説明

タッチパネル操作方式の携帯端末

【課題】簡易にドキュメントのページ編集が可能な、タッチパネル方式携帯端末の提供。
【解決手段】ドキュメントを構成するページの内、所定枚数のページを一括表示しうる表示手段と、指またはタッチペンによって編集対象のページを選択した場合に、選択ページのページ情報を保存する編集対象ページ情報保存手段と、編集対象ページを選択した状態のままで、表示手段の画面上に表示されたスクロールシンボルに指またはタッチペンを移動することによって他ページを表示する画面へ表示をスクロールするスクロール手段と、スクロール操作によってスクロール先の画面上の所定位置において編集対象ページの選択を解除した場合に、解除位置の座標から編集対象ページの挿入位置を算出する挿入ページ位置算出手段と、挿入ページ位置算出手段によって算出された場所に編集対象ページを挿入するページ挿入手段とを備えた携帯端末装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル操作方式の携帯端末において、画面上でドキュメントファイルの編集を行うドキュメントファイル編集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネル操作方式携帯端末は、キーボード、マウス等の外部機器を使用せず、表示画面上を専用のタッチペン、若しくは指で直接選択して操作する。
昨今では、所謂スマートフォンに代表される小型端末から、無線LANによる通信機能を有し、インターネット上のページ閲覧、ドキュメントのビューワー、各種ゲーム等の多彩なアプリケーションによってカスタマイズが可能な、ノートサイズのタブレットPCまで多種多用な端末が普及しつつある。
【0003】
タッチパネル操作方式の場合、一般的なノート型PCとは異なり、キーボード、マウス等の外部の操作機器を接続せずに、画面を直接指若しくは専用のタッチペンで選択することによって画面操作を行うため、クリック、ドラッグアンドドロップ等の操作が主となるインターネットページの閲覧、ゲーム画面等の操作には適しているが、テキスト文字入力、図形描画、ドキュメントの編集等の作業は、キーボード、マウス等と比較すると行い難い。
【0004】
特に、小型の携帯端末の場合、一般的なPCと比較して画面が小さいことから、マルチウィンドウ方式によって、複数のウィンドウを表示させた場合には、個々のウィンドウの表示内容が視認し難いことから、マルチウィンドウ方式が採用できない。
従って、画面上での操作は、当該画面内で閉じた範囲に限定され、他画面間で操作内容を引き継ぐことができなかった。
【0005】
また、小型の携帯端末においては、複数のページからなるドキュメントの構成ページを、一画面で一括表示した場合には、一ページ毎の表示サイズを小さくし過ぎると、当該ページの表示内容が把握できなくなることから、画面に表示可能なページ枚数は所定数以内に限定される。
また上記の通り、画面上の操作は当該画面内で閉じた範囲に限定されてしまうことから、ドキュメントページの入替操作を行う場合等は、表示画面内の範囲内でのみ可能であった。
具体的には、例えば全10ページのプレゼンテーション資料等のドキュメントが存在し、携帯端末の一画面に表示可能なページ枚数が4枚である場合、全てのページを閲覧するためには、画面3枚分の表示エリアが必要となり、第一画面には1〜4ページ目、第二画面には5〜8ページ目、第三画面には9、10ページ目を表示する。
これらのページを閲覧する場合は、3枚の画面をスクロール等手段でページ送りする必要がある。
上記に示すように、ドキュメント編集等の作業において、複数の画面間で引き継ぐことができなかったため、例えば、1ページ目と4ページ目の入れ替えであれば、第一画面内で可能であるが、1ページ目を8ページ目と7ページ目の間に挿入する編集を行う場合は、1ページ目を選択した状態のままで画面切り替を行い、7、8ページ目を表示している第二画面に切り替える必要がある。
しかしながら、1ページ目の選択状態を他画面間で引き継ぐことができなかったため、小型の携帯端末においては、このような複数の画面間をまたぐ編集操作が不可能であった。
【0006】
