説明

タンポンの製造装置、及び、タンポンの製造方法

【課題】収納筒を適切に供給することである。
【解決手段】タンポン本体と収納筒40と押出部材と収納筒の長手方向一端部に複数の花弁状部分を備えたタンポンの製造装置であって、供給機構と押出部材を挿入する挿入機構とを備え、供給機構は第一搬送路220と第二搬送路230とを備え、第二搬送路は第一搬送路上を移動してきた収納筒を受け取る受け取り部231と、第一搬送路220から受け取り部に収納筒が渡される側とは反対側の端部に形成された側壁232と第二搬送路の外に出すための排出口233aとを備え、側壁は受け取り部に収納筒が無いときには、まえに受け取った収納筒を留めておき、収納筒が有るときには受け取った収納筒を排出口から第二搬送路の外に出すことを特徴とするタンポンの製造装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンポンの製造装置、及び、タンポンの製造方法に関する。特に、タンポン本体と、該タンポン本体を収納する収納筒と、該収納筒内を移動して前記タンポン本体を該収納筒の外に押し出す押出部材とを備え、前記収納筒の長手方向一端部に複数の花弁状部分を備えるタンポンの製造装置、及び、当該タンポンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タンポン本体と、該タンポン本体を収納する収納筒と、該収納筒内を移動して前記タンポン本体を該収納筒の外に押し出す押出部材とを備え、前記収納筒の長手方向一端部に複数の花弁状部分を備えるタンポンは、生理用品として広く知られている(例えば、特許文献1参照)。上記タンポンは、該タンポンを構成するタンポン本体、収納筒、及び、押出部材の各々を製造し、押出部材及びタンポン本体を収納筒に挿入することによって製造される。また、タンポンの製造装置には、製造された収納筒を供給する供給機構が設けられていることがある。また、当該供給機構には収納筒を搬送する搬送路が備えられている。この搬送路が収納筒を搬送することにより、該収納筒は所定の供給先に供給される。
【0003】
さらに、前記搬送路は、収納筒を該収納筒の長手方向に沿う第一搬送方向に搬送する第一搬送路と、該第一搬送路上を移動してきた収納筒を該第一搬送路から受け取り、該収納筒を該収納筒の長手方向と交差する第二搬送方向に搬送する第二搬送路とを備えている場合がある。かかる場合では、第二搬送路が、第一搬送路から収納筒を受け取る受け取り部を備えている。第一搬送路上を移動してきた収納筒は、前記受け取り部に受け取られた後、第二搬送路上を移動するようになる。
【特許文献1】特開平5−84263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の構成では、受け取り部に既に収納筒が有る状態で該受け取り部が更に収納筒を受け取るようになると、収納筒が適切に供給されなくなる可能性がある。具体的に説明すると、受け取り部に既に収納筒が有る状態で該受け取り部が更に収納筒を受け取ると該収納筒が第二搬送路上に収まり切れなくなる。
【0005】
具体的に説明すると、受け取り部に既に収納筒が有る状態で該受け取り部が更に収納筒を受け取ろうとすると、受け取り部の手前(すなわち、第一搬送路の終端部)において複数の収納筒が積み重なっていく。このとき、収納筒は該収納筒の長手方向に沿う方向に積み重なっていく。上記の如く積み重なった収納筒のうち、花弁状部分の各々が外側に倒れた収納筒には、他の収納筒(具体的には、他の収納筒の長手方向他端部)が嵌まり込んでしまうことがある(例えば、図17参照)。つまり、受け取り部の手前で複数の収納筒が積み重なっていくと、収納筒同士が連結してしまうことがある。そして、収納筒同士が連結した状況の下では、該収納筒を適切に供給するのが困難になってしまう。
【0006】
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、収納筒を適切に供給することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、主たる本発明は、
タンポン本体と、該タンポン本体を収納する収納筒と、該収納筒内を移動して前記タンポン本体を該収納筒の外に押し出す押出部材とを備え、前記収納筒の長手方向一端部に複数の花弁状部分を備えたタンポンの製造装置であって、
前記収納筒を供給する供給機構と、
該供給機構により供給された前記収納筒に前記タンポン本体及び前記押出部材を挿入する挿入機構とを備え、
前記供給機構は、
前記収納筒を該収納筒の長手方向に沿う第一搬送方向に搬送する第一搬送路と、
前記収納筒を該収納筒の長手方向と交差する第二搬送方向に搬送する第二搬送路とを備え、
前記第二搬送路は、
前記第一搬送路上を移動してきた前記収納筒を該第一搬送路から受け取る受け取り部と、
前記第一搬送方向において前記第一搬送路から前記受け取り部に前記収納筒が渡される側とは反対側の端部に形成された側壁と、
前記側壁に形成され、前記収納筒を前記第二搬送路の外に出すための排出口とを備え、
前記側壁は、前記受け取り部に前記収納筒が無いときに該受け取り部が受け取った前記収納筒を該受け取り部に留めておき、前記受け取り部に前記収納筒が有るときに該受け取り部が受け取った前記収納筒を前記排出口から前記第二搬送路の外に出すことを特徴とするタンポンの製造装置である。
【0008】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、収納筒を適切に供給することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本明細書及び図面により、少なくとも次の事項が開示されている。
【0011】
先ず、タンポン本体と、該タンポン本体を収納する収納筒と、該収納筒内を移動して前記タンポン本体を該収納筒の外に押し出す押出部材とを備え、前記収納筒の長手方向一端部に複数の花弁状部分を備えたタンポンの製造装置であって、
前記収納筒を供給する供給機構と、
該供給機構により供給された前記収納筒に前記タンポン本体及び前記押出部材を挿入する挿入機構とを備え、
前記供給機構は、
前記収納筒を該収納筒の長手方向に沿う第一搬送方向に搬送する第一搬送路と、
前記収納筒を該収納筒の長手方向と交差する第二搬送方向に搬送する第二搬送路とを備え、
前記第二搬送路は、
前記第一搬送路上を移動してきた前記収納筒を該第一搬送路から受け取る受け取り部と、
前記第一搬送方向において前記第一搬送路から前記受け取り部に前記収納筒が渡される側とは反対側の端部に形成された側壁と、
前記側壁に形成され、前記収納筒を前記第二搬送路の外に出すための排出口とを備え、
前記側壁は、前記受け取り部に前記収納筒が無いときに該受け取り部が受け取った前記収納筒を該受け取り部に留めておき、前記受け取り部に前記収納筒が有るときに該受け取り部が受け取った前記収納筒を前記排出口から前記第二搬送路の外に出すことを特徴とするタンポンの製造装置。
【0012】
かかるタンポンの製造装置であれば、受け取り部に収納筒が有るときに該受け取り部が受け取った収納筒を排出口から前記第二搬送路の外に出すことにより、該受け取り部の手前での収納筒の積み重なりが防止される。これにより、収納筒同士が連結してしまうのを防ぎ、該収納筒を適切に供給することが可能になる。
【0013】
また、上記のタンポンの製造装置において、
前記供給機構は、
載置台を備え、該載置台に載置された前記収納筒を前記第一搬送路に向けて移動させるパーツフィーダと、
前記排出口から前記第二搬送路の外に出された前記収納筒を前記載置台に搬送する第三搬送路を備えることとしてもよい。かかる構成のタンポンの製造装置であれば、第二搬送路の外に出された収納筒を再び第二搬送路に向けて搬送することが可能になる。
【0014】
また、上記のタンポンの製造装置において、
前記第一搬送路及び前記第三搬送路の各々は、前記収納筒が当該各々の上を滑り降りるように傾斜しており、
前記受け取り部は、前記第一搬送路及び前記第三搬送路に挟まれた窪みであり、
前記窪みは、該窪みに前記収納筒が無いときに前記第一搬送路を滑り降りてきた前記収納筒を受け取り、該窪みに前記収納筒が有るときに前記第一搬送路を滑り降りてきた前記収納筒を、該窪みに有る前記収納筒の上に重ねて受け取り、
前記側壁は、前記窪みに有る前記収納筒の上に重ねられた前記収納筒を、前記排出口から前記第二搬送路の外に出すこととしてもよい。かかる構成のタンポンの製造装置であれば、収納筒が第一搬送路上を滑り降りる際の勢いを利用して、該収納筒を第二搬送路の外に出すことが可能である。
【0015】
また、上記のタンポンの製造装置において、
前記排出口は、前記側壁に形成された切り込みであり、
前記側壁は、前記切り込みの下に、前記受け取り部に前記収納筒が無いときに該受け取り部が受け取った前記収納筒を該受け取り部に留めておく留め部を備え、
前記留め部の高さは、前記収納筒の前記長手方向一端部の外径よりも小さく、
前記側壁のうち、前記第二搬送方向において前記留め部と隣接する部分の高さは、前記収納筒の前記長手方向一端部の外径よりも大きいこととしてもよい。かかる構成のタンポンの製造装置であれば、第二搬送路上に収まり切れない収納筒を該第二搬送路の外に適切に出すとともに、該第二搬送路上を移動する収納筒が該第二搬送路から脱落するのを防止することが可能になる。
【0016】
