説明

タブブラウザのWEBページ一括表示方法

【課題】タブに対応するWEBページ複数を一括表示する際に、ユーザが見やすいものとする。
【解決手段】一括表示の際のWEBページのウィンドウサイズを手動操作および/または自動で指示し、また、ウィンドウ内で表示するコンテンツをも手動操作および/または自動で指示する。タブブラウザは指示されたウィンドウサイズおよびコンテンツでの一括表示を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タブブラウザのWEBページ一括表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの情報処理技術の発展にともなって、タブブラウザと呼ばれるWEBページを表示するプログラムが提案されている(非特許文献1)。一般に知られているタブブラウザにはOpera Software社のOpera(登録商標)などが有名である。
【0003】
タブブラウザにより複数のWEBページの1つを他のWEBページに切り替え表示するる際にユーザがタブと呼ばれるグラフィカルユーザインターフェース(図2の符号22)をマウスで指定してクリックボタンを操作する。タブブラウザはそのタブに対応付けられているWEBページ23をディスプレイの表示領域24に単独表示する。
【0004】
【非特許文献1】IT用語辞典e−words、http://e-words.jp/w/E382BFE38396E38396E383A9E382A6E382B6.html
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
タブの切り替えにより複数のWEBページを切り替えて表示するようになったものの、複数のWEBページを一括して1つの画面表示する要望がユーザからあがっている。複数のコンテンツを1つの画面に一括する事例としては静止画像がよく知られている。静止画像を一括表示する場合には、オリジナル(縮小前の画像)を一定の比率で縮小し、縮小した複数の静止画像を一括表示している。このように一括表示される画像群はサムネイルと呼ばれる。
【0006】
このような表示方法をタブブラウザで実行しようとすると、WEBページ内の複数のコンテンツの大きさの相対的なバランスがくずれる。たとえば、静止画像と文字がWEBページ内に混在する場合、縮小の静止画像の内容はユーザが認知可能であるが文字は小さくなってしまって、認知できないというような事態が生じる。また、一定比率で全てのWEBページを縮小すると、あるWEBページは見やすいが、別のWEBページは見にくいといった事態も生じることが予想される。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上述の点を考慮し、ユーザが見やすいタブブラウザの一括表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明は、コンピュータの情報処理手段によりタブブラウザ用のプログラムを実行することより複数のWEBページを前記コンピュータの表示手段に表示するタブブラウザの表示方法であって、前記コンピュータはウィンドウサイズ指示手段、コンテンツ指示手段および記憶手段とを有し、
前記ウィンドウサイズ指示手段により一括表示に使用する各WEBページのウィンドウサイズを指示し、
各前記ウィンドウ内で表示すべきコンテンツを前記コンテンツ指示手段により指示し、
各前記ウィンドウサイズにより指示されたサイズの1画面分の複数のウィンドウイメージを前記情報処理手段により前記記憶手段上で作成し、
前記コンテンツ指示手段により指示された複数のコンテンツのイメージを前記記憶手段上の複数のウィンドウイメージ内に挿入するように前記情報処理手段により合成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、タブに対応するウィンドウのサイズおよびそのウィンドウ内に表示するコンテンツを選択することができるので、一括表示される複数のWEBページの各々がユーザにとって見やすいものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明を適用するコンピュータシステムの全体構成を示す。
【0012】
図1において、100はパーソナルコンピュータ(以下、パソコン)であり、市販のパソコンを使用することができる。パソコンは、ハーディディスク、CPU、ROM、RAM、ディスプレイ、キーボードおよびマウスなどのポインティングディバイスを有する。本発明に係わるタブブラウザ用プログラム(以下、タブブラウザ)は、CDROMやフロッピー(登録商標)ディスクあるいはインターネットを通じて外部からパソコン100のハーディスク上に記憶される。この後マウスなどの指示に応じて、RAM上にロードされてCPUにより実行される。