小型携帯端末の高機能化に伴い、簡単なドキュメント編集作業等を携帯端末で行う旨の要望が非常に高まっているが、現在までにこれを実現するための方法、は実現されていなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の解決する課題は、表示画面が小さい場合であっても、簡易にドキュメントのページ編集が可能な、タッチパネル操作方式の携帯端末におけるドキュメントファイルの編集方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明に係るタッチパネル操作方式の携帯端末におけるドキュメントファイルの編集方法は、タッチパネル操作方式の携帯端末におけるドキュメントファイルの編集方法であって、ドキュメントを構成するページの内、所定枚数のページを一括表示しうる表示手段と、指、またはタッチペンによって、編集対象のページを選択した場合に、当該選択ページのページ情報を保存する編集対象ページ情報保存手段と、上記編集対象ページを選択した状態のままで、上記表示手段の画面上に表示されたスクロールシンボルに、指またはタッチペンを移動することによって、他ページを表示する画面へ、表示をスクロールするスクロール手段と、スクロール先の画面上の所定位置において、上記編集対象ページの選択を解除した場合に、解除位置の座標から、上記編集対象ページの挿入位置を算出する挿入ページ位置算出手段と、上記挿入ページ位置算出手段によって算出された場所に、上記編集対象ページを挿入するページ挿入手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
従って、編集対象ページを選択した場合、選択状態を、他画面にスクロール後も引き継ぐことによって、編集対象ページを他画面で表示されている別ページの所定位置に挿入することができる。
【0010】
また、請求項2に記載した発明に係るタッチパネル操作方式の携帯端末におけるドキュメントファイルの編集方法は、上記スクロールシンボルをスクロール先の画面が存在している場合にのみ選択可能とすると共に、スクロール先が存在しない場合には選択不可とする、スクロールシンボル選択可否判定手段を備えることを特徴とする。
【0011】
従って、スクロール先の画面がある場合にのみ、画面表示を他画面にスクロールすることができる。
【0012】
また、請求項3に記載した発明に係るタッチパネル操作方式の携帯端末は、スクロールシンボルは、上記表示手段の画面上における左右両端部に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明にあっては、ドキュメントを構成するページの内、所定枚数のページを一括表示しうる表示手段と、指、またはタッチペンによって、編集対象のページを選択した場合に、当該選択ページのページ情報を保存する編集対象ページ情報保存手段と、上記編集対象ページを選択した状態のままで、上記表示手段の画面上に表示されたスクロールシンボルに、指またはタッチペンを移動することによって、他ページを表示する画面へ、表示をスクロールするスクロール手段と、スクロール先の画面上の所定位置において、上記編集対象ページの選択を解除した場合に、解除位置の座標から、上記編集対象ページの挿入位置を算出する挿入ページ位置算出手段と、上記挿入ページ位置算出手段によって算出された場所に、上記編集対象ページを挿入するページ挿入手段とを備えることから、表示画面が小さい場合であっても、簡易にドキュメントのページ編集が可能な、タッチパネル操作方式の携帯端末におけるドキュメントファイルの編集方法を提供することができる。
【0014】
また、請求項2の発明にあっては、スクロールシンボルは、スクロール先の画面が存在している場合にのみ選択可能とすると共に、スクロール先のページがない場合は選択不可とする、スクロールシンボル選択可否判定手段を備えることから、編集対象ページを移動する先の画面へ、スムーズにスクロールすることができる為、ドキュメントのページ編集作業がより簡易になる。
【0015】
また、請求項3の発明にあっては、上スクロールシンボルは、上記表示手段の画面上における左右両端部に配置される。
編集対象ページを指で選択した状態のままで、画面の縦方向に指を動かす場合は、腕全体を上下に移動する必要がある。
本願においては、スクロールシンボルが左右両端に配置されているため、ドラッグ操作時には、指先のみを移動するのみで対応できることから、ドキュメントのページ編集操作の使い勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態を示し、実施例の形態におけるタッチパネル操作方式の携帯端末において、ドキュメントのページ編集作業の手順を示す画面遷移図であり、(a)は編集対象ページの選択操作、(b)は編集対象ページを選択した状態のままで、画面をスクロールさせる場合の操作、(c)はスクロール後、スクロール先画面において選択解除位置を設定する操作、(d)ページ編集終了後の画面イメージを夫々示している。