また、上記のタンポンの製造装置において、
前記収納筒の向きを揃える揃え機構を備え、
前記第一搬送路は、前記揃え機構によって向きが揃えられた前記収納筒を前記第一搬送方向に搬送し、
前記揃え機構は、前記収納筒の前記長手方向一端部が該収納筒の長手方向他端部よりも前記第一搬送方向の上流側に位置した状態で該収納筒が前記第一搬送路上を移動するように、該収納筒の向きを揃えることとしてもよい。収納筒が第一搬送路から第二搬送路に渡される際に該収納筒が側壁に衝突する可能性がある。このとき、花弁状部分が設けられている長手方向一端部が側壁に衝突すると、該花弁状部分が内側に折れ曲がってしまう虞がある。上記の構成であれば、花弁状部分が内側に折れ曲がるのを防ぐことが可能である。
【0017】
さらに、タンポン本体と、該タンポン本体を収納する収納筒と、該収納筒内を移動して前記タンポン本体を該収納筒の外に押し出す押出部材とを備え、前記収納筒の長手方向一端部に複数の花弁状部分を備えたタンポンの製造方法であって、
供給機構により、前記収納筒を供給する工程と、
挿入機構により、前記供給機構が供給する前記収納筒に前記タンポン本体及び前記押出部材を挿入する工程とを備え、
前記供給機構は、
前記収納筒を該収納筒の長手方向に沿う第一搬送方向に搬送する第一搬送路と、
前記収納筒を該収納筒の長手方向と交差する第二搬送方向に搬送する第二搬送路とを備え、
前記第二搬送路は、
前記第一搬送路上を移動してきた前記収納筒を該第一搬送路から受け取る受け取り部と、
前記第一搬送方向において前記第一搬送路から前記受け取り部に前記収納筒が渡される側とは反対側の端部に形成された側壁と、
前記側壁に形成され、前記収納筒を前記第二搬送路の外に出すための排出口とを備え、
前記側壁は、前記受け取り部に前記収納筒が無いときに該受け取り部が受け取った前記収納筒を該受け取り部に留めておき、前記受け取り部に前記収納筒が有るときに該受け取り部が受け取った前記収納筒を前記排出口から前記第二搬送路の外に出すことを特徴とするタンポンの製造方法も実現可能である。かかるタンポンの製造方法であれば、前述したように、収納筒の長手方向一端部に他の収納筒が嵌まり込むのを抑制し、収納筒を適切に供給することが可能になる。
【0018】
===タンポンの構成について===
本発明のタンポンの製造装置及び製造方法を説明するにあたり、当該製造装置及び製造方法により製造されるタンポン10の構成について図1〜図6を参照しながら説明する。
【0019】
図1及び図2は、タンポン10の構成要素を示す断面図である。図1は、内筒50を収縮させた状態のタンポン10を、図2は、内筒50を伸張させた状態のタンポン10を、それぞれ示している。図3は、第一内筒51と第二内筒52が連結している様子を示す図であり、図2において記号Xが記された部分の拡大図である。図4A及び図4Bは、外筒40の外観図である。図4Cは、図4Aに示す外筒40を先端側から見た図である。図5は、第一内筒51の外観図である。図6は、第二内筒52の外観図である。なお、以降の説明において、タンポン10の長手方向において、膣腔内に挿入される側を先端側と呼び、反対側を後端側と呼ぶ。
【0020】
本実施形態のタンポン10は、図1に示すように、タンポン本体20とアプリケータ30を有する生理用品である。タンポン本体20は、同図に示すように、綿体21と該綿体21に縫い付けられたコード22を有する。綿体21は、膣腔を閉塞して経血等を吸収する吸収体であり、不織布により両面を覆われた綿帯を裁断し、略弾丸状に加熱成形することにより形成される。コード22は、綿体21の後端側から伸びており、膣腔内にある綿体21を膣腔外に引き出す際に使用者によって持たれる。また、コード22は、図1に示すように、アプリケータ30内を通り該アプリケータ30の後端から幾分引き出されている。
【0021】
アプリケータ30は、タンポン本体20(具体的には、綿体21)を膣腔内に導き入れ易くするための補助具である。アプリケータ30は、図1に示すように、タンポン本体20を収納する収納筒の一例としての外筒40と、該外筒40に収容されたタンポン本体20を押し出す押出部材の一例としての内筒50と、を備えている。
【0022】
外筒40は、熱可塑性樹脂を用いて射出成形された円筒体であり、適宜な可撓性を有する。また、外筒40は、先端部(長手方向一端部に相当する部分)に設けられた大径部41と、後端部(長手方向他端部に相当する部分)に設けられ大径部41よりも外径が小さい小径部42とを備えている。つまり、外筒40の先端部の内径は後端部の外径よりも大きいことになる。なお、本実施形態に係る外筒40の各部の寸法については、図4Bに示す通りである。
【0023】
大径部41は、タンポン本体20の径より僅かに長い内径を有し、その内部に該タンポン本体20を収納する部分である。そして、大径部41は、タンポン10の使用時にタンポン本体20を収納した状態で膣腔内に挿入される。なお、タンポン本体20は、その外周面が大径部41の内周面と接するように該大径部41に収納される。小径部42は、タンポン10の使用時に使用者によって持たれる部分である。
【0024】
また、外筒40は、図4A及び図4Bに示すように、該外筒40の先端に形成された開口(以下、先端開口43)を有し、更に、該外筒40の先端部に前記先端開口43を囲んだ複数(本実施形態では、6つ)の花弁状部分44を有している。複数の花弁状部分44の各々は、タンポン10を出荷する時点では、図4Aに示すように外筒40の径方向において内側に弧状に屈曲している。このため、外筒40を膣腔内に挿入する時点では、該外筒40の先端部が図1や図2に示すように略半球状をなしており、先端開口43が図4Cに示すように略閉じた状態にある。一方、射出成形された直後の外筒40については、図4Bに示すように前記複数の花弁状部分44の各々が開いており(つまり、外筒40の中心軸方向に沿っており)、前記先端開口43が開いた状態にある。
【0025】
また、外筒40は、図4Aに示すように、該外筒40の後端に形成された開口(以下、後端開口45)と、該後端開口45よりもやや先端側に形成された環状リブ46を備えている。さらに、大径部41及び小径部42との間には環状の段差47が形成されている。
【0026】
内筒50は、外筒40の小径部42に挿入された円筒体である。内筒50は、外筒40内においてタンポン本体20よりも後端側に位置しており、外筒40の中心軸方向に沿って移動して該タンポン本体20を先端開口43に向けて後方から押し進める。これにより、タンポン本体20が複数の花弁状部分44の各々を外筒40の径方向において外側に押し退けながら(換言すると、前記先端開口43を開きながら)外筒40の外に押し出される。つまり、内筒50は、外筒40内を移動してタンポン本体20を外筒40の外に押し出す機能を備えている。
【0027】
なお、本実施形態の内筒50は、タンポン10の全長をよりコンパクトにするために伸縮可能な構造になっている。具体的に説明すると、図1に示すように内筒50が収縮したとき、該内筒50の長さは外筒40の長さよりも短くなりタンポン10を携帯するのに適した長さとなる。一方、図2に示すように内筒50が伸張すると、該内筒50の長さはタンポン本体20を外筒40の外に押し出すのに十分な長さとなる。以上のように内筒50を伸縮可能とするために、本実施形態では、内筒50が二段構造になっている。具体的に説明すると、本実施形態の内筒50は、図1に示すように、第一内筒51と、該第一内筒51に摺動可能に挿入された第二内筒52とを有する。
【0028】
第一内筒51は、プラスチックにより射出成形された円筒体である。この第一内筒51は、外筒40の小径部42の内径よりも僅かに小さい外径を有する。また、第一内筒51は、図1に示すように前記小径部42に摺動自在に挿入されている。第一内筒51の先端部の外周面上には、図5に示すように、環状の鍔部51aが形成されている。この鍔部51aは、外筒40の大径部41よりも僅かに小さい外径を有し、前記段差47の内壁面に係止されることにより内筒50が外筒40の後端開口45から抜け落ちるのを阻止している。そして、内筒50がタンポン本体20を外筒40の外に押し出す際、該内筒50は、前記鍔部51aの外周面が大径部41の内周面と接するように移動する。さらに、第一内筒51の内周面の後端部には、図1や図2に示すように、該第一内筒51の径方向において内側に突出した環状突起51bが形成されている。
【0029】
第二内筒52は、熱可塑性樹脂により射出成形された円筒体である。この第二内筒52は、第一内筒51の内径よりもやや小さい外径を有する。また、第二内筒52は、内筒50が収縮した状態では図1に示すように第一内筒51内に挿入されており、内筒50が伸張した状態では図2に示すように該第二内筒52の先端部にて第一内筒51の後端部と連結している。第二内筒52の先端部の外周面上には、図6に示すように、円弧状の鍔部52aと、該鍔部52aよりも後端側に位置する凸部52bが形成されている。この凸部52bの高さは、図3に示すように、後端に向かうにつれて低くなっている。なお、第二内筒52の鍔部52aと凸部52bとの間隔は、第一内筒51の環状突起51bの厚みよりもやや長くなっている。
【0030】
そして、第二内筒52が後端側に引っ張られると、第一内筒51の環状突起51bが第二内筒52の鍔部52aと凸部52bとの間に位置するようになる。かかる状態になると、図3に示すように、前記環状突起51bが前記鍔部52a及び凸部52bに係止され、第一内筒51と第二内筒52が連結する。
