記タグ取り付け手段による前記無線タグ回路素子の取り付けとに基づき生成したタグテープを巻き取り、タグテープロールとする巻取手段とを有することを特徴とする。
【0010】
本願第1発明においては、第1供給手段から第1テープが供給される一方、第2供給手段から第2テープが供給され、第1テープに備えられた第1粘着材層と第2テープに備えられた第2粘着材層とが貼りあわされる。このとき、タグ取り付け手段によって、その第1粘着材層と第2粘着材層との間に、無線タグ回路素子が所定間隔で取り付けられてタグテープが生成され、このタグテープが巻取手段によって巻き取られてタグテープロールとなる。このように予め粘着材層をそれぞれ備えた第1テープと第2テープとを用意しておき、それら粘着材層どうしを貼り合わせその中に無線タグ回路素子を介在配置する構成とすることにより、従来構造のようにテープに粘着材を塗布しながら貼り合わせる必要がなくなる。この結果、粘着材塗布工程が不要となって製造工程の簡略化及び製造コストの低減を図ることができる。
【0011】
第2の発明は、上記第1発明において、前記タグ取り付け手段は、テープ搬送経路において前記第1テープ又は前記第2テープが平坦な状態となっている平坦部において、前記無線タグ回路素子を前記第1テープの前記第1粘着材層又は前記第2テープの前記第2粘着材層に取り付けることを特徴とする。
【0012】
本願第2発明においては、テープ搬送経路において第1テープ又は第2テープが平坦な状態となっている平坦部において、タグ取り付け手段で無線タグ回路素子を第1テープの第1粘着材層又は第2テープの第2粘着材層に取り付ける。その後、第1テープの第1粘着材層と第2テープの第2粘着材層どうしが貼り合せられ、中に無線タグ回路素子を介在配置する構成であるタグテープが生成される。このように、第1テープ又は第2テープの平坦部で無線タグ回路素子を取り付けることにより、粘着材層への取り付け不良を無くし、無線タグ回路素子を第1テープの第1粘着材層又は第2テープの第2粘着材層に対し確実に取り付けることができる。
【0013】
第3の発明は、上記第1又は第2発明において、テープ搬送経路に沿って前記第1及び第2供給手段と前記巻取手段との間に設けられた少なくとも1つのテープ搬送手段と、前記無線タグ回路素子を取り付ける位置となったときに前記第1及び第2テープの搬送を停止して当該取り付けを行い、取り付け終了後には前記第1及び第2テープの搬送を再開するように、前記テープ搬送手段及び前記タグ取り付け手段を連携制御する連携制御手段とを有することを特徴とする。
【0014】
取り付け位置に到達するごとにテープ搬送を停止して無線タグ回路素子の取り付けを行うことにより、無線タグ回路素子がテープ長手方向に所定間隔で複数個配置されたタグテープを形成することができる。
【0015】
第4の発明は、上記第3発明において、前記連携制御手段は、所定の数の前記無線タグ回路素子が取り付けられるごとに所定の数の前記無線タグ回路素子が取り付けられないように、前記テープ搬送手段及び前記タグ取り付け手段を連携制御することを特徴とする。
【0016】
本発明のタグテープロール製造装置においては、第1テープの第1粘着材層と第2テープの第2粘着材層との間に無線タグ回路素子が所定間隔で取り付けられてタグテープが生成され、このタグテープが巻取手段によって巻き取られてタグテープロールとなる。このとき、巻き取られたタグテープロールに含まれる無線タグ回路素子の数が所定の数に達すると、カッタによりタグテープが切断され、巻き取られたタグテープロールが外されて、タグテープ巻取り用の新たなスプールが取り付けられ、新たに生成されたタグテープが巻き取られる。このようにして、所定の数の無線タグ回路素子を有するタグテープロールが次々に製造される。
【0017】
このとき、本願第4発明においては、連携制御手段により、所定の数の無線タグ回路素子が取り付けられるごとに所定の数の無線タグ回路素子が取り付けられないように、テープ搬送手段及びタグ取り付け手段を連携制御する。これにより、所定の数の無線タグ回路素子を取り付けるごとに無線タグ回路素子が取り付けられていない余白部分を形成したタグテープロールを製造することが可能となる。その結果、その余白部分を、当該タグテープを巻取手段に巻き取るためにスプールに最初に固定する部分として用いることが可能であり、巻取手段の巻取り性を向上することができる。
【0018】
第5の発明は、上記第3又は第4発明において、前記第1又は第2テープに所定間隔で設けられた第1のマークと、この第1のマークを検出するマーク検出手段とを有し、前記連携制御手段は、前記マーク検出手段が前記第1のマークを検出した場合に前記第1及び第2テープの搬送を停止して前記無線タグ回路素子を取り付けるように、前記テープ搬送手段及び前記タグ取り付け手段を連携制御することを特徴とする。
【0019】
マーク検出手段で第1又は第2テープに所定間隔で設けられた第1のマークを検出した場合に、連携制御手段でテープ搬送を停止して無線タグ回路素子の取り付けを行うように制御することにより、無線タグ回路素子がテープ長手方向に所望の間隔で複数個配置されたタグテープを形成することができる。
【0020】
第6の発明は、上記第1乃至第5発明のいずれかにおいて、前記第1テープは、前記第1粘着材層が一方側の面に設けられた第1テープ基材層と、この第1テープ基材層の他方側の面に第1剥離用粘着材層を介して剥離可能に設けられた第1剥離材層とを備えており、前記第2テープは、前記第2粘着材層が一方側の面に設けられた第2テープ基材層と、この第2テープ基材層の他方側の面に第2剥離用粘着材層を介して剥離可能に設けられた第2剥離材層とを備えたことを特徴とする。
【0021】
本願第6発明においては、第1テープに備えられた第1粘着材層と第2テープに備えられた第2粘着材層とが貼りあわされることにより、第1粘着材層と第2粘着材層との間に無線タグ回路素子を所定間隔で有し、第1剥離材層→第1剥離用粘着材層→第1テープ基材層→第1粘着材層→第2粘着材層→第2テープ基材層→第2剥離用粘着材層→第2剥離材層という層構成のタグテープが生成される。これにより、例えば上記構成から第2剥離材層を剥離して巻取手段で巻き取りタグテープロールを製造することにより、このタグテープロールから繰り出したタグテープの第2剥離用粘着材層と被印字テープとを貼り合わせ、この貼り合わせたテープを用いて印字付き無線タグラベルを作成することが可能となる。
【0022】
第7の発明は、上記第1乃至第5発明のいずれかにおいて、前記第1テープは、前記第1粘着材層に対し剥離可能に設けられた第1剥離材層を有することを特徴とする。
【0023】
本願第7発明においては、第1テープの第1粘着材層と第2テープの第2粘着材層とが貼りあわされることにより、第1粘着材層と第2粘着材層との間に無線タグ回路素子を所定間隔で有し、第1剥離材層→第1粘着材層→第2粘着材層→第2テープ基材層→第2剥離用粘着材層→第2剥離材層という層構成のタグテープが生成される。これにより、例えば上記構成から第2剥離材層を剥離して巻取手段で巻き取りタグテープロールを製造することにより、このタグテープロールから繰り出したタグテープの第2剥離用粘着材層と被印字テープとを貼り合わせ、この貼り合わせたテープを用いて印字付き無線タグラベルを作成することが可能となる。また、上記第6発明に比べ、生成したタグテープの層構成を簡素化できる。
【0024】
第8の発明は、上記第1乃至第5発明のいずれかにおいて、前記第2テープは、前記第2粘着材層が一方側の面に設けられた第2テープ基材層と、この第2テープ基材層の他方側の面に設けられ、所定の印字を行なうための感熱材層と、この感熱材層の表面を覆うように設けられた非粘着材層とを有することを特徴とする。
【0025】
