説明

タンデム連続紙印刷装置

【課題】マーク印刷に使用する無駄なトナーの消費を無くし、かつ、第1印刷装置での印刷面に対応して第2印刷装置で印刷を正しく行う。
【解決手段】第1プリンタエンジンと、第2プリンタエンジンと、第1および第2プリンタエンジンを制御するプリンタコントローラと、を備えたタンデム連続紙印刷装置において、プリンタコントローラは、第1プリンタエンジンで印刷を行う印刷データの一部を表示する表示部を備え、その一部を選択可能に表示部に表示させ、選択された印刷データの一部をページ識別情報300b´とし、第1プリンタエンジンに最初に通紙する第1ページ301が白紙の場合、選択されたページ識別情報300b´に基づいて、第1ページ301の第1プリンタエンジンと第2プリンタエンジンとの印刷位置合わせを行
い、以降のページは予め設定されたページ識別情報300b〜nに基づいて、第1と第2プリンタエンジンとの印刷位置合わせを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続紙印刷装置をタンデム接続構成で使用するタンデム連続紙印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
片面印刷可能な連続紙印刷装置(連続紙プリンタ)2台の構成により、第1印刷装置(第1プリンタエンジン)と第2印刷装置(第2プリンタエンジン)との動作の同期を取りながら、第1印刷装置と第2印刷装置で使用するトナーの色を変えて同一面に重ねて印刷したり、第1印刷装置と第2印刷装置間で用紙を反転させることにより、第1印刷装置が印刷した用紙の裏面に第2印刷装置が印刷したりするタンデム連続紙印刷装置が知られている。
【0003】
このようなタンデム連続紙印刷装置においては、第1印刷装置で印刷されるページと第2印刷装置で印刷されるページの同期を取ることが重要となる。
【0004】
この問題に対し、第1印刷装置でページの識別情報を印刷し、第2印刷装置により第1印刷装置で印刷したページ識別情報を読み取り、表面に対応する裏面の印刷を行うことが既に知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、第1、第2印刷装置間のページ数をNとしたときに第2印刷装置でページ数Nをカウントした後に印刷開始するという構成が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術のように、ページの識別のみに用いるためにマーク等のページ識別情報を印刷し、これを読み取る方式では、ページ識別情報の印刷のためにユーザにとっては必要のないトナーが無駄に消費されるという問題があった。
【0007】
また、特許文献2に記載の技術では、ユーザが第1、第2印刷装置へ用紙をセットする際に、その間のページ数Nが所望のページ数となるように用紙の装填を行うものであるため、ユーザの操作ミス(すなわち、ユーザ所望のページ数と実際に装填されたページ数とが合わない)場合が生じ得る。その結果、用紙の表面に対して裏面の印刷を正しく行うことができなくなるという問題があった。
【0008】
そこで本発明は、マーク印刷に使用する無駄なトナーの消費を無くし、かつ、第1印刷装置での印刷面に対応して第2印刷装置で印刷を正しく行うことができるタンデム連続紙印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するため、本実施形態のタンデム連続紙印刷装置(タンデム連続紙プリンタ100)は、連続紙の片面に印刷する第1印刷装置(第1プリンタエンジン110)と、第1印刷装置が印刷した連続紙の同一面または他方の面に印刷する第2印刷装置(第2プリンタエンジン120)と、第1印刷装置および第2印刷装置を制御する印刷制御手段(プリンタコントローラ200)と、を備えたタンデム連続紙印刷装置において、印刷制御手段は、第1印刷装置で印刷を行う印刷データの一部を表示する表示部(表示部215)を備え、第1印刷装置で最初に印刷を行う印刷データのページについて、その一部を選択可能に表示部に表示させ、選択された印刷データの一部をページ識別情報(ページ識別情報300b´)とし、第1印刷装置に最初に通紙するページ(第1ページ301)が白紙の場合、選択されたページ識別情報(ページ識別情報300b´)に基づいて、最初に通紙するページの第1印刷装置と第2印刷装置との印刷位置合わせを行い、同一種別の連続紙について予め設定されたページ識別情報(ページ識別情報300b〜n)に基づいて、以降のページの第1印刷装置と第2印刷装置との印刷位置合わせを行うものである。
【0010】
また、本実施形態のタンデム連続紙印刷装置(タンデム連続紙プリンタ100)は、連続紙の片面に印刷する第1印刷装置(第1プリンタエンジン110)と、第1印刷装置が印刷した連続紙の同一面または他方の面に印刷する第2印刷装置(第2プリンタエンジン120)と、第1印刷装置および第2印刷装置を制御する印刷制御手段(プリンタコントローラ200)と、を備えたタンデム連続紙印刷装置において、印刷制御手段は、第1印刷装置で印刷を行う印刷データの一部を表示する表示部(表示部215)を備え、第1印刷装置で最初に印刷を行う印刷データのページについて、その一部であって2箇所を選択可能に表示部に表示させ、選択された印刷データの一部をページ識別情報(ページ識別情報300b´,300b〜n)とし、第1印刷装置に最初に通紙するページが白紙の場合、選択された一方のページ識別情報(ページ識別情報300b´)に基づいて、最初に通紙するページの第1印刷装置と第2印刷装置との印刷位置合わせを行い、選択された他方のページ識別情報(ページ識別情報300b〜n)に基づいて、以降のページの第1印刷装置と第2印刷装置との印刷位置合わせを行うものである。
【0011】
