説明

タンパー基部を備えた振動タンパー

【課題】ドイツ特許公開第4436081号公報から公知の振動タンパーを改良する。
【解決手段】本発明は、駆動モータ(3)を備えた上部構造(2)と、前記駆動モータ(3)によって駆動されるタンパープレート(6)を備えた下部構造(4)とを有する土壌圧縮用振動タンパー(1)であって、前記タンパープレート(6)が前記下部構造(4)に連設されたタンパー基部(5)に固定されており、このタンパー基部(5)が前記振動タンパー(1)において直線状に動くように案内部材(11)を用いて設けられている土壌圧縮用振動タンパー(1)に関する。タンパー基部(5)は前記案内部材(11)と一体形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載のタイプの土壌圧縮用振動タンパーに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の振動タンパーは、例えばドイツ特許公開第4436081号公報から公知である。この振動タンパーは、駆動モータを備えた上部構造と、駆動モータによって駆動されるタンパープレート(または圧縮用プレート)を備えた下部構造と、を有している。タンパープレートを駆動させるために、タンパー基部が案内部材を用いて設けられており、ドイツ特許公開第4436081号公報の図1から明らかなように、振動タンパーにおいて直線状に動くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】ドイツ特許公開第4436081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ドイツ特許公開第4436081号公報から公知の振動タンパーを改良することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、請求項1の特徴を備えた振動タンパーによって達成される。好適な改良例及び実施例は従属項に記載している。他の独立請求項によると、本発明は、そのような振動タンパーに用いられるタンパー基部も含むものである。
【0006】
上記目的は、駆動モータを備えた上部構造と、駆動モータによって駆動されるタンパープレートを備えた下部構造とを有する土壌圧縮用振動タンパーであって、タンパープレートが下部構造に連設されたタンパー基部に固定されており、このタンパー基部が振動タンパーにおいて直線状に動くように(少なくとも)1つの案内部材を用いて設けられている振動タンパーによって達成される。少なくとも1つのタンパー基部は、単体、または、案内部材と一体形成されて、設けられている。つまり、タンパー基部は、一体形成された案内部材とともに設けられるものである。
【0007】
タンパー基部は、単体、または、案内部材と一体形成されて、設けられているため、製造されて組み付けられる個々の構成部材点数は、例えばドイツ特許公開公報第4436081号において開示されているような、従来技術から公知の構成と較べて削減される。さらに、タンパー基部と案内部材との間のシール部材が不要であり、重量も削減できるという利点がある。その結果、コスト面でも最適化を図ることができる。
【0008】
一体形成された案内部材は筒状及び管状であり、入れ子式摺動案内ユニットの内側案内部である。現在まで、このような筒状の内側案内部は、例えばドイツ特許公開公報第4436081号に開示されているように、溶接部品として製造され、その後タンパー基部に連結されるのが一般的であるが、これは、複雑で費用が嵩むものである。加えて、オイルが流れ出ないように、および/または、ごみが入らないように、いずれの部品も接続面においてシールする必要がある。
【0009】
本発明によると、タンパー基部はカップ形状部を有しており、これは筒状内側案内部を少なくとも部分的に外囲している。さらに、カップ形状部の内側輪郭と筒状内側案内部の外側輪郭との間に径方向間隙を設けることができ、カップ形状部の内側輪郭と内側案内部の外側輪郭との間に延びる少なくとも1つの連結ウェブが、好ましくはこの間隙内に位置している。これにより、特に安定した構造が実現される。この目的のため、連結ウェブが好ましくは環状に設けられるか、内側案内部がカップ形状部の内側輪郭と内側案内部の外代わりなくとの間に周辺部として設けられている。さらに、この環状連結ウェブの高さに少なくとも1つの通路開口部を設けてもよく、これによって、内側案内部の内部隔室と、タンパーを外囲する外部隔室との間が連結される。
【0010】
振動タンパーのための少なくとも1つの大型の搬送または把持用ハンドルをタンパー基部に設けてもよく、この搬送用ハンドルも、単体、または、タンパー基部と一体形成されて、設けられていることが好ましい。
【0011】
タンパー基部は、全体として、つまり案内部材とともに、また選択的に搬送用ハンドルとともに成形物として構成されていることが有利である。成形材料としてはアルミニウム材料を用いることが好ましい。このようにして低重量を実現することができる。さらに、上述した案内部材は、特に鋼鉄材料と較べて、比較的簡単に、機械工作によって後処理することができる。より複雑さを省いた加工によってコスト面での最適化を図ることができる。あるいは、成形材料としては、合成樹脂材料または樹脂複合材料を用いることもできる。また、成形物は多構成成形物であってもよく、受ける圧力によって種々の成形材料を用いることができる。従って、例えば、案内部材は鋼鉄成形材料で形成し、残りのタンパー基部はアルミニウム材料で構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】振動タンパーの断面図である。
