説明

タコグラフ記録用紙用基材

【課題】 古紙を含有させることで低コスト化を図りながら、剛度と平滑性と寸法安定性を確保できるタコグラフ記録用紙用基材を提供する。
【解決手段】 古紙を含有しかつ全層での配合比で機械パルプを30%以上含む多層抄き紙から成り、かつその表層が着色されている多層抄き着色板紙にてタコグラフ記録用紙用基材を構成した。より好適には、表層を上白古紙とLBKPの何れか一方又は両者をパルプ原料とすることで平滑性と記録性を確保するとともに、中間層と裏層を機械パルプを含む古紙をパルプ原料とすることで低コスト化を図りながら剛度を確保するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタコグラフ記録用紙用基材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タコグラフ記録用紙としては、上質紙などの基材の表面に黒色顔料から成る着色層を印刷形成し、その上に硝化綿ラッカーを塗布して塗膜層を形成するとともに多湿度条件下でこの塗膜層を白色化して着色層を隠蔽化する記録層を形成したものが知られている。
【0003】
また、硝化綿ラッカーの代わりに、隠蔽性粒子であるカプセルを主体とする記録層を形成し、記録ペンでこのカプセルを破壊してカプセルに含まれている溶剤成分を漏出させ、記録層を透明化して記録線を描くようにしたものも知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0004】
このようなタコグラフ記録用紙は、回転させるための係合部を有しているため剛度が求められるとともに、記録ペンの引っ掛かりなどが生じると記録飛びが発生するため、平滑性が求められ、また記録層を形成するために塗工適性が求められることになる。そのため、従来のタコグラフ記録用紙においては、基材としてLBKPやNBKPなどのバージンパルプを原料パルプとして抄造した米坪120〜150g/m2 程度の上質紙やフィルムシートが用いられていた。
【特許文献1】特開平9−68443号公報
【特許文献2】特開平13−174295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、タコグラフ記録用紙には上記のように剛度と平滑性並びに高湿環境下での寸法安定性を確保する必要があるため、従来のタコグラフ記録用紙の基材には、米坪の大きい上質紙が広く用いられているが、コスト高になるとともに森林資源の保護や環境負荷の低減と抵触するという問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、古紙を含有させることで低コスト化を図りながら、剛度と平滑性と寸法安定性を確保できるタコグラフ記録用紙用基材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のタコグラフ記録用紙用基材は、古紙を含有しかつ全層での配合比で機械パルプを30%以上含む多層抄き紙から成り、かつその表層が着色されている多層抄き着色板紙から成るものである。なお機械パルプの含有等は、JIS P8120に準拠したものである。
【0008】
この構成によれば、タコグラフ記録用紙用基材に、上質紙に代えて、古紙を含有しかつ剛度が得られる機械パルプを全層での配合比で30%以上含む多層抄き紙を用いることで、低コストで紙厚を厚く、剛度を強くすることができ、低コスト化を図りながら必要な剛度のタコグラフ記録用紙用基材を提供することができ、また多層抄き紙の各層の原料を変え、表層は平滑性が得られる原料を用い、中間層や裏層は安価で剛度の高い原料を用いることで、所要の特性のタコグラフ記録用紙用基材を得ることができる。
【0009】
また、多層抄き着色板紙は、その表層が上白古紙とLBKPの何れか一方又は両者をパルプ原料とするとともに着色して抄造して構成され、中間層と裏層が機械パルプを含む古紙をパルプ原料として抄造して構成されていると、表層が上白古紙とLBKPをパルプ原料とすることで所要の平滑性を確保できるとともに、着色の均一性及び安定性が高く、基材表面に高品質の着色層や記録層を形成することができ、かつ中間層と裏層が機械パルプを含む古紙を含有していることで必要な剛度を確保することができる。
