タンデム型連続チャネル型電子増倍管
【課題】検出効率が高くて寿命がより長いチャネル型電子増倍管を提供する。
【解決手段】入射粒子を受け取るシングルチャネル型CEM502を有するチャネル型電子増倍管。マルチチャネル型CEMがシングルチャネル型CEM502の後段に配置され、シングルチャネル型502からの電子放出を受け取る。電子コレクタ520がマルチチャネル型CEMの後段に配置され、マルチチャネル型CEMからの電子放出に応じてパルス電流を発生させる。
【解決手段】入射粒子を受け取るシングルチャネル型CEM502を有するチャネル型電子増倍管。マルチチャネル型CEMがシングルチャネル型CEM502の後段に配置され、シングルチャネル型502からの電子放出を受け取る。電子コレクタ520がマルチチャネル型CEMの後段に配置され、マルチチャネル型CEMからの電子放出に応じてパルス電流を発生させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンデム型連続チャネル型電子増倍管に関する。
【背景技術】
【0002】
チャネル型電子増倍管(CEM)は、荷電粒子や光子、高エネルギー中性粒子の信号増幅に用いられる。また、CEMは光子や正負両方の荷電粒子、また高エネルギー中性粒子の検出にも用いられる。CEMは、質量分析計の検出器のほか、オージェ光電子分光計やX線/紫外線光電子分光計などの表面分析計の検出器として、また電子顕微鏡にも用いられる。さらに、CEMは光子増倍管の電子増倍にも用いることができる。
【0003】
CEMでは電子放出(emissive)面を用いて電子増倍を発生させる。十分なエネルギーを持つ荷電粒子や高エネルギー中性粒子、光子が電子放出面に衝突すると、電子放出面から二次電子が放出される。このプロセスが繰り返されると、チャネルの長さに沿って電子なだれが発生する。チャネルの端部に設けられたファラデーカップなどの電子コレクタが、電子を収集してその電子を電気パルスに変換する。
【0004】
【特許文献1】米国特許第3,128,408号明細書
【特許文献2】米国特許第4,757,229号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般にCEMは管状であることが多く、入射ビームプロファイルの検出を向上させるためにファンネルコーン(funnel cone)が入射ビーム側に一体式に設けられている。1つの本体内に単一または複数のチャネルを有するCEMが市場に流通している。シングルチャネル型CEMでは、各チャネルのチャネル抵抗が同じであるマルチチャネル型CEMに比べて出力電流のダイナミックレンジが小さい。CEMの安定性と寿命は、電子放出面の活性領域に左右される。そのため、シングルチャネル型CEMの寿命は短い。また、シングルチャネル型CEMの高出力電流動作は、マルチチャネル型電子増倍管に比べて不安定である。しかし、マルチチャネル型電子増倍管では、入射ビーム側においてチャネル間に非活性領域が存在するため検出効率が落ちる。シングルチャネル型電子増倍管では、ファンネルコーンとチャネルとが滑らかにつながっているため検出効率が最大になる。
【0006】
そこで、検出効率が高くて寿命がより長いCEMが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1実施形態によれば、入射粒子を受け取るシングルチャネル型CEMを含むチャネル型電子増倍管が提供される。シングルチャネル型CEMからの電子放出を受け取るマルチチャネル型CEMが、シングルチャネル型CEMの後段に配置されている。マルチチャネル型CEMからの電子放出に応じてパルス電流を発生させる電子コレクタが、マルチチャネル型CEMの後段に配置されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は一般的なCEMの例を示す。図1に示すように、通常、CEMは入射(input)ファンネルコーン101と、湾曲した管状のチャネル102と、ファラデーカップ103をと有する。図2は、入射ファンネルコーン201と、螺旋形の管状のチャネル202と、ファラデーカップ203とを有する別のCEMを示す。図3Aは、入射ファンネルコーン301と、複数の湾曲したチャネル302と、ファラデーカップ303とを有する一般的なCEMを示す。図3Bは、図3AのCEMの正面図である。
【0009】
図4は図2の部分拡大図であり、CEMの動作を示す。CEMのチャネル内部壁401には、一般に還元酸化鉛ガラスである半導体層403の上に、一般にSiO2である電子放出層402が設けられている。管状のチャネル202に取り付けられたファンネルコーン201により、入射粒子ビームプロファイルの受け入れ部がより大きくなり、検出感度が高まる。
【0010】
