説明

タービンエンジン内で流体を混合するための方法及び装置

【課題】 タービンエンジン(10)内で使用するための熱交換器組立体(100、200)が提供される。
【解決手段】 熱交換器組立体(100、200)は、少なくとも1つのコア熱交換器(102、202)と、少なくとも1つのコア熱交換器から下流側に延び、複数のウィンドウ(246)が形成されたミキサ(104、204)とを含む。前記少なくとも1つのコア熱交換器(102、202)は、入口(140、240)と、出口(142、242)と、前記入口及び出口間に延びる中空本体(144、244)と、前記入口及び出口の間に前記中空本体を少なくとも部分的に通って延びる複数の熱交換器フィン(122)と、を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、総括的にはタービンエンジンに関し、より具体的には、タービンエンジンに使用される熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
少なくとも幾つかの公知タービンエンジンは、入口、ファン組立体、低圧及び高圧圧縮機、燃焼器、及び少なくとも1つのタービンを含む。入口を介してこうしたエンジンに入る空気は、ファン組立体によって加圧される。こうしたエンジンにおいて、加圧空気の一部分は、ほぼ外側エンジンケーシングと内側エンジンケーシングとの間に形成されたバイパスダクトを通って送られる。少なくとも幾つかのタービンエンジンは、ヒートシンク用などの熱管理システムがバイパス空気の流れを使用できるように、バイパスダクト内に熱交換器を配置している。具体的に、公知のエンジンにおいて、熱管理システムは、熱交換器を通って送られる冷却流体から熱交換器を通過して送られるバイパス空気流に熱を伝達することによって熱を発生することができる種々のシステムに冷却を提供する。
【0003】
少なくとも幾つかの公知の熱交換器は、入口スクープを使用して、種々のシステムを冷却するために熱交換器内への十分な量のバイパス空気の同伴を促進する。しかしながら、こうした熱交換器は、バイパス空気流において望ましくない圧力損失を引き起こす可能性がある。加えて、一般にこうした熱交換器はまた、熱交換機の下流側に高温空気の流れ又は温度ストリークを発生する。高温空気の流れ及びバイパス空気流の圧力低下は、タービンエンジンの性能及び/又は効率を不利な方向に低下させる可能性がある。
【特許文献1】米国特許第4,176,969号公報
【特許文献2】米国特許第6,106,229号公報
【特許文献3】米国特許第6,494,031号公報
【特許文献4】米国特許第6,510,894号公報
【特許文献5】米国特許第6,736,201号公報
【特許文献6】米国特許第7,000,404号公報
【特許文献7】米国特許第7,254,937号公報
【特許文献8】米国特許出願公開第2003/0079870 A1号公報
【特許文献9】米国特許出願公開第2005/0144974 A1号公報
【特許文献10】米国特許出願公開第2006/0042223 A1号公報
【発明の開示】
【0004】
1つの態様において、ガスタービンエンジンを組み立てる方法が提供される。本方法は、熱交換器と該熱交換器から下流側に延びるミキサとを含む少なくとも1つの熱交換器組立体を提供する段階を含む。ミキサは複数のウィンドウが形成されている。本方法はまた、エンジンのバイパスダクト内で少なくとも1つの熱交換器組立体をタービンエンジンの外側エンジンケーシングと内側エンジンケーシングの少なくとも一方に結合されるように結合する段階を含む。
【0005】
別の態様において、タービンエンジンで使用するための熱交換器組立体が提供される。熱交換器組立体は、少なくとも1つのコア熱交換器と、少なくとも1つのコア熱交換器から下流側に延びるミキサとを含む。ミキサには複数のウィンドウが形成されている。
【0006】
更に別の態様では、ガスタービンエンジンが提供される。エンジンは、外側ケーシングと、内側ケーシングと、外側及び内側ケーシングの間に形成されたバイパスダクトとを含む。少なくとも1つの熱交換器組立体がバイパスダクト内で外側ケーシング及び内側ケーシングの少なくとも一方に結合される。ミキサは少なくとも1つの熱交換器に結合される。ミキサには複数のウィンドウが形成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、総括的には、ガスタービンエンジンにおけるバイパス空気流の混合を促進する例示的な装置及び方法を提供する。本明細書に記載される実施形態は、限定ではなく、例示的なものに過ぎない。本発明は、熱交換器を通って送られる同伴流体を使用して、熱交換器を通過して送られる流体との熱伝達を促進するあらゆるタイプの熱交換器に適用できることは理解されたい。