本願第8発明においては、第1テープに備えられた第1粘着材層と第2テープに備えられた第2粘着材層とが貼りあわされることにより、第1粘着材層と第2粘着材層との間に無線タグ回路素子を所定間隔で有し、第1剥離材層→第1剥離用粘着材層→第1テープ基材層→第1粘着材層→第2粘着材層→第2テープ基材層→感熱材層→非粘着材層という層構成のタグテープが生成され、これを巻取手段で巻き取りタグテープロールが製造される。これにより、このタグテープロールから繰り出したタグテープの感熱材層に対し、例えば発熱素子を備えたサーマルヘッドにより所望の印字を行うことで、所望の印字付き無線タグラベルを作成することが可能となる。
【0026】
第9の発明は、上記第6乃至第8発明のいずれかにおいて、テープ搬送経路における、貼りあわされた前記第1及び第2テープ又は前記第2テープから前記第2剥離材層を剥離する剥離位置の後段に設けられ、前記第1及び第2テープに発生した静電気を除去する第1静電気除去手段を備えたことを特徴とする。
【0027】
これにより、貼りあわされた第1及び第2テープ又は第2テープから第2剥離材層を剥離することにより生成する静電気を除去することができる。その結果、製造されたタグテープロールから繰り出したタグテープの無線タグ回路素子に対して無線通信により情報の書込み又は読取りを行い、無線タグラベルを作成する際において、無線通信に悪影響を及ぼすのを防止できる。
【0028】
第10の発明は、上記第9発明において、少なくとも1つの前記テープ搬送手段の静電気を除去する第2静電気除去手段を備えたことを特徴とする。
【0029】
これにより、テープ搬送手段の静電気によってタグテープ中の無線タグ回路素子が静電気を帯び、無線タグラベル作成時の無線通信の悪影響となるのを防止できる。
【0030】
第11の発明は、上記第6乃至第10発明のいずれかにおいて、前記タグ取り付け手段により、前記第1粘着材層と前記第2粘着材層との間に所定の数の前記無線タグ回路素子が取り付けられるごとに、貼りあわされた第1及び第2テープ又は前記第1テープの前記第1剥離材層に第2のマークを設けるマーク形成手段を備えたことを特徴とする。
【0031】
本願第11発明においては、マーク形成手段により、所定の数の無線タグ回路素子が取り付けられるごとに、貼りあわされた第1及び第2テープ又は第1テープの第1剥離材層に第2のマークを設ける。これにより、例えば所定の数の無線タグ回路素子を取り付けるごとに終端を示すマークとして第2のマークを設けたタグテープロールを製造することが可能となる。その結果、このタグテープロールからタグテープを繰り出し無線タグラベルを作成する際において、第2のマークを検出することにより、タグテープロールが終端となったことを検出することができる。
【0032】
第12の発明は、上記第6乃至第11発明のいずれかにおいて、前記タグ取り付け手段により前記第1粘着材層と前記第2粘着材層との間に取り付けられる前記無線タグ回路素子が正常であるか否かを判定するタグ判定手段と、このタグ判定手段により前記無線タグ回路素子が異常であると判定された場合に前記無線タグ回路素子を取り付けないように前記タグ取り付け手段を制御するタグ取り付け制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0033】
これにより、不良の無線タグ回路素子が第1粘着材層と第2粘着材層との間に取り付けられるのを防止することができる。その結果、製造されるタグテープロールの機能の信頼性を向上することができる。
【0034】
上記目的を達成するために、第13の発明は、第1供給手段から供給された第1テープの第1粘着材層と第2供給手段から供給された第2テープの第2粘着材層との間に、情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続され情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を、所定間隔で取り付け、前記第1テープ及び前記第2テープの貼りあわせと前記無線タグ回路素子の取り付けとに基づき生成したタグテープを巻き取り、タグテープロールとすることを特徴とする。
【0035】
本願第13発明においては、第1供給手段から第1テープが供給される一方、第2供給手段から第2テープが供給され、第1テープに備えられた第1粘着材層と第2テープに備えられた第2粘着材層とが貼りあわされる。このとき、タグ取り付け手段によって、その第1粘着材層と第2粘着材層との間に、無線タグ回路素子が所定間隔で取り付けられてタグテープが生成され、このタグテープが巻取手段によって巻き取られてタグテープロールが製造される。このように予め粘着材層をそれぞれ備えた第1テープと第2テープとを用意しておき、それら粘着材層どうしを貼り合わせその中に無線タグ回路素子を取り付ける製造方法とすることにより、従来の製造方法のようにテープに粘着材を塗布しながら貼り合わせる必要がなくなる。この結果、粘着材塗布工程が不要となって製造工程の簡略化及び製造コストの低減を図ることができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、製造工程の簡略化及び製造コストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0038】
図1は、上記本発明のタグテープロール製造装置の一実施形態の全体概略構造を表す概念図である。図1において、このタグテープロール製造装置は、第1テープ200A(詳細構造は後述)と第2テープ200B(詳細構造は後述)とを貼り合わせ、かつその貼り合わせるそれら2つのテープの間に無線タグ回路素子Toを備えた無線タグTgを挿入することにより基材テープ210を作成し、この基材テープ210を巻回してタグテープロールを製造するようになっている。
【0039】
すなわち、タグテープロール製造装置は、上記第1テープ200Aが巻回された第1テープロール211と、この第1テープロール211を駆動する第1テープ軸駆動モータ212と、上記第2テープ200Bが巻回された第2テープロール213と、この第2テープロール213を駆動する第2テープ軸駆動モータ214と、上記第1及び第2テープロール211,213から繰り出された第1テープ200A及び第2テープ200Bを貼り合わせたテープのうち、セパレータ209(第2剥離材層、詳細は後述)を除く他の層からなる上記基材テープ210をリール部材215a(巻取手段)の外周に沿って巻き取る基材テープロール215と、このリール部材215aを駆動する基材テープ軸駆動モータ216(巻取手段)と、上記セパレータ209をリール部材217aの外周に沿って巻き取るセパレータロール217と、このリール部材217aを駆動するセパレータ軸駆動モータ218と、上記第1及び第2テープ200A,200Bのテープ搬送経路に沿って上記第1及び第2テープロール211,213と上記基材テープロール215及びセパレータロール217との間に設けられ、上記第1及び第2テープロール211,213から上記第1及び第2テープ200A,200Bを繰り出すためにそれらテープ200A,200Bに駆動力を付与する搬送ローラ219A(駆動側)及び219B(従動側)と、駆動側搬送ローラ219Aを駆動する搬送ローラ軸駆動モータ220(テープ搬送手段)とを有する。
【0040】
また、このタグテープロール製造装置はさらに、第1テープ200Aのテープ搬送経路に沿って第1テープロール211と搬送ローラ219A,219B(テープ搬送手段)との間に設けられ、繰り出される第1テープ200Aのテープ搬送方向と交差する(この例では直交)交差方向に進退可能に設けた第1ダンサローラ221と、上記第1テープ200Aに基づき生成された基材テープ210のテープ搬送経路に沿って搬送ローラ219A,219Bと基材テープロール215との間に設けられ、基材テープ210のテープ搬送方向と交差する(この例では直交)交差方向に進退可能に設けた第2ダンサローラ222と、第2テープ200Bのテープ搬送経路に沿って第2テープロール213と搬送ローラ219A,219Bとの間に設けられ、繰り出される第2テープ200Bのテープ搬送方向と交差する(この例では直交)交差方向に進退可能に設けた第3ダンサローラ223と、上記第2テープ200Bに基づき生成されたセパレータ209のテープ搬送経路に沿って搬送ローラ219A,219Bとセパレータロール217との間に設けられ、セパレータ209のテープ搬送方向と交差する(この例では直交)交差方向に進退可能に設けた第4ダンサローラ224と、上記第1〜第4ダンサローラ221〜224をそれぞれ上記交差方向(この例ではテープ搬送路と直交方向)に進退させるエアシリンダ262A,262B,262C,262Dと、上記第1テープロール211から繰り出された第1テープ200A及び上記第2テープロール213から繰り出された第2テープ200Bとを押圧し貼り合わせる貼り合わせローラ225A,225Bとを有する。
