説明

タンポンの製造方法、及び、タンポンの製造装置

【課題】吸収体に紐を正常に取り付けるタンポンの製造方法等を実現することにある。
【解決手段】液体を吸収する吸収体21と、前記吸収体に取り付けられた紐22と、を有するタンポン10の製造方法であって、前記紐22を前記吸収体21に取り付けることと、前記吸収体21の動きを規制部121a,121bによって規制することと、前記紐22を把持部125によって把持することと、前記吸収体21の長手方向における、前記規制部121a,121bと前記把持部125との間隔を広げて、前記紐22に張力を付与することと、を有することを特徴とするタンポン10の製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンポンの製造方法、及び、タンポンの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タンポンは生理用品として広く知られている。タンポンでは、経血等の液体を吸収する吸収体の一端に紐が取り付けられている。この紐は、膣腔内に挿入された吸収体を膣腔外へ取り出す際に、使用者によって引っ張られる。
吸収体に紐を取り付ける際の紐供給部において、紐に結び目や毛玉等の欠陥部が有るか否かを確認し、欠陥部の有る紐が取り付けられたタンポンを製造ラインから排除するタンポンの製造方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−42031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の方法では、紐自体の欠陥を確認している為、吸収体に紐が取り付けられてからの異常を確認することが出来ない。例えば、紐が吸収体に確実に縫い付けられていなかったり、製造ラインにおいて紐が疵つけられたりした事を確認することが出来ない。つまり、吸収体に紐が正常に取り付けられていない虞があるという課題がある。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、吸収体に紐を正常に取り付けるタンポンの製造方法、及び、タンポンの製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、液体を吸収する吸収体と、前記吸収体に取り付けられた紐と、を有するタンポンの製造方法であって、前記紐を前記吸収体に取り付けることと、前記吸収体の動きを規制部によって規制することと、前記紐を把持部によって把持することと、前記吸収体の長手方向における、前記規制部と前記把持部との間隔を広げて、前記紐に張力を付与することと、を有することを特徴とするタンポンの製造方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、吸収体に紐を正常に取り付けるタンポンの製造方法、及び、タンポンの製造装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1Aはタンポンの構成要素を示す断面図であり、図1Bはタンポン本体となる吸収体に紐が取り付けられる様子を示す図であり、図1Cはタンポン本体の外観図である。
【図2】タンポンの製造装置を正面から見た模式図である。
【図3】タンポンの製造装置を上方から見た模式図である。
【図4】不良品排出部の模式図である。
【図5】図5A及び図5Bは紐引張りユニットを説明する図である。
【図6】図6Aから図6Cは吸収体に紐が正常に取り付けられた場合の検査結果を説明する図である。
【図7】図7Aから図7Cは吸収体に紐が正常に取り付けられた場合の検査結果を説明する図である。
【図8】図8Aから図8Cは吸収体に紐が正常に取り付けられていない場合の検査結果を説明する図である。
【図9】図9Aから図9Cは吸収体に紐が取り付けられなかった場合の検査結果を説明する図である。
【図10】図10A及び図10Bはその他の紐引張り検査を説明する図である。
【図11】図11A及び図11Bはアプリケーター無しのタンポンの紐引張り検査を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
【0010】
即ち、液体を吸収する吸収体と、前記吸収体に取り付けられた紐と、を有するタンポンの製造方法であって、前記紐を前記吸収体に取り付けることと、前記吸収体の動きを規制部によって規制することと、前記紐を把持部によって把持することと、前記吸収体の長手方向における、前記規制部と前記把持部との間隔を広げて、前記紐に張力を付与することと、を有することを特徴とするタンポンの製造方法である。
このようなタンポンの製造方法によれば、吸収体に紐が正常に取り付けられたか否かを検査することが出来る。
【0011】
かかるタンポンの製造方法であって、前記タンポンは、前記吸収体を収容する外筒と、前記外筒内を移動して前記吸収体を前記外筒の先端から押し出す内筒と、を備えるアプリケーターを有し、前記紐は、前記内筒の後端から露出されており、前記規制部は、前記アプリケーターの動きを規制するとともに、前記内筒の端面を介して前記吸収体の動きを規制すること。
このようなタンポンの製造方法によれば、吸収体に紐が正常に取り付けられたか否かを検査することができる。
【0012】
かかるタンポンの製造方法であって、前記間隔を広げる前と後における前記規制部と前記把持部の前記長手方向の間隔の変化量に基づいて、前記吸収体に対する前記紐の取り付け不良を検査すること。
このようなタンポンの製造方法によれば、吸収体に紐が正常に取り付けられたか否かを判断することが出来る。
【0013】
かかるタンポンの製造方法であって、前記間隔を広げた結果、前記吸収体に対する前記紐の取り付けが不良である前記タンポンを製造工程外へ排出する不良品排出部を有し、あるタンポンが前記不良品排出部に到達するタイミングを算出し、前記あるタンポンの前記吸収体に対する前記紐の取り付けが不良である場合、前記不良品排出部は、算出された前記タイミングにて前記あるタンポンを製造工程外へ排出すること。
このようなタンポンの製造方法によれば、吸収体に対する紐の取り付けが不良である製品を製造工程外へ排出することができ、吸収体に紐が正常に取り付けられた製品を提供することが出来る。
【0014】
かかるタンポンの製造方法であって、前記規制部と前記把持部のうちの一方を、位置が固定された固定部とし、前記規制部と前記把持部のうちの他方を、前記長手方向に移動可能な移動部とし、前記固定部から前記移動部側に所定の距離を離れた地点にセンサーが位置し、前記間隔を広げた後の前記センサーの検出結果に基づいて、前記吸収体に対する前記紐の取り付け不良を検査すること。
このようなタンポンの製造方法によれば、吸収体に紐が正常に取り付けられたか否かを判断することが出来る。
【0015】
かかるタンポンの製造方法であって、前記移動部は、前記間隔を広げる前に、前記センサーによって検出される地点に位置し、前記紐の取り付けが不良である場合には、前記間隔を広げた後に、前記移動部は前記センサーに検出されない地点に位置すること。
このようなタンポンの製造方法によれば、吸収体に対する紐の取り付けが不良である製品を検出することが出来る。
【0016】
かかるタンポンの製造方法であって、前記移動部は、前記間隔を広げる前に、前記センサーによって検出される地点に位置し、正常に前記紐が取り付けられ、前記把持部によって前記紐が弛んで把持された場合には、前記間隔を広げた後に、前記移動部は前記センサーに検出される地点に位置すること。
このようなタンポンの製造方法によれば、紐が弛んで把持されたとしても、紐の取り付けが正常であれば、紐の取り付けが正常な製品と判断される。
【0017】
かかるタンポンの製造方法であって、前記吸収体に対して前記紐が延出している側から吸引部により吸気しながら、前記把持部が前記紐を把持すること。