【0010】
また、密度が0.95g/cm3 以下で、JIS P8125に基づくテーバーこわさ(横)が0.70mN・m以上とするのが好適である。また、JIS P8119に基づく表面の平滑度が20〜200秒、好ましくは30〜100秒とするのが好適である。
【0011】
また、全層若しくは表層と裏層又は任意の層に湿潤紙力増強剤を含有させると、高湿環境化での寸法安定性をより確実に保持させることができて好適である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、上質紙に代えて古紙を含有しかつ全層での配合比で機械パルプを30%以上含む多層抄き紙を用いることで、紙厚を厚くし、剛度を強くすることができ、低コスト化を図りながら必要な剛度のタコグラフ記録用紙用基材を提供することができ、また多層抄き紙の各層の原料を変え、表層は平滑性が得られる原料を用い、中間層や裏層は安価で剛度の高い原料を用いることで、所要の特性のタコグラフ記録用紙用基材を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明のタコグラフ記録用紙用基材の一実施形態について、詳細に説明する。
【0014】
本実施形態のタコグラフ記録用紙用基材は、複数層、例えば5層の湿紙を抄き合わせた多層抄き紙にて構成されている。表層の湿紙は、上質紙(LBKP、NBKPを原料として抄造した紙)の白損から成る上白古紙とLBKPを、それぞれ単独若しくは適宜の配合割合で混合した原料パルプを用い、かつタコグラフ記録用紙の着色層が容易に高品質に形成されるようにグレー色(例えば、明度(JIS Z8722に準じて測定したハンターLab表示系における明度(L値)による。以下、同じ。)28〜45程度)に着色して抄造している。また、中間層及び裏層は、紙器製造時に発生する砂裁古紙、新聞・雑誌などを原料として抄造した白ボールなどの地券古紙から成る原料パルプを主として用い、必要に応じてコート紙の白損から成る中白古紙や、コート紙の印刷・製本工程での砂裁古紙からなるケント古紙やLBKPを添加して抄造される。また、タコグラフ記録用紙の寸法安定性を向上するため、全層に湿潤紙力増強剤を添加して抄造している。
【0015】
この多層抄き紙には、全層での配合比で機械パルプを30%以上、好ましくは50〜65%含んでいる。また、湿潤紙力増強剤としては、ホルムアルデヒドの発生がないポリアミドエピクロロヒドリンが好適である。
【0016】
上記5層の多層抄き紙は、5つの円網ワイヤを有するワイヤパート、プレスパート、ドライヤーパート、カレンダー、及びリールを備えた抄紙機にて各層の湿紙を抄き合わせて製造される。ワイヤパートにおいては、5つの円網が適当な間隔をあけて直列して配設され、これら円網の上端に下面が接するように無端ベルト状の毛布が配設され、毛布が表層用の円網から裏層用の円網に向けて順次走行した後上向きに反転し、後続工程のプレスパートに抄き合わせた湿紙を受け渡して表層用の円網に戻る無端状の回動経路を各円網の周速と等速で同期して回動するように構成されている。各円網には、その上端よりも回転方向上手側位置にそれぞれに原料スラリーを供給して円網の周面上に湿紙を形成するインレットが配設され、かつ各円網の上部にクーチロールが配設されている。
【0017】
このような抄紙機による抄造時には、多層抄き紙の表層を形成する湿紙が表層用の円網上に形成された後毛布に保持され、中間層の湿紙が第2番目〜第4番目の中間層用の円網上に形成された後表層の湿紙の下面に順次抄き合わされ、次いで裏層の湿紙が第5番目の円網上に形成された後中間層の湿紙の下面に抄き合わされ、その後5層に抄き合わされた湿紙がプレスパートに向けて搬送されて受け渡される。なお、抄紙機としては、このようなものに限定されるものではなく、長網多筒抄紙機などの他の抄紙機を適用することもできる。
【0018】
