タッチスイッチ
【課題】高精度なセンシングが可能なタッチスイッチを提供する。
【解決手段】絶縁層と、前記絶縁層の一方面側に配置される第1タッチ電極構造層2と、前記絶縁層の他方面側に配置される第2タッチ電極構造層3と、を有するタッチスイッチであって、第1電極部形成領域21及び第2電極部形成領域31は、金属線を網目状にして形成される複数のタッチ電極部をそれぞれ備え、第1配線部形成領域22及び第2配線部形成領域32は、前記各タッチ電極部から前記絶縁層の端部に向けて引き出される金属線からなる引き出し配線部をそれぞれ備え、前記第1電極部形成領域21は、前記絶縁層を介して、前記第2配線部形成領域32の反対側に設けられており、前記第2電極部形成領域31は、前記絶縁層を介して、前記第1配線部形成領域22の反対側に設けられているタッチスイッチ100。
【解決手段】絶縁層と、前記絶縁層の一方面側に配置される第1タッチ電極構造層2と、前記絶縁層の他方面側に配置される第2タッチ電極構造層3と、を有するタッチスイッチであって、第1電極部形成領域21及び第2電極部形成領域31は、金属線を網目状にして形成される複数のタッチ電極部をそれぞれ備え、第1配線部形成領域22及び第2配線部形成領域32は、前記各タッチ電極部から前記絶縁層の端部に向けて引き出される金属線からなる引き出し配線部をそれぞれ備え、前記第1電極部形成領域21は、前記絶縁層を介して、前記第2配線部形成領域32の反対側に設けられており、前記第2電極部形成領域31は、前記絶縁層を介して、前記第1配線部形成領域22の反対側に設けられているタッチスイッチ100。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
入力位置を検出するための透明タッチスイッチの構成は、従来から種々検討されているが、一例として静電容量式の透明タッチスイッチが知られている。例えば、特許文献1に開示された透明タッチスイッチは、それぞれ所定のパターン形状を有する透明導電膜を備えた一対の透明面状体の間に誘電体層が介在されて構成されており、指などが操作面に触れると、人体を介して接地されることによる静電容量の変化を利用して、タッチ位置を検出することができる。
【0003】
この透明タッチスイッチは、液晶表示装置やCRTなどの表面に装着して用いられるが、透明面状体に形成された透明導電膜のパターン形状が目立ってしまい、視認性の低下を招いていた。
【0004】
視認性の低下の対策として、特許文献2に開示された静電容量型タッチスイッチでは、光学設計(導電膜との界面の反射率とが実質的に等しくなる屈折率をもった誘電体層を備える)を施し、透明面状体に形成された透明導電膜のパターン形状が外部からほとんど認識することができない効果を得ている。特許文献2においての透明導電膜は、1.8〜2.0程度の屈折率をもった透明導電材、例えばITO(酸化インジウム・スズ)等からなっている。
【0005】
また特許文献3では、視認性の低下の対策と共に、感度の向上の対策も課題としている。この特許文献3の静電容量型タッチスイッチの構成は、「絶縁性を有する透明基板の表面に略全面的に形成された電極が透視を必要とする部分で網目構造をとる導電性薄膜からなり、各網目の輪郭が極細帯で構成され、この極細帯の帯幅wが30μm 以下であるとともに、電極の全光線透過率が70%以上であり、なおかつ電極の4 端子法による表面抵抗値が1Ω/cm2以下である」となり、「ITOなどの透明導電膜を用いずとも電極の透光性が確保され、且つ入力感度が向上する低抵抗を実現できるので、入力不良による誤作動等のない静電容量型タッチスイッチが得られる」というものである。
【0006】
特許文献4では、タッチ電極部と、当該タッチ電極部から引き出される引き出し配線部とを備える静電容量式のタッチスイッチとして、図19の平面図に示す構造のものが知られている。このタッチスイッチ101は、絶縁性の透明基板102、透明基板の第一面に形成されたタッチ電極部103、および透明基板の第一面に形成された引き出し配線部104を備えている。なお、タッチ電極部103は、カーボンナノチューブ構造体からなる導電膜により形成されている。このようなタッチスイッチ101においては、透明基板102の端部にいくにしたがって、引き出し配線部104の数が増加する。そのため、引き出し配線部104の集中するタッチスイッチ101の端部にいくにしたがって、図19に示すようにタッチ電極部103が小さくなり、センシング可能領域が減少することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−173238号公報(図1、図5)
【特許文献2】特開2010−79734号公報(図4、段落[0019])
【特許文献3】特開2006−344163号公報([請求項1][発明の効果]段落[0031])
【特許文献4】特開2009−146419 (図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、上述の静電容量式の透明タッチスイッチは、大型化傾向にある。網目構造の静電容量式の透明タッチスイッチが大型になると、タッチ電極部が増え、タッチ電極部からの引き出し配線部が増えることになる。引き出し配線部は、図19に示すように、基板上に所定間隔をあけて配置される複数のタッチ電極部の間に配置されており、この引き出し配線部が増加すると、タッチスイッチにおける引き出し配線部が占有する面積が増え、必然的にタッチ電極部の面積が減り(センシング不可エリアが増え)、精度よくセンシングすることが困難であるという問題があった。
【0009】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、高精度なセンシングが可能なタッチスイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記目的は、絶縁層と、前記絶縁層の一方面側に配置される第1タッチ電極構造層と、前記絶縁層の他方面側に配置される第2タッチ電極構造層と、を有するタッチスイッチであって、前記第1タッチ電極構造層は、間隔をあけて複数配置される第1電極部形成領域と、前記各第1電極部形成領域の間に配置される第1配線部形成領域とを備えており、前記第2タッチ電極構造層は、間隔をあけて複数配置される第2電極部形成領域と、前記各第2電極部形成領域の間に配置される第2配線部形成領域とを備えており、第1電極部形成領域及び第2電極部形成領域は、金属線を網目状にして形成される複数のタッチ電極部をそれぞれ備え、第1配線部形成領域及び第2配線部形成領域は、前記各タッチ電極部から前記絶縁層の端部に向けて引き出される金属線からなる引き出し配線部をそれぞれ備え、前記第1電極部形成領域は、前記絶縁層を介して、前記第2配線部形成領域の反対側に設けられており、前記第2電極部形成領域は、前記絶縁層を介して、前記第1配線部形成領域の反対側に設けられているタッチスイッチより達成される。
【0011】
このような構成によれば、透明基板等の絶縁層の一方面側に複数並んで配置される各第1電極部形成領域の間におけるセンシング不可エリア(第1配線部形成領域)のセンシングを、絶縁層の他方面側に複数並んで配置される第2電極部形成領域におけるタッチ電極部が行なうことが可能になる。つまり、引き出し配線部が占有する領域(第1配線部形成領域または第2配線部形成領域。以後、「引き出し配線占有領域」と記載。)の影響を受けずにセンシングを行なうことが可能になる。このように、従来、センシングが困難であった引き出し配線占有領域についても、この引き出し配線占有領域の影響を受けずに確実にセンシングすることが可能であることから、引き出し配線部の数が増加した場合であっても、センシング性能に悪影響を及ぼすことがなく、タッチ電極部及び引き出し配線部の数の増加を伴うタッチスイッチの大型化に対応することが可能となる。また、タッチ電極部のサイズを小さく形成して(タッチ電極部の形成密度を増加させて)、タッチスイッチの分解能を高めようとする場合、引き出し配線部の数も増加することになるが、このような場合であっても、センシングができない領域が増加することを防止することができ、所望の分解能を有するタッチスイッチを得ることが可能になる。
【0012】
また、このタッチスイッチにおいて、前記各引き出し配線部は、単一の金属線として、或いは、複数の金属線の集合体として形成されており、前記各タッチ電極部は、前記絶縁層を介して反対側に配置される前記引き出し配線部に対応する領域に、金属線が形成されない金属線未形成領域を備えることが好ましい。
【0013】
このような構成によれば、タッチスイッチのタッチ面側からタッチスイッチを見た場合、絶縁層を介してタッチ電極部の反対側に配置される引き出し配線部が、金属線未形成領域に重なり、あたかも当該引き出し配線部が、タッチ電極部の一部のように構成でき、引き出し配線部の形状を目立たなくすることが可能となる。
【0014】
また、前記タッチ電極部を形成する金属線の線幅と、前記引き出し配線部を形成する金属線の線幅とが、略同一であることが好ましい。このような構成によれば、引き出し配線部の形状をより一層目立たなくすることが可能になる。
【0015】
また、前記絶縁層は、透明基板であり、前記第1タッチ電極構造層は、前記透明基板の一方の主面上に設けられており、前記第2タッチ電極構造層は、前記透明基板の他方の主面上に設けられていることが好ましい。
【0016】
また、前記第1タッチ電極構造層は、第1透明基板の主面上に設けられており、前記第2タッチ電極構造層は、前記透明基板と平行に配置される第2透明基板の主面上に設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、高精度なセンシングが可能なタッチスイッチを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係るタッチスイッチの概略構成断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図1の矢視A方向から見た平面図であって、透明基板の一方面側に配置される第1タッチ電極構造層を透過させて示す説明図である。