また、本実施形態のタンデム連続紙印刷装置(タンデム連続紙プリンタ100)は、連続紙の片面に印刷する第1印刷装置(第1プリンタエンジン110)と、第1印刷装置が印刷した連続紙の同一面または他方の面に印刷する第2印刷装置(第2プリンタエンジン120)と、第1印刷装置および第2印刷装置を制御する印刷制御手段(プリンタコントローラ200)と、を備えたタンデム連続紙印刷装置において、印刷制御手段は、第1印刷装置で印刷を行う印刷データの一部を表示する表示部(表示部215)を備え、第1印刷装置で最初に印刷を行う印刷データのページについて、その一部を選択可能に表示部に表示させ、選択された印刷データの一部をページ識別情報(ページ識別情報300b´)とし、該ページ識別情報に基づいて、第1印刷装置と第2印刷装置との印刷位置合わせを行うものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、マーク印刷に使用する無駄なトナーの消費を無くし、かつ、第1印刷装置での印刷面に対応して第2印刷装置で印刷を正しく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係るタンデム連続紙プリンタの概略構成図である。
【図2】プリンタコントローラの機能ブロック図である。
【図3】第1プリンタエンジンで印刷する最初のページに印刷データがある場合におけるページ識別情報の説明図である。
【図4】第1プリンタエンジンで印刷する最初のページに印刷データがない場合におけるページ識別情報の説明図(1)である。
【図5】連続紙の表面と裏面とにおける印刷開始位置合わせの説明図である。
【図6】タンデム連続紙プリンタが実行する印刷処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】第1プリンタエンジンで印刷する最初のページに印刷データがない場合におけるページ識別情報の説明図(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る構成を図1から図7に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
(タンデム連続紙プリンタの構成)
図1に本発明に係るタンデム連続紙印刷装置の一実施形態であるタンデム連続紙プリンタの概略構成図を示す。タンデム連続紙プリンタ100は、第1プリンタエンジン110、第2プリンタエンジン120およびプリンタコントローラ200を備え、上位装置10から送信される印刷データに基づいて印刷を行うものである。タンデム連続紙プリンタ100は、例えば、連続紙の表面にジョブの奇数ページ、裏面にジョブの偶数ページの印刷を行うことで両面印刷を実施するものである。
【0016】
第1プリンタエンジン110は、給紙部111、印写ドラム112および定着部114等を備えている。印写ドラム112の周りには、図示していないが、印写ドラムを帯電する帯電手段、印写ドラム表面を露光する露光手段、トナーを付着させて現像化する現像手段、トナー像を用紙に転写する転写手段、転写されずに残った残留トナーを清掃する清掃手段などの電子写真プロセスが設けられている。
【0017】
また、給紙部111には、ミシン目等でページが区切られた折り畳みタイプの連続紙が設置されている。連続紙は給紙部111より供給され、印写ドラム112にてトナーが転写される。その後、定着部114にて用紙上のトナーが定着される。なお、本実施形態では、用紙として折り畳みタイプの連続紙を用いる例に説明するが、用紙としてロール紙等を用いても良い。
【0018】
第2プリンタエンジン120は、第1検知器121、第2検知器122、印写ドラム123、定着部124および排紙部125等を備えている。印写ドラム123、定着部124の構成、機能は第1プリンタエンジン110と同様であり、説明は省略する。
【0019】
第1プリンタエンジン110より排出された用紙は、用紙反転部150で表裏反転されて第2プリンタエンジン120に入る。第2プリンタエンジン120には、用紙巻上げ部160があり、用紙を印写ドラム123の方に搬送する。その後、第1プリンタエンジン110と同様に第2プリンタエンジンの印写ドラム123で電子写真プロセスに供給する。
【0020】
プリンタコントローラ200は、上位装置10より受信した画像データを印刷データに展開し、第1プリンタエンジン110で印刷する所定ページの印刷データについて、プリンタコントローラ200の表示部215(図2参照)に、ユーザに一部の領域を選択可能に表示する。ここで表示される所定ページの印刷データとは、例えば、第1プリンタエンジン110で最初に印刷されるページの印刷データである。
【0021】
(プリンタコントローラの構成)
次に、プリンタコントローラについて説明する。図2は、プリンタコントローラ200の機能ブロック図を示している。
【0022】
プリンタコントローラ200は、通信制御部210、画像処理部211、CPU212、メモリ213、異常検知部214、表示部215、第1エンジン制御部216、第2エンジン制御部217、およびページ識別情報検知制御部218等を備えており、第1プリンタエンジン110および第2プリンタエンジン120を制御するものである。
【0023】
通信制御部210は、上位装置10からネットワーク等を介して画像データを受け取るものである。
【0024】
画像処理部211は、上位装置10から受け取った画像データをドットイメージデータ形式の印刷データに展開し、第1プリンタエンジン用データまたは第2プリンタエンジン用データとしてメモリ213に書き込むものである。
【0025】
CPU212は、プリンタコントローラ200全体の制御を司る制御手段である。また、画像処理部211で展開された印刷データの所定ページについて、ユーザに対し、その一部を選択可能に表示部215に表示させる表示制御部220を有している。また、表示制御部220は、印刷データの所定ページが白紙の場合に、次のページを表示させる制御を行う。
【0026】
また、CPU212は、印刷対象とする連続紙が、以前にページ識別情報300(図3、図4、図7参照)を設定されているものであるか否かを、メモリ213に設定識別情報223の有無により判断する用紙種別判定部221を有している。
【0027】