荷電粒子や光子、高エネルギー中性粒子がCEMの入射側表面に衝突すると二次電子が発生し、二次電子は印加電界によってチャネル内に進行する。この電界によって、二次電子はチャネル内をさらに進行してチャネル壁に衝突し、さらに多数の二次電子を発生させる。このプロセスが何度か繰り返され、チャネルに沿って電子なだれが発生する。出射側に位置するファラデーカップ203がこの電子を収集して電子を電気パルス406に変換し、電気パルスは電気回路に送られてさらに信号処理される。増倍管のチャネル壁から放出された電子は、半導体ガラスを流れる電流404によって補充される。図において電流404は、より正にバイアスされたCEMの背面側、すなわちファラデーカップ側から、より負にバイアスされたCEMの前面側、すなわちファンネルコーン側に流れることを示し、これは一般に知られる慣用に沿ったものである。しかし一般的には、電子は前面側から背面側へ流れると理解される。
【0011】
図3に示すようなマルチチャネル型CEMが製造されているが、この構成では検出効率が落ちる。入射ファンネルコーン301があっても、入射粒子によって発生した二次電子のほとんどがチャネル開口部の間の領域304に衝突し、チャネル内に進行しない。したがって、粒子衝突領域304では電子増倍が発生せず、イオン信号が著しく弱くなる。一方、図1,2に示すようなシングルチャネル型CEMでは、ファンネルコーン101,201とチャネル102,202とが滑らかに移行する構成なので、粒子検出の損失は発生しない。長期的には、荷電粒子がチャネル壁に衝突することによって次第に壁の表面が劣化する。このため、CEMの寿命はチャネル壁の全表面積に正比例する。しかしながら、図3Aのマルチチャネル型CEMでは、チャネルが複数あるため(各チャネルの抵抗やバイアスストリップ電流が同じであると仮定する)、図1,2のシングルチャネル型ユニットに比べ、安定したより幅広いダイナミックレンジの出力電流を提供することができる。また、図3Aのマルチチャネル型CEMは、シングルチャネル型CEMの構成に比べてチャネル壁の電子放出層402の活性表面領域が大きいので寿命も長い。
【0012】
本発明の実施形態は、シングルチャネル型CEMとマルチチャネル型CEMの構成を結合したタンデム(tandem)構成にすることで、従来のシングルチャネル型CEMおよびマルチチャネル型CEMよりも性能が向上している。シングルチャネル型CEMを粒子ビーム入射側に配置し、その後段において、電子なだれの出射側にマルチチャネル型CEM構造を配置する。
【0013】
図5Aは、本発明の実施形態におけるタンデム型CEM構成501を示す。タンデム型CEM501は、シングルチャネル型CEM502とマルチチャネル型の単体CEM503とを備える。単体CEM503の複数のチャネルは、図3Aに示すような湾曲した管状のチャネルにすることができる。荷電粒子508の入射ビームがファンネル(図示せず)に衝突し、シングルチャネル型CEM502に沿って電子なだれを引き起こす。シングルチャネル型CEM502からの出力電子放出は、単体CEM503の複数のチャネルに受け取られる。この電子放出は、電子コレクタ(ファラデーカップなど)520で収集される。
【0014】
図5Bは、本発明の別の実施形態におけるタンデム型CEM構成504を示す。タンデム構成504では、シングルチャネル型CEM502の後段に複数の単体CEMユニット505を配置する。CEMユニット505は、シングルチャネル型の装置でもマルチチャネル型の装置でもよい。荷電粒子508の入射ビームがファンネル(図示せず)に衝突し、シングルチャネル型CEM502に沿って電子なだれを引き起こす。シングルチャネル型CEM502からの出力電子放出は、CEMユニット505で受け取られる。この電子放出は、CEMユニット505の出射側に設けられた各電子コレクタ(ファラデーカップなど)520で収集される。
【0015】
図5Cは、本発明のさらに別の実施形態におけるタンデム型CEM構成506を示す。タンデム構成506では、シングルチャネル型CEM502の後段に複数の単体CEMユニット505を配置する。CEMユニット505は、シングルチャネル型の装置でもマルチチャネル型の装置でもよい。第3の段階のCEMユニットアレイ507をCEMユニット505の後段に配置する。CEMユニット507は、シングルチャネル型の装置でもマルチチャネル型の装置でもよい。荷電粒子508の入射ビームがファンネル(図示せず)に衝突し、シングルチャネル型CEM502に沿って電子なだれを引き起こす。シングルチャネル型CEM502からの出力電子放出は、CEMユニット505で受け取られる。そして、CEMユニット505からの出力電子放出は、CEMユニット507で受け取られる。さらに、CEMユニット507の電子放出は、各CEMユニット507の出射側に設けられた電子コレクタ(ファラデーカップなど)520で収集される。図5Aないし図5Cのタンデム型CEM構成は、電流出力が安定して高く、寿命が長く、また粒子検出効率が高いCEM構成を提供することができる。
【0016】