【図4】図1の矢視A方向から見た平面図であって、透明基板の他方面側に配置される第2タッチ電極構造層を示す説明図である。
【図5】図3又は図4に示すタッチ電極部の変形例を示す平面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るタッチスイッチの作動を説明するための説明図である。
【図7】図1に示すタッチスイッチの変形例を示す概略構成断面図である。
【図8】図1に示すタッチスイッチのその他に変形例を示す概略構成断面図である。
【図9】図1に示すタッチスイッチの更にその他に変形例を示す概略構成断面図の要部拡大図である。
【図10】図3又は図4に示す引き出し配線部の変形例を示す平面図である。
【図11】図3又は図4に示す引き出し配線部のその他の変形例を示す平面図である。
【図12】図3又は図4に示す引き出し配線部の更にその他の変形例を示す平面図である。
【図13】図3又は図4に示すタッチ電極部のその他の変形例を示す平面図である。
【図14】図3又は図4に示すタッチ電極部のその他の変形例を示す平面図である。
【図15】図3又は図4に示すタッチ電極部のその他の変形例を示す平面図である。
【図16】図3又は図4に示すタッチ電極部のその他の変形例を示す平面図である。
【図17】図1に示すタッチスイッチの更にその他に変形例を示す概略構成平面図である。
【図18】図17に示すタッチスイッチの作動を説明するための説明図である。
【図19】従来のタッチスイッチを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実態形態にかかるタッチスイッチについて添付図面を参照して説明する。尚、各図面は、構成の理解を容易にするため、実寸比ではなく部分的に拡大又は縮小されている。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係るタッチスイッチ100の概略構成断面図であり、図2は、その要部拡大図である。なお、図2においては、図1に示す保護層4及び粘着層5を省略して記載している。図3は、図1の矢視A方向から見た平面図であって、後述する絶縁層である透明基板1の一方面側に配置される(透明基板1を介して第2タッチ電極構造層3の反対側に配置される)第1タッチ電極構造層2を透過させて示す説明図である。図4は、図1の矢視A方向から見た平面図であって、後述する透明基板1の他方面側に配置される第2タッチ電極構造層3を示す説明図である。
【0021】
本発明の一実施形態に係るタッチスイッチ100は、例えば、銀行端末(キャッシュディスペンサー)、券売機、パソコン、OA機器、電子手帳、PDA、携帯電話等の表示装置に取り付けられて使用される静電容量式のタッチスイッチ100であり、透明基板1と、透明基板1の一方面上に配置される第1タッチ電極構造層2と、透明基板1の他方面上に配置される第2タッチ電極構造層3と、第2タッチ電極構造層3を被覆する保護層4とを備えている。保護層4は、粘着層5を介して第2タッチ電極構造層3上に貼着されている。なお、タッチスイッチ100の取り付けに際しては、保護層4側が露出面(タッチ面)となるように、透明な粘着層(図示せず)を介して表示装置に取り付けられる。
【0022】
透明基板1は、絶縁層を構成する誘電体基板であり、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、アクリル、非晶性ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、脂肪族環状ポリオレフィン、ノルボルネン系の熱可塑性透明樹脂などの合成樹脂製の可撓性フィルムやこれら2種以上の積層体、或いは、ソーダガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどのガラス板により形成される。透明基板1の厚みは、特に限定されないが、例えば、合成樹脂製の可撓性フィルムにより透明基板1を構成する場合には、10μm〜2000μm程度とすることが好ましく、50μm〜500μm程度とすることがさらに好ましい。また、ガラス板により透明基板1を構成する場合には、0.1mm〜5mm程度とすることが好ましい。
【0023】
また、可撓性を有する材料から透明基板1を形成する場合、当該透明基板1に剛性を付与するために支持体を貼着してもよい。支持体としては、ガラス板や、ガラスに準ずる硬度を有する樹脂材料を例示することができ、その厚さは100μm以上であることが好ましく、0.2mm〜10mmであることがより好ましい。
【0024】
透明基板1の一方の主面上に配置される第1タッチ電極構造層2は、図2の拡大図及び図3の説明図に示すように、間隔をあけて複数配置される第1電極部形成領域21及び各第1電極部形成領域21の間に配置される第1配線部形成領域22を備えている。各第1電極部形成領域21及び各第1配線部形成領域22は、帯状に延びる領域(図3の上下方向に延びる帯状領域)として形成されている。各第1電極部形成領域21には、複数のタッチ電極部2aがそれぞれ形成されており、第1配線部形成領域22には、各タッチ電極部2aから透明基板1の端部に向けて引き出される引き出し配線部2bがそれぞれ形成されている。なお、図3においては、透明基板1の他方面上に形成されるタッチ電極部3aを破線にて示し、透明基板1の他方面上に形成される引き出し配線部3bを省略して示している。
【0025】
透明基板1の他方の主面上に配置される第2タッチ電極構造層3も上述の第1タッチ電極構造層2と同一の構成を有しており、図4の説明図に示すように、間隔をあけて複数配置される第2電極部形成領域31及び各第2電極部形成領域31の間に配置される第2配線部形成領域32を備えている。各第2電極部形成領域31及び各第2配線部形成領域32は、帯状に延びる領域(図4の上下方向に延びる帯状領域)として形成されている。第2電極部形成領域31には、複数のタッチ電極部3aがそれぞれ形成されており、第2配線部形成領域32には、各タッチ電極部3aから透明基板1の端部に向けて引き出される引き出し配線部3bがそれぞれ形成されている。なお、図4においては、透明基板1の一方面上に形成されるタッチ電極部2aを破線にて示し、透明基板1の他方面上に形成される引き出し配線部2bを省略して示している。
【0026】
第1電極部形成領域21は、図2に示すように、透明基板1を介して、第2配線部形成領域32の反対側に設けられており、第2電極部形成領域31は、透明基板1を介して、第1配線部形成領域22の反対側に設けられている。このような構成により、第1電極部形成領域21に形成されるタッチ電極部2aと、第2配線部形成領域32に形成される引き出し配線部3bとは、平面視において、互いに重なる位置関係となり、また、第2電極部形成領域31に形成されるタッチ電極部3aと、第1配線部形成領域22に形成される引き出し配線部2bとは、平面視において、互いに重なる位置関係となる(図3及び図4参照)。
【0027】
第1電極部形成領域21及び第2電極部形成領域31にそれぞれ形成される各タッチ電極部2a,3aの外形形状は、方形であり、その方形は網目状となった金属線により形成される。各タッチ電極部2a,3aは、各第1電極部形成領域21又は各第2電極部形成領域31の長手方向に沿って並べて配置されている。隣接するタッチ電極部2a(3a)同士は絶縁する必要があるため、各タッチ電極部2a(3a)の間には、絶縁部2c(3c)が設けられている。
【0028】
タッチ電極部2a,3aの外形形状は、指などの接触ポイントを検出可能である限り、方形以外の任意の形状とすることが可能である。また、網目状の具体例としては、金属線を格子状にした形状を挙げることができる。格子状形状としては、図3や図4に示すように、透明基板1の各辺に平行となるように金属線を配置して格子状形状を形成してもよく、或いは、図5に示すように、透明基板1の各辺に対して所定角度傾くように金属線を配置して格子状形状を形成してもよい。金属線は、極細線であり、金属線同士は略等間隔に並べられている。金属線の線幅は、5μm〜50μmの範囲とすることが好ましく、特に10μm〜30μmの範囲とすることが好ましい。また、隣接する金属線同士の間隔は、100μm〜1000μmの範囲とすることが好ましい。
【0029】
第1配線部形成領域22及び第2配線部形成領域32にそれぞれ形成される引き出し配線部2b,3bは、図3及び図4に示すように、一本(単一)の直線状の金属線により形成されており、各タッチ電極部2a,3aから透明基板1の端部に向けて伸びるように引き出されている。隣接する引き出し配線部2b(3b)同士は絶縁する必要があるため、各引き出し配線部2b(3b)の間にも、絶縁部2c(3c)が設けられている。引き出し配線部2b,3bを形成する金属線は極細線であり、タッチ電極部2a,3aを構成する金属線と略同一の線幅となるように形成することが好ましい。引き出し配線部2b,3bは、透明基板1の端部でタッチ電極部2a,3aの静電容量の変化を検出する検出回路(図示せず)に接続されている。
【0030】
タッチ電極部2a,3a及び引き出し配線部2b,3bを構成する金属線の形成方法は、(A)極微細な導電性粒子を含む導電性ペーストを透明基板1上にスクリーン印刷する方法(特開2007−142334等参照)、(B)銅などの金属箔を透明基板1上に積層し、金属箔の上にレジストパターンを形成し、金属箔をエッチングする方法(特開2008−32884等参照)が挙げられる。なお、タッチ電極部2a,3a及び引き出し配線部2b,3bを構成する金属線を形成する場合、透明基板1を挟んで両側に配置されるタッチ電極部2a(3a)の金属線と、引き出し配線部2b(3b)の金属線とが、タッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合に、互いに重なるように形成することが好ましい。
【0031】
上記(A)の形成方法における導電性粒子としては、銀を主成分とする微粒子を挙げることができる。また、例えば、金、銀、銅、金と銀の合金、金と銅の合金、銀と銅の合金、金と銀と銅の合金のいずれか一を主成分とする微粒子でもよい。また、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化インジウムに酸化亜鉛を混合した導電性酸化物(IZO[indium