このようなタンポンの製造方法によれば、把持部が紐の弛みを抑えて紐を把持することができる。
【0018】
また、液体を吸収する吸収体と、前記吸収体に取り付けられた紐と、を有するタンポンの製造装置であって、前記紐を前記吸収体に取り付ける取付装置と、前記吸収体の動きを規制する規制部と、前記紐を把持する把持部と、前記吸収体の長手方向における、前記規制部と前記把持部との間隔を広げて、前記紐に張力を付与する検査装置と、を有することを特徴とするタンポンの製造装置である。
このようなタンポンの製造装置によれば、吸収体に紐が正常に取り付けられた製品を提供することが出来る。
【0019】
===タンポンの構成について===
先ず、タンポン10の構成について説明する。
図1Aは、タンポン10の構成要素を示す断面図であり、図1Bは、タンポン本体20となる吸収体21に紐22が取り付けられる様子を示す図であり、図1Cは、タンポン本体20の外観図である。なお、以降の説明において、タンポン10の長手方向において、膣腔内に挿入される側を先端と呼び、反対側を後端と呼ぶ。
【0020】
本実施形態のタンポン10は、図1に示すように、タンポン本体20と、アプリケーター30と、を有する。アプリケーター30は、タンポン本体20を収容する外筒部材40(外筒に相当)と、外筒部材40に対してタンポン本体20を相対移動させるための移動部材50(内筒に相当)とを備え、タンポン本体20を膣腔内に導き入れ易くするための補助具である。
【0021】
タンポン本体20は、膣腔を閉塞して経血等の液体を吸収するものであり、吸収体21と紐22とを有する。吸収体21は、例えばレーヨン主体の吸収性繊維を積層した吸収体材料211(綿体)をポリエステルスパンボンド不織布からなるカバー体212で覆ったものであり、弾丸型に成型されている。
【0022】
図1Bに示すように、吸収体21には、紐22が縫い付けられる。この紐22は、例えば、綿製の撚糸である。紐22は、吸収体21の後端側から延出しており、膣腔内にある吸収体21を膣腔外に引き出す際にタンポン10の使用者等によって摘まれる。また、紐22は、図1Aに示すように、アプリケーター30内、即ち、筒状をなす外筒部材40及び移動部材50の内側を通り、アプリケーター30の後端から露出している。
【0023】
外筒部材40は、タンポン本体20を相対移動自在に収納するためのものである。外筒部材40は、熱可塑性樹脂(例えばポリエチレン樹脂)を用いて射出成形された円筒体であり、適宜な可撓性を有する。また、外筒部材40は、先端側の大径部41と、後端側の小径部42と、を備える。大径部41の内径(及び外径)は、小径部42の内径(及び外径)よりも大きい。ゆえに、大径部41及び小径部42との間には環状の段部45が形成されている。
【0024】
大径部41は、タンポン本体20を収納する役割を果たし、タンポン10の使用時にタンポン本体20を収納した状態で膣腔内に挿入される部分である。また、大径部41の先端部には、複数の切り込み44が形成され、開口可能な部分となっている(以下、先端開口43と呼ぶ)。よって、外筒部材40が膣腔内に挿入された後、タンポン本体20が移動部材50(後述)に押されると、タンポン本体20により先端開口43が押し広げられ、タンポン本体20が外筒部材40から露出する。なお、タンポン本体20が外筒部材40から押し出された後、タンポン10の使用者が膣腔内からアプリケーター30を取り出すことによって、タンポン本体20の装着が完了する。
【0025】
小径部42は、その内側を移動部材50が移動する際に、移動部材50を案内するガイドとして機能する。また、小径部42は、タンポン10の装着時に使用者によって把持される部分でもある。
【0026】
移動部材50は、外筒部材40内を長手方向に移動可能とし、タンポン本体20を先端開口43から外筒部材40の外に押し出すためのものである。なお、移動部材50の先端は、外径が小径部42の内径よりも大きい係止部51となっている。よって、移動部材50が後端側に引っ張られた際に、外筒部材40の段部45と係止部51とが当接し、移動部材50が外筒部材40から抜けないように構成されている。一方、移動部材50の後端には環状突起52が設けられている。この環状突起52は、移動部材50が先端側に押された際に外筒部材40の小径部42の後端部に当接して、移動部材50が外筒部材40から抜けないように構成されている。
【0027】
===タンポン10の製造方法について===
次に、上述したタンポン10を製造する製造方法について説明する。図2は、タンポンの製造装置100を正面から見た模式図である。図3は、タンポンの製造装置100を上方から見た模式図である。図4は、不良品排出部112の模式図である。なお、タンポン10は、タンポン本体20とアプリケーター30とが別の工程にて製造された後に、組み立てられる。
【0028】
図2に示すように、タンポンの製造装置100は、タンポン本体20の吸収体21を形成する圧縮成型ドラム101と、吸収体21を加熱する加熱ドラム103と、タンポン本体20とアプリケーター30を組み立てる組み立てユニット105と、タンポン本体20が収容された外筒部材40の先端開口43を閉じる方向に湾曲させて加熱する加熱用ドラム107aと、湾曲させた先端開口43を維持させて冷却する冷却用ドラム107bと、回転ドラム108でタンポン10を搬送しながら吸収体21に正常に紐22が取り付けられたか否かを検査する「紐検査ユニット109」と、不良品排出部112と、を有している。なお、ここでは、アプリケーター30の成形装置等は省略する。
【0029】
まず、図1Bに示すように、吸収体21の基材となる吸収体材料211をカバー体212で覆ったものが、所定の形状及び大きさに裁断される。その裁断されたカバー体212と吸収体材料211(吸収体21)に、取付装置(不図示)によって紐22が取り付けられる(縫い付けられる)。紐22は吸収体21の長手方向先端部から後端部に亘って縫い付けられる。その後、タンポン本体20は圧縮成型ドラム101にて、放射状に配置された保持機構102に挿入される。吸収体21は圧縮成型ドラム101における回転移動中にその直径方向に圧縮されてほぼ円柱状に形作られる。
【0030】
次に、円柱状に形作られた吸収体21は加熱ドラム103にて加熱される。なお、加熱ドラム103の温度は、100度以上180度以下とし、好ましくは110度とする。タンポン本体20が挿入される加熱ドラム103の保持機構104は、吸収体21の直径とほぼ同じ形状の貫通孔であり、吸収体21に加熱ドラム103の熱が効果的に伝わるようになっている。また、この時、吸収体21の先端が曲面をなすような弾丸型に成型される。
【0031】
次に、タンポン本体20は冷却されつつ組立てユニット105に搬送される。組立てユニット105は、第1コンベアー105aと第2コンベアー105bを備える。加熱ドラム103の保持機構104から押し出されたタンポン本体20は、その時の向きを維持しつつ第1コンベアー105a上を搬送される。第2コンベアー105bには別ラインで製造されたアプリケーター30が供給される。このとき、移動部材50は外筒部材40に挿入された状態であり、図1Aに示すように、外筒部材40に対して移動部材50は長手方向後端側に位置し、外筒部材40の段部45と移動部材50の係止部51とが当接している。また、外筒部材40の先端開口43を形成する花弁状部分が外周側に押し広げられている。
【0032】
そして、第1コンベアー105a上のタンポン本体20が後端側から、第2コンベアー105b上のアプリケーター30内に(外筒部材40内に)に挿入される。このとき、タンポン本体20の紐22が先行するように、移動部材50の後端側から吸気がなされている。これにより、紐22が、移動部材50の後端の開口(即ち、アプリケーター30の後端)から引き出され、露出した状態となる。
【0033】