【図2】図1の振動タンパーの振動基部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図面に例示された実施例に基づいて、本発明をより詳細に述べる。
【0014】
図1は、手で操作する振動タンパー1を示している。この振動タンパー1は、駆動モータ3を備えた上部構造2と、タンパープレート6が固定されたタンパー基部5を備えた下部構造4からなる。駆動モータ3は、下端がプレテンションバネ9,10を介してタンパー基部5に連結された連結ロッド8が設けられた偏心装置7を駆動する。タンパー基部5は、入れ子式摺動案内ユニットによって、振動タンパー1において直線状に動くようになっており、この入れ子式摺動案内ユニットは、筒状の内側案内部11と、同じく筒状の外側案内部12がそれぞれ対応する案内部材(内側案内部材及び外側案内部材)を形成するものである。筒状内側案内部11の上端部は13で示しており、バネ9の上部カウンターベアリングとしても機能する。上部構造2のフランジは14で示しており、ここに入れ子式摺動案内ユニットの外側案内部12が固定される。折りたたみ蛇腹部15が保護用に設けられている。
【0015】
図2を参照して以下により詳細に述べるが、本発明によると、タンパー基部5は、単体、または、筒状内側案内部11と一体形成されて、設けられている。
【0016】
図2は成形物として構成されたタンパー基部5を示しており、筒状内側案内部11はタンパー基部5と一体形成されて設けられている。タンパー基部5は、下部領域で筒状内側案内部11を外囲するカップ形状部16を有している。径方向、つまり環状筒状の間隙17が、このカップ形状部16の内側輪郭と筒状内側案内部11の外側輪郭との間に設けられており、これにより、一方では外側案内部12の移動空間が与えられ、他方では、内側案内部11の外側表面を機械工作によって後処理するための加工ツールを出し入れできるようになっている。カップ形状部16の内側輪郭と筒状内側案内部11の外側輪郭との間に延びている環状の連結ウェブ18が径方向間隙17に位置しており、これにより、特に安定した構造になる。連結ウェブ18の高さで、通路孔19が径方向に形成されており、内側案内部11の内部隔室と、タンパー1を外囲する外部隔室との間を連結している。通路孔19は、閉鎖ねじ20を用いて、カップ形状部16において外部に対して閉鎖されている。さらに、連結ウェブは、通路孔19の領域においてポケット21として設けられており、これにより、特にこの領域がさらに安定する。移行部分はすべて適切に成形されるよう構成されており、荷重に対して最適なものとなっている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動モータ(3)を備えた上部構造(2)と、前記駆動モータ(3)によって駆動されるタンパープレート(6)を備えた下部構造(4)とを有する土壌圧縮用振動タンパー(1)であって、
前記タンパープレート(6)が前記下部構造(4)に連設されたタンパー基部(5)に固定されており、前記タンパー基部(5)が前記振動タンパー(1)において直線状に動くように案内部材(11)を用いて設けられ、前記案内部材(11)が入れ子式摺動案内ユニットの筒状内側案内部であるものにおいて、
前記タンパー基部(5)が、前記筒状内側案内部(11)を少なくとも部分的に外囲するカップ形状部(16)を備えているとともに、前記タンパー基部(5)が前記案内部材(11)と一体形成されていることを特徴とする土壌圧縮用振動タンパー(1)。
【請求項2】
少なくとも1つの連結ウェブ(18)が位置する径方向間隙(17)が、前記カップ形状部(16)の内側輪郭と前記筒状内側案内部(11)の外側輪郭との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の振動タンパー(1)。
【請求項3】
少なくとも1つの大型の搬送用ハンドルが前記タンパー基部(5)に追加して設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の振動タンパー(1)。
【請求項4】
前記タンパー基部(5)は、前記案内部材(11)とともに、成形物として設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の振動タンパー(1)。
【請求項5】
使用される成形材料がアルミニウム材料であることを特徴とする請求項4に記載の振動タンパー(1)。
【請求項6】
使用される成形材料が合成樹脂材料または合成樹脂複合材料であることを特徴とする請求項4に記載の振動タンパー(1)。
【請求項7】
前記成形物が多構成成形物であることを特徴とする請求項4に記載の振動タンパー(1)。
【請求項8】
土壌圧縮用振動タンパー(1)に用いられるタンパー基部(5)であって、
少なくとも請求項1から7のいずれかの特徴を備えることを特徴とする。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−82681(P2012−82681A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−222708(P2011−222708)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(592188715)ボーマーク・ゲー・エム・ベー・ハー (14)
【氏名又は名称原語表記】BOMAG GMBH
【住所又は居所原語表記】INDUSTRIEGEBIET HELLERWALD,D−56154 BOPPARD,BUNDESREPUBLIK DEUTSCHLAND
【Fターム(参考)】