説明

タップユニットに密着シーリング部を備えた飲料ディスペンサー

本発明は、飲料基板カートリッジのための容器を有するとともに、温水注入口のための1つのタップユニット(1)と、飲料の準備のときに、容器に飲料を分配するため、カートリッジに穴をあけるための1つのタップユニット(2)とを有し、タップユニット(1;2)が、挿入されるカートリッジの同じ側において共通のホルダーに配置され、さらに、準備作業の間に、カートリッジに対して流体を密封するシールのための各タップユニット(1、2)におけるシール(4、5)が、密着シーリング部(6)として構成される、自動飲料ディスペンサーに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料基板カートリッジのための容器を備えるとともに、温水注入口のための穴あけ器と容器内の飲料製品を分配するためのタップユニットとを備えた温かい飲料ディスペンサーに関する。タップユニットは、飲料の準備のときにカートリッジに穴をあけるために利用でき、挿入されたカートリッジの同じ側に配置されるとともに共通のホルダーに配列される。
【背景技術】
【0002】
この種類の自動飲料ディスペンサーは、国際公開第2005/079637A1号に開示されている。それは、飲料カートリッジのための畳み込める容器を有し、同時に調合室を有する種類を表している。飲料の準備のために、それは、容器内の所定の方向に挿入する必要がある基板カートリッジを搭載している。調合室を閉じるときに、これは、注入口及び排出口を付与するタップユニットによって開けられる。温水は、カートリッジの中へ分散して下方より注入口を通じて供給される。カートリッジにおいて、温水は、カートリッジに含まれる飲料半製品を放出する、又は、例えばコーヒーなどの穀物を調合する。含まれる飲料は、注入口からある距離に配置されたカートリッジの中心に穴をあけられた排出口を有する底部から供給される。所望の飲料の準備の後に、容器を開けることができ、空の基板カートリッジは取り除かれ、新しいカートリッジと交換される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
基板カートリッジは底部から穴をあけられるので、タップユニットの領域に液体が流出し、容器の内側の空間を汚す可能性がある。自動販売機の完全な作動を得るために、容器は、タップユニットの領域において比較的頻繁に掃除をする必要がある。この目的のため、タップユニットは、容器から取り除くことができる共通のホルダーに取り付けられる。しかしながら、ホルダーを取り除くときに、タップユニットにおいてシールのような個別の部品を失う可能性がある。
【0004】
従って、本発明の目的は、掃除が問題となることを少なくする自動飲料ディスペンサーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この問題は、シールが、各タップユニット(tap unit)に取り付けられ、準備処理の間に、液体を密封するような方法でカートリッジに対してタップユニットを密閉するとともに、相互接続された密着シーリング部(cohesive sealing unit)として形成される、前述した種類の温かい飲料ディスペンサーを用いて解決される。従って、掃除のためにタップユニットを取り除くときに個々のシールを失うこと、及び、自動販売機の作動の中断はもはや恐れる必要がない。ここで、正確には、シールは、その大きさのために取り扱うことがより容易であるとともに容易に失うことがない単一構成部品を示している。
【0006】
1つの有利な設計によれば、密着シーリング部は、タップユニットについて同軸に配置され、ほとんど平坦なバンドの形をした連結ストリップによって共に連結され得る環状の部分として設計された2つのシールであり得る。
連結ストリップは、永久的に分離不能にシールを共に連結する。連結ストリップは、作動状態において2つのシールが離間した距離にわたってほぼ延びている。取り付けるときに、余分な長さが作動を妨げ得るので、2つのシールの間の連結ストリップのより大きい長さは必要ではない。しかしながら、ストリップは、2つのシールの1つの側に取り付けられると、掃除及び点検の目的のために密着シーリング部をより容易に取り除くことに利用することができる。
【0007】
本発明の1つの有利な設計によれば、密着シーリング部は、ホルダーの対応する形を備えた受け取り凹部に挿入することができる形状部分として設計することができる。ホルダーは、例えば硬質プラスチックから製造され、本質的に安定であるのに対して、密着シーリング部は、弾性のある、従って変形可能な軟質材料から構成されるので、密着シーリング部は、閉じた形態によってホルダーに固定することができ、その結果、更なる固定媒体が必要ではない。このようにして、密着シーリング部の簡単な組立及び分解を実現することができる。
【0008】
本発明の1つの更なる有利な設計によれば、密着シーリング部は、カートリッジ側においてホルダーに、ホルダーの受け取り凹部に挿入することができる。このようにして、密着シーリング部は、ホルダー全体を取り除くことなく容器を開いた状態で、別々に取り除いて洗浄することができる。容器の開口側からアクセス可能であるので、機能性を検査すること、例えば外部ダメージを調査することが特に容易である。
【0009】
本発明の1つの更なる有利な設計によれば、ホルダー及び密着シーリング部は、例えば2成分(two component)(2K)技術において1つの部品として製造することができる。一体製造は、ホルダーに密着シーリング部を固定するための組立工程を省く。さらに、このようにして、密着シーリング部は、ホルダーに分離不能に保持され、その結果、温かい飲料ディスペンサーの注意深い使用及び掃除を少なくして、シールを失うこと、及び、飲料ディスペンサーの機能性を失うことを恐れる必要がない。2K技術はまた、確実に且つ永久的に有効に存続するホルダーと密着シーリング部との間の内部連結を引き起こす。
【0010】
本発明の原理を、以下の図面に基づいてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】タップユニットとシールを備えたホルダーを示す図である。