zinc oxide])、または酸化インジウムに酸化珪素を混合した導電性酸化物(ITSO)を主成分とする微粒子でもよい。
【0032】
また、金属線の形成方法は、上記(A)(B)の形成方法に限定されることはなく、上記(A)以外のグラビア印刷などの印刷方法や上記(B)以外のフォトリソグラフィを使用してもよい。
【0033】
粘着層5は、エポキシ系やアクリル系など、一般的な透明接着剤を用いることができ、ポリエステル系樹脂の透明性フィルムからなる芯材を含むものであってもよい。また、シート状粘着材を複数枚重ね合わせることにより粘着層5を形成してもよく、更に、複数種類のシート状粘着材を重ね合わせて形成してもよい。粘着層5の厚みは、特に限定されないが、実用上では200μm以下であることが好ましい。
【0034】
保護層4は、タッチ面側に配置される第2タッチ電極構造層3を保護するものであり、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、アクリル等から形成した透明なフィルム体や、ソーダガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどのガラス板により構成される。なお、フィルム体やガラス板の代わりに、透明な樹脂を第2タッチ電極構造層3上に積層して保護層4を形成してもよい。この保護層4の厚みは、特に限定されないが、0.1mm〜10mm程度とすることが好ましい。
【0035】
以上の構成を備えるタッチスイッチ100において、タッチスイッチ100の表面側に指などで触れると、タッチ電極部タッチ電極部2a,3aで静電容量の変化が生じる。引き出し配線部2b,3bを介して接続された検出回路で前記静電容量の変化を検出することによって、タッチ電極部タッチ電極部2a,3aに指などが触れたか否かを判定する。
【0036】
本実施形態に係るタッチスイッチ100は、絶縁層である透明基板1の一方面側及び他方面側に、タッチ電極部2a,3aと、タッチ電極部2a,3aから引き出される引き出し配線部2b,3bとをそれぞれ形成し、更に、透明基板1の一方面側に形成されるタッチ電極部2aと、透明基板1の他方面側に形成される引き出し配線部3bとが、平面視において互いに重なり合うように構成し、透明基板1の他方面側に形成されるタッチ電極部3aと、透明基板1の一方面側に形成される引き出し配線部2bとが、平面視において互いに重なり合うように構成している。このような構成により、引き出し配線部2b,3bが占有する領域(第1配線部形成領域22、第2配線部形成領域32)の影響を受けずにセンシングを行なうことが可能になる。図6を用いて具体的に説明すると、例えば、透明基板1の他方面側に形成されるタッチ電極部3a,3aの間に形成される第2配線部形成領域32をタッチした場合であっても、透明基板1の一方面側に形成されるタッチ電極部2aの静電容量の変化を検出できるため、タッチ位置を正確に認識することが可能になる。
【0037】
このように本実施形態に係るタッチスイッチ100は、従来、センシングが困難であった引き出し配線占有領域(図6における第2配線部形成領域32に相当)についても、この引き出し配線占有領域の影響を受けずに確実にセンシングすることが可能であることから、引き出し配線部2b,3bの数が増加した場合であっても、センシング性能が低下することを防止できる。この結果、タッチ電極部2a,3a及び引き出し配線部2b,3bの数の増加を伴うタッチスイッチ100の大型化に対応することが可能となる。
【0038】
また、各タッチ電極部2a,3aのサイズを小さく形成して(タッチ電極部2a,3aの形成密度を増加させて)、タッチスイッチ100の分解能を高めようとする場合、タッチ電極部2a,3aの数の増加に伴い引き出し配線部2b,3bの数も増加することになるが、このような場合であっても、センシングできない領域が拡大することを防止することができる。
【0039】
以上、本発明に係るタッチスイッチ100の実施形態について説明したが、具体的構成は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態においては、第1タッチ電極構造層2を絶縁層である透明基板1の一方面上に直接配置し、第2タッチ電極構造層3を透明基板1の他方面上(裏面上)に直接配置するように構成しているが、第1タッチ電極構造層2における第1電極部形成領域21を、絶縁層を介して、第2配線部形成領域32の反対側に設けると共に、第2電極部形成領域31を、絶縁層を介して、第1配線部形成領域22の反対側に設ける構成であればよく、透明基板1上に直接、第1タッチ電極構造層2および第2タッチ電極構造層3を形成する構成に限定されない。例えば、第1タッチ電極構造層2および第2タッチ電極構造層3を夫々別の透明基板上に設けてもよい。具体的には、図7に示すように、一方面に第1タッチ電極構造層2が形成される透明基板1と、一方面に第2タッチ電極構造層3が形成される第2透明基板6とを、絶縁層である粘着層5を介して貼着するようにしてタッチスイッチ100を構成してもよい。なお、透明基板1と第2透明基板6とは、互いに略平行となるように配置されている。図7においては、第2タッチ電極構造層3が、絶縁層である粘着層5を介して透明基板1に対向するようにして構成されているが、図8に示すように、第2透明基板6が、絶縁層である粘着層5を介して透明基板1に対向するように構成してもよい。
【0040】
また、図1、図7及び図8のタッチスイッチ100の構成の他に、図9の要部拡大図に示すようなタッチスイッチ100によっても、上述の効果と同等の効果を得ることができる。図9に示すタッチスイッチ100は、上述の第1タッチ電極構造層2を一方面側に有する透明基板1と、上述の第2タッチ電極構造層3を一方面側に有する第2透明基板6とを備え、第1タッチ電極構造層2と、前記第2タッチ電極構造層3とが、絶縁層である粘着層5を介して互いに対向する向きに貼着されるように構成されている。第1タッチ電極構造層2及び第2タッチ電極構造層3が有する第1電極部形成領域21及び第2電極部形成領域31には、金属線を網目状にして形成される複数のタッチ電極部2a,3aがそれぞれ形成されている。また、第1タッチ電極構造層2及び第2タッチ電極構造層3が有する第1配線部形成領域22及び第2配線部形成領域32には、各タッチ電極部2a,3aから各基板(透明基板1及び第2透明基板6)の端部に向けて引き出される引き出し配線部2b,3bがそれぞれ形成されている。また、第1電極部形成領域21は、絶縁層である粘着層5を介して、第2配線部形成領域32の反対側に設けられており、第2電極部形成領域31は、粘着層5を介して、第1配線部形成領域22の反対側に設けられている。
【0041】
また、上記実施形態においては、引き出し配線部2b,3bを単一の金属線により形成しているが、このような構成に特に限定されず、引き出し配線部2b,3bを複数の金属線の集合体として構成してもよい。例えば、図10に示すように、2本以上の互いに平行な金属線により引き出し配線部2b,3bを構成してもよく、或いは、図11に示すように、金属線を網目状にして引き出し配線部2b,3bを構成してもよい。
【0042】
また、上記実施形態においては、引き出し配線部2b,3bを直線状の金属線により形成しているが、例えば、図12に示すように、波形形状の金属線により構成してもよい。波形形状としては、図12に示すように、屈曲部を有する折れ線状となる形状を採用してもよい。
【0043】
また、上記実施形態においては、タッチスイッチ100のタッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合、透明基板1を介して、タッチ電極部2a(3a)と引き出し配線部3b(2b)とが重なっているため、タッチ電極部2a(3a)を形成する金属線と、金属線から形成される引き出し配線部3b(2b)との位置関係や、タッチ電極部2a(3a)及び引き出し配線部3b(2b)を形成する金属線の重なり方等によっては、引き出し配線部2b,3bの形状が目立つ場合がある。このような事態を回避するため、第1電極部形成領域21(第2電極部形成領域31)に形成される各タッチ電極部2a(3a)が、透明基板1を介して反対側に配置される引き出し配線部3b(2b)に対応する領域に、金属線が形成されない金属線未形成領域を備えるように構成してもよい。
【0044】
この構成について、図13を用いて以下具体的に説明する。図13(a)は、タッチスイッチ100のタッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合における第1電極部形成領域21に形成されるタッチ電極部2aを示している。図13(b)は、タッチスイッチ100のタッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合における第2電極部形成領域31に形成されるタッチ電極部3a及び引き出し配線部3bを示している。また、図13(c)は、タッチスイッチ100のタッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合におけるタッチ電極部2a及びタッチ電極部3aの双方、並びに、引き出し配線部3bを示している。図13(a)に示すように、タッチ電極部2aは、透明基板1を介して反対側に配置される引き出し配線部3bに対応する領域に、金属線が形成されない金属線未形成領域2dを備えている。なお、説明の容易化を図るため、便宜的に金属線未形成領域2dを二点鎖線にて示している。このような構成を採用することにより、タッチスイッチ100のタッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合、図13(c)に示すように、透明基板1を介してタッチ電極部2aの反対側に配置される引き出し配線部3bが、金属線未形成領域2dに重なり、あたかも当該引き出し配線部3bが、タッチ電極部3aの一部のように構成でき、引き出し配線部3bの形状を目立たなくすることが可能となる。