次に、外筒部材40内にタンポン本体20が収容されたタンポン10は、中継ローラー106を介して先端成型ユニット107に受け渡される。先端成型ユニット107は、加熱用ドラム107aと、冷却用ドラム107bと、半球状の凹部を有する先端型部(不図示)とを有している。
【0034】
加熱用ドラム107aでは、加熱された先端型部(不図示)が外筒部材40の先端開口43側に押圧されることにより、花弁状部分が内側に(閉じる方向に)湾曲されてドーム状に形成される。冷却用ドラム107bでは、加熱されて軟化された外筒部材40の花弁状部分に先端型部(不図示)が押圧されて冷却され、硬化される。この結果、外筒部材40にタンポン本体20が収容された状態で、図1Aに示すように先端開口43が略閉じた状態となる。
【0035】
次に、アプリケーター30に挿入されたタンポン本体20は、中継ローラー106を介して紐検査ユニット109に供給される。紐検査ユニット109(検査装置に相当)は、紐引張りユニット110と、センサー111と、回転ドラム108と、制御部(不図示)と、を有している。回転ドラム108の周方向に沿って複数の紐引張りユニット110が配置されている。紐引張りユニット110は、中継ローラー106から供給されたタンポン10を保持する。なお、タンポン10の長手方向とドラムの回転軸に沿う方向は一致している。また、センサー111が回転ドラム108の頂上(12時の方向)に位置する。
【0036】
製造ラインでは、タンポン本体20の吸収体21に紐22が正常に取り付けられなかった製品も流れてくる。そのため、紐検査ユニット109において、吸収体21に紐22が正常に取り付けられたか否かの検査(紐引張り検査)を行う。吸収体21に紐22が正常に取り付けられていない製品とは、例えば、縫いつけ針が外れるなどして吸収体21に元々紐22が縫い付けられなかった製品や、欠陥部のある紐22が縫い付けられたり、後の工程で紐22が疵つけられたりする等して、紐22が切断されて紐22が規定の長さを満たしていない製品や紐22が切れそうな製品、また、吸収体21への紐22の縫いつけが甘く、吸収体21から紐22が抜けてしまいそうな製品が挙げられる。
【0037】
そこで、紐検査ユニット109では、紐把持部125が移動部材50の後端から露出した吸収体21の紐22を把持し、且つ、タンポン保持部121a,121bがアプリケーター30を介して吸収体21の動きを規制した状態で、紐把持部125とタンポン保持部121a,121bとの間隔を長手方向に広げる。そうすることで、紐22に張力を与え、吸収体21に紐22が正常に取り付けられているか否かを検査する(詳細は後述)。
【0038】
紐引張り検査の後、タンポン10は、中継ローラー106を介して、不良品排出部112に到達する。図4Aは、紐引張り検査にて吸収体21に紐22が正常に取り付けられたと判定されたタンポン10(良品)が搬送ベルト113に供給される様子を示し、図4Bは、紐引張り検査にて吸収体21に紐22が正常に取り付けられなかったと判定されたタンポン10(不良品)が製造工程外へ排出される様子を示す。中継ローラー106は、回転体106aと、回転体106aの外周を覆う第1外壁106b及び第2外壁106cと、を有する。回転体106aには、周方向にタンポン10を収容する溝が複数設けられている。ここでは、回転体106aの溝に収容されたタンポン10はクランプ等で保持されることなく、タンポン10は回転体106aの溝と第1外壁106bに囲われた状態で、不良品排出部112まで搬送される。
【0039】
不良品排出部112は、第1外壁106bと第2外壁106cの間において、回転体106aの外周面の一部を覆うことができる。そのため、不良品排出部112の中継ローラー106側の側面は、回転体106aの外周に沿った面となっている。更に、不良品排出部112は、回転体106aの回転軸と交差する方向である横方向に移動可能である。そのため、不良品排出部112は、図4Aに示すように第1外壁106b及び第2外壁106cから離れて回転体106aと不良品排出部112の間に空間を設けて位置することができ、また、図4Bに示すように第1外壁106bと第2外壁106cの間に位置することもできる。この不良品排出部112の横方向の位置を、紐検査ユニット109の制御部が制御する。
【0040】
ある紐引張りユニット110に保持されたタンポン10に対して紐引張り検査を行った結果、紐検査ユニット109の制御部が、そのタンポン10では、吸収体21に紐22が正常に取り付けられていると判断したとする。この場合、制御部は、そのタンポン10が不良品排出部112に到達する時に、図4Aに示すように、不良品排出部112を第1外壁106b及び第2外壁106cから離して、回転体106aと不良品排出部112の間に空間を設ける。その結果、そのタンポン10を回転体106の外周面側から支持する物体が無くなり、タンポン10は搬送ベルト113上に落下する。搬送ベルト113上のタンポン10は、後の工程(例えば包装工程)へ搬送される。
【0041】
一方、ある紐引張りユニット110に保持されたタンポン10に対して紐引張り検査を行った結果、紐検査ユニット109の制御部が、そのタンポン10では、吸収体21に紐22が正常に取り付けられていないと判断したとする。この場合、制御部は、そのタンポン10が不良品排出部112に到達する時に、図4Bに示すように、不良品排出部112を第1外壁106bと第2外壁106cの間に位置させる。その結果、そのタンポン10は、第1外壁106bから離れた後も、回転体106aの溝と不良品排出部112に囲われるため、搬送ベルト113上に落下することなく、第2外壁106cに到達する。第2外壁106cよりも下流側では、回転体106aの外面を覆う物体が無く、そのタンポン10は回転体106aから離れ、製造工程外へ排出される。
【0042】
つまり、紐検査ユニット109の制御部は、あるタンポン10の紐引張り検査の結果に基づき、そのタンポン10が不良品排出部112に到達するタイミングにて、不良品排出部112の横方向の位置を制御する。そうして、制御部は、紐引張り検査に合格した製品(良品)を後の工程へ続く搬送ベルト113に供給し、紐引張り検査が不合格であった製品(不良品)を製造工程外へ排出する。その結果、吸収体21に紐22が正常に取りつけられたタンポン10を製造および提供することが出来る。
【0043】
ゆえに、紐検査ユニット109の制御部は、紐引張り検査を行ったあるタンポンが不良品排出部112に到達するタイミングを算出する。そのために、制御部は、例えば、あるタンポン10の紐引張り検査を行ってから、そのタンポン10が不良品排出部112に到達するまでの時間を算出する。図2に示す紐検査ユニット109のセンサー111とタンポン10とが対向する地点からタンポン10が不良品排出部112に到達するまでの搬送距離と、タンポンの製造装置100におけるタンポン10の搬送速度と、に基づいて、その時間を算出することができる。
【0044】
なお、ここでは、不良品排出部112の横方向の位置を制御することによって、紐引張り検査の不合格品のタンポン10を製造工程外へ排出しているが、これに限らない。例えば、中継ローラー106の溝の一端から他端に掛け渡されるクランプの解除のタイミングで、不合格品を製造工程外へ排出しても良い。中継ローラー106に供給されたタンポン10はクランプによって保持されており、紐22が正常に取り付けられているタンポン10では、搬送ベルト113に到達するタイミングでクランプを解除する。一方、紐22が正常に取り付けられていないタンポン10では、搬送ベルト113に到達するタイミングではクランプを解除せず、製造工程外へ排出するタイミングでクランプを解除する。その結果、紐22が正常に取りつけられているタンポン10と紐22が正常に取り付けられていないタンポン10とを仕分けすることが出来る。
【0045】
===紐引張り検査===
<紐引張りユニット110>