また、メモリ213は、CPU212が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROMと、印刷データ等を一時格納するRAM、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ(NVRAM)等により構成される。また、連続紙のページ数をカウントしたカウント数を一時記憶するページカウンタ222がメモリ213内に構成される。
【0028】
また、一般に、タンデム連続紙プリンタ100は、帳票印刷業務等に用いられることが多いが、使用する帳票の種別には限りがあるため、同一フォーマットの連続紙(帳票)を繰り返し印刷することが多いこととなる。そこで、一旦ジョブ印刷された帳票のフォーマットと、当該帳票について指定されたページ識別情報300とは、その位置情報等を関連付けて記憶しておくことが好ましい。この関連付けた情報は、メモリ213に設定識別情報223として記憶される。
【0029】
異常検知部214は、ページ識別情報検知制御部218が、ページ照合(用紙位置合わせ)に失敗した場合を検知して表示部215にエラー表示、または用紙位置合わせのための制御(搬送速度の加速/減速)を第2エンジン制御部217に指示するものである(図6のステップS111)。
【0030】
表示部215は、上述のように、印刷データについてページ識別情報300をユーザに選択可能に表示するものであり、液晶ディスプレイ、液晶パネル等により構成される。
【0031】
(ページ識別情報設定)
ユーザは、コントローラ200に接続された入力手段(マウス、タブレット等)を用いて、表示されたページの印刷データの所望の領域(表示された文字または記号等の一部)を選択することができる。選択された領域は、ページを識別するための情報(ページ識別情報300)として使用される。
【0032】
ここで、ユーザにより選択される領域(ページ識別情報300)は、ある印刷ジョブにおいて、指定された領域に相当する印字内容が異なる箇所であることが、照合精度を向上させる観点から好ましい。例えば、1ページが1枚の帳票出力の場合であれば、帳票名(出庫伝票等)のようにすべてのページの同じ位置に同じ印字内容がなされる領域ではなく、ページ毎に異なるデータ(例えば、帳票における氏名、住所等)に相当する領域を選択するものである。
【0033】
図3にページ識別情報の説明図を示す。ユーザに指定されたページ識別情報300aは、用紙における印刷可能領域310の所定領域に対応する。
【0034】
選択されたページ識別情報300aについて、プリンタコントローラ200は、ページ識別情報300aの上端部からページ区切り位置までの紙送り方向の長さをY、側端部から用紙左端(右端でも良い)までの長さをXとして、この長さX,Yと、ページ識別情報300aとして設定された領域の紙送り方向の長さaと幅bと、をメモリ213に記憶する。
【0035】
また、ページ識別情報300b,・・・,300nは、1ページ目に設定されたページ識別情報300aと対応して、各ページにおけるそれぞれの位置に設定される。すなわち、すべてのページ識別情報300a,300b,・・・,300nは、印刷可能領域310における位置および大きさは同じである。
【0036】
(検知手段)
また、図1に示すように、第2プリンタエンジン120の印写ドラム123の連続紙の通紙方向上流側には、第1プリンタエンジン110で印刷したページ識別情報300を読み込むための検知手段(第1検知手段)としての第1検知器121が設置されている。
【0037】
第1検知器121は、第1プリンタエンジン110で印刷した用紙面のページ識別情報300の位置にある印字データを検知する(読み込む)ものである。また、第1検知器121は、用紙が折り畳みタイプの連続紙である場合には、その改ページ部分(ミシン目等)を検知可能であることが好ましい。
【0038】
なお、第1検知器121は、用紙幅全域に亘る長さ(幅)を有するセンサを用いることが好ましいが、用紙幅に対し所定幅を有する移動型のセンサを用いて、ページ識別情報300が設定された用紙幅方向の位置に移動して検知を行うものであっても良い。この場合、少なくとも設定されるページ識別情報300の幅b以上の範囲で検知可能なものであることが好ましい。なお、第1検知器121としては、例えば、CCDセンサを用いることができる。
【0039】
以上説明したタンデム連続紙プリンタ100により、最初に第1プリンタエンジン110にて連続紙の各ページの表面に印刷し、次に第2プリンタエンジン120で当該ページの裏面に印刷することでタンデム印刷を行い、両面印刷がされた連続紙は、排紙部125に排紙される。
【0040】
(表示制御)
本実施形態では、上述のように、プリンタコントローラ200の画像処理部211は、上位装置10より受信した画像データを印刷データに展開し、表示制御部220は、第1プリンタエンジン110で印刷する所定ページの印刷データについて、プリンタコントローラ200の表示部215に、ユーザに一部の領域を選択可能に表示している。
【0041】
しかしながら、ここで表示される所定ページの印刷データ(例えば、第1プリンタエンジン110で最初に通紙されるページの印刷データ)がない、すなわち、所定ページが白紙の場合には、ページ識別情報300aを正しく選択させることができないため、第2プリンタエンジン120で白紙ページの裏面に正しく印刷するためのページ識別情報300aを認識できず、表面の印刷と裏面の印刷が合わなくなるおそれがある。なお、本明細書中における「白紙」とは、タンデム連続紙プリンタ100で印刷する印刷データがないページをいうものであり、連続紙(帳票)に予め帳票名、罫線等のフォーマットが印刷されている場合も、「白紙」に含むものとしている。
【0042】
このように最初のページが白紙となる状況としては、ジョブの1ページ目から順番に印刷する場合(正順)の1ページが白紙の場合は勿論であるが、ジョブの最終ページから順番に印刷する場合(逆順)において、ジョブの総ページ数が奇数である場合は、連続紙の最終ページの表面(=ジョブの最終ページ)が第2プリンタエンジン120で印刷されることとなるので、第1プリンタエンジン110で印刷(通紙)する1ページ目は、白紙となってしまう。