【0013】
110は一般公衆電話回線であり、パソコン100と、プロバイダ(インターネット接続業者)の通信サーバ120とを接続する。
【0014】
120は、通信サーバであり、この形態では、WWW(World Wide Web)と呼ばれる通信プロトコルを使用して、後述のWEBサーバ140からWEBページをパソコン100に転送する。
【0015】
130はインターネットと呼ばれる専用電話回線であり、詳細な説明を要しないであろう。140は複数のパソコン100に提供するWEBページを提供するWEBサーバであり、市販のサーバコンピュータを使用することができる。
【0016】
WEBページはHTMLやXMLと呼ばれるマークアップランゲージで記載された文書であり、この文書をパソコン100側のタブブラウザ(一般的にはブラウザやビューワと呼ばれるソフト)が解析し、WEBページに記載されている種々の命令をパソコン100のCPUが実行して、WEBで定義されたコンテンツ(ビデオ、静止画、文字列などを総称する用語)をパソコン100のディスプレイの表示画面に表示する。
【0017】
この形態ではプロバイダの通信サーバ120が複数のパソコン100をインターネット130に接続しているが、プロバイダに限らず、企業の通信サーバがパソコン100をインターネット130に接続する場合もある。この場合には通信サーバ120とパソコン100を接続する通信ネットワークは一般公衆電話回線ではなく、LAN(広域ネットワーク)となるであろう。パソコン100の設置環境に応じて、インターネット130に接続するための通信ネットワークおよび間で仲介するハードウェアは適宜、好適なものを使用すればよい。
【0018】
本発明に係わるタブブラウザを説明する前に、タブブラウザにより表示する表示画面の内容を説明する。図2は本発明実施形態のWEBページの一括表示前の表示例を示す。図3は本発明実施形態のWEBページの一括表示後の表示例を示す。図2および図3において、同様の箇所には同一の符号を付している。図2および図3において、21は本発明に係わるWEBページの一括表示を指示するボタンである。ここでボタンとはマウスの操作により押下されると、ボタンに関連付けられたプログラムを実行するグラフィカルユーザインターフェースである。
【0019】
22はタブであり、複数のタブ22のいずれかをユーザがマウスにより指示すると、指示されたタブに対応するWEBページ23が図2に示すように単独で表示される。ユーザが見たいWEBページについて、タブの作成を命じたときに、新しいタブ22が追加される。この機能は従来からタブブラウザが有している機能であり、詳細な説明は省略する。
【0020】
24はWEBブラウザを表示するための領域である。31は一括表示されるときのWEBページであり、図2のように単独で表示されるときのWEBブラウザと区別するために本明細書では一括表示のWEBブラウザを分割ページと称することがある。32は分割ページを表示するウィンドウであり、一括表示の際には各分割ページに対応するウィンドウ32が作成される。なお、分割ページが1つのウィンドウ内に収まりきれない場合には、スクロールバーがウィンドウ32に表示され、このスクロールバーにより移動(スクロール)表示が可能となる(注.従来技術)。
【0021】
本実施形態では、複数のタブ22と対応付けられた複数のWEBページを図3に示すように一括表示する際に、分割WEBページがユーザにとって見やすいものとなるように種々の工夫を凝らしている。その工夫を実現するための情報処理方法が本発明の新規特徴である。これらの新規特徴は、後で、詳しく説明する。
【0022】
図4は本発明実施形態の、タブブラウザを搭載したパソコンの、特に本発明に係わる機能構成を示す。
【0023】
図4において、コンピュータ(パソコン100)の情報処理手段220(CPU)によりタブブラウザ用のプログラムを実行することより複数のWEBページをコンピュータの表示手段240(パソコンのディスプレイ)に表する。上記コンピュータは(分割)ウィンドウサイズ指示手段200、(表示)コンテンツ指示手段210、変倍率指示手段250、コンテンツ位置指示手段260および記憶手段230(パソコンのRAM)を有する。なお、変倍率指示手段250およびコンテンツ位置指示手段260は必要に応じて設置すればよい。