【0045】
また、金属線を網目状にして引き出し配線部3bを形成する場合には、図14(特に図14(a))に示すように、当該引き出し配線部3bの反対側に配置されるタッチ電極部2aを構成する複数の金属線が互いに電気的に接続するように金属線未形成領域2dを形成する。ここで、図14(a)は、タッチスイッチ100のタッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合における第1電極部形成領域21に形成されるタッチ電極部2aを示している。図14(b)は、タッチスイッチ100のタッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合における第2電極部形成領域31に形成されるタッチ電極部3a及び網目状の引き出し配線部3bを示している。また、図14(c)は、タッチスイッチ100のタッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合におけるタッチ電極部2a及びタッチ電極部3aの双方、並びに、網目状の引き出し配線部3bを示している。
【0046】
なお、図13(a)〜(c)、図14(a)〜(c)においては、便宜的に、タッチ電極部2aのみが、金属線未形成領域2dを備える構成として説明しているが、タッチ電極部3aも同様な金属線未形成領域を備えるように構成してもよい。
【0047】
また、上記実施形態において、図3や図4に示すように、各第1電極部形成領域21及び各第2電極部形成領域31において、互いに隣接して形成されるタッチ電極部2a,3a間に絶縁部2c,3cを形成している。この絶縁部2c,3cは、金属線を全く形成しない領域として形成されているが、このような構成に特に限定されず、例えば、図15(a)に示すように、一のタッチ電極部2a1(3a1)を形成する金属線を、隣接する他のタッチ電極部2a2(3a2)の外縁を形成する金属線近傍まで延長して絶縁部2c(3c)を形成してもよい。なお、延長した金属線は、他のタッチ電極部2a2(3a2)の外縁を形成する金属線に接続していないことはいうまでもない。このような構成によれば、絶縁部2c(3c)を目立たなくすることが可能になる。なお、図15(a)においては、一のタッチ電極部2a1(3a1)と、他のタッチ電極部2a2(3a2)との違いを明確にするために、一のタッチ電極部2a1(3a1)を構成する金属線を、他のタッチ電極部2a2(3a2)を形成する金属線よりも僅かに太く示している。
【0048】
また、図15(b)に示すように、一のタッチ電極部2a1(3a1)を形成する金属線の一部を、隣接する他のタッチ電極部2a2(3a2)の外縁を形成する金属線近傍まで延長すると共に、他のタッチ電極部2a2(3a2)を形成する金属線の一部を、一のタッチ電極部2a1(3a1)の外縁を形成する金属線近傍まで延長して絶縁部2c(3c)を構成してもよい。この場合、一のタッチ電極部2a1(3a1)から延長される金属線と、他のタッチ電極部2a2(3a2)から延長される金属線とが、互い違いとなるように構成することが好ましい。このような構成を採用すると、延長した金属線とタッチ電極部2a,3aの外縁を形成する金属線との間に設けられる非接続点が連なって一本の線として視認されることを防止することができ、タッチ電極部2a(3a)と絶縁部2c(3c)との境界を目立たなくすることが可能となる。特に、互いに隣接するタッチ電極部2a(3a)同士の間隔を、各タッチ電極部2a(3a)における格子間隔と等しくするように構成し、上述のように、タッチ電極部2a(3a)を形成する金属線を、隣接するタッチ電極部2a(3a)の外縁を形成する金属線近傍の位置まで延長するように構成すると、各タッチ電極部2a(3a)同士の境界をより一層目立ちにくくすることができる。なお、図15(b)においては、一のタッチ電極部2a1(3a1)と、他のタッチ電極部2a2(3a2)とを区別するために、便宜的に、一のタッチ電極部2a1(3a1)を構成する金属線を、他のタッチ電極2a2(3a2)を形成する金属線よりも僅かに太く示している。
【0049】
また、上記実施形態においては、図3や図4に示すように、タッチスイッチ100のタッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合において、透明基板1の一方面側に形成されるタッチ電極部2aと、当該タッチ電極部2aに隣接するタッチ電極部3a(透明基板1の他方面側に形成されるタッチ電極部)との間に、金属線が形成されない領域が存在する。この領域が存在することにより、タッチ電極部2aとタッチ電極部3aとの境界が目立つ場合があるが、例えば、図16に示すように、タッチ電極部3aを形成する金属線を、隣接するタッチ電極部2aの外縁を形成する金属線の位置まで延長するように構成することにより、タッチ電極部2aとタッチ電極部3aとの境界を目立ちにくくすることができる。特に、タッチ電極部2aとタッチ電極部3aとの間隔を各タッチ電極部2a,3aにおける格子間隔と等しくするように構成し、上述のように、タッチ電極部3aを形成する金属線を、隣接するタッチ電極部2aの外縁を形成する金属線の位置まで延長するように構成すると、タッチ電極部2aとタッチ電極部3aとの境界をより一層目立ちにくくすることができる。ここで、図16(a)は、タッチスイッチ100のタッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合における第1電極部形成領域21に形成されるタッチ電極部2aを示している。図16(b)は、タッチスイッチ100のタッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合における第2電極部形成領域31に形成されるタッチ電極部3a及び引き出し配線部3bを示している。また、図16(c)は、タッチスイッチ100のタッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合におけるタッチ電極部2a及びタッチ電極部3aの双方、並びに、引き出し配線部3bを示している。なお、図16(a)〜(c)においては、説明の容易化を図るために、タッチ電極部3aを形成する金属線のみが、隣接するタッチ電極部2aの外縁を形成する金属線の位置まで延長される構成を採用しているが、タッチ電極部2aを形成する金属線も同様な構成となるように形成することができる。
【0050】
上記実施形態においては、第1タッチ電極構造層2及び第2タッチ電極構造層3が有するタッチ電極部2a,3aのサイズを同一のサイズとして構成しているが、このような構成に特に限定されず、例えば、図17(a)(b)に示すように、第1タッチ電極構造層2が有する各タッチ電極部2aのサイズと、第2タッチ電極構造層3が有する各タッチ電極部3aのサイズとが互いに異なるように構成してもよい。なお、図17(a)は、タッチスイッチのタッチ面側から見た平面図であって、透明基板1の一方面側(タッチ面とは反対側の面側)に配置される第1タッチ電極構造層2を透過させて示す説明図であり、図17(b)は、タッチスイッチのタッチ面側から見た平面図であって、透明基板1の他方面側(タッチ面側)に配置される第2タッチ電極構造層3を示す説明図である。また、このような構成を採用する場合、第2タッチ電極構造層3が有するタッチ電極部3a(小さいサイズのタッチ電極部)が、第1タッチ電極構造層2が有するタッチ電極部2a(大きいサイズのタッチ電極部)のセンシングを補助するように構成してもよい。具体的には、図18の説明図に示すように、近接配置される1つの大きいサイズのタッチ電極部2aと1つの小さいサイズのタッチ電極部3aとで一組の入力電極9を構成し、大きいサイズのタッチ電極部2a或いは小さいサイズのタッチ電極部3aのいずれをタッチしても同一の入力信号が入力されたものとしてタッチスイッチ100を構成してもよい。なお、図18においては、保護層4及び粘着層5を省略して記載している。
【符号の説明】
【0051】
100 タッチスイッチ
1 透明基板
2 第1タッチ電極構造層
21 第1電極部形成領域
22 第1配線部形成領域
2a タッチ電極部
2b 引き出し配線部
2c 絶縁部
2d 金属線未形成領域
3 第2タッチ電極構造層
31 第2電極部形成領域
32 第2配線部形成領域
3a タッチ電極部
3b 引き出し配線部
3c 絶縁部
3d 金属線未形成領域
4 保護層
5 粘着層
6 第2透明基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
入力位置を検出するための透明タッチスイッチの構成は、従来から種々検討されているが、一例として静電容量式の透明タッチスイッチが知られている。例えば、特許文献1に開示された透明タッチスイッチは、それぞれ所定のパターン形状を有する透明導電膜を備えた一対の透明面状体の間に誘電体層が介在されて構成されており、指などが操作面に触れると、人体を介して接地されることによる静電容量の変化を利用して、タッチ位置を検出することができる。
【0003】
この透明タッチスイッチは、液晶表示装置やCRTなどの表面に装着して用いられるが、透明面状体に形成された透明導電膜のパターン形状が目立ってしまい、視認性の低下を招いていた。
【0004】
視認性の低下の対策として、特許文献2に開示された静電容量型タッチスイッチでは、光学設計(導電膜との界面の反射率とが実質的に等しくなる屈折率をもった誘電体層を備える)を施し、透明面状体に形成された透明導電膜のパターン形状が外部からほとんど認識することができない効果を得ている。特許文献2においての透明導電膜は、1.8〜2.0程度の屈折率をもった透明導電材、例えばITO(酸化インジウム・スズ)等からなっている。
【0005】
また特許文献3では、視認性の低下の対策と共に、感度の向上の対策も課題としている。この特許文献3の静電容量型タッチスイッチの構成は、「絶縁性を有する透明基板の表面に略全面的に形成された電極が透視を必要とする部分で網目構造をとる導電性薄膜からなり、各網目の輪郭が極細帯で構成され、この極細帯の帯幅wが30μm 以下であるとともに、電極の全光線透過率が70%以上であり、なおかつ電極の4 端子法による表面抵抗値が1Ω/cm2以下である」となり、「ITOなどの透明導電膜を用いずとも電極の透光性が確保され、且つ入力感度が向上する低抵抗を実現できるので、入力不良による誤作動等のない静電容量型タッチスイッチが得られる」というものである。