図5Aないし図5Cのタンデム構成では、シングルチャネル型CEMとマルチチャネル型CEMとの間に間隔が必要となる。これら2つの間の実行可能な(workable)間隔は、マルチチャネル型CEMの入射側におけるチャネル間距離に応じて変わる。例示的な実施形態では、チャネル間距離は中心間距離で0.1インチ(約0.25センチ)、シングルチャネル型CEMとマルチチャネル型CEMとの間の実行可能な間隔は0.1インチ(約0.25センチ)ないし0.75インチ(約1.9センチ)である。一般に、シングルチャネル型CEMの出射側とマルチチャネル型CEMの入射側との間の間隔は、マルチチャネル型CEMのチャネルのチャネル間距離に基づいて決められる。本発明の実施形態では、シングルチャネル型CEMとそれに続くマルチチャネル型CEMが、一体構成で共通のハウジング内に格納される。
【0017】
シングルチャネル型CEMの後段にマルチチャネル型CEMを配置する上述のタンデム構成では、シングルチャネル型CEMによって検出効率が高くなり、マルチチャネル型CEMによって出力電流が安定して高くなり、また寿命が長くなる。シングルチャネル型CEM側で入射粒子が引き起こす電子なだれは、マルチチャネル型CEMの入射面領域全体に広がる。チャネル間の領域における検出効率が悪いためにマルチチャネル型CEMの入射領域で電子が失われても、マルチチャネル型CEMで電子なだれを発生させるのに十分な数の電子がチャネル内に進行し、電子なだれはファラデーカップに到達する。この場合、検出器の全体構成に入射する単一の粒子の情報が維持される。
【0018】
図6は、偏向電圧(deflection voltage)と相対出力電流との関係を示すグラフである。図6のグラフAは、電圧制御偏向板(voltage controlled deflection plate)によって、CEMの入射コーン全体にわたって、入射ビーム軸を含む平面で水平方向に入射ビームをスキャンした場合の、3チャネル型CEMのみからの出力信号を表す。ビーム軸は3チャネルCEMの軸と同一線上にある。グラフAでは、3つの入射チャネルのうち2つを横断するスキャンを行い、チャネル横断部分が−75Vおよび+75V付近の偏向位置における2つのピークで示されている。これら2つのピークの間で出力電流が急激に落ち込んでいるのは、入射ビームがチャネル間の領域で散乱されて損失が生じたことを直接示すものである。グラフBは、このマルチチャネル型CEMと同じ入射ビームスキャン方法を用いた場合の、タンデム型CEM構成からの出力を示す。グラフBは、マルチチャネル型CEMでは損失が最大になる領域において、タンデム構成の入射コーン全体にわたって実質的に損失がないことを示している。このことから、シングルチャネル型入射の増倍管をタンデム型CEM構成で使用すると、マルチチャネル型CEMのみで構成される検出器にビームが直接入射する場合に発生する損失が発生しないことが明らかに示される。
【0019】
図7は、シングルチャネル型CEMおよびタンデム型CEMにおける相対UV強度と出力電流との関係を示すグラフである。グラフBは、シングルチャネル型CEMの出力電流を示す。グラフAは、複数段のタンデム型CEMにおける出力電流を示す。図7に示すように、タンデム型CEMでは出力電流のダイナミックレンジがより高くなる。このグラフでは、タンデム型CEMの各チャネルのバイアスストリップ電流はシングルチャネル型CEMの場合に比べて1.6倍小さいが、タンデム型CEMの出力電流応答は、信号入力(相対UV強度)の関数として、シングルチャネル型CEMの場合よりも高くなっている。シングルチャネル型CEMが約45マイクロアンペアで飽和することが明らかに分かる。このことは、タンデム型連続CEMでチャネルを多重的に使用することで、相対的に同じゲインで動作するシングルチャネル型CEMの場合に比べて大きな出力電流が得られることの直接的な検証になる。
【0020】
図8は、時間と正規化された相対出力電流との関係を示すグラフである。グラフAはタンデム型CEMの場合を、グラフBはシングルチャネル型CEMの場合を示す。図8から、タンデム型CEM構成では、同じ動作条件下で作動するシングルチャネル型CEMに比べて、より大きな出力電流をより長い期間で好適に維持できることが分かる。3.5日間連続動作させた場合、タンデム型CEM構成は初期出力の74%を維持するが、シングルチャネル型CEMは初期出力の46%しか維持できない。このことは、タンデム型CEM構成を用いると検出器の寿命が1.6倍延びることを示している。これは、複数のチャネルを用いるとチャネルの全表面積が大きくなるためである。
【0021】
本発明の実施形態は、入射ビーム側に単一のチャネルを、出射側に複数のチャネルを組み込んだタンデム構成を用いることで、シングルチャネル型増倍管とマルチチャネル型増倍管の固有の問題点を克服する。シングルチャネル型電子増倍管によって検出効率が高くなり、マルチチャネル型電子増倍管によって出力電流(ダイナミックレンジ)が安定して高くなり、また寿命が長くなる。タンデム構成では、シングルチャネル型CEM側で入射粒子が引き起こす電子なだれが、マルチチャネル型CEMの入射コーンの入射領域全体に広がる。複数のチャネルの入射側におけるチャネル間領域で一部電子が損失しても、マルチチャネル型CEMで電子なだれを引き起こすのに十分な数の電子が複数のチャネルに入射する。そのため、単一の入射粒子の情報は維持される。
【0022】