【0041】
さらに、このタグテープロール製造装置は、上記貼り合わせローラ225A,225Bによって貼り合わせられる第1テープ200A及び第2テープ200Bの間に、情報を記憶するIC回路部151(図示せず)とこのIC回路部151に接続され情報の送受信を行うタグ側アンテナ152とを備えた無線タグ回路素子Toを含む無線タグTgを、所定間隔で取り付けるタグ挿入器226(タグ取り付け手段)と、このタグ挿入器226により取り付けられる無線タグTgに備えられる無線タグ回路素子Toが正常であるか否かを判定するために、当該無線タグ回路素子Toのタグ特性値を取得するタグチェッカー270と、上記タグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられる第2テープ200Bの取付部200B1(平坦部)を平坦な状態に支持するテープ保持部材274と、上記基材テープ210を所定長さに切断するためのカッタ227と、コントローラ230と、搬送ローラ219A,219Bの上記テープ搬送方向下流側に、その搬送経路(図1中水平方向)に臨むように(この例ではテープの図示上側の面に正対するように)設けられ、対応する検出信号をコントローラ230へ入力するフォトセンサ228(マーク検出手段)と、カッタ227の上記基材テープ210の搬送方向上流側に、その搬送経路(図1中水平方向)に臨むように(この例ではテープの図示下側の面に正対するように)設けられ、レーザーにより基材テープ210に図示しないエンドマーク(第2のマーク)を設けるレーザーマーカー271(マーク形成手段)と、上記搬送ローラ219A,219B及びローラ240A(後述)の近傍に設けられ、搬送ローラ219A,219B及び上記セパレータ209を剥離された基材テープ210に生成した静電気を除去する複数の除電ブラシ275(第1静電気除去手段、第2静電気除去手段)とを有する。
【0042】
またさらに、このタグテープロール製造装置は、前述した第1テープ軸駆動モータ212の駆動制御を行う第1テープ駆動回路231と、前述した第2テープ軸駆動モータ214の駆動制御を行う第2テープ駆動回路232と、前述した基材テープ軸駆動モータ216の駆動制御を行う基材テープ駆動回路233と、前述したセパレータ軸駆動モータ218の駆動制御を行うセパレータ駆動回路234と、前述した搬送ローラ軸駆動モータ220の駆動制御を行う搬送ローラ駆動回路235と、上記カッタ227を駆動して切断動作を行わせるソレノイド236と、そのソレノイド236を制御するソレノイド駆動回路237と、上記レーザーマーカー271のレーザーの出力の制御を行うレーザー駆動回路272と、コントローラ230から入力された電気信号に応じた開度に制御される開閉弁(図示せず)を備え、図示しない気体源からの気体を上記電気信号に対応した圧力の作動ガスとしてエアシリンダ262A,262B,262C,262Dへとそれぞれ供給する電気−空気変換手段として機能する電空レギュレータ265A,265B,265C,265Dと、上記電空レギュレータ265A,265B,265C,265Dの上記開閉弁をそれぞれ制御する図示しないレギュレータ駆動回路と、上記ダンサローラ221,222,223,224をその先端部に回転可能に支持し、上記エアシリンダ262A,262B,262C,262Dによって回動支点周りに回動可能なテンションアーム267A,267B,267C,267Dと、この例では上記回動支点近傍に設けられ、上記テンションアーム267A,267B,267C,267Dの角度を検出することで対応するテープ200A,210,200B,209の張力をそれぞれ検出する角度センサ268A,268B,268C,268Dとを有する。
【0043】
第1テープロール211は、上記第1テープ軸駆動モータ212(第1供給手段)により駆動されるリール部材211a(第1供給手段)の周りに、第1テープ200Aが巻回されている。同様に、第2テープロール213は、上記第2テープ軸駆動モータ214(第2供給手段)により駆動されるリール部材213a(第2供給手段)の周りに、第2テープ200Bが巻回されている。また、基材テープロール215は、リール部材215aが上記基材テープ軸駆動モータ216により駆動されることにより、基材テープ210がその周りに巻回される。同様に、セパレータロール217は、リール部材217aが上記セパレータ軸駆動モータ218により駆動されることにより、セパレータ209がその周りに巻回される。
【0044】
上記エアシリンダ262A〜Dのそれぞれは、ピストン262aと、シリンダ本体262bとを備えており、シリンダ本体262bに内包されたピストン262aが電空レギュレータ265A〜Dからそれぞれ供給される作動ガスによって進退されることにより、ピストン262aに連結された上記テンションアーム267A〜Dを回動支点まわりに回動させ、これによってダンサローラ221,222,223,224の位置を変化させテープ200A,210,200B,209の張力を制御するようになっている。
【0045】
なお進退アクチュエータとして、エアシリンダ262に代えてソレノイドの電磁力を用いた直接駆動や、電動モータ(リニアモータ、パルスモータを含む各種モータ)等を用いてもよい。
【0046】
コントローラ230は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。
【0047】
上記構成において、主として搬送ローラ219A,219Bの搬送駆動力により、第1テープ200Aが上記第1テープロール211より繰り出され、ダンサローラ221を経て、貼りあわせローラ225A,225Bへと供給される。同様に、第2テープロール213より繰り出された第2テープ200Bも、ダンサローラ223及びローラ273を経て、貼りあわせローラ225A,225Bへと供給される。そして、これら第1テープ200A及び第2テープ200Bが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされる貼り合わせ位置のテープ搬送方向上流側に位置し、上記テープ保持部材274により支持され平坦な状態となっている上記第2テープ取付部200B1において、タグ挿入器226により無線タグTgが順次第2テープ200Bに取り付けられる。その後、貼り合わせローラ225A,225Bにより第1テープ200A及び無線タグTgが取り付けられた第2テープ200Bが貼り合わされる。なお、上記タグ取り付けは、所定の挿入箇所(例えば等間隔配置)になったら第1テープ200A及び第2テープ200Bの搬送駆動を停止して挿入を行う、いわゆる間欠搬送駆動方式となっている(このときの位置決めはセンサ228の検出信号に応じて制御する。詳細は後述)。
【0048】
このようにして貼り合わされさらにタグが挿入されたテープは、搬送ローラ219A,219Bの下流側に位置するローラ240A,240Bにおいて、第2テープ200Bに備えられていたセパレータ層200Bdからなるセパレータ209と、それ以外の部分からなる基材テープ210とに分離される。基材テープ210はリール部材215aに巻き取られていき、所定の長さになったらカッタ227によって切断を行う。なおこのとき、カッタ227による切断位置のテープ搬送方向上流側において、レーザーマーカー271で基材テープ210にエンドマークを設ける。一方、セパレータ209は、リール部材217aによって巻き取られ回収される。以上の結果、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが所定の等間隔で順次形成された上記基材テープ210がリール部材215aに巻回され、基材テープロール215が作製される。