【0024】
ウィンドウサイズ指示手段200により一括表示に使用する各WEBページのウィンドウサイズを指示し、各前記ウィンドウ内で表示すべきコンテンツをコンテンツ指示手段210により指示する。
【0025】
変倍率指示手段250により、一括表示時のコンテンツの大きさの単独表示時のコンテンツの大きさに対する変倍率を指示する。なお、コンテンツについての変倍率として、WEBページの大きさの変倍率兼用してもよい。
【0026】
コンテンツ位置指示手段260により一括表示時のコンテンツのウィンドウ中の位置(WEBページ中の位置としてもよい)を指示する。
【0027】
各前記ウィンドウサイズにより指示されたサイズの1画面分の複数のウィンドウイメージを情報処理手段220により変倍し、記憶手段230上で作成し、コンテンツ指示手段210により指示された複数のコンテンツのイメージを情報処理手段220により変倍し、記憶手段260上の複数のウィンドウイメージ内に、コンテンツ位置指示手段260により指示された位置に挿入することで情報処理手段220により一括表示用のイメージを合成する。
【0028】
ウィンドウサイズ指示手段200、コンテンツ指示手段210、変倍率指示手段250およびコンテンツ位置指示手段260には種々の実施形態が考えられるので、以下に、各実施形態を説明する。
【0029】
(ウィンドウサイズ指示手段の実施形態1)
本発明の新規特徴の1つは一括表示する際の分割ページを表示するための各ウィンドウのサイズをそれぞれ指示することにある。その指示の方法としては、1つには、WEBサーバ140に保存するWEBページ内に、一括表示の際のウィンドウのサイズ(縦および横の長さ)をWEBページ内の特定位置または特定命令内に記載しておく。タブブラウザがWEBサーバ140のWEBページを読み込んだ際に、WEBページから取得したウィンドウのサイズをそのWEBのURLと共に、パソコンのRAM上にテーブル形態で記憶する。一括表示を行なうときにパソコン100のCPUはRAM上に記憶されたテーブルから該当するWEBページのウィンドウサイズを指示することになる。このときのCPUがウィンドウサイズ指示手段200として機能する。
【0030】
この形態の利点は、ユーザではなく、WEBサーバを提供する側が、一括表示のウィンドウサイズを決定することができる点にある。
【0031】
(ウィンドウサイズ指示手段の実施形態2)
ウィンドウサイズの指示のための他の形態としては、たとえば、タブブラウザの製作会社のサーバから、メンテナンス情報として、複数のWEBページのウィンドウサイズおよびURLを記載した情報をパソコン100に送ることが可能である。送信方法としては、電子メールを使用してもよいし、他の従来から知られている通信方法を採用すればよい。このようにして、ウィンドウサイズ指示手段200(パソコン100のCPU)は指示すべきウィンドウサイズを取得する。
【0032】
(ウィンドウサイズ指示手段の実施形態3)
URL情報の中にウィンドウサイズを含ませて、タブブラウザに引き渡すことができる。タブブラウザでWEBページを表示する場合、ユーザは、たとえば、http:.//www.AAAA.comというURL情報をキーボード等により入力して表示すべきWEBページのURL情報を引き渡す。このURL情報の中に、http:.//www.AAAA.com/XXXXというようにウィンドウサイズと特定のコマンドとを組み合わせた識別情報XXXXを含ませることにより、一括表示で使用するウィンドウサイズをタブブラウザに引き渡すことができる。
【0033】
また、識別情報XXXXの中には、ウィンドウの中に配置するコンテンツの位置(ウィンドウに対するコンテンツの相対位置)を示す位置情報を含ませることができる。このように、コンテンツの位置をWEBページ制作者側で指定することにより、ユーザにとって見やすいコンテンツあるいは、WEBページ制作者にとって好適なコンテンツを提供することができる。
【0034】
この方法の利点は、たとえば、電子メールで、URL情報をユーザに知らせることが可能となるほか、種々のWEBサイトにWEBページのURL情報として掲載することができる点にある。
【0035】
(ウィンドウサイズ指示手段の実施形態4)
パソコン100のユーザが手動操作でウィンドウサイズを入力してもよい。この場合には、たとえば、タブブラウザの環境設定画面(不図示)に一括表示時のウィンドウサイズの設定メニューを設ける。この場合には、URLとそのURLにより示されるWEBページのユーザが好むウィンドウサイズをユーザがキーボード等により入力する。入力されたURLおよびウィンドウサイズはパソコンのハードディスクに保存記憶しておき、一括表示の際に、CPUにより読み取り使用すればよい。このときのCPUがウィンドウサイズ指示手段200として機能する。