このタンデム構成では、シングルチャネル型CEMの入射ビーム側が電気的にバイアスされ、マルチチャネル型CEMの出射側に対して負になる。タンデム構成の長さ全体に電圧が印加されてバイアスが行われる。電子増倍管の入射側と出射側に電気接点が設けられ、チャネルに電圧を印加することができる。電子増倍管の入射側における入射ビームによって二次電子が発生する。この電子は、印加された電界の影響を受けて複数のチャネルの出射側へ進行する。その際に電子は壁への衝突を繰り返し、全体として電子なだれを引き起こし、電子なだれはファラデーカップによって収集される。
【0023】
例示的な実施形態を参照しながら本発明を説明したが、本発明の本質を逸脱しない範囲でさまざまな変更を加えたり、本発明の要素をその均等物と置き換えたりすることができることは、当業者が理解するところである。したがって本発明は、本発明を実施するために開示された上記の実施形態に限られず、請求項の範囲内におけるあらゆる実施形態を含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】一般的なシングルチャネル型CEMを示す図である。
【図2】一般的なシングルチャネル型CEMを示す図である。
【図3A】一般的なマルチチャネル型CEMを示す図である。
【図3B】一般的なマルチチャネル型CEMを示す図である。
【図4】CEMでの電子なだれを示す図である。
【図5A】本発明の実施形態における複数段のタンデム型CEMを示す図である。
【図5B】本発明の実施形態における複数段のタンデム型CEMを示す図である。
【図5C】本発明の実施形態における複数段のタンデム型CEMを示す図である。
【図6】偏向電圧と相対出力電流との関係を示すグラフである。
【図7】相対UV強度と出力電流との関係を示すグラフである。
【図8】時間と正規化された相対出力電流との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0025】
101,201,301 ファンネルコーン、102,202,302 チャネル、103,203,303 ファラデーカップ、304 粒子衝突領域、401 チャネル壁、402 電子放出層、403 半導体層、404 電流、406 電気パルス、501,504,506 タンデム型CEM構成、502 シングルチャネル型CEM、503 単体CEM、505,507 CEMユニット、508 荷電粒子、520 電子コレクタ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンデム型連続チャネル型電子増倍管に関する。
【背景技術】
【0002】
チャネル型電子増倍管(CEM)は、荷電粒子や光子、高エネルギー中性粒子の信号増幅に用いられる。また、CEMは光子や正負両方の荷電粒子、また高エネルギー中性粒子の検出にも用いられる。CEMは、質量分析計の検出器のほか、オージェ光電子分光計やX線/紫外線光電子分光計などの表面分析計の検出器として、また電子顕微鏡にも用いられる。さらに、CEMは光子増倍管の電子増倍にも用いることができる。
【0003】
CEMでは電子放出(emissive)面を用いて電子増倍を発生させる。十分なエネルギーを持つ荷電粒子や高エネルギー中性粒子、光子が電子放出面に衝突すると、電子放出面から二次電子が放出される。このプロセスが繰り返されると、チャネルの長さに沿って電子なだれが発生する。チャネルの端部に設けられたファラデーカップなどの電子コレクタが、電子を収集してその電子を電気パルスに変換する。
【0004】
【特許文献1】米国特許第3,128,408号明細書
【特許文献2】米国特許第4,757,229号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般にCEMは管状であることが多く、入射ビームプロファイルの検出を向上させるためにファンネルコーン(funnel cone)が入射ビーム側に一体式に設けられている。1つの本体内に単一または複数のチャネルを有するCEMが市場に流通している。シングルチャネル型CEMでは、各チャネルのチャネル抵抗が同じであるマルチチャネル型CEMに比べて出力電流のダイナミックレンジが小さい。CEMの安定性と寿命は、電子放出面の活性領域に左右される。そのため、シングルチャネル型CEMの寿命は短い。また、シングルチャネル型CEMの高出力電流動作は、マルチチャネル型電子増倍管に比べて不安定である。しかし、マルチチャネル型電子増倍管では、入射ビーム側においてチャネル間に非活性領域が存在するため検出効率が落ちる。シングルチャネル型電子増倍管では、ファンネルコーンとチャネルとが滑らかにつながっているため検出効率が最大になる。
【0006】
