説明

タルク粉末及びその製造方法

【課題】物性−比重バランスに優れ、自動車内外装品、家電製品部品、事務機器部品等の種々の用途に使用可能な樹脂組成物に好適に用いられるタルク粉末を提供する。
【解決手段】タルク原石を湿式粉砕及び/又は分級して得られるタルク粉末であって、前記タルク原石の広角X線回折法による配向評価における12次の回折ピークの半値幅が1度以上30度以下であり、且つ前記タルク粉末のJIS R1629に従ってレーザー回折法により測定したメディアン径D50(L)が2.0μm以上9.4μm以下であることを特徴とするタルク粉末。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の形態を有するタルク粉末及びその製造方法に関する。詳しくは、自動車部品、家電製品部品、事務機器部品等に好適に用いられる樹脂組成物に好適に使用されるタルク粉末並びにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロピレン・エチレン共重合樹脂等にタルクを配合した樹脂組成物は、その優れた機械的性質や熱的性質、リサイクル性等を示すことから自動車部品、家電製品部品又は事務機器部品等の工業部品分野に広く使用されている。一方、これらの分野への展開が広がるにつれ、上記樹脂組成物にはますます高度な物性レベルが要求されている。これらの要求に対応するため、例えば、プロピレン・エチレン共重合樹脂に種々のタルク、エチレン・α−オレフィン共重合ゴム等を加えて、剛性や耐衝撃性を向上させる試みが数多く行われている(特許文献1及び2参照)。
【0003】
しかしながら、この様なタルクを含有する樹脂組成物は、タルクの増量に伴い、その比重大きくなるため、更なる改良が望まれている。例えば、自動車用途については、地球温暖化防止、CO排出規制等の観点から軽量化が求められており、車両に搭載される部品の比重を小さくすることが必要となってきている。そのため、上記部品に用いられる樹脂組成物としては、従来と同様の曲げ弾性率でありながら、比重が小さく、剛性が高いもの等が求められている。
【0004】
また、これらの樹脂組成物を用いた成形体は、線膨張係数が大きいために外気温の変化により寸法が変化することがある。線膨張係数は、フィラーの配合により改善可能であるが、従来の金属製部品を樹脂組成物製部品に代替するには、更なる改良が望まれている。特許文献3には、これらの課題を解決すべく、特定形状を有するタルクの併用が提案されているが、この方法は、タルクを湿式法で製造しているため、乾燥工程等が必要になる上にスケールアップが難しく、製造コストが掛かるという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭57−73033号公開公報
【特許文献2】特開昭57−8235号公開公報
【特許文献3】国際公開第98/45374号公開公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この様な現状をふまえ、物性−比重バランスに優れ、自動車内外装品、家電製品部品、事務機器部品等の種々の用途に使用可能な樹脂組成物に好適に用いられるタルク粉末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の結晶構造を有するタルク原石を湿式粉砕及び/又は分級することにより得られる特定形状のタルク粉末を含む樹脂組成物が曲げ弾性率等の機械的物性に優れ、物性−比重バランスが良好とすることができることを見出し、本発明に至った。
【0008】
すなわち、本発明の第1の要旨は、タルク原石を湿式粉砕及び/又は分級して得られるタルク粉末であって、前記タルク原石の広角X線回折法による配向評価における12次の回折ピークの半値幅が1度以上30度以下であり、且つ前記タルク粉末のJIS R1629に従ってレーザー回折法により測定したメディアン径D50(L)が2.0μm以上9.4μm以下であることを特徴とするタルク粉末に存する。
【0009】
本発明の第2の要旨は、第1の要旨に記載のタルク粉末であって、前記タルク粉末のJIS R1619に従って測定した遠心沈降法によるメディアン径D50(S)が1.0μm以上6.0μm以下であり、且つ、前記タルク粉末の下記式により求められるアスペクト比定数が1.0以上15.0以下であることを特徴とするタルク粉末に存する。
アスペクト比定数={D50(L)−D50(S)}/D50(S)
【0010】