【0008】
図1は、長手方向軸11を有する例示的なタービンエンジン組立体10の一部の断面図である。例示的な実施形態において、タービンエンジン組立体10は、高圧圧縮機14、燃焼器16、及び高圧タービン18を備えるコアガスタービンエンジン12を含む。エンジン組立体10はまた、コアガスタービンエンジン12から軸方向下流側に置かれた低圧タービン20と、コアガスタービンエンジン12から軸方向上流側に置かれたファン組立体22とを含む。高圧タービン18と高圧圧縮機14は、第1のシャフト28により互いに結合される。低圧タービン20とファン組立体22は、第2のシャフト30により互いに結合される。エンジン組立体10はまた、吸気側24と排気側26とを含む。
【0009】
例示的な実施形態において、エンジン組立体10はまた、前方セクション36を有する内側ケーシング34から半径方向に離間された外側ケーシング32を含む。外側ケーシング32と内側ケーシング34とはバイパスダクト38を形成する。更に、少なくとも1つの熱交換器組立体100がバイパスダクト38内に結合される。より具体的には、例示的な実施形態において、エンジン組立体10は、バイパスダクト38内で各々円周方向に離間された4つの熱交換器組立体100を含む。或いは、エンジン組立体10は、本明細書で記載されるようにエンジン組立体10が機能することができるあらゆる数の熱交換器組立体100を含むことができる。
【0010】
作動中、吸気側24を通ってエンジン組立体10に入る空気は、ファン組立体22によって加圧される。ファン組立体22から出る加圧空気の流れは、分流されて、第1の空気流部分42はコアガスタービンエンジン12内に送られ、第2の空気流部分又はバイパス空気44はバイパスダクト38を通って送られるようになる。第1の空気流部分42は、高圧圧縮機14により更に加圧され、燃焼器16に送られる。燃焼器16から吐出される空気流は、回転タービン18及び20を駆動した後、排気側26を通ってエンジン10から吐出される。
【0011】
図2は、熱交換器組立体100の概略断面図である。図3は、熱交換器組立体100の前方斜視図である。図4は、熱交換器組立体100の後方斜視図である。例示的な実施形態において、各熱交換器組立体100は、下流側に延びるローブミキサ104を各々有する1対のコア熱交換器102を含む。或いは、各熱交換器組立体100は、1つだけのコア熱交換器102又は2つよりも多いコア熱交換器102を含むことができる。例示的な実施形態において、各熱交換器組立体100は、該熱交換器組立体100から延びる少なくとも1つの取付けブラケット106を用いて、外側ケーシング32の半径方向内表面31に結合される。結果として、各熱交換器組立体100は、各コア熱交換器102がバイパスダクト38内にバイパス空気44の流れと流れ連通して置かれるように、バイパスダクト38内に結合される。或いは、熱交換器組立体100は、内側ケーシング34の半径方向外表面35に結合することができる。例示的な実施形態において、熱交換器組立体100は、内表面31と熱交換器組立体100との間に半径方向外側ギャップ108が形成され、外表面35と熱交換器組立体100との間に半径方向内側ギャップ110が形成されるように、表面31と表面35との間に離間して配置される。
【0012】
バイパス空気44は、バイパスダクト38を通り、熱交換器組立体100を通過してほぼ軸方向下流側に送られる。熱交換器組立体100は、バイパス空気44がバイパス空気の第1の流れとバイパス空気の第2の流れとに分流されるようにする。具体的には、例示的な実施形態において、バイパス空気の第1の流れ又は低温のバイパス空気46は、熱交換器組立体100を通過して送られ、バイパス空気の第2の流れは、高温のバイパス空気48の流れが吐出されるように熱交換器組立体100を通って送られる。
【0013】