【0006】
特許文献4では、タッチ電極部と、当該タッチ電極部から引き出される引き出し配線部とを備える静電容量式のタッチスイッチとして、図19の平面図に示す構造のものが知られている。このタッチスイッチ101は、絶縁性の透明基板102、透明基板の第一面に形成されたタッチ電極部103、および透明基板の第一面に形成された引き出し配線部104を備えている。なお、タッチ電極部103は、カーボンナノチューブ構造体からなる導電膜により形成されている。このようなタッチスイッチ101においては、透明基板102の端部にいくにしたがって、引き出し配線部104の数が増加する。そのため、引き出し配線部104の集中するタッチスイッチ101の端部にいくにしたがって、図19に示すようにタッチ電極部103が小さくなり、センシング可能領域が減少することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−173238号公報(図1、図5)
【特許文献2】特開2010−79734号公報(図4、段落[0019])
【特許文献3】特開2006−344163号公報([請求項1][発明の効果]段落[0031])
【特許文献4】特開2009−146419 (図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、上述の静電容量式の透明タッチスイッチは、大型化傾向にある。網目構造の静電容量式の透明タッチスイッチが大型になると、タッチ電極部が増え、タッチ電極部からの引き出し配線部が増えることになる。引き出し配線部は、図19に示すように、基板上に所定間隔をあけて配置される複数のタッチ電極部の間に配置されており、この引き出し配線部が増加すると、タッチスイッチにおける引き出し配線部が占有する面積が増え、必然的にタッチ電極部の面積が減り(センシング不可エリアが増え)、精度よくセンシングすることが困難であるという問題があった。
【0009】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、高精度なセンシングが可能なタッチスイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記目的は、絶縁層と、前記絶縁層の一方面側に配置される第1タッチ電極構造層と、前記絶縁層の他方面側に配置される第2タッチ電極構造層と、を有するタッチスイッチであって、前記第1タッチ電極構造層は、間隔をあけて複数配置される第1電極部形成領域と、前記各第1電極部形成領域の間に配置される第1配線部形成領域とを備えており、前記第2タッチ電極構造層は、間隔をあけて複数配置される第2電極部形成領域と、前記各第2電極部形成領域の間に配置される第2配線部形成領域とを備えており、第1電極部形成領域及び第2電極部形成領域は、金属線を網目状にして形成される複数のタッチ電極部をそれぞれ備え、第1配線部形成領域及び第2配線部形成領域は、前記各タッチ電極部から前記絶縁層の端部に向けて引き出される金属線からなる引き出し配線部をそれぞれ備え、前記第1電極部形成領域は、前記絶縁層を介して、前記第2配線部形成領域の反対側に設けられており、前記第2電極部形成領域は、前記絶縁層を介して、前記第1配線部形成領域の反対側に設けられているタッチスイッチより達成される。
【0011】
このような構成によれば、透明基板等の絶縁層の一方面側に複数並んで配置される各第1電極部形成領域の間におけるセンシング不可エリア(第1配線部形成領域)のセンシングを、絶縁層の他方面側に複数並んで配置される第2電極部形成領域におけるタッチ電極部が行なうことが可能になる。つまり、引き出し配線部が占有する領域(第1配線部形成領域または第2配線部形成領域。以後、「引き出し配線占有領域」と記載。)の影響を受けずにセンシングを行なうことが可能になる。このように、従来、センシングが困難であった引き出し配線占有領域についても、この引き出し配線占有領域の影響を受けずに確実にセンシングすることが可能であることから、引き出し配線部の数が増加した場合であっても、センシング性能に悪影響を及ぼすことがなく、タッチ電極部及び引き出し配線部の数の増加を伴うタッチスイッチの大型化に対応することが可能となる。また、タッチ電極部のサイズを小さく形成して(タッチ電極部の形成密度を増加させて)、タッチスイッチの分解能を高めようとする場合、引き出し配線部の数も増加することになるが、このような場合であっても、センシングができない領域が増加することを防止することができ、所望の分解能を有するタッチスイッチを得ることが可能になる。
【0012】
また、このタッチスイッチにおいて、前記各引き出し配線部は、単一の金属線として、或いは、複数の金属線の集合体として形成されており、前記各タッチ電極部は、前記絶縁層を介して反対側に配置される前記引き出し配線部に対応する領域に、金属線が形成されない金属線未形成領域を備えることが好ましい。
【0013】
このような構成によれば、タッチスイッチのタッチ面側からタッチスイッチを見た場合、絶縁層を介してタッチ電極部の反対側に配置される引き出し配線部が、金属線未形成領域に重なり、あたかも当該引き出し配線部が、タッチ電極部の一部のように構成でき、引き出し配線部の形状を目立たなくすることが可能となる。
【0014】
また、前記タッチ電極部を形成する金属線の線幅と、前記引き出し配線部を形成する金属線の線幅とが、略同一であることが好ましい。このような構成によれば、引き出し配線部の形状をより一層目立たなくすることが可能になる。
【0015】
また、前記絶縁層は、透明基板であり、前記第1タッチ電極構造層は、前記透明基板の一方の主面上に設けられており、前記第2タッチ電極構造層は、前記透明基板の他方の主面上に設けられていることが好ましい。
【0016】
また、前記第1タッチ電極構造層は、第1透明基板の主面上に設けられており、前記第2タッチ電極構造層は、前記透明基板と平行に配置される第2透明基板の主面上に設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、高精度なセンシングが可能なタッチスイッチを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係るタッチスイッチの概略構成断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図1の矢視A方向から見た平面図であって、透明基板の一方面側に配置される第1タッチ電極構造層を透過させて示す説明図である。
【図4】図1の矢視A方向から見た平面図であって、透明基板の他方面側に配置される第2タッチ電極構造層を示す説明図である。
【図5】図3又は図4に示すタッチ電極部の変形例を示す平面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るタッチスイッチの作動を説明するための説明図である。
【図7】図1に示すタッチスイッチの変形例を示す概略構成断面図である。
【図8】図1に示すタッチスイッチのその他に変形例を示す概略構成断面図である。
【図9】図1に示すタッチスイッチの更にその他に変形例を示す概略構成断面図の要部拡大図である。
【図10】図3又は図4に示す引き出し配線部の変形例を示す平面図である。
【図11】図3又は図4に示す引き出し配線部のその他の変形例を示す平面図である。
【図12】図3又は図4に示す引き出し配線部の更にその他の変形例を示す平面図である。
【図13】図3又は図4に示すタッチ電極部のその他の変形例を示す平面図である。
【図14】図3又は図4に示すタッチ電極部のその他の変形例を示す平面図である。
【図15】図3又は図4に示すタッチ電極部のその他の変形例を示す平面図である。
【図16】図3又は図4に示すタッチ電極部のその他の変形例を示す平面図である。
【図17】図1に示すタッチスイッチの更にその他に変形例を示す概略構成平面図である。
【図18】図17に示すタッチスイッチの作動を説明するための説明図である。
【図19】従来のタッチスイッチを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実態形態にかかるタッチスイッチについて添付図面を参照して説明する。尚、各図面は、構成の理解を容易にするため、実寸比ではなく部分的に拡大又は縮小されている。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係るタッチスイッチ100の概略構成断面図であり、図2は、その要部拡大図である。なお、図2においては、図1に示す保護層4及び粘着層5を省略して記載している。図3は、図1の矢視A方向から見た平面図であって、後述する絶縁層である透明基板1の一方面側に配置される(透明基板1を介して第2タッチ電極構造層3の反対側に配置される)第1タッチ電極構造層2を透過させて示す説明図である。図4は、図1の矢視A方向から見た平面図であって、後述する透明基板1の他方面側に配置される第2タッチ電極構造層3を示す説明図である。
【0021】
本発明の一実施形態に係るタッチスイッチ100は、例えば、銀行端末(キャッシュディスペンサー)、券売機、パソコン、OA機器、電子手帳、PDA、携帯電話等の表示装置に取り付けられて使用される静電容量式のタッチスイッチ100であり、透明基板1と、透明基板1の一方面上に配置される第1タッチ電極構造層2と、透明基板1の他方面上に配置される第2タッチ電極構造層3と、第2タッチ電極構造層3を被覆する保護層4とを備えている。保護層4は、粘着層5を介して第2タッチ電極構造層3上に貼着されている。なお、タッチスイッチ100の取り付けに際しては、保護層4側が露出面(タッチ面)となるように、透明な粘着層(図示せず)を介して表示装置に取り付けられる。
【0022】