【0049】
図2(a)は、第1テープ200Aの詳細断面構造を表す図1中P−P断面による横断面図である。第1テープ200Aは、この例では4層構造となっており、第1テープロール211の外側に巻かれる側(図2(a)中下側)よりその反対側(図2(a)中上側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着材層200Aa(第1粘着材層)、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのテープ基材層200Ab(第1テープ基材層)、適宜の粘着材からなる粘着材層200Ac(第1剥離用粘着材層)、セパレータ層200Ad(第1剥離材層)の順序で積層され構成されている。なお、このセパレータ層200Adは、最終的にラベル状に完成した無線タグラベルが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着材層200Acにより当該商品等に接着できるようにしたものである。
【0050】
図2(b)は、無線タグTgの詳細断面構造を表す図1中Q−Q断面による横断面図である。図2(b)において、無線タグTgは、略シート状のタグ基材160と、このタグ基材160の裏側(図2(b)中下側)に設けられ、情報の送受信を行うタグ側アンテナ152と、このタグ側アンテナ152に接続するように情報を更新可能に(書き換え可能rewritableに)記憶するIC回路部151(図示せず)を備えたICチップ保持部材161とを備えている。なお、上記タグ側アンテナ152及びIC回路部151によって無線タグ回路素子Toが構成されている。
【0051】
図2(c)は、第2テープ200Bの詳細断面構造を表す図1中R−R断面による横断面図である。第2テープ200Bは、この例では4層構造となっており、外側に巻かれる側(図2(c)中上側)よりその反対側(図2(c)中下側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着材層200Ba(第2粘着材層)、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのテープ基材層200Bb(第2テープ基材層)、適宜の粘着材からなる粘着材層200Bc(第2剥離用粘着材層)、セパレータ層200Bd(第2剥離材層)の順序で積層され構成されている。なお、このセパレータ層200Bdは、最終的に上記リール部材217aに巻回され、セパレータロール217として回収される。
【0052】
図3は、上記のようにして作成された基材テープ210の詳細断面構造を表す図1中S−S断面による横断面図である。基材テープ210は、上記4層構造の第1テープ200Aと4層構造の第2テープ200Bとの間に無線タグTgが挿入配置された後、前述のようにセパレータ層200Bdがリール部材217aで巻き取られて除去されることでこの例では10層構造となっている。すなわち、リール部材215aの外側に巻かれる側(図3中上側)よりその反対側(図3中下側)へ向かって、上記セパレータ層200Ad、粘着材層200Ac、テープ基材層200Ab、粘着材層200Aa、タグ基材160、タグ側アンテナ152、ICチップ保持部材161、粘着材層200Ba、テープ基材層200Bb、粘着材層200Bcの順序で積層され構成されている。
【0053】
図4は、上記コントローラ230で実行される制御手順を表すフローチャートである。
【0054】
この図4において、まずステップS501において、基材テープ210の上記リール部材215aへの巻き回し作業が完了したかどうかを判定する。この判定は、例えば上記巻き回し作業を終えた操作者により、図示しない操作手段等を介し巻き回し作業が完了した旨の操作信号が入力されたかどうかを判定することにより行われる。巻き回し作業が完了した場合には判定が満たされて次のステップS505に移る。
【0055】
ステップS505では、図示しない操作手段等を介し入力された基材テープの作成開始の旨の操作信号に応じ、テープ駆動を開始する。すなわち、搬送ローラ駆動回路235に制御信号を出力し、搬送ローラ軸駆動モータ220の駆動力によって第1テープ200A、第2テープ200Bを第1テープロール211及び第2テープロール213から繰り出し駆動させる。なおこのとき併せて、第1及び第2テープ駆動回路231,232と基材テープ駆動回路233及びセパレータ駆動回路234にも制御信号が出力され、第1及び第2テープ軸駆動モータ212,214と基材テープ軸駆動モータ216及びセパレータ軸駆動モータ218も駆動される。これにより、第1テープロール211から第1テープ200Aが繰り出されるとともに第2テープロール213から第2テープ200Bが繰り出されて、貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされて一体化され、搬送ローラ219A,219B側へと搬送される。
【0056】
なお、本フロー中には特に記載していないが、上記ステップS505でテープ駆動を開始する際には、第1及び第2テープ軸駆動モータ212,214と基材テープ軸駆動モータ216及びセパレータ軸駆動モータ218のモータ速度を制御すると共に、エアシリンダ262A〜Dでテンションアーム267A〜Dを回動させ、角度センサ268A〜Dで検出したテンションアーム267A〜Dの角度から算出したテープ搬送時における各テープ200A,200B,209,210の張力が適宜の値となるように張力制御(以下適宜、「駆動時テープ張力制御」と記載する)を行う。なお、この駆動時テープ張力制御は、テープ駆動中において常時行われるようになっている。
【0057】
次のステップS510では、リール部材215aで巻き取られていく基材テープ210が、所定の巻取終了位置に達したかどうかを判定する。具体的には、基材テープ210中の無線タグTgの取り付け個数が所定の個数に達したかどうかによって判定を行う。例えば40個の無線タグTgが取り付けられたかどうかによって判定を行う。通常の巻取開始直後はこの判定が満たされず、次のステップS515に移る。
【0058】
ステップS515では、上記のようにして搬送されるテープが無線タグTgを挿入されるべき所定の位置になったかどうかを判定する。このときの判定は、前述した第1テープ200Aのセパレータ層200Ad表面の所定箇所に例えば等ピッチで設けられた図示しないマーク(第1のマーク)のフォトセンサ228による検出結果に基づき行えばよい。判定が満たされたら、ステップS520に移る。
【0059】
ステップS520では、搬送ローラ駆動回路235に再び制御信号を出力し、搬送ローラ軸駆動モータ220の駆動を停止させて第1テープロール211及び第2テープロール213からの第1テープ200A、第2テープ200Bの繰り出し駆動を停止させる。なおこのとき、第1及び第2テープ軸駆動モータ212,214と基材テープ軸駆動モータ216及びセパレータ軸駆動モータ218については、上記駆動時テープ張力制御によって自動的に駆動停止することとなる。
【0060】
なお、本フロー中には特に記載していないが、上記ステップS520でテープ駆動を停止する際には、このようにしてテープ駆動が停止した際にテープの位置ずれが生じないようにするために、供給側である第1テープ200A及び第2テープ200Bの張力が、巻取側である基材テープ210とセパレータ209の張力と略等しくなるように張力制御(以下適宜、「停止時テープ張力制御」と記載する)を行う。
【0061】
次のステップS525では、タグチェッカー270により取得された、タグ挿入器226により取り付けられる無線タグTgに備えられる無線タグ回路素子Toのタグ特性値(タグ感度情報等)を入力する。
【0062】