図5A及び図5Bは、紐引張りユニット110を説明する図である。紐引張りユニット110は、保持台120と、アプリケーター30を介して吸収体21の動きを規制するタンポン保持部121a,121b(規制部に相当)と、移動エアーシリンダー122と、紐把持機構123と、を有する。保持台120上にタンポン10が設けられ、保持台120の上面にタンポン保持部121a,121bが設けられている。保持台120は、移動エアーシリンダー122が有するピストンロッド122bの先端に設けられている。ゆえに、保持台120は、タンポン保持部121a,121bにより保持したタンポン10(アプリケーター30)と共に長手方向に移動可能である。
【0046】
移動エアーシリンダー122は、シリンダーチューブが設けられた本体部122aと、シリンダーチューブ内を移動可能なピストンとピストンロッド122bとが一体に形成されたピストンユニット122cを有しており、ピストンロッド122bは、保持台120とピストンとを連結している。本体部122aは、回転ドラム108(図2参照)に固定されており、回転ドラム108と共に回転する。また、本体部122aには、紐把持機構123も取り付けられている。
【0047】
紐把持機構123は、紐把持エアーシリンダー124と紐把持部125(把持部に相当)と吸引部126とを有している。紐把持エアーシリンダー124はロッド部124aを有し、ロッド部124aは長手方向に移動可能である。また、ロッド部124aの先端部に紐把持部125が設けられている。
【0048】
図5Bは紐把持部125の拡大図である。紐把持部125には開孔125aが設けられている。この開孔125aは外から中に向かって広がるテーパー部125bを有している。通常の状態では(図5Bの下図)、紐把持エアーシリンダー124のロッド部124aはコイルバネによって長手方向の先端側に付勢され、ロッド部124aの先端がテーパー部125bを押圧し、開孔125aを閉塞している。一方、紐把持エアーシリンダー124のシリンダーチューブ内のエアーが吸引されると、ロッド部124aが長手方向の後端側に引っ張られて(図5Bの上図)、開孔125aとロッド部124aとの間に空隙が生じる。なお、紐把持機構123は、保持台120に支持されるタンポン10の後端側に設けられ、タンポン本体20のセンターと開孔125aとがほぼ直線上に位置するように配置されている。
【0049】
<検査方法>
図2に示す製造工程において、タンポン10は、先端成型ユニット107の後、中継ローラー106を介して、紐引張りユニット110の保持台120に受け渡される。このとき、移動エアーシリンダー122にはエアーが供給されていない。そのため、ピストンロッド122bは延びておらず、図5Aに示すように、保持台120と本体部122aは比較的に近くに位置する。保持台120にタンポン10が受け渡されると、後端側のタンポン保持部121bのクランプが閉じられてタンポン10が保持される。なお、このとき、タンポン本体20は外筒部材40内に収容されており、図1Aに示すように、移動部材50は外筒部材40に対して後端側に突出している。そのため、移動部材50の後端は、紐把持部125の開孔125aの比較的に近くに位置する。
【0050】
タンポン10が保持台120に保持されると、紐把持エアーシリンダー124のロッド部124aが長手方向の後端側に引っ張られ、開孔125aとロッド部124aの先端との間に空隙が生じた状態となり(図5Bの上図)、吸引部126からエアーが吸引され、テーパー部125bとロッド部124aとの隙間からエアーが吸引される。その結果、タンポン10の紐22の後端が紐把持部125の開孔125aからテーパー部125bとロッド部124aとの隙間に引き入れられる(図5Bの上図)。その後、吸引部126からのエアーの吸引が停止され、ロッド部124aはコイルバネによって長手方向の先端側に付勢され、ロッド部124aの先端がテーパー部125bを押圧する(図5Bの下図)。その結果、ロッド部124aとテーパー部125bとの間に紐22が挟まれて、紐把持部125が紐22を把持した状態となる。
【0051】
このように吸引部126が吸収体21の後端側から吸気しながら、紐把持部125が紐22を把持することによって、紐把持部125は紐のたるみを抑えて紐22を把持することが出来る。また、移動部材50から露出していない紐22を吸引部126の吸気により移動部材50から露出させることができ、紐把持部125が紐22を把持することができる。
【0052】
こうして紐把持機構123が紐22を把持する間にも、紐検査ユニット109の回転ドラム108は回転し続ける。そして、保持台120に保持されたタンポン10がセンサー111と対向する前に、移動エアーシリンダー122にエアーが供給され、ピストンロッド122bを長手方向先端側に延ばそうとする力が、ピストンロッド122bに働く。その結果、保持台120、及び、保持台120に保持されたタンポン10(外筒部材40)にも、それらを長手方向先端側に移動させようとする力が働く。ただし、保持台120に保持されたタンポン10の紐22が紐把持部125に把持されているため、吸収体21に紐22が正常に取り付けられている場合、紐22に張力が働き、保持台120の移動を抑止する力が働く。換言すると、保持台120上で吸収体21の動きを規制するタンポン保持部121a,121bと紐把持部125の長手方向の間隔を広げて、紐22に張力が働いた結果、保持台120の移動が抑止される。本実施形態では、長手方向の位置が固定された紐把持部125(固定部に相当)に対して、長手方向に移動可能なタンポン保持部121a,121b(移動部)を長手方向先端側へ移動させることによって、紐把持部125とタンポン保持部121a,121bの長手方向の間隔を広げる。
【0053】
詳しく説明すると、図5Aに示すタンポン保持部121a,121bは対を成す突部から構成され、その突部間にタンポン10が配置され、タンポン10の動きを規制する。先端側のタンポン保持部121aでは、対を成す突部間に外筒部材40の大径部41が位置し、後端側のタンポン保持部121bでは、対を成す突部間に外筒部材40の小径部42が位置する。そして、後端側のタンポン保持部121bには突部間に掛け渡される解除可能なクランプが設けられている。このように、タンポン保持部121a,121bにより外筒部材40の動きは保持台120上で規制されている。また、図1Aに示すように、移動部材50の先端は、外径が外筒部材40の小径部42の内径よりも大きい係止部51となっている。よって、移動部材50が外筒部材40の長手方向後端側から抜けない構成となっている。そのため、タンポン保持部121a,121bにより、内筒部材40の長手方向後端側への動きも制限される。そして、外筒部材40内において吸収体21は移動部材50の先端側の端面と当接している。そのため、吸収体21に取り付けられた紐22に張力が働き、吸収体21を長手方向後端側へ動かそうとする力が働いても、吸収体21はタンポン保持部121a,121bにより移動部材40の先端面を介して長手方向後端側への動きが規制される。また、本実施形態のタンポン10では、図1Aに示すように、吸収体21の外径が外筒部材40の小径部42の内径よりも大きい。この事からも、紐22に張力が働き、吸収体21を長手方向後端側へ動かそうとする力が働いても、吸収体21は外筒部材40内にて長手方向後端側へ移動できないことが分かる。
【0054】
また、後端側のタンポン保持部121bの対を成す突部の間隔は、外筒部材40の小径部42の外径よりも大きく、大径部41の外径よりも小さい。そのため、吸収体21に取り付けられた紐22に張力が働き、外筒部材40を長手方向後端側へ移動させようとする力が働いたとしても、外筒部材40の大径部41の後端部が、後端側のタンポン保持部121bと当接し、外筒部材40の長手方向後端側への動きを確実に規制することが出来る。即ち、外筒部材40を長手方向後端側へ移動させようとする力が働いたとしても、タンポン保持部121a,121bは滑ることなく外筒部材40の動きを規制することができ、紐22に所定の張力を与えることが出来る。