【0043】
そこで、本実施形態に係るタンデム連続紙プリンタ100においては、プリンタコントローラ200の表示制御部220は、画像処理部211で処理された印刷データを表示部215に表示させる際に、予め設定された所定ページの印刷データがない場合は、以降のページで最初に第1プリンタエンジンで印刷する印刷データが存在するページの印刷データを表示部215に表示させるようにしている。例えば、正順でジョブを印刷する場合において、ジョブの1ページ目が白紙の場合は、ジョブの3ページ目(第2ページの表面)を表示させるものである。
【0044】
なお、表示制御部220は、表示部215に印刷データを表示させる際に、第1プリンタエンジン110で最初に印刷されるページの印刷データをユーザによりスクロール可能に表示させて、このページが白紙の場合にユーザのスクロール操作に応じて次のページを表示させるようにしても良い。
【0045】
(白紙の場合のページ識別情報設定)
次に、図4に第1プリンタエンジン110で最初に印刷されるページが白紙である場合であって、同一フォーマットの連続紙についてページ識別情報が設定されている場合(すなわち、該当する設定識別情報223がある場合)のページ識別情報の説明図を示す。図4において、第1ページ301の表面は白紙であるが、裏面には印刷データが存在する。
【0046】
ページ識別情報300a〜nについては、図3と同様にすでに設定されている。しかしながら、図4の場合、第1ページ301の表面が白紙であり、ページ識別情報300aに基づく照合ができないため、表面の印刷と裏面の印刷が合わなくなるおそれがある。
【0047】
そこで、この場合には、表示部215には、第2ページ(ジョブの3ページ目)302が表示され、第2ページ302内の印刷データの一部がページ識別情報300b´として選択される。
【0048】
また、プリンタコントローラ200は、選択されたページ識別情報300b´の上端部からページ区切り位置までの紙送り方向の長さをY´、側端部から用紙左端(右端でも良い)までの長さをX´として、この長さX´,Y´と、ページ識別情報300aとして設定された領域の紙送り方向の長さa´と幅b´と、をメモリ213に記憶する。
【0049】
また、図1に示すように、第2プリンタエンジン120の印写ドラム123の上流には、第1プリンタエンジン110で印刷したページ識別情報300を読み込むための検知手段としての第1検知器121が設置されているが、さらに、第1検知器121から連続紙の搬送経路の1ページ長以上、上流側に、第2検知手段としての第2検知器122が設定されている。なお、第2検知器122の構成は第1検知器121と同様のもので有れば良く、説明は省略する。
【0050】
このように第2検知器122が設けられているので、第1プリンタエンジン110で印刷する最初のページ(第1ページ301の表面)が白紙の場合であっても、次のページ(第2ページ302の表面)のページ識別情報300b´を第2検知器122で検出し、1ページ以上前のタイミングでページ識別情報を認識することができるので、以下に詳細を述べるように、第2プリンタエンジン120で白紙ページの裏面に正しい印刷をすることが可能となる。
【0051】
(印刷制御)
先ず、第1プリンタエンジンで印刷する最初のページに印刷データがある場合の印刷制御について説明する。プリンタコントローラ200は、第1エンジン制御部216によりドットイメージデータに展開した印刷データを第1プリンタエンジン110に出力し、第1プリンタエンジン110はこの印刷データに基づいて、用紙の表面への印刷を行う。同様に、第2エンジン制御部217によりドットイメージデータに展開した印刷データを第2プリンタエンジン120に出力し、第2プリンタエンジン120はこの印刷データに基づいて、用紙の裏面への印刷を行う。
【0052】
この際、ページ識別情報検知制御部218は、第1検知器121で検知される第1プリンタエンジン110により印刷されたページ識別情報300a〜nに相当する位置の印字結果と、印刷データ上においてページ識別情報300a〜nが設定された位置に相当するデータとの照合を行うものである。この際の照合処理は、公知または新規の技術によれば良く、特に限られるものではない。
【0053】
ここで、比較する印刷データは、各ページの印刷データ上において、ページ識別情報300a〜nが設定された位置に相当する部分である。すなわち、折り畳みタイプの連続紙である場合は、第1検知器121は改ページ部を検知して、改ページ部から、上記長さX,Yで特定される長さa,幅bの範囲である。なお、ロール紙のように改ページ部分の検知ができない用紙の場合は、設定されるページ長に基づいて印刷データ上で特定すれば良い。
【0054】
このようにすることにより、第1検知器121で検知した印字結果について、印刷データの全域と照合することなく一部の領域と照合するだけで、対応する表面であるか否かを検知することができるので、効率的な照合が可能であり、第2プリンタエンジン120は、当該表面に対応する印刷を裏面に行うことが可能となる。なお、後述するように、印刷位置ずれを検知および補正するために、設定されたページ識別情報300の大きさよりも若干広い範囲で(所定のマージンを有して)照合を行うことが好ましい。
【0055】
しかしながら、第1プリンタエンジンで印刷する最初のページが白紙の場合は、第1検知器121で、第1ページ301のページ識別情報300aを検知することができないため、第1ページ301の裏面の位置合わせが正しく行うことができない場合がある。
【0056】
そこで、本実施形態では、第1プリンタエンジン110で印刷する最初のページに印刷データがない場合は、以下のように印刷制御を行うものである。図5を参照しつつ説明する。
【0057】
図5はタンデム連続紙プリンタ100による連続紙の表面と裏面とにおける印刷開始位置合わせの説明図である。図5は、第1プリンタエンジン110と第2プリンタエンジン120に用紙として折り畳みタイプの連続紙を装填した状態を模式的に示している。
【0058】