例示的な実施形態において、各熱交換器組立体100は、熱管理システム(図示せず)と連通して結合される。熱管理システムは、関連する航空機(図示せず)及び/又はエンジン10の熱を発生するシステム及び構成要素の冷却を促進するヒートシンクとしてバイパス空気44を利用する。熱を発生するこうしたシステムには、限定ではないが、航空機電気システム、エンジン冷却システム、及び/又はコックピット空調システムを含むことができる。例示的な実施形態において、以下でより詳細に述べるように、熱交換器組立体100は、貫通して送られる冷却流体からバイパス空気44の流れへの熱伝達を促進する。結果として、冷却流体の温度が低下し、高温バイパス空気48が熱交換器組立体100から吐出される。
【0014】
例示的な実施形態において、各コア熱交換器102は、実質的に矩形状であって、そこに形成された内側キャビティ120を含む。或いは、各コア熱交換器102は、バイパスダクト38内で使用するのに適したあらゆる形状を有することができる。例示的な実施形態において、各コア熱交換器102は、半径方向外側パネル112、半径方向内側パネル114、及びパネル112と114との間に延びる1対の側方パネル116を含む。パネル112、114、及び116は、互いに結合されてキャビティ120を形成する。各コア熱交換器102はまた、冷却流体を送るためにキャビティ120内に結合された冷却管体(図示せず)を含む。複数の伝熱フィン122が、内側パネル114から外側パネル112に向けて実質的に半径方向内向きに延び、フィン112は冷却管体に結合される。更にフィン122は、以下でより詳細に説明するように、冷却管体の表面積を増大させ、熱伝達を促進する。各コア熱交換器102はまた、入口側118と出口側124とを含む。各熱交換器組立体100は、入口側118がバイパス空気44の流れに実質的に垂直であるように向けられる。例示的な実施形態において、以下でより詳細に説明するように、各コア熱交換器102の出口側124から下流側に延び、ミキサ104がキャビティ120と流れ連通した状態になる。
【0015】
例示的な実施形態において、隣接コア熱交換器102の各対は、入口プレナム126を介して互いに結合される。具体的には、例示的な実施形態において、入口プレナム126は台形状であって、熱交換器組立体100内に結合された冷却管体を通って冷却流体を送るのを促進する。或いは、入口プレナム126は、本明細書に記載されたように熱交換器組立体100を機能させることができるあらゆる方式で、コア熱交換器102のペアを共に結合するのを促進する何れかの形状を有することができる。例示的な実施形態において、各入口プレナム126は、バイパスダクト38内で円周方向に離間されたコア熱交換器102の各対の間を円周方向に延びる。
【0016】
例示的な実施形態において、各ミキサ104は、入口140、出口142、及びこれらの間に延びる本体144を含む。入口140は、コア出口側124の断面形状と実質的に同一の断面形状を有する。更に、例示的な実施形態において、入口140は出口側124に接して結合され、ミキサ104がキャビティ120と流れ連通し、コア熱交換器102から吐出される高温バイパス空気48をミキサ出口142に向けて送ることができるようにされる。例示的な実施形態において、ミキサ出口142は、以下でより詳細に説明するように、入口140の断面積よりも大きな断面積を有する。
【0017】
例示的な実施形態において、各ミキサ104は、複数のローブ146を含む。具体的には、例示的な実施形態において、各ローブ146は、以下でより詳細に説明するように、高温バイパス空気48を送る第1のシュート部又は高温シュート部148を形成する。例示的な実施形態において、隣接ローブ146の各対は、第2のシュート部又は低温シュート部150により互いに結合される。別の実施形態において、高温シュート部148の各対の間に1つよりも多い低温シュート部150が形成される。以下でより詳細に説明するように、各低温シュート部150により、そこを通って低温バイパス空気46を送ることができるようになる。
【0018】
例示的な実施形態において、少なくとも1つの高温シュート部148は、入口140から半径方向外向きに低温バイパス空気46の流れ内に、より具体的には、内側ケーシング34及び/又は外側ケーシング32の少なくとも一方に向けて全体的に発散して延びる。更に、例示的な実施形態において、少なくとも1つの低温シュート部150は全体的に収束し、ほぼ半径方向内向きに高温バイパス空気48の流れ内に、より具体的には、内側ケーシング34及び外側ケーシング32の少なくとも一方から離れて延びる。結果として、ローブ又は波形ミキサ104がミキサ出口142で形成され、以下でより詳細に説明するように、各コア熱交換器102におけるバイパス空気44の同伴、及び高温バイパス空気48と低温バイパス空気46との混合、並びにバイパス空気44の圧力損失全体の低減を促進する。例示的な実施形態において、各ミキサ104は、8つの高温シュート部148と8つの低温シュート部150とを含む。或いは、ミキサ104は、あらゆる数の高温シュート部148及び/又は低温シュート部150を含むことができる。