本発明の第3の要旨は、広角X線回折法による配向評価において12次の回折ピークの半値幅が1度以上30度以下であるタルク原石を、JIS R1629に従ってレーザー回折法により測定したメディアン径D50(L)が10μm以上100mm以下になるまで乾式粉砕した後、湿式粉砕し、JIS R1629に従ってレーザー回折法により測定したメディアン径D50(L)が2.0μm以上9.4μm以下のタルク粉末を分級により得ることを特徴とするタルク粉末の製造方法に存する。
【0011】
本発明の第4の要旨は、第3の要旨に記載のタルク粉末の製造方法で得られることを特徴とするタルク粉末に存する。
【0012】
本発明の第5の要旨は、第1、2及び4の何れか1つの要旨に記載のタルク粉末がかさ密度が0.3以上1.0以下に脱気圧縮されていることを特徴とする圧縮タルクに存する。
【発明の効果】
【0013】
本発明のタルク粉末は、特定の形態であるため、本発明のタルク粉末を含む樹脂組成物の成形体を軽量でありながら、曲げ弾性率等の機械的物性に優れるものとすることが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明について実施形態及び例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態及び例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。
【0015】
1.タルク原石
本発明のタルク粉末は、特定の結晶構造を有するタルク原石を乾式粉砕及び/又は分級して得られる。具体的には、本発明のタルク粉末は、広角X線回折法による配向評価における12次の回折ピークの半値幅が1度以上30度以下のタルク原石を乾式粉砕及び/又は分級して得られる。また、該半値幅は25度以下であるのが好ましく、20度以下であるのが更に好ましい。また、該半値幅から算出されるタルク原石の配向度は、0.7以上であるのが好ましく、0.8以上であるのが更に好ましく、0.9以上であるのが特に好ましく、また、上限は1.0であるのが好ましい。ここで、タルク原石の12次の回折ピークの半値幅及び結晶の配向度は、以下のようにして測定することができる。
【0016】
(結晶構造)
12次の回折ピークの半値幅は、株式会社リガク製卓上型回転対陰極型X線発生装置「ultrax18」を使用して、Niフィルターで単色化したCuKα線で、シンチレーションカウンター及び波高分析器を用いて、X線回折強度を測定することにより求めることができる。ここで、光学系は反射法とし、発散スリット1/2°、受光スリット0.15mm、散乱スリット1/2°とする。具体的には、X線源から発散したX線をタルクの劈開面に照射しながら、対称反射法で2θ=5〜80°(2θはブラッグ角)の範囲の回折強度を記録する。配向度の測定には、2θ=59.3°付近に観察される12次の回折ピークを使用する。シンチレーションカウンターを2θ=59.3°の位置にセットし、θ=0〜60°(θはブラッグ角で2θの1/2)走査して回折強度を記録する。この時、スキャンスピードは、5°/min、サンプリングは0.02°とする。(0012)回折ピークの強度分布(I(θ))を次式で表されるガウス関数でカーブフィッティングし、算出した値を半値幅とする。半値幅が小さいほど、回折ピークはシャープで、高度に配向していることを意味する。
【0017】
I(θ)=a+bexp[−{(θ−c)/d}
a、b、c:カーブフィッティングで最適化される変数
半値幅=2d(ln2)1/2
【0018】
また、該半値幅から次式によって与えられるタルク粉末の配向度は、0.7以上であるのが好ましく、0.8以上であるのが更に好ましく、0.9以上であるのが特に好ましく、また、上限は1.0であるのが好ましい。配向の完全度は、配向度が0に近いほど低く、1に近いほど高い。
配向度=(180−半値幅)/180
【0019】
このような結晶構造を有するタルク原石は、中国遼寧省海城地区産の桃色のタルク原石、中国広西自治区産のタルク原石、インドのウッタル・プラデシュ州産、インドのラジャスタン州産等の各地域産のタルク原石のうち、上述の好ましい結晶構造を有するものを用いればよい。
【0020】
上述の特定の結晶構造を有するタルク原石を湿式粉砕及び/又は分級することにより得られる特定形状のタルク粉末が樹脂に曲げ弾性率等の優れた機械的物性を付与することができる理由は不明であるが、以下のように推定される。すなわち、広角X線回折法による配向評価における「12次の回折ピークの半値幅」が小さいということは、12層の結晶の配向度合いが揃っていることを示す。そこで、本発明に係るタルク原石の結晶面が高配向であると、タルク原石の粉砕過程でタルクフィラーが剥離しながら微細化し、アスペクト比の高い粉末となるやすいため、これを含んだ樹脂組成物成形体の曲げ弾性率が向上すると考えられる。
