説明

タバコを使った経皮吸収剤

【課題】 従来の物は、大企業が大量に生産する物で、多くの工程と機械設備を要する物であった。また使用者個人においても喫煙量は様々で、ニコチン依存度も異なるものであり、決められた強さの経皮吸収シールでは苦痛を強いられる物であった。
【解決手段】 使用者本人の必要とする量のタバコ3をシール貼着面1aに貼り置く。その上に薄布2をタバコ3の全体を覆い、且つ体に貼り付ける為の貼着面は充分残すようにシール貼着面1aに貼り付ける。薄布2の上から液体を数滴落とし、タバコ全体を軽く押しながら液体を全体になじませ、薄布の表面が少し茶色になったら装着可能となる。粘着シール外側1bは防水作用を持つ物とする。
禁煙の過程においては、3日おきに1cmずつ減量、1週間おきに5mmずつ減量などとその人に合わせた禁煙治療を行う事ができ、成功の確率も上昇する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコのきざんだ葉および粉状のタバコを、水、又は水性、又は油性の液体成分をもって湿らせ、溶出したタバコの成分を人体に吸収させるという事を特徴とした経皮吸収剤に関する物である。
【背景技術】
【0002】
これまでは、下記に並記した経皮吸収テープがあるが、どれも支持体上面に、化学的に作られた物を塗布又はその上に更に剥離フィルムを重ねるという構造になっている。本発明品は、生から加工して喫煙時の成分がある、きざんだタバコ又はかぎタバコ用の状態にあるタバコの粉又はそれらの混合物を使用し、それを液体成分をもって湿らせ、溶出したタバコの成分を人体に吸収させるという構造を持つ物である。したがって形状は全く異なっており、特許請求の範囲に記載される内容も全く異なる別異の発明である。
【特許文献1】特許公開2007−112991号公報
【特許文献2】特許公開2005−15353号公報
【特許文献3】特許公開2007−45738号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の物は、テープ(支持体)上面に塗布する薬剤を製造し、支持体に塗布し、ある物はその上に剥離フィルムを重ねる等、多くの工程と機械設備を要し、コストもかかる物であり、大企業が、大量に生産するという物であった。
【0004】
またそれを使用する個人においても、喫煙量は様々であり、ニコチン依存度も異なる物であり、きめられた強さのシールを皮膚に貼って禁煙治療を進めていかなければならない従来のシールでは、ニコチン依存度の高い人はシールのニコチン成分が足りず、つらい思いをせねばならず、依存度の低い人はシールのニコチン成分が強すぎて、それも苦しい思いをしながらの治療となってしまって、中には禁煙治療に失敗する人も、少なからず存在した。
【課題を解決する為の手段】
【0005】
生の状態から加工して、喫煙時の成分があるきざんだタバコ又はかぎタバコ用の成分があるタバコの粉、又はそれらの混合物を使用する事を特徴とする経皮吸収剤。(請求項1)
水、又は水性の液体成分、又は油性の液体成分をもって湿らせ、溶出したタバコの成分を人体に吸収させるという特徴を持つ請求項1記載の経皮吸収剤。(請求項2)
貼着シールを備える事を特徴とする請求項1及び請求項2記載の経皮吸収剤。
上記構造をもって、従来の物が持つ課題を解決する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の物は、図1、図2に示すように、市販のタバコを使って作る事もできる。
【0007】
シール上に、使用者本人の必要とする分量のタバコを設置して、作る事ができる。例えば、ニコチン依存の高い人は、タバコを1本又は1本半に、依存度の低い人は、1/2本又は、1/4本等と適当量で作る事ができる。又、禁煙の過程においても、3日おきに1cmずつ減量、一週間ごとに5mmずつ減量などと、その人のペースに合わせた禁煙治療を行なう事ができ、つらさの軽減をする事が可能になり、成功の確率も上昇する。
【0008】
また、禁煙成功までに従来の物より時間はかかる場合もあると思われるが、禁煙治療をする人は、長年に渡って喫煙を続けていた人が行う物であり、タバコその物を使う本発明の物は、タバコを吸うリスクを、それ以上に越える事はない。
【0009】
本発明の物は、大規模な装置を必要としない。小規模事業主や個人であっても、手作業などでも作る事ができる。したがって多額な設備投資も必要がない上、コストについても少額で済ませる事が可能である。
【発明を実施する最良の形態】
【0010】
本発明を実施する為の形態を、図面を参照して説明する。
本発明の経皮吸収シールを装着する人が、適当とする量のタバコ3を、シールの粘着面1aに貼り置く。その上に薄布2を、タバコ3の全体を覆い、且つ体に貼り付ける為の粘着面は充分残すように、1aに貼り付ける。
【0011】
本発明の経皮吸収シールを体に装着し、使用する時は、薄布2の上から液体を数滴落とし、タバコ全体を軽く押しながら、液体を全体になじませ、薄布の表面が少し茶色になったら、装着可能となる。粘着シール外側1bは、ぬれたタバコから液体がにじみ出して、着衣等に付かないよう、防水作用を持つ物とする。
【0012】