【0036】
(ウィンドウサイズ指示手段の実施形態5)
上述の形態は、ユーザまたは外部機器からウィンドウサイズ指示手段200がウィンドウサイズを取得する例である。タブブラウザを実行するCPUがタブ数(一括表示するWEBページの個数)に応じて、ウィンドウサイズを計算することもできる。この場合には、図5に示すように一括表示領域の大きさ(W1,L1)とタブ数から各ウィンドウサイズ(W2,L1)を求める計算式をタブブラウザ内で定義しておけばよい。また、計算式に変わり、タブ数と、ウィンドウサイズとをテーブルの形態で予め定めておいてもよい。パソコン100のCPUは計算あるいはテーブルの読み取りにより指示すべきウィンドウサイズを取得する。
【0037】
次に、コンテンツ指示手段210の種々の形態を説明する。
【0038】
上述したように一括表示の際に各WEBページのウィンドウサイズを指示することに加えて、各ウィンドウ内に表示するコンテンツを指示することが本発明の第2の新規特徴である。この新規特徴によりユーザにとって不要な情報が表示されず、WEBページが見やすいものとなる。
【0039】
(コンテンツ指示手段の実施形態1)
WEBサーバ140に保存しておくWEBページ内に一括表示するコンテンツを示す指示情報(本発明の識別情報)を記載しておく。この情報としては、
(1)コンテンツの種類、たとえば、ビデオ、静止画文字列などの種類を示すファイル識別子をWEBページ内の特定位置あるいは特定命令内に記載しておく。
(2)コンテンツの格納場所を示すURLをWEBページ内の特定位置あるいは特定命令内に記載しておく。
【0040】
パソコン100側のCPUはWEBサーバ140から読み込んだWEBページから、一括表示に使用するコンテンツに関する情報をこれらの指示情報から読み取る。ファイル識別子を指示情報として使用する場合には、パソコン100のCPUは指示情報の示す種類のファイル情報(ファイルの格納場所を示すURL情報)を検索によりWEBページの中から取り出し、URLの示すWEBサーバ140あるいは他のWEBサーバ140の格納場所から一括表示に使用するコンテンツを取り込む。取り込まれたコンテンツは、ウィンドウサイズ指示手段200により指示されたウィンドウサイズ内に収まるようにそのイメージが圧縮または拡大(一般に双方を総称して変倍と称する)されて、一括表示に使用される。このときのパソコン100のCPUがコンテンツ指示手段210として機能する。
【0041】
このような指示方法をとることにより、たとえば、映画会社のWEBサーバ140では、WEBページをパソコン100で単独で表示する時には、映画の予告ビデオ、映画のタイトル、映画のワンシーンの静止画、映画の説明文(出演者等)を表示させ、一括表示の際には、映画のワンシーンの静止画と大きな文字サイズのタイトルだけを表示さることができる。一括表示では文字が小さくなってしまうような説明文が表示されず、一括表示のWEBページがユーザにとって見やすいものとなる。
【0042】
(コンテンツ指示手段の実施形態2)
ウィンドウサイズの指示のための他の形態としては、たとえば、タブブラウザの製作会社のサーバから、メンテナンス情報として、複数のWEBページについて各WEBページの中の一括表示で使用するコンテンツを示す識別情報(ファイルの種類および/またはURL)をパソコン100に送ることが可能である。送信方法としては、電子メールを使用してもよいし、他の従来から知られている通信方法を採用すればよい。このようにして、コンテンツ指示手段210(パソコン100のCPU)は指示すべきコンテンツに関する識別情報を取得する。
【0043】
(コンテンツ指示手段の実施形態3)
パソコン100のユーザが手動操作で一括表示に使用するコンテンツの種類を入力してもよい。この場合には、たとえば、タブブラウザの環境設定画面に一括表示時のウィンドウサイズの設定メニューを設ける。この場合には、一括表示で使用するファイル識別子とWEBページのURLをユーザがキーボード等により入力する。入力されたURLおよびファイルの種類はパソコンのハードディスクに保存記憶しておき、一括表示の際に、パソコン100のCPUにより読み取り使用すればよい。このときのCPUがコンテンツ指示手段210として機能する。
【0044】