以上のような抄紙機によりタコグラフ記録用紙用基材として要請される以下のような物性を有するように多層抄き紙が抄造される。記録性を向上させるために、JIS P8119に基づく表面の平滑度が、20〜200秒、好ましくは30〜100秒、より好適には40〜80秒となるように調整される。また、米坪が160〜175g/m2 、紙厚さが150〜180μm、密度が0.95g/cm3 以下、JIS P8125に基づくテーバーこわさ(横)が0.70mN・m以上となるように調整される。
【0019】
以上の構成によれば、古紙を含有しかつ全層での配合比で機械パルプを30%以上配合した多層抄き紙を用いることにより、紙厚を厚くし、剛度を強くすることができ、低コスト化を図りながら必要な剛度のタコグラフ記録用紙用基材を提供することができる。また、多層抄き紙の各層の原料を変え、表層は平滑性が得られる原料を用い、中間層や裏層は安価で剛度の高い原料を用いることで、所要の特性のタコグラフ記録用紙用基材を得ることができる。
【0020】
特に、表層を上白古紙とLBKPの何れか一方又は両者をパルプ原料とするとともに着色して抄造して構成し、中間層と裏層を機械パルプを含む古紙をパルプ原料として抄造して構成すると、表層が上白古紙とLBKPから成ることで所要の平滑性を確保できるとともに、着色の均一性及び安定性が高く、基材表面に高品質の着色層や記録層を形成することができ、かつ中間層と裏層が機械パルプを含む古紙を含有していることで必要な剛度を確保することができる。
【0021】
また、全層若しくは表層と裏層又は任意の層に湿潤紙力増強剤を含有させると、高湿環境化での寸法安定性をより確実に保持させることができて好適である。
【実施例】
【0022】
次に、本発明のいくつかの実施例と比較例を説明する。
【0023】
(実施例1)
表層の湿紙は、上質紙の白損から成る上白古紙とLBKPを1:1の重量比率で配合したものを主成分とし、フリーネス380mlに調整し、明度39となるようにグレー色に着色した原料スラリーを用い、中間層及び裏層の湿紙は、地券古紙を主成分とする原料スラリーを用いた。全原料スラリー中の機械パルプ含有率は65%であった。そして、全層に湿潤紙力増強剤(「WS−547」、星光PMC社製)を7kg/t添加して多層抄き紙を抄造した。その際に、抄造条件を調整することで、表面の平滑度は50秒となり、米坪が165g/m2 、紙厚が177μm、密度が0.93g/cm3となるように多層抄き紙を抄造した。この多層抄き紙のJIS P8125に基づくテーバーこわさは縦1.44mN・m、横0.79mN・mであった。また、23℃、50%RHの標準環境下から23℃、90%RHの環境下に2時間晒した後の伸び率は、縦0.25%、横0.95%であった。
【0024】
(実施例2)
表層をLBKPを主成分とし、明度を33に変更した以外、実施例1と同様に抄造した。ただし、この変更に伴って、平滑度が53秒に変化した。
【0025】
(実施例3)
中間層及び裏層を、地券古紙とケント古紙を1:1の重量比率で配合したものを主成分にした以外、実施例1と同様に抄造した。この中間層及び裏層のパルプ原料に変更により、全原料スラリー中の機械パルプ含有率は35%となった。また、紙厚が174μm、密度が0.95g/cm3、テーバーこわさ(横)が0.71mN・m、表面の平滑度が58秒となった。
【0026】
(実施例4)
表層を、上白古紙とLBKPを4:6の重量比率で配合したものを主成分とし、中間層及び裏層を、地券古紙とケント古紙とLBKPを4:4:2の重量比率で配合したものを主成分にし、明度を38に変更した以外、実施例1と同様に抄造した。これらのパルプ原料に変更により、全原料スラリー中の機械パルプ含有率は30%となった。また、紙厚が179μm、密度が0.92g/cm3、テーバーこわさ(横)が0.70mN・m、表面の平滑度が40秒となった。
【0027】
(実施例5)
各層のパルプ原料は実施例3と同一であるが、抄造条件を変化させ、明度が45、米坪が160g/m2 、紙厚が178μm、密度が0.90g/cm3、テーバーこわさ(横)が0.74mN・m、平滑度が22秒と低くなった多層抄き紙を抄造した。
【0028】