【0031】
さらに、図1や図2に示すように、第二内筒52の後端部にはフレア状部分52cが形成されている。当該フレア状部分52cの外径は、少なくとも第一内筒51の内径よりも大きく、外筒40の小径部42の内径以上であることが望ましい。
【0032】
===タンポン10の製造方法の概要===
本実施形態のタンポン10の製造方法について、図7A〜図8Dを参照しながら概説する。図7A及び図7Bは、タンポン10の製造フローを示す図である。図8A〜図8Dは、タンポン10を製造する様子を示す変遷図である。
【0033】
タンポン10の製造方法は、図7Aに示すように、タンポン10を構成する各物品を製造するステップ(S001)と、製造された各物品を後述する組立装置100に供給し、タンポン10を組み立ててタンポン10を製造するステップ(以下、メイン製造ステップS002)と、製造されたタンポン10を検品するステップ(S003)と、タンポン10を包装するステップ(S004)とを有している。
【0034】
メイン製造ステップS002は、図7Bに示すように、射出成形された外筒40を供給する工程(S011)から始まる。この工程は、後述の供給機構120によって実施される。なお、供給機構120により供給される段階の外筒40は、複数の花弁状部分44の各々が開いた状態(換言すると、先端開口43が開いた状態)にある。その後、供給機構120が供給する外筒40にタンポン本体20及び内筒50を挿入する工程が実施される(S012)。この工程は、後述の挿入機構130によって実施される。そして、当該工程の進行に伴ってタンポン10が徐々に組み立てられていく。
【0035】
外筒40にタンポン本体20及び内筒50を挿入する手順について詳しく説明すると、先ず、図8Aに示すように、第一内筒51を外筒40の先端開口43から該外筒40に挿入する。外筒40に挿入された第一内筒51は、その後端部が外筒40の後端開口45から突出し、鍔部51aが外筒40の段差47の内壁面に係止された状態となる(図8B参照)。
【0036】
次に、図8Bに示すように、第二内筒52を先端開口43から外筒40に挿入する。外筒40に挿入された第二内筒52は、その後端部が第一内筒51の後端側の開口から突出し鍔部52aが第一内筒51の内周面に係止された状態となる(図8C参照)。なお、図8Bに示すように、組立装置100に供給された時点の第二内筒52にはフレア状部分52cが未だ形成されていない。第二内筒52が外筒40に挿入された後に、第二内筒52の後端部を加熱成形することにより該フレア状部分52cが形成される。以上の工程が終了した時点でアプリケータ30の組み立てが完了する。
【0037】
その後、図8Cに示すように、タンポン本体20を先端開口43から外筒40に挿入する。この際、図8Cに示すように、タンポン本体20はコード22側から挿入される。タンポン本体20が外筒40に挿入されると、綿体21が該外筒40の大径部41に収納され、コード22がアプリケータ30の後端(具体的には、第二内筒52の後端側の開口)から引き出されるようになる。タンポン本体20の挿入が完了した時点でタンポン10の組み立てが完了する。
【0038】
以上のようにしてタンポン10を組み立てた後、図8Dに示すように、複数の花弁状部分44の各々を外筒40の径方向において内側に倒れるように湾曲させて該外筒40の先端部を略半球状に加熱成形する処理(以下、先端加工処理とも言う)を行う(S013)。先端加工処理が終了した時点で、メイン製造ステップS002が完了する。
【0039】
なお、後述するように、組立装置100は組立コンベア110(図9参照)を有している。この組立コンベア110は、組立品を運搬方向に運搬する動作(運搬動作)を間欠的に行う。そして、当該運搬動作間(すなわち、組立品が静止している間)に組立コンベア110上において上記の各工程が順次実行される。
【0040】
===タンポン10の組立装置100について===
上述したメイン製造ステップS002のうち、タンポン10を組み立てる一連の工程は、図9に図示された組立装置100によって実行される。図9は、組立装置100を模式的に示す図である。この組立装置100は、タンポン10の製造装置の一例であり、図9に示すように、組立コンベア110、供給機構120、及び、挿入機構130を備えている。
【0041】
組立コンベア110は、運搬方向(図9中、矢印にて示す方向)に外筒40及び該外筒40に挿入された物品(第一内筒51、第二内筒52、及び、タンポン本体20)を運搬する装置である。組立コンベア110上には外筒40が搭載される搭載台160が載置されており、当該搭載台160は組立コンベア110により運搬される。これに伴い、搭載台160に搭載された外筒40、及び、該外筒40に挿入された物品は搭載台160とともに運搬される。なお、搭載台160には上下方向に沿って形成された円孔161(例えば、図11参照)が形成されており、外筒40は、後端側から前記円孔161に嵌り込むことにより搭載台160に搭載される。そして、搭載台160に搭載された外筒40は、図9に示すように、該外筒40の中心軸方向が上下方向に沿い先端開口43が略真上を向いた状態となる。
【0042】
供給機構120は、射出成形された外筒40を個別に供給する機構である。当該供給機構120により供給される外筒40の一部は、図9に示すように、搭載台160に搭載され、該搭載台160とともに組立コンベア110により運搬される。なお、本実施形態の供給機構170には、外筒40の向きを揃える揃え機構170が組み込まれている(換言すると、本実施形態の組立装置100は揃え機構170を備えている)。この揃え機構170は、供給機構120により供給される外筒40の向きが所定の向きとなるように、該外筒40の向きを揃える。そして、外筒40は、揃え機構170によって向きを揃えられることにより、図9に示した状態(すなわち、外筒40の中心軸方向が上下方向に沿い先端開口43が略真上を向いた状態)で搭載台160に搭載される。なお、供給機構120及び揃え機構170の各々の詳細については後述する。
【0043】
挿入機構130は、供給機構120により供給される外筒40のうち、搭載台160に搭載された外筒40に内筒50及びタンポン本体20を挿入する機構である。この挿入機構130は、図9に示すように、外筒40に内筒50を挿入する内筒挿入機構140と、該外筒40にタンポン本体20を挿入するタンポン本体挿入機構150とを有する。
【0044】
内筒挿入機構140は、搭載台160に搭載された外筒40に該外筒40の先端開口43から内筒50を挿入する。なお、本実施形態の内筒挿入機構140は、内筒50を構成する第一内筒51を外筒40に挿入する機構(以下、第一内筒挿入機構141)、同じく内筒50を構成する第二内筒52を外筒40に挿入する機構(以下、第二内筒挿入機構142)を、それぞれ個別に備えている。
【0045】
第一内筒挿入機構141は、図9に示すように、内筒フィーダ143と、第一内筒51を押圧して外筒40に挿入する内筒押圧装置145と、前記内筒フィーダ143及び前記内筒押圧装置145の間に設けられたチューブ144とを有する。
【0046】
内筒フィーダ143は、ボウル状の振動台143aを備えるパーツフィーダである。内筒フィーダ143は、振動台143aを振動させることにより、該振動台143aの底部に集積された第一内筒51を順次、該底部から螺旋状に移動させる。
【0047】
また、図9に示すように、前記振動台143aの終端部には一対のレール143bが接続されている。一対のレール143bの間には、第一内筒51の外径よりも僅かに長い隙間が形成されている。振動台143a上を移動してきた第一内筒51は、一対のレール143bの間に挟まれながら該レール143bに沿って移動する。このとき、第一内筒51の鍔部51aがレール143bの上部に引っ掛かり、該第一内筒51がレール143bから吊り下がった状態になる。そして、第一内筒51は、レール143bの終端を通過すると、その先端が後端よりも上方に位置した姿勢を維持したまま落下し、チューブ144内を通って内筒押圧装置145に送り込まれる。
【0048】
内筒押圧装置145は、チューブ144内を落下してきた第一内筒51を受け取る。そして、内筒押圧装置145は、組立コンベア110により外筒40が内筒押圧装置145の下方位置まで運搬された際に、受け取った第一内筒51を押圧冶具145aにより下方に押圧する。これにより、第一内筒51が外筒40の先端開口43から該外筒40に挿入されるようになる。
【0049】
第二内筒挿入機構142は、第一内筒挿入機構141と略同様の構成であるため、説明を省略する。なお、第二内筒挿入機構142は、図9に示すように、組立コンベア110の運搬方向において第一内筒挿入機構141よりも下流側に配置されている。故に、第二内筒挿入機構142は、第一内筒51が挿入された外筒40に第二内筒52を挿入する。
【0050】
タンポン本体挿入機構150は、タンポン本体20を外筒40の先端開口43から該外筒40に挿入する。このタンポン本体挿入機構150は、組立コンベア110の運搬方向において内筒挿入機構140よりも下流側に配置されている。故に、タンポン本体挿入機構150は、第一内筒51及び第二内筒52が挿入された外筒40(換言すると、組立てられたアプリケータ30)にタンポン本体20を挿入する。タンポン本体挿入機構150は、図9に示すように、ガイドチューブ151、吸引装置152、及び、タンポン本体押圧装置153を有している。