【0021】
タルク原石の形状は、本発明の優れた効果が発現されれば特に制限は無い。なお、本発明のタルク粉末の製造方法においては、乾式粉砕前の状態をタルク原石とする。
【0022】
2.タルク粉末の製造方法
本発明のタルク粉末の製造方法は、本発明のタルク粉末が得られる湿式の製造方法であれば、どのような方法でもよい。タルク粉末の製造方法としては、具体的には、例えば、タルク原石を所望の粒径になるまでひたすら機械的に粉砕する方法、タルク原石を機械的に粉砕後に分級する方法等が挙げられる。ここで、粉砕及び/又は分級は、各々1回のみ行っても、同一又は異なる装置を用いて2回以上行ってもよい。これらの方法の内、得られるタルク粉末のアスペクト比定数を好ましいものとし易いことから、粉砕後に分級する方法が特に好ましい。以降、この特に好ましい方法について詳述するが、本発明のタルク粉末の製造方法は、これに限定されるものではない。
【0023】
(粉砕)
タルク原石の粉砕は、粉砕機としては、一般的にタルクの製造等に用いられている粉砕機を用いることができる。粉砕は、1つの粉砕機で1回のみ粉砕を行なっても、粉砕効率を上げるためにタルク原石を粗粉砕(一次粉砕)した後、更に同一又は異なる粉砕機で微粉砕(二次粉砕)してもよい。また、粗粉砕及び微粉砕は、各々1回のみ行っても、同一又は異なる装置を用いて2回以上行ってもよいが、製造コストの点では、粗粉砕及び微粉砕を各々1回ずつ行うのが好ましい。
【0024】
粉砕を2回に分けて行う場合は、通常、粗粉砕でタルクを微粉砕機に投入できるサイズに砕いた後、微粉砕で更に微粉化する。粗粉砕後のタルクの直径は、微粉砕機で粉砕し易く、微粉砕機に掛かる負荷が小さい点では、小さい方が好ましい。粗粉砕後のタルクの直径は、具体的には、通常、直径10cm以下、好ましくは8cm以下、更に好ましくは5cm以下であることが好ましい。粗粉砕に好適な粉砕機としては、大きな石を砕くのに適することから、ハンマークラッシャー、ジョークラッシャー、ロールクラッシャー等のクラッシャータイプの乾式粉砕機が挙げられる。
【0025】
粗粉砕後に行う微粉砕は、乾式法で行っても湿式法で行っても構わない。但し、好ましい形態のタルク粉末が得やすい点では、少なくとも1回は湿式法で行うのが好ましい。以降、乾式法で粉砕を行う場合と湿式法で粉砕を行う場合の各々について説明する。なお、本発明において、乾式法による粉砕とは、1回又は複数回粉砕を行う場合の何れの粉砕も乾式法で行う場合を言い、湿式法による粉砕とは、1回又は複数回粉砕を行う場合の少なくとも1回を湿式法で行う場合を言う。
【0026】
乾式法で粉砕を行う場合、粉砕後のタルクの粒径は、過粉砕によるタルク粒子の扁平度合いの低下が起こり難く、本発明のタルク粉末を含む樹脂組成物の曲げ弾性率が高くなりやすい点では、大きい方が好ましいが、また、一方、本発明のタルク粉末を含む樹脂組成物におけるタルク粉末の含有効果、特に曲げ弾性率が高くなりやすい点及び分級を行う場合の歩留まりが大きくなり易い点では、小さい方が好ましい。具体的には、粉砕後のタルクの直径は、10μm以上であるのが好ましく、11μm以上であるのが更に好ましく、12μm以上であるのが特に好ましく、また、一方、25μm以下であるのが好ましく、19μm以下であるのが更に好ましい。なお、ここでの粒径は、後述のレーザー回折法により測定したメディアン径D50(L)である。
【0027】
微粉砕に適する乾式粉砕法としては、例えば、摩砕式粉砕法、衝撃式粉砕法、衝突式粉砕法等が挙げられる。摩砕式粉砕法は、タルクを磨り潰すように粉砕する手法である。具体的な機械としては、VXローラーミル、5Rタイプレイモンドミル、4Rタイプレイモンドミル、竪型ミル、マスコロイダー等の石臼型粉砕機等が挙げられる。衝撃式粉砕法は、粉体に粉砕機により衝撃を与える事により粉砕する手法である。具体的な機械としては、アドマイザー、パルペライザー、ハンマーミル、ミクロンミル、ベベルインパクター、ピンミル、スーパーミクロンミル、ピンミル等が挙げられる。衝突式粉砕法は、粉体を衝突により粉砕する手法である。具体的な機械としては、乾式流動床式ジェットミル等のジェット型粉砕機;ネアミル、遊星ボールミル、連続式チューブミル等のボールミル等の粉砕機が挙げられる。なお、微粉砕機に分級機が内蔵されている粉砕機を用いる場合は、粉砕しながら分級を行ってもよい。
【0028】