(実施例6)
実施例5と同様に各層のパルプ原料は実施例3と同一であるが、抄造条件を変化させ、明度が38、米坪が165g/m2 、紙厚が179μm、密度が0.92g/cm3、テーバーこわさ(横)が0.73mN・m、平滑度が30秒と実施例5より若干高くなった多層抄き紙を抄造した。
【0029】
(実施例7)
実施例5と同様に各層のパルプ原料は実施例3と同一であるが、抄造条件を変化させ、明度が38、米坪が165g/m2 、紙厚が177μm、密度が0.93g/cm3、テーバーこわさ(横)が0.72mN・m、平滑度が80秒の多層抄き紙を抄造した。
【0030】
(実施例8)
実施例3における中間層と裏層のパルプ原料の地券古紙を中白古紙に変えるが、機械パル含有率は35%を維持した。また、抄造条件を調整して、明度が29、米坪が168g/m2 、紙厚が179μm、密度が0.94g/cm3、テーバーこわさ(横)が0.72mN・m、平滑度が100秒の多層抄き紙を抄造した。
【0031】
(実施例9)
実施例8で中間層と裏層のパルプ原料における中白古紙とケント古紙の比率が5:5であったものを、LBKPを配合して、中白古紙とケント古紙とLBKPの比率を5:4:1に変えるが、機械パル含有率は35%を維持した。また、抄造条件を調整して、明度が28、米坪が171g/m2 、紙厚が180μm、密度が0.95g/cm3、テーバーこわさ(横)が0.71mN・m、平滑度が195秒と高い多層抄き紙を抄造した。
【0032】
(比較例1)
表層及び中間層と裏層の全てがLBKPで、機械パルプを含有しない原料パルプを用い、抄造条件を調整して、明度が39、米坪が165g/m2 、紙厚が170μm、密度が0.97g/cm3、テーバーこわさ(横)が0.69mN・m、平滑度が70秒の多層抄き紙を抄造した。
【0033】
(比較例2)
表層は実施例1、3〜9と同様に上白古紙とLBKPの配合比率を1:1とし、中間層と裏層は比較例1と同様にLBKPとした、機械パルプを含有しない原料パルプを用い、抄造条件を調整して、明度が48、米坪が165g/m2 、紙厚が153μm、密度が1.08g/cm3、テーバーこわさ(横)が0.65mN・m、平滑度が320秒と非常に高い多層抄き紙を抄造した。
【0034】
(比較例3)
比較例2に対して、中間層と裏層の原料パルプを、LBKPが100%から地券古紙とケント古紙の配合比率を3:7に変化させ、機械パルプを25%含有する原料パルプを用いた。そして、抄造条件を調整して、明度が39、米坪が165g/m2 、紙厚が165μm、密度が1.00g/cm3、テーバーこわさ(横)が0.67mN・m、平滑度が90秒の多層抄き紙を抄造した。
【0035】
(比較例4)
実施例1、2に対して表層の上白古紙に変えて中白古紙を用い、LBKPと中白古紙の配合比率を1:1とし、機械パルプ含有率を70%と高くした原料パルプを用い、抄造条件を調整して、明度が39、米坪が165g/m2 、紙厚が179μm、密度が0.92g/cm3、テーバーこわさ(横)が0.80mN・m、平滑度が60秒の多層抄き紙を抄造した。
【0036】
(比較例5)
表層に中白古紙、中間層と裏層に地券古紙を用いて、機械パルプ含有率を80%と高くした原料パルプを用い、抄造条件を調整して、明度が27、米坪が160g/m2 、紙厚が176μm、密度が0.91g/cm3、テーバーこわさ(横)が0.81mN・m、平滑度が18秒と低い多層抄き紙を抄造した。
【0037】
以上の実施例1〜9及び比較例1〜5で得られた多層抄き紙をタコグラフ記録用基材とし、その表層の表面上に、
日本ゼオン株式会社製 MHG5040(架橋アクリル/スチレン共重合体中空ポリマー粒子)100重量部(固形分)
住友化学株式会社製 スミカフレックス880(酢酸ビニル・エチレン・塩ビエマルジョン)20重量部(固形分)
からなる組成物を、エアーナイフコーターを用いて5g/m2 の塗布量で塗布し、タコグラフ記録用紙を製造した。
【0038】
各タコグラフ記録用紙を運行記録計に実装し、以下の基準により記録性について評価した。
【0039】
記録濃度
◎ 記録線が鮮明であった