次のステップS530では、上記ステップS525で入力したタグ特性値が所定の正常な範囲値内であるかどうかを判定する。タグ特性値が正常な範囲値内でない場合には、判定が満たされずにステップS535に移り、タグ挿入器226に制御信号を出力して、上記正常でないと判定された無線タグ回路素子Toを備えた無線タグTgの次の無線タグTgの取付準備を行わせる。そして、先のステップS525に移る。なお、上記正常でないと判定された無線タグTgについては例えばタグ挿入器226の外部に自動的に(又は操作者の操作により)排出され、第2テープ200Bに取り付けられないようになっている。一方、タグ特性値が所定の正常な範囲値内である場合には、判定が満たされて次のステップS540に移る。
【0063】
ステップS540では、上述したように所定のタグ挿入位置においてテープ駆動が停止した状態で、タグ挿入器226に制御信号を出力し、前述したIC回路部151及びタグ側アンテナ152からなる無線タグ回路素子Toを備えた無線タグTgを第2テープ200Bの取付部200B1に取り付ける。なおこのとき、上記のようにタグが正常であれば自動的に無線タグTgを挿入するのではなく、挿入を行うかどうかを操作者に確認する表示を行い、これに対応した指示入力が操作者からなされた場合にのみ無線タグTgの挿入を行うようにしてもよい。その後、ステップS545に移り、ステップS505と同様、搬送ローラ駆動回路235に制御信号を出力し、搬送ローラ軸駆動モータ220の駆動力によって第1テープ200A、第2テープ200Bの搬送駆動を再開する。
【0064】
なおこの場合にも、上記ステップS505の場合と同様にして、テープ搬送時において各テープ200A,200B,209,210の張力を調整する駆動時テープ張力制御を行う。
【0065】
次のステップS550では、タグ挿入器226により取り付けた無線タグTgの数がN以上であるかどうかを判定する。この無線タグTgの取り付け個数は、例えば上記ステップS540でタグ挿入器226に出力した制御信号の出力回数をカウントすることにより数えるようにしてもよいし、無線タグTgを取り付ける度にタグ挿入器226から取付信号を入力して積算するようにしてもよい。なお、上記Nは、製造されるタグテープロールの1巻きに備えられる無線タグTgの個数であり、例えば40個程度に設定されている。無線タグTgの取り付け個数がNより少ない場合には、判定が満たされずにステップS510に戻る。一方、無線タグTgの取り付け個数がN以上である場合には、判定が満たされて次のステップS555に移る。
【0066】
ステップS555では、基材テープ210に適宜の長さの余白(ここでは無線タグTgが挿入されていない部分)が設けられたかどうかを判定する。具体的には、タグ挿入器226に制御信号を出力して無線タグTgの取り付けを停止させ、上記ステップS515,S520,S545を適宜の回数繰り返すことにより、適宜の数の無線タグTg取付分の余白が形成されたかどうかを判定する。なお、この余白の長さとしては、例えば3個分の無線タグTg取付分の長さが設定される。余白が形成された場合には判定が満たされて先のステップS510に戻る。
【0067】
上記のようにしてステップS510〜ステップS550を繰り返し、無線タグTgがN個取り付けられ、さらにステップS555において余白が形成された上で、リール部材215aで巻き取られた基材テープロール215中の無線タグTgの取り付け個数が所定の個数に達したら、先のステップS510の判定が満たされ、次のステップS565に移る。
【0068】
ステップS565では、上記ステップS520と同様、搬送ローラ駆動回路235に再び制御信号を出力し、搬送ローラ軸駆動モータ220の駆動を停止させて第1テープロール211及び第2テープロール213からの第1テープ200A、第2テープ200Bの繰り出し駆動を停止させる。なおこのとき、上記ステップS520の場合と同様に、テープ駆動が停止した際における供給側である第1テープ200A及び第2テープ200Bの張力が巻取側である基材テープ210とセパレータ209の張力と略等しくなるように停止時張力制御を行う。
【0069】
次のステップS570では、ソレノイド駆動回路237に制御信号を出力してソレノイド236を駆動し、カッタ227を用いて基材テープ210を切断(分断)する。これにより、所定の長さの基材テープ210が巻回されたロールが完成する。なお、上記カッタ227による切断位置は、例えば先のステップS555において3個分の無線タグTg取付分の長さの余白が設けられている場合、その余白のうち無線タグ1個取付分の長さの余白が切除され無線タグ2個取付分の長さの余白が切断後に残るような位置に設定される。
【0070】
その後、ステップS575に移り、レーザー駆動回路272に制御信号を出力してレーザーマーカー271よりレーザーを発振し、このレーザーにより基材テープ210のセパレータ200Adの上記カッタ227による切断位置のテープ搬送方向上流側にエンドマーク(図示せず)を設ける。なお、このエンドマークは、上述した切断後に残される無線タグ2個取付分の長さの余白中に設けられる。そして、ステップS501に戻る。
【0071】
なお、上記では特に説明しなかったが、通常、最初にタグテープロールの製造作業を開始する際には、タグ挿入器226による無線タグTgの取り付け位置からリール部材215aによる基材テープ210の巻取り位置までには無線タグTgが取り付けられない余白部分(例えば10個程度の無線タグTg取付分の長さである)が存在する。この余白部分については、その余白部分が終了する位置(最初に無線タグTgが取り付けられた位置のややテープ搬送方向下流側位置)がカッタ227のところにきたとき、カッタ227で切断することにより、切除されるようになっている。その後、上記余白部分を切除された基材テープ210がリール部材215aに巻き回されると、ステップS501の判定が満たされてステップS505以降の手順によりタグテープロールの製造が開始される。
【0072】
以上において、コントローラ230(詳細には図4に示すフロー中ステップS515,S520,S540,S545)は、請求項3記載の搬送ローラ駆動手段及びタグ取り付け手段を連携制御する連携制御手段を構成する。またコントローラ230(詳細には図4に示すフロー中ステップS530)は、請求項12記載の無線タグ回路素子が正常であるか否かを判定するタグ判定手段を構成する。さらにコントローラ230(詳細には図4に示すフロー中ステップS525〜ステップS540)は、請求項12記載のタグ取り付け手段を制御するタグ取り付け制御手段を構成する。
【0073】
以上説明したように、本実施形態のタグテープロール製造装置においては、基材テープ210の製造時には、主として搬送ローラ219A,219Bの搬送駆動力により、第1テープ200Aが上記第1テープロール211より繰り出され貼り合わせローラ225A,225Bへと供給される。同様に、第2テープロール213より繰り出された第2テープ200Bも貼り合わせローラ225A,225Bへと供給される。そして、これら第1テープ200A及び第2テープ200Bが所定量搬送されるごとに一旦搬送が停止され、これら第1テープ200A及び第2テープ200Bが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされる上流側において、第2テープ200Bの取付部200B1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられる。取付後、再び搬送が開始される。このようなテープの搬送及び停止を繰り返す間欠搬送駆動を行うことにより、無線タグTgが所定の間隔ごとに挿入される。そして、このような多層積層構造のテープが搬送ローラ219A,219Bよりさらに下流側に搬送されてローラ240A,240Bにおいてセパレータ209が分離除去され、それ以外の部分からなる基材テープ210がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間隔で備えた基材テープロール215を製造する。
【0074】