また、上述以外にもウィンドウサイズ指示手段200への情報の引渡し方法と同様の方法でコンテンツ指示手段210に指示情報を引き渡しても良いことは言うまでもないであろう。URLの中に一括表示で使用するコンテンツを示す識別情報を含ませておき、このURLをコンテンツ指示手段210に引き渡す形態を特許請求している点に留意されたい。
【0045】
以上が、ウィンドウサイズ指示手段200およびコンテンツ指示手段210の例であるが、これらの例を組み合わせ用いてもよい。たとえば、パソコン100で、ウィンドウサイズを自動決定した後、ユーザが好みのウィンドウサイズに変更可能なようにすることが考えられる。
【0046】
(変倍率指示手段およびコンテンツ位置指示手段の実施形態)
変倍率指示手段250(パソコン100のCPU)に引き渡す変倍率およびコンテンツ位置指示手段260(パソコン100のCPU)に引き渡すウィンドウ中のコンテンツの位置情報についても、ウィンドウサイズ指示手段200およびコンテンツ指示手段の実施形態で説明した方法と同じ種々の方法で変倍率および一括表示時のコンテンツの位置情報を対応の指示手段に引き渡す。これらの説明は重複的になるので、詳細な説明を省略する。
【0047】
次に上述した本発明に係わる一括表示機能を実現するための情報処理内容を図6を使用して説明する。図6に示す処理手順は、タブブラウザ内にコンピュータが実行可能なプログラム言語の形態で組み込まれる。
【0048】
図6の処理手順は図2の一括表示指示ボタン21がユーザにより操作されたときに実行される。図6において、パソコン100のCPU(以下、パソコン100内の構成要素についてはパソコン100の表記を省略する)は、最初に作成すべきウインドウ(一番目のタブに対応するWEBページ)について、RAMに記憶されていて、ユーザから入力された、あるい外部機器から入力されたウィンドウサイズおよび使用すべきコンテンツの指示情報(ファイル識別子および/またはコンテンツのURL、コンテンツのウィンドウ中の表示位置)を取得する(ステップS10→S20)。なお、この説明のための実施形態では、コンテンツの変倍率はウィンドウサイズから計算される(後述)。
【0049】
次にCPUは取得したウィンドウサイズのウィンドウイメージ(枠およびスクロールバーなどのイメージ等、枠の中は空白、図3の符号32参照)をRAM上で作成する(ステップS30)。
【0050】
CPUは作成したウィンドウイメージ内に挿入するコンテンツイメージの変倍率を計算する(ステップS40)。一例としては、単独で表示する際のウィンドウサイズ(図2参照)と一括表示の際のウィンドウサイズ(図3参照)の比率を計算する方法がある。この場合には、複数のコンテンツに共通の変倍率となる。また、また、コンテンツの種類ごとに変倍率の値を変えてもよい。
【0051】
次に、CPUは、WEBページに記載されているコンテンツ情報(格納先のURL、単独表示の表示位置、場合によっては、コンテンツの表示サイズ等)の中からS30で作成したウィンドウイメージ内に挿入するコンテンツ、すなわち、S20で取得したコンテンツに関するコンテンツ情報を取得する。ついで、CPUはコンテンツ情報の中の格納先のURLの示すWEBサーバからコンテンツを取り込み、取り込んだコンテンツのイメージをS40で計算した変倍率で変倍する(ステップS50)。
【0052】
CPUは変倍したコンテンツのイメージをS30で作成したウィンドウイメージ(図3の符号32)内の、指示されたコンテンツの位置に挿入して、1つのタブに対応するウィンドウイメージ全体(枠と枠内部のコンテンツ)をRAM上で作成する(S60)。以下、CPUは残りのタブに対応するウィンドウについても同様に、図6の処理手順を繰り返し実行して、一括表示用のウィンドウ全体のイメージをRAM上で作成する。作成した各ウィンドウ全体イメージはタブ順に1つの表示画面内に配置すればよく、これはサムネイルなどの配置と同じ配置方法を使用することができるので、詳細な説明は不要であろう。また、1つのウィンドウ内に表示するコンテンツの配置の位置は単独のWEBページ内の位置と相対的に対応させればよい。
【0053】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、一括表示するウィンドウに表示するコンテンツはユーザが見やすい大きさを予め定め、それに対応する変倍率で元のWEBページを変倍していた。変倍率を計算せず、コンテンツをウィンドウ内に収める新しい情報処理方法を次に説明する。
【0054】