【0019】
作動中、例示的な実施形態において、バイパス空気44は、各熱交換器組立体100に向けてバイパスダクト38を通ってほぼ軸方向に送られる。バイパス空気44は分流され、第1の部分が各熱交換器組立体100を通って送られ、第2の部分が各熱交換器組立体100を通過して送られる。更に、熱管理システムは、航空機及び/又はエンジン10の熱を発生するシステム及び構成要素から冷却流体に熱を伝達する。具体的には、例示的な実施形態において、熱管理システムは、各熱交換器組立体100内に結合された冷却管体を通って加熱された冷却流体を送る。フィン122は、冷却管体の表面積の増大を促進し、これにより送られる冷却流体の温度の低下が促進される。
【0020】
例示的な実施形態において、バイパス空気44の第1の部分は、各熱交換器組立体100を通って送られ、フィン122及びより具体的には冷却流体からバイパス空気44の第1の部分への熱伝達を促進し、結果として、高温バイパス空気48が各熱交換器組立体100から吐出されるようになる。バイパス空気44の第2の部分は、各コア熱交換器102を通過し、より具体的には各低温シュート部150を通って送られ、低温バイパス空気46が各低温シュート部150から吐出されるようになる。
【0021】
高温シュート部148は、高温バイパス空気48を下流側に全体的に発散させて入口140から半径方向外向きに低温バイパス空気46内に送る。更に、例示的な実施形態において、低温シュート部150は、低温バイパス空気46を下流側に全体的に収束させてほぼ半径方向に高温バイパス空気48内に送る。各低温シュート部150から吐出された低温バイパス空気46の流れは、ミキサ104の下流側の各高温シュート部148から吐出された高温バイパス空気48の流れと混合される。結果として、熱交換器組立体100から下流側に延びる温度ストリークの低減が促進される。
【0022】
例示的な実施形態において、ミキサ104により、各熱交換器組立体100内に同伴されるバイパス空気44の量の増大が促進される。具体的には、ミキサ104の出口142の断面積は、ギャップ108及び110のサイズの低減を促進し、ミキサ104上の低温バイパス空気46の流れが低減されるようになる。結果として、各コア熱交換器102内に同伴される高温バイパス空気48の量の減少が促進され、これにより各熱交換器組立体100を通って送られる冷却流体から高温バイパス空気48への熱伝達が促進される。
【0023】
ミキサ104はまた、バイパス空気44の圧力損失の低減を促進する。幾つかの公知の熱交換器において、熱交換器の配置により、バイパス空気の運動量が変化し、バイパス空気の圧力に損失が生じるようになる。更に、公知のタービンエンジンにおいて、バイパス空気の流れの方向をほぼ円周方向及び/又はほぼ半径方向の流れ方向に変えることで、バイパス空気において圧力損失が生じる。例示的な実施形態において、ミキサ104は、低温バイパス空気46の運動量の変化を低減するのを促進し、これによりバイパスダクト38を通って送られるバイパス空気44の圧力損失全体の低減が促進される。例示的な実施形態において、低温バイパス空気46は、熱交換器100を通過して送られ、更に低温シュート部150を通って送られる。結果として、低温バイパス空気46の流れは、ほぼ軸方向の流れ方向に維持され、低温バイパス空気46流れの圧力損失の低減が促進される。
【0024】
図5は、タービンエンジン10で使用することのできる別の熱交換器組立体200の斜視図である。例示的な実施形態において、各熱交換器組立体200は、下流側に延びるミキサ204を各々有するコア熱交換器202を含む。或いは、各熱交換器組立体200は、1つよりも多いコア熱交換器202を含むことができる。例示的な実施形態において、各熱交換器組立体200は、外側ケーシング32の半径方向内表面31に結合される。結果として、各熱交換器組立体200は、コア熱交換器202がバイパスダクト38内にバイパス空気44の流れと流れ連通して置かれるようにバイパスダクト38内に結合される。或いは、熱交換器組立体200は、内側ケーシング34の半径方向外表面35に結合することができる。例示的な実施形態において、熱交換器組立体200は、内表面31と熱交換器組立体200との間に半径方向外側ギャップ108が形成され、外表面35と熱交換器組立体200との間に半径方向内側ギャップ110が形成されるように、表面31と表面35との間に離間して配置される。