このとき、本実施形態においては、上述したように予め粘着材層200Aa,200Baをそれぞれ備えた第1テープ200Aと第2テープ200Bとを用意しておき、それら粘着材層200Aa,200Baどうしを貼り合わせその中に無線タグTgを介在配置する構成とすることにより、前述した従来構造のようにテープに粘着材を塗布しながら貼り合わせる必要がなくなる。この結果、粘着材塗布工程が不要となって製造工程の簡略化及び製造コストの低減を図ることができる。
【0075】
また、本実施形態では特に、第2テープ200Bのテープ搬送経路においてテープ保持部材274により第2テープ200Bが平坦な状態となっている取付部200B1において、タグ挿入器226で無線タグTgを第2テープ200Bの粘着材層200Baに取り付ける。このように、平坦な状態で保持された第2テープ取付部200B1で無線タグTgを取り付けることにより、無線タグTgの粘着材層200Baへの取り付け不良を無くし、無線タグTgを第2テープ200Bの粘着材層200Baに対し確実に取り付けることができる。
【0076】
また、本実施形態では特に、テープ駆動を所定量ごとに停止させ、その停止時にタグ挿入器226により無線タグTgを取り付けることにより、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間隔で備えた基材テープ210を製造する。したがって、テープ送り停止時におけるテープの位置ずれの発生を防止できる結果、無線タグ回路素子Toの配置間隔を確実に等間隔とすることができる。
【0077】
また、本実施形態では特に、無線タグTgが基材テープ210にN個取り付けられるごとに無線タグTgを適宜の数取り付けない余白部分を形成する。これにより、その余白部分を、カッタ227による切断後の新たな基材テープ210を新たなリール部材215aに最初に固定する際に係止部分(又は接着部分)として用いることができる。その結果、基材テープ210のリール部材215aへの固定作業性を向上することができる。
【0078】
また、本実施形態では特に、搬送ローラ219A,219B及びローラ240A近傍に除電ブラシ275を設ける。これにより、搬送ローラ219A,219Bに発生した静電気及び上記セパレータ209を剥離することにより基材テープ210に発生した静電気を除去することができる。その結果、基材テープ210の無線タグ回路素子Toが静電気により破壊されることを防止することができる。
【0079】
また、本実施形態では特に、レーザーマーカー271により、基材テープ210のカッタ227による切断位置のテープ搬送方向上流側にエンドマークを設ける。すなわち、切断後の次の基材テープ210には最初にエンドマークが設けられていることになる。これにより、当該基材テープ210をリール部材215aに巻取りタグテープロールを製造することによって、最初の巻取り部分に終端を示すエンドマークを設けたタグテープロールを製造することができる。その結果、このタグテープロールからタグテープを繰り出し無線タグラベルを作成する際に、上記エンドマークを検出することにより、タグテープロールが終端となったことを認識することができ、それによりタグテープロールの交換作業を行う等、無線タグラベル作成時の作業性を向上することができる。
【0080】
また、本実施形態では特に、タグチェッカー270を用いてタグ挿入器226により取り付けられる無線タグTgの無線タグ回路素子Toが正常であるか否かを判定し、正常でないと判定した場合には当該無線タグ回路素子Toを第2テープ200Bに取り付けないように制御する。これにより、不良の無線タグ回路素子Toを有する無線タグTgが第2テープ200Bに取り付けられるのを防止することができる。その結果、製造されるタグテープロールには所定の性能を有した無線タグTgのみを有することになり、無線通信機能の信頼性を向上することができる。
【0081】
なお、本発明は、上記一実施形態に限られるものではなく、その趣旨と技術思想の範囲を逸脱しない範囲でさらに種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
【0082】
(1)第1テープが剥離紙と粘着材層から構成される場合
上記実施形態においては、第1テープ200Aを粘着材層200Aa、テープ基材層200Ab、粘着材層200Ac及びセパレータ層200Adからなる4層構造としたが、これに限られず、例えば粘着材層200Ac及びセパレータ層200Adからなる2層構造としてもよい。図5は本変形例における第1テープ200A′、無線タグTg、第2テープ200Bの詳細断面構造を表す横断面図であり、前述の図2に対応する図である。なお、この図5において前述の図2と同様の部分には同符号を付し、説明を省略する。
【0083】
この図5に示すように、本変形例の第1テープ200A′は粘着材層200Ac及びセパレータ層200Adからなる2層構造となっている。なお、無線タグTg及び第2テープ200Bの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。このような構成の本変形例においては、上記構成の第2テープ200Bの取付部200B1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第1テープ200A′の粘着材層200Ac及び第2テープ200Bの粘着材層200Baが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、下流側に搬送されてローラ240A,240Bにおいてセパレータ209が分離除去され、それ以外の部分からなる基材テープ210′(図示せず)がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間隔で備えた基材テープ210′を巻回したタグテープロールを製造する。
【0084】
上記構成の本変形例においても、粘着材塗布工程が不要となって製造工程の簡略化及び製造コストの低減を図ることができるという上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0085】
(2)第2テープが感熱テープである場合
上記実施形態においては、製造されたタグテープロールを用いて無線タグラベル作成する際に、そのタグテープロールから繰り出した基材テープ210の第2テープ側の粘着材層200Bcに所定の印字が行われたカバーフィルムが貼り付けられてタグラベルが作成される、いわゆるラミネートタイプの基材テープ210を製造する例を説明したが、これに限られず、例えば第2テープ200Bをいわゆる感熱テープとして構成し、感熱タイプの基材テープを製造するようにしてもよい。図6は本変形例における第1テープ200A、無線タグTg、第2テープ200B′の詳細断面構造を表す横断面図であり、前述の図2に対応する図である。なお、この図6において前述の図2と同様の部分には同符号を付し、説明を省略する。
【0086】
この図6に示すように、本変形例の第2テープ200B′は、粘着材層200Ba、テープ基材層200Bb、熱により発色する感熱剤で構成される感熱層200Bc′(感熱材層)、及びこの感熱層200Bc′の表面を覆うように設けた非粘着層200Bd′(非粘着材層)からなる4層構造となっている。なお、第1テープ200A及び無線タグTgの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。
【0087】
上記構成の第1テープ200A及び第2テープ200B′を貼り合せた基材テープ210″を巻回したタグテープロールを製造するタグテープロール製造装置の全体概略構造の概念図を図7に示す。この図7に示す本変形例のタグテープロール製造装置と前述の図1に示すタグテープロール製造装置との構成で異なる点は、第2テープ200B′のセパレータ分離工程、すなわちローラ240B、第4ダンサローラ224、エアシリンダ262D、セパレータロール217、このセパレータロール217を駆動するセパレータ軸駆動モータ218、及びこのセパレータ軸駆動モータ218の駆動制御を行うセパレータ駆動回路234等を省いた点と、セパレータの剥離がなくなったためセパレータ剥離位置後段に設けた除電ブラシ275を省いた点である。その他の構成については図1に示す構成と同様である。