図7はその情報処理過程を示す。図7において、41は一括表示の際にWEBページを表示するための1つのウィンドウを示す。このウィンドウの大きさは上述したように予め指示されている。32はWEBサーバ140から取得した1つのコンテンツ(この場合、文字列)である。1つのウィンドウ内にコンテンツを配置しようとする場合に、そのコンテンツがウィンドウ内に収まりきれない場合(図7の左側の例)には、ウィンドウズ(登録商標)などのオペレーションシステムでは自動的にスクロールバー44をウィンドウに付加する機能がある。この機能が働いた場合、ウィンドウに関するシステム属性フラグがスクロールバー有りを示す。この性質を利用して、システム属性フラグがスクロールバーなしを示すまで、コンテンツ42を一定比率で複数回縮小することにより図7の右に示すように1つのウィンドウ内に全ての文字が収まるような縮小の文字列のコンテンツ43を得ることができる。
【0055】
この処理を行うための処理手順を図8に示す。
図8において、S100〜S120の処理は図図6のS10〜S30と同様である。CPUはS130において、WEBサーバから一括表示に使用する1つのコンテンツを取り込み、初期的に取り込んだコンテンツのイメージをS120で指示されたウィンドウサイズのイメージとRAM上で合成する。これにより、コンテンツがウィンドウ内に収まるか否か(コンテンツイメージが許容範囲内か否か)をウィンドウのスクロールバーの有無を示すフラグ情報を調べることにより判定する。
【0056】
許容範囲内にない場合には、これまでに合成したウィンドウ全体イメージを消去し、同一のコンテンツイメージを所定比率で少しく縮小してウィンドウイメージ内配置する(S140)。このようにして、ステップS130でコンテンツが許容範囲内であるとの判定が得られた後は、その大きさに固定してコンテンツイメージを表示する(S150)。
【0057】
このような情報処理方法を実行すると、ディスプレイの表示画面で一括表示を行なう場合には、最初の表示では、図7の左に示すように文字列がウィンドウよりもはみ出るが、すぐに図7の右に示すようにユーザが見やすい表示に切り替わる。その時間は、1秒よりもさらに小さい時間であるので、ユーザはその変化を目視確認することはない。
【0058】
以上説明したように、上述した実施形態によれば、タブに対応するウィンドウのサイズおよびそのウィンドウ内に表示するコンテンツを選択することができるので、一括表示される複数のWEBページの各々がユーザにとって見やすいものとなる。
【0059】
(さらに他の実施形態)
1)上述の実施形態ではウィンドウサイズ、一括表示で使用するコンテンツ、その変倍率および変倍したコンテンツのイメージの表示位置を指示している。しかしながら、これらの指示を互いに関連付けることができる。たとえば、ウィンドウサイズ指示手段200により指示されたウィンドウサイズが所定のウィンドウサイズより小さい場合には、コンテンツ指示手段210により指示された動画コンテンツをウィンドウに全画面表示し(この場合、コンテンツの位置はウィンドウの中心)、指示されたウィンドウサイズが所定のウィンドウ画面より大きい場合には、指示された動画コンテンツをコンテンツ位置指示手段260により指示された位置(中央とは異なる位置)で表示するというような表示方法を採ることもできる。このような場合には、所定のウィンドウサイズ、および全画面表示するコンテンツの種類、全画面表示ではない場合のコンテンツのウィンドウ中の(表示)位置を示す(位置)情報をテーブルの形態で、タブブラウザに引き渡せばよい。タブブラウザを実行する情報処理手段220(CPU)は、指示されたウィンドウサイズと上記所定サイズを比較して、全画面表示するか否かを判定し、その判定結果に応じて全画面表示および指定位置での表示それぞれに対応するコンテンツのイメージを変倍して、一括表示用のコンテンツのイメージをRAM上で作成する。タブブラウザへのこれら指示情報の引渡し方法は、WEBページに記載しておく方法やURL情報の中に位置情報を含める方法など図4の指示手段の実施形態で説明した方法を採ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明実施形態の全体システム構成を示すブロック図である。
【図2】本発明実施形態の一括表示前の表示例を示す説明図である。
【図3】本発明実施形態の一括表示後の表示例を示す説明図である。
【図4】本発明実施形態の、タブブラウザを搭載したパソコンの機能構成を示すブロック図である。
【図5】本発明実施形態の一括表示のための分割ページ配置を説明するための説明図である。
【図6】本発明実施形態のタブブラウザに係わるパソコンの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明実施形態の処理内容を説明するための説明図である。