○ 記録線が鮮明でないが、実用上問題ない程度であった
△ 記録線に部分的に不鮮明な部分が生じた
× 記録線が不鮮明であった
記録線とび
◎ 記録とびが無かった
○ 記録とびは無いが、記録線の太さが一定でなかった
× 記録とびが発生した
空回り
◎ 空回りがなかった
○ 空回りは発生しないが、実用上問題ない程度の僅かな位置ずれを生じた
△ 空回りは発生しないが、位置ずれが目立った
× 空回りが発生した
また、以上の記録性の評価とともに、環境負荷について、LBKPを使用しない場合は◎、一部に使用する場合は○、全部叉は大部分がLBKPの場合を×と評価した。
【0040】
【表1】

各実施例1〜9及び比較例1〜5について、原料パルプの配合と多層抄き紙の物性及びタコグラフ記録用紙の記録性評価と環境負荷の評価結果を、表1に示した。
【0041】
表1から、表層が上白古紙とLBKPから成り、かつ機械パルプ含有率が30%以上、テーバーこわさ(横)が0.70mN・m以上、平滑度が20秒以上である実施例1〜9では、記録性評価及び環境負荷で良好な結果が得られことが分かる。また、その中でもテーバーこわさが0.70〜0.72と相対的に低い実施例3、4、7〜9では、対空回り特性で若干劣り、平滑度が20〜30秒と相対的に低い実施例5、6では対記録とび特性で若干劣り、また明度が45と高い実施例5と平滑度が100〜200の実施例8、9では濃度が若干劣ることになる。
【0042】
一方、機械パルプを含有せず、全てがLBKPから成る比較例1では、165g/m2 という同様の米坪で、テーバーこわさ(横)が0.69mN・mで、0.70mN・m以下であるので、対空回り特性で劣りかつ環境負荷が大きい。また、機械パルプを含有せず、中間層と裏層がLBKPから成るとともに平滑度が320秒と非常に高くなっている比較例2では、記録濃度、対空回り特性で劣りかつ環境負荷が大きい。また、機械パルプ含有率が25%と、30%に満たず、平滑度が90秒と多少高い目の比較例3では、濃度が若干劣り、対空回り特性が不良である。また、表層に中白古紙を含み、機械パルプ含有率が70%の比較例4では、対記録とび特性が不良である。また、表層がすべて中白古紙で、機械パルプ含有率が80%の比較例5では、明度が27と低いため濃度が若干劣り、対記録とび特性が不良である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
古紙を含有しかつ全層での配合比で機械パルプを30%以上含む多層抄き紙から成り、かつその表層が着色されている多層抄き着色板紙から成ることを特徴とするタコグラフ記録用紙用基材。
【請求項2】
多層抄き着色板紙は、その表層が上白古紙とLBKPの何れか一方又は両者をパルプ原料とするとともに着色して抄造して構成され、中間層と裏層が機械パルプを含む古紙をパルプ原料として抄造して構成されていることを特徴とする請求項1記載のタコグラフ記録用紙用基材。
【請求項3】
密度が0.95g/cm3 以下で、JIS P8125に基づくテーバーこわさ(横)が0.70mN・m以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のタコグラフ記録用紙用基材。
【請求項4】
JIS P8119に基づく表面の平滑度が20〜200秒、好ましくは30〜100秒であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のタコグラフ記録用紙用基材。
【請求項5】
湿潤紙力増強剤を含有させたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のタコグラフ記録用紙用基材。

【公開番号】特開2006−45697(P2006−45697A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−225242(P2004−225242)
【出願日】平成16年8月2日(2004.8.2)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】