説明

タンポンの最終成形方法

吸収可能な材料から形成されているタンポン(1)の製造プロセスを終了させる成形のための方法であって、タンポン(1)の外表面に沿って一周する、タンポン(1)の少なくとも1つの領域を、好ましくは熱的な影響のもとで、径方向に圧縮することによって、外表面に少なくとも1つの溝(12、13)が刻印され、前記溝の溝平面が、タンポンの長手方向の延びに対して実質的に垂直に延びている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収可能な材料から形成されたタンポンの製造プロセスを終了させる成形方法に関する。
【0002】
さらに、本発明は、吸収可能な材料から形成されたタンポンの製造プロセスを終了させる成形装置に関する。
【背景技術】
【0003】
タンポンは、長尺綿から巻いて、次にプレス装置内で圧縮することによって形成することができる、一般に知られた衛生用品であって、その場合に通常、製造に基づくタンポンの円柱形状が生じる。しかし、付加的に特殊な成形、たとえば領域毎に横断面が異なる形状を有するタンポンを形成することが、望まれることが多い。この種のタンポンは、たとえば特許文献1から知られている。しかし、タンポンの繊維構造を損なうことを回避するために、この種のタンポンを形成する場合に、比較的複雑な方法が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国実用新案登録DE212004000071U
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って本発明の課題は、繊維構造を傷つけることなしに、異なる横断面を有するタンポンを形成することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、冒頭で挙げた種類の方法を用いて、本発明によれば、タンポンの外表面に沿って一周する、タンポンの少なくとも1つの領域を、好ましくは熱的な影響のもとで、径方向に圧縮することによって、外表面に少なくとも1つの溝が刻印され、その溝平面が、タンポンの長手方向の延びに対して実質的に平行に延びていることによって、解決される。
【0007】
圧縮の前ないしその間に、場合によってはタンポンを加熱することによって、簡単なやり方で、タンポンの形状の安定した、ないしは永続的な変形を容易にすることができる。「終了させる成形」という概念は、この文書においては、それが製造方法の最後の成形プロセスであることを意味している。本発明に基づく方法は、タンポンを形成するために使用される、従来の製造方法の後段に接続することができる。本発明に基づく方法のための初期製品として、好ましくは、従来の製造方法に従ってすでに「できあがった」タンポンを使用することができるので、簡単なやり方でタンポンのための任意の製造方法と組み合わされ、かつすでにある製造プロセス内に統合することができる。
【0008】
「溝平面」という概念は、この文書において、溝の長手方向に延びて、溝外周の形状を描く二次元のカーブが位置付けられた平面を意味している。このカーブは、たとえば円、楕円または多角形あるいは他の任意の形状であることができる。
【0009】
その場合に、本発明の特に好ましい変形例においては、互いに対して逆方向に移動可能な、それぞれ凹状に形成されて、その推移にわたってタンポンの外表面よりも彎曲の少ないプレス部分(このプレス部分は、プレス部分によるタンポンのプレスによって、タンポンのプレスされた領域の凸面の外表面が生じるように配置されている)を有する少なくとも1つのプレス型によって、タンポンの外表面が部分的に包囲されて、プレス部分が互いに近づくように移動することによって圧縮され、その場合に圧縮された領域は、プレス部分の除去後に、プレス部分の輪郭推移と実質的に対応する輪郭を有する。
【0010】
その場合に、プレス型の閉鎖された状態においてプレス部分によって画成される領域が、圧縮すべきタンポンの圧縮前の直径よりも大きい長さと小さい幅を有していると、効果的である。上述したやり方で、タンポンの圧縮が簡単にもたらされ、その場合にプレス部分の曲率半径を適切に選択することにより、ないしはプレス部分の適切な曲率によって、表面の損傷ないしタンポンの繊維の分断がもたらされないことが、保証される。
【0011】
本発明の好ましい展開によれば、前もって第1のプレス型によって圧縮されたタンポンの領域が、互いに対して逆方向に移動可能で、それぞれ凹状に形成されているプレス部分(このプレス部分は、プレス部分によるタンポンのプレスによって、タンポンのプレスされた領域の凸面の外表面が生じるように配置されている)を有する少なくとも1つの第2のプレス型によって包囲されて、変形され、その場合に第2のプレス型のプレス部分は、その前に使用される第1のプレス型のプレス部分よりも強く彎曲されているが、タンポンのその前に圧縮されている領域の、そのプレス部分へ向いた部分よりも彎曲が少ない。異なる曲率ないし大きさのプレス型によってタンポンを互いに連続してプレスすることにより、簡単なやり方で、所望の最終形状が得られる。第1の圧縮と変形によって、その後タンポンを、タンポンの表面ないしその糸を損傷することなく、第2の、より小さいプレス型によって加工することができるような形状にすることができる。
【0012】
任意に延びる一周する圧縮は、タンポンの外表面に、第1のプレス型によるタンポンの圧縮によって、第1のカーブ形状に従って一周する溝が、そして第2のプレス型によるタンポンの圧縮によって、第2のカーブ形状に従って一周する他の溝が刻印されることによって、形成される。これに関連して、第1のカーブ形状に従って一周する溝および/または第2のカーブ形状に従って一周する溝が、外表面の周方向に閉成されていると、効果的であることが明らかにされた。
【0013】
タンポンの直径よりも小さい直径を有する円形の圧縮を形成することができるようにするために、プレス型による第1のステップにおいて、外表面を中心として周方向に長円形に一周する溝を刻印することができ、その場合に他のステップにおいて、長円形に一周する溝が、他のプレス型によるプレスによって、実質的に円形に一周する溝に変形される。
【0014】
本発明の好ましい変形例において、タンポンは、すでに保護スリーブ内に梱包された状態で圧縮されて、変形される。本発明のこの実施形態によって、簡単なやり方で、複雑に成形されたタンポンを梱包する際の問題が回避される。というのは、それぞれ成形は、タンポンの梱包後に初めて行なわれるからである。
【0015】
上で挙げた課題は、本発明に基づいて次のように、すなわちタンポンの外表面に沿って一周する少なくとも1つの領域を、少なくとも部分的に径方向に、好ましくは熱的な影響のもとで、圧力を及ぼすことによって圧縮し、かつそれによって外表面に、タンポンの長手軸に対して実質的に垂直に延びる溝平面を有する溝を刻印するように整えられた、冒頭で挙げた種類の装置によっても、解決される。
【0016】
本発明の好ましい実施形態によれば、装置は、互いに対して実質的に逆方向に移動可能な、それぞれ凹状に形成されたプレス部分を備えた少なくとも1つのプレス型を有し、その場合にプレス部分は、プレス型の閉鎖された状態において、プレス領域を画成し、かつ次のように、すなわちプレス部分によりタンポンをプレスすることによって、タンポンのプレスされた領域の凸面の表面形状が生じるように、配置されている。
【0017】
タンポンをプレス型へ挿入する方向は、プレス平面に対して実質的に平行に延びており、その場合に各プレス部分は、圧縮すべき領域の行なうべき形状付与に従って形成することができる。
【0018】
変形プロセスの間にタンポンへ必要な温度を投入することができるようにするために、少なくとも1つのプレス型は、加熱可能とすることができる。しかしその代わりに、タンポン自体を予熱することもできる。
【0019】
特に簡単な構造を特徴とする、本発明の変形例によれば、プレス型は少なくとも2つのプレート形状のプレスあごを有することができ、その場合にプレスあごの前エッジの互いに向き合う部分が、プレス部分として設けられている。
【0020】
さらに、装置は、それぞれ上述したように形成することができる、少なくとも2つのプレス型を有することができ、その場合に第2のプレス型のプレス部分は、第1のプレス型のプレス部分よりも強く彎曲されている。このように形成された装置によって、簡単なやり方で、タンポン直径よりも小さい直径を有する圧縮が形成される。とうのは、第1のプレス型によってタンポンを予め圧縮することにより、圧縮された領域の半径を、第2の小さいプレス型に合うように、減少させることができるからである。本方法は、タンポンの繊維の損傷がもたらされない限り、任意に長く続行することができる。
【0021】
以下、他の利点を含めて本発明を、図面に示す制限的でない実施例を用いて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る装置のプレス型を、開放されたプレスあごおよびその間にあるタンポンと共に示す斜視図である。
【図2】図1に基づくプレス型を、閉鎖されたプレスあごと共に示している。
【図3】図1と2に基づくプレス型による変形プロセス前のタンポンを示す斜視図である。
【図4】図3に基づくタンポンを示す縦断面図である。
【図5】図3に基づくタンポンを、図1と2に基づくプレス装置によってプレスすることによる変形プロセス後に示す斜視図である。
【図6】図5に基づくタンポンを示す縦断面図である。
【図7】図1に基づく表示を部分的に横断面で示す上面図である。
【図8】図2に基づく表示を部分的に横断面で示す上面図である。
【図9】本発明に係る装置の他のプレス型を、開放したプレスあごと共に示す斜視図であって、その場合にプレスあごのプレス部分は、図1、2、7および8のプレスあごのプレス部分よりも小さい曲率半径を有している。
【図10】図9に基づくプレス型を、閉鎖されたプレスあごと共に示す斜視図である。
【図11】図9と10に基づくプレス型でプレスする前のタンポンを示す斜視図である。
【図12】図11に基づくタンポンを示す縦断面図である。
【図13】図9と10に基づくプレス装置によるプレス後において、図11に基づくタンポンを示す斜視図である。
【図14】図13に基づくタンポンを示す縦断面図である。
【図15】図9に基づく表示を一部断面で示す上面図である。
【図16】図10に基づく表示を一部断面で示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
最初に断っておくが、異なるように記述される実施形態において、同一の部分は同一の参照符号ないし同一の構成部品名称を有しており、その場合に説明全体に含まれる開示は、同一の参照符号ないし同一の構成部品名称を有する同一の部品に適用することができる。また、説明の中で選択された、たとえば上、下、側方などの位置記載は、直接記述され、かつ図示されている図に関するものであって、位置が変化した場合には意味に従って新しい位置へ移し替えられる。さらに、図示され、かつ記述される異なる実施例に基づく個別特徴または特徴の組合せも、それ自体自立した、発明的または発明に係る解決を表すことができる。
【0024】
図1は、本発明に係る装置を示している。装置は、一般に円柱状のタンポン1を、少なくとも部分的に熱の影響を受けながら、径方向にプレスによって圧縮するように、配列されている。この場合に、「一般に円柱状」というのは、従来技術から知られているような、タンポンの通常の形状を表しているが、さらに、扁平化され、あるいは部分的に扁平化された円柱、屈曲された円柱および、種々の断面領域を有する形状も含んでいる。
【0025】
図1によれば、タンポン1を変形させるための本発明に係る装置は、互いに対して逆方向に移動可能なプレスあご3と4を備えた第1のプレス型2を有している。プレスあご3と4は、凹状のプレス部分5と6を有しており、それらは、プレス部分5と6の間に位置するプレス領域7の、プレス部分の移動方向に対して垂直に延びる、幾何学的中心軸ないしは互いに関して次のように、すなわちプレス部分5と6によりタンポン1の表面部分をプレスすることによって、プレスされた表面部分の凸面の形状が得られるように、配置されている。圧接された状態において、プレス領域7は、その中にあるタンポン1の部分によって満たされている。
【0026】
プレス部分5と6の移動平面内へ綿がはみ出さないようにしてタンポン1をプレスすることを可能にし、それによってタンポンの表面の損傷を防止するために、プレス部分5と6は、タンポン1の表面ほど強く彎曲されていない。プレス部分5と6が互いに近づくように移動することによって、タンポン1は、プレスあご3と4によって包囲される領域内で圧縮することができ、その場合に圧縮された領域は、プレス部分を除去した後に、プレス部分5と6の輪郭推移と実質的に対応する輪郭を有する。従って各プレス部分5と6は、タンポン1の圧縮すべき領域の行なうべき形状付与に従って形成されている。図1からさらに明らかなように、プレスあご3と4は、プレート形状に形成することができ、その場合にプレスあご3と4の前端縁の互いに向き合う部分が、プレス部分5と6として設けられている。2つのプレスあご3と4のみを使用する代わりに、好ましくはプレス領域7を中心に半径方向に配置された、より多いプレスあごを設けることもできる。
【0027】
タンポン1をプレス型2内へ、ないしはプレス領域7内へ挿入する方向は、プレス領域7の幾何学的中心軸に対して実質的に平行、すなわちプレス平面に対して平行である。プレスあご3と4は、ここには図示されていないキャリッジ上に取り付けることができ、そのキャリッジは、開放とプレスを可能にするために、互いに対して近づき、かつ互いから離れるように移動することができる。タンポン1を導入するために、同様に図示されていない、タンポン1のスリーブ形状のガイドを設けることができる。
【0028】
さらに、プレス型2は、たとえばプレスあご3と4の孔ないし切欠き内へ導入された発熱容器によって、加熱可能であるようにすることもできる。
【0029】
タンポン1の外表面の一部を圧縮するために、プレスあご3と4は、図1に示す位置から図2に示す位置へ移動することができる。
【0030】
その場合に、本発明によれば、タンポン1はプレス部分5と6によって包囲されて、タンポン1の材料が包囲された領域内で、好ましくは熱の影響を受けて、プレス部分5と6が互いに対して移動することによって圧縮される。プレスあご3と4によるタンポン1の圧縮は、好ましくは、タンポン1の長手軸に対して実質的に垂直に行なわれ、その長手軸は、プレス平面に対して実質的に平行に延びる。その場合に長手軸は、タンポンの最も長い線を言う。横断面は、長手軸に対して直角に切断されたディスクを言う。圧縮後に、タンポン1の包囲されて、変形された領域は、プレス部分5と6に相当する輪郭と、この領域に続くタンポン1の領域よりも小さい横断面とを有している。
【0031】
図3と4に示すように、吸収可能な材料から形成されたタンポン1は、変形プロセス前に、円柱に実質的に相当する外表面を有することができる。タンポン1が変形プロセス前にすでに保護スリーブ内に梱包されていると、特に効果的である。
【0032】
図5と6から明らかなように、タンポン1は、好ましくは熱作用の下で行なわれるプレスの後に、圧縮された箇所において変形されており、かつそこで、タンポン1のそれに続く領域よりも小さい横断面直径を有している。
【0033】
図7と8から明らかなように、プレス型2が閉鎖された状態においてプレス部分によって画成される領域は、圧縮すべきタンポン1のその圧縮前の直径よりも大きい長さと小さい幅とすることができる。
【0034】
図9から明らかなように、装置は、平面内で互いに対して逆方向に移動可能なプレス部分9と10を備えた他のプレス型8を有することができる。他のプレス型8のプレス部分9と10は、図1、2、7および8に示し、かつ上で説明したプレス型2の場合と同様に、プレス部分9と10の間に位置するプレス領域11の、プレス部分9と10の移動方向に対して垂直に延びる中心軸に関し、かつ互いに対して次のように、タンポン1の表面部分のプレスによってプレスされた領域の凸面の表面が生じるように、配置することができる。
【0035】
しかし、第1のプレス型2のプレス部分5と6は、好ましくは、第2のプレス型8のプレス部分9と10よりも彎曲が少ない。その場合にタンポン1の前もって圧縮された領域の、第2のプレス型8へ向いた部分は、第1のプレス型2のプレス部分5、6よりも強く彎曲されている。このようにして、プレスの間に綿がプレス部分9と10の移動平面内へはみ出さないことが、保証される。
【0036】
第2のプレス型8も、第1のものと同様に加熱可能である。ここで述べておくが、プレス型2と8は、そのプレス部分5と6ないし9と10の形状ないし曲率によってのみ異なる。第2のプレス型8は、同様に、プレート形状のプレスあご15と16を有することができ、その場合に前側はプレス部分9と10によって形成されている。
【0037】
本発明に基づく方法に従って、タンポン1の、前もって第1のプレス型2によって圧縮された領域が、第2の型8によって、好ましくは同様に熱影響を受けながら、すなわち場合によっては熱を供給しながら、変形される。加熱可能なプレス型2ないし8によってタンポン1へ熱供給する代わりに、タンポン1自体を前もって加熱することもできる。たとえば、タンポンを主として形成する材料がビスコース繊維である場合に、製造速度に従って約15℃−180℃の温度が好ましいことが、明らかにされている。第2のプレス型8も、加熱することができ、その場合に第2のプレス型によって実施される圧縮プロセスは、好ましくは、第1の圧縮プロセスと同一の温度において行なうことができる。しかし、第2のプレス型8によって実施される圧縮プロセスは、第1のプレス型2によって行なわれた圧縮プロセスよりも低い、あるいは高い温度で行なうこともできる。
【0038】
しかしここで、はっきりと注意を促すが、本発明に基づく方法は、熱的な影響なしでも、すなわちタンポン1またはプレス型2ないし8の加熱なしでも、実施することができる。熱影響のもとでタンポン1を圧縮することは、本発明の好ましい変形例にすぎない。
【0039】
第1のプレス型2によってタンポン1を圧縮することにより、タンポン1の外表面に、第1のカーブ形状に従って一周する溝12を刻印することができる。
【0040】
その上に、第2のプレス型8によってタンポン1を圧縮することにより、第2のカーブ形状に従って一周する他の溝13を刻印することができる。溝12と13のカーブ形状は、閉成されていてもよい。
【0041】
図1から8に示すように、プレス型2による第1のステップにおいて、外表面を中心に周方向に長円形に一周する溝12を刻印することができる。図9から16の表示に従って、それにつづいて他のステップにおいて、長円形に一周する溝12が第2のプレス型8によるプレスによって、実質的に円形に一周する溝13に変形することができる。もちろん、本発明に基づく解決は、長円形と円形に一周する溝に限定されるものではなく、溝12と13の任意の周形状が可能である。その場合に重要なことは、タンポン1が第1のプレス型2による変形後に、変形された領域において、タンポン1の貫通をもたらすことなしに、第2のプレス型8によって包囲することができるように、圧縮されていることだけである。
【0042】
また、本発明は、図示のプレス型2と8による圧縮に限定されるものではなく、溝13は、たとえば1つまたは複数のローラによって形成することもできる。
【0043】
上述した実施例は、本発明に基づく装置ないし方法の可能な実施変形例に関するものであって、その場合にここで注意すべきであるが、本発明は、具体的に表示され、かつ説明されたその実施変形例に限定されておらず、むしろ、個々の実施変形例を互いに多様に組み合わせることも可能であって、この変形可能性は、客観的発明によって技術的に取り扱うための教示に基づいて、この技術分野で働く当業者の裁量の範囲内にある。従って、図示され、かつ説明された実施変形例の個々の詳細を組み合わせることによって可能となる、考えられる全実施変形例も、保護範囲に一緒に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収可能な材料から形成されているタンポン(1)の製造プロセスを終了させる成形のための方法において、
タンポン(1)の外表面に沿って一周する、タンポン(1)の少なくとも1つの領域を、好ましくは熱的な影響のもとで、径方向に圧縮することによって、外表面に少なくとも1つの溝(12、13)が刻印され、前記溝の溝平面が、タンポンの長手方向の延びに対して実質的に垂直に延びている、ことを特徴とするタンポンの成形方法。
【請求項2】
互いに対して逆方向に移動可能な、それぞれ凹状に形成されて、その推移にわたってタンポンの外表面よりも彎曲の少ないプレス部分(5、6)を有する少なくとも1つの第1のプレス型(2)によって、タンポン(1)の外表面が、部分的に包囲され、かつプレス部分(5、6)が互いに近づくように移動することによって圧縮され、前記プレス部分は、プレス部分(9、10)によるタンポン(1)のプレスによって、タンポン(1)のプレスされた領域の凸面の表面形状が生じるように配置されており、圧縮された領域は、プレス部分の除去後に実質的に、プレス部分(5、6)の輪郭推移と対応する輪郭を有している、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
プレス型(2)の閉鎖された状態において、プレス部分(5、6)によって画成される領域が、圧縮すべきタンポン(1)の、その圧縮前の直径よりも大きい長さと小さい幅を有している、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
タンポン(1)の、前もって第1のプレス型(2)によって圧縮された領域が、互いに対して逆方向に移動可能な、それぞれ凹状に形成されたプレス部分(9、10)を有する少なくとも1つの第2のプレス型(8)によって包囲されて、変形され、前記プレス部分が、プレス部分(9、10)によるタンポン(1)のプレスによってタンポン(1)のプレスされた領域の凸面の表面形状が生じるように、配置されており、第2の型(8)のプレス部分(9、10)は、その前に使用される第1のプレス型(2)のプレス部分(5、6)よりも強く彎曲されているが、タンポン(1)の前もって圧縮された領域の、前記プレス部分(9、10)へ向いた部分よりも彎曲が少ない、ことを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
タンポン(1)の外表面に、第1のプレス型(2)によるタンポン(1)の圧縮によって、第1のカーブ形状に従って一周する溝(12)が、そして第2のプレス型(8)によるタンポン(1)の圧縮によって、第2のカーブ形状に従って一周する他の溝(13)が刻印される、ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
第1のカーブ形状に従って一周する溝(12)および/または第2のカーブ形状に従って一周する溝(13)が、外表面の周方向に閉成されている、ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
第1のプレス型(2)による第1のステップにおいて、外表面を中心に周方向に長円形に一周する第1の溝(12)が刻印され、他のステップにおいて、一周する溝(12)が、第2のプレス型によるプレスによって、実質的に円形に一周する溝(13)へ変形される、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
タンポン(1)が、すでに保護スリーブ内に梱包された状態で圧縮されて、変形される、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
吸収可能な材料から形成されているタンポン(1)の製造プロセスを終了させる成形のための装置において、
装置が、タンポン(1)の外表面に沿って一周する少なくとも1つの領域を、少なくとも部分的に径方向に、好ましくは熱的な影響のもとで、圧力を及ぼすことによって圧縮し、かつ外表面に、タンポン(1)の長手軸に対して実質的に垂直に延びる溝平面を有する溝(12、13)を刻印するように、配列されている、ことを特徴とする成形する装置。
【請求項10】
装置が、互いに対して実質的に逆方向に移動可能な、それぞれ凹状に形成されたプレス部分(5、6)を備えた少なくとも1つのプレス型(2)を有し、プレス部分(9、10)が、プレス型(2)の閉鎖された状態において、プレス領域を画成し、かつ次のように、すなわちプレス部分(9、10)によってタンポン(1)をプレスすることにより、タンポン(1)のプレスされた領域の凸面の表面形状が生じるように、配置されている、ことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
プレス型(2)内へタンポン(1)を挿入する方向が、プレス平面に対して実質的に平行に延びている、ことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
各プレス部分(5、6、9、10)が、圧縮すべき領域の行なうべき形状付与に従って形成されている、ことを特徴とする請求項10から11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
少なくとも1つのプレス型(2、8)が、加熱可能である、ことを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
少なくとも1つのプレス型(2、8)が、少なくとも2つのプレート形状のプレスあご(3、4、15、16)を有しており、プレスあご(3、4、15、16)の前エッジの互いに向き合った部分が、プレス部分(5、6、9、10)として設けられている、ことを特徴とする請求項10から13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
装置が、それぞれ請求項10から14のいずれか1項に従って形成された、少なくとも2つのプレス型(2、8)を有しており、第2のプレス型(8)のプレス部分(9、10)が、第1のプレス型(2)のプレス部分(5、6)より大きく彎曲している、ことを特徴とする請求項10から14のいずれか1項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2012−531282(P2012−531282A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518044(P2012−518044)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【国際出願番号】PCT/EP2010/003842
【国際公開番号】WO2011/000508
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(511205677)ルークグリ プロジェクツ アクチェンゲゼルシャフト (4)
【Fターム(参考)】