【図8】本発明実施形態のタブブラウザに係わるパソコンの他の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0061】
100 パソコン
110 一般公衆電話回線
120 通信サーバ
130 インターネット
140 WEBサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータの情報処理手段によりタブブラウザ用のプログラムを実行することより複数のWEBページを前記コンピュータの表示手段に表示するタブブラウザの表示方法であって、前記コンピュータはウィンドウサイズ指示手段、コンテンツ指示手段および記憶手段とを有し、
前記ウィンドウサイズ指示手段により一括表示に使用する各WEBページのウィンドウサイズを指示し、
各前記ウィンドウ内で表示すべきコンテンツを前記コンテンツ指示手段により指示し、
各前記ウィンドウサイズにより指示されたサイズの1画面分の複数のウィンドウイメージを前記情報処理手段により前記記憶手段上で作成し、
前記コンテンツ指示手段により指示された複数のコンテンツのイメージを前記記憶手段上の複数のウィンドウイメージ内に挿入するように前記情報処理手段により合成することを特徴とするタブブラウザの一括表示方法。
【請求項2】
前記ウィンドウサイズ指示手段により指示されたウィンドウのサイズから定まる比率で変倍前のコンテンツのイメージを変倍することにより、前記ウィンドウのイメージ内に挿入するコンテンツのイメージを前記情報処理手段により作成することを特徴とする請求項1に記載のタブブラウザの一括表示方法。
【請求項3】
前記コンピュータは変倍率指示手段をさらに有し、該変倍率指示手段により指示された変倍率で変倍前のコンテンツのイメージを変倍することにより前記ウィンドウのイメージ内に挿入するコンテンツのイメージを前記情報処理手段により作成することを特徴とする請求項1に記載のタブブラウザの一括表示方法。
【請求項4】
変倍前のコンテンツのイメージを前記情報処理手段により試行錯誤的に繰り返し、変倍し、前記ウィンドウサイズ指示手段により指示されたサイズ内に収まるコンテンツのイメージを前記情報処理手段により作成することを特徴とする請求項1に記載のタブブラウザの一括表示方法。
【請求項5】
前記コンテンツ指示手段は表示すべきコンテンツの種類を指定することにより前記ウィンドウ内に表示すべきコンテンツを指示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のタブブラウザの一括表示方法。
【請求項6】
前記WEBページの中に前記ウィンドウ内に挿入すべきコンテンツに関する識別情報が記載されており、前記コンテンツ指示手段は当該識別情報を前記WEBページから読み取ることにより指示すべきコンテンツに関する識別情報を入手することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のタブブラウザの一括表示方法。
【請求項7】
前記ウィンドウ内に挿入するコンテンツに関する識別情報はURL情報の中に含まれており、前記コンテンツ指示手段に該URL情報を引き渡すことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のタブブラウザの一括表示方法。
【請求項8】
前記識別情報の中には、一括表示の際のコンテンツのウィンドウ上の配置位置を示す位置情報をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のタブブラウザの一括表示方法。
【請求項9】
前記ウィンドウ内で表示するコンテンツの位置を指示するコンテンツ位置指示手段をさらに有し、該コンテンツ位置指示手段により指示された位置にコンテンツのイメージを挿入するように前記情報処理手段は合成することを特徴とする請求項1に記載のタブブラウザの一括表示方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2007−122380(P2007−122380A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−313205(P2005−313205)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(505208798)Lunascape株式会社 (4)
【Fターム(参考)】