第1プリンタエンジン110の転写器112aと第2プリンタエンジン120の転写器123a間の用紙長は、ページ長の整数倍であることが好ましい。このようにすることで、第1プリンタエンジン110と第2プリンタエンジン120による書き込みタイミングを同じくすることができるからである。しかしながら、必ずしもページ長の整数倍であることは必要ではなく、この場合、第1エンジン制御部216および第2エンジン制御部217は、第1プリンタエンジン110と第2プリンタエンジン120との書き込みタイミングをそれぞれ制御すればよい。
【0059】
図5に示すように、第1プリンタエンジン110において、転写器112aの転写点と改ページ部分(ミシン目)が一致した状態において、ページ識別情報300aは転写器112aの転写点よりも紙送り方向において距離Y(図4参照)分、後方の位置に印刷されるが、第1プリンタエンジン110で印刷する最初のページが白紙の場合には、ページ識別情報300b’は転写器112aよりも紙送り方向において距離Y´だけ後方の位置に印刷される。
【0060】
また、第2プリンタエンジン120には、第1プリンタエンジン110で印刷したページ識別情報300を読み込む第1検知器121および第2検知器122が、それぞれ転写器123aよりも紙送り方向において距離t1,t2だけ上流に設置されている。
【0061】
また、第2検知器122は、第1検知器121よりも1ページ長以上、上流側に設置されている。すなわち、t2−t1>1ページ長の関係となっている。
【0062】
第2プリンタエンジン120においては、転写器123aの転写点からt1の長さの紙送り分だけ早いタイミングでページ識別情報300aを読み込むことにより第1プリンタエンジン110の印刷ページの情報を検知することができる。すなわち、ユーザに選択されるページ識別情報300aの紙送り方向の位置YをY<t1とすることにより、第2プリンタエンジン120は第1プリンタエンジン110の第1ページを認識し、このページに対応する印刷データを特定することができる。
【0063】
しかしながら、第1プリンタエンジンで印刷する最初のページが白紙の場合は、第1検知器121で、第1ページ301のページ識別情報300aを検知することができない。
【0064】
そこで、本実施形態では、第1プリンタエンジン110で印刷する最初のページが白紙の場合には、第2ページ302のページ識別情報300b´を先ず第2検知器122にて読み込むことにより、第1プリンタエンジン110の2ページ目を認識するようにしている。
【0065】
この場合、第2プリンタエンジン120で印刷する最初のページ(例えば、ジョブの2ページ目)301はこれよりも1ページ長分、下流側になるため、ユーザに選択されるページ識別情報の紙送り方向の位置Y’を、Y’<t2とすることにより第2プリンタエンジン120は第1プリンタエンジン110の第1ページ301を認識し、このページに対応する印刷データを特定することが可能となる。
【0066】
この場合の2ページ目以降の印刷制御については、1ページ目が白紙でない場合の1ページ目と同様に第1検出器121にてページ識別情報300b〜nを検出することにより、第2プリンタエンジン120は第1プリンタエンジン110で印刷したページに対応する正しい印刷を行うことができる。
【0067】
なお、第2プリンタエンジン120の第1検知器121と転写器123aとの距離t1は、1ページの長さを取ることが好ましい。これは、ページ識別情報300の用紙搬送方向の位置Yは、最大でページ区切り位置から略1ページ分の位置となることが想定されるためである。しかしながら、装置の構成上、t1の距離に制約がある場合等は、Y<t1を維持できるようにページ識別情報300の設定可能位置をページ長において制限することとしても良い。例えば、t1をページ長の半分程しか取れない場合には、ページ識別情報300の設定可能位置をページの上半分に制限する等とすることとしても良い。
【0068】
(印刷処理フロー)
図6は、第2プリンタエンジン120によるマークチェック(ページ識別情報の認識)と印刷処理のフローである。
【0069】
第2プリンタエンジン120は、印刷開始後に、第1プリンタエンジン110で印刷されたページ識別情報300aを待ち(ステップS101)、第1プリンタエンジン110で印刷する第1ページ301が白紙でない場合(ステップS102:No)は、第1検知器121にて最初の識別情報を検知したときに第1ページの識別情報かどうかを照合し、一致するかどうかを判断する(ステップS103)。
【0070】
第1ページのページ識別情報300aを検知した場合(ステップS103:YES)は、ページカウンタ222に1をセットし(ステップS104)、第1プリンタエンジン110で印刷した第1ページの裏面に対応する印刷を行う(ステップS105)。
【0071】
また、第1ページのページ識別情報300aを検知できない場合(ステップS103:NO)には、ページ識別情報エラーを表示部215等に表示(ステップS111)し、印刷停止に移行する(ステップS110)。なお、この際、照合結果に基づいて印刷位置の紙送り方向におけるずれ量を検知し、このずれ量を補正するように、用紙搬送速度を加速/減速する制御を行うことも好ましい(後述する)。
【0072】
一方、第1プリンタエンジン110で印刷する第1ページ301が白紙であった場合(ステップS102:Yes)は、第2検知器122にて第2ページ302のページ識別情報300b´を検知したとき(ステップS112:YES)に、ページカウンタ222に1をセットし(ステップS113)、さらに、1ページ前の白紙ページ(=1ページ目)の裏面への印刷位置を演算(ステップS114)し、第1ページ301の裏面印刷を行う(ステップS115)。
【0073】
また、第2ページのページ識別情報300b´を検知できない場合(ステップS112:NO)には、ページ識別情報エラーを表示部215等に表示(ステップS111)し、印刷停止に移行する(ステップS110)。
【0074】