透明基板1は、絶縁層を構成する誘電体基板であり、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、アクリル、非晶性ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、脂肪族環状ポリオレフィン、ノルボルネン系の熱可塑性透明樹脂などの合成樹脂製の可撓性フィルムやこれら2種以上の積層体、或いは、ソーダガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどのガラス板により形成される。透明基板1の厚みは、特に限定されないが、例えば、合成樹脂製の可撓性フィルムにより透明基板1を構成する場合には、10μm〜2000μm程度とすることが好ましく、50μm〜500μm程度とすることがさらに好ましい。また、ガラス板により透明基板1を構成する場合には、0.1mm〜5mm程度とすることが好ましい。
【0023】
また、可撓性を有する材料から透明基板1を形成する場合、当該透明基板1に剛性を付与するために支持体を貼着してもよい。支持体としては、ガラス板や、ガラスに準ずる硬度を有する樹脂材料を例示することができ、その厚さは100μm以上であることが好ましく、0.2mm〜10mmであることがより好ましい。
【0024】
透明基板1の一方の主面上に配置される第1タッチ電極構造層2は、図2の拡大図及び図3の説明図に示すように、間隔をあけて複数配置される第1電極部形成領域21及び各第1電極部形成領域21の間に配置される第1配線部形成領域22を備えている。各第1電極部形成領域21及び各第1配線部形成領域22は、帯状に延びる領域(図3の上下方向に延びる帯状領域)として形成されている。各第1電極部形成領域21には、複数のタッチ電極部2aがそれぞれ形成されており、第1配線部形成領域22には、各タッチ電極部2aから透明基板1の端部に向けて引き出される引き出し配線部2bがそれぞれ形成されている。なお、図3においては、透明基板1の他方面上に形成されるタッチ電極部3aを破線にて示し、透明基板1の他方面上に形成される引き出し配線部3bを省略して示している。
【0025】
透明基板1の他方の主面上に配置される第2タッチ電極構造層3も上述の第1タッチ電極構造層2と同一の構成を有しており、図4の説明図に示すように、間隔をあけて複数配置される第2電極部形成領域31及び各第2電極部形成領域31の間に配置される第2配線部形成領域32を備えている。各第2電極部形成領域31及び各第2配線部形成領域32は、帯状に延びる領域(図4の上下方向に延びる帯状領域)として形成されている。第2電極部形成領域31には、複数のタッチ電極部3aがそれぞれ形成されており、第2配線部形成領域32には、各タッチ電極部3aから透明基板1の端部に向けて引き出される引き出し配線部3bがそれぞれ形成されている。なお、図4においては、透明基板1の一方面上に形成されるタッチ電極部2aを破線にて示し、透明基板1の他方面上に形成される引き出し配線部2bを省略して示している。
【0026】
第1電極部形成領域21は、図2に示すように、透明基板1を介して、第2配線部形成領域32の反対側に設けられており、第2電極部形成領域31は、透明基板1を介して、第1配線部形成領域22の反対側に設けられている。このような構成により、第1電極部形成領域21に形成されるタッチ電極部2aと、第2配線部形成領域32に形成される引き出し配線部3bとは、平面視において、互いに重なる位置関係となり、また、第2電極部形成領域31に形成されるタッチ電極部3aと、第1配線部形成領域22に形成される引き出し配線部2bとは、平面視において、互いに重なる位置関係となる(図3及び図4参照)。
【0027】
第1電極部形成領域21及び第2電極部形成領域31にそれぞれ形成される各タッチ電極部2a,3aの外形形状は、方形であり、その方形は網目状となった金属線により形成される。各タッチ電極部2a,3aは、各第1電極部形成領域21又は各第2電極部形成領域31の長手方向に沿って並べて配置されている。隣接するタッチ電極部2a(3a)同士は絶縁する必要があるため、各タッチ電極部2a(3a)の間には、絶縁部2c(3c)が設けられている。
【0028】
タッチ電極部2a,3aの外形形状は、指などの接触ポイントを検出可能である限り、方形以外の任意の形状とすることが可能である。また、網目状の具体例としては、金属線を格子状にした形状を挙げることができる。格子状形状としては、図3や図4に示すように、透明基板1の各辺に平行となるように金属線を配置して格子状形状を形成してもよく、或いは、図5に示すように、透明基板1の各辺に対して所定角度傾くように金属線を配置して格子状形状を形成してもよい。金属線は、極細線であり、金属線同士は略等間隔に並べられている。金属線の線幅は、5μm〜50μmの範囲とすることが好ましく、特に10μm〜30μmの範囲とすることが好ましい。また、隣接する金属線同士の間隔は、100μm〜1000μmの範囲とすることが好ましい。
【0029】
第1配線部形成領域22及び第2配線部形成領域32にそれぞれ形成される引き出し配線部2b,3bは、図3及び図4に示すように、一本(単一)の直線状の金属線により形成されており、各タッチ電極部2a,3aから透明基板1の端部に向けて伸びるように引き出されている。隣接する引き出し配線部2b(3b)同士は絶縁する必要があるため、各引き出し配線部2b(3b)の間にも、絶縁部2c(3c)が設けられている。引き出し配線部2b,3bを形成する金属線は極細線であり、タッチ電極部2a,3aを構成する金属線と略同一の線幅となるように形成することが好ましい。引き出し配線部2b,3bは、透明基板1の端部でタッチ電極部2a,3aの静電容量の変化を検出する検出回路(図示せず)に接続されている。
【0030】
タッチ電極部2a,3a及び引き出し配線部2b,3bを構成する金属線の形成方法は、(A)極微細な導電性粒子を含む導電性ペーストを透明基板1上にスクリーン印刷する方法(特開2007−142334等参照)、(B)銅などの金属箔を透明基板1上に積層し、金属箔の上にレジストパターンを形成し、金属箔をエッチングする方法(特開2008−32884等参照)が挙げられる。なお、タッチ電極部2a,3a及び引き出し配線部2b,3bを構成する金属線を形成する場合、透明基板1を挟んで両側に配置されるタッチ電極部2a(3a)の金属線と、引き出し配線部2b(3b)の金属線とが、タッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合に、互いに重なるように形成することが好ましい。
【0031】
上記(A)の形成方法における導電性粒子としては、銀を主成分とする微粒子を挙げることができる。また、例えば、金、銀、銅、金と銀の合金、金と銅の合金、銀と銅の合金、金と銀と銅の合金のいずれか一を主成分とする微粒子でもよい。また、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化インジウムに酸化亜鉛を混合した導電性酸化物(IZO[indium
zinc oxide])、または酸化インジウムに酸化珪素を混合した導電性酸化物(ITSO)を主成分とする微粒子でもよい。
【0032】
また、金属線の形成方法は、上記(A)(B)の形成方法に限定されることはなく、上記(A)以外のグラビア印刷などの印刷方法や上記(B)以外のフォトリソグラフィを使用してもよい。
【0033】
粘着層5は、エポキシ系やアクリル系など、一般的な透明接着剤を用いることができ、ポリエステル系樹脂の透明性フィルムからなる芯材を含むものであってもよい。また、シート状粘着材を複数枚重ね合わせることにより粘着層5を形成してもよく、更に、複数種類のシート状粘着材を重ね合わせて形成してもよい。粘着層5の厚みは、特に限定されないが、実用上では200μm以下であることが好ましい。
【0034】
保護層4は、タッチ面側に配置される第2タッチ電極構造層3を保護するものであり、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、アクリル等から形成した透明なフィルム体や、ソーダガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどのガラス板により構成される。なお、フィルム体やガラス板の代わりに、透明な樹脂を第2タッチ電極構造層3上に積層して保護層4を形成してもよい。この保護層4の厚みは、特に限定されないが、0.1mm〜10mm程度とすることが好ましい。
【0035】
以上の構成を備えるタッチスイッチ100において、タッチスイッチ100の表面側に指などで触れると、タッチ電極部タッチ電極部2a,3aで静電容量の変化が生じる。引き出し配線部2b,3bを介して接続された検出回路で前記静電容量の変化を検出することによって、タッチ電極部タッチ電極部2a,3aに指などが触れたか否かを判定する。
【0036】
本実施形態に係るタッチスイッチ100は、絶縁層である透明基板1の一方面側及び他方面側に、タッチ電極部2a,3aと、タッチ電極部2a,3aから引き出される引き出し配線部2b,3bとをそれぞれ形成し、更に、透明基板1の一方面側に形成されるタッチ電極部2aと、透明基板1の他方面側に形成される引き出し配線部3bとが、平面視において互いに重なり合うように構成し、透明基板1の他方面側に形成されるタッチ電極部3aと、透明基板1の一方面側に形成される引き出し配線部2bとが、平面視において互いに重なり合うように構成している。このような構成により、引き出し配線部2b,3bが占有する領域(第1配線部形成領域22、第2配線部形成領域32)の影響を受けずにセンシングを行なうことが可能になる。図6を用いて具体的に説明すると、例えば、透明基板1の他方面側に形成されるタッチ電極部3a,3aの間に形成される第2配線部形成領域32をタッチした場合であっても、透明基板1の一方面側に形成されるタッチ電極部2aの静電容量の変化を検出できるため、タッチ位置を正確に認識することが可能になる。
【0037】