【0055】
そうして、紐22に所定の張力を与えた結果、例えば、紐22が切れたり、紐22が吸収体21から取れてしまったりした場合には、紐22が吸収体21に正常に取り付けられていなかったと判断できる。そうでない場合には、紐22が吸収体21に正常に取り付けられていると判断できる(詳細は後述)。
【0056】
なお、紐22に掛かる張力が、20Nよりも大きく100Nよりも小さく、好ましくは60Nとなるように、移動エアーシリンダー122のピストンロッド122bに掛ける力を調整するとよい。紐22に掛かる力が20N以下であると、タンポン本体20を膣腔外へ取り出す時に紐22に掛かる力(抵抗力)よりも小さく、紐22に掛かる力が100N以上であると、吸収体21が破断してしまう虞があるからである。
【0057】
また、本実施形態では、タンポン保持部121a,121b(規制部)が外筒部材40の動きを規制することによって、吸収体21の動きを規制しているが、これに限らない。例えば、タンポン保持部が移動部材50(内筒)の長手方向の動きを規制しても良い。この場合にも、吸収体21の後端部と移動部材50の先端面を当接させることによって、紐22に張力が働いた時の吸収体21の長手方向後端側への動きを規制することができる。その結果、吸収体21の紐22に所定の張力を与えることが出来る。また、移動部材50が外筒部材40の後端側から抜けてしまう構成のタンポンの場合、タンポン保持部121a,121bが移動部材50(内筒)の長手方向の動きを規制することで、吸収体21の長手方向の後端側への動きを規制することができる。
【0058】
<検査結果>
図6Aから図6Cは、紐把持部125が弛みなく紐22を把持し、タンポン本体20の吸収体21に紐22が正常に取り付けられた場合の検査結果を説明する図である。図6Aは、紐把持部125が弛みなく紐22を把持した後の状態を示す図である。この時、移動エアーシリンダー122にエアーは供給されておらず、保持台120及び吸収体21(外筒部材40)に、それらを長手方向先端側へ移動させようとする力が働いていない状態である。この時、紐把持部125の開孔125aからタンポン保持部121aの中央部までの長手方向の距離が「距離L」である。
【0059】
その後、図6Bに示すように、移動エアーシリンダー122にエアーが供給され、保持台120及び吸収体21に、それらを長手方向先端側へ移動させようとする力が働く。しかし、吸収体21には紐22が正常に取り付けられており、紐把持部125によって弛みなく紐22が把持されている。そのため、保持台120及び吸収体21を長手方向先端側へ移動させた時に、紐22が張った状態となり、保持台120及び吸収体21は長手方向先端側へ微小に(Δlだけ)移動する。即ち、紐把持部125の開孔125aからタンポン保持部121aの中央部までの距離がほとんど変化せず「距離L+Δl」となる。つまり、タンポン保持部121a,121bと紐把持部125の間隔を広げた結果、その間隔の変化量が微小量Δlとなる。
【0060】
検査時には、紐把持部125の開孔125aから長手方向先端側に「距離L(所定の距離に相当)」を離れた地点に、センサー111(光照射部)が位置する。そのため、紐22に張力を与える前に(図6Aの状態)、タンポン保持部121aはセンサー111によって検出される地点に位置する。詳しく言えば、紐22に張力を与える前は、センサー111は、タンポン保持部121aの長手方向中央部と対向する地点に位置する。そして、紐22に張力を与えた後の紐把持部125に対する吸収体21の長手方向の移動距離は微小量であるので、タンポン保持部121aは変わらずにセンサー111に検出される地点に位置する。詳しく言えば、紐22に張力を与えた後も、センサー111は、タンポン保持部121aの長手方向のほぼ中央部と対向する地点に位置し、図6Bや図6Cに示すように、センサー111はタンポン保持部121aを検出することができる。
【0061】
なお、センサー111は光センサーとする。光センサーは、光を照射し、その照射光が遮られることにより、その照射光の光路上における物体の有無を検出する。また、タンポン10の外筒部材40の長手方向と交差する方向の高さは、タンポン保持部121aの高さよりも高い。そして、センサー111の焦点は、タンポン保持部121aの高さに合わせて設定されている。そのため、センサー111は、タンポン保持部121aと対向する時に、タンポン保持部121aが有ることを検出できる。
【0062】
紐検査ユニット109の制御部は、回転ドラム108によって回転する紐引張りユニット110に保持されたタンポン10とセンサー111とが対向した時のセンサー111の検出結果を取得する。そして、センサー111がタンポン保持部121aを検出する場合、制御部は、その紐引張りユニット110に保持されたタンポン10では、吸収体21に紐22が正常に取り付けられていると判断する。
【0063】
図7Aから図7Cは、吸収体21に紐22が正常に取り付けられているが、紐把持部125が紐22を弛ませて把持した時の検査結果を説明する図である。図7Aは、紐把持部125が、紐22が弛んだ状態で紐22を把持した様子を示す図であり、未だ保持台120及び吸収体21に、それらを長手方向先端側へ移動させようとする力が働いていない状態を示す図である。この時、紐把持部125の開孔125aからタンポン保持部121aの中央部までの長手方向の距離は、前述の図6Aと同様に「距離L」である。即ち、タンポン保持部121a,121bと紐把持部125の間隔を広げる前は、タンポン保持部121aはセンサー111によって検出される地点に位置する。
【0064】
その後、図7Bに示すように、移動エアーシリンダー122にエアーが供給され、保持台120及び吸収体21に、それらを長手方向先端側へ移動させようとする力が働く。その結果、弛んでいた紐22が張った状態となり、保持台120及び吸収体21が長手方向先端側へ距離βだけ動く(実際は2〜3mm程度)。ただし、吸収体21に紐22が正常に取り付けられているため、紐22が弛んでいる分だけ(距離βだけ)、保持台120及び吸収体21は長手方向先端側へ移動するが、それ以上は移動しない。その結果、図7Bに示すように、紐把持部125の開孔125aからタンポン保持部121aの中央部までの長手方向の距離は「距離L+β」となる。つまり、タンポン保持部121a,121bと紐把持部125の間隔を広げた結果、その間隔の変化量が「β」となる。
【0065】
センサー111から紐把持部125の開孔125aまでの長手方向の距離は「距離L」に設定されている。そのため、紐把持部125に対して吸収体21が長手方向先端側へ距離βだけ移動した場合、図7Bに示すように、センサー111はタンポン保持部121aの中央部よりも長手方向後端側に距離βだけずれた位置と対向する。その結果、図7Bや図7Cに示すように、紐22に張力を与えた後も、タンポン保持部121aはセンサー111によって検出される地点に位置し、制御部は吸収体21に紐22が正常に取り付けられていると判断する。
【0066】
このように紐把持部125は紐22が弛んだ状態で紐22を把持する場合がある。そのため、紐22が正常に取り付けられている場合であっても、紐22が弛んでいる分だけ保持台120及び吸収体21は長手方向先端側へ移動する。この場合であっても、センサー111がタンポン保持部121aを検出できるように、タンポン保持部121aを長手方向に所定の幅を持たせる。
【0067】
ここでは、タンポン保持部121aの長手方向の幅は「2α」とする。前述の図6Bに示すように、移動エアーシリンダー122による保持台120及び吸収体21の移動距離が微小である場合、センサー111はタンポン保持部121aのほぼ中央部と対向する。これに対して、移動エアーシリンダー122によって保持台120及び吸収体21が長手方向先端側に紐が弛んだ分だけ移動した場合、センサー111は、タンポン保持部121aの中央部よりも、吸収体21が移動した距離だけ(図7Bではβだけ)後端側の位置と対向する。よって、タンポン保持部121aの中央部から後端部までの距離αを、紐22が弛んで把持された時に移動エアーシリンダー122によって保持台120及び吸収体21が移動する可能性のある距離(図中ではβ)よりも、長くする。そうすることで、センサー111はタンポン保持部121aを検出することができ、制御部は吸収体21に紐22が正常に取り付けられていると判断することが出来る。
【0068】
図8Aから図8Cは、吸収体21に取り付けられた紐22が切れ易い状態、即ち、吸収体21に紐22が正常に取り付けられていない時の検査結果を説明する図である。元々の紐22に欠陥があったり、製造過程において紐22が疵つけられたりした結果、紐22が切れ易い状態となる。この場合、移動エアーシリンダー122にエアーが供給され、保持台120及び吸収体21に、それらを長手方向先端側へ移動させようとする力が働き、紐22に張力が働いた結果、紐22が切れてしまう。また、吸収体21の紐の縫い付けが甘い場合には、吸収体21から紐22が取れてしまう。即ち、移動エアーシリンダー122のピストンロッド122bが保持台120を押す力(例えば60N)の引張り強度に紐22が耐えることが出来ない場合、紐22が切れたり吸収体21から取れたりしてしまう。そうすると、ピストンロッド122bに押されることにより生じる保持台120の移動力を、紐22に働く張力によって抑止することが出来ず、保持台120は長手方向先端側へ移動してしまう。それに伴って保持台120に保持される吸収体21も、長手方向先端側へ移動する。
【0069】
この場合、紐把持部125の開孔125aからタンポン保持部121aの中央部までの長手方向の距離が、タンポン保持部121a,121bと紐把持部125の間隔を広げる前は図8Aに示すように「距離L」であるのに対して、間隔を広げた後は図8Bに示すように「距離L+γ」となる。つまり、タンポン保持部121aと紐把持部125の間隔の変化量が「γ」となる。
【0070】
間隔の変化量γ(実際は数センチ程度)は、弛んで紐22が把持された時の保持台120及び吸収体の移動距離(図7Bのβ)よりも大きく、更に、タンポン保持部121aの中央部から後端部までの距離αよりも大きい。そのため、タンポン保持部121a,121bと紐把持部125の間隔を広げる前は、タンポン保持部121aはセンサー111に検出される地点に位置するが、間隔を広げた後は、図8Bや図8Cに示すように、タンポン保持部121aはセンサー111に検出される地点に位置せず、センサー111はタンポン10の外筒部材40と対向する。センサー111は、タンポン10の外筒部材40よりも高いタンポン保持部121aの高さに合わせて焦点が設定されている。そのため、センサー111がタンポン10の外筒部材40と対向する時、センサー111は何も検出しない。紐検査ユニット109の制御部は、センサー111がタンポン保持部121aを検出せず、何も検出しなかった場合には、吸収体21に紐22が正常に取り付けられていないと判断できる。
【0071】
このように、保持台120及び吸収体21に、それらを長手方向先端側へ移動させようとする力を与え、紐22に張力を与えた結果、紐22が切れる等した場合には、センサー111がタンポン保持部121aではなく外筒部材40と対向するようにする。そのために、タンポン保持部121aの中央部から後端部までの距離αを、紐22が切れたり吸収体21から取れたりした時に移動エアーシリンダー122によって保持台120及び吸収体21が移動する距離(図中ではγ)よりも短くする。逆に言えば、紐22が切れる等した時の保持台120の移動量γが、タンポン保持部121の中央部から後端部までの距離αよりも長くなるように、移動エアーシリンダー122のピストンロッド122bの伸長量を調整する。そうすることで、紐22に張力を与えた結果、紐22が切れたり吸収体21から抜けたりする場合には、センサー111は外筒部材40と対向し、制御部は吸収体21に紐22が正常に取り付けられていないと判断することが出来る。
【0072】
図9Aから図9Cは、吸収体21に紐22が取り付けられなかった時の検査結果を説明する図である。吸収体21に紐22が取り付けられなかった場合、紐把持部125が紐22を把持しようとしても、紐22を把持することが出来ない。同様に、規定の長さよりも短い紐22が吸収体21に取り付けられたり、紐引張り検査の前に紐22が切れたりした場合にも、紐把持部125は紐22を把持することが出来ない。また、紐22が移動部材50内でたくれてしまう事もある。紐把持機構123では、紐把持部125の開孔125aからエアーを吸引することによって、紐22を開孔125aとテーパー部125bとの間に引き入れる。よって、開孔125aからの吸引によって紐22のたくれが解消し、紐把持部125が紐22を把持できる場合がある。
【0073】
このように、紐把持部125が紐22を把持できない場合、移動エアーシリンダー122にエアーが供給され、保持台120及び吸収体21に、それらを長手方向先端側へ移動させようとする力が働くと、その移動力を紐22の張力によって抑止することが出来ない。その結果、移動エアーシリンダー122のピストンロッド122bの伸張した長さγ分だけ、保持台120及び吸収体21は紐把持部125に対して長手方向先端側へ自由に移動する。つまり、タンポン保持部121a,121bと紐把持部125の間隔を広げた結果、その間隔の変化量が「γ」となる。
【0074】
そうすると、タンポン保持部121a,121bと紐把持部125の間隔を広げる前は、タンポン保持部121aはセンサー111に検出される地点に位置するのに対して、間隔を広げた後は、図9Bや図9Cに示すように、タンポン保持部121aはセンサー111に検出される地点に位置しない。センサー111はタンポン10の外筒部材40と対向し、何も検出することが出来ない。そうすると、紐検査ユニット109の制御部は、センサー111が何も検出しなかった事に基づき、吸収体21に紐22が正常に取り付けられていないと判断する。
【0075】
以上をまとめると、紐引張り検査では、保持台120に保持されたアプリケーター30から露出した紐22の後端を紐把持部125に把持させ、保持台120及び吸収体21に、それらを長手方向先端側(紐把持部125から離れる側)に移動させる力を与える。つまり、タンポン保持部121a,121bと紐把持部125の間隔を広げる。
【0076】
その結果、紐把持部125に紐22が把持され、紐22が吸収体21に正常に取りつけられている場合には、紐22に張力が働き、保持台120及び吸収体21の移動を抑止する。よって、タンポン保持部121a,121bと紐把持部125の間隔の変化量は、ゼロよりも大きく(図6の微小Δl以上であり)、紐22の弛みが伸びた分の長さ(図7のβ)以下となる。
【0077】
一方、紐22の長さが短い等して紐把持部125が紐22を把持できなかったり、紐22が切れそうであったりする場合には、紐22の張力によって、保持台120及び吸収体21の移動を抑止することが出来ない。よって、タンポン保持部121a,121bと紐把持部125の間隔の変化量は、保持台120を押すピストンロッド122bの伸長量(図8及び図9のγ)に相当する。
【0078】
このように、タンポン保持部121と紐把持部125の間隔を広げる前と広げた後の、タンポン保持部121a,121bと紐把持部125の長手方向の間隔の変化量に基づいて、吸収体21に紐22が正常に取り付けられているか否かを判断する。そうすることで、吸収体21に規定の長さの紐22が取り付けられ、且つ、紐22が所定の引張り強度(ピストンロッド122bが保持台120を押す力、タンポン本体20を取り外す時の抵抗値)に耐え得るか否かを判断することができる。具体的には、タンポン保持部121a,121bと紐把持部125の間隔の変化量が閾値以下であれば、紐22が所定の引張り強度に耐え得ることができ、紐22が正常に取り付けられたと判断できる。一方、タンポン保持部121a,121bと紐把持部125の間隔の変化量が閾値よりも大きければ、紐22が所定の引張り強度に耐えられず、紐22が切れたり、吸収体21から紐22が取れたりしたと判断できる。
【0079】
本実施形態では、センサー111がタンポン保持部121aを検出するか否かによって、吸収体21に紐22が正常に取り付けられたか否かを判断する。そして、吸収体21に紐22が正常に取り付けられていると判断されたタンポン10は図4Aに示すように後の工程へ続く搬送ベルト113に供給され、吸収体21に紐22が正常に取り付けられていないと判断されたタンポン10は図4Bに示すように製造工程外へ排出される。
【0080】
なお、タンポン保持部121a,121bと紐把持部125の間隔を広げて、紐22に張力を与えて検査すればよく、センサー111がタンポン保持部121aの有無を検出して、紐22が正常に取り付けられたか否かを判断するに限らない。例えば、目視により紐22が切れたり紐22が吸収体21から外れたりしていないかを確認しても良い。
【0081】
また、タンポン保持部121a,121bと紐把持部125の間隔を広げる前に、センサー111を後端側のタンポン保持部121bと対向する地点に位置させてもよい。この場合、間隔を広げた後の後端側のタンポン保持部121bの有無により、紐22の取り付けが正常であったか否かを判断することが出来る。また、タンポン保持部121a,121bと紐把持部125の間隔を広げる前、及び、間隔を広げた後であっても紐22が正常に取り付けられている場合には、センサー111がタンポン10を検出しない地点に位置し、間隔を広げた後に紐22の取り付けが不良であった場合には、センサー111がタンポン10を検出する地点に位置するように、センサー111の位置を調整してもよい。また、タンポン保持部121a,121bと紐把持部125の間隔を広げる前のタンポン保持部121a,121bの位置と、間隔を広げた後のタンポン保持部121a,121bの位置との差を実際に検出して、間隔の変化量を算出し、紐22の取り付けが正常であったか否かを判断しても良い。
【0082】
また、本実施形態では、紐把持部125に対して保持台120(タンポン保持部121a,121b、吸収体21)を長手方向先端側へ移動させる力を与えているが、これに限らない。例えば、保持台120(タンポン保持部121a,121b)に対して紐把持部125を長手方向後端側へ移動させる力を与えても良い。この場合、タンポン保持部121a,121bが固定部に相当し、紐把持部125が移動部に相当する。そのため、タンポン保持部121a,121bと紐把持部125の間隔を広げる前にセンサー111が紐把持部125を検出する地点にセンサー111を位置させ、間隔を広げた後にセンサー111が紐把持部125を検出するか否かによって、紐22の取り付けが正常であったか否かを判断してもよい。
【0083】
===その他の紐引張り検査===
図10A及び図10Bは、その他の紐引張り検査を説明する図である。前述の紐引張り検査では、紐把持部125と吸収体21との長手方向の間隔を広げる方向に力を与えた結果、紐把持部125と吸収体21の長手方向の相対移動量に基づいて、吸収体21に紐22が正常に取り付けられているか否かを判断するがこれに限らない。図10に示す例では、保持台120が、タンポン10を保持する第1保持台120aと、移動エアーシリンダー122のピストンロッド122bに連結された第2保持台120bとに分割されている。第2保持台120bに対して第1保持台120aは長手方向に移動可能である。そして、第1保持台120aと第2保持台120bの間には、圧縮力を検出するロードセル127が設けられている。
【0084】
前述の実施形態と同様に、紐把持部125に紐22を後端から把持させた後、移動エアーシリンダー122にエアーを供給する。そうすると、第2保持台120bはロードセル127を介して第1保持台120aに、第1保持台120aを長手方向先端側へ移動させようとする力が働く。しかし、吸収体21に紐22が正常に取り付けられていれば(図10A)、紐22に張力が働き、吸収体21及び第1保持台120aが長手方向先端側へ移動しようとする力を抑止する。その結果、第2保持台120bは第1保持台120aを長手方向先端側へ押そうとし、第1保持台120aは紐22の張力によって長手方向後端側に戻ろうとする。そのため、第1保持台120aと第2保持台120bの間のロードセル127に圧縮力が働く。
【0085】
これに対して、吸収体21に紐22が正常に取り付けられていない場合には(図10B)、第2保持台120bが第1保持台120aを長手方向先端側へ押そうとする力を、紐22の張力によって抑止することが出来ない。その結果、第1保持台120aは抗うことなく第2保持台120bに押されて長手方向先端側へ移動する。そのため、第1保持台120aと第2保持台120bの間のロードセル127に、ピストンロッド122bが第2保持台120bを押す力に相当する圧縮力が働かない。
【0086】
そこで、タンポン保持部121a,121b(第2保持台120b)と紐把持部125との間隔を広げた結果、ロードセル127に所定の圧縮力が働く場合には、吸収体21に紐22が正常に取り付けられていると判断し、ロードセル127に所定の圧縮力が働かない場合には、吸収体21に紐22が正常に取り付けられていないと判断するとよい。
【0087】
===アプリケーター30無しのタンポン10’について===
図11A及び図11Bは、アプリケーター30無しのタンポン10’の紐引張り検査を説明する図である。図11Aは、紐引張りユニット110’の構成を示す図であり、図11Bは、吸収体21の動きを規制した状態を上から見た図である。ここまで、タンポン本体20(吸収体20及び紐22)がアプリケーター30内に収容されたタンポン10の紐引張り検査について説明しているが、以下では、吸収体21と紐22を有するタンポン10’、即ち、アプリケーター30無しのタンポン10’について説明する。アプリケーター30有りのタンポン10に対して使用する図5Aの紐引張りユニット110と同じ構成の検査装置にて、アプリケーター30無しのタンポン10に対しても紐引張り検査を実施することが出来る。ただし、図11に示すように、吸収体21の動きを規制する方法が異なる。
【0088】
図11に示す紐引張りユニット110’では、保持台120上に、吸収体21の動きを規制する先端側タンポン保持部130(規制部に相当)と後端側タンポン保持部131(規制部に相当)が設けられている。先端側タンポン保持部130は、対を成す突部と、突部間に掛け渡される解除可能なクランプから構成されている。そして、先端側タンポン保持部130の突部間に吸収体21が位置する。一方、後端側タンポン保持部131は、対を成す突部から構成され、突部間に紐22が位置する。後端側タンポン保持部131の突部の横方向の間隔は吸収体21の外径よりも小さく、紐22に張力が働き、吸収体21を長手方向後端側へ移動させようとする力が働いた時、吸収体21の後端部は後端側タンポン保持部131の先端側の端面と当接する。よって、後端側タンポン保持部131は、吸収体21の長手方向後端側への動きを規制することができる。
【0089】