【0088】
上記構成のタグテープロール製造装置においては、上記構成の第2テープ200B′の取付部200B1′にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第1テープ200Aの粘着材層200Aa及び第2テープ200B′の粘着材層200Baが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ基材テープ210″がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間隔で備えた基材テープ210″を巻回したタグテープロールを製造する。
【0089】
上記構成の本変形例においても、粘着材塗布工程が不要となって製造工程の簡略化及び製造コストの低減を図ることができるという上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0090】
(3)貼り合わせ前に第2テープのセパレータを分離する場合
上記実施形態においては、第1テープ200Aと第2テープ200Bとを貼り合わせた後に第2テープ200Bからセパレータ209を分離するようにしたが、これに限られず、例えば第1テープ200Aと第2テープ200Bとを貼り合わせる前に第2テープ200Bからセパレータ209を分離するようにしてもよい。図8は本変形例における第1テープ200A、無線タグTg、第2テープ200B″の詳細断面構造を表す横断面図であり、前述の図2に対応する図である。なお、この図8において前述の図2と同様の部分には同符号を付し、説明を省略する。
【0091】
この図8に示すように、本変形例の第2テープ200B″は内側(図中上側)から順にセパレータ層200Bd、適宜の粘着材からなる粘着材層200Ba、及びテープ基材層200Bbとからなる3層構造となっている。なお、無線タグTg及び第1テープ200Aの構成は図2に示す上記実施形態の構成と同様である。
【0092】
上記構成の第1テープ200A及び第2テープ200B″を貼り合せた基材テープ210′′′を巻回したタグテープロールを製造するタグテープロール製造装置の全体概略構造の概念図を図9に示す。この図9に示す本変形例のタグテープロール製造装置と前述の図1に示すタグテープロール製造装置との構成で異なる点は、第2テープ200B″のセパレータ分離工程、すなわちローラ240B、第4ダンサローラ224、エアシリンダ262D、セパレータロール217、及び除電ブラシ275を第1テープ200Aと第2テープ200B″との貼り合わせ位置のテープ搬送方向上流側に移動した点である。その他の構成については図1に示す構成と同様である。
【0093】
上記構成のタグテープロール製造装置においては、ローラ273,240Bにおいて上記構成の第2テープ200B″からセパレータ209が分離除去された後、第2テープ200B″の取付部200B1″にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられ、第1テープ200Aの粘着材層200Aa及び第2テープ200B″の粘着材層200Baが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ基材テープ210′′′がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間隔で備えた基材テープ210′′′を巻回したタグテープロールを製造する。
【0094】
上記構成の本変形例においても、粘着材塗布工程が不要となって製造工程の簡略化及び製造コストの低減を図ることができるという上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0095】
(4)無線タグを第1テープに取り付ける場合
上記実施形態においては、第2テープ200Bに対し無線タグTgを取り付けるようにしたが、これに限られず、第1テープ200Aに対して無線タグTgを取り付けるようにしてもよい。図10は本変形例におけるタグテープロール製造装置の全体概略構造を表す概念図であり、前述の図1に対応する図である。なお、この図10において前述の図1と同様の部分には同符号を付し、説明を省略する。
【0096】
この図10に示す本変形例のタグテープロール製造装置と前述の図1に示すタグテープロール製造装置との構成で異なる点は、テープ保持部材274を第1テープ200A側に設け、タグ挿入器226により無線タグTgを第1テープ200Aの取付部200A1に取り付けるようにした点である。このような構成の本変形例においては、上記構成の第1テープ200Aの取付部200A1にタグ挿入器226により無線タグTgが取り付けられた後、第1テープ200Aの粘着材層200Aa及び第2テープ200Bの粘着材層200Baが貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされ、下流側に搬送されてローラ240A,240Bにおいてセパレータ209が分離除去され、それ以外の部分からなる基材テープ210がリール部材215aに巻き取られる。このようにして、無線タグ回路素子Toをテープ長手方向に所定等間隔で備えた基材テープ210を巻回したタグテープロールを製造する。
【0097】
上記構成の本変形例においても、粘着材塗布工程が不要となって製造工程の簡略化及び製造コストの低減を図ることができるという上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0098】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0099】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明のタグテープロール製造装置の一実施形態の全体概略構造を表す概念図である。
【図2】第1テープの詳細断面構造を表す図1中P−P断面による横断面図、無線タグの詳細断面構造を表す図1中Q−Q断面による横断面図、及び第2テープの詳細断面構造を表す図1中R−R断面による横断面図である。
【図3】本発明のタグテープロール製造装置の一実施形態により作成された基材テープの詳細断面構造を表す図1中S−S断面による横断面図である。
【図4】本発明のタグテープロール製造装置の一実施形態に備えられるコントローラで実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図5】第1テープが剥離紙と粘着材層から構成される場合の変形例における第1テープ、無線タグ、第2テープの詳細断面構造を表す横断面図である。
【図6】第2テープが感熱テープである場合の変形例における第1テープ、無線タグ、第2テープの詳細断面構造を表す横断面図である。
【図7】第2テープが感熱テープである場合の変形例におけるタグテープロール製造装置の全体概略構造を表す概念図である。
【図8】貼り合わせ前に第2テープのセパレータを分離する場合の変形例における第1テープ、無線タグ、第2テープの詳細断面構造を表す横断面図である。
【図9】貼り合わせ前に第2テープのセパレータを分離する場合の変形例におけるタグテープロール製造装置の全体概略構造を表す概念図である。
【図10】無線タグを第1テープに取り付ける場合の変形例におけるタグテープロール製造装置の全体概略構造を表す概念図である。
【符号の説明】
【0101】
152 タグ側アンテナ
200A 第1テープ
200Aa 粘着材層(第1粘着材層)
200Ab テープ基材層(第1テープ基材層)
200Ac 粘着材層(第1剥離用粘着材層)
200Ad セパレータ層(第1剥離材層)
200A1 取付部(平坦部)
200B 第2テープ
200Ba 粘着材層(第2粘着材層)
200Bb テープ基材層(第2テープ基材層)