そこで、検出効率が高くて寿命がより長いCEMが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1実施形態によれば、入射粒子を受け取るシングルチャネル型CEMを含むチャネル型電子増倍管が提供される。シングルチャネル型CEMからの電子放出を受け取るマルチチャネル型CEMが、シングルチャネル型CEMの後段に配置されている。マルチチャネル型CEMからの電子放出に応じてパルス電流を発生させる電子コレクタが、マルチチャネル型CEMの後段に配置されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は一般的なCEMの例を示す。図1に示すように、通常、CEMは入射(input)ファンネルコーン101と、湾曲した管状のチャネル102と、ファラデーカップ103をと有する。図2は、入射ファンネルコーン201と、螺旋形の管状のチャネル202と、ファラデーカップ203とを有する別のCEMを示す。図3Aは、入射ファンネルコーン301と、複数の湾曲したチャネル302と、ファラデーカップ303とを有する一般的なCEMを示す。図3Bは、図3AのCEMの正面図である。
【0009】
図4は図2の部分拡大図であり、CEMの動作を示す。CEMのチャネル内部壁401には、一般に還元酸化鉛ガラスである半導体層403の上に、一般にSiO2である電子放出層402が設けられている。管状のチャネル202に取り付けられたファンネルコーン201により、入射粒子ビームプロファイルの受け入れ部がより大きくなり、検出感度が高まる。
【0010】
荷電粒子や光子、高エネルギー中性粒子がCEMの入射側表面に衝突すると二次電子が発生し、二次電子は印加電界によってチャネル内に進行する。この電界によって、二次電子はチャネル内をさらに進行してチャネル壁に衝突し、さらに多数の二次電子を発生させる。このプロセスが何度か繰り返され、チャネルに沿って電子なだれが発生する。出射側に位置するファラデーカップ203がこの電子を収集して電子を電気パルス406に変換し、電気パルスは電気回路に送られてさらに信号処理される。増倍管のチャネル壁から放出された電子は、半導体ガラスを流れる電流404によって補充される。図において電流404は、より正にバイアスされたCEMの背面側、すなわちファラデーカップ側から、より負にバイアスされたCEMの前面側、すなわちファンネルコーン側に流れることを示し、これは一般に知られる慣用に沿ったものである。しかし一般的には、電子は前面側から背面側へ流れると理解される。
【0011】
図3に示すようなマルチチャネル型CEMが製造されているが、この構成では検出効率が落ちる。入射ファンネルコーン301があっても、入射粒子によって発生した二次電子のほとんどがチャネル開口部の間の領域304に衝突し、チャネル内に進行しない。したがって、粒子衝突領域304では電子増倍が発生せず、イオン信号が著しく弱くなる。一方、図1,2に示すようなシングルチャネル型CEMでは、ファンネルコーン101,201とチャネル102,202とが滑らかに移行する構成なので、粒子検出の損失は発生しない。長期的には、荷電粒子がチャネル壁に衝突することによって次第に壁の表面が劣化する。このため、CEMの寿命はチャネル壁の全表面積に正比例する。しかしながら、図3Aのマルチチャネル型CEMでは、チャネルが複数あるため(各チャネルの抵抗やバイアスストリップ電流が同じであると仮定する)、図1,2のシングルチャネル型ユニットに比べ、安定したより幅広いダイナミックレンジの出力電流を提供することができる。また、図3Aのマルチチャネル型CEMは、シングルチャネル型CEMの構成に比べてチャネル壁の電子放出層402の活性表面領域が大きいので寿命も長い。
【0012】
本発明の実施形態は、シングルチャネル型CEMとマルチチャネル型CEMの構成を結合したタンデム(tandem)構成にすることで、従来のシングルチャネル型CEMおよびマルチチャネル型CEMよりも性能が向上している。シングルチャネル型CEMを粒子ビーム入射側に配置し、その後段において、電子なだれの出射側にマルチチャネル型CEM構造を配置する。
【0013】
図5Aは、本発明の実施形態におけるタンデム型CEM構成501を示す。タンデム型CEM501は、シングルチャネル型CEM502とマルチチャネル型の単体CEM503とを備える。単体CEM503の複数のチャネルは、図3Aに示すような湾曲した管状のチャネルにすることができる。荷電粒子508の入射ビームがファンネル(図示せず)に衝突し、シングルチャネル型CEM502に沿って電子なだれを引き起こす。シングルチャネル型CEM502からの出力電子放出は、単体CEM503の複数のチャネルに受け取られる。この電子放出は、電子コレクタ(ファラデーカップなど)520で収集される。
【0014】
図5Bは、本発明の別の実施形態におけるタンデム型CEM構成504を示す。タンデム構成504では、シングルチャネル型CEM502の後段に複数の単体CEMユニット505を配置する。CEMユニット505は、シングルチャネル型の装置でもマルチチャネル型の装置でもよい。荷電粒子508の入射ビームがファンネル(図示せず)に衝突し、シングルチャネル型CEM502に沿って電子なだれを引き起こす。シングルチャネル型CEM502からの出力電子放出は、CEMユニット505で受け取られる。この電子放出は、CEMユニット505の出射側に設けられた各電子コレクタ(ファラデーカップなど)520で収集される。
【0015】
図5Cは、本発明のさらに別の実施形態におけるタンデム型CEM構成506を示す。タンデム構成506では、シングルチャネル型CEM502の後段に複数の単体CEMユニット505を配置する。CEMユニット505は、シングルチャネル型の装置でもマルチチャネル型の装置でもよい。第3の段階のCEMユニットアレイ507をCEMユニット505の後段に配置する。CEMユニット507は、シングルチャネル型の装置でもマルチチャネル型の装置でもよい。荷電粒子508の入射ビームがファンネル(図示せず)に衝突し、シングルチャネル型CEM502に沿って電子なだれを引き起こす。シングルチャネル型CEM502からの出力電子放出は、CEMユニット505で受け取られる。そして、CEMユニット505からの出力電子放出は、CEMユニット507で受け取られる。さらに、CEMユニット507の電子放出は、各CEMユニット507の出射側に設けられた電子コレクタ(ファラデーカップなど)520で収集される。図5Aないし図5Cのタンデム型CEM構成は、電流出力が安定して高く、寿命が長く、また粒子検出効率が高いCEM構成を提供することができる。
【0016】
図5Aないし図5Cのタンデム構成では、シングルチャネル型CEMとマルチチャネル型CEMとの間に間隔が必要となる。これら2つの間の実行可能な(workable)間隔は、マルチチャネル型CEMの入射側におけるチャネル間距離に応じて変わる。例示的な実施形態では、チャネル間距離は中心間距離で0.1インチ(約0.25センチ)、シングルチャネル型CEMとマルチチャネル型CEMとの間の実行可能な間隔は0.1インチ(約0.25センチ)ないし0.75インチ(約1.9センチ)である。一般に、シングルチャネル型CEMの出射側とマルチチャネル型CEMの入射側との間の間隔は、マルチチャネル型CEMのチャネルのチャネル間距離に基づいて決められる。本発明の実施形態では、シングルチャネル型CEMとそれに続くマルチチャネル型CEMが、一体構成で共通のハウジング内に格納される。
【0017】
シングルチャネル型CEMの後段にマルチチャネル型CEMを配置する上述のタンデム構成では、シングルチャネル型CEMによって検出効率が高くなり、マルチチャネル型CEMによって出力電流が安定して高くなり、また寿命が長くなる。シングルチャネル型CEM側で入射粒子が引き起こす電子なだれは、マルチチャネル型CEMの入射面領域全体に広がる。チャネル間の領域における検出効率が悪いためにマルチチャネル型CEMの入射領域で電子が失われても、マルチチャネル型CEMで電子なだれを発生させるのに十分な数の電子がチャネル内に進行し、電子なだれはファラデーカップに到達する。この場合、検出器の全体構成に入射する単一の粒子の情報が維持される。
【0018】
図6は、偏向電圧(deflection voltage)と相対出力電流との関係を示すグラフである。図6のグラフAは、電圧制御偏向板(voltage controlled deflection plate)によって、CEMの入射コーン全体にわたって、入射ビーム軸を含む平面で水平方向に入射ビームをスキャンした場合の、3チャネル型CEMのみからの出力信号を表す。ビーム軸は3チャネルCEMの軸と同一線上にある。グラフAでは、3つの入射チャネルのうち2つを横断するスキャンを行い、チャネル横断部分が−75Vおよび+75V付近の偏向位置における2つのピークで示されている。これら2つのピークの間で出力電流が急激に落ち込んでいるのは、入射ビームがチャネル間の領域で散乱されて損失が生じたことを直接示すものである。グラフBは、このマルチチャネル型CEMと同じ入射ビームスキャン方法を用いた場合の、タンデム型CEM構成からの出力を示す。グラフBは、マルチチャネル型CEMでは損失が最大になる領域において、タンデム構成の入射コーン全体にわたって実質的に損失がないことを示している。このことから、シングルチャネル型入射の増倍管をタンデム型CEM構成で使用すると、マルチチャネル型CEMのみで構成される検出器にビームが直接入射する場合に発生する損失が発生しないことが明らかに示される。
【0019】
図7は、シングルチャネル型CEMおよびタンデム型CEMにおける相対UV強度と出力電流との関係を示すグラフである。グラフBは、シングルチャネル型CEMの出力電流を示す。グラフAは、複数段のタンデム型CEMにおける出力電流を示す。図7に示すように、タンデム型CEMでは出力電流のダイナミックレンジがより高くなる。このグラフでは、タンデム型CEMの各チャネルのバイアスストリップ電流はシングルチャネル型CEMの場合に比べて1.6倍小さいが、タンデム型CEMの出力電流応答は、信号入力(相対UV強度)の関数として、シングルチャネル型CEMの場合よりも高くなっている。シングルチャネル型CEMが約45マイクロアンペアで飽和することが明らかに分かる。このことは、タンデム型連続CEMでチャネルを多重的に使用することで、相対的に同じゲインで動作するシングルチャネル型CEMの場合に比べて大きな出力電流が得られることの直接的な検証になる。
【0020】
図8は、時間と正規化された相対出力電流との関係を示すグラフである。グラフAはタンデム型CEMの場合を、グラフBはシングルチャネル型CEMの場合を示す。図8から、タンデム型CEM構成では、同じ動作条件下で作動するシングルチャネル型CEMに比べて、より大きな出力電流をより長い期間で好適に維持できることが分かる。3.5日間連続動作させた場合、タンデム型CEM構成は初期出力の74%を維持するが、シングルチャネル型CEMは初期出力の46%しか維持できない。このことは、タンデム型CEM構成を用いると検出器の寿命が1.6倍延びることを示している。これは、複数のチャネルを用いるとチャネルの全表面積が大きくなるためである。
【0021】
本発明の実施形態は、入射ビーム側に単一のチャネルを、出射側に複数のチャネルを組み込んだタンデム構成を用いることで、シングルチャネル型増倍管とマルチチャネル型増倍管の固有の問題点を克服する。シングルチャネル型電子増倍管によって検出効率が高くなり、マルチチャネル型電子増倍管によって出力電流(ダイナミックレンジ)が安定して高くなり、また寿命が長くなる。タンデム構成では、シングルチャネル型CEM側で入射粒子が引き起こす電子なだれが、マルチチャネル型CEMの入射コーンの入射領域全体に広がる。複数のチャネルの入射側におけるチャネル間領域で一部電子が損失しても、マルチチャネル型CEMで電子なだれを引き起こすのに十分な数の電子が複数のチャネルに入射する。そのため、単一の入射粒子の情報は維持される。
【0022】
このタンデム構成では、シングルチャネル型CEMの入射ビーム側が電気的にバイアスされ、マルチチャネル型CEMの出射側に対して負になる。タンデム構成の長さ全体に電圧が印加されてバイアスが行われる。電子増倍管の入射側と出射側に電気接点が設けられ、チャネルに電圧を印加することができる。電子増倍管の入射側における入射ビームによって二次電子が発生する。この電子は、印加された電界の影響を受けて複数のチャネルの出射側へ進行する。その際に電子は壁への衝突を繰り返し、全体として電子なだれを引き起こし、電子なだれはファラデーカップによって収集される。
【0023】
例示的な実施形態を参照しながら本発明を説明したが、本発明の本質を逸脱しない範囲でさまざまな変更を加えたり、本発明の要素をその均等物と置き換えたりすることができることは、当業者が理解するところである。したがって本発明は、本発明を実施するために開示された上記の実施形態に限られず、請求項の範囲内におけるあらゆる実施形態を含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】一般的なシングルチャネル型CEMを示す図である。
【図2】一般的なシングルチャネル型CEMを示す図である。
【図3A】一般的なマルチチャネル型CEMを示す図である。
【図3B】一般的なマルチチャネル型CEMを示す図である。
【図4】CEMでの電子なだれを示す図である。
【図5A】本発明の実施形態における複数段のタンデム型CEMを示す図である。
【図5B】本発明の実施形態における複数段のタンデム型CEMを示す図である。
【図5C】本発明の実施形態における複数段のタンデム型CEMを示す図である。
【図6】偏向電圧と相対出力電流との関係を示すグラフである。
【図7】相対UV強度と出力電流との関係を示すグラフである。
【図8】時間と正規化された相対出力電流との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0025】
101,201,301 ファンネルコーン、102,202,302 チャネル、103,203,303 ファラデーカップ、304 粒子衝突領域、401 チャネル壁、402 電子放出層、403 半導体層、404 電流、406 電気パルス、501,504,506 タンデム型CEM構成、502 シングルチャネル型CEM、503 単体CEM、505,507 CEMユニット、508 荷電粒子、520 電子コレクタ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャネル型電子増倍管であって、
入射粒子を受け取るシングルチャネル型CEMと、
前記シングルチャネル型CEMの後段に配置され、前記シングルチャネル型CEMからの電子放出を受け取るマルチチャネル型CEMと、
前記マルチチャネル型CEMの後段に配置され、前記マルチチャネル型CEMからの電子放出に応じてパルス電流を発生させる電子コレクタと、
を有するチャネル型電子増倍管。
【請求項2】
請求項1に記載のチャネル型電子増倍管であって、
前記マルチチャネル型CEMが、単体のマルチチャネル型CEMであることを特徴とするチャネル型電子増倍管。
【請求項3】
請求項1に記載のチャネル型電子増倍管であって、
前記マルチチャネル型CEMが複数の単体CEMユニットを有し、該単体CEMユニットが単一のチャネルを有することを特徴とするチャネル型電子増倍管。
【請求項4】
請求項1に記載のチャネル型電子増倍管であって、
前記マルチチャネル型CEMが複数の単体CEMユニットを有し、該単体CEMユニットが複数のチャネルを有することを特徴とするチャネル型電子増倍管。
【請求項5】
請求項1に記載のチャネル型電子増倍管であって、
前記マルチチャネル型CEMの後段に配置され、前記マルチチャネル型CEMからの電子放出を受け取る別のマルチチャネル型CEMを更に有し、
前記電子コレクタが、前記別のマルチチャネル型CEMの後段に配置され、前記別のマルチチャネル型CEMからの電子放出に応じてパルス電流を発生させることを特徴とするチャネル型電子増倍管。
【請求項6】
請求項1に記載のチャネル型電子増倍管であって、
前記シングルチャネル型CEMに粒子を導くファンネルを更に含むことを特徴とするチャネル型電子増倍管。
【請求項7】
請求項1に記載のチャネル型電子増倍管であって、
前記シングルチャネル型CEMと前記マルチチャネル型CEMとの間の間隔が、前記マルチチャネル型CEMにおけるチャネルのチャネル間の間隔に基づくことを特徴とするチャネル型電子増倍管。
【請求項8】
チャネル型電子増倍管であって、
入射粒子を受け取るシングルチャネル型CEMと、
前記シングルチャネル型CEMの後段に配置され、前記シングルチャネル型CEMからの電子放出を受け取るマルチチャネル型CEMと、
ここで前記シングルチャネル型CEMと前記マルチチャネル型CEMとは一体構成であり、
前記マルチチャネル型CEMの後段に配置され、前記マルチチャネル型CEMからの電子放出に応じてパルス電流を発生させる電子コレクタと、
を有するチャネル型電子増倍管。
【請求項1】
チャネル型電子増倍管であって、
入射粒子を受け取るシングルチャネル型CEMと、
前記シングルチャネル型CEMの後段に配置され、前記シングルチャネル型CEMからの電子放出を受け取るマルチチャネル型CEMと、
前記マルチチャネル型CEMの後段に配置され、前記マルチチャネル型CEMからの電子放出に応じてパルス電流を発生させる電子コレクタと、
を有するチャネル型電子増倍管。
【請求項2】
請求項1に記載のチャネル型電子増倍管であって、
前記マルチチャネル型CEMが、単体のマルチチャネル型CEMであることを特徴とするチャネル型電子増倍管。
【請求項3】
請求項1に記載のチャネル型電子増倍管であって、
前記マルチチャネル型CEMが複数の単体CEMユニットを有し、該単体CEMユニットが単一のチャネルを有することを特徴とするチャネル型電子増倍管。
【請求項4】
請求項1に記載のチャネル型電子増倍管であって、
前記マルチチャネル型CEMが複数の単体CEMユニットを有し、該単体CEMユニットが複数のチャネルを有することを特徴とするチャネル型電子増倍管。
【請求項5】
請求項1に記載のチャネル型電子増倍管であって、
前記マルチチャネル型CEMの後段に配置され、前記マルチチャネル型CEMからの電子放出を受け取る別のマルチチャネル型CEMを更に有し、
前記電子コレクタが、前記別のマルチチャネル型CEMの後段に配置され、前記別のマルチチャネル型CEMからの電子放出に応じてパルス電流を発生させることを特徴とするチャネル型電子増倍管。
【請求項6】
請求項1に記載のチャネル型電子増倍管であって、
前記シングルチャネル型CEMに粒子を導くファンネルを更に含むことを特徴とするチャネル型電子増倍管。
【請求項7】
請求項1に記載のチャネル型電子増倍管であって、
前記シングルチャネル型CEMと前記マルチチャネル型CEMとの間の間隔が、前記マルチチャネル型CEMにおけるチャネルのチャネル間の間隔に基づくことを特徴とするチャネル型電子増倍管。
【請求項8】
チャネル型電子増倍管であって、
入射粒子を受け取るシングルチャネル型CEMと、
前記シングルチャネル型CEMの後段に配置され、前記シングルチャネル型CEMからの電子放出を受け取るマルチチャネル型CEMと、
ここで前記シングルチャネル型CEMと前記マルチチャネル型CEMとは一体構成であり、
前記マルチチャネル型CEMの後段に配置され、前記マルチチャネル型CEMからの電子放出に応じてパルス電流を発生させる電子コレクタと、
を有するチャネル型電子増倍管。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2007−234595(P2007−234595A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−45187(P2007−45187)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【出願人】(596029797)アイティーティー・マニュファクチャリング・エンタープライジズ・インコーポレーテッド (34)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【出願人】(596029797)アイティーティー・マニュファクチャリング・エンタープライジズ・インコーポレーテッド (34)
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