【0051】
ガイドチューブ151は、タンポン本体20が外筒40に挿入される際に該タンポン本体20をガイドする筒体である。ガイドチューブ151は、該ガイドチューブ151内にタンポン本体20を保持した状態で、図9に示すように搭載台160に搭載された外筒40と連結する。具体的に説明すると、組立コンベア110により外筒40がガイドチューブ151の下方位置まで運搬された際に、ガイドチューブ151が下降する。これにより、ガイドチューブ151の下端部に外筒40の先端部が嵌まり込むようになる。なお、タンポン本体20は、コード22が綿体21よりも下側に位置して垂れ下がるように、ガイドチューブ151内に保持される。
【0052】
タンポン本体押圧装置153は、ガイドチューブ151が外筒40と連結した状態で該ガイドチューブ151内に保持されたタンポン本体20を下方に押圧する。これにより、タンポン本体20は、ガイドチューブ151内を移動し、該ガイドチューブ151に連結された外筒40にコード22が備えられている側から挿入されるようになる。
【0053】
吸引装置152は、タンポン本体押圧装置153がタンポン本体20を押圧する間に外筒40の後端側(具体的には、外筒40に挿入された第二内筒52の後端側の開口)から吸気を行う。この吸引装置152の吸気により、タンポン本体20が外筒40に挿入される際、前記コード22が略真下に引っ張られるようになる。この結果、コード22がスムーズに外筒40の先端開口43を通過するようになる。なお、タンポン本体20が外筒40内に収納された時点で、コード22は、該外筒40に挿入された第二内筒52の後端側の開口(換言すると、組み立てられたアプリケータ30の後端)から幾分引き出された状態となる。
【0054】
===供給機構120及び揃え機構170の構成について===
<<供給機構120の構成について>>
上述の供給機構120の構成について、図10及び図11を参照しながら説明する。図10は、図9に図示された供給機構120を拡大して示した図である。図11は、供給機構120を上方から見た平面図である。
【0055】
供給機構120は、前述したように、射出成形された外筒40を個別に供給するものである。すなわち、供給機構120により供給される外筒40は、組立コンベア110上に一定間隔毎にセットされる(具体的には、組立コンベア110に載置された搭載台160に搭載される)。また、供給機構120は、図10に示すように、外筒フィーダ121、搬送路122、及び、外筒セット部123を有する。以下、供給機構120の各構成要素について説明する。
【0056】
<外筒フィーダ121>
外筒フィーダ121は、ボウル状の振動台121aを有するパーツフィーダであり、該振動台121aを振動させることにより、該振動台121aに載置された外筒40を移動させる装置である。ここで、振動台121aは載置台の一例である。そして、射出成形された外筒40は、振動台121aの底部に一旦集積されてから、図11に示すように該底部から螺旋状に移動する。なお、外筒40は、移動方向(図11中、破線矢印にて示す方向)が該外筒40の長手方向に沿うように振動台121a上を移動する。そして、外筒フィーダ121は、振動台121a上で複数の外筒40が前記移動方向に沿って整列するように、当該複数の外筒40を移動させる。
【0057】
<搬送路122>
搬送路122は、振動台121a上を移動してきた外筒40を該振動台121aから受け取り、該外筒40を搬送するためのものである。この搬送路122は、図10に示すように、上方から順に、案内路200と、落下シュート210と、第一搬送路220と、第二搬送路230と、第三搬送路240とを有する。
【0058】
案内路200は、搬送路200のうち、外筒フィーダ121から外筒40を受け取り、該外筒40を落下シュート210まで案内する部分である。案内路200は、搬送路122の上流側端部に形成され、搬送路122の中で最も上方に位置している。案内路200の始端部は振動台121aに直結されており、該案内路200の終端部は落下シュート210の開口211まで伸びている。振動台121a上を移動してきた外筒40は、案内路200に渡された後に該案内路200に案内されながら落下シュート210に向けて移動する。なお、案内部200の始端部は振動台121aに直結されているため、該振動台121aの振動が案内部200に伝達される。このため、振動台121aから伝達された振動によって案内部200が振動することにより、外筒40が該案内部200上を移動することになる。
【0059】
また、図10及び図11に示すように、外筒40が振動台121aから案内路200に渡される際に、該外筒40の向きが転換される。具体的に説明すると、外筒40の長手方向に沿って振動台121a上を移動してきた外筒40の向きが、案内路200上では該外筒40の長手方向と交差する方向に移動するように転換される。このように外筒40の向きを転換する目的は、外筒40の長手方向を前記落下シューター210の開口211の長手方向に沿わせた状態で該外筒40を落下シューター210に投入するためである。前記向きが上記の如く転換された外筒40は、前記向きを維持しながら該案内路200上を移動する。一方、前記向きが適切に転換されなかった外筒40は、弾かれて振動台121aの底部に戻される。
【0060】
また、案内路200上を移動してきた外筒40は、落下シューター210に1個ずつ投入される外筒40が1個ずつ投入される。ここで、単位時間あたりに外筒フィーダ121から案内路200に渡される外筒40の数は、単位時間あたりに案内路200から落下シューター210へ投入される外筒40の数よりも多い。このため、案内路200上では、図10や図11に示すように、外筒40が横並びの状態(具体的には、外筒40の長手方向と交差する方向に整列した状態)で一時的に集積されるようになる。
【0061】
落下シューター210は、搬送路122のうち、案内路200上を移動してきた外筒40を略真下に落下させる部分である。落下シューター210の開口211は、略矩形状であり、案内路200の終端部と隣接している。案内路200上に集積された外筒40のうち、該案内路200の最も終端に位置する外筒40は、前記開口211から落下シューター210に投入されて落下する。なお、外筒40は、前述したように、該外筒40の長手方向が前記開口40の長手方向に沿った状態で落下シューター210に投入される。
【0062】
さらに、落下シューター210の開口211には揃え機構170が配置されている。そして、外筒40は、前記開口211から落下シューター210に投入される際に、前記揃え機構170により向きが揃えられる。具体的に説明すると、外筒40の向きは、該外筒40の後端部が先端部より先に落下するように揃えられる。その後、外筒40は、上記の向きを維持しながら落下シューター210の下端部まで落下する。
【0063】
第一搬送路220は、落下シューター210の下端部に接続され、該落下シューター210を落下した外筒40を搬送する部分である。外筒フィーダ121から送られてきた外筒40は、案内路200及び落下シューター210を経由した後、第一搬送路220に到達し該第一搬送路220により搬送される。換言すると、外筒フィーダ121は、該外筒フィーダ121が備える振動台121aに載置された外筒40を第一搬送路220に向けて移動させることになる。
【0064】
また、第一搬送路220は、外筒40を該外筒の長手方向に沿う第一搬送方向(図10及び図11中、記号C1にて示す方向)に搬送する。また、第一搬送路220は、外筒40が該第一搬送路220上を滑り降りるように傾斜している。さらに、第一搬送路220は、揃え機構170よりも下流側に位置するため、該揃え機構170により向きが揃えられた外筒40を搬送することになる。揃え機構170は、前述したように、落下シューター210において外筒40の後端部が先端部より先に落下するように、該外筒40の向きを揃える。したがって、外筒40は、第一搬送方向において該外筒40の先端部が後端部よりも上流側に位置した状態で、第一搬送路220上を移動することになる。
【0065】
第二搬送路230は、第一搬送路220の終端部に接続され、該第一搬送路220上を移動してきた外筒40を、該第一搬送路220から受け取って搬送する部分である。この第二搬送路230は、第一搬送路220と同様、外筒40が該第二搬送路230上を滑り降りるように傾斜している。そして、第二搬送路230は組立コンベア110に向かって伸びている。したがって、外筒40は、第二搬送路230上を滑り降りることにより組立コンベア110に向かうようになる。第二搬送路230上を滑り降りてきた外筒40は、後述の外筒セット部123に受け渡され、該外筒セット部123により組立コンベア110上にセットされる。
【0066】
また、第二搬送路230は、図10及び図11に示すように、第一搬送路220と交差するように(具体的には、直交するように)形成されている。したがって、第二搬送路230が外筒40を搬送する第二搬送方向(図11中、記号C2にて示す方向)は、第一搬送方向と交差する(直交する)。換言すると、第二搬送路230は、第一搬送路220から受け取った外筒40を、該外筒40の長手方向と交差する(直交する)第二搬送方向に搬送する。