第2プリンタエンジン120で最初のページの裏面を印刷したあと(S105、S115)、第1検知器121で、次ページのページ識別情報300b〜nを検知すると(ステップS106:YES)、ページカウンタ222をインクリメントして(ステップS107)して、当該ページの裏面を印刷する(ステップS108)。なお、ページ識別情報300b〜nを検知できない場合(ステップS106:NO)には、ページ識別情報エラーを表示部215等に表示(ステップS111)し、印刷停止に移行する(ステップS110)。
【0075】
印刷ジョブが終了していない場合(ステップS109:NO)は、ステップS106に戻り、ページ識別情報300の検知を繰り返す(ステップS106)。一方、印刷ジョブが終了した場合(ステップS109:YES)は、印刷停止に移行して処理は終了する(ステップS110)。
【0076】
以上説明したように、本実施形態に係るタンデム連続紙プリンタでは、専用のページ識別情報を印刷することに替えて、印刷データの一部の領域をページ識別情報として使用する、すなわち、第1プリンタエンジンにて印刷されたデータの一部をページ識別情報として使用し、第2プリンタエンジンは、その識別情報を検知して裏面の印刷を行なうものである。
【0077】
これにより、ページ識別情報の印刷におけるトナーの消費を無くし、かつ、第1プリンタエンジンと第2プリンタエンジンとの装置間のページ数合わせを印刷データの一部の領域(ページ識別情報)に基づいて正確に行うことができ、第1プリンタエンジンでの印刷面に対応して、第2プリンタエンジンが正確に印刷を実施することができる。
【0078】
また、第1プリンタエンジン110で印刷する最初のページが白紙であっても、第2プリンタエンジン120で白紙ページの裏面に正しい印刷をすることができる。
【0079】
[第2の実施形態]
以下、本発明に係るタンデム連続紙印刷装置のその他の実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同様の点についての説明は省略する。
【0080】
上記第1の実施形態では、第1プリンタエンジン110で最初に印刷されるページが白紙である場合であって、同一フォーマットの連続紙についてページ識別情報が設定されている場合(該当する設定識別情報223あり)について説明したが、最初に印刷する帳票などの場合、設定識別情報223は存在しない。
【0081】
図7に第1プリンタエンジン110で最初に印刷されるページが白紙である場合であって、かつ、該当する設定識別情報223がない場合のページ識別情報の説明図を示す。図7において、第1ページ301の表面は白紙であるが、裏面には印刷データが存在する。
【0082】
本実施形態では、第1プリンタエンジン110で最初に印刷されるページが白紙であるので、表示制御部220は、表示部215に第2ページ(表面)302を表示させる。
【0083】
この際、ユーザは、ページ識別情報として、第1検知器121が検知するページ識別情報300bと、第2検知器122が検知するページ識別情報300b´の2つのページ識別情報を選択し、設定すればよい。また、表示制御部220は、その旨の表示も併せて行うことが好ましい。
【0084】
以降は、第1の実施形態と同様に印刷制御がなされる。すなわち、ページ識別情報300b´に基づいて第1ページの表面、裏面の位置合わせがなされ、ページ識別情報300bに基づいて第2ページ以降の表面、裏面の位置合わせがなされる。
【0085】
このように、ユーザに第2ページについて2箇所のページ識別情報を設定させることによっても、第1の実施形態と同様に、第1プリンタエンジン110で印刷する最初のページが白紙であっても、第2プリンタエンジン120で白紙ページの裏面に正しい印刷をすることができる。また、以降のページについても第1プリンタエンジン110の印刷面に対応して、第2プリンタエンジン120の印刷面を正確に印刷することができる。
【0086】
[第3の実施形態]
また、第2の実施形態と同様に、設定識別情報223が存在しない場合において、ユーザが、ページ識別情報として、少なくとも1つのページ識別情報300(300bまたは300b´)を選択し、設定するようにしても良い。
【0087】
この場合、第2検知器122のみを用いて、指定された1つのページ識別情報300に基づいて第1ページの表面、裏面の位置合わせを行い、また、第2ページ以降も同様に、第2検知器122によりページ識別情報を検知し、1ページ目の印刷と同様に制御するものである。また、指定されたページ識別情報300b´は、第3ページ以降も同様に設定される(300c´〜n´)ものである。
【0088】
本実施形態の場合、第2プリンタエンジン120は第1検知器121を備える必要がなく、1つの検知器(第2検知器122)のみで、第1〜第2の実施形態と同様に、第1プリンタエンジン110で印刷する最初のページが白紙であっても、第2プリンタエンジン120で白紙ページの裏面に正しい印刷をすることができる。また、以降のページについても第1プリンタエンジン110の印刷面に対応して、第2プリンタエンジン120の印刷面を正確に印刷することができる。
【0089】
なお、第1〜第3の実施形態では、最初のページに印刷データがなく、次のページに印刷データの有る例について説明したが、第2検知器122の転写器123aからの距離t2をxページ長以上とすることにより、最初のページからxページ分、印刷データがないジョブについても適用することが可能となる。
【0090】
また、第2プリンタエンジン120の転写器123aと、ページ識別情報を検知する検知器とは近いほうが好ましい。これは、位置合わせ後の搬送距離が短くなればなるほど誤差は少なくなるため、位置合わせ精度が高いこととなるためである。したがって、第3の実施形態のように、転写器123aから離れた検知器(第2検知器122)のみを用いて全てのページの表面、裏面の位置合わせを行うよりも、第1〜第2の実施形態で説明したように、第2検知器122による検知を第1ページのみとし、第2ページ以降については、第1検知器121を用いて表面、裏面の位置合わせを行うことで、位置合わせ精度の向上を図ることができる。
【0091】