タバコに含ませた液体は、体に吸収されたり、蒸発する等で減少すると、効果を感じにくくなるので、その場合は体に装着したシール上部を一部はがし、液体を1〜3滴追加し、タバコ部分全体をシールの表側から軽く数回押すようにして、液体をなじませると、効力は持続する。なお薄布2は、タバコに液体を含ませくり返し押すと、バラバラになり人の皮膚に付着するので、それを防止する材質とし、タバコ全体を覆う場合も、装着中にはがれないようにする。
【0013】
タバコ3は、市販の10本入りや20本入りとしている物が1/4本分、1本半などと、計量及び製作しやすいと思われるが、機械等で大量生産をする場合、生産工程の中で計量する事ができれば、紙巻きの状態のタバコを使用する必要は、全くない。
【0014】
次にシール上のタバコについては、喫煙の時の成分を、液体に溶け出させる事ができるのであれば、葉の部位に限らない。またきざんだ状態とする形状も、紙巻きタバコの中身にある大きさに限らず、更に細かくきざんだ物でも良いし、それ以外でも良い。また、かぎタバコ用の状態にある粉状のタバコを混合しても良い。
【0015】
次にタバコに含ませる液体であるが、水性としては、水又はアロマ物質を含む水溶液、又はかぶれ防止剤等の薬剤を含む水溶液、又は両方の性質の水溶液とする。
【0016】
油性としては、タバコ成分を溶出させ、皮膚吸収ができる為の、加工又は薬剤を加えた油性の液体、又はタバコ成分を溶出させ、皮吸収剤ができる為の加工をし更に薬剤を加えた油性の液体。更に上記油性の液体にアロマ物質を加えた物又は、かぶれ防止等の為の薬剤を加えた物又は、かぶれ防止等の為の薬剤とアロマ物質を加えた物とする。
【実施例】
【0017】
本発明の経皮吸収剤は、以下のようにも実施する事ができる。
貼りながらシール上部をあけて、液体を追加しなくても良いように、前記液体成分が少しずつ染み出すように適宜の加工及び混ぜ物を加えて、ゲル状又はスライム状にした物4でタバコを包み、シール上に設置しても良い。(図3)
【0018】
〔0005〕記載の紙巻きではない刻んだタバコ又は、粉状タバコ又はそれらの混合物を、上記ゲル状又はスライム状の物に混ぜ込んだ物5を、シール上に設置しても良い。(図4)
【0019】
〔0017〕〔0018〕の物は、薄布はあっても良いが、タバコが皮膚に付着する等の不都合が生じなければ、なくても良い。
また、シール上の部分についての量は、製造した物を販売する場合は、定量を装着する形を取っても良いが、少量ずつに小分けした物を、使用者が必要に応じて1個又は復数個をシール上に自分で設置して使用する形としても良い。
【0020】
これまでに記載した経皮吸収シールは、シールにかぶれやすい人を対象として人に貼り付ける部分を無くし、絆創膏、ネット、サポーター等で装着するとしても良い
【0021】
薄布は、必要とする液体量を人体に供給する事ができれば、布以外でも良いし、小さな穴を備える薄いシート状の物等でも良い。一定量の液体を含ませる事のできるスポンジ状の物でも良い。
【0022】
禁煙治療の他にも、タバコ中の成分を必要とする他の病気治療の為に、本発明の液体又は液体をゲル状及びスライム状にした物に、その治療薬を加えれば、その病気の為の経皮吸収剤を作る事もできる。
【0023】
粉の状態にあるタバコを、本発明の液体成分を含むゲル状物質(0017記載の物)に混合し、チューブ状の容器に入れれば塗り薬となる。また更に硬度を少し高くし皮膚で溶け易くした状態で、口紅状の底部を回転させて薬剤がせり上る形状の容器に入れても塗り薬となる。なおそれらは他の治療薬を加えても良い。
【0024】
なお本発明のすべての物は、必要とする成分が変らなければ、タバコの色を脱色する等変化させて製作しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】 本考案の経皮吸収剤を示した斜視図である。
【図2】 本考案の経皮吸収剤の断面図である。
【図3】 応用例として〔0017〕に記した経皮吸収剤の断面図である。
【図4】 応用例として〔0018〕に記した経皮吸収剤の断面図である。
【符合の説明】
【0026】
1a シール粘着面.1b 粘着シール外側.2 薄布.3 タバコ 4 ゲル状又はスライム状にした物.5 きざんだタバコ又は粉状タバコ又はそれらの混合物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生の状態から加工して、喫煙時の成分があるきざんだタバコ又はかぎタバコ用の成分があるタバコの粉、又はそれらの混合物を使用する事を特徴とする経皮吸収剤。
【請求項2】
水、又は水性の液体成分、又は油性の液体成分をもって湿らせ、溶出したタバコの成分を人体に吸収させるという特徴を持つ請求項1記載の経皮吸収剤。
【請求項3】
粘着シールを備える事を特徴とする、請求項1及び請求項2記載の経皮吸収剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−77108(P2010−77108A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−285940(P2008−285940)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(597152076)
【Fターム(参考)】