【0067】
以下、第二搬送路230が外筒40を搬送する方向(第二搬送方向)を、第一搬送路220が該外筒40を搬送する方向(第一搬送方向)と交差させる(直交させる)目的について説明する。
【0068】
図10及び図11に示すように、第二搬送路230上に外筒40が集積することがある。これは、単位時間あたりに第一搬送路220から第二搬送路230に渡される外筒40の数が、単位時間あたりに第二搬送路230から外筒セット部123に渡される外筒40の数よりも多いためである。ここで、仮に、第二搬送路230が外筒40を該外筒40の長手方向に沿う方向に搬送する場合を想定すると、外筒40は、上記の理由により、第二搬送路230上で該外筒40の長手方向に沿う方向に集積することになる(すなわち、縦並びの状態で集積する)。また、外筒40は、揃え機構170により、第一搬送方向において該外筒40の先端部が後端部よりも上流側に位置した状態で第一搬送路220上を移動するように、向きを揃えられる。この結果、第二搬送路230上で外筒40が縦並びの状態で集積すると、該第二搬送路230上で外筒40同士が連結してしまう。
【0069】
より詳しく説明すると、第二搬送路230上において集積した外筒40のうち、互いに隣り合う2つの外筒40に着目すると、より下流側の外筒40の先端開口43に、より上流側の外筒40の後端部が嵌まり込んでしまう(所謂噛み込み現象)。この噛み込み現象は、より下流側の外筒40に備えられた複数の花弁状部分44が外側に倒れて先端開口43が広がり、当該先端開口43により上流側の外筒40の後端部が嵌まり込み易くなる結果として生じる。
【0070】
これに対して、本実施形態では、第二搬送路230上に外筒40が横並びの状態で集積される。したがって、第二搬送路230上において上記噛み込み現象が発生することがなく、第二搬送路230上で外筒40を適切に集積しておくことが可能になる。なお、図10及び図11に示すように、第二搬送路230上に集積された外筒40は、外筒40間で向きが揃っている。これは、外筒40が、揃え機構170により向きが揃えられた状態で第一搬送路220上を移動し、当該向きが揃えられたまま第二搬送路230に渡されるためである。
【0071】
また、第二搬送路230の始端部(すなわち、第二搬送方向における第二搬送路230の上流側端部)は、段差を介して第一搬送路220の終端部に接続されており、該第一搬送路220の終端部よりも低い位置に位置している(例えば、図14参照)。したがって、第一搬送路220上を滑り降りてきた外筒40は、前記第一搬送路220の終端に到達した後に落下して前記搬送路230の始端部に受け取られる。換言すると、第二搬送路230の始端部は、第一搬送路220上を移動してきた(滑り降りてきた)外筒40を該第一搬送路220から受け取る受け取り部231を備えている。なお、本実施形態の受け取り部231は、後述するように、第一搬送路220から受け取った外筒40を1個のみ保持することが可能である。
【0072】
さらに、第二搬送路230は、第二搬送方向と交差する方向(すなわち、第一搬送方向)の両端部に側壁232、233を有する。各側壁232、233は第二搬送路230の上流側端から下流側端に亘っており略垂直に立っている。第二搬送路230上の外筒40は当該側壁232、233の間に収まった状態で該第二搬送路230上を移動する。なお、側壁232、233の間隔は、花弁状部分44が開いた状態にあるときの外筒40の先端から後端までの長さ(具体的には約66mm)よりも幾分長くなっており、本実施形態では約80mmである(図14参照)。
【0073】
また、側壁232、233のうち、第一搬送方向において第一搬送路220から受け取り部231に外筒40が渡される側の端部(以下、一端部)に形成された側壁232には、図10に示すように、第一搬送路220上を移動してきた外筒40を受け取り部231内に導き入れるための導入口232aが形成されている。
【0074】

一方、前記受け取り部231に外筒40が渡される側とは反対側の端部(以下、他端部)に形成された側壁233には、外筒40を第二搬送路230の外に出すための排出口233aが形成されている。この排出口233aからは、受け取り部231に外筒40が有るときに該受け取り部231が受け取った外筒40(つまり、既に外筒40を保持した状態にある受け取り部231が新たに受け取った外筒40)が排出される。なお、導入口232a及び排出口233aは、いずれも第二搬送路230の始端部に設けられ、第二搬送方向において略同じ位置に位置している。
【0075】
第三搬送路240は、第二搬送路230の始端部に接続され、前記排出口233aから第二搬送路230の外に出された外筒40を受け取って搬送する部分である。この第三搬送路240は、第一搬送路220及び第二搬送路230と同様、外筒40が該第三搬送路240上を滑り降りるように傾斜している。また、第三搬送路240は、前記排出口233aから外筒フィーダ121の振動台121aの底部まで伸びている。したがって、前記排出口233aから第二搬送路230の外に出された外筒40は、第三搬送路240上を滑り降りることにより外筒フィーダ121に返送され、再び搬送路122の上流側から該搬送路122上を移動することになる。
【0076】
<外筒セット部123>
外筒セット部123は、第二搬送路230上を滑り降りてきた外筒40を該第二搬送路230から受け取り、前記外筒40を組立コンベア110上にセットするものである。より詳しく説明すると、外筒セット部40は、第二搬送路230から受け取った外筒40を、組立コンベア110上に載置された搭載台160に搭載させる。
【0077】
外筒セット部123は、図12A及び図12Bに示すように、外筒受け取り台123aと該外筒受け取り台123aを回動させる回動機構(不図示)を有している。図12A及び図12Bは、外筒セット部123を示す図である。外筒受け取り台123aは、第二搬送方向において第二搬送路230の終端部と隣り合う位置に配置されている。また、外筒受け取り台123aは、第二搬送路230の終端よりも下側に位置している。そして、外筒受け取り台123aは、第二搬送路230の終端部から落下した外筒40を受け取る。なお、外筒受け取り台123aが受け取ることが可能な外筒の数は1個である。
【0078】
また、外筒受け取り台123aは、図12Aに示すように、その長手方向が水平方向に沿った状態で外筒40を受け取る。外筒受け取り台123aは、外筒40を受け取った後に、図12Bに示すように、該外筒受け取り台123aの長手方向が水平方向に対して傾くように回動する。これにより、外筒受け取り台123a上の外筒40は、該外筒受け取り台123a上を滑り降りるようになる。このとき、外筒40は後端側から先に降りるようになる(すなわち、外筒受け取り台123aは、外筒40が後端から先に降りるように回動する)。また、傾いた状態にある外筒受け取り台123aの下端部の前方には、搭載台160が待機している。外筒受け取り台123a上を滑り降りた外筒40は、搭載台160の円孔161に後端側から嵌まり込み、該搭載台160に搭載されるようになる。
【0079】
<<揃え機構170の構成について>>
次に、揃え機構170の構成について図13A〜図13Cを参照しながら説明する。図13Aは、揃え機構170の配置位置を示す図である。図13Bは、揃え機構170の平面図である。図13Cは、外筒40が揃え機構170の穴171を通過する様子を示す図である。
【0080】
本実施形態の揃え機構170は、図13Aに示すように、落下シューター210の開口211に設けられた平板であり、該開口211と略同じ大きさを有している。揃え機構170は、図13Bに示すように、外筒40を通過させるために形成された穴171と、該穴171の内側に向かって突出した一対の第一突出部172及び一対の第二突出部173とを備えている。
【0081】
穴171は、略矩形状の穴171であり、外筒40の外形よりも僅かに大きく形成されている。案内路200上を移動してきた外筒40は、この穴171を通過することにより落下シューター210に投入される。なお、外筒40は、図13Bに示すように、該外筒40の長手方向が穴171の長手方向に沿うように該穴171を通過する。
【0082】
一対の第一突出部172は、穴171の長手方向一端側に位置し、各々の第一突出部172が互いに対向するように形成されている。一対の第二突出部173は、穴171の長手方向他端側に位置し、各々の第二突出部173が互いに対向するように形成されている。一対の第一突出部172の間隔、及び、一対の第二突出部173の間隔は、図13Cに示すように、外筒40の小径部42の外径よりも大きく、大径部41の外径よりも小さい。また、外筒40の環状リブ46の外径は、一対の第一突出部172の間隔、及び、一対の第二突出部173の間隔よりも大きい。このため、外筒40のうちの大径部41及び環状リブ46が形成された部分は、一対の第一突出部173の間、及び、一対の第二突出部173の間を通過することができない。これに対して、小径部42は、一対の第一突出部172の間、及び一対の第二突出部173の間を通過することが可能である。
【0083】