【図2】本実施例に係るタッチパネル操作方式の携帯端末において、ドキュメントのページ編集作業を行う場合の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を実施するための形態について、編集操作を指で行う場合を例に添付図面を用いて以下説明する。
図1(a)に示すように、本実施例に係るタッチパネル操作方式の携帯端末におけるドキュメントファイルの編集方法10において、ドキュメント11の内、4枚のページ11a、11b、11c、11dを一括表示しうる表示手段12と、指13によって、編集対象のページ11dを選択した場合に、当該選択ページ11dのページ情報を保存する編集対象ページ情報保存手段14(図1には図示せず)と、図1(b)、(c)に示すように、上記編集対象ページ11dを選択した状態のままで、上記表示手段12の画面12a上の右両端部に配置されたスクロールシンボル15bに、指13を移動することによって、他のページ11e、11fを表示する画面12bへスクロールするスクロール手段15と、図1(d)に示すように、スクロール先の画面12b上の所定位置において、上記編集対象ページ11dの選択を解除した場合に、解除位置の座標から、上記編集対象ページ11dの挿入位置を算出する挿入ページ位置算出手段16(図1には図示せず)と、上記挿入ページ位置算出手段16によって算出された場所に上記編集対象ページ11dを挿入するページ挿入手段17(図1には図示せず)を備えている。
【0018】
また、図1(a)、(b)に示すように、上記スクロールシンボル15a、15bをスクロール先の画面12bが存在している場合にのみ選択可能とすると共に、スクロール先がない場合には選択不可とする、スクロールシンボル選択可否判定手段18を更に備えている。
【実施例1】
【0019】
本実施例の構成について添付図面を用いて以下説明する。
図1は、タッチパネル操作方式の、スマートフォン等の小型の携帯端末において、ドキュメント11のページ編集作業の手順の画面遷移を示している。
本実施例においては、全6ページ構成のドキュメント11のページ編集を行う場合を例に説明する。
図1(a)はドキュメント11の1〜4ページ目を携帯端末20の表示手段12に表示させた初期画面12aを示している。
図1(a)に示すように、上記初期画面12aには、ドキュメント11の1ページ目11a、及び2ページ目11bが上段に、3ページ目11c、及び4ページ目11dが下段に表示されている。
また、スクロール手段15のスクロールシンボル15a、15bは、上記初期画面12aの上下方向略中央部の左右両端部に配置されている。
図1(a)の初期画面12aは、上記ドキュメント11の先頭ページを表示していることから、前ページは存在しないため、前画面へのスクロールシンボル15aは選択が不可となるように透過表示されている。
ドキュメント11の5ページ目11e、及び6ページ目11fが表示される画面12bへのスクロールシンボル15bは、選択可能な状態に表示されている。
【0020】
以下、添付図面を用いて、上記ドキュメント11の4ページ目11dを、6ページ目11fの後ろに移動して、挿入する操作を例に説明する。
図1(a)に示すように、初期画面12aに表示されているドキュメント11の4ページ目11dを、指13で選択する。
この際、図2に示すように、編集対象ページ情報保存手段14によって、上記ページ11dのページ番号、構成内容等のページ情報が一次的に保存される。
更に、図1(b)に示すように、上記ページ11dを指13で選択した状態のままで、スクロールシンボル15b上に指13を移動させる。
【0021】
なお、初期画面12aを表示手段12で表示する際に、図2に示すように、スクロールシンボル選択可否判定手段18によってスクロールシンボル15a、15bの選択可否が判定され、上記ドキュメント11の5ページ目11eと6ページ目11fを表示する画面12bが存在するため、スクロールシンボル15bは選択可能表示となる。
一方、初期画面12aはドキュメント11の先頭ページである1ページ目11aから4ページ目11dまでを表示しているため、前ページを表示する画面は存在しない。
従って、図1(a)に示すように、スクロールシンボル15aは選択不可表示になる。
【0022】
上記スクロールシンボル15b上に指を移動させることによって、図2に示すように、スクロール手段15は、上記ドキュメント11の5ページ目及び6ページが表示される画面12bにスクロールする。
なお、画面12bを表示する際にも、上記スクロールシンボル選択可否判定手段18によってスクロールシンボル15a、15bの選択可否が判定される。
画面12bの場合、次画面は存在せず、1ページ目等を表示する前画面が存在することから、スクロールシンボル15aは選択可能、スクロールシンボル15bは選択不可表示となる。