200Bc 粘着材層(第2剥離用粘着材層)
200Bc′ 感熱層(感熱材層)
200Bd セパレータ層(第2剥離材層)
200Bd′ 非粘着層(非粘着材層)
200B1 取付部(平坦部)
210 基材テープ(タグテープ)
211a リール部材(第1供給手段)
212 第1テープ軸駆動モータ(第1供給手段)
213a リール部材(第2供給手段)
214 第2テープ軸駆動モータ(第2供給手段)
215a リール部材(巻取手段)
216 基材テープ軸駆動モータ(巻取手段)
219A,B 搬送ローラ(テープ搬送手段)
220 搬送ローラ軸駆動モータ(テープ搬送手段)
226 タグ挿入器(タグ取り付け手段)
228 フォトセンサ(マーク検出手段)
230 コントローラ(連携制御手段、タグ判定手段、タグ取り付け制御手段)
271 レーザーマーカー(マーク形成手段)
275 除電ブラシ(第1静電気除去手段、第2静電気除去手段)
To 無線タグ回路素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1粘着材層を備えた第1テープを供給する第1供給手段と、
前記第1テープの前記第1粘着材層に貼り合わされる第2粘着材層を備えた第2テープを供給する第2供給手段と、
前記第1供給手段から繰り出された前記第1テープの前記第1粘着材層と前記第2供給手段から繰り出された前記第2テープの前記第2粘着材層との間に、情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続され情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を、所定間隔で取り付けるためのタグ取り付け手段と、
前記第1テープ及び前記第2テープの貼りあわせと前記タグ取り付け手段による前記無線タグ回路素子の取り付けとに基づき生成したタグテープを巻き取り、タグテープロールとする巻取手段と
を有することを特徴とするタグテープロール製造装置。
【請求項2】
請求項1記載のタグテープロール製造装置において、
前記タグ取り付け手段は、テープ搬送経路において前記第1テープ又は前記第2テープが平坦な状態となっている平坦部において、前記無線タグ回路素子を前記第1テープの前記第1粘着材層又は前記第2テープの前記第2粘着材層に取り付けることを特徴とするタグテープロール製造装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のタグテープロール製造装置において、
テープ搬送経路に沿って前記第1及び第2供給手段と前記巻取手段との間に設けられた少なくとも1つのテープ搬送手段と、前記無線タグ回路素子を取り付ける位置となったときに前記第1及び第2テープの搬送を停止して当該取り付けを行い、取り付け終了後には前記第1及び第2テープの搬送を再開するように、前記テープ搬送手段及び前記タグ取り付け手段を連携制御する連携制御手段とを有することを特徴とするタグテープロール製造装置。
【請求項4】
請求項3記載のタグテープロール製造装置において、
前記連携制御手段は、所定の数の前記無線タグ回路素子が取り付けられるごとに所定の数の前記無線タグ回路素子が取り付けられないように、前記テープ搬送手段及び前記タグ取り付け手段を連携制御することを特徴とするタグテープロール製造装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4記載のタグテープロール製造装置において、
前記第1又は第2テープに所定間隔で設けられた第1のマークと、この第1のマークを検出するマーク検出手段とを有し、前記連携制御手段は、前記マーク検出手段が前記第1のマークを検出した場合に前記第1及び第2テープの搬送を停止して前記無線タグ回路素子を取り付けるように、前記テープ搬送手段及び前記タグ取り付け手段を連携制御することを特徴とするタグテープロール製造装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のタグテープロール製造装置において、
前記第1テープは、前記第1粘着材層が一方側の面に設けられた第1テープ基材層と、この第1テープ基材層の他方側の面に第1剥離用粘着材層を介して剥離可能に設けられた第1剥離材層とを備えており、前記第2テープは、前記第2粘着材層が一方側の面に設けられた第2テープ基材層と、この第2テープ基材層の他方側の面に第2剥離用粘着材層を介して剥離可能に設けられた第2剥離材層とを備えたことを特徴とするタグテープロール製造装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のタグテープロール製造装置において、
前記第1テープは、前記第1粘着材層に対し剥離可能に設けられた第1剥離材層を有することを特徴とするタグテープロール製造装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のタグテープロール製造装置において、
前記第2テープは、前記第2粘着材層が一方側の面に設けられた第2テープ基材層と、この第2テープ基材層の他方側の面に設けられ、所定の印字を行なうための感熱材層と、この感熱材層の表面を覆うように設けられた非粘着材層とを有することを特徴とするタグテープロール製造装置。
【請求項9】
請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載のタグテープロール製造装置において、
テープ搬送経路における、貼りあわされた前記第1及び第2テープ又は前記第2テープから前記第2剥離材層を剥離する剥離位置の後段に設けられ、前記第1及び第2テープに発生した静電気を除去する第1静電気除去手段を備えたことを特徴とするタグテープロール製造装置。
【請求項10】
請求項9に記載のタグテープロール製造装置において、
少なくとも1つの前記テープ搬送手段の静電気を除去する第2静電気除去手段を備えたことを特徴とするタグテープロール製造装置。
【請求項11】
請求項6乃至請求項10のいずれか1項記載のタグテープロール製造装置において、
前記タグ取り付け手段により、前記第1粘着材層と前記第2粘着材層との間に所定の数の前記無線タグ回路素子が取り付けられるごとに、貼りあわされた第1及び第2テープ又は前記第1テープの前記第1剥離材層に第2のマークを設けるマーク形成手段を備えたことを特徴とするタグテープロール製造装置。
【請求項12】
請求項6乃至請求項11のいずれか1項記載のタグテープロール製造装置において、
前記タグ取り付け手段により前記第1粘着材層と前記第2粘着材層との間に取り付けられる前記無線タグ回路素子が正常であるか否かを判定するタグ判定手段と、このタグ判定手段により前記無線タグ回路素子が異常であると判定された場合に前記無線タグ回路素子を取り付けないように前記タグ取り付け手段を制御するタグ取り付け制御手段とを備えたことを特徴とするタグテープロール製造装置。
【請求項13】
第1供給手段から供給された第1テープの第1粘着材層と第2供給手段から供給された第2テープの第2粘着材層との間に、情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続され情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を、所定間隔で取り付け、
前記第1テープ及び前記第2テープの貼りあわせと前記無線タグ回路素子の取り付けとに基づき生成したタグテープを巻き取り、タグテープロールとする
ことを特徴とするタグテープロール製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−108894(P2007−108894A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−297094(P2005−297094)
【出願日】平成17年10月12日(2005.10.12)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】