ここで、穴171を通過する外筒40と第一突出部172及び第二突出部173との位置関係について説明する。外筒40が図13Cに示す状態で穴171を通過する場合、第一突出部172及び第二突出部173は、穴171の長手方向において環状リブ46と当接しない位置に位置する。また、第一突出部172は、大径部41(より具体的には、花弁状部分44よりも後端側の部分)と当接する位置に位置する。したがって、第一突出部172は、対をなす第一突出部172との間を大径部41が通過できない位置に位置することとなる。他方、第二突出部173は、対をなす第二突出部173との間を小径部42が通過する位置に位置することとなる。
【0084】
以上のような位置関係の下で外筒40が穴171を通過するとき、大径部41が一対の第一突出部172の間を通過できないのに対し、小径部42が一対の第二突出部173の間を通過する。これにより、先ず外筒40の後端部が落下するようになる。その後、外筒40は後端が先端よりも下方に位置するように傾く。これにより、外筒40の先端部が穴171の長手方向中央部(一対の第一突出部172と一対の第二突出部173との間)を通過するようになる。この結果、外筒40の後端部が先端部よりも先に落下シューター210を落下する。したがって、外筒40は、落下シューター210に接続された第一搬送路220に後端側から進入し、第一搬送方向において該外筒40の先端部が後端部よりも上流側に位置した状態で前記第一搬送路220上を移動することになる。
【0085】
一方、外筒11が図13Cに示す向きとは反対の向きの状態(図13Cに示す外筒40を反転させた状態)で穴171を通過する場合、小径部41が一対の第一突出部172の間を通過するのに対し、大径部42は一対の第二突出部173の間を通過することができない。したがって、上記の場合においても、外筒40の後端部が先端部よりも先に落下シューター210を落下する。そして、外筒40は、第一搬送方向において該外筒40の先端部が後端部よりも上流側に位置した状態で前記第一搬送路220上を移動することになる。
【0086】
===外筒40を第二搬送路220の外に出す構成について==
本実施形態では、前述したように、第二搬送路230上では外筒40が集積することがある。つまり、第二搬送路230の始端から終端に亘って外筒40が収められる結果、該第二搬送路230に外筒40が収め切れなくなる場合(つまり、第二搬送路230上に外筒40が詰まる場合)がある。そこで、外筒40が第二搬送路230の始端から終端に亘って集積しているときに受け取り部231が新たに受け取った外筒40については、第二搬送路230の外に出す(逃がす)こととしている。
【0087】
外筒40を第二搬送路220の外に出す構成を説明するにあたり、先ず、該第二搬送路230について図14〜図16Bを参照しながら改めて説明する。
【0088】
図14は、図10において記号Yが付された部分の拡大図である。図15は、第一搬送路220、第二搬送路230、及び、第三搬送路240の上下方向における位置関係を模式的に示す図であり、当該位置関係を図14に図示された矢視方向Aから見た図である。図16A及び図16Bは、受け取り部231が外筒40を受け取るときの様子を示す図であり、当該様子を図14に示された矢視方向Bから見た図である。
【0089】
第二搬送路230は、その始端部に前述の受け取り部231を備えている。また、第二搬送路230は、図14に示すように、第二搬送方向において受け取り部231の下流側に設けられた抑え板234を備えている。この抑え板234は、第二搬送路230上に集積した外筒40の各々が他の外筒40の上に積み重ならないように規制するものである。具体的に説明すると、抑え板234の下面と第二搬送路230の底面との間隔は、外筒40の先端部の外径よりも若干長くなっている(具体的には約15mmとなっている)。受け取り部231に受け取られた外筒40は、第二搬送路230上を移動する際に、抑え板234の下面と第二搬送路230の底面との間を通過する。この結果、第二搬送路230上に外筒40が集積する場合、各外筒40は他の外筒40の上に積み重なることなく集積することになる。
【0090】
抑え板234のうち、第二搬送方向において最も上流側に位置した部分は、第二搬送路230の始端(第二搬送方向における上流側端)から、外筒40の大径部41の外径よりも若干長い距離だけ離れている。一方、受け取り部231は、第二搬送方向において第二搬送路230の始端と抑え板234との間に位置している。つまり、本実施形態の受け取り部231は、第二搬送方向において第二搬送路230の始端と抑え板234との間に形成された空間である。そして、受け取り部231は、第二搬送方向において、外筒40を1個収めるだけの幅を有している(図14参照)。なお、抑え板234は備えられていなくてもよい。
【0091】
また、本実施形態の受け取り部231は、図15に示すように、第一搬送路220の終端部及び第三搬送路240の始端部に挟まれた窪みである。つまり、第二搬送路230の始端部の底面は、第一搬送路220の終端部及び第三搬送路240の始端部の各々の底面よりも低い位置に位置している。
【0092】
また、第二搬送路230の一端部(第一搬送方向において第一搬送路220から受け取り部231に外筒40が渡される側の端部)にある側壁232には、前述したように、導入口232aが形成されている。導入口232aは、図14に示すように、第二搬送方向における前記側壁232の上流側端部に形成された略矩形状の切り込み(以下、一端側の切り込みとも言う)である。第一搬送路220は当該一端側の切り込みまで伸びている。なお、一端側の切り込みの横幅は、第一搬送路220の終端部の横幅と等しく、具体的には約33mmとなっている。
【0093】
そして、第一搬送路220上を一端側の切り込みまで滑り降りてきた外筒40は、当該一端側の切り込みの下に形成された段差を落下するようになる。ここで、切り込みの下に形成された段差の高さとは、第二搬送路230の一端部の側壁232のうち、一端側の切り込み(すなわち、導入口232a)の下に位置する部分の高さである。本実施形態では、当該高さが外筒40の先端部の外径(つまり、大径部41の外径)よりも長く該外径の2倍よりも短くなっている(具体的には約20mmとなっている)。
【0094】
第二搬送路230の他端部(第一搬送方向において第一搬送路220から受け取り部231に外筒40が渡される側とは反対側の端部)に備えられた側壁233には、前述したように、排出口233aが形成されている。排出口233aも、図14に示すように、第二搬送方向における前記側壁233の上流側端部に形成された略矩形状の切り込み(以下、他端側の切り込みとも言う)である。第三搬送路240は当該他端側の切り込みから伸びている。なお、他端側の切り込みの横幅は、第三搬送路240の始端部の横幅と等しく、具体的には約30mmとなっている。
【0095】
そして、図14に示すように、第二搬送路230の他端部にある側壁233のうち、他端側の切り込みの下に位置する部分は段差を形成している。当該段差の高さは、外筒40の先端部の外径(つまり、大径部41の外径)よりも短くなっている(具体的には、約8mmとなっている)。
【0096】
以上のような構成により、受け取り部231としての窪みは、第一搬送路220上を滑り降りてきた外筒40を受け取る。また、当該窪みは、上下方向において外筒40を1個だけ保持する(窪み内に留めておく)だけの深さを有する。つまり、前記窪みに外筒40が無いときに第一搬送路220上を滑り降りてきた外筒40は、窪みに落下し該窪み内に保持される。
【0097】
外筒40が窪み内に保持される仕組みについて図16Aを参照しながら説明する。窪みに外筒40が無いときに第一搬送路220上を滑り降りてきた外筒40は、該第一搬送路220上を滑り降りてきた際の勢いが付いたままの状態で窪みに落下する。なお、外筒40は、該外筒40の長手方向が第一搬送方向と略平行な状態(換言すると、第二搬送方向と略直交した状態)で窪みに落下する。そして、窪みに落下した外筒40(すなわち、窪みに受け取られた外筒40)は、第二搬送路230の他端部に形成された側壁233により係止され、前記窪みに留めおかれるようになる。換言すると、第二搬送路230の他端部に形成された側壁233は、前記窪みに外筒40が無いときに第一搬送路220上を滑り降りてきた外筒40を、前記窪みに留めておく。
【0098】
より詳しく説明すると、第二搬送路230の他端部に形成された側壁233は、他端側の切り込み(すなわち、排出口233a)の下に、留め部233bを有している。この留め部233bが、窪みに外筒40が無いときに第一搬送路220上を滑り降りてきた外筒40を係止する。そして、留め部233bによって係止された外筒40は、第一搬送路220上を滑り降りてきた際の勢いを喪失し、窪みに留めおかれるようになる。
【0099】
なお、外筒40は、揃え機構170により向きが揃えられ、該外筒40の先端部が後端部よりも第一搬送方向の上流側に位置した状態で第一搬送路220上を移動する。このため、外筒40が留め部233bに係止される際、該外筒40の後端が前記留め部233bに衝突するようになる。仮に外筒40の先端が留め部233bに衝突してしまうと、当該先端側の端部に設けられた花弁状部分44が内側に折れ曲がってしまう。花弁状部分44が内側に折れ曲がると外筒40の先端開口43が狭くなってしまうため、該外筒40にタンポン本体20や内筒50を挿入する工程においてタンポン本体20や内筒50が挿入され難くなる等の不都合が生じてしまう。これに対し、本実施形態では外筒40の後端が留め部233bに衝突するため、上記の不都合を回避することが可能である。