【0023】
図1(c)に示すように、画面12bにおいて、指13をドキュメント11の6ページ目11f後ろに移動して、選択を解除する。
この際、図2に示すように、挿入ページ位置算出手段16によって、選択解除位置が、6ページ目11fの後ろであることが認識され、更に、ページ挿入手段17によって、上記編集対象ページ情報保存手段14によって、保存されていた4ページ目11dのページ番号、構成内容等を基に、ドキュメント11の6ページ目11fの後ろに4ページ目11dが挿入され、4ページ目11dは新たな6ページ目となると共に、6ページ目11fは5ページ目に繰り上がり、5ページ目の11eは新たな4ページ目に繰り上がり、前画面12aに表示が移動する。
【0024】
以上のように、本実施例によれば、タッチパネル操作方式の携帯端末がスマートフォン等の小型端末であっても、指のみの操作でドキュメントの編集作業を行うことができるため、ノートPCを持ち歩かなくても、外出先等で迅速にドキュメント修正が可能となる。
【0025】
なお、本実施例の画面デザインはあくまで一例であり、画面全体のデザイン、スクロールシンボルの形状、色彩等は、適宜変更しても本実施例と同様の作用効果を得ることができる。
また、一画面に表示可能なドキュメントのページ枚数については、使用する携帯端末の画面の大きさによって、視認可能な範囲であれば適宜変更することができる。
更に、携帯端末の種類についても、タッチパネル操作方式である旨の限定以外には特に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、本発明は、タッチパネル操作方式の携帯端末において、画面上でドキュメントファイルの編集を行うドキュメントファイル編集方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0027】
10 ドキュメントファイルの編集方法
11 ドキュメント
11aドキュメントの1ページ目
11bドキュメントの2ページ目
11cドキュメントの3ページ目
11dドキュメントの4ページ目
11eドキュメントの5ページ目
11fドキュメントの6ページ目
12 表示手段
12a画面
12b画面
13 指
14 編集対象ページ情報保存手段
15 スクロール手段
15aスクロールシンボル
15bスクロールシンボル
16 挿入ページ位置算出手段
17 ページ挿入手段
18 スクロールシンボル選択可否判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル操作方式の携帯端末におけるドキュメントファイルの編集方法であって、
ドキュメントを構成するページの内、所定枚数のページを一括表示しうる表示手段と、
指、またはタッチペンによって、編集対象のページを選択した場合に、当該選択ページのページ情報を保存する編集対象ページ情報保存手段と、
上記編集対象ページを選択した状態のままで、上記表示手段の画面上に表示されたスクロールシンボルに、指またはタッチペンを移動することによって、他ページを表示する画面へ、表示をスクロールするスクロール手段と、
スクロール先の画面上の所定位置において、上記編集対象ページの選択を解除した場合に、解除位置の座標から、上記編集対象ページの挿入位置を算出する挿入ページ位置算出手段と、
上記挿入ページ位置算出手段によって算出された場所に、上記編集対象ページを挿入するページ挿入手段とを備えることを特徴とするタッチパネル操作方式の携帯端末におけるドキュメントファイルの編集方法。
【請求項2】
上記スクロールシンボルを、スクロール先の画面が存在している場合にのみ選択可能とすると共に、スクロール先が存在しない場合には選択不可とする、スクロールシンボル選択可否判定手段を備えることを特徴とする請求項1記載のタッチパネル操作方式の携帯端末におけるドキュメントファイルの編集方法。
【請求項3】
上記スクロールシンボルは、上記表示手段の画面上における左右両端部に配置されることを特徴とする請求項1記載のタッチパネル操作方式のタッチパネル操作方式の携帯端末におけるドキュメントファイルの編集方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−53662(P2012−53662A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195746(P2010−195746)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(510236427)
【Fターム(参考)】