【図2】密着シーリング部自体だけを示す図である。
【図3】密着シーリング部を備えていないホルダーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、飲料ディスペンサーの共通のホルダー3を示す。該ホルダーは、プラットフォーム型の基部本体9上の2つのタップユニット1、2から構成される。2つのタップユニット1、2は、自動販売機の水平方向に組み込まれた位置において垂直方向に上方に突出している。従って、作動中、2つのタップユニットは、同じ側において、すなわち底部の側においてカートリッジに穴をあける。シール4、5は、2つのタップユニット1、2をともに同軸に取り囲む。シール4、5は、穴のあいたカートリッジに対してタップユニット1、2の液体のシールを確保する。従って、それらは、容器を汚すことを防止し、ディスペンサーをきれいにする努力を低減する。
【0013】
タップユニット1、2は、水の注入口及び排出口にカートリッジ内の飲料製品を十分に取得するために、一定の距離、離間して配置される。従って、シール4、5もまた、ホルダー3において、互いにある距離を置いて配置される。連結ストリップ7は、2つのシール4、5の間に延び、密着シーリング部6にシール4、5を連結する。
【0014】
図2は、密着シーリング部6自体を示す。シール4、5は、環状の形で形成され、タップユニット1、2の外径に応じて異なる内径を有している。
【0015】
従って、それらの外径A1、A2はまた、ほぼ同じ大きさで示されているが、変更することができる。環状のシール4、5の間に延びる連結ストリップ7は、密着シーリング部6にシール4、5を一体化する。連結ストリップは単に、シール4、5を共に保持する必要があるのみであるので、ストリップ7は、平坦にすることにより材料を節約することができる。連結ストリップは、弾性のある材料から作られるシール4、5及びそれらと同様のものと共に一体的に形成される。1つの端部において、ストリップ7はシール4に連結する。両端部において、ストリップ7は、各シール4、5の外径A1、A2に応じて各シール4、5に接続する。
【0016】
図3は、密着シーリング部6を備えていないホルダー3を示す。凹部8は、タップユニット1、2の周囲及びそれらの間においてプレートの形をした基部本体9に形成され、それは、密着シーリング部6の形に対応している。密着シーリング部を、凹部8内に同一平面に配置し、適合した形でそこに保持することができる。弾性のある材料からなる密着シーリング部6をホルダー3へ付着させることにより、それほど努力せずに密着シーリング部を凹部8から取り除くことができることを確保する。このようにして、密着シーリング部6は、固定媒体を加える必要なしに凹部8に確実に固定される。
【符号の説明】
【0017】
1 タップユニット
2 タップユニット
3 共通のホルダー
4 シール
5 シール
6 密着シーリングユニット
7 連結ストリップ
8 凹部
9 共通のホルダー3の基部本体
A1 タップユニット1の外径
A2 タップユニット2の外径
I1 タップユニット1の内径
I2 タップユニット2の内径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料基板カートリッジのための容器を有するとともに、温水注入口のためのタップユニット(1)と、前記容器へ飲料を分配するため、飲料を準備するときにカートリッジに穴をあけるためのタップユニット(2)とを有し、タップユニット(1;2)が、挿入されたカートリッジの同じ側において共通のホルダー(3)に配置される、温かい飲料ディスペンサーであって、
準備作業の間に、カートリッジに対して流体を密閉するシールのための各タップユニット(1;2)におけるシール(4;5)は、密着シーリング部(6)として構成される、
ことを特徴とする温かい飲料ディスペンサー。
【請求項2】
前記密着シーリング部(6)は、前記タップユニット(1;2)の周りに同軸に配置され、ほとんど均等に平坦な連結ストリップ(7)と共に連結される2つの環状のシール(4;5)を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の温かい飲料ディスペンサー。
【請求項3】
前記密着シールユニット(6)は、前記共通のホルダー(3)の対応する形をした凹部(8)に挿入され得る形状部分として形成される、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の温かい飲料ディスペンサー。
【請求項4】
前記密着シールユニット(6)は、前記カートリッジ側において前記凹部(8)に挿入され得る、
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の温かい飲料ディスペンサー。
【請求項5】
前記共通のホルダー(3)及び前記密着シーリングユニット(6)は、2K技術において一体的に製造される、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の温かい飲料ディスペンサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−500183(P2011−500183A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529328(P2010−529328)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【国際出願番号】PCT/EP2008/062785
【国際公開番号】WO2009/050009
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(510218179)クラフト・フーズ・アール・アンド・ディ・インコーポレイテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】KRAFT FOODS R&D, INC.
【Fターム(参考)】