このように本実施形態に係るタッチスイッチ100は、従来、センシングが困難であった引き出し配線占有領域(図6における第2配線部形成領域32に相当)についても、この引き出し配線占有領域の影響を受けずに確実にセンシングすることが可能であることから、引き出し配線部2b,3bの数が増加した場合であっても、センシング性能が低下することを防止できる。この結果、タッチ電極部2a,3a及び引き出し配線部2b,3bの数の増加を伴うタッチスイッチ100の大型化に対応することが可能となる。
【0038】
また、各タッチ電極部2a,3aのサイズを小さく形成して(タッチ電極部2a,3aの形成密度を増加させて)、タッチスイッチ100の分解能を高めようとする場合、タッチ電極部2a,3aの数の増加に伴い引き出し配線部2b,3bの数も増加することになるが、このような場合であっても、センシングできない領域が拡大することを防止することができる。
【0039】
以上、本発明に係るタッチスイッチ100の実施形態について説明したが、具体的構成は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態においては、第1タッチ電極構造層2を絶縁層である透明基板1の一方面上に直接配置し、第2タッチ電極構造層3を透明基板1の他方面上(裏面上)に直接配置するように構成しているが、第1タッチ電極構造層2における第1電極部形成領域21を、絶縁層を介して、第2配線部形成領域32の反対側に設けると共に、第2電極部形成領域31を、絶縁層を介して、第1配線部形成領域22の反対側に設ける構成であればよく、透明基板1上に直接、第1タッチ電極構造層2および第2タッチ電極構造層3を形成する構成に限定されない。例えば、第1タッチ電極構造層2および第2タッチ電極構造層3を夫々別の透明基板上に設けてもよい。具体的には、図7に示すように、一方面に第1タッチ電極構造層2が形成される透明基板1と、一方面に第2タッチ電極構造層3が形成される第2透明基板6とを、絶縁層である粘着層5を介して貼着するようにしてタッチスイッチ100を構成してもよい。なお、透明基板1と第2透明基板6とは、互いに略平行となるように配置されている。図7においては、第2タッチ電極構造層3が、絶縁層である粘着層5を介して透明基板1に対向するようにして構成されているが、図8に示すように、第2透明基板6が、絶縁層である粘着層5を介して透明基板1に対向するように構成してもよい。
【0040】
また、図1、図7及び図8のタッチスイッチ100の構成の他に、図9の要部拡大図に示すようなタッチスイッチ100によっても、上述の効果と同等の効果を得ることができる。図9に示すタッチスイッチ100は、上述の第1タッチ電極構造層2を一方面側に有する透明基板1と、上述の第2タッチ電極構造層3を一方面側に有する第2透明基板6とを備え、第1タッチ電極構造層2と、前記第2タッチ電極構造層3とが、絶縁層である粘着層5を介して互いに対向する向きに貼着されるように構成されている。第1タッチ電極構造層2及び第2タッチ電極構造層3が有する第1電極部形成領域21及び第2電極部形成領域31には、金属線を網目状にして形成される複数のタッチ電極部2a,3aがそれぞれ形成されている。また、第1タッチ電極構造層2及び第2タッチ電極構造層3が有する第1配線部形成領域22及び第2配線部形成領域32には、各タッチ電極部2a,3aから各基板(透明基板1及び第2透明基板6)の端部に向けて引き出される引き出し配線部2b,3bがそれぞれ形成されている。また、第1電極部形成領域21は、絶縁層である粘着層5を介して、第2配線部形成領域32の反対側に設けられており、第2電極部形成領域31は、粘着層5を介して、第1配線部形成領域22の反対側に設けられている。
【0041】
また、上記実施形態においては、引き出し配線部2b,3bを単一の金属線により形成しているが、このような構成に特に限定されず、引き出し配線部2b,3bを複数の金属線の集合体として構成してもよい。例えば、図10に示すように、2本以上の互いに平行な金属線により引き出し配線部2b,3bを構成してもよく、或いは、図11に示すように、金属線を網目状にして引き出し配線部2b,3bを構成してもよい。
【0042】
また、上記実施形態においては、引き出し配線部2b,3bを直線状の金属線により形成しているが、例えば、図12に示すように、波形形状の金属線により構成してもよい。波形形状としては、図12に示すように、屈曲部を有する折れ線状となる形状を採用してもよい。
【0043】
また、上記実施形態においては、タッチスイッチ100のタッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合、透明基板1を介して、タッチ電極部2a(3a)と引き出し配線部3b(2b)とが重なっているため、タッチ電極部2a(3a)を形成する金属線と、金属線から形成される引き出し配線部3b(2b)との位置関係や、タッチ電極部2a(3a)及び引き出し配線部3b(2b)を形成する金属線の重なり方等によっては、引き出し配線部2b,3bの形状が目立つ場合がある。このような事態を回避するため、第1電極部形成領域21(第2電極部形成領域31)に形成される各タッチ電極部2a(3a)が、透明基板1を介して反対側に配置される引き出し配線部3b(2b)に対応する領域に、金属線が形成されない金属線未形成領域を備えるように構成してもよい。
【0044】
この構成について、図13を用いて以下具体的に説明する。図13(a)は、タッチスイッチ100のタッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合における第1電極部形成領域21に形成されるタッチ電極部2aを示している。図13(b)は、タッチスイッチ100のタッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合における第2電極部形成領域31に形成されるタッチ電極部3a及び引き出し配線部3bを示している。また、図13(c)は、タッチスイッチ100のタッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合におけるタッチ電極部2a及びタッチ電極部3aの双方、並びに、引き出し配線部3bを示している。図13(a)に示すように、タッチ電極部2aは、透明基板1を介して反対側に配置される引き出し配線部3bに対応する領域に、金属線が形成されない金属線未形成領域2dを備えている。なお、説明の容易化を図るため、便宜的に金属線未形成領域2dを二点鎖線にて示している。このような構成を採用することにより、タッチスイッチ100のタッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合、図13(c)に示すように、透明基板1を介してタッチ電極部2aの反対側に配置される引き出し配線部3bが、金属線未形成領域2dに重なり、あたかも当該引き出し配線部3bが、タッチ電極部3aの一部のように構成でき、引き出し配線部3bの形状を目立たなくすることが可能となる。
【0045】
また、金属線を網目状にして引き出し配線部3bを形成する場合には、図14(特に図14(a))に示すように、当該引き出し配線部3bの反対側に配置されるタッチ電極部2aを構成する複数の金属線が互いに電気的に接続するように金属線未形成領域2dを形成する。ここで、図14(a)は、タッチスイッチ100のタッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合における第1電極部形成領域21に形成されるタッチ電極部2aを示している。図14(b)は、タッチスイッチ100のタッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合における第2電極部形成領域31に形成されるタッチ電極部3a及び網目状の引き出し配線部3bを示している。また、図14(c)は、タッチスイッチ100のタッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合におけるタッチ電極部2a及びタッチ電極部3aの双方、並びに、網目状の引き出し配線部3bを示している。
【0046】
なお、図13(a)〜(c)、図14(a)〜(c)においては、便宜的に、タッチ電極部2aのみが、金属線未形成領域2dを備える構成として説明しているが、タッチ電極部3aも同様な金属線未形成領域を備えるように構成してもよい。
【0047】
また、上記実施形態において、図3や図4に示すように、各第1電極部形成領域21及び各第2電極部形成領域31において、互いに隣接して形成されるタッチ電極部2a,3a間に絶縁部2c,3cを形成している。この絶縁部2c,3cは、金属線を全く形成しない領域として形成されているが、このような構成に特に限定されず、例えば、図15(a)に示すように、一のタッチ電極部2a1(3a1)を形成する金属線を、隣接する他のタッチ電極部2a2(3a2)の外縁を形成する金属線近傍まで延長して絶縁部2c(3c)を形成してもよい。なお、延長した金属線は、他のタッチ電極部2a2(3a2)の外縁を形成する金属線に接続していないことはいうまでもない。このような構成によれば、絶縁部2c(3c)を目立たなくすることが可能になる。なお、図15(a)においては、一のタッチ電極部2a1(3a1)と、他のタッチ電極部2a2(3a2)との違いを明確にするために、一のタッチ電極部2a1(3a1)を構成する金属線を、他のタッチ電極部2a2(3a2)を形成する金属線よりも僅かに太く示している。
【0048】