【0025】
バイパス空気44は、バイパスダクト38を通り、熱交換器組立体200を通過してほぼ軸方向下流側に送られる。熱交換器組立体200は、バイパス空気44がバイパス空気の第1の流れとバイパス空気の第2の流れとに分流されるようにする。具体的には、例示的な実施形態において、バイパス空気の第1の流れ又は低温バイパス空気46は、熱交換器組立体200を通過して送られ、バイパス空気の第2の流れは、高温バイパス空気48の流れが吐出されるように熱交換器組立体200内を通って送られる。
【0026】
例示的な実施形態において、各熱交換器組立体200は、熱管理システム(図示せず)と連通して結合される。熱管理システムは、関連する航空機(図示せず)及び/又はエンジン10の熱を発生するシステム及び構成要素の冷却を促進するヒートシンクとしてバイパス空気44を利用する。熱を発生するこうしたシステムには、限定ではないが、航空機電気システム、エンジン冷却システム、及び/又はコックピット空調システムを含むことができる。例示的な実施形態において、以下でより詳細に説明するように、熱交換器組立体200は、貫通して送られる冷却流体からバイパス空気44の流れへの熱伝達を促進する。結果として、冷却流体の温度が低下し、高温バイパス空気48が熱交換器組立体200から吐出される。
【0027】
例示的な実施形態において、コア熱交換器202は、実質的に矩形状であって、そこに形成された内側キャビティ220を含む。或いは、各コア熱交換器202は、バイパスダクト38内で使用するのに適したあらゆる形状を有することができる。例示的な実施形態において、コア熱交換器202は、半径方向外側パネル212、半径方向内側パネル214、及びパネル212と214との間に延びる1対の側方パネル216を含む。パネル212、214、及び216は、互いに結合されてキャビティ220を形成する。コア熱交換器202はまた、冷却流体を送るためにキャビティ220内に結合された冷却管体体(図示せず)を含む。複数の伝熱フィン(図示せず)が、内側パネル214から外側パネル212に向けて実質的に半径方向内向きに延び、フィンは冷却管体に結合される。更にフィン122は、以下でより詳細に説明するように、冷却管体の表面積を増大させ、熱伝達を促進する。コア熱交換器202はまた、入口側218と出口側224とを含む。各熱交換器組立体200は、入口側218がバイパス空気44の流れに実質的に垂直であるように向けられる。例示的な実施形態において、以下でより詳細に説明するように、各コア熱交換器202の出口側224から下流側に延び、ミキサ204がキャビティ220と流れ連通した状態になる。
【0028】
例示的な実施形態において、ミキサ204は、入口240、出口242、及びこれらの間に延びる本体244を含む。入口240は、コア出口側224の断面形状と実質的に同一の断面形状を有する。更に、例示的な実施形態において、入口240は、出口側224に接して結合され、ミキサ204がキャビティ220と流れ連通し、コア熱交換器202から吐出される高温バイパス空気48をミキサ出口242に向けて送ることができるようにされる。例示的な実施形態において、ミキサ出口242は、以下でより詳細に説明するように、入口240の断面積よりも大きな断面積を有する。
【0029】
例示的な実施形態において、ミキサ204は、複数のウィンドウ246を含む。具体的には、例示的な実施形態において、各ウェインドウ246は、以下でより詳細に説明するように、そこを通って低温バイパス空気46を送る開口をミキサ204内に形成する。結果として、ミキサ204は、高温バイパス空気48と低温バイパス空気46と混合し、バイパス空気44の圧力損失全体を減少させるのを促進する。
【0030】
例示的な実施形態において、作動中、バイパス空気44は、各熱交換器組立体200に向けてバイパスダクト38を通ってほぼ軸方向に送られる。熱管理システムは、航空機及び/又はエンジン10の熱を発生するシステム及び構成要素から冷却流体に熱を伝達する。具体的には、例示的な実施形態において、熱管理システムは、各熱交換器組立体200内に結合された冷却管体を通って加熱された冷却流体を送る。コア熱交換器202内のフィンは、冷却管体の表面積の増大を促進し、これにより冷却管体を介して送られる冷却流体の温度の低下が促進される。