微粉砕を湿式法で行う場合は、粗粉砕したタルク粉末をそのまま湿式粉砕しても、粗粉砕したタルク粉末を更に乾式法で微粉化してから湿式粉砕してもよいが、粉砕時間を短くしやすい点では、粗粉砕したタルク粉末を更に乾式粉砕してから湿式粉砕するのが好ましく、この更なる乾式粉砕を上述の微粉砕に適する乾式粉砕法で行ってから湿式粉砕するのが特に好ましい。湿式粉砕は、粗粉砕されたタルク粉末を水と接触させ、流動可能な粘度のスラリー状として状態で粉砕を行う。水接触時には、適宜、分散剤を用いてもよい。湿式粉砕に適する装置としては、ボールミル、ビーズミル、湿式ジェットミル、ディスコプレックス等が挙げられる。これらのうち、過粉砕による扁平度の低下が起こさずに微粉化しやすいことから、ボールミルが好ましい。
【0029】
(乾燥)
湿式法で砕化後のタルク粉末は、通常、乾燥させて使用する。乾燥は、後述の分級前に行っても、分級後に行っても構わない。
【0030】
(分級)
粉砕されたタルクは、分級することによってその粒度を調整する。分級は、乾式粉砕後に乾式の分級を行っても、湿式粉砕後に乾燥させてから乾式分級を行う、乾式粉砕後に水と接触させて湿式分級を行う、湿式粉砕後にそのまま湿式分級を行う等の何れの方法でもよい。分級では、分級機の条件を調節することにより、目的とする粒度のタルク微末を取り出すことができる。分級機は、粉砕機に内蔵されていても、粉砕機とは別の装置であっても構わないが、過粉砕が起こり難いことから分級機が粉砕機と別になっているのが好ましい。また、分級前のタルクが大きい場合などには、複数回、分級を繰り返してもよい。
【0031】
乾式分級機としては、例えば、サイクロン、サイクロンエアセパレーター、ミクロセパレーター、サイクロンエアセパレーター、シャープカットセパレター、風簸分級機(安川製作所製「YACA−132」)、ターボクラッシファーアー(日清エンジ社製)、高精度気流分級機(日本ニューマチック社製「DSF」、「DXF」、「UFC」)、スラリースクリーナー等が挙げられる。また、湿式分級は、例えば、ディスコプレックス、水簸分級法等を用いて行うことができる。
【0032】
3.タルク粉末
本発明のタルク粉末は、通常、以下の特定形態を有する。
【0033】
(レーザー回折法により測定したメディアン径D50(L))
本発明n6タルク粉末のJIS R1629に従ってレーザー回折法により測定したメディアン径D50(L)は、2.0μm以上9.4μm以下である。該メディアン径は、小さい方がタルク粉末を含む樹脂組成物成形体の耐面衝撃性の点で好ましいが、また、一方、大きい方が、タルク粉末が扁平構造となり、タルク粉末を含む樹脂組成物成形体の曲げ弾性率の点で好ましい。従って、該メディアン径は、3.0μm以上であるのが好ましく、4.0μm以上であるのが更に好ましく、また、一方、9.0μm以下であるのが好ましい。
【0034】
上記メディアン径D50は、レーザー法粒度分布測定機を用いて、JIS R1629に準拠して測定した粒度累積分布曲線から読みとった累積量50重量%の粒径値から求められる。レーザー法粒度分布測定機としては、例えば、株式会社堀場製作所製「LA920」、株式会社島津製作所製「SALD−2000J」等により測定することができる。
【0035】
(遠心沈降法によるメディアン径D50(S))
本発明のタルク粉末について、JIS R1619に従って測定した遠心沈降法によるメディアン径D50(S)は、1.0μm以上6.0μm以下であるのが好ましい。該メディアン径は、小さい方がタルク粉末を含む樹脂組成物成形体の耐面衝撃性が優れたものとなりやすく、また、タルク粉末が扁平構造となり、タルク粉末を含む樹脂組成物成形体の曲げ弾性率が優れたものとなりやすい点で好ましい。具体的には、該メディアン径は、1.5μm以上であるのが好ましく、1.7μm以上であるのが更に好ましく、また、一方、5.0μm以下であるのが好ましく、4.0μm以下であるのが更に好ましい。
【0036】
上記メディアン径は、遠心沈降法粒度分布測定機は、例えば、株式会社島津製作所製「CP」等により測定することができる。測定は、JIS R1619に準拠して、測定した粒度累積分布曲線から読みとった累積量50重量%の粒径値より求められる。
【0037】
(アスペクト比定数)
本発明のタルク粉末について、上記2種類のメディアン径の値から下記式によって求められるアスペクト比定数は、1.0以上15.0以下であるのが好ましい。
アスペクト比定数={D50(L)−D50(S)}/D50(S)
【0038】
アスペクト比定数は、大きい方が本発明に係る樹脂組成物成形体の曲げ弾性率の点で好ましいが、また、一方、小さい方が本発明に係る樹脂組成物成形体の耐面衝撃性の点で好ましい。従って、アスペクト比定数は、具体的には、1.3以上であるのが更に好ましく、2.0以上であるのが特に好ましく、また、一方、7.0以下であるのが更に好ましく、2.7以下であるのが特に好ましい。
【0039】
(表面処理)
本発明のタルク粉末には、樹脂等に対する接着性や分散性等を向上させる目的で、表面処理を行なってもよい。表面処理としては、例えば、有機チタネート系カップリング剤、有機シランカップリング剤、不飽和カルボン酸又はその無水物をグラフトした変性ポリオレフィン、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル等による処理等が挙げられる。これらの内、脂肪酸金属塩が好ましい。
【0040】
表面処理剤としては、具体的には、ラウリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、エルカ酸等の飽和及び/又は不飽和脂肪酸;これらのマグネシウム、カルシウム、リチウム、亜鉛、ナトリウム等の金属塩;これらのエステル化合物;マレイン化ポリプロピレン、マレイン化ポリエチレン、マレイン化SEBS等のマレイン酸変成物;シラン系カップリング剤;チタネ−ト系カップリング剤又はジルコアルミネ−ト系カップリング剤等が挙げられる。これらの内、飽和脂肪酸の金属塩が好ましく、ステアリン酸のマグネシウム又はカルシウム塩が特に好ましい。
【0041】
また、特に、接着性の向上を目的とする場合には、シラン系カップリング剤が好ましく、具体的には、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。中でも、特にγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルジメトキシシラン等のアミノシラン系カップリング剤が好ましい。
【0042】
表面処理方法としては、例えば、上記の表面処理剤の0.01〜1.00重量%水溶液、又は水分分散液中に、タルク粉末を浸漬した後、140〜160℃で1〜2時間の熱処理する方法等が挙げられる。
【0043】
(圧縮処理)
本発明のタルク粉末は、圧縮処理されていてもよい。タルク粉末を圧縮した圧縮タルクは、コンパクトに保管できる上、かさ密度増加により、樹脂と溶融混練する際に混練機に持ち込まれる空気の量が少なくなり、フィードネック等が生じ難くなり、溶融混練押出機に対する食い込み性が上がることにより、単位時間あたりのコンパウンドの生産量が増加する等の利点がある。タルク粉末を圧縮タルクにする場合は、圧縮効率を高めやすいことから、圧縮前に脱気しておくのが好ましい。以下、タルク粉末を脱気後に圧縮して圧縮タルクとする方法について説明するが、本発明の圧縮タルクの製造方法は、これに限定されるものではない。
【0044】
タルクの脱気は、従来公知の装置及び方法により行うことができる。脱気減容機としては、例えば、栗本鐵工株式会社製「クリパック」、ホソカワミクロン株式会社製「デンスパック」等が挙げられる。
【0045】
圧縮は、従来公知の装置及び方法により行うことができる。圧縮時は、砕き難い固まりができないように圧力等を調整するのが好ましい。圧縮に用いる装置としては、例えば、栗本鐵工株式会社製ローラーコンパクター等が挙げられる。
【0046】
圧縮タルクのかさ密度は、小さい方が圧縮ムラによる塊発生に基づく、成形品の白点が生じ難い点で好ましく、また、一方、大きい方がコンパクトに保管できる上、樹脂と溶融混練する際に混練機に持ち込まれる空気の量が少なく、フィードネック等が生じ難く、溶融混練押出機に対する食い込み性が上がることにより、単位時間あたりのコンパウンドの生産量が増加するため好ましい。具体的には、JIS K−6720に基づき測定される、圧縮後のタルクのかさ密度は、通常0.30以上、好ましくは0.40以上、更に好ましくは0.45以上であるのがよい。なお、圧縮前のタルクのかさ密度は、通常1.00以下、好ましくは0.90以下、より好ましくは0.60以下である。なお、圧縮前のタルク粉末の同かさ密度は、通常0.10以上、好ましくは0.11以上、更に好ましくは0.12以上であり、また、一方、通常0.50以下、好ましくは0.35以下、更に好ましくは0.25以下である。
【0047】
圧縮によるタルクの圧縮率は、低い方が圧縮ムラによる塊発生に基づく、成形品の白点が生じ難い点で好ましく、また、一方、高い方がコンパクトに保管できる上、樹脂と溶融混練する際に混練機に持ち込まれる空気の量が少なく、フィードネック等が生じ難く、溶融混練押出機に対する食い込み性が上がることにより、単位時間あたりのコンパウンドの生産量が増加するため好ましい。圧縮によるタルクの圧縮率は、気圧縮前のかさ密度を脱気後のかさ密度で割った値として、通常3.1以上、好ましくは3.2以上であり、また、一方、通常7.0以下、好ましくは6.5以下、更に好ましくは5.5以下である。
【0048】
4.樹脂組成物
本発明のタルク粉末を含む樹脂組成物を成形して得られる成形体は、軽量でありながら、曲げ弾性率等の機械的物性に優れるものとすることが可能である。本発明のタルク粉末を含む樹脂組成物は、通常、本発明のタルク粉末と樹脂を溶融混練して作製する。
【0049】
5.用途
本発明のタルク粉末を含む樹脂組成物は、物性と比重とのバランスに優れていることから、自動車部品、家電製品部品、事務機器部品等に好適に用いられる。
【実施例】
【0050】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例で用いた材料および成形品の評価方法は、以下に示すとおりである。
【0051】
[I]測定法
(1)広角X線回折法における12次の回折ピークの半値幅
広角X線回折法における12次の回折ピークの半値幅は、株式会社リガク製卓上型回転対陰極型X線発生装置「ultrax18」を使用して、Niフィルターで単色化したCuKα線で、シンチレーションカウンター及び波高分析器を用いて、X線回折強度を測定することにより求めた。ここで、光学系は反射法とし、発散スリット1/2°、受光スリット0.15mm、散乱スリット1/2°とした。具体的には、X線源から発散したX線をタルクの劈開面に照射しながら、対称反射法で2θ=5〜80°(2θはブラッグ角)の範囲の回折強度を記録した。配向度の測定には、2θ=59.3°付近に観察される12次の回折ピークを使用した。シンチレーションカウンターを2θ=59.3°の位置にセットし、θ=0〜60°(θはブラッグ角で2θの1/2)走査して回折強度を記録した。この時、スキャンスピードは、5°/min、サンプリングは0.02°とした。(0012)回折ピークの強度分布(I(θ))を次式で表されるガウス関数でカーブフィッティングし、算出した値を半値幅とした。
【0052】
I(θ)=a+bexp[−{(θ−c)/d}
a、b、c:カーブフィッティングで最適化される変数
半値幅=2d(ln2)1/2
【0053】
(2)配向度
上記半値幅から次式により、配向度を算出した。
配向度=(180−半値幅)/180
【0054】
(3)レーザー回折法によるメディアン径D50(L)
レーザー回折法によるメディアン径D50(L)は、レーザー回折式粒度分布測定機(株式会社堀場製作所製「LA920」)を用いて、JIS R1629に従って測定することにより得られた粒度累積分布曲線から読みとった累積量50重量%の粒径値から求めた。
【0055】
(4)遠心沈降法によるメディアン径D50(S)
遠心沈降法によるメディアン径D50(S)は、遠心沈降法粒度分布測定機(株式会社島津製作所製「SA−CP2−20」)を用いて、JIS R1619に従って、遠心回転数600rpm、セルの液面高さ3cmの条件で測定した粒度累積分布曲線から読みとった累積量50重量%の粒径値より求められた。
【0056】
(5)アスペクト比定数
アスペクト比定数は、上記2種類のメディアン径の値から下記式によって求めた。
アスペクト比定数={D50(L)−D50(S)}/D50(S)
【0057】
(6)曲げ弾性率
曲げ弾性率は、JIS−K7171に従って、幅10mm×長さ80mm×厚さ4mmの試験片について、23℃、支点間距離64.0mm、試験速度2.0mm/分で測定した。
【0058】
(7)メルトフローレート(MFR)
メルトフローレートは、ASTM−D1238に従って、2.16kg荷重にて230℃の温度で測定した。
【0059】
(8)100℃以下で溶出されるエチレン・プロピレン−ランダム共重合部分の粘度[η]copoly
プロピレン・エチレンブロック共重合体中のエチレン・プロピレン−ランダム共重合体部分の固有粘度[η]copolyは、以下のようにして求めた。まず、結晶性プロピレン単独重合体部分の重合終了後、一部を重合槽よりサンプリングし、該部分の固有粘度[η]homoを測定した。次に、結晶性プロピレン単独重合体部分を重合した後、エチレン・プロピレン−ランダム共重合体部分を重合して得られた最終重合物(F)の固有粘度[η]Fを測定し、以下の関係式から求めた。この測定は、ウベローデ型粘度計を用いてデカリンを溶媒として温度135℃で行った。
[η]F=(100−Wc)/100×[η]homo+Wc/100×[η]copoly
【0060】
(9)面衝撃特性
成形体の面衝撃特性は、型締め圧7トンの射出成形機(株式会社東芝製「IS170FII」にて、シリンダー温度220℃、金型温度40℃の条件で射出成形した120mm×120mm×3mmの試験片を23℃の恒温室にて5日間保存した後、ASTM−D790に従って、ポンチ径1・2インチノ撃芯を用いて、落下速度5m/秒で測定した落垂面衝撃で評価した。測定は、5サンプル行い、5サンプル中4個以上が脆性破壊した場合を×、3個以下の場合を○とした。
【0061】
[実施例1]
インドのラジャスタン州産のタルク原石(Golcha Associated Soapstone Dist.Co.Pvt.Ltd.製。広角X線回折法における12次の回折ピークの半値幅13.9。配向度0.92)(原石1)をジョークラッシャーを用いて、粒径10mm以下に粗粉砕した後、分級機内蔵型衝撃式粉砕機VXミルにより微粉砕及び分級を行った。容量7リットルのボールミルに該タルク粉末1.0kg、長径20mmのアルミナボール6kg及び水2.0kgを入れ、毎分45回転で24時間粉砕した後、アルミナボールを除き、容量3リットルの容器に移してからプロペラ型攪拌機で攪拌し、タルク粉末を水中に分散させた。これを15時間静置した後、上澄み液1リットルを取り、これを水簸分級した後、濾過して、水洗した後、乾燥させ、カッターミルで解砕した。得られたタルク粉末のレーザー回折法により測定されるメディアン径D50(L)は8.5μm、遠心沈降法によるメディアン径D50(S)は2.4μmであり、アスペクト比定数は2.54であった。
【0062】
[実施例2]
インドのラジャスタン州産のタルク原石(Golcha Associated Soapstone Dist.Co.Pvt.Ltd.製。広角X線回折法における12次の回折ピークの半値幅13.9。配向度0.92)(原石1)をジョークラッシャーを用いて、粒径10mm以下に粗粉砕した後、分級機内蔵型衝撃式粉砕機VXミルにより微粉砕及び分級を行った。容量7リットルのボールミルに該タルク粉末1.0kg、長径20mmのアルミナボール6kg及び水2.0kgを入れ、毎分45回転で24時間粉砕した後、アルミナボールを除き、容量3リットルの容器に移してからプロペラ型攪拌機で攪拌し、タルク粉末を水中に分散させた。これを15時間静置した後、上澄み液1リットルを取り、これを水簸分級した後、濾過して、水洗した後、乾燥させ、カッターミルで解砕した。得られたタルク粉末のレーザー回折法により測定されるメディアン径D50(L)は6.7μm、遠心沈降法によるメディアン径D50(S)は1.9μmであり、アスペクト比定数は2.53であった。
【0063】
[実施例3]
インドのウッタル・プラデシュ州産のタルク原石(Golcha Associated Soapstone Dist.Co.Pvt.Ltd.製。広角X線回折法における12次の回折ピークの半値幅8.3。配向度0.95。)(原石2)をジョークラッシャーを用いて、粒径10mm以下に粗粉砕した後、分級機内蔵型衝撃式粉砕機VXミルにより微粉砕及び分級を行った。容量7リットルのボールミルに該タルク粉末1.0kg、長径20mmのアルミナボール6kg及び水2.0kgを入れ、毎分45回転で24時間粉砕した後、アルミナボールを除き、容量3リットルの容器に移してからプロペラ型攪拌機で攪拌し、タルク粉末を水中に分散させた。これを15時間静置した後、上澄み液1リットルを取り、これを水簸分級した後、濾過して、水洗した後、乾燥させ、カッターミルで解砕した。得られたタルク粉末のレーザー回折法により測定されるメディアン径D50(L)は6.6μm、遠心沈降法によるメディアン径D50(S)は2.0μmであり、アスペクト比定数は2.30であった。
【0064】
[実施例4]
インドのラジャスタン州産のタルク原石(Golcha Associated Soapstone Dist.Co.Pvt.Ltd.製。広角X線回折法における12次の回折ピークの半値幅13.9。配向度0.92)(原石1)をハンマーミルを用いて、粒径10mm以下に粗粉砕した。容量7リットルのボールミルに該タルク粉末1.0kg、長径20mmのアルミナボール6kg及び水2.0kgを入れ、毎分45回転で24時間粉砕した後、アルミナボールを除き、容量3リットルの容器に移してからプロペラ型攪拌機で攪拌し、タルク粉末を水中に分散させた。これを15時間静置した後、上澄み液1リットルを取り、これを水簸分級した後、濾過して、水洗した後、乾燥させ、カッターミルで解砕した。得られたタルク粉末のレーザー回折法により測定されるメディアン径D50(L)は6.7μm、遠心沈降法によるメディアン径D50(S)は1.9μmであり、アスペクト比定数は2.53であった。
【0065】
[比較例1]
中国遼寧省産の白塊タルク原石(広角X線回折法における12次の回折ピークの半値幅32。配向度0.82)(原石4)をジョークラッシャーを用いて、粒径10mm以下に粗粉砕した後、分級機内蔵型衝撃式粉砕機VXミルにより微粉砕及び分級を行った。容量7リットルのボールミルに該タルク粉末1.0kg、長径20mmのアルミナボール6kg及び水2.0kgを入れ、毎分45回転で24時間粉砕した後、アルミナボールを除き、容量3リットルの容器に移してからプロペラ型攪拌機で攪拌し、タルク粉末を水中に分散させた。これを15時間静置した後、上澄み液1リットルを取り、これを水簸分級した後、濾過して、水洗した後、乾燥させ、カッターミルで解砕した。得られたタルク粉末のレーザー回折法により測定されるメディアン径D50(L)は8.3μm、遠心沈降法によるメディアン径D50(S)は3.0μmであり、アスペクト比定数は1.77であった。
【0066】
[実施例1〜4及び比較例1のタルク粉末を含むポリプロピレン樹脂組成物]
実施例1〜4及び比較例1のタルク粉末20重量部とプロピレン・エチレンブロック共重合体C80重量部を配合した後、更にテトラキス[メチレン−3−(3´5´−ジ−t−ブチル−4´−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバ・ジャパン株式会社製「イルガノックス1010」)0.1重量部、ステアリン酸マグネシウム0.4重量部を配合し、スーパーフローターを用いて5分間混合した。その後、二軸混練機(株式会社神戸製鋼製「KCM50」)にて210℃で混練造粒することにより、熱可塑性樹脂組成物を得た。これを、型締め圧100トンの射出成形機にて、成形温度220℃で試験片を作製し、各種の物性測定を行った。評価結果を表1に示す。
【0067】
【表1】

【0068】
(プロピレン・エチレンブロック共重合体)
・プロピレン・エチレンブロック共重合体C(PP−C.結晶性プロピレン単独重合部分
のメルトフローレートは30g/10分。エチレン・プロピレン−ランダム共重合体部
分の含有量は14重量%。エチレン・プロピレン−ランダム共重合体部分におけるエチ
レン含量は61重量%。エチレン・プロピレン−ランダム共重合体部分の粘度[η]c
opolyは3.3)。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明のタルク粉末は、これを含む樹脂組成物の成形体を、軽量でありながら、曲げ弾性率等の機械的物性に優れるものとすることが可能であり、自動車部品、家電製品部品、事務機器部品等に好適に用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タルク原石を湿式粉砕及び/又は分級して得られるタルク粉末であって、前記タルク原石の広角X線回折法による配向評価における12次の回折ピークの半値幅が1度以上30度以下であり、且つ前記タルク粉末のJIS R1629に従ってレーザー回折法により測定したメディアン径D50(L)が2.0μm以上9.4μm以下であることを特徴とするタルク粉末。
【請求項2】
請求項1に記載のタルク粉末であって、前記タルク粉末のJIS R1619に従って測定した遠心沈降法によるメディアン径D50(S)が1.0μm以上6.0μm以下であり、且つ、前記タルク粉末の下記式により求められるアスペクト比定数が1.0以上15.0以下であることを特徴とするタルク粉末。
アスペクト比定数={D50(L)−D50(S)}/D50(S)
【請求項3】
広角X線回折法による配向評価において12次の回折ピークの半値幅が1度以上30度以下であるタルク原石を、JIS R1629に従ってレーザー回折法により測定したメディアン径D50(L)が10μm以上100mm以下になるまで乾式粉砕した後、湿式粉砕し、JIS R1629に従ってレーザー回折法により測定したメディアン径D50(L)が2.0μm以上9.4μm以下のタルク粉末を分級により得ることを特徴とするタルク粉末の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載のタルク粉末の製造方法で得られることを特徴とするタルク粉末。
【請求項5】
請求項1、2及び4の何れか1項に記載のタルク粉末がかさ密度が0.3以上1.0以下に脱気圧縮されていることを特徴とする圧縮タルク。

【公開番号】特開2011−73902(P2011−73902A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−224624(P2009−224624)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(505360801)日本タルク株式会社 (8)
【出願人】(594053590)日本光研工業株式会社 (10)
【出願人】(596133485)日本ポリプロ株式会社 (577)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】