[その他の実施形態]
(ずれ量検知、補正制御)
上述したように、照合の際に、ずれ量の検知を合わせて行うことにより、ずれ量を検知して、印字ずれを補正することも好ましい。以下、ずれ量の検知処理について説明する。なお、ずれ量検知においては、送り穴のある用紙と送り穴のないロール紙等の用紙における紙送り制御は、その制御内容が異なるため、それぞれについて説明する。
【0092】
先ず、送り穴のある用紙(送り穴をモータ回転と対応するピンで紙送りをする)の場合は、紙送り量は紙送りモータの回転数で決まるため、プリンタエンジンは紙送りモータを一定の速度で回転させることにより一定速度での紙送りを行うことができる。
【0093】
この場合、2台のプリンタエンジンをタンデム接続すると、各エンジンには機差としてクロックの誤差が発生する場合があり、この誤差が累積して、ずれが発生する可能性がある。したがって、この場合のずれ量の補正は、2台のプリンタエンジンをページエンドで一旦停止し、再スタートすることにより、ずれ量をリセットすることができる。
【0094】
一方、送り穴のない連続用紙(ロール紙等)の紙送りの場合には、用紙のすべり等により、紙送りモータの回転数と紙送り量が一致しないことが考えられるため、紙送りモータの速度を可変できるように構成される場合が多い。
【0095】
したがって、この場合、第2プリンタエンジン120で検出するユーザデータのタイミングにより第2プリンタエンジン120の紙送り速度を可変することにより、ずれ量の累積を防止することができる。
【0096】
具体的には、例えば、ユーザデータはページの境目からYだけ後方にあるので、ページ先頭からYだけ紙送りするのに必要な時間をT(Y)とし、第2プリンタエンジン120の検知器123aでページの先頭からユーザデータを検出するまでの時間をT(t1)とした時、T(Y)とT(t1)との差が一定になるように第2プリンタエンジン120の速度を制御すればよい。このように制御することにより、ずれ量の累積を防止することができる。
【0097】
(照合に関する各種制御)
上述のように、ページ識別情報300は、ジョブにおける各ページの印刷内容の異なる部分に設定されるものであることが好ましいが、2ページからなるジョブ(両面印刷で1枚)を大量に印刷する場合や、あるジョブにおける全ページにおいて同じ印字内容である部分(例えば、帳票タイトル等)にページ識別情報300が設定された場合のように、各ページの印刷内容が同一となる場合は、ページ識別情報検知制御部218による照合は困難となる。
【0098】
そこで、図6に示した印刷処理において、プリンタコントローラ200において、ステップS101の前に、指定されたページ識別情報300が、ページ間で異なる部分に正しく設定されているかどうかを、ジョブの印刷データの最初の所定ページ数分(例えば、10ページ分)を確認する処理を行い、ページ間で異なる部分に正しく設定されている場合は、図6のフローチャートに沿って以降の処理を行い、同じ印字内容である部分に設定されている場合は、ページカウンタ222により印刷枚数をカウントし、カウント数に基づいて裏面の印刷を行うようにしても良い。また、その旨を表示部215に表示してユーザに再度、ページ識別情報300を選択させるようにしても良い。
【0099】
また、特に、照合範囲を広げた場合等において、同一ページ内にページ識別情報300が設定された部分と同一(または類似)の印刷データがある場合は、照合における誤検知が生じる可能性がある。そのため、プリンタコントローラ200は、ユーザによる設定範囲が適切か否かを判断し、同一ページ内(特に、指定領域の周辺)に類似のデータがある場合は、その旨を表示部215等に通知するようにすることも好ましい。また、この判断は、各ジョブの最初の数ページ等についてプリンタコントローラ200が判断するようにすれば良い。
【0100】
さらに、ジョブの途中からページ識別情報300の設定範囲が同一の印刷内容となる場合や、ジョブの途中から同一ページ内にページ識別情報300が設定された部分と同一(または類似)の印刷データが生じる場合もありうるため、プリンタコントローラ200は、上記判断を所定ページごとに行うことも好ましい。
【0101】
また、上記実施形態では、第1プリンタエンジン110で片面印刷を行い、第2プリンタエンジン120で裏面印刷を行うタンデム連続紙プリンタ100を例に説明したが、用紙反転部150を備えず(機能させず)に第1プリンタエンジン110で片面印刷を行い、第2プリンタエンジン120で同一面に異なる色等で印刷を行うタンデム連続紙プリンタにも、上記の印刷処理を適用することにより同様の効果を得ることができる。なお、この場合、検知器(センサ)は、第2プリンタエンジン120の転写部と対面する側を検知する必要があるため、図1に示した検知器121,122に加えて(またはこれに替えて)、搬送路に対して対向する側に、別の検知器121´,122´を設置すればよい。
【0102】
尚、上述の実施形態は本発明の好適な実施の例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0103】
10 上位装置
100 タンデム連続紙プリンタ(タンデム連続紙印刷装置)
110 第1プリンタエンジン(第1印刷装置)
111 給紙部
112,123 印写ドラム
112a,123a 転写器
114,124 定着部
120 第2プリンタエンジン(第2印刷装置)
121,121´ 第1検知器(第1検知手段)
122,121´ 第2検知器(第2検知手段)
125 排紙部
150 用紙反転部
160 用紙巻上げ部
200 プリンタコントローラ(印刷制御手段)
210 通信制御部
211 画像処理部
212 CPU
213 メモリ
214 異常検知部
215 表示部
216 第1エンジン制御部
217 第2エンジン制御部
218 ページ識別情報検知制御部
220 表示制御部
221 用紙種別判定部
222 ページカウンタ
223 設定識別情報
300 ページ識別情報
310 印刷可能領域
【先行技術文献】
【特許文献】
【0104】
【特許文献1】特開2008−149657号公報
【特許文献2】特開平7−237336号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続紙の片面に印刷する第1印刷装置と、
前記第1印刷装置が印刷した連続紙の同一面または他方の面に印刷する第2印刷装置と、
前記第1印刷装置および前記第2印刷装置を制御する印刷制御手段と、を備えたタンデム連続紙印刷装置において、
前記印刷制御手段は、
前記第1印刷装置で印刷を行う印刷データの一部を表示する表示部を備え、
前記第1印刷装置で最初に印刷を行う印刷データのページについて、その一部を選択可能に前記表示部に表示させ、選択された印刷データの一部をページ識別情報とし、
前記第1印刷装置に最初に通紙するページが白紙の場合、
前記選択されたページ識別情報に基づいて、前記最初に通紙するページの前記第1印刷装置と前記第2印刷装置との印刷位置合わせを行い、
同一種別の連続紙について予め設定されたページ識別情報に基づいて、以降のページの前記第1印刷装置と前記第2印刷装置との印刷位置合わせを行うことを特徴とするタンデム連続紙印刷装置。
【請求項2】
連続紙の片面に印刷する第1印刷装置と、
前記第1印刷装置が印刷した連続紙の同一面または他方の面に印刷する第2印刷装置と、
前記第1印刷装置および前記第2印刷装置を制御する印刷制御手段と、を備えたタンデム連続紙印刷装置において、
前記印刷制御手段は、
前記第1印刷装置で印刷を行う印刷データの一部を表示する表示部を備え、
前記第1印刷装置で最初に印刷を行う印刷データのページについて、その一部であって2箇所を選択可能に前記表示部に表示させ、選択された印刷データの一部をページ識別情報とし、
前記第1印刷装置に最初に通紙するページが白紙の場合、
前記選択された一方のページ識別情報に基づいて、前記最初に通紙するページの前記第1印刷装置と前記第2印刷装置との印刷位置合わせを行い、
前記選択された他方のページ識別情報に基づいて、以降のページの前記第1印刷装置と前記第2印刷装置との印刷位置合わせを行うことを特徴とするタンデム連続紙印刷装置。
【請求項3】
連続紙の片面に印刷する第1印刷装置と、
前記第1印刷装置が印刷した連続紙の同一面または他方の面に印刷する第2印刷装置と、
前記第1印刷装置および前記第2印刷装置を制御する印刷制御手段と、を備えたタンデム連続紙印刷装置において、
前記印刷制御手段は、
前記第1印刷装置で印刷を行う印刷データの一部を表示する表示部を備え、
前記第1印刷装置で最初に印刷を行う印刷データのページについて、その一部を選択可能に前記表示部に表示させ、選択された印刷データの一部をページ識別情報とし、
該ページ識別情報に基づいて、前記第1印刷装置と前記第2印刷装置との印刷位置合わせを行うことを特徴とするタンデム連続紙印刷装置。
【請求項4】
前記第2印刷装置は、
前記予め設定されたページ識別情報を検知する第1検知手段と、
該第1検知手段の連続紙の通紙方向上流側に、前記選択されたページ識別情報を検知する第2検知手段と、を備え、
前記印刷制御手段は、
前記第2検知手段により検知される前記第1印刷装置で最初に印刷を行ったページの前記選択されたページ識別情報に基づいて、前記第1印刷装置を最初に通紙したページの裏面の印刷を制御し、
前記第1検知手段により検知される前記第1印刷装置で印刷を行ったページの前記予め設定されたページ識別情報に基づいて、以降のページの裏面の印刷を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のタンデム連続紙印刷装置。
【請求項5】
前記第2印刷装置は、
前記選択された一方のページ識別情報を検知する第1検知手段と、
該第1検知手段の連続紙の通紙方向上流側に前記選択された他方のページ識別情報を検知する第2検知手段と、を備え、
前記印刷制御手段は、
前記第2検知手段により検知される前記第1印刷装置で最初に印刷を行ったページの前記選択された一方のページ識別情報に基づいて、前記第1印刷装置を最初に通紙したページの裏面の印刷を制御し、
前記第1検知手段により検知される前記第1印刷装置で印刷を行ったページの前記選択された他方のページ識別情報に基づいて、以降のページの裏面の印刷を制御する
ことを特徴とする請求項2に記載のタンデム連続紙印刷装置。
【請求項6】
前記第2印刷装置は、
前記ページ識別情報を検知する検知手段を備え、
前記印刷制御手段は、
前記検知手段により検知される前記第1印刷装置で印刷を行ったページの前記ページ識別情報と、前記印刷データにおける該ページ識別情報に相当する領域のデータと、を照合することにより、前記第1印刷装置と前記第2印刷装置との印刷位置合わせを行うことを特徴とする請求項3に記載のタンデム連続紙印刷装置。
【請求項7】
前記第2検知手段は、前記第1検知手段よりも、連続紙の1ページ長以上、通紙方向上流側に設けられることを特徴とする請求項4または5に記載のタンデム連続紙印刷装置。
【請求項8】
前記印刷制御手段は、
前記ページ識別情報と、前記印刷データにおける前記ページ識別情報に相当する領域のデータと、の照合を行う際、
前記印刷データにおける前記ページ識別情報に相当する領域を、選択されたページ識別情報よりも広い範囲とすることを特徴とする請求項1から7までのいずれかに記載のタンデム連続紙印刷装置。
【請求項9】
前記印刷制御手段は、
前記ページ識別情報が、印刷データの各ページにおいて同一である場合は、該印刷制御手段が備えるページカウンタによるカウント結果に基づいて、前記第1印刷装置と前記第2印刷装置との印刷位置合わせを行うことを特徴とする請求項1から8までのいずれかに記載のタンデム連続紙印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−49209(P2013−49209A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188789(P2011−188789)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】