【0031】
例示的な実施形態において、バイパス空気44の第1の部分は、各熱交換器組立体200を通って送られ、フィン及びより具体的には冷却流体からバイパス空気44の第1の部分への熱伝達を促進し、その結果、高温バイパス空気48が熱交換器組立体200から吐出されるようになる。バイパス空気44の第2の部分は、コア熱交換器202を通過し、ウィンドウ246を通って送られ、熱交換器組立体200内に同伴されるバイパス空気44の量の増大を促進する。結果として、コア熱交換器202内に同伴される高温バイパス空気48の量の増大が促進され、各熱交換器組立体200内を通って送られる冷却流体から高温バイパス空気48への熱伝達が促進される。
【0032】
ミキサ204は、バイパス空気44の圧力損失の低減を促進する。幾つかの公知の熱交換器において、熱交換器の配置により、バイパス空気の運動量が変化し、バイパス空気の圧力に損失が生じるようになる。更に、公知のタービンエンジンにおいて、バイパス空気の流れの方向をほぼ円周方向及び/又はほぼ半径方向の流れ方向へ変えることで、バイパス空気に圧力損失が生じる。例示的な実施形態において、ミキサ204は、低温バイパス空気46の運動量の変化を低減するのを促進し、これによりバイパスダクト38を通って送られるバイパス空気44の圧力損失全体の低減が促進される。
【0033】
上記の方法及び装置により、少なくとも1つのコア熱交換器におけるバイパス空気の同伴、及び高温バイパス空気の流れと低温バイパス空気の流れとの混合、並びにバイパス空気の圧力損失全体の低減が促進される。具体的には、各熱交換器組立体は、複数のローブを有するミキサを含む。各ローブは、これを通って高温バイパス空気流を送るように構成された第1のシュート部を形成する。第2のシュート部は、互いに離間された隣接ローブの各対の間に形成される。各第2のシュート部は、これを通って低温バイパス空気を送るように構成される。結果として、各第1のシュート部から吐出された高温バイパス空気の流れは、各第2のシュート部から吐出された低温バイパス空気の流れと混合される。ミキサ出口の断面積は、外側及び内側ケーシングと各熱交換器組立体との間に形成されるギャップを低減するのを促進する。ギャップが減少した結果として、各熱交換器組立体を通過して送られる低温バイパス空気の量が低減され、各熱交換器組立体内に同伴されるバイパス空気の量が増大する。更に、各第2のシュート部は、低温バイパス空気をほぼ軸方向へ送るのを促進するので、低温バイパス空気の運動量の維持が促進されるようになる。
【0034】
以上において、熱交換器の例示的な実施形態について説明した。本明細書に記載されたミキサは、ガスタービンエンジン用の熱交換器での使用に限定されるものではなく、本明細書に記載された他の熱交換器構成要素とは独立して別個に利用することができる。更に本発明は、以上において詳細に説明されたミキサの実施形態に限定されるものではない。むしろ、ミキサの他の変形形態を請求項の精神及び範囲内で利用することができる。
【0035】
本発明を種々の特定の実施形態に関して説明してきたが、当業者であれば、請求項の精神及び範囲内で変更を加えて本発明を実施できる点は理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】例示的なタービンエンジンの概略断面図。
【図2】図1に示すタービンエンジンに使用できる例示的な熱交換器組立体の概略断面図。
【図3】図2に示す熱交換器組立体の前方斜視図。
【図4】図2に示す熱交換器組立体の後方斜視図。
【図5】図1に示すタービンエンジンに使用できる別の熱交換器組立体の斜視図。
【符号の説明】
【0037】
10 タービンエンジン組立体
11 長手方向軸
12 コアタービンエンジン
14 高圧圧縮機
16 燃焼器
18 高圧タービン
20 低圧タービン
22 ファン組立体
24 吸気側
26 排気側
28 第1のシャフト
30 第2のシャフト
31 内表面
32 外側ケーシング
34 内側ケーシング
35 外表面
36 前方セクション
38 バイパスダクト
42 第1の空気流部分
44 バイパス空気
46 低温バイパス空気
48 高温バイパス空気
100 熱交換器組立体
102 コア熱交換器
104 ミキサ
106 取付けブラケット
108 外側ギャップ
110 内側ギャップ
112 外側パネル
114 内側パネル
116 1対の側方パネル
118 入口側
120 内側キャビティ
122 伝熱フィン
124 コア出口側
126 入口プレナム