【0100】
そして、受け取り部231としての窪みに留めおかれた外筒40は、第二搬送路230においてより下流側に位置する外筒40が該第二搬送路230上を移動することに伴って、第二搬送路230の下流側へ移動することになる。これにより、窪みには外筒40が無くなり、その後に該窪みにより受け取られた外筒40が該窪みに留めおかれるようになる。
【0101】
なお、外筒40は、第二搬送路230に備えられた側壁232、233により規制されながら、該第二搬送路230上を移動する。具体的に説明すると、第二搬送路230の他端部に形成された側壁233は、第二搬送方向において留め部233bと隣接する部分(以下、隣接部233c)を備える。当該隣接部233cの高さは、図14に示すように、外筒40の先端部の外径よりも大きくなっている。また、第二搬送路230の一端部に形成された側壁232は、前記隣接部233cと対向する部分(以下、対向部232b)を備える。当該対向部232bの高さは、図14に示すように、外筒40の先端部の外径よりも大きくなっている。このため、外筒40は、第二搬送路230上を移動する際に隣接部233c及び対向部232bとの間を移動することになる。これにより、第二搬送路230上を移動する外筒40が該第二搬送路230から脱落するのを防止している。
【0102】
一方、受け取り部231としての窪みに外筒40が有るときに第一搬送路220上を滑り降りてきた外筒40は、排出口233aから第二搬送路230の外に出される。すなわち、外筒40が第二搬送路230の始端から終端に亘って集積しているときに前記窪みが受け取った外筒40は、該窪みを素通りし、前記排出口233aを通って第三搬送路240に渡される。以下、図16Bを参照しながら詳しく説明する。なお、以下の説明では、窪みが先に受け取った外筒40を先の外筒40と呼び、窪みに当該先の外筒40が有るときに第一搬送路220上を滑り降りてきた外筒40(すなわち、窪みが後に受け取った外筒40)を後の外筒40と呼ぶこととする。
【0103】
後の外筒40は、導入口232aを通過した後に窪みに落下すると、図16Bに示すように、先の外筒40の上に重ねられる。つまり、受け取り部231としての窪みは、該窪みに先の外筒40が有るときに第一搬送路220上を滑り降りてきた外筒40(すなわち、後の外筒40)を前記先の外筒40の上に重ねて受け取る。
【0104】
そして、先の外筒40の上に重ねられた後の外筒40は、当該先の外筒40上を滑るように窪み内を移動する(図14参照)。このとき、後の外筒40は、当該後の外筒40の長手方向が先の外筒40の長手方向と沿うように移動する。つまり、後の外筒40は、窪みに受け取られた後においても、第一搬送路220上を滑り降りてきた際の方向(すなわち、第一搬送方向)に移動し続ける。その後、後の外筒40は排出口233aを通過するようになる。つまり、第二搬送路230の他端部に形成された側壁233は、先の外筒40上に重ねられた後の外筒40を、前記排出口233aから第二搬送路230の外に出すようになる。
【0105】
より詳しく説明すると、前記側壁233に形成された留め部233bの高さは、外筒40の先端部の外径よりも小さくなっている。このため、留め部233bは、先の外筒40を係止する一方で、当該先の外筒40上に重ねられた後の外筒40を係止することができない。したがって、後の外筒40は、第一搬送路220上を滑り降りてきた際の勢いを維持しながら受け取り部231としての窪みを移動し続ける結果、留め部233bを越えて第三搬送路240に渡されるようになる(つまり、他端側の切り込みから第二搬送路230の外に出される)。
【0106】
そして、第二搬送路230の外に出された後の外筒40は、第三搬送路240によって外筒フィーダ121(具体的には、外筒フィーダ121が備える振動台121aの底部)に返送される(図10及び図11参照)。つまり、第二搬送路230の外に出された外筒40は、再び外筒フィーダ121により第一搬送路220に向けて搬送され、第二搬送路230を移動するようになるまで外筒フィーダ121と搬送路122との間を循環するようになる。
【0107】
===本実施形態の組立装置100の有効性について===
本実施形態の組立装置100では、上記の如く、供給機構120が外筒40を供給する際、受け取り部231に外筒40が無いときに該受け取り部231が受け取った外筒40については、第二搬送路230の他端部に形成された側壁233により該受け取り部231に留められる。反対に、受け取り部231に外筒40が有るときに該受け取り部231が受け取った外筒を、前記側壁233に形成された排出口233aから第二搬送路230の外に出すこととした。これにより、外筒40を適切に供給することが可能になる。
【0108】
以下、本実施形態の組立装置100の有効性について、図17を参照しながら説明する。図17は、本実施形態の組立装置100の有効性について説明するための比較例を示した図である。
【0109】
上述した理由により、第二搬送路230上に外筒40が横並びの状態で集積されることがある。更に、外筒40が第二搬送路230の始端から終端に亘って集積してしまうと、該第二搬送路40上に外筒40を収め切れなくなる。つまり、受け取り部231に外筒40が有るときに該受け取り部231が更に受け取った外筒40については、第二搬送路230上に収めることができない。
【0110】
そして、第二搬送路230上に収め切れない外筒40については、図17に示すように、受け取り部231の手前(すなわち、第一搬送路220の終端部)において外筒40が徐々に積み重なっていく。このとき、外筒40は該外筒40の長手方向に沿う方向に積み重なっていく。さらに、外筒40は、揃え機構170によって、第一搬送方向において該外筒40の先端部が後端部よりも上流側に位置した状態で第一搬送路220上を移動するように、向きを揃えられる。この結果、受け取り部231の手前において積み重なった外筒40は、図17に示すように、外筒40同士で連結し合うようになる。つまり、受け取り部231の手前において前述の噛み込み現象が発生してしまう。外筒40同士で連結したままでは、各外筒40を個別に供給することができず当該各外筒40が適切に組立コンベア110にセットされなくなる。この結果、タンポン10の製造速度を低下させてしまう虞がある。
【0111】
これに対し、本実施形態では、第二搬送路230上に外筒40を収める空間的余裕があるときに(すなわち、受け取り部231に外筒40が無いときに)第一搬送路220から渡された外筒40については、受け取り部231に留めておく。その一方で、第二搬送路230上に外筒40を収め切れなくなったときに(すなわち、受け取り部231に外筒40が有るとき)に渡された外筒40については、前記第二搬送路230の外に出す。
【0112】
以上のように、本実施形態では、第二搬送路230上における外筒40の収まり具合に応じて、第一搬送路220から第二搬送路230に新たに渡される外筒40を適切な搬送先へ搬送することが可能である。この結果、受け取り部231の手前において外筒40が積み重なることもなく、以って図17に図示された課題、すなわち、受け取り部231の手前における噛み込み現象の発生が解消される。したがって、本実施形態の組立装置100であれば、外筒40の個別供給を適切に行い、タンポン10を効率良く製造することが可能になる。
【0113】
なお、本実施形態では、外筒40の先端部(すなわち、大径部41)の内径は後端部(すなわち、小径部42)の外径よりも大きいこととした。かかる場合、外筒40の先端部に他の外筒40の後端部が嵌まり込み易くなり、前述の噛み込み現象が発生し易くなる。但し、外筒40の先端部の内径が後端部の外径と同じ、あるいは小さい場合であっても、花弁状部分44が外側に倒れ先端開口43が広がると、前記先端部に前記後端部が嵌まり込む可能性が生じる。つまり、外筒40の先端部の内径が後端部の外径と同じ、あるいは小さい場合であっても、噛み込み現象は発生し得るため、本実施形態の組立装置100が効を奏することとなる。
【0114】
また、本実施形態において、第一搬送路220及び第三搬送路240の各々は、外筒40が当該各々の上を滑り降りるように傾斜しており、受け取り部231は前記第一搬送路220及び前記第三搬送路240に挟まれた窪みであることとした。かかる構成であれば、当該窪みに外筒40が有るときに第一搬送路220上を滑り降りてきた外筒40が、第一搬送路220上を滑り降りてきた際の勢いを利用して、第二搬送路230の外に排出されることになる。これにより、外筒40を第二搬送路230の外に出すための装置を別途設けることなく、外筒40を適切に前記第二搬送路230の外に出すことが可能になる。
【0115】
===その他の実施形態===
上記の各実施形態には、主として本発明のタンポン10の製造方法及び製造装置(組立装置100)について説明したが、上記の実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。また、上述した設定値、寸法値、及び、形状等は本発明の効果を発揮させるための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0116】