紐引張りユニット110’は、まず、吸引部126が、吸収体21の後端側から吸気しながら、紐把持部125が紐22を把持する(図5B)。その後、移動エアーシリンダー122にエアーが供給され、保持台120、及び、保持台120に保持されたタンポン10’に、それらを長手方向先端側に移動させようとする力が働く。こうして、先端側タンポン保持部130および後端側タンポン保持部131と紐把持部125との長手方向の間隔を広げて、紐22に張力を与える。そして、先端側タンポン保持部130および後端側タンポン保持部131と紐把持部125との長手方向の間隔を広げる前と後における間隔の変化量に基づいて、紐22が正常に取り付けられたか否かを判断するとよい。間隔の変化量が閾値以下であれば、紐22が正常に取り付けられたと判断し、間隔の変化量が閾値よりも大きければ、紐22が正常に取り付けられなかったと判断できる。また、図11Aに示すように、先端側タンポン保持部130および後端側タンポン保持部131と紐把持部125との間隔を広げる前は、先端側タンポン保持部130を検出できる地点にセンサー111を位置させ、間隔を広げた後の先端側タンポン保持部130の検出の有無によって、紐22が正常に取り付けられたか否かを判断しても良い。
【0090】
なお、吸収体21は、図1Bに示すように、吸収体材料211をカバー体212で覆ったものに紐22が取り付けられた後に、圧縮されてほぼ円柱状に形作られる。アプリケーター30無しのタンポン10’の中には、紐22が吸収体21の後端部で丸められて個別包装されるものがある。このようなタンポン10’の製造では、吸収体21が圧縮される時に紐22も丸められてプレス成形される場合がある。そのため、図11のように、吸収体21が圧縮された後に紐22の引張り検査を行う場合、丸められた紐22を伸ばして引張り検査を行い、検査後には再び紐22を丸める処理を実施しなければならない。そこで、圧縮される前であって吸収体21に紐22が取り付けられた時点に、紐22の引張り検査を行っても良い。ただし、図11のように、吸収体21が圧縮された後に紐22の引張り検査を行うことで、圧縮工程で紐22が疵付けられたことによる不良を検出することが出来る。また、前述のアプリケーター30有りのタンポン10であっても、図11のように、吸収体21をアプリケーター30内に収容する前に、紐22の引張り検査を行っても良い。
【0091】
===その他の実施の形態===
以上、上記実施の形態に基づき本発明に係るタンポンの製造方法及びタンポンの製造装置を説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【符号の説明】
【0092】
10 タンポン、20 タンポン本体、21 吸収体、211 吸収体材料、
212 カバー体、22 紐、30 アプリケーター、40 外筒部材(外筒)、
41 大径部、42 小径部、43 先端開口、44 切り込み、45 段部、
50 移動部材(内筒)、51 係止部、52 環状突起、
100 タンポンの製造装置、101 圧縮成型ドラム、102 保持機構、
103 加熱ドラム、104 保持機構、105 組立てユニット、
105a 第1コンベアー、105b 第2コンベアー、106 中継ローラー、
106a 回転体、106b 第1外壁、106c 第2外壁、
107 先端成型ユニット、107a 加熱用ドラム、107b 冷却用ドラム、
108 回転ドラム、109 紐検査ユニット(検査装置)、
110 紐引張りユニット、111 センサー、112 不良品排出部、
113 搬送ベルト、120 保持台、121a タンポン保持部(規制部)、
121b タンポン保持部(規制部)、122 移動エアーシリンダー、
122a 本体部、122b ピストンロッド、122c ピストンユニット、
123 紐把持機構、124 紐把持エアーシリンダー、124a ロッド部、
125 紐把持部(把持部)、125a 開孔、125b テーパー部、
126 吸引部、120a 第1保持台、120b 第2保持台、
127 ロードセル、130 先端側タンポン保持部(規制部)、
131 後端側タンポン保持部(規制部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吸収する吸収体と、
前記吸収体に取り付けられた紐と、
を有するタンポンの製造方法であって、
前記紐を前記吸収体に取り付けることと、
前記吸収体の動きを規制部によって規制することと、
前記紐を把持部によって把持することと、
前記吸収体の長手方向における、前記規制部と前記把持部との間隔を広げて、前記紐に張力を付与することと、
を有することを特徴とするタンポンの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のタンポンの製造方法であって、
前記タンポンは、前記吸収体を収容する外筒と、前記外筒内を移動して前記吸収体を前記外筒の先端から押し出す内筒と、を備えるアプリケーターを有し、
前記紐は、前記内筒の後端から露出されており、
前記規制部は、前記アプリケーターの動きを規制するとともに、前記内筒の端面を介して前記吸収体の動きを規制する、
タンポンの製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のタンポンの製造方法であって、
前記間隔を広げる前と後における前記規制部と前記把持部の前記長手方向の間隔の変化量に基づいて、前記吸収体に対する前記紐の取り付け不良を検査する、
タンポンの製造方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のタンポンの製造方法であって、
前記間隔を広げた結果、前記吸収体に対する前記紐の取り付けが不良である前記タンポンを製造工程外へ排出する不良品排出部を有し、
あるタンポンが前記不良品排出部に到達するタイミングを算出し、
前記あるタンポンの前記吸収体に対する前記紐の取り付けが不良である場合、前記不良品排出部は、算出された前記タイミングにて前記あるタンポンを製造工程外へ排出する、
タンポンの製造方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか1項に記載のタンポンの製造方法であって、
前記規制部と前記把持部のうちの一方を、位置が固定された固定部とし、
前記規制部と前記把持部のうちの他方を、前記長手方向に移動可能な移動部とし、
前記固定部から前記移動部側に所定の距離を離れた地点にセンサーが位置し、
前記間隔を広げた後の前記センサーの検出結果に基づいて、前記吸収体に対する前記紐の取り付け不良を検査する、
タンポンの製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載のタンポンの製造方法であって、
前記移動部は、前記間隔を広げる前に、前記センサーによって検出される地点に位置し、
前記紐の取り付けが不良である場合には、前記間隔を広げた後に、前記移動部は前記センサーに検出されない地点に位置する、
タンポンの製造方法。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載のタンポンの製造方法であって、
前記移動部は、前記間隔を広げる前に、前記センサーによって検出される地点に位置し、
正常に前記紐が取り付けられ、前記把持部によって前記紐が弛んで把持された場合には、前記間隔を広げた後に、前記移動部は前記センサーに検出される地点に位置する、
タンポンの製造方法。
【請求項8】
請求項1から請求項7の何れか1項に記載のタンポンの製造方法であって、
前記吸収体に対して前記紐が延出している側から吸引部により吸気しながら、前記把持部が前記紐を把持する、
タンポンの製造方法。
【請求項9】
液体を吸収する吸収体と、
前記吸収体に取り付けられた紐と、
を有するタンポンの製造装置であって、
前記紐を前記吸収体に取り付ける取付装置と、
前記吸収体の動きを規制する規制部と、
前記紐を把持する把持部と、
前記吸収体の長手方向における、前記規制部と前記把持部との間隔を広げて、前記紐に張力を付与する検査装置と、
を有することを特徴とするタンポンの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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