140 入口
142 ミキサ出口
144 本体
146 ローブ
148 高温シュート部
150 低温シュート部
200 熱交換器組立体
202 コア熱交換器
204 ミキサ
212 外側パネル
214 内側パネル
216 側方パネル
218 入口側
220 キャビティ
224 出口側
240 入口
242 出口
244 本体
246 ウィンドウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンエンジン(10)で使用するための熱交換器組立体(100、200)であって、
少なくとも1つのコア熱交換器(102、202)と、
前記少なくとも1つのコア熱交換器から下流側に延び、複数のウィンドウ(246)が形成されたミキサ(104、204)と、
を備える、
熱交換器組立体(100)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのコア熱交換器(102、202)が、
入口(140、240)と、
出口(142、242)と、
前記入口及び出口間に延びる中空本体(144、244)と、
前記入口及び出口の間に前記中空本体を少なくとも部分的に通って延びる複数の熱交換器フィン(122)と、
を含む請求項1に記載の熱交換器組立体(100、200)。
【請求項3】
前記ミキサ(104、204)が、前記少なくとも1つのコア熱交換器出口(142、242)から延びて、前記ミキサが前記本体(144、244)内に形成されたキャビティ(120)と流れ連通するようにされる、
請求項2に記載の熱交換器組立体(100、200)。
【請求項4】
前記ミキサ(104、204)が更に、
第1の断面積を有する入口(140、240)と、
前記第1の断面積よりも大きな第2の断面積を有する出口(142、242)と、
前記入口と前記出口との間に延びるミキサ本体(144、244)と、
を更に含む請求項1又は2に記載の熱交換器組立体(100、200)。
【請求項5】
前記ミキサ(104、204)が、前記少なくとも1つの熱交換器組立体内に同伴される空気量の増大を促進する、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱交換器組立体(100、200)。
【請求項6】
前記ミキサ(104、204)の一部分が、前記少なくとも1つのコア熱交換器(102)から下流側に発散して延びる、
請求項4に記載の熱交換器組立体(100、200)。
【請求項7】
外側ケーシング(32)と、
内側ケーシング(34)と、
前記外側及び内側ケーシング間に形成されたバイパスダクト(38)と、
前記バイパスダクト内で前記外側ケーシング及び前記内側ケーシングの少なくとも一方に結合された少なくとも1つの熱交換器組立体(100、200)と、
前記少なくとも1つの熱交換器組立体に結合され、複数のウィンドウ(242)が形成されたミキサ(104)と、
を備えるガスタービンエンジン(10)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの熱交換器組立体(100、200)が、
入口(140、240)と、
出口(142、242)と、
前記入口及び出口間に延びる中空本体(144、244)と、
前記入口及び出口の間に前記本体を少なくとも部分的に通って延びる複数の熱交換器フィン(122)と、
を含む請求項7に記載のガスタービンエンジン(10)。
【請求項9】
前記ミキサ(104、204)が、前記出口(142、242)から下流側に延びて、前記本体(144、244)内に形成されたキャビティ(120、220)と流体連通する、
請求項8に記載のガスタービンエンジン(10)。
【請求項10】
前記ミキサ(104、204)が更に、
第1の断面積を有する入口(140、240)と、
前記第1の断面積よりも大きな第2の断面積を有する出口(142、242)と、
前記入口(140)と前記出口(142)との間に延びる中空本体(144、244)と、
を更に含む請求項7又は8に記載のガスタービンエンジン(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−62973(P2009−62973A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−138813(P2008−138813)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY