説明

タンディシュ内側面への乾式被覆材の形成方法および前記乾式被覆材の焼成用型枠

【課題】タンディシュ内に挿入される焼成用型枠を均一に加熱して乾式被覆材を比較的均一に焼成でき、安全に行え且つ労力を低減できるタンディシュ内側面への乾式被覆材の形成方法、およびこれに用いる焼成用型枠を提供する。
【解決手段】底面14およびその周辺から立設する側壁12a,12b,13a,13bからなる型枠本体11と、該型枠本体11の内側15に配管され、内部に熱媒体が供給される金属管16と、を備え、上記型枠本体11の底面14が平面視でほぼ長方形を呈し、係る底面14の四辺から立設する4つの側壁12a,12b,13a,13bおよび底面14に囲まれたほぼ直方体状を呈する型枠本体11の内側15に、該内側15の長手方向に沿って上記金属管16が配管されている、タンディシュ1に内貼りされた乾式被覆材Dcの焼成用型枠10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶鋼の連続鋳造に用いるタンディシュの内側面に貼り付けた耐火物の表面に乾式被覆材を形成する方法、および係る方法に用いる前記乾式被覆材の焼成用型枠に関する。
【背景技術】
【0002】
タンディシュを構成する鉄皮の内側面には、注湯される溶鋼に耐え得る耐火物が内貼りされ、更に係る耐火物を保護し且つ残鋼処理を容易化するなどの目的によって、上記耐火物の表面に乾式被覆材を層状に形成している。尚、係る乾式被覆材は、水分を用いずに施工可能な所謂ドライコーティング材である。
ところで、前記タンディシュの鉄皮に内貼りされた耐火物への過剰な焼け付きが生じにくいドライコーティングを形成するため、上記耐火物と鉄皮の内側に挿入された中子(型枠)との隙間に乾式コーティング材を充填し、前記中子の内側からバーナーによる火炎を該中子の内側面の全面に対し順次当てることで、係る中子を介して上記乾式コーティング材を100〜400℃に加熱するタンディシュへの乾式コーティング層の形成方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、特許文献1に記載の前記乾式コーティング層の形成方法では、前記中子の内側面の全体に対し、バーナーから射出される火炎が直に且つ順次当てられるため、中子の鉄枠が損傷したり、変形し易いため、上記コーティング層の形状が変形するおそれがある。しかも、中子を局部的に加熱し過ぎたり、逆に加熱不足になり易いなど中子全体を均一に加熱し難いと共に、これらを行う作業者に多大な労力が求められ且つ危険性の高い作業でもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−137279号公報(第1〜13頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、背景技術において説明した問題点を解決し、タンディシュ内の耐火物の内側に挿入される焼成用型枠を均一に加熱して乾式被覆材を比較的均一に焼成でき、作業が安全に行え且つ労力を低減できるタンディシュ内側面への乾式被覆材の形成方法、およびこれに用いる焼成用型枠を提供する、ことを課題とする。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するため、焼成用型枠を構成する枠本体の内側に金属管を配設し、該金属管内に熱媒体を供給することにより、上記型枠の外側に位置している乾式被覆材を均一に加熱する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明によるタンディシュ内側面への乾式被覆材の形成方法(請求項1)は、タンディシュを構成する箱形状の鉄皮における底面上の耐火物の上に乾式被覆材を敷設するステップと、上記鉄皮の内側面に沿って当該鉄皮と相似形状の焼成用型枠を挿入するステップと、上記鉄皮の側壁に内貼りされた耐火物と上記焼成用型枠の側壁との隙間に上記と同じ乾式被覆材を充填するステップと、上記焼成用型枠の内側に配置した金属管内に熱媒体を供給して、当該型枠からの輻射熱により上記乾式被覆材を比較的均一に焼成するステップと、を含む、ことを特徴とする。
【0007】
これによれば、前記鉄皮の内側面全体に貼られた耐火物のうち、鉄皮の底面上に位置する耐火物の上に乾式被覆材を配設した状態で、上記鉄皮および耐火物の内側に焼成用型枠を挿入し、該型枠の側壁と上記耐火物との隙間に更に上記と同じ乾式被覆材を充填した後、上記型枠の内側に配置した金属管内に例えばバーナーの火炎を吹き込んで得られる高温の燃焼ガス(熱媒体)を供給することによって、上記乾式被覆材を均一に加熱し且つ焼成することができる。従って、上記型枠の変形を抑制でき、これに伴って乾式被覆材の形状を安定にできると共に、従来に比べて著しく少ない労力により安全に作業することが可能となる。
【0008】
尚、前記耐火物は、例えば、アルミナ、マグネシア、またはカルシアなどを主成分としており、シート状あるいはレンガ(ブロック)状の形態とされている。
また、前記乾式被覆材は、例えば、MgO、フェノール樹脂、リン酸塩、あるいはケイ酸などに樹脂バインダを配合したものである。
更に、前記金属管は、水平姿勢で前記焼成用型枠の内側に配管され、その中央付近で垂直に立設する縦管に接続され、該縦管内にバーナーの火炎放射口を向けることで、高温の燃焼ガス(熱媒体)を該金属管の内部に供給可能としている。
【0009】
一方、本発明によるタンディシュに内貼りされた乾式被覆材の焼成用型枠(請求項2)は、底面およびその周辺から立設する側壁からなる型枠本体と、該型枠本体の内側に配管され、内部に熱媒体が供給される金属管と、を備えている、ことを特徴とする。
これによれば、前記金属管内に例えばバーナーからの火炎による燃焼ガスが供給され、係る金属管および型枠本体を介して、上記燃焼ガスの熱が型枠本体の外側を囲んでいる乾式被覆材を比較的均一に加熱しつつ焼成することができる。その結果、型枠の変形を抑制でき、且つ乾式被覆材の形状を安定化できると共に、従来に比べて比較的少ない労力で且つ安全に焼成することが可能となる。
【0010】
また、本発明には、前記型枠本体の底面が平面視でほぼ長方形を呈し、係る底面の四辺から立設する4つの側壁および上記底面に囲まれたほぼ直方体状の型枠本体の内側に、該内側の長手方向に沿って前記金属管が配管されている、タンディシュに内貼りされた乾式被覆材の焼成用型枠(請求項3)も含まれる。
これによれば、長方形状の上記型枠本体およびその内側で且つ長手方向に沿って配管された金属管を介して、上記燃焼ガスの熱が型枠本体の外側を囲んでいる乾式被覆材を一層均一に加熱しつつ焼成することができる。
【0011】
更に、本発明には、前記型枠本体において対向する一対の側壁の外側面に、垂直方向に沿った凸条が対称に突設されている、タンディシュに内貼りされた乾式被覆材の焼成用型枠(請求項4)も含まれる。
これによれば、前記焼成用型枠をタンディシュの内側から取り外した際に、露出する乾式被覆材からなる一対の内壁面ごとに沿って垂直な凹溝が対向して形成される。係る凹溝にタンディシュの内側を区分するための堰を挿入し、且つ該堰と凹溝との間に楔を打ち込むことによって、係る堰の固定に要する含水性であるモルタルの使用量を可及的に低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の前記方法における焼成用型枠を鉄皮の内側に挿入するステップを示す斜視図。
【図2】上記焼成用型枠を示す平面図。
【図3】上記焼成用型枠の垂直断面図。
【図4】前記鉄皮の底面の耐火物上に乾式被覆材を配設ステップを示す概略図。
【図5】前記焼成用型枠を鉄皮の内側に挿入するステップを示す概略図。
【図6】上記型枠の側壁と耐火物との隙間に乾式被覆材を充填するステップを示す概略図。
【図7】上記充填された乾式被覆材を加熱・焼成するステップを示す概略図。
【図8】異なる形態の焼成用型枠を示す平面図。
【図9】更に異なる形態の焼成用型枠を示す平面図。
【図10】焼成された乾式被覆材の凹溝間に堰を挿入する状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下において、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の対象となるタンディシュ1と、該タンディシュ1の内側に挿入される焼成用型枠10とを示す斜視図である。
上記タンディシュ1は、図1に示すように、箱形状の鉄皮2と一対のトラニオン8とにより構成され、前記鉄皮2は、長辺側に位置する一対の側壁3a,3b、短辺側に位置する一対の側壁4a,4b、および平面視がほぼ長方形の底面(低壁)5からなり、上記側壁3aの中間には、外側に突出した角形壁6と角形底面7とが位置している。上記側壁3a,3b,4a,4b,6の内側面には、前回の連続鋳造で残った壁側の耐火物Twが一定の厚みで内貼りされており、底面5,7の上にも後述するように底側の耐火物Tsが一定の厚みで内貼りされている。
尚、一対の前記トラニオン8は、上記タンディシュ1をクレーンなどで吊り下げ、該タンディシュ1を連続鋳造鋳型の上方などに搬送する際に使用される。
【0014】
一方、前記焼成用型枠10は、図1〜図3に示すように、全体がほぼ箱形状で前記鉄皮2とほぼ相似形の型枠本体11と、該型枠本体11の内側(空間)15に配管された金属管16とを備えている。上記型枠本体11は、平面視がほぼ長方形の底面(低壁)14およびその四辺(周辺)から立設する長短一対ずつの側壁12a,12b,13a,13bからなり、一方の側壁12aにおける中間には、外側に突出した角形壁12cと角形底面14cとが位置している。係る角部壁12cおよび角部底面14cは、前記耐火物Tw,Tsを介して、前記タンディシュ1における鉄皮12の角形壁6および角形底面7の内側に挿入される。
【0015】
また、図1〜図3に示すように、全体がほぼ直方体を呈する前記型枠本体11の内側15には、該内側15の長手方向に沿って、金属管16が水平に配管されている。該金属管16は、例えば、SUS304などのステンレス鋼管からなり、左右一対の水平および垂直な支持棒17を介して、側壁12a,12b,13a,13bや底面14に支持されている。係る金属管16の長手方向における中間には、上端にフランジ19を有する縦管18が垂直に接続され、係る縦管18の中空部18iと金属管16の中空部16iとは、互いに連通している。
更に、図2に示すように、前記型枠本体11の長辺側に位置する一対の側壁12a,12bの外側面には、長手方向の左右に一対ずつの凸条12xが垂直方向に沿って突設されている。係る凸条12xは、追って図8で示すように、前記耐火物Twの内側に被覆される乾式被覆材Dcに垂直な凹溝20を形成するためのものである。
【0016】
以下において本発明による前記タンディシュ1の前記耐火物Tw,Tsの内側面への乾式被覆材(ドライコーティング材)Dcの形成方法について説明する。
図4の垂直断面図で示すように、前回の連続鋳造で溶鋼の連続注湯に使用されたタンディシュ1は、鉄皮2の側壁3a,3b,4a,4b,6の内側や、底面5,7の上側に所要の厚みで耐火物Tw,Tsが残留している。尚、係る耐火物Tw,Tsは、例えば、アルミナなどを主成分とし、前回の注湯時に局部的な溶損を生じた場合には、係る溶損部分に不定形な耐火物を充填して補修されている。
先ず、図4に示すように、鉄皮2の底面5,7の上側に貼り付いている底側の耐火物Tsの上に、乾式被覆材Dcを一定の厚みで敷設するステップを行った。該乾式被覆材Dcは、耐火物Tw,Tsを保護したり、残鋼処理を容易にする目的で使用され、例えば、約90〜95質量%のマグネシア(MgO)と、残部が主に炭素などを含む有機バインダとからなる。
尚、鉄皮2の底面5に形成された注湯に用いる一対の貫通孔5a,5bに連通する透孔hが、上記耐火物Tsと乾式被覆材Dcとの双方に形成されている。
【0017】
次に、図5中と前記図1中の白抜き矢印で示すように、底面5,7上の耐火物Tsの上に乾式被覆材Dcが形成された鉄皮2の内側面に沿って、ほぼ相似形である焼成用型枠10の型枠本体11を挿入するステップを行った。その結果、図5に示すように、鉄皮2の側壁3a,3b,4a,4b,6の内側に張り付いている壁側の耐火物Twと、上記型枠本体11の側壁12a,12b,12c,13a,13bとの間に沿って、ほぼ一定の隙間sが形成された。
係る状態で、鉄皮2と型枠本体11とに対し、図示しない振動手段による振動を与えつつ、図6に示すように、上記隙間s内に前記と同じ乾式被覆材Dcを充填するステップを行った。その結果、鉄皮2の全内側面に貼り付いている耐火物Ts,Twと、型枠本体11の全外側面との間に沿って、乾式被覆材Dcが係る鉄皮2および型枠本体11とほぼ相似形にして被覆された。
【0018】
次いで、図7に示すように、焼成用型枠10の縦管18における中空部18iの上端側の開口部に、バーナーBを接近させ、例えば、酸素やアセチレンガスを燃焼した火炎Fを、上記中空部18iから水平な金属管16の中空部16iに送給して、燃焼ガス(熱媒体)を供給するステップを行った。その結果、図7中の矢印で示すように、上記型枠本体11の側壁12a,12b,12c,13a,13b、および底面14,14cを介して、上記燃焼ガスの輻射熱によって、ほぼ箱形状の乾式被覆材Dcの全体を約数100℃×数時間にて比較的均一に加熱して焼成することができた。
更に、上記乾式被覆材Dcの焼成後において、焼成用型枠10をタンディシュ1の内側からクレーンにより吊り上げて、取り外す脱枠のステップを行った。
【0019】
そして、図8に示すように、焼成用型枠10をタンディシュ1の内側から脱枠した際に露出するほぼ箱形状の乾式被覆材Dcには、前記凸条12xに倣った垂直な凹溝20が所定の位置ごとに複数形成されていた。対向する一対の凹溝20,20に、板状の前記耐火物Twと、その表面側に被覆した乾式被覆材Dcとからなる堰21を挿入し且つ両者の間に楔(図示せず)を打ち込むことによって、タンディシュ1の内側を、複数の溶鋼貯留領域に区分に分割した。これにより、注湯された溶鋼が貫通孔5a,5bに勢い良く流入することで、酸化物などの不純物が連続鋳造鋳型へ巻き込まれる事態を防ぐことができる。
尚、前記凸条12xは、焼成用型枠10の底面14にも側面12a,12bと連続して突設するように形成しても良い。また、係る凸条12xは、側面12a,12bの下半部側にのみ垂直に突設させた形態としても良い。
【0020】
以上のようなタンディシュ1に内貼りされた前記耐火物Tw,Tsの内側面への乾式被覆材Dcの形成方法によれば、鉄皮2の底面5上に位置する耐火物Tsの上に乾式被覆材Dcを配設した状態で、上記鉄皮2および耐火物Ts,Twの内側に焼成用型枠10を挿入し、該型枠10の側壁12,13などと上記耐火物Twとの隙間sに更に上記と同じ乾式被覆材Dcを充填した後、上記型枠10の内側に配置した金属管16内にバーナーBの火炎Fを吹き込んで得られる高温の燃焼ガスを供給することにより、上記乾式被覆材Dcを比較的均一に加熱および焼成することができた。従って、上記型枠10の変形を抑制し、これに伴って乾式被覆材Dcの形状(例えば、表面のうねり)を安定化できると共に、従来に比べて比較的少ない労力により安全に作業することができた。
【0021】
一方、前記方法に用いた前記乾式被覆材Dcの焼成用型枠10によれば、前記金属管16にバーナーBからの火炎Fによる燃焼ガスが供給され、係る金属管16および型枠本体11を介して、上記燃焼ガスの熱が型枠本体11の外側を囲んでいる乾式被覆材Dcを比較的均一に加熱しつつ焼成することができた。その結果、型枠本体11の変形を抑制でき、且つ乾式被覆材Dcの形状を安定化できると共に、従来に比べて比較的少ない労力で且つ安全に焼成することができた。
更に、型枠本体11の側面12a,12bなどの外側面に凸条12xを突設することで、上記型枠10を脱枠した跡に露出する乾式被覆材Dcに、堰21を挿入するための凹溝20が形成されたので、水分を含むモルタルの使用量を低減でき、且つ連続鋳造に用いる溶鋼のピックアップも抑制することが可能となった。
【0022】
図9は、異なる形態の焼成用型枠10aを示す前記図2と同様の平面図である。
上記焼成用型枠10aは、図9に示すように、前記同様の型枠本体11と、その内側15に配管され、且つ平面視でほぼT字形を呈する左右一対の金属管16a,16aと、これらの間に連通して配管され、且つ上端のフランジ19を含む前記縦管18とを備えている。尚、前記支持棒17が前記同様に配置されている。
以上のような焼成用型枠10aによれば、前記バーナーBの火炎Fによる燃焼ガスは、縦管18の中空部18iから金属管16aのほぼT字形を成す中空部16iを経て、型枠本体11の内側15に送給される。その結果、該型枠本体11を囲む前記乾式被覆材Dcを一層均一に加熱して焼成できるため、該被覆材Dcの形状を更に安定化できると共に、一層の省力化および安全を図ることができる。
【0023】
図10は、更に異なる形態の焼成用型枠10bを示す前記同様の平面図である。
上記焼成用型枠10bは、図10に示すように、前記同様の型枠本体11と、その内側15の中心部に配管され、且つ上端のフランジ19を含む前記縦管18と、該縦管18から平面視でX字形に延び、且つ途中から側壁12a,12bと平行に延びて内側15のほぼ全面に拡がった4本の金属管16bとを備えている。
以上のような焼成用型枠10bによれば、前記バーナーBの火炎Fによる燃焼ガスは、縦管18の中空部18iから、4本の金属管16bの中空部16iを経て、型枠本体11の内側15のほぼ全体に送給される。その結果、該型枠本体11を囲む前記乾式被覆材Dcをより一層均一に加熱・焼成できるため、該被覆材Dcの形状を更に安定化でき、且つ一層の省力化および安全を図り得る。
【0024】
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、前記乾式被覆材Dcの形成方法において、例えば、ボイラーや溶解炉などから採取した高温のガスを金属管16などに熱媒体として供給しても良い。
また、前記焼成用型枠10,10a,10bにおいて、前記金属管16,16a,16bに対し、2本以上の縦管18を並列または個別にして接続しても良い。
更に、前記焼成型枠10の型枠本体11は、前記縦管18を除いて、内側15の開口部を金属製の蓋板で密閉する構造としても良い。
加えて、前記タンディシュ1や焼成用型枠10などは、底面5,14が長方形で、且つ前記角形壁6や角形壁12cがない形態としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明によれば、タンディシュ内の耐火物の内側に挿入される焼成用型枠を均一に加熱して乾式被覆材を比較的均一に焼成できると共に、安全に行え且つ労力を低減できるタンディシュ内側面への乾式被覆材の形成方法、およびこれに用いる乾式被覆材の焼成用型枠を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0026】
1………………………………………タンディシュ
2………………………………………鉄皮
3a,3b,4a,4b,6………側壁
5,7…………………………………底面
10,10a,10b………………焼成用型枠
11……………………………………型枠本体
12a〜12c,13a,13b…側壁
12x…………………………………凸条
14,14c…………………………底面
15……………………………………内側
16,16a,16b………………金属管
Ts,Tw……………………………耐火物
Dc……………………………………乾式被覆材
s………………………………………隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンディシュを構成する箱形状の鉄皮における底面上の耐火物の上に乾式被覆材を敷設するステップと、
上記鉄皮の内側面に沿って当該鉄皮と相似形状の焼成用型枠を挿入するステップと、
上記鉄皮の側壁に内貼りされた耐火物と上記焼成用型枠の側壁との隙間に上記と同じ乾式被覆材を充填するステップと、
上記焼成用型枠の内側に配置した金属管内に熱媒体を供給して、当該型枠からの輻射熱により上記乾式被覆材を比較的均一に焼成するステップと、を含む、
ことを特徴とするタンディシュ内側面への乾式被覆材の形成方法。
【請求項2】
底面およびその周辺から立設する側壁からなる型枠本体と、
上記型枠本体の内側に配管され、内部に熱媒体が供給される金属管と、を備えている、
ことを特徴とするタンディシュに内貼りされた乾式被覆材の焼成用型枠。
【請求項3】
前記型枠本体の底面が平面視でほぼ長方形を呈し、係る底面の四辺から立設する4つの側壁および上記底面に囲まれたほぼ直方体状の型枠本体の内側に、該内側の長手方向に沿って前記金属管が配管されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のタンディシュに内貼りされた乾式被覆材の焼成用型枠。
【請求項4】
前記型枠本体において対向する一対の側壁の外側面に、垂直方向に沿った凸条が対称に突設されている、
ことを特徴とする請求項2または3に記載のタンディシュに内貼りされた乾式被覆材の焼成用型枠。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−43210(P2013−43210A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183435(P2011−183435)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000003713)大同特殊鋼株式会社 (916)
【Fターム(参考)】