上記の実施形態では、押出部材として二段構造の内筒50(すなわち、伸縮可能な内筒50)を有するタンポン10について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、長さが固定された(伸縮しない)内筒50を有するタンポン10でもよい。
【0117】
また、上記の実施形態では、大径部41と小径部42を備える外筒40について説明したが、小径部42が設けられていない外筒40であってもよい。すなわち、外筒40の先端部(長手方向一端部)と後端部(長手方向他端部)との間において、外径及び内径が同じであってもよい。
【0118】
また、上記の実施形態では、第二搬送路230上を移動してきた外筒40が、外筒セット部123を介して、該第二搬送路230から組立コンベア110(より具体的には、組立コンベア110上に載置された搭載台160)に渡されることした。つまり、上記の実施形態において、第二搬送路230は、搬送路122中、組立コンベア110直近の部分であることとしたが、これに限定されるものではない。第二搬送路230は、搬送路122中、組立コンベア110直近の部分でなくてもよく、例えば、該搬送路122の中途位置に設けられた部分であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】タンポン10の構成要素を示す断面図である。
【図2】タンポン10の構成要素を示す断面図である。
【図3】第一内筒51と第二内筒52が連結している様子を示す図である。
【図4】図4A及び図4Bは、外筒40の外観図である。図4Cは、図4Aに示す外筒40を先端側から見た図である。
【図5】第一内筒51の外観図である。
【図6】第二内筒52の外観図である。
【図7】図7A及び図7Bは、タンポン10の製造フローを示す図である。
【図8】図8A〜図8Dは、タンポン10を製造する様子を示す変遷図である。
【図9】タンポン10を組み立てる組立装置100を模式的に示す図である。
【図10】図9に図示された供給機構120を拡大して示した図である。
【図11】供給機構120を上方から見た平面図である。
【図12】図12A及び図12Bは、外筒セット部123を示す図である。
【図13A】揃え機構170の配置位置を示す図である。
【図13B】揃え機構170の平面図である。
【図13C】外筒40が揃え機構170の穴171を通過する様子を示す図である。
【図14】図10において記号Yが付された部分の拡大図である。
【図15】第一搬送路220、第二搬送路230、及び、第三搬送路240の上下方向における位置関係を模式的に示す図である。
【図16】図16A及び図16Bは、受け取り部231が外筒40を受け取るときの様子を示す図である。
【図17】本実施形態の組立装置100の有効性について説明するための比較例を示した図である。
【符号の説明】
【0120】
10 タンポン、
20 タンポン本体、21 綿体、22 コード、30 アプリケータ、
40 外筒(収納筒)、41 大径部、42 小径部、43 先端開口(開口)、
44 花弁状部分、45 後端開口、46 環状リブ、47 段差、
50 内筒(押出部材)、51 第一内筒、51a 鍔部、51b 環状突起、
52 第二内筒、52a 鍔部、52b 凸部、52c フレア状部分、
100 組立装置(タンポン10の製造装置)、110 組立コンベア、
120 供給機構、121 外筒フィーダ(パーツフィーダ)、
121a 振動台(載置台)、122 搬送路、123 外筒セット部、
123a 外筒受け取り台、130 挿入機構、
140 内筒挿入機構、141 第一内筒挿入機構、
142 第二内筒挿入機構、143 内筒フィーダ、143a 振動台、
143b レール、144 チューブ、145 内筒押圧装置、
145a 押圧冶具、150 タンポン本体挿入機構、151 ガイドチューブ、
152 吸引装置、153 タンポン本体押圧装置、160 搭載台、
170 揃え機構、171 穴、172 第一突出部、173 第二突出部、
200 案内路、210 落下シューター、211 開口、220 第一搬送路、
230 第二搬送路、231 受け取り部、232 側壁、232a 導入口、
232b 対向部、233 側壁、233a 排出口、232b 留め部
233c 隣接部(第二搬送方向において留め部232bと隣接する部分)、
234 抑え板、240 第三搬送路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンポン本体と、該タンポン本体を収納する収納筒と、該収納筒内を移動して前記タンポン本体を該収納筒の外に押し出す押出部材とを備え、前記収納筒の長手方向一端部に複数の花弁状部分を備えるタンポンの製造装置であって、
前記収納筒を供給する供給機構と、
該供給機構により供給された前記収納筒に前記タンポン本体及び前記押出部材を挿入する挿入機構とを備え、
前記供給機構は、
前記収納筒を該収納筒の長手方向に沿う第一搬送方向に搬送する第一搬送路と、
前記収納筒を該収納筒の長手方向と交差する第二搬送方向に搬送する第二搬送路とを備え、
前記第二搬送路は、
前記第一搬送路上を移動してきた前記収納筒を該第一搬送路から受け取る受け取り部と、
前記第一搬送方向において前記第一搬送路から前記受け取り部に前記収納筒が渡される側とは反対側の端部に形成された側壁と、
前記側壁に形成され、前記収納筒を前記第二搬送路の外に出すための排出口とを備え、
前記側壁は、前記受け取り部に前記収納筒が無いときに該受け取り部が受け取った前記収納筒を該受け取り部に留めておき、前記受け取り部に前記収納筒が有るときに該受け取り部が受け取った前記収納筒を前記排出口から前記第二搬送路の外に出すことを特徴とするタンポンの製造装置。
【請求項2】
請求項1に記載のタンポンの製造装置において、
前記供給機構は、
載置台を備え、該載置台に載置された前記収納筒を前記第一搬送路に向けて移動させるパーツフィーダと、
前記排出口から前記第二搬送路の外に出された前記収納筒を前記載置台に搬送する第三搬送路を備えることを特徴とするタンポンの製造装置。
【請求項3】
請求項2に記載のタンポンの製造装置において、
前記第一搬送路及び前記第三搬送路の各々は、前記収納筒が当該各々の上を滑り降りるように傾斜しており、
前記受け取り部は、前記第一搬送路及び前記第三搬送路に挟まれた窪みであり、
前記窪みは、該窪みに前記収納筒が無いときに前記第一搬送路を滑り降りてきた前記収納筒を受け取り、該窪みに前記収納筒が有るときに前記第一搬送路を滑り降りてきた前記収納筒を、該窪みに有る前記収納筒の上に重ねて受け取り、
前記側壁は、前記窪みに有る前記収納筒の上に重ねられた前記収納筒を、前記排出口から前記第二搬送路の外に出すことを特徴とするタンポンの製造装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のタンポンの製造装置において、
前記排出口は、前記側壁に形成された切り込みであり、
前記側壁は、前記切り込みの下に、前記受け取り部に前記収納筒が無いときに該受け取り部が受け取った前記収納筒を該受け取り部に留めておく留め部を備え、
前記留め部の高さは、前記収納筒の前記長手方向一端部の外径よりも小さく、
前記側壁のうち、前記第二搬送方向において前記留め部と隣接する部分の高さは、前記収納筒の前記長手方向一端部の外径よりも大きいことを特徴とするタンポンの製造装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のタンポンの製造装置において、
前記収納筒の向きを揃える揃え機構を備え、
前記第一搬送路は、前記揃え機構によって向きが揃えられた前記収納筒を前記第一搬送方向に搬送し、
前記揃え機構は、前記収納筒の前記長手方向一端部が該収納筒の長手方向他端部よりも前記第一搬送方向の上流側に位置した状態で該収納筒が前記第一搬送路上を移動するように、該収納筒の向きを揃えることを特徴とするタンポンの製造装置。
【請求項6】
タンポン本体と、該タンポン本体を収納する収納筒と、該収納筒内を移動して前記タンポン本体を該収納筒の外に押し出す押出部材とを備え、前記収納筒の長手方向一端部に複数の花弁状部分を備えるタンポンの製造方法であって、
供給機構により、前記収納筒を供給する工程と、
挿入機構により、前記供給機構が供給する前記収納筒に前記タンポン本体及び前記押出部材を挿入する工程とを備え、
前記供給機構は、
前記収納筒を該収納筒の長手方向に沿う第一搬送方向に搬送する第一搬送路と、
前記収納筒を該収納筒の長手方向と交差する第二搬送方向に搬送する第二搬送路とを備え、
前記第二搬送路は、
前記第一搬送路上を移動してきた前記収納筒を該第一搬送路から受け取る受け取り部と、
前記第一搬送方向において前記第一搬送路から前記受け取り部に前記収納筒が渡される側とは反対側の端部に形成された側壁と、
前記側壁に形成され、前記収納筒を前記第二搬送路の外に出すための排出口とを備え、
前記側壁は、前記受け取り部に前記収納筒が無いときに該受け取り部が受け取った前記収納筒を該受け取り部に留めておき、前記受け取り部に前記収納筒が有るときに該受け取り部が受け取った前記収納筒を前記排出口から前記第二搬送路の外に出すことを特徴とするタンポンの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図14】
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