また、図15(b)に示すように、一のタッチ電極部2a1(3a1)を形成する金属線の一部を、隣接する他のタッチ電極部2a2(3a2)の外縁を形成する金属線近傍まで延長すると共に、他のタッチ電極部2a2(3a2)を形成する金属線の一部を、一のタッチ電極部2a1(3a1)の外縁を形成する金属線近傍まで延長して絶縁部2c(3c)を構成してもよい。この場合、一のタッチ電極部2a1(3a1)から延長される金属線と、他のタッチ電極部2a2(3a2)から延長される金属線とが、互い違いとなるように構成することが好ましい。このような構成を採用すると、延長した金属線とタッチ電極部2a,3aの外縁を形成する金属線との間に設けられる非接続点が連なって一本の線として視認されることを防止することができ、タッチ電極部2a(3a)と絶縁部2c(3c)との境界を目立たなくすることが可能となる。特に、互いに隣接するタッチ電極部2a(3a)同士の間隔を、各タッチ電極部2a(3a)における格子間隔と等しくするように構成し、上述のように、タッチ電極部2a(3a)を形成する金属線を、隣接するタッチ電極部2a(3a)の外縁を形成する金属線近傍の位置まで延長するように構成すると、各タッチ電極部2a(3a)同士の境界をより一層目立ちにくくすることができる。なお、図15(b)においては、一のタッチ電極部2a1(3a1)と、他のタッチ電極部2a2(3a2)とを区別するために、便宜的に、一のタッチ電極部2a1(3a1)を構成する金属線を、他のタッチ電極2a2(3a2)を形成する金属線よりも僅かに太く示している。
【0049】
また、上記実施形態においては、図3や図4に示すように、タッチスイッチ100のタッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合において、透明基板1の一方面側に形成されるタッチ電極部2aと、当該タッチ電極部2aに隣接するタッチ電極部3a(透明基板1の他方面側に形成されるタッチ電極部)との間に、金属線が形成されない領域が存在する。この領域が存在することにより、タッチ電極部2aとタッチ電極部3aとの境界が目立つ場合があるが、例えば、図16に示すように、タッチ電極部3aを形成する金属線を、隣接するタッチ電極部2aの外縁を形成する金属線の位置まで延長するように構成することにより、タッチ電極部2aとタッチ電極部3aとの境界を目立ちにくくすることができる。特に、タッチ電極部2aとタッチ電極部3aとの間隔を各タッチ電極部2a,3aにおける格子間隔と等しくするように構成し、上述のように、タッチ電極部3aを形成する金属線を、隣接するタッチ電極部2aの外縁を形成する金属線の位置まで延長するように構成すると、タッチ電極部2aとタッチ電極部3aとの境界をより一層目立ちにくくすることができる。ここで、図16(a)は、タッチスイッチ100のタッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合における第1電極部形成領域21に形成されるタッチ電極部2aを示している。図16(b)は、タッチスイッチ100のタッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合における第2電極部形成領域31に形成されるタッチ電極部3a及び引き出し配線部3bを示している。また、図16(c)は、タッチスイッチ100のタッチ面側からタッチスイッチ100を見た場合におけるタッチ電極部2a及びタッチ電極部3aの双方、並びに、引き出し配線部3bを示している。なお、図16(a)〜(c)においては、説明の容易化を図るために、タッチ電極部3aを形成する金属線のみが、隣接するタッチ電極部2aの外縁を形成する金属線の位置まで延長される構成を採用しているが、タッチ電極部2aを形成する金属線も同様な構成となるように形成することができる。
【0050】
上記実施形態においては、第1タッチ電極構造層2及び第2タッチ電極構造層3が有するタッチ電極部2a,3aのサイズを同一のサイズとして構成しているが、このような構成に特に限定されず、例えば、図17(a)(b)に示すように、第1タッチ電極構造層2が有する各タッチ電極部2aのサイズと、第2タッチ電極構造層3が有する各タッチ電極部3aのサイズとが互いに異なるように構成してもよい。なお、図17(a)は、タッチスイッチのタッチ面側から見た平面図であって、透明基板1の一方面側(タッチ面とは反対側の面側)に配置される第1タッチ電極構造層2を透過させて示す説明図であり、図17(b)は、タッチスイッチのタッチ面側から見た平面図であって、透明基板1の他方面側(タッチ面側)に配置される第2タッチ電極構造層3を示す説明図である。また、このような構成を採用する場合、第2タッチ電極構造層3が有するタッチ電極部3a(小さいサイズのタッチ電極部)が、第1タッチ電極構造層2が有するタッチ電極部2a(大きいサイズのタッチ電極部)のセンシングを補助するように構成してもよい。具体的には、図18の説明図に示すように、近接配置される1つの大きいサイズのタッチ電極部2aと1つの小さいサイズのタッチ電極部3aとで一組の入力電極9を構成し、大きいサイズのタッチ電極部2a或いは小さいサイズのタッチ電極部3aのいずれをタッチしても同一の入力信号が入力されたものとしてタッチスイッチ100を構成してもよい。なお、図18においては、保護層4及び粘着層5を省略して記載している。
【符号の説明】
【0051】
100 タッチスイッチ
1 透明基板
2 第1タッチ電極構造層
21 第1電極部形成領域
22 第1配線部形成領域
2a タッチ電極部
2b 引き出し配線部
2c 絶縁部
2d 金属線未形成領域
3 第2タッチ電極構造層
31 第2電極部形成領域
32 第2配線部形成領域
3a タッチ電極部
3b 引き出し配線部
3c 絶縁部
3d 金属線未形成領域
4 保護層
5 粘着層
6 第2透明基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層と、前記絶縁層の一方面側に配置される第1タッチ電極構造層と、前記絶縁層の他方面側に配置される第2タッチ電極構造層と、を有するタッチスイッチであって、
前記第1タッチ電極構造層は、間隔をあけて複数配置される第1電極部形成領域と、前記各第1電極部形成領域の間に配置される第1配線部形成領域とを備えており、
前記第2タッチ電極構造層は、間隔をあけて複数配置される第2電極部形成領域と、前記各第2電極部形成領域の間に配置される第2配線部形成領域とを備えており、
第1電極部形成領域及び第2電極部形成領域は、金属線を網目状にして形成される複数のタッチ電極部をそれぞれ備え、
第1配線部形成領域及び第2配線部形成領域は、前記各タッチ電極部から前記絶縁層の端部に向けて引き出される金属線からなる引き出し配線部をそれぞれ備え、
前記第1電極部形成領域は、前記絶縁層を介して、前記第2配線部形成領域の反対側に設けられており、前記第2電極部形成領域は、前記絶縁層を介して、前記第1配線部形成領域の反対側に設けられているタッチスイッチ。
【請求項2】
前記各引き出し配線部は、単一の金属線として、或いは、複数の金属線の集合体として形成されており、
前記各タッチ電極部は、前記絶縁層を介して反対側に配置される前記引き出し配線部に対応する領域に、金属線が形成されない金属線未形成領域を備える請求項1に記載のタッチスイッチ。
【請求項3】
前記タッチ電極部を形成する金属線の線幅と、前記引き出し配線部を形成する金属線の線幅とが、略同一である請求項1又は2に記載のタッチスイッチ。
【請求項4】
前記絶縁層は、透明基板であり、
前記第1タッチ電極構造層は、前記透明基板の一方の主面上に設けられており、前記第2タッチ電極構造層は、前記透明基板の他方の主面上に設けられている請求項1から3のいずれかに記載のタッチスイッチ。
【請求項5】
前記第1タッチ電極構造層は、第1透明基板の主面上に設けられており、前記第2タッチ電極構造層は、前記透明基板と平行に配置される第2透明基板の主面上に設けられている請求項1から3のいずれかに記載のタッチスイッチ。
【請求項1】
絶縁層と、前記絶縁層の一方面側に配置される第1タッチ電極構造層と、前記絶縁層の他方面側に配置される第2タッチ電極構造層と、を有するタッチスイッチであって、
前記第1タッチ電極構造層は、間隔をあけて複数配置される第1電極部形成領域と、前記各第1電極部形成領域の間に配置される第1配線部形成領域とを備えており、
前記第2タッチ電極構造層は、間隔をあけて複数配置される第2電極部形成領域と、前記各第2電極部形成領域の間に配置される第2配線部形成領域とを備えており、
第1電極部形成領域及び第2電極部形成領域は、金属線を網目状にして形成される複数のタッチ電極部をそれぞれ備え、
第1配線部形成領域及び第2配線部形成領域は、前記各タッチ電極部から前記絶縁層の端部に向けて引き出される金属線からなる引き出し配線部をそれぞれ備え、
前記第1電極部形成領域は、前記絶縁層を介して、前記第2配線部形成領域の反対側に設けられており、前記第2電極部形成領域は、前記絶縁層を介して、前記第1配線部形成領域の反対側に設けられているタッチスイッチ。
【請求項2】
前記各引き出し配線部は、単一の金属線として、或いは、複数の金属線の集合体として形成されており、
前記各タッチ電極部は、前記絶縁層を介して反対側に配置される前記引き出し配線部に対応する領域に、金属線が形成されない金属線未形成領域を備える請求項1に記載のタッチスイッチ。
【請求項3】
前記タッチ電極部を形成する金属線の線幅と、前記引き出し配線部を形成する金属線の線幅とが、略同一である請求項1又は2に記載のタッチスイッチ。
【請求項4】
前記絶縁層は、透明基板であり、
前記第1タッチ電極構造層は、前記透明基板の一方の主面上に設けられており、前記第2タッチ電極構造層は、前記透明基板の他方の主面上に設けられている請求項1から3のいずれかに記載のタッチスイッチ。
【請求項5】
前記第1タッチ電極構造層は、第1透明基板の主面上に設けられており、前記第2タッチ電極構造層は、前記透明基板と平行に配置される第2透明基板の主面上に設けられている請求項1から3のいずれかに記載のタッチスイッチ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−43652(P2012−43652A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−184025(P2010−184025)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(000001339)グンゼ株式会社 (919)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(000001339)グンゼ株式会社 (919)
